【実施例1】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明に係るパチンコ遊技機の正面模式図である。パチンコ遊技機1(以下、単に遊技機ともいう)は、台枠に取り付けられた透明の前面ガラス扉2と、ガラス扉2の周囲を囲むカバー部材3と、台枠の内側に配置されて前面ガラス扉2によって覆われる遊技盤4を有する。遊技盤4には、ハンドル装置5を含んで構成される発射装置125(
図3参照)より発射された玉が流下する略円形状に囲まれた遊技領域4aが形成されている。遊技領域4aには、玉の流下方向を変化させる釘(図示せず)が植設されており、遊技盤4の前方下部に設けられた上皿6から供給された玉が、発射装置125によって遊技領域4aに向けて発射され、釘に弾かれながら遊技領域4aを流下するようになっている。なお、カバー部材3の上方にはスピーカ121,121、カバー部材3の中央上部には赤外線カメラ8が設けられている。さらに、カバー部材3の内部には、遊技者に向けて赤外線を放出する赤外線光源として作用する赤外線LED9aと遊技機の演出に使用される装飾用LED9bとが(遊技領域の周囲に位置するように)設置されている(
図1,4参照)。
【0014】
なお、
図1において玉の流下方向を上下方向(鉛直方向)、遊技盤4の盤面に沿う態様で上下方向と直交する方向(水平方向)を左右方向、遊技盤4の盤面に直交する方向(水平方向)を前後方向とし、盤面の前側(遊技者側)が前方側であり、盤面の後側(奥側)が後方側である。
【0015】
遊技領域4aの中央付近には、中央役物装置10が配置されている。中央役物装置10は、枠状の筐体11の奥側にて所定条件の成立に基づいて実行される抽選処理の結果を演出用図柄(例えば、3桁のアラビア数字1〜7)により表示するための液晶表示装置12(特図表示部(本発明の表示手段を構成))を備えている。液晶表示装置12の一部の表示領域(例えば、下部領域)は、特図保留(例えば最大4個)を表示するための特図保留表示部13に割り当てられている。
【0016】
中央役物装置10の下方には、始動入賞口22が配置されている。始動入賞口22は、開閉する一対の回動翼片22a(以下、単に電チューともいう)を備え、回動翼片22aの開閉動作に応じて玉が入賞容易な開放状態と入賞困難な閉鎖状態(玉を入賞不可能とする設定態様を含む)とを呈する可変入賞装置で構成されている。遊技領域4aを流下した玉は、遊技領域4aに設けられた釘等の周知の経路形成部材により始動入賞口22の方向へ導かれるようになっている。始動入賞口22の下方には、大入賞口23が配置されている。
【0017】
大入賞口23(大入賞装置、アタッカー)は、開口部と蓋部材とを備え、開口部に対する蓋部材の移動により玉が入賞容易な開放状態と入賞不可能な閉鎖状態とを呈する可変入賞装置で構成された入賞口である。大入賞口23は、通常は閉鎖状態にあるが、後述する大当たり状態が発生したときに開放状態になる。大入賞口23の下方には、玉を排出するためのアウト口27が設けられている。
【0018】
中央役物装置10の左方には、玉が通過したとき始動入賞口22の回動翼片22aを所定時間及び所定回数だけ開放するための普図抽選を行う契機となる通過ゲート24が配置されている。通過ゲート24の左斜め下方には、1又は複数(例えば1個)のLEDにより通過ゲート24への入賞に応じて実行される普図抽選の普図抽選結果を普通図柄(普図)により表示する普図表示部25と、複数(例えば2個)のLEDからなる普図保留表示部26とが上下に配設されている。
【0019】
赤外線カメラ8は、カバー部材3の中央上部に配置されている。また、赤外線カメラ8は、カバー部材3の内部に設置されている赤外線LED9a(
図4参照)から照射され、遊技者に当たった後に反射された赤外線を受光するように位置している。さらに、赤外線カメラ8は遊技者を撮像可能な向きに配置されている。
【0020】
図2に示すように、本願発明のパチンコ遊技機1の外観は円形状の台枠の前方に前面ガラス扉2とガラス扉2を囲むようにドーナツ型の円形カバー部材3とが位置し、全体として丸みを帯びた形状をしている。また、カバー部材3の下方部の領域は遊技者が遊技機1に向けて水平に手を伸ばした領域に対応するような動作検出領域Yである。動作検出領域Yは、赤外線LED9aから放出される赤外線と赤外線カメラ8の撮像範囲が重なる領域である。赤外線カメラ8は遊技者を撮像するとともに、この動作検出領域Yの中での遊技者の動作を検知することが可能である。カバー部材3の材質としては、例えばプラスチック等の一般的な樹脂性のもので形成することが可能である。
【0021】
ここで、カバー部材3について具体的に説明する。カバー部材3は
