(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記受付手段により受け付けられた前記印刷指示情報が指示する印刷が前記取り消し手段によって取り消された場合に、前記記憶手段に記憶された文書データであって、前記取り消し手段により印刷が取り消された結果、印刷がなされないことになった文書データを削除する削除手段を更に備える請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の印刷管理装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[コンピュータシステム]
図1は、本実施の形態における印刷管理システムの一例としてのコンピュータシステムの全体構成例を示したものである。
図示するように、このコンピュータシステムは、画像形成装置10a,10b,10cと、集計サーバ30と、端末装置50a,50b,50cとがネットワーク80に接続されることにより構成されている。尚、図では、画像形成装置10a,10b,10cを示したが、これらを区別する必要がない場合は、画像形成装置10と称することもある。また、図には、3つの画像形成装置10しか示していないが、4つ以上の画像形成装置10を設けてもよい。更に、図では、端末装置50a,50b,50cを示したが、これらを区別する必要がない場合は、端末装置50と称することもある。また、図には、3つの端末装置50しか示していないが、4つ以上の端末装置50を設けてもよい。
【0010】
画像形成装置10は、電子文書の一例である文書データの画像を記録媒体に印刷し、印刷文書として出力する装置である。この画像形成装置10は、プリンタの機能のみを備えたものであってもよいし、他にスキャナやファクシミリの機能を備えたものであってもよい。
集計サーバ30は、各画像形成装置10で管理される情報の集計を行い、集計結果を各端末装置50に提供するサーバコンピュータである。ここで、集計サーバ30としては、例えば、パーソナルコンピュータやワークステーション、その他のコンピュータを用いるとよい。
端末装置50は、画像形成装置10に対して文書データの印刷を指示するコンピュータ装置である。ここで、端末装置50としては、例えば、パーソナルコンピュータやワークステーション、その他のコンピュータを用いるとよい。
ネットワーク80は、各種情報の交換に用いる通信手段である。このネットワーク80としては、インターネットやLAN(Local Area Network)が例示される。
【0011】
尚、本明細書では、記録媒体に記録する画像の元となる電子データを「文書データ」と表記するが、これは、テキストを含む「文書」を電子化したデータのみを意味するものではない。例えば、絵、写真、図形等の画像データ(ラスタデータかベクターデータかによらない)、データベース管理ソフトウェアや表計算ソフトウェアで記録されるデータ、その他の印刷可能な電子データも含めて「文書データ」としている。
また、本明細書において、「記録媒体」は、画像を印刷可能な媒体であれば、その材質は問わない。代表例は紙であるが、OHPシートや金属板等であっても構わない。
【0012】
ところで、近年、環境問題への意識が高まっており、このようなコンピュータシステムにおいても、画像形成装置10で使用される記録媒体等の削減量をユーザ側で把握できるようにすることが求められている。そこで、本実施の形態では、消費が抑制された記録媒体等をカウンタでカウントするようにした。
以下、消費が抑制された記録媒体等のカウンタを管理する画像形成装置10、各画像形成装置10で管理されるカウンタの情報を集約する集計サーバ30の順に説明する。
【0013】
[画像形成装置]
図2は、画像形成装置10のハードウェア構成例を示した図である。
図示するように、画像形成装置10は、CPU(Central Processing Unit)11と、RAM(Random Access Memory)12と、ROM(Read Only Memory)13と、HDD(Hard Disk Drive)14と、操作パネル15と、画像読取部16と、画像形成部17と、通信インターフェースコントローラ(以下、「通信I/Fコントローラ」と表記する)18とを備える。
【0014】
CPU11は、ROM13等に記憶された各種プログラムをRAM12にロードして実行することにより、後述する各機能を実現する。
RAM12は、CPU11の作業用メモリ等として用いられるメモリである。
ROM13は、CPU11が実行する各種プログラム等を記憶するメモリである。
HDD14は、画像読取部16が読み取った画像データや画像形成部17における画像形成にて用いる画像データ等を記憶する例えば磁気ディスク装置である。
操作パネル15は、各種情報の表示やユーザからの操作入力の受付を行う例えばタッチパネルである。
【0015】
画像読取部16は、紙等の記録媒体に記録された画像を読み取る。ここで、画像読取部16は、例えばスキャナであり、光源から原稿に照射した光に対する反射光をレンズで縮小してCCD(Charge Coupled Devices)で受光するCCD方式や、LED光源から原稿に順に照射した光に対する反射光をCIS(Contact Image Sensor)で受光するCIS方式のものを用いるとよい。
【0016】
画像形成部17は、記録媒体に画像を形成する。ここで、画像形成部17は、例えばプリンタであり、感光体に付着させたトナーを記録媒体に転写して像を形成する電子写真方式や、インクを記録媒体上に吐出して像を形成するインクジェット方式のものを用いるとよい。
通信I/Fコントローラ18は、ネットワークを介して他の装置との間で各種情報の送受信を行う。
【0017】
