【実施例1】
【0019】
図1は、実施例1に係る積層型の蓄電装置100の断面図である。蓄電装置100は、ケース1と、電極組立体60と、集電端子65,67と、第1正極用導電部材13と、第2正極用導電部材68と、負極用導電部材64と、正極外部端子19と、負極外部端子119と、絶縁部材61,66と、電流遮断装置2を備えている。電極組立体60は、正極活物質と正極集電体とを含む正極シートと、負極活物質と負極集電体とを含む負極シートと、正極シートと負極シートとの間に挟まれてそれぞれを分離する、シート状のセパレータとを備えている。電極組立体60は、正極シート、セパレータ、負極シートが層状にこの順序でそれぞれ多数積層された積層体であり、液状の電解質が含浸されている。
【0020】
ケース1は略直方体形状の箱型部材であり、内部に電極組立体60と、集電端子65,67と、第1正極用導電部材13と、第2正極用導電部材68と、負極用導電部材64と、絶縁部材61、66と、電流遮断装置2とを収容している。ケース1の上端面には、正極外部端子19と負極外部端子119が設けられている。電極組立体60の複数の正極シートの集電体は、集電端子67によって束ねられており、複数の負極シートの集電体は集電端子65によって束ねられている。電極組立体60は、絶縁性のフィルムによって覆われており、集電端子67,65に接続する部分において、絶縁性のフィルムから突出している。
【0021】
集電端子65,67は、電極組立体60からケース1の上端面に向けて伸び、途中で
図1の紙面の表側に向かって屈曲して、ケース1の上端面に略平行な平坦部を有する形状に形成されている。
【0022】
図1に示すように、負極用導電部材64は、平板状の導電性部材である。負極用導電部材64は、集電端子65から負極外部端子119に向かって、ケース1の上端面に対して略平行に伸びている。負極用導電部材64と集電端子65は溶接によって固定されている。このように、電極組立体60の負極から負極外部端子119までの負極通電経路は、この順で直列に接続された集電端子65と,負極用導電部材64とによって電気的に接続されている。
【0023】
図1に示すように、第1正極用導電部材13は、電流遮断装置2と第2正極用導電部材68との間に直列に接続されており、溶接によって互いに固定されている。第2正極用導電部材68は、平板状の導電性部材である。第2正極用導電部材68は、正極外部端子19に向かってケース1の上端面に対して略平行に伸びている。第2正極用導電部材68は、集電端子67と溶接によって固定されている。電流遮断装置2は、その上面側において正極外部端子19と固定されている。正極外部端子19と第1正極用導電部材13とは、電流遮断装置2を介して電気的に接続されている。このように、電極組立体60の正極から正極外部端子19までの正極通電経路は、この順で直列に接続された集電端子67と、第2正極用導電部材68と、第1正極用導電部材13と、電流遮断装置2とによって電気的に接続されている。なお、負極用導電部材64、第1正極用導電部材13および第2正極用導電部材68と、ケース1の上端面との間に、絶縁部材66が設けられており、これによって負極用導電部材64、第1正極用導電部材13および第2正極用導電部材68とケース1とは絶縁されている。
【0024】
図2に示すように、電流遮断装置2は、変形板3と、通電板4と、接点板5と、シール材14,17と、支持部材11,20と、突起12とを備えている。通電板4は、第1正極用導電部材13と電気的に接続している。接点板5は、封口蓋体7を介して、正極外部端子19と電気的に接続している。正極外部端子19側から、電極組立体60側に向かう方向(
図2の上から下に向かう方向)に、接点板5、通電板4、変形板3がこの順で配置されている。接点板5と通電板4との間には、シール材17が挟持されており、通電板4と変形板3との間には、シール材14が挟持されている。
【0025】
封口蓋体7は、外周部において接点板5と接触して電気的に導通するように絶縁性の支持部材11で挟着されている。また、封口蓋体7は、接点板5と接点部を構成する外周端以外の内面部分は上方に窪んだ凹部18とされ、後述する変形板3の変形による接点板5の上方への変形を許容する空間を形成している。
【0026】
