特許 5783102 洗車機

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】5783102

(24)【登録日】2015年7月31日

(45)【発行日】2015年9月24日

(54)【発明の名称】洗車機

(51)【国際特許分類】

   B60S 3/06 20060101AFI20150907BHJP

【ＦＩ】

   B60S3/06

【請求項の数】6

【全頁数】10

(21)【出願番号】特願2012-66955(P2012-66955)

(22)【出願日】2012年3月23日

(65)【公開番号】特開2013-199138(P2013-199138A)

(43)【公開日】2013年10月3日

【審査請求日】2014年2月20日

(73)【特許権者】

【識別番号】000003643

【氏名又は名称】株式会社ダイフク

(74)【代理人】

【識別番号】110001933

【氏名又は名称】特許業務法人 佐野特許事務所

(74)【代理人】

【識別番号】100085501

【弁理士】

【氏名又は名称】佐野 静夫

(74)【代理人】

【識別番号】100128842

【弁理士】

【氏名又は名称】井上 温

(74)【代理人】

【識別番号】100149179

【弁理士】

【氏名又は名称】高野 洋一

(72)【発明者】

【氏名】石田 伸浩

【審査官】 三宅 龍平

(56)【参考文献】

【文献】 特開昭６３−１８４５５２（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特開２００７−０９１１６６（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特開２０１０−２６４９３９（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特開２００３−１６００３１（ＪＰ，Ａ）

(58)【調査した分野】（Int.Cl.，ＤＢ名）

Ｂ６０Ｓ ３／００−１３／０２

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

地面に敷設されるとともに走行する被洗浄車両の下面を洗浄する下面洗浄部と、前記下面洗浄部を通過して所定の洗車位置で停車する被洗浄車両に対して前後方向に移動して被洗浄車両の上面及び側面を洗浄する本体部と、を備えた洗車機において、
前記下面洗浄部による洗浄を含む洗車の開始時に、前記本体部が前記下面洗浄部の近傍の誘導位置に配置され、
前記誘導位置から前記本体部による洗浄を開始する開始位置まで前記本体部を所定速度で被洗浄車両の前進方向に進行させて被洗浄車両を前記本体部内への侵入を防止しながら前記洗車位置まで誘導することを特徴とする洗車機。

【請求項2】

表示又は音声による報知部を備え、前記本体部が前記誘導位置に配されると前記報知部から被洗浄車両を誘導するための報知が行われることを特徴とする請求項１に記載の洗車機。

【請求項3】

被洗浄車両が前記下面洗浄部を通過したことを検知する検知センサを有し、被洗浄車両が前記下面洗浄部を通過した後の前記本体部の速度が通過する前よりも大きいことを特徴とする請求項１又は２に記載の洗車機。

【請求項4】

前記本体部内への被洗浄車両の進入を防止する第１遮断機を設け、前記誘導位置から前記開始位置までの間で第１遮断機を閉じることを特徴とする請求項１〜３のいずれかに記載の洗車機。

【請求項5】

前記下面洗浄部の手前の待機位置で停車した被洗浄車両の前方を遮断する第２遮断機を設け、前記本体部が前記誘導位置に配された際に第２遮断機を開くことを特徴とする請求項１〜４のいずれかに記載の洗車機。

【請求項6】

前記下面洗浄部による洗浄を含まない洗浄の開始時に前記洗車位置に被洗浄車両が前進するまで前記本体部が前記開始位置で待機することを特徴とする請求項１〜５のいずれかに記載の洗車機。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は被洗浄車両の下面洗浄を行う下面洗浄部を備える洗車機に関する。

【背景技術】

【0002】

給油所等に洗車機が設置される従来の洗車機は特許文献１に開示される。洗車機は本体部、下面洗浄部（下部洗浄ノズル）及び検知センサを備える。本体部は被洗浄車両を跨ぎ門型に形成され、被洗浄車両に対して前後方向に相対移動する。本体部には回転ブラシ及び送風ノズルを備える。