本実施の形態では、この画像形成装置10において、ROM13に記憶されたプログラムをCPU11がRAM12に読み込んで実行することにより、消費が抑制された記録媒体等をカウントして管理する印刷管理装置の一例としての印刷管理部20を実現する。
以下、このような印刷管理部20について、記録媒体等を削減したタイミング等により実施の形態を分けて説明する。
【0018】
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態は、ユーザが文書データの印刷を指示する印刷ジョブを画像形成装置10に投入した後に文書データを画像形成装置10内に蓄積しない場合において、文書データの印刷が開始される前に印刷ジョブをキャンセルしたときの形態である。
まず、第1の実施の形態における印刷管理部20の機能構成について説明する。
図3は、第1の実施の形態の印刷管理部20の機能構成例を示したブロック図である。
図示するように、印刷管理部20は、受信部21と、印刷制御部25と、カウンタ更新部27と、カウンタ記憶部28と、カウンタ通知部29とを含んでいる。このうち、カウンタ記憶部28は、例えばHDD14(
図2参照)によって実現される。また、受信部21、印刷制御部25、カウンタ更新部27、カウンタ通知部29は、CPU11(
図2参照)がプログラムをROM13(
図2参照)からRAM12(
図2参照)に読み込んで実行することにより、実現される。
【0019】
受信部21は、端末装置50から印刷ジョブを受信する。ここで、印刷ジョブとは、文書データの印刷を指示する印刷指示情報に基づいて画像形成装置10で実行される処理の単位であるが、本明細書では、印刷指示情報のことを印刷ジョブということもある。また、受信部21は、印刷ジョブのキャンセルを指示するキャンセル指示情報を受信することもある。本実施の形態では、印刷指示の一例として、印刷ジョブを用いており、印刷指示を受け付ける受付手段の一例として、受信部21を設けている。
印刷制御部25は、受信部21が受信した印刷ジョブを実行することにより文書データの印刷を制御する。また、印刷の開始前に受信部21がキャンセル指示情報を受信した場合は、受信部21が受信した印刷ジョブがキャンセルされるように制御する。本実施の形態では、印刷を取り消す取り消し手段の一例として、印刷制御部25を設けている。
【0020】
カウンタ更新部27は、印刷ジョブがキャンセルされた場合に、カウンタ記憶部28に記憶された印刷文書削除カウンタの値及びステイプラ針削除カウンタの値を更新する。本実施の形態では、印刷がなされないこととなった記録媒体の数又は記録媒体上の面の数を記録する記録手段の一例として、カウンタ更新部27を設けている。
カウンタ記憶部28は、印刷文書削除カウンタの値と、ステイプラ針削除カウンタの値とを記憶する。ここで、印刷文書削除カウンタとは、印刷文書が出力される前に印刷ジョブをキャンセルすることにより消費が抑制された記録媒体の枚数又は記録媒体上の面数をカウントするための記憶領域である。また、ステイプラ針削除カウンタとは、印刷ジョブにおいてステイプル綴じが指定されている場合に、印刷文書が出力される前に印刷ジョブをキャンセルすることにより消費が抑制されたステイプラの針の個数をカウントするための記憶領域である。
カウンタ通知部29は、カウンタ記憶部28に記憶された印刷文書削除カウンタの値及びステイプラ針削除カウンタの値を外部へ通知する。本実施の形態では、記録媒体の数又は記録媒体上の面の数に関する情報を出力する出力手段の一例として、カウンタ通知部29を設けている。
【0021】
次に、第1の実施の形態における印刷管理部20の動作について説明する。
図4は、第1の実施の形態の印刷管理部20の動作例を示したフローチャートである。尚、この動作例では、記録媒体として用紙を用いるものとし、印刷文書削除カウンタで用紙の枚数をカウントするものとする。
印刷管理部20では、まず、受信部21が、端末装置50から印刷ジョブを受信する(ステップ201)。ここで、印刷ジョブには、印刷を指示したユーザの識別情報であるユーザID、印刷を行う用紙のサイズ、印刷におけるカラー/白黒の区分等が含まれるものとする。
次に、印刷制御部25が、印刷ジョブが実行されることによって印刷が開始されているかどうかを判定する(ステップ205)。受信部21が受信した印刷ジョブは、印刷制御部25を介して画像処理部(図示せず)や画像形成部17(
図2参照)に渡されるので、印刷制御部25は、印刷が開始されているかどうかのステータスを把握している。そこで、印刷制御部25は、このステータスに基づいて、ステップ205の判断を行う。
【0022】
その結果、印刷が開始されていると判定されれば、処理は終了する。
一方、印刷待ち等により、印刷がまだ開始されていないと判定されれば、印刷制御部25は、印刷ジョブのキャンセルが指示されたかどうかを判定する(ステップ206)。この第1の実施の形態では、印刷ジョブのキャンセルも端末装置50から行うことを前提としているので、ステップ206では、受信部21がキャンセル指示情報を受信したかどうかを判断する。
そして、印刷ジョブのキャンセルが指示されたと判定されなければ、ステップ205に戻り、印刷制御部25は、印刷が開始されるまで、ステップ206の判断を繰り返す。
【0023】
印刷が開始する前に印刷ジョブのキャンセルが指示されたと判定されれば、印刷制御部25は、印刷ジョブをキャンセルする(ステップ207)。即ち、受信部21が受信した印刷ジョブを消滅させ、印刷ジョブが画像処理部(図示せず)や画像形成部17(
図2参照)に渡されないように制御する。
【0024】
次に、カウンタ更新部27は、キャンセルされた印刷ジョブが実行された場合に印刷されるはずであった用紙の枚数を算出する(ステップ209)。ここで、用紙の枚数は、印刷対象の文書データのページ数と、印刷ジョブにおける印刷設定とに基づいて算出するとよい。例えば、文書データのページ数が10であり、印刷ジョブにおいて、両面印刷と、文書データの2ページを用紙の1面に集約する印刷とが指定されていたとすると、用紙の枚数は3となる。