封口蓋体7の上面とケース1の内面との間には絶縁性のシール部材10が装着されており、封口蓋体7とケース1とは電気的に絶縁されている。支持部材11は、絶縁性であり、樹脂モールドで成形され、断面が略U字状でリング状に形成されている。支持部材11の略U字状の内面でもって、変形板3の外周部、シール材14,17、通電板4の外周部および封口蓋体7の外周部を覆うとともにこれらの部材を積層状に挟着し、一体的に保持している。支持部材11の外面には、金属製のカシメ支持部材20が被覆されている。
【0027】
変形板3は、薄板、例えば、金属性のダイアフラムからなり、外周部において支持部材11で固定される。電流遮断装置2の内部はシール材14により、ケース1内の電極組立体60側とシールされている。変形板3は、電流遮断装置2の外面となるように配置されており、その下面側は、ケース1内の電極組立体60側の領域に面し、その上面側は、電流遮断装置2の内側に面している。変形板3によって、電流遮断装置2の内部は、ケース1内の電極組立体60側の領域から離隔されている。また、変形板3の中央部には、通電板4の側に向けて突出する絶縁性の突起12が設けられている。突起12は、円柱形状をなしており、通電板4側の面が当接面24である。電極組立体60と対向する変形板3の下面側は、平面状の受圧部22である。
図3に示すように、突起12は、当接面24の近傍である近位部分(
図3等に示す突起12の上端部)に係止部12aを備えている。係止部12aは、突起12の近位部分において、突起12の円周方向全体に形成されている凸部である。
図3に示すように、突起12を高さ方向に切断した断面において係止部12aは三角形状であり、その上下方向の中央部分が最も突出するとともに、中央部分から上下方向に向かうに従って突起12の円柱形状の側面に向かって徐々に低くなる形状を有している。
【0028】
通電板4は、中央部34と周辺部15とを備えている。中央部34は、変形板3の突起12の当接面24の上方に位置している円板であり、周辺部15は、その中央に円形の孔部を有する円板である。
図2の状態で、周辺部15の中央の孔部の外径は、中央部34および突起12の外径よりも小さい。中央部34の上面は、接続部6であり、通電板4は、接続部6において接点板5と接している。周辺部15は中央部34の周囲において薄く形成されており、変形板3側から通電板4側に向かう方向(
図3等に示す上方向)に湾曲する係止受け部35を備えている。中央部34の下面の周縁と、周辺部15の係止受け部35の端部の上面とは、溶接によって接合されている。中央部34に上方向に所定の力が作用すると、中央部34と係止受け部35とは引き離される。通電板4の周辺部15は、第1正極用導電部材13と溶接によって固定されており、これによって、電極組立体60の正極と電気的に接続している。
【0029】
接点板5は、導電性の平板形状の薄板、例えば、導電性金属ダイアフラムからなり、外周部において支持部材11で固定されている。接点板5は、その中央部の下面の接続部23において、通電板4の接続部6と接触している。通電板4の接続部6と接点板5の接続部23とは、溶接によって互いに固定されており、電気的に接続している。
【0030】
電極組立体60から正極外部端子19に向かって、集電端子67、第2正極用導電部材68、第1正極用導電部材13、通電板4、接点板5、封口蓋体7はこの順序で直列に接続されている。
図2の矢印は、電極組立体60から正極外部端子19までの正極通電経路21を示している。
【0031】
図3〜
図5を用いて、電流遮断装置2によって蓄電装置100による通電経路21の遮断について説明する。
図3に示すように、蓄電装置100の通常動作時には、通電板4の中央部34と周辺部15が接続しており、正極通電経路21が接続されている。
【0032】
蓄電装置100の過充電時に、電極組立体60から水素ガス等が発生し、ケース1内の電極組立体60側の圧力が上昇すると、