【0003】

回転ブラシは左右の側部に設けられるサイドブラシと上部に設けられるトップブラシとを有し、駆動モータによって回転して被洗浄車両を洗浄する。送風ノズルは上面に設けられるトップ送風ノズルと、側部に設けられるサイド送風ノズルと、を有し、被洗浄車両に空気を送出して乾燥させる。

【0004】

下面洗浄部は地面に左右に伸びて敷設され、噴射口を上方に向けて配される。噴射口からは液剤や洗浄用の水が噴射されて被洗浄車両の下面を洗浄する。

【0005】

検知センサは下面洗浄部の近傍に地面に立設して配され、被洗浄車両を検知する。

【0006】

ユーザにより被洗浄車両の下面、側面及び上面を洗浄する洗車設定を行が行われると、ユーザの運転により被洗浄車両は下面洗浄部上を走行する。この時、検知センサが被洗浄車両の側面を検知すると、下面洗浄部から液剤や洗浄用の水が噴射されて被洗浄車両の下面を洗浄する。被洗浄車両は下面洗浄部を過ぎると、所定の洗車位置に停止する。

【0007】

その後、本体部の相対移動によって回転ブラシが被洗浄車両に対して当接しながら移動して被洗浄車両の側面及び上面の洗浄が行われる。回転ブラシによる洗浄が終了すると、送風ノズルが被洗浄車両に対して所定距離だけ離間して空気を送出し、被洗浄車両を乾燥させる。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0008】

【特許文献1】特開平１１−１３９２６６号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0009】

しかしながら、上記従来の洗車機によると、被洗浄車両が下面洗浄部上を走行する際に被洗浄車両内のユーザからは下面洗浄部を視認できない。このため、被洗浄車両が下面洗浄部で想定されている速度より速い速度で下面洗浄部を通過してしまう場合がある。これにより、被洗浄車両の下面の洗浄力が低下するという問題があった。

【0010】

本発明は、下面洗浄部による洗浄力の低下を防止できる洗車機を提供することを目的とる。

【課題を解決するための手段】

【0011】

上記目的を達成するために本発明は、地面に敷設されるとともに走行する被洗浄車両の下面を洗浄する下面洗浄部と、前記下面洗浄部を通過して所定の洗車位置で停車する被洗浄車両に対して前後方向に移動して被洗浄車両の上面及び側面を洗浄する本体部と、を備えた洗車機において、前記下面洗浄部による洗浄を含む洗車の開始時に、前記本体部が前記下面洗浄部の近傍の誘導位置に配置され、前記誘導位置から前記本体部による洗浄を開始する開始位置まで前記本体部を所定速度で被洗浄車両の前進方向に進行させて被洗浄車両を前記洗車位置まで誘導することを特徴とする。

【0012】

この構成によると、ユーザにより被洗浄車両の洗車の受け付けが行われると、本体部が下面洗浄部の近傍の誘導位置に配される。本体部は誘導位置から所定速度で被洗浄車両の前進方向に進行して被洗浄車両を誘導し、ユーザが本体部と同じ速度で被洗浄車両を走行させる。これにより、被洗浄車両が下面洗浄部を通過して被洗浄車両の下面が洗浄される。本体部が開始位置に到達すると停止し、被洗浄車両が本体部に面して洗車位置で停車する。そして、本体部が洗車位置の被洗浄車両に対して前後移動し、被洗浄車両の側面及び上面が洗浄される。

【0013】

また、表示又は音声による報知部を備え、前記本体部が前記誘導位置に配されると前記報知部から被洗浄車両を誘導するための報知が行われることを特徴とする。

【0014】

また、被洗浄車両が前記下面洗浄部を通過したことを検知する検知センサを有し、被洗浄車両が前記下面洗浄部を通過した後の前記本体部の速度が通過する前よりも大きいことを特徴とする。