そして、カウンタ更新部27は、カウンタ記憶部28に記憶された印刷文書削除カウンタの値を、ステップ209で算出した用紙の枚数だけカウントアップする(ステップ210)。このとき、印刷ジョブにユーザID、用紙サイズ、カラー/白黒の区分が含まれているので、これらの属性ごとにカウントアップするようにしてもよい。
【0025】
次いで、カウンタ更新部27は、キャンセルされた印刷ジョブが実行された場合に使用されるはずであったステイプラの針の個数を算出する(ステップ211)。ここで、ステイプラの針の個数は、印刷ジョブにおけるステイプル綴じに関する設定に基づいて算出するとよい。例えば、印刷ジョブにおいて、部ごとのステイプル綴じと、用紙の辺上の2箇所でのステイプル綴じとが指定されていたとすると、ステイプラの針の個数は2となる。
そして、カウンタ更新部27は、カウンタ記憶部28に記憶されたステイプラ針削除カウンタの値を、ステップ211で算出したステイプラの針の個数だけカウントアップする(ステップ212)。このとき、印刷ジョブにユーザID、用紙サイズ、カラー/白黒の区分が含まれているので、これらの属性ごとにカウントアップするようにしてもよい。
【0026】
その後、カウンタ通知部29は、カウンタ記憶部28に記憶された印刷文書削除カウンタの値及びステイプラ針削除カウンタの値をユーザに通知する(ステップ213)。この場合、カウンタの値のユーザへの通知方法としては、種々の方法が考えられる。第一に、ユーザが操作パネル15(
図2参照)から指示すると、各カウンタの値を印刷した文書をカウンタレポートとして出力する方法である。第二に、各カウンタの値を集計サーバ30に出力し、集計サーバ30が集計した結果を端末装置50から取得できるようにする方法である。第三に、各カウンタの値を参照するためのアプリケーションプログラムを端末装置50で動作させ、このアプリケーションプログラムから各カウンタの値を参照できるようにする方法である。
【0027】
尚、この動作例では、ステップ209で用紙の枚数を算出し、ステップ210で用紙の枚数だけカウントアップするようにしたが、用紙の枚数に代えて、用紙の面数を用いてもよい。ここで、面数とは、電子文書の面数ではなく、用紙の面数である。即ち、用紙の表面と裏面とを別々に数えて得られた面の数が、用紙の面数となる。用紙の面数も、印刷対象の文書データのページ数と、印刷ジョブにおける印刷設定とに基づいて算出するとよい。例えば、文書データのページ数が10であり、印刷ジョブにおいて、両面印刷と、文書データの2ページを用紙の1面に集約する印刷とが指定されていたとすると、用紙の面数は5となる。
【0028】
以上により、第1の実施の形態の説明を終了する。
尚、この第1の実施の形態では、用紙以外の消費材としてステイプラの針を例にとり、使用が抑制されたステイプラの針の個数をカウントする処理を示したが、これには限らない。例えば、用紙以外の消費材を、製本を行うための他の金属片や、糊、接着テープ等の接着部材として、使用が抑制された金属片の個数や接着部材の量を記録するようにしてもよい。或いは、用紙以外の消費材をトナー等の画像形成材料として、使用が抑制された画像形成材料の量を記録するようにしてもよい。
また、この第1の実施の形態は、印刷文書削除カウンタ及びステイプラ針削除カウンタの両方をカウントアップするものとしたが、これらのカウンタのうち少なくとも何れか一方をカウントアップするものとしてもよい。
【0029】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態は、ユーザが文書データの印刷を指示する印刷ジョブを画像形成装置10に投入した後に文書データを画像形成装置10内に蓄積する場合において、蓄積された未印刷の文書データに関する印刷ジョブをキャンセルしたときの形態である。
まず、第2の実施の形態における印刷管理部20の機能構成について説明する。
図5は、第2の実施の形態の印刷管理部20の機能構成例を示したブロック図である。
図示するように、印刷管理部20は、受信部21と、文書データ記憶部22と、操作受付部24と、印刷制御部25と、文書データ削除部26と、カウンタ更新部27と、カウンタ記憶部28と、カウンタ通知部29とを含んでいる。このうち、文書データ記憶部22、カウンタ記憶部28は、例えばHDD14(
図2参照)によって実現される。また、受信部21、操作受付部24、印刷制御部25、文書データ削除部26、カウンタ更新部27、カウンタ通知部29は、CPU11(
図2参照)がプログラムをROM13(
図2参照)からRAM12(
図2参照)に読み込んで実行することにより、実現される。
【0030】
受信部21は、端末装置50から印刷ジョブを受信する。ここで、印刷ジョブとは、第1の実施の形態で説明したように、文書データの印刷を指示する印刷指示情報に基づいて画像形成装置10で実行される処理の単位であるが、本明細書では、印刷指示情報のことを印刷ジョブということもある。また、受信部21は、印刷ジョブによって印刷が指示された文書データを文書データ記憶部22に記憶する。本実施の形態では、印刷指示の一例として、印刷ジョブを用いており、印刷指示を受け付ける受付手段の一例として、受信部21を設けている。
文書データ記憶部22は、印刷ジョブによって印刷が指示された文書データを、ユーザが操作パネル15(
図2参照)から印刷を指示するまで蓄積しておく。本実施の形態では、電子文書を記憶する記憶手段の一例として、文書データ記憶部22を設けている。
【0031】
操作受付部24は、操作パネル15(
図2参照)におけるユーザ操作に関する情報を受け付ける。特に、印刷ジョブのキャンセルを指示するキャンセル指示情報を受け付けることがある。