図4に示すように、変形板3が上昇することによって突起12も上昇し、当接面24が通電板4の中央部34に当接して、中央部34を周辺部15から引き離すように上方向に押圧する。突起12は、中央部34に当接する際に、係止受け部35の端部にも接触する。係止受け部35は、上方向に湾曲して薄く形成されているため、突起12によって押圧されることによって、周辺部15の中央の孔部の外径が広がるように変形し、突起12の係止部12aが周辺部15の孔部を通過する。これによって、中央部34と周辺部15が離間され、正極通電経路21が遮断する。なお、突起12の係止部12aは、突起12から最も突出する中央部分に向かって突起12の当接面24側から緩やかに傾斜しており、周辺部15の係止受け部35は、上方向に湾曲しているため、周辺部15の中央の孔部の外径は容易に広がり、突起12が通過することができる。係止部12aと係止受け部35とが係合する等によって突起12が中央部34を引き離すことを妨げることはない。
【0033】
突起12が通電板4を分離した後、蓄電装置100のケース1内の圧力が下降すると、
図5に示すように、一旦上昇した変形板3が下降し、突起12が下降する。突起12が下降すると、突起12の係止部12aが通電板4の係止受け部35によって係止される。これによって、突起12が中央部34と係止受け部35との間に入り込んだ状態となり、中央部34と係止受け部35との再接続が回避される。係止受け部35は、上方向に湾曲しているため、突起12によって下方向に押圧されても、周辺部15の中央の孔部の外径が広がって突起12の係止部12aが通過することはない。
【0034】
上記のとおり、蓄電装置100の電流遮断装置2では、ケース1内の電極組立体60側の内圧が所定レベルを超えて上昇した際に変形板3が変形し、これによって突起12が通電板4を分離することによって、電極組立体60と正極外部端子19との正極通電経路21が遮断される。突起12の外表面には係止部12aが設けられており、分離した通電板4の周辺部15の係止受け部35に係止する。このため、通電板4の中央部34と周辺部15とが分離された状態が維持され、正極通電経路21が遮断された状態が維持される。突起12の係止部12aは、突起12の形状を変更することによって簡便に設けることができ、設置スペースを新たに確保する必要がない。すなわち、上記の電流遮断装置2によれば、特許文献1の保持機構のような別部材を設けることなく、突起12に形成された係止部12aという簡易かつ省スペースな構成で確実に正極通電経路21の再接続を防止することができる。また、係止部12aは、当接面24の近位部分に設けられているから、変形板3の変形量が小さい場合であっても、確実に係止受け部35に係止できる。
【0035】
また、上記の電流遮断装置2では、通電板4は、突起12の周囲で変形板3側から通電板4側に向かう方向(
図3等に示す上方向)に湾曲する係止受け部35を備えている。係止受け部35によれば、突起12が上昇する際には、周辺部15の中央の孔部の外径が広がるように変形するため、突起12の係止部12aが周辺部15の中央の孔部を通過し易い。また、係止受け部35によれば、突起12によって通電板4の中央部34と周辺部15が分離した際に突起12の係止部12aと係合し、突起12の係止をより確実にし、より確実に正極通電経路21の再接続を防止することができる。突起12の係止部12aと同様に、係止受け部35は、正極通電経路21の一部である通電板4の形状を変更することによって簡便に設けることができ、設置スペースを新たに確保する必要がない。
【0036】
また、上記の電流遮断装置2では、変形板3により、通電板4と接点板5との接続部6,23が電解液雰囲気中と遮断されるため、電解液や周囲環境による接続部6,23の劣化を防止することができ、また、通電経路の破断時にアーク(火花)が発生しても、水素ガスが発生しているケース1内の電極組立体60側に影響が無い。さらに、変形板3は外周の固定部以外とは他の部材と接触していないため、変形板3は溶接強度の影響を受けることがなく、内部圧力によって安定して作動される。
【0037】
また、上記の電流遮断装置2では、第1接続部6、及び第2接続部23は、夫々、通電板4および接点板5における中央部に形成されている。このため、変形板3の当接面24をその中央部に配置することができ、変形板3の変形量の大きい部分を遮断のために有効に利用することができる。
【0038】
また、上記の電流遮断装置2では、変形板3の中央部には接点板5の側に向けて突出する絶縁性の突起12が設けられており、突起12に当接面24が形成されている。このため、通電経路の遮断後は、絶縁性の突起12により通電板4と接点板5との再接触が防止されるとともに、変形板3に設けられた突起12の衝撃力が接続部6,23の破断荷重のバラツキを補うため電流遮断圧力が安定する。