【0015】

また、前記本体部内への被洗浄車両の進入を防止する第１遮断機を設け、前記誘導位置から前記開始位置までの間で第１遮断機を閉じることを特徴とする。

【0016】

また、本前記下面洗浄部の手前の待機位置で停車した被洗浄車両の前方を遮断する第２遮断機を設け、前記本体部が前記誘導位置に配された際に第２遮断機を開くことを特徴とする。この構成によると、洗車設定後、ユーザは被洗浄車両を運転して待機位置で停車する。

【0017】

また、前記下面洗浄部による洗浄を含まない洗浄の開始時に前記洗車位置に被洗浄車両が前進するまで前記本体部が前記開始位置で待機することを特徴とする。

【発明の効果】

【0018】

本発明によると、本体部が誘導位置から本体部の洗車の開始位置まで進行して被洗浄車両を誘導するので、被洗浄車両が下部洗浄部上を高速で通過することを防止できる。従って、下部洗浄部による洗浄力の低下を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【0019】

【図1】本発明の実施形態の洗車機の全体構成を示す側面図

【図2】本発明の実施形態の洗車機の本体部の構成を示す正面図

【図3】本発明の実施形態の洗車機の下面洗浄部を示す平面図

【図4】本発明の実施形態の洗車機の全体構成を示す側面図

【図5】本発明の実施形態の洗車機の全体構成を示す側面図

【図6】本発明の実施形態の洗車機の全体構成を示す側面図

【図7】本発明の実施形態の洗車機の全体構成を示す側面図

【図8】本発明の実施形態の洗車機の全体構成を示す側面図

【図9】本発明の実施形態の洗車機の全体構成を示す側面図

【図10】本発明の実施形態の洗車機の全体構成を示す側面図

【発明を実施するための形態】

【0020】

以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図１、図２は本発明の一実施形態の洗車機の全体構成を示す側面図及び正面図である。洗車機ＷＡは本体部１、レール２、リモートパネル７Ａ、下面洗浄部３５、遮断機（第２遮断機）３２及び検知センサ（第２検知センサ）３３を備えている。

【0021】

本体部１は左右に対向する２つのスタンド部９０と、スタンド部９０の上端を連結する天井部９１とを有して門型に形成される。

【0022】

レール２は地面Ｇに左右一対に設けられ、本体部１の底面に設けた車輪３がレール２上に配される。これにより、本体部１は走行モータ（不図示）の駆動によりレール２上を走行して被洗浄車両ＣＡに対して前後に相対移動するように立設される。

【0023】

リモートパネル７Ａは本体部１の進入経路上に配される。リモートパネル７Ａには各種洗車の設定を行う操作ボタン、報知部７Ｂが設けられる。ユーザは被洗浄車両ＣＡ内からリモートパネル７Ａの操作ボタンの操作によって洗車の受け付けの操作を行う。報知部７Ｂは表示又は音声による報知を行う。また、本体部１が誘導位置Ｔ１（図５参照）に配されると報知部７Ｂから被洗浄車両ＣＡを誘導するための報知が行われる。

【0024】

遮断機３２は地面に立設して設けられる。遮断機３２は支柱３２ｂ、バー３２ａ及び駆動モータ（不図示）を備える。支柱３２ｂは地面より垂直に立設して設けられる。バー３２ａは支柱３２ｂの上端に配される回動軸（不図示）に接続される。駆動モータの駆動によりバー３２ａが水平方向に保たれて被洗浄車両ＣＡの進行を遮断し、バー３２ａが垂直方向に保たれて被洗浄車両ＣＡの進行を可能にする。

【0025】

遮断機３２の近傍には検知センサ（第２検知センサ）３３が地面Ｇに立設して設けられる。検知センサ３３は電波センサにより形成され、本体部１に走行する被洗浄車両ＣＡの側面に電波を当てることにより被洗浄車両ＣＡの側面を検知する。