印刷制御部25は、文書データ記憶部22に記憶された文書データに関する印刷ジョブを実行することにより、その文書データの印刷を制御する。また、操作受付部24がキャンセル指示情報を受け付けた場合は、印刷ジョブがキャンセルされるように制御する。本実施の形態では、印刷を取り消す取り消し手段の一例として、印刷制御部25を設けている。
文書データ削除部26は、文書データ記憶部22に記憶された文書データに関する印刷ジョブがキャンセルされた場合に、その文書データを削除する。本実施の形態では、電子文書を削除する削除手段の一例として、文書データ削除部26を設けている。
【0032】
カウンタ更新部27は、印刷ジョブがキャンセルされた場合に、カウンタ記憶部28に記憶された蓄積文書削除カウンタの値を更新する。本実施の形態では、印刷がなされないこととなった記録媒体の数又は記録媒体上の面の数を記録する記録手段の一例として、カウンタ更新部27を設けている。
カウンタ記憶部28は、蓄積文書削除カウンタの値を記憶する。ここで、蓄積文書削除カウンタとは、文書データが蓄積された状態で印刷ジョブをキャンセルすることにより消費が抑制された記録媒体の枚数又は記録媒体上の面数をカウントするための記憶領域である。
カウンタ通知部29は、カウンタ記憶部28に記憶された蓄積文書削除カウンタの値を外部へ通知する。本実施の形態では、記録媒体の数又は記録媒体上の面の数に関する情報を出力する出力手段の一例として、カウンタ通知部29を設けている。
【0033】
次に、第2の実施の形態における印刷管理部20の動作について説明する。
図6は、第2の実施の形態の印刷管理部20の動作例を示したフローチャートである。尚、この動作例では、記録媒体として用紙を用いるものとし、蓄積文書削除カウンタで用紙の枚数をカウントするものとする。
印刷管理部20では、まず、受信部21が、端末装置50から印刷ジョブを受信する(ステップ221)。ここで、印刷ジョブには、印刷を指示したユーザの識別情報であるユーザID、印刷を行う用紙のサイズ、印刷におけるカラー/白黒の区分等が含まれるものとする。そして、受信部21は、印刷ジョブで印刷が指示された文書データを文書データ記憶部22に蓄積する(ステップ222)。
次に、印刷制御部25は、文書データ記憶部22内の特定の文書データに関する印刷ジョブのキャンセルが指示されたかどうかを判定する(ステップ226)。この第2の実施の形態では、印刷ジョブのキャンセルは操作パネル15(
図2参照)から行うことを前提としているので、ステップ226では、操作受付部24がキャンセル指示情報を受け付けたかどうかを判断する。
その結果、印刷ジョブのキャンセルが指示されたと判定されなければ、そのまま処理を終了する。
【0034】
一方、印刷ジョブのキャンセルが指示されたと判定されれば、印刷制御部25は、印刷ジョブをキャンセルする(ステップ227)。即ち、上記特定の文書データに関する印刷ジョブを消滅させ、印刷ジョブが画像処理部(図示せず)や画像形成部17(
図2参照)に渡されないように制御する。そして、文書データ削除部26が、文書データ記憶部22内の上記特定の文書データを削除する(ステップ228)。
【0035】
次に、カウンタ更新部27は、キャンセルされた印刷ジョブが実行された場合に印刷されるはずであった用紙の枚数を算出する(ステップ229)。ここで、用紙の枚数は、印刷対象の文書データのページ数と、印刷ジョブにおける印刷設定とに基づいて算出するとよい。例えば、文書データのページ数が10であり、印刷ジョブにおいて、両面印刷と、文書データの2ページを用紙の1面に集約する印刷とが指定されていたとすると、用紙の枚数は3となる。
そして、カウンタ更新部27は、カウンタ記憶部28に記憶された蓄積文書削除カウンタの値を、ステップ229で算出した用紙の枚数だけカウントアップする(ステップ230)。このとき、印刷ジョブにユーザID、用紙サイズ、カラー/白黒の区分が含まれているので、これらの属性ごとにカウントアップするようにしてもよい。
【0036】
その後、カウンタ通知部29は、カウンタ記憶部28に記憶された蓄積文書削除カウンタの値をユーザに通知する(ステップ233)。この場合、カウンタの値のユーザへの通知方法としては、第1の実施の形態で述べた通り、種々の方法が考えられる。
【0037】
尚、この動作例では、ステップ229で用紙の枚数を算出し、ステップ230で用紙の枚数だけカウントアップするようにしたが、用紙の枚数に代えて、用紙の面数を用いてもよい。ここで、面数とは、電子文書の面数ではなく、用紙の面数である。即ち、用紙の表面と裏面とを別々に数えて得られた面の数が、用紙の面数となる。用紙の面数も、印刷対象の文書データのページ数と、印刷ジョブにおける印刷設定とに基づいて算出するとよい。例えば、文書データのページ数が10であり、印刷ジョブにおいて、両面印刷と、文書データの2ページを用紙の1面に集約する印刷とが指定されていたとすると、用紙の面数は5となる。
【0038】
以上により、第2の実施の形態の説明を終了する。
尚、この第2の実施の形態では、1回も印刷されずに蓄積されている文書データを削除するケースを想定しているのか、既に印刷されたものの再度の印刷等のために蓄積されている文書データを削除するケースを想定しているのかについては、言及しなかった。
このうち、前者のケースであれば、文書データの記録媒体への印刷が抑制されたことになるので、蓄積文書削除カウンタをカウントアップするのが自然である。従って、この第2の実施の形態は、1回も印刷されずに蓄積されている文書データについての実施の形態として捉えてもよい。