【0039】
また、上記の電流遮断装置2では、変形板3及び接点板5が薄板から構成されている。このため、変形板3及び接点板5の製造が容易となる。また、変形板3及び接点板5の作動が安定したものとなる。
【0040】
(変形例)
上記の実施例1では、円柱形状の突起12は、その周方向の全体に形成された係止部12aを有していたが、これに限られない。例えば、
図6に示す突起112のように、周方向の一部に形成された係止部112aを有していてもよい。係止部112aは、分離した通電板4が再接続しない範囲で形成する位置等を自由に設計することができる。
【実施例2】
【0041】
実施例2に係る蓄電装置は、電流遮断装置の突起の形状において実施例1と相違している。
図7に示すように、実施例2に係る電流遮断装置では、変形板3に設けられた突起212は、中空の円管形状である。円管形状の突起212の周方向の外表面の上端部には、実施例1の係止部12aと同様の形状の係止部212aが設けられている。蓄電装置のその他の構成は、実施例1の蓄電装置100と同様であるため、説明を省略する。
図7に示すように、蓄電装置の通常動作時には、通電板4の中央部34と周辺部15が接続しており、正極通電経路が接続されている。
【0042】
蓄電装置の過充電時に、ケース1内の電極組立体60側の圧力が上昇すると、
図8に示すように、変形板3が上昇することによって突起212も上昇し、突起212が当接面において通電板4の中央部34の下面に当接して、中央部34を周辺部15から引き離すように上方向に押圧する。この際、係止受け部35も突起212とも接触し、互いに力を及ぼし合う。突起212は円管形状の中空部材であるため、係止受け部35に接触することによって、
図8に矢印で示すように、その外周面が内側に入り込むように変形し、その上端部における外径が小さくなって、周辺部15の中央の孔部を通過する。これによって、中央部34と周辺部15が離間され、正極通電経路が遮断する。
【0043】
周辺部15の中央の孔部を通過すると、突起212の上端部における外径は元の状態に戻る。突起212が通電板4を分離した後、蓄電装置のケース1内の圧力が下降すると、
図9に示すように、一旦上昇した変形板3が下降し、突起212が下降する。突起212の上端部における外径は元の状態に戻っているため、突起212が下降すると、突起212の係止部212aが通電板4の係止受け部35によって係止される。これによって、突起212が中央部34と係止受け部35との間に入り込んだ状態となり、中央部34と係止受け部35との再接続が回避される。
【0044】
上記のとおり、実施例2においても、実施例1と同様に、突起212に形成された係止部212aという簡易かつ省スペースな構成で確実に正極通電経路の再接続を防止することができる。また、突起212は、中空部材であるため、中央部34を周辺部15から引き離すように上方向に押圧する際に、周辺部15の孔部を通過し易いように、外径を縮めるように変形できる。このため、通電板4の係止受け部35を変形し易いように薄くする必要がない。
図2に示すように、係止受け部35は、正極通電経路21の一部である。実施例2によれば、通電時の電気抵抗を低減するために、係止受け部35を厚くすることも可能である。
【実施例3】
【0045】
実施例3に係る蓄電装置は、電流遮断装置の突起の形状において実施例1と相違している。
図10に示すように、実施例3に係る電流遮断装置では、変形板3に設けられた突起312は、円柱形状であり、その周方向の外表面の上端部に、係止部312aが設けられている。係止部312aは、円周方向に180°離間して配置された2つ板状部材であり、突起312の当接面となる上端面から斜め下方向に、突起312の外周方向に広がるように伸びている。蓄電装置のその他の構成は、実施例1の蓄電装置100と同様であるため、説明を省略する。
図10に示すように、蓄電装置の通常動作時には、通電板4の中央部34と周辺部15が接続しており、正極通電経路が接続されている。
【0046】
蓄電装置の過充電時に、ケース1内の電極組立体60側の圧力が上昇すると、
