【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、下部走行体と、該下部走行体上に搭載された上部旋回体と、該上部旋回体に搭載されたエンジンとを備えた建設機械を対象とし、次のような解決手段を講じた。
【0007】
すなわち、第1の発明は、前記エンジンの周囲を覆うとともに、その上面に該エンジンを視認可能なメンテナンス孔が形成された機械室カバーと、
前記機械室カバーの前記メンテナンス孔を開閉自在に塞ぐボンネットと、
前記機械室カバーよりも上方に突出して延び、前記エンジンの排気ガスを該機械室カバー外部に排気するための排気管と、
前記ボンネットと前記排気管との間に配設され、前記機械室カバーの上面に対して所定の隙間を存して踏み面が設けられた足場部材とを備え
、
前記ボンネット及び前記排気管は、前記上部旋回体の左右方向に並ぶように配設され、
前記機械室カバーにおける前記足場部材よりも車両後側には、エンジンオイルの油面ゲージを視認可能な点検孔が形成されていることを特徴とするものである。
【0008】
第1の発明では、エンジンの周囲が機械室カバーで覆われる。機械室カバーの上面には、エンジンを視認可能なメンテナンス孔が形成される。機械室カバーのメンテナンス孔は、ボンネットによって開閉自在に塞がれる。機械室カバーよりも上方には、排気管が突出して延びている。排気管は、エンジンの排気ガスを機械室カバー外部に排気させる。ボンネットと排気管との間には、足場部材が配設される。足場部材の踏み面は、機械室カバーの上面に対して所定の隙間を存して設けられる。
【0009】
このような構成とすれば、足場部材の踏み面と機械室カバーの上面との間に所定の隙間、すなわち、空気の層が設けられることとなるため、エンジンの輻射熱によって機械室カバーが高温となっても、その熱が足場部材に到達するのを空気層によって遮熱することができる。これにより、作業者の歩行面や作業面として使用される足場部材が高温となるのを抑えることができ、作業者の安全を確保することができる。
【0010】
なお、機械室カバーにおけるエンジン側の表面に耐熱性のグラスウールを配設することで、機械室カバーがエンジンの輻射熱で高温となるのを抑えることも考えられるが、グラスウールを取り付けるための部材が別途必要となり、コストアップにつながる。これに対し、本発明では、機械室カバーの上面に所定の隙間を存して足場部材を配設するだけという比較的簡単な構成で、足場部材の遮熱効果を得ることができる。
【0011】
また、ボンネット及び排気管は、上部旋回体の左右方向に並ぶように配設される。機械室カバーにおける足場部材よりも車両後側には、点検孔が形成される。点検孔からは、エンジンオイルの油面ゲージを視認可能となっている。
【0012】
このような構成とすれば、作業者が1つの足場部材に乗って、ボンネットの開閉作業とエンジンオイルの油面ゲージの点検作業とを両方とも行うことができ、作業性が向上する。
【0013】
第
2の発明は、第
1の発明において、
前記機械室カバーの上面に取り付けられ、該機械室カバーを部分的に嵩上げする枠状の嵩上げ部材を備え、
前記機械室カバーには、前記嵩上げ部材の内周縁に沿って開口する開口孔が形成される一方、前記メンテナンス孔は、該嵩上げ部材の上面に形成され、
前記ボンネットは、前記嵩上げ部材の上部に開閉自在に取り付けられ、
前記足場部材は、踏み面と前記嵩上げ部材の上面とが所定の隙間を存するように配設されていることを特徴とするものである。
【0014】
第
2の発明では、機械室カバーの上面に嵩上げ部材が取り付けられ、部分的に嵩上げされる。機械室カバーには、嵩上げ部材の内周縁に沿って開口する開口孔が形成される。嵩上げ部材の上面には、メンテナンス孔が形成される。嵩上げ部材の上部には、ボンネットが開閉自在に取り付けられる。足場部材は、踏み面と嵩上げ部材の上面とが所定の隙間を存するように配設される。
【0015】
このような構成とすれば、機械室内に収容するエンジンや冷却器等が大きくて、その上端が機械室カバーの外側に突き出してしまうような場合に、嵩上げ部材によって機械室カバーを部分的に嵩上げすることで、大型のエンジンや冷却器等を収容することができる。また、この場合には、嵩上げ部材の上面に所定に隙間を存して足場部材を配設することで、作業者は、階段状となった機械室カバー上面の足場部材に昇降してメンテナンス作業を行うことができる。
【0016】
第
3の発明は、第1
又は第2の発明において、
前記足場部材における前記排気管側の側縁部には、上方に延びるガード部材が設けられていることを特徴とするものである。
【0017】
第
3の発明では、足場部材における排気管側の側縁部には、上方に延びるガード部材が設けられる。
【0018】
このような構成とすれば、作業者が足場部材に乗ってかがんだ姿勢のままメンテナンス作業を行う際に、作業者の手や腰などが高温の排気管に誤って触れてしまうことを防止でき、作業者の安全を確保することができる。
【0019】
第
4の発明は、第1乃至第
3の発明のうち何れか1つにおいて、
前記排気管の周囲を覆う排気管カバーと、
前記排気管カバーの上部に取り付けられた手摺り部材とを備えたことを特徴とするものである。
【0020】
第
4の発明では、排気管の周囲は、排気管カバーで覆われる。排気管カバーの上部には、手摺り部材が取り付けられる。
【0021】
このような構成とすれば、作業者が足場部材に乗ってメンテナンス作業を行う際に、手摺り部材を把持しながら作業を行うことができるため、作業者の安全を確保することができる。