一方、後者のケースであれば、既に印刷された文書データを削除することになるので、文書データの記録媒体への印刷の抑制にさほど寄与していないと考えることもできる。従って、このようなケースは、蓄積文書削除カウンタをカウントアップしない構成としてもよい。具体的には、蓄積された文書データごとに既に印刷されたかどうかを示すフラグを設け、文書データを削除した際に、その文書データに対するフラグが既に印刷されたことを示していれば、蓄積文書削除カウンタをカウントアップしないようにすればよい。
【0039】
また、この第2の実施の形態は、蓄積文書削除カウンタのみをカウントアップするものとしたが、これに加えて、第1の実施の形態の印刷文書削除カウンタや、第1の実施の形態のステイプラ針削除カウンタ等の消費材に関するカウンタをカウントアップするものとしてもよい。
更に、この第2の実施の形態では、蓄積された文書データの削除をユーザ操作によって行うことを前提にしたが、ユーザ操作によって行うことを前提にしなくてもよい。例えば、予め定めた時間の一例である蓄積期間が過ぎた文書データを文書データ削除部26が自動的に削除した場合においても蓄積文書削除カウンタをカウントアップしてよい。或いは、文書データ記憶部22の空き容量が少なくなったことで文書データ削除部26が文書データを自動削除した場合に蓄積文書削除カウンタをカウントアップする構成としてもよい。
【0040】
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態は、ユーザが文書データの印刷を指示する印刷ジョブを画像形成装置10に投入した後に文書データを画像形成装置10内に蓄積する場合において、蓄積された文書データの印刷中にその文書データに関する印刷ジョブをキャンセルしたときの形態である。
まず、第3の実施の形態における印刷管理部20の機能構成についてであるが、第2の実施の形態における印刷管理部20の機能構成と同じであるので、説明を省略する。
【0041】
次に、第3の実施の形態における印刷管理部20の動作について説明する。
図7は、第3の実施の形態の印刷管理部20の動作例を示したフローチャートである。尚、この動作例では、記録媒体として用紙を用いるものとし、蓄積文書削除カウンタで用紙の枚数をカウントするものとする。
印刷管理部20では、まず、受信部21が、端末装置50から印刷ジョブを受信する(ステップ241)。ここで、印刷ジョブには、印刷を指示したユーザの識別情報であるユーザID、印刷を行う用紙のサイズ、印刷におけるカラー/白黒の区分等が含まれるものとする。そして、受信部21は、印刷ジョブで印刷が指示された文書データを文書データ記憶部22に蓄積する(ステップ242)。
次に、印刷制御部25は、文書データ記憶部22内の特定の文書データに関する印刷ジョブを実行することにより、その文書データの印刷を開始する(ステップ244)そして、その文書データの印刷が終了したかどうかを判定する(ステップ245)。受信部21が受信した印刷ジョブは、印刷制御部25を介して画像処理部(図示せず)や画像形成部17(
図2参照)に渡されるので、印刷制御部25は、印刷が終了したかどうかのステータスを把握している。そこで、印刷制御部25は、このステータスに基づいて、ステップ245の判断を行う。
【0042】
その結果、印刷が終了したと判定されれば、処理は終了する。
一方、印刷がまだ終了していないと判定されれば、印刷制御部25は、上記特定の文書データに関する印刷ジョブのキャンセルが指示されたかどうかを判定する(ステップ246)。この第3の実施の形態では、印刷ジョブのキャンセルは操作パネル15(
図2参照)から行うことを前提としているので、ステップ246では、操作受付部24がキャンセル指示情報を受け付けたかどうかを判断する。
そして、上記特定の文書データに関する印刷ジョブのキャンセルが指示されたと判定されなければ、ステップ245に戻り、印刷制御部25は、上記特定の文書データの印刷が終了するまで、ステップ246の判断を繰り返す。
【0043】
上記特定の文書データの印刷が終了する前にその文書データに関する印刷ジョブのキャンセルが指示されたと判定されれば、印刷制御部25は、印刷ジョブをキャンセルする(ステップ247)。即ち、上記特定の文書データに関する印刷ジョブを消滅させ、画像処理部(図示せず)や画像形成部17(
図2参照)に渡された印刷ジョブを実行しないようにこれらの各部に伝える。そして、文書データ削除部26が、文書データ記憶部22内の上記特定の文書データを削除する(ステップ248)。
【0044】
次に、カウンタ更新部27は、キャンセルされた印刷ジョブが実行された場合に印刷されるはずであった用紙の枚数を算出する(ステップ249)。ここで、用紙の枚数は、印刷対象の文書データのページ数と、印刷ジョブにおける印刷設定とに基づいて算出するとよい。例えば、文書データのページ数が10であり、印刷ジョブにおいて、両面印刷と、文書データの2ページを用紙の1面に集約する印刷とが指定されていたとすると、用紙の枚数は3となる。
そして、カウンタ更新部27は、カウンタ記憶部28に記憶された蓄積文書削除カウンタの値を、ステップ249で算出した用紙の枚数だけカウントアップする(ステップ250)。このとき、印刷ジョブにユーザID、用紙サイズ、カラー/白黒の区分が含まれているので、これらの属性ごとにカウントアップするようにしてもよい。
【0045】
尚、ステップ249では、印刷ジョブで指定されていた用紙の枚数、つまり、印刷済の用紙の枚数と印刷されないこととなった用紙の枚数とを合わせた枚数を算出し、ステップ250では、蓄積文書削除カウンタの値をこの算出した枚数だけカウントアップする。例えば、文書データの印刷が予定されていた用紙が10枚である場合は、6枚の用紙に印刷した時点で印刷ジョブがキャンセルされたとしても、蓄積文書削除カウンタは、印刷が予定されていた10枚分カウントアップされる。