図11に示すように、変形板3が上昇することによって突起312も上昇し、突起312が当接面において通電板4の中央部34の下面に当接して、中央部34を周辺部15から引き離すように上方向に押圧する。この際、係止受け部35も突起312と接触し、係止受け部35の端部と係止部312aが接触する。係止部312aは、係止受け部35に接触することによって、
図11に矢印で示すように、突起312の円柱形上の側面に近づくように変形し、突起312の上端部における外径が小さくなって、係止部312aが周辺部15の中央の孔部を通過する。これによって、中央部34と周辺部15が離間され、正極通電経路が遮断する。
【0047】
周辺部15の中央の孔部を通過すると、
図12に示すように、係止部312aは元の状態に戻る。その後、蓄電装置のケース1内の圧力が下降すると、
図13に示すように、一旦上昇した変形板3が下降し、突起312が下降する。係止部312aは元の状態に戻っているため、突起312が下降すると、突起312の係止部312aの下面が通電板4の係止受け部35によって係止される。この場合、係止受け部35は、係止部312aを突起312の外周方向に広げるように力を及ぼすため、突起312は確実に係止される。これによって、突起312が中央部34と係止受け部35との間に入り込んだ状態となり、中央部34と係止受け部35との再接続が回避される。
【0048】
上記のとおり、実施例3においても、実施例1,2と同様に、突起312に形成された係止部312aという簡易かつ省スペースな構成で確実に正極通電経路の再接続を防止することができる。また、突起312の係止部312aは、中央部34を周辺部15から引き離すように上方向に押圧する際に、周辺部15の孔部を通過し易いように変形できる。このため、実施例2と同様に、通電板4の係止受け部35を変形し易いように薄くする必要がなく、通電時の電気抵抗を低減するために、係止受け部35を厚くすることも可能である。また、一旦上昇した変形板3が下降し、突起312が下降する際には、係止受け部35から受ける力によって、突起312の外周方向に広がるように係止部312aが変形するから、中央部34と係止受け部35との再接続をより確実に回避できる。
【0049】
(変形例)
実施例1〜3では、電流遮断装置の通電板が中央部と周辺部とを備えている場合を例示して説明したが、これに限定されない。例えば、
図14に示すように、突起412の上方で互いに接する通電板404a,404bを備えていてもよい。通電板404a,404bは、突起412の上方で、上方に向かって湾曲して互いに接触する第1部分435a,435bと、第1部分435a,435bから接点板5に沿ってさらに横方向に湾曲するとともに、接点板5と接触する第2部分434a,434bとを備えている。突起412およびその係止部412aは、実施例1の突起12およびその係止部12aと同様である。その他の構成は、実施例1の電流遮断装置2と同様であるため、説明を省略する。
【0050】
蓄電装置の過充電時に、ケース1内の電極組立体60側の圧力が上昇すると、
図15に示すように、変形板3が上昇することによって突起312も上昇し、突起412が通電板404a,404bの間に入り込んで、通電板404a,404bを分離する。突起412の係止部412aが通電板404a,404bの上方に移動すると、中央部34と周辺部15が離間され、正極通電経路が遮断するとともに、係止部412aの下方に第2部分434a,434bが係合する。これによって、突起412が通電板404a,404bの第2部分434a,434bと接点板5との間に入り込んだ状態となり、接点板5と通電板404a,404bとの再接続が回避される。
【0051】
なお、上記の実施例では、電流遮断装置は、正極通電経路上に配置したが、負極通電経路上に配置してもよい。また、突起の係止部が凸部である場合を例示して説明したが、係止部が凹部であっても、同様の作用効果を得ることができる。また、突起の外表面の一部の摩擦抵抗を高くすることによって係止部を構成してもよい。この場合でも、突起に形成された係止部という簡易かつ省スペースな構成で確実に正極通電経路の再接続を防止することができる。
【0052】
以上、本発明の実施形態および実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0053】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。