【0026】

両スタンド部９０には検知センサ９が設けられる。検知センサ９は光電センサや電波センサ等により形成され、本体部１の走行によって被洗浄車両ＣＡの外面形状を検知する。

【0027】

スタンド部９０の下部には棒状に形成されて被洗浄車両ＣＡの進入を防止する遮断機（第１遮断機）３０が設けられる。遮断機３０は駆動モータ（不図示）の駆動により回動軸３０ａを中心に回動する。これにより遮断機３０は本体部１の開口部１００への被洗浄車両ＣＡの進入の防止及び許可を行う。

【0028】

遮断機３０の略中央には検知センサ（第１検知センサ）３１が設けられる。検知センサ３１は電波センサにより形成され、本体部１に向かって走行する被洗浄車両ＣＡの前面を検知する。

【0029】

本体部１の側方には洗剤やワックス等の各種液剤を貯液した複数の貯液タンク（不図示）を収納するタンク収納部５０が配される。タンク収納部５０の上方には市水及び各貯液タンクからの液剤を分配する分配配管部５１が設けられる。分配配管部５１には第１、第２浄水ノズル１１、１３、第１、第２洗剤ノズル１２、１５、撥水コートノズル１４、ワックスノズル１６がそれぞれ電磁弁を介して導出される。

【0030】

第１、第２浄水ノズル１１、１３は本体部１の手前側及び奥側にそれぞれ配され、被洗浄車両ＣＡに対して市水を噴射する。第１、第２洗剤ノズル１２、１５は本体部１の手前側及び奥側にそれぞれ配され、被洗浄車両ＣＡに対して洗剤を噴射する。

【0031】

撥水コートノズル１４は本体部１の奥側に配され、被洗浄車両ＣＡに対して撥水コート剤を噴射する。ワックスノズル１６は本体部１の奥側に配され、被洗浄車両ＣＡに対してワックスを噴射する。

【0032】

本体部１には被洗浄車両ＣＡ上に摺動してブラッシングする複数の回転ブラシが設けられる。回転ブラシは駆動モータ（不図示）によって回転駆動され、回転負荷に応じて被洗浄車両ＣＡに対して接離する。回転ブラシはサイドブラシ５、トップブラシ４及びロッカーブラシ６から成る。

【0033】

トップブラシ４は軸部（不図示）にブラシ毛（不図示）を放射状に固着して形成される。昇降モータ（不図示）によってトップブラシ４が昇降し、被洗浄車両ＣＡに対して接離する。これにより、トップブラシ４が被洗浄車両ＣＡに沿って移動し、被洗浄車両ＣＡの上面が洗浄される。サイドブラシ５、ロッカーブラシ６は左右一対設けられ、被洗浄車両ＣＡの側面、タイヤを含む側面下部を洗浄する。サイドブラシ５、ロッカーブラシ６も同様に軸部（不図示）にブラシ毛（不図示）を放射状に固着して形成される。

【0034】

また、本体部１には被洗浄車両ＣＡを乾燥させる気流を発生するブロア２０が設けられる。ブロア２０にはトップ送風ノズル２１及びサイド送風ノズル２２が接続される。トップ送風ノズル２１は本体部１の中央上部に設けられ、被洗浄車両ＣＡに沿って昇降して被洗浄車両ＣＡの上面に向けて送風する。

【0035】

サイド送風ノズル２２は本体部１の両側部に設けられ、被洗浄車両ＣＡの側面に向けて送風する。トップ送風ノズル２１及びサイド送風ノズル２２の送風によって洗浄後の被洗浄車両ＣＡを乾燥させる。

【0036】

本体部１の一方のスタンド部９０の前面には操作パネル７が配される。操作パネル７はリモートパネル７Ａと同様の操作ボタンを備え、被洗浄車両ＣＡから降車したユーザ等の操作により洗車の受け付けや洗車条件の設定を行う。

【0037】

操作パネル７及びリモートパネル７Ａに設けたボタンにより、シャンプー、ワックス掛け、撥水コート等を水洗いに追加して洗車条件を設定することができる。また、高級なシャンプー、高級なワックス、高級な撥水コート、特殊なコート等を行うボタンも操作パネル７及びリモートパネル７Ａに設けられる。