或いは、ステップ249において、印刷されないこととなった用紙の枚数、つまり、印刷ジョブで指定された用紙の枚数から印刷済の用紙の枚数を差し引いた枚数を算出し、ステップ250において、蓄積文書削除カウンタの値をこの算出した枚数だけカウントアップする構成としてもよい。この場合、例えば、文書データの印刷が予定されていた用紙が10枚であり、6枚の用紙に印刷した時点で印刷ジョブがキャンセルされた場合は、蓄積文書削除カウンタは、印刷されなかった4枚分カウントアップされることになる。
【0046】
その後、カウンタ通知部29は、カウンタ記憶部28に記憶された蓄積文書削除カウンタの値をユーザに通知する(ステップ253)。この場合、カウンタの値のユーザへの通知方法としては、第1の実施の形態で述べた通り、種々の方法が考えられる。
【0047】
尚、この動作例では、ステップ249で用紙の枚数を算出し、ステップ250で用紙の枚数だけカウントアップするようにしたが、用紙の枚数に代えて、用紙の面数を用いてもよい。ここで、面数とは、電子文書の面数ではなく、用紙の面数である。即ち、用紙の表面と裏面とを別々に数えて得られた面の数が、用紙の面数となる。用紙の面数も、印刷対象の文書データのページ数と、印刷ジョブにおける印刷設定とに基づいて算出するとよい。例えば、文書データのページ数が10であり、印刷ジョブにおいて、両面印刷と、文書データの2ページを用紙の1面に集約する印刷とが指定されていたとすると、用紙の面数は5となる。
【0048】
以上により、第3の実施の形態の説明を終了する。
尚、この第3の実施の形態は、印刷枚数の多い印刷ジョブを印刷中の初期段階でキャンセルした場合に、蓄積文書削除カウンタをカウントアップしなければ、多量の印刷出力が抑制されたにも関わらずその結果が反映されないことになる、という不都合を回避するものである。従って、印刷予定の用紙の枚数が閾値Th1以上で印刷済の用紙の枚数が閾値Th2以下であるという条件(Th1>Th2)や、印刷済の用紙の枚数の印刷予定の用紙の枚数に対する比率が閾値Th3以下であるという条件等が満たされた場合にのみ、蓄積文書削除カウンタをカウントアップするという構成を採用してもよい。
【0049】
また、この第3の実施の形態は、蓄積文書削除カウンタのみをカウントアップするものとしたが、これに加えて、第1の実施の形態の印刷文書削除カウンタや、第1の実施の形態のステイプラ針削除カウンタ等の消費材に関するカウンタをカウントアップするものとしてもよい。
更に、この第3の実施の形態では、蓄積された文書データの削除をユーザ操作によって行うことを前提にしたが、ユーザ操作によって行うことを前提にしなくてもよい。例えば、予め定めた時間の一例である蓄積期間が過ぎた文書データを文書データ削除部26が自動的に削除した場合においても蓄積文書削除カウンタをカウントアップしてよい。或いは、文書データ記憶部22の空き容量が少なくなったことで文書データ削除部26が文書データを自動削除した場合に蓄積文書削除カウンタをカウントアップする構成としてもよい。
【0050】
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態は、文書データの印刷を指示して一旦画像形成装置10内に文書データを蓄積したものの、誤操作等によって蓄積したためにその文書データを印刷する意思がない場合や、蓄積した後にその文書データを修正する必要が生じた場合等に、その文書データを削除したときの形態である。
まず、第4の実施の形態における印刷管理部20の機能構成について説明する。
図8は、第4の実施の形態の印刷管理部20の機能構成例を示したブロック図である。
図示するように、印刷管理部20は、受信部21と、文書データ記憶部22と、削除判定部23と、操作受付部24と、印刷制御部25と、文書データ削除部26と、カウンタ更新部27と、カウンタ記憶部28と、カウンタ通知部29とを含んでいる。このうち、文書データ記憶部22、カウンタ記憶部28は、例えばHDD14(
図2参照)によって実現される。また、受信部21、削除判定部23、操作受付部24、印刷制御部25、文書データ削除部26、カウンタ更新部27、カウンタ通知部29は、CPU11(
図2参照)がプログラムをROM13(
図2参照)からRAM12(
図2参照)に読み込んで実行することにより、実現される。
【0051】
受信部21は、端末装置50から印刷ジョブを受信する。ここで、印刷ジョブとは、第1の実施の形態で説明したように、文書データの印刷を指示する印刷指示情報に基づいて画像形成装置10で実行される処理の単位であるが、本明細書では、印刷指示情報のことを印刷ジョブということもある。また、受信部21は、印刷ジョブによって印刷が指示された文書データを文書データ記憶部22に記憶する。本実施の形態では、印刷指示の一例として、印刷ジョブを用いており、印刷指示を受け付ける受付手段の一例として、受信部21を設けている。
文書データ記憶部22は、印刷ジョブによって印刷が指示された文書データを、ユーザが操作パネル15(
図2参照)から印刷を指示するまで蓄積しておく。
削除判定部23は、新たに文書データ記憶部22に蓄積された文書データの印刷を指示したユーザと同一のユーザが印刷を指示し、かつ、その文書データと同一の文書に基づく文書データが既に文書データ記憶部22に蓄積されているかどうかを判定する。そして、そのような文書データが既に蓄積されていれば、その文書データを削除するかどうかを問い合わせる。本実施の形態では、複数の電子文書の何れかの削除の可否を問い合わせる問い合わせ手段の一例として、削除判定部23を設けている。
【0052】
操作受付部24は、操作パネル15(
図2参照)におけるユーザ操作に関する情報を受け付ける。特に、削除判定部23の問い合わせに応答して入力された文書データ削除指示情報を受け付けることがある。
印刷制御部25は、文書データ記憶部22に記憶された文書データに関する印刷ジョブを実行することにより、その文書データの印刷を制御する。また、操作受付部24が文書データの削除を指示する文書データ削除指示情報を受け付けた場合は、その文書データに関する印刷ジョブがキャンセルされるように制御する。本実施の形態では、印刷を取り消す取り消し手段の一例として、印刷制御部25を設けている。
文書データ削除部26は、文書データ記憶部22に記憶された文書データに関する印刷ジョブがキャンセルされた場合に、その文書データを削除する。本実施の形態では、電子文書を削除する削除手段の一例として、文書データ削除部26を設けている。
【0053】
カウンタ更新部27は、印刷ジョブがキャンセルされた場合に、カウンタ記憶部28に記憶された蓄積文書削除カウンタの値を更新する。本実施の形態では、印刷がなされないこととなった記録媒体の数又は記録媒体上の面の数を記録する記録手段、第1の記録手段の一例として、カウンタ更新部27を設けている。
カウンタ記憶部28は、蓄積文書削除カウンタの値を記憶する。ここで、蓄積文書削除カウンタとは、文書データが蓄積された状態で印刷ジョブをキャンセルすることにより消費が抑制された記録媒体の枚数又は記録媒体上の面数をカウントするための記憶領域である。
カウンタ通知部29は、カウンタ記憶部28に記憶された蓄積文書削除カウンタの値を外部へ通知する。本実施の形態では、記録媒体の数又は記録媒体上の面の数に関する情報を出力する出力手段の一例として、カウンタ通知部29を設けている。
【0054】
次に、第4の実施の形態における印刷管理部20の動作について説明する。
図9は、第4の実施の形態の印刷管理部20の動作例を示したフローチャートである。尚、この動作例では、記録媒体として用紙を用いるものとし、蓄積文書削除カウンタで用紙の枚数をカウントするものとする。
印刷管理部20では、まず、受信部21が、端末装置50から印刷ジョブを受信する(ステップ261)。ここで、印刷ジョブには、印刷を指示したユーザの識別情報であるユーザID、印刷を行う用紙のサイズ、印刷におけるカラー/白黒の区分等が含まれるものとする。そして、受信部21は、印刷ジョブで印刷が指示された文書データを文書データ記憶部22に蓄積する(ステップ262)。
次に、削除判定部23は、文書データ記憶部22内の文書データから、ステップ262で新たに蓄積された文書データの印刷を指示したユーザが過去に印刷を指示することで蓄積された文書データを検索する(ステップ263)。そして、検索が成功し、検索された文書データが、ステップ262で新たに蓄積された文書データと同一の文書に基づく文書データ(以下、「蓄積済同一文書データ」という)であるか判定する(ステップ264)。例えば、一度蓄積した文書データを修正し、修正後の文書データを更に蓄積した場合には、同一の文書に基づく文書データが複数存在することとなるので、このような判断を行っている。ここで、検索された文書データが蓄積済同一文書データであるかどうかは、例えば、文書データの名称の全部又は一部が同一であるかどうか等によって判定すればよい。
【0055】
ステップ264で蓄積済同一文書データであると判定された場合、削除判定部23は、蓄積済同一文書データを削除するかどうかを例えば操作パネル15にて問い合わせる(ステップ265)。
そして、印刷制御部25は、蓄積済同一文書データの削除が指示されたかどうかを判定する(ステップ266)。この第4の実施の形態では、文書データの削除は操作パネル15(
図2参照)から行うことを前提としているので、ステップ266では、操作受付部24が文書データ削除指示情報を受け付けたかどうかを判断する。
その結果、蓄積済同一文書データの削除が指示されたと判定されれば、印刷制御部25は、蓄積済同一文書データに関する印刷ジョブをキャンセルする(ステップ267)。即ち、蓄積済同一文書データに関する印刷ジョブを消滅させ、印刷ジョブが画像処理部(図示せず)や画像形成部17(
図2参照)に渡されないように制御する。そして、文書データ削除部26が、文書データ記憶部22内の蓄積済同一文書データを削除する(ステップ268)。
【0056】
次に、カウンタ更新部27は、キャンセルされた印刷ジョブが実行された場合に印刷されるはずであった用紙の枚数を算出する(ステップ269)。ここで、用紙の枚数は、印刷対象の文書データのページ数と、印刷ジョブにおける印刷設定とに基づいて算出するとよい。例えば、文書データのページ数が10であり、印刷ジョブにおいて、両面印刷と、文書データの2ページを用紙の1面に集約する印刷とが指定されていたとすると、用紙の枚数は3となる。
そして、カウンタ更新部27は、カウンタ記憶部28に記憶された蓄積文書削除カウンタの値を、ステップ269で算出した用紙の枚数だけカウントアップする(ステップ270)。このとき、印刷ジョブにユーザID、用紙サイズ、カラー/白黒の区分が含まれているので、これらの属性ごとにカウントアップするようにしてもよい。
【0057】
その後、カウンタ通知部29は、カウンタ記憶部28に記憶された蓄積文書削除カウンタの値をユーザに通知する(ステップ273)。この場合、カウンタの値のユーザへの通知方法としては、第1の実施の形態で述べた通り、種々の方法が考えられる。
【0058】
尚、この動作例では、ステップ269で用紙の枚数を算出し、ステップ270で用紙の枚数だけカウントアップするようにしたが、用紙の枚数に代えて、用紙の面数を用いてもよい。ここで、面数とは、電子文書の面数ではなく、用紙の面数である。即ち、用紙の表面と裏面とを別々に数えて得られた面の数が、用紙の面数となる。用紙の面数も、印刷対象の文書データのページ数と、印刷ジョブにおける印刷設定とに基づいて算出するとよい。例えば、文書データのページ数が10であり、印刷ジョブにおいて、両面印刷と、文書データの2ページを用紙の1面に集約する印刷とが指定されていたとすると、用紙の面数は5となる。
【0059】
以上により、第4の実施の形態の説明を終了する。