【0038】

更に、フロントガード有り、フェンダーポール有り、サイドミラー有り、リヤワイパー有り、ルーフキャリア有り、該当装備品無し等の装備品設定ボタンが設けられている。また、下面洗浄部３５を用いて被洗浄車両ＣＡの下面を洗浄するか否かの設定も操作パネル７やリモートパネル７Ａで行う。

【0039】

下面洗浄部３５は検知センサ３３の近傍で地面に左右に伸びて敷設される。図３は下面洗浄部３５の平面図を示す。下面洗浄部３５は噴射ノズル３５ａ、凹部３５ｂを備えている。

【0040】

凹部３５ｂは地面Ｇに凹設され、噴射ノズル３５ａは凹部３５ｂ内に複数並設される。下面洗浄部３５は検知センサ３３の検知結果に応じて噴射ノズル３５ａから洗浄水を上方に噴射し、被洗浄車両ＣＡの下面を洗浄する。

【0041】

上記構成の洗車機ＷＡにおいて、被洗浄車両ＣＡが下部洗浄部３５上を走行して下部洗浄部３５による被洗浄車両ＣＡの下面の洗浄が行われる。また、下部洗浄部３５を通過して所定の洗車位置Ｓ２で停車した被洗浄車両ＣＡに対して本体部１が前後に移動し、被洗浄車両ＣＡの側面及び上面の洗浄が行われる。

【0042】

図４〜図１０は被洗浄車両ＣＡの洗車動作を示す側面図である。図４に示すようにユーザが運転する被洗浄車両ＣＡはリモートパネル７Ａの面前に停車する。そして、被洗浄車両ＣＡ内から手を伸ばしてリモート操作パネル７Ａより被洗浄車両ＣＡの下面、側面及び上面を洗浄する設定が行われる。この時、本体部１は開始位置Ｔ２に配されて待機する。

【0043】

被洗浄車両ＣＡの下面の洗浄を含む洗車設定が行われると、図５に示すように本体部１は開始位置Ｔ２から下面洗浄部３５近傍の誘導位置Ｔ１へと走行する。

【0044】

そして、図６に示すようにユーザは被洗浄車両ＣＡを運転して遮断機３２手前の待機位置Ｓ１へと移動する。この時、検知センサ３１が被洗浄車両ＣＡの前面を検知すると、報知部７Ｂにより「遮断機が上がると、洗車機本体の走行に合わせてゆっくりと進んで下さい」などと表示や音声により案内する。

【0045】

次に、図７に示すようにバー３２ａが水平方向から垂直方向に回動して遮断機３２が開放されると、本体部１は誘導位置Ｔ１から被洗浄車両ＣＡの前進方向に所定の速度Ｄ１で移動する。これにより、本体部１により被洗浄車両ＣＡが誘導され、本体部１と同じ速度で被洗浄車両ＣＡが前進する。この時、本体部１の遮断機３０が閉じられ、本体部１内への被洗浄車両ＣＡの進入が防止される。

【0046】

被洗浄車両ＣＡは前進によって下部洗浄部３５上を走行する。下部洗浄部３５の近傍の検知センサ３３が被洗浄車両ＣＡを検知すると下部洗浄部３５から洗浄水Ｗが噴射される。これにより、被洗浄車両ＣＡの下面が洗浄される。

【0047】

図８に示すように被洗浄車両ＣＡが検知センサ３３を通過すると、下面洗浄部３５による洗浄が終了する。そして、本体部２が速度Ｄ１よりも大きい速度Ｄ２で移動する。これにより、本体部１は早期に被洗浄車両ＣＡを開始位置Ｓ２（図９参照）に移動させることができ、洗車時間の短縮を図ることができる。

【0048】

図９に示すように本体部１が開始位置Ｔ２で停止すると、被洗浄車両ＣＡは本体部１による洗浄が可能な洗車位置Ｓ２に停車する。開始位置Ｔ２はレール２の近傍に配され、ユーザはストップ案内板・回転灯（いずれも不図示）などを参考にして開始位置Ｔ２に停止する。