尚、この第4の実施の形態では、文書データを新たに蓄積した場合に、同一の文書に基づく複数の文書データが蓄積されることとなったかどうかを判断するようにしたが、これには限らない。例えば、文書データを新たに蓄積した場合に、互いに関連する複数の文書データが蓄積されることとなったかどうかを判断するようにしてもよい。
【0060】
また、この第4の実施の形態は、蓄積文書削除カウンタのみをカウントアップするものとしたが、これに加えて、第1の実施の形態の印刷文書削除カウンタや、第1の実施の形態のステイプラ針削除カウンタ等の消費材に関するカウンタをカウントアップするものとしてもよい。
【0061】
[カウンタ]
図10は、上記第1乃至第4の実施の形態において記録されたカウンタの値の具体例を示したものである。上記第1乃至第4の実施の形態では、印刷ジョブにユーザID、用紙サイズ、カラー/白黒の区分を含めておき、これらの属性ごとにカウントするようにしたので、ここでも、ユーザIDごと、用紙サイズごと、カラー/白黒の区分ごとに、カウンタ値を記録したカウンタについて示している。
尚、印刷文書削除カウンタ、蓄積文書削除カウンタ、ステイプラ針削除カウンタの何れであっても、同じフォーマットであるので、図では、一種類のフォーマットのみを示している。但し、印刷文書削除カウンタ及び蓄積文書削除カウンタの場合、カウンタ値は記録媒体の数又は記録媒体上の面の数であり、ステイプラ針削除カウンタの場合、カウンタ値はステイプラの針の個数である。
【0062】
[集計サーバ]
上記カウンタの値のユーザへの通知方法としては、既述の通り、種々の方法が考えられ、その中に、集計サーバ30が各画像形成装置10のカウンタの値を集計してその結果を各端末装置50に提供する方法がある。
そこで、このような動作を行う情報集約装置の一例としての集計サーバ30について説明する。
図11は、集計サーバ30のハードウェア構成例を示した図である。
図示するように、集計サーバ30は、CPU(Central Processing Unit)31と、メインメモリ32と、磁気ディスク装置(HDD:Hard Disk Drive)33とを備える。ここで、CPU32は、OS(Operating System)やアプリケーション等の各種ソフトウェアを実行し、以下に述べる各機能を実現する。また、メインメモリ32は、各種ソフトウェアやその実行に用いるデータ等を記憶する記憶領域であり、磁気ディスク装置33は、各種ソフトウェアに対する入力データや各種ソフトウェアからの出力データ等を記憶する記憶領域である。
更に、集計サーバ30は、外部との通信を行うための通信インターフェイス(図では「通信I/F」と表記)34と、ビデオメモリやディスプレイ等からなる表示機構35と、キーボードやマウス等の入力デバイス36とを備える。
【0063】
次に、本実施の形態における集計サーバ30の機能構成について説明する。
図12は、本実施の形態の集計サーバ30の機能構成例を示したブロック図である。
図示するように、集計サーバ30は、受信部41と、カウンタ更新部47と、カウンタ記憶部48と、カウンタ通知部49とを含んでいる。このうち、カウンタ記憶部48は、例えば磁気ディスク装置13(
図11参照)によって実現される。また、受信部41、カウンタ更新部47、カウンタ通知部49は、CPU31(
図11参照)がプログラムを磁気ディスク装置33(
図11参照)からメインメモリ32(
図11参照)に読み込んで実行することにより、実現される。
【0064】
受信部41は、各画像形成装置10で管理される印刷文書削除カウンタ、蓄積文書削除カウンタ、ステイプラ針削除カウンタの値を受信する。本実施の形態では、記録媒体の数又は記録媒体上の面の数を受信する受信手段の一例として、受信部41を設けている。
カウンタ更新部47は、受信部41が受信した印刷文書削除カウンタ、蓄積文書削除カウンタ、ステイプラ針削除カウンタの値に基づいて、カウンタ記憶部48に記憶された印刷文書削除カウンタ、蓄積文書削除カウンタ、ステイプラ針削除カウンタの値を更新する。本実施の形態では、記録媒体の数又は記録媒体上の面の数を集計して得られた情報を記録する第2の記録手段の一例として、カウンタ更新部47を設けている。
カウンタ記憶部48は、印刷文書削除カウンタ、蓄積文書削除カウンタ、ステイプラ針削除カウンタの値の集計結果を記憶する。
カウンタ通知部49は、カウンタ記憶部48に記憶された印刷文書削除カウンタ、蓄積文書削除カウンタ、ステイプラ針削除カウンタの値を外部へ通知する。
【0065】
そして、集計サーバ30は、次のように動作する。
即ち、まず、受信部41が、各画像形成装置10から印刷文書削除カウンタ、蓄積文書削除カウンタ、ステイプラ針削除カウンタの値を受信し、カウンタ更新部47に渡す。
すると、カウンタ更新部47が、カウンタ記憶部48に記憶された印刷文書削除カウンタ、蓄積文書削除カウンタ、ステイプラ針削除カウンタの値を、受信部41から渡された印刷文書削除カウンタ、蓄積文書削除カウンタ、ステイプラ針削除カウンタの値だけカウントアップすることにより、カウンタの値を集計する。第1乃至第4の実施の形態ではユーザごとにカウンタの値を記録したので、ここでも画像形成装置10にまたがるユーザごとの集計を行うとよい。或いは、各画像形成装置10からカウンタの値と共にそれぞれの識別情報を受信し、この識別情報を用いて、画像形成装置10ごとの集計を行うことも考えられる。
その後、カウンタ通知部49は、端末装置50からの要求に応じて、カウンタ記憶部48に記憶された印刷文書削除カウンタ、蓄積文書削除カウンタ、ステイプラ針削除カウンタの値を端末装置50に出力する。
【0066】
尚、本実施の形態を実現するプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、CD−ROM等の記録媒体に格納して提供することも可能である。