【0049】

洗車位置Ｓ２に被洗浄車両ＣＡが停車すると、本体部１の遮断機３０は水平方向から垂直方向に回動する。そして、図１０に示すように本体部１が前後方向に移動して被洗浄車両ＣＡの洗浄、乾燥が開始される。洗浄を行う洗浄工程では本体部１の相対移動によって回転ブラシが被洗浄車両ＣＡに対して当接しながら前後方向に移動して洗浄する。洗浄工程が終了すると、乾燥工程が行われ、送風ノズルは被洗浄車両ＣＡに対して所定距離だけ離間して空気を送出する。

【0050】

尚、下面洗浄部３５による洗浄を含まない洗車の開始時には洗車位置Ｓ２に被洗浄車両ＣＡが前進するまで本体部１が開始位置Ｔ２で待機する。そして、被洗浄車両ＣＡが洗車位置Ｓ２に到達すると本体部１が前後方向に移動して洗浄及び乾燥が行われる。洗浄及び乾燥が終了すると洗車機ＷＡによる洗車が終了する。

【0051】

また、次の被洗浄車両ＣＡが下面洗浄部３５による洗車設定をしている場合には本体部１は開始位置Ｔ２に戻らず、誘導位置Ｔ１へ移動する。これにより、次の洗車時間の短縮を図ることができる。

【0052】

本実施形態によると、本体部１が誘導位置Ｔ２から本体部１の洗車の開始位置Ｔ２まで進行して被洗浄車両ＣＡを誘導するので、被洗浄車両ＣＡが下部洗浄部３５上を高速で通過することを防止できる。従って、下部洗浄部３５による洗浄力の低下を防止することができる。

【0053】

表示又は音声による報知部７Ｂを備え、本体部１が誘導位置Ｔ１に配されると報知部７Ｂから被洗浄車両ＣＡを誘導するための報知が行われるため、本体部１は容易に被洗浄車両ＣＡを誘導する。

【0054】

また、被洗浄車両ＣＡが下面洗浄部３５を通過した後の本体部１の速度が通過する前よりも大きいため、早期に被洗浄車両ＣＡを洗車位置Ｓ２に誘導し、洗車時間の短縮を行うことができる。

【0055】

また、誘導位置Ｔ１から開始位置Ｔ２までの間に本体部１内への被洗浄車両ＣＡの進入を防止する遮断機３０を設けたため、本体部１内への進入を防止することができる。

【0056】

また、下面洗浄部３５の手前の待機位置Ｓ１で停車した被洗浄車両ＣＡの前方を遮断する遮断機３２を設け、本体部１が誘導位置Ｔ１に配された際に遮断機３２を開くため、本体部１による被洗浄車両ＣＡの誘導を確実にすることができる。

【0057】

また、下面洗浄を含まない洗浄の開始時に洗車位置Ｓ２に被洗浄車両ＣＡが前進するまで本体部１が開始位置で待機するため、本体部１による洗浄をすぐに開始できる。

【産業上の利用可能性】

【0058】

本発明によると、被洗浄車両の下面洗浄を行う下面洗浄部を備える洗車機に利用することができる。

【符号の説明】

【0059】

１ 本体部
４ トップブラシ
５ サイドブラシ
６ ロッカーブラシ
７ 操作パネル
７Ａ リモートパネル（操作部）
７Ｂ 報知部
３０ 遮断機（第１遮断機）
３１ 検知センサ（第１検知センサ）
３２ 遮断機（第２遮断機）
３２ａ バー
３２ｂ 支柱
３３ 検知センサ（第２検知センサ）
３５ 下面洗浄部
ＣＡ 被洗浄車両
Ｓ１ 待機位置
Ｓ２ 洗車位置
Ｔ１ 誘導位置
Ｔ２ 開始位置
ＷＡ 洗車機

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】