図2に示すように複数に分割された部材から形成されている。それら分割部材は可動体と非可動体とからなり、演出時において可動体が前後に移動することができる。そして、可動体が前方へ移動することにより非可動体との間にできた隙間より、装飾用LED9bの光が漏れて効果的な演出が行われる。赤外線LED9aから照射される赤外線は、可動体の移動に関係無くカバー部材3を透過しているので、遊技者の動作検出には何ら問題が無い。
【0022】
次に、
図3を用いて、パチンコ遊技機1の制御ブロック図について説明する。パチンコ遊技機1の主制御基板には主回路100が搭載され、副制御回路111、払出制御回路112、発射制御回路113及び複数のLED116が接続されている。
【0023】
主回路100は、演算装置であるCPU(Central Processing Unit)101、各種プログラムや判定テーブル、演出抽選テーブル等が格納される読み取り専用記憶装置であるROM(Read Only Memory)102、ワークエリアや各種記憶領域等が割り当てられる読み書き可能な記憶装置であるRAM(Random Access Memory)103、入出力インターフェースであるI/O(Input/Output)104などを備えており、これらは図示を省略するバスを介して相互に接続されている。なお、その他の各回路も、個別にCPUやメモリを備えているが、
図3では省略している。各回路には、電源回路114にて生成された所定電圧の電力が主回路100を介して供給される。主回路100が本発明の図柄変動手段、合成手段、抽選手段、図柄変動パターン記憶手段、図柄変動パターン決定手段、図柄変動パターン変更手段、報知手段、交代判定手段、計測手段に相当する。
【0024】
副制御回路111は、主回路100から入力されるコマンドに応じてアンプ/スピーカ121(
図1,2参照)に音声を出力させるとともに、装飾ランプ類122の点灯/消灯を制御する。また、副制御回路111は、表示制御回路115にコマンドを出力する。表示制御回路115は、副制御回路111から入力されたコマンドに応じて液晶表示装置12を制御し、特図の変動表示や停止表示を実行させる。
【0025】
払出制御回路112は、主回路100より入力される賞球払出信号に応じて払出装置123を制御する。これにより、遊技者に対して所定数の玉(賞球)が上皿6に払い出される。発射制御回路113は、遊技者がハンドル装置5を操作することに応じて、ハンドル装置5に対応して設けられた発射装置125を作動させ、上皿6に準備された玉を遊技領域4aに向けて発射する。ハンドル装置5の操作量に応じて、玉の打ち出し強さ(玉の飛距離)を調節することが可能となっている。
【0026】
主回路100には、始動入賞口22に付設された始動入賞検出器132、大入賞口23に付設された大入賞検出器133、通過ゲート24に付設されたゲート通過検出器134からの玉検出信号がそれぞれ入力される。
【0027】
また、主回路100には赤外線カメラ8で検出される遊技者の動作検出信号が入力される。ここで、本発明の動作検出手段は赤外線カメラ8と赤外線LED9aとで構成される。また、赤外線カメラ8は遊技者を撮像する撮像手段として機能する。
【0028】
また、主回路100は、始動入賞口22の回動翼片22aを開閉する電チューソレノイド142、大入賞口23を開閉する大入賞ソレノイド143、及び複数のLED116をそれぞれ駆動制御する。
【0029】
複数のLED116には、特図保留表示部13のLED、普図表示部25のLED、普図保留表示部26のLED、赤外線LED9a、装飾用LED9bが含まれている。
【0030】
次に、この実施例1におけるパチンコ遊技機1の遊技の流れについて基本動作を交えつつ説明する。通常状態又は時短状態において玉が通過ゲート24を通過すると、ゲート通過検出器134による玉の検出に応じて、主回路100は、RAM103の普図保留記憶領域に記憶された普図保留が1個以下であれば、普図用の乱数カウンタから現在の値を抽出することで普図の抽選処理を実行し、その抽出した普図乱数値を普図保留としてRAM103の普図保留領域に記憶する。新たな普図の変動を開始可能なとき(普図の変動中でなく、始動入賞口22の電チューが動作中でないとき)、普図保留領域に普図保留が記憶されていれば、最古の普図保留を読み出して当たり判定を行う。実施例1の普図当選確率は1/1なので通過ゲート24を玉が通過することで、普図の変動(普図表示部25のLED点滅)を開始する。
【0031】
通過ゲート24の通過後、変動時間(通常状態であれば30秒、時短状態及び確変状態であれば1秒)経過時に普図表示部25のLEDを点灯し、電チューソレノイド142を励磁して始動入賞口22の電チューを開放する。所定時間(通常状態であれば0.2秒、時短状態であれば1.5秒を3回)経過後、電チューを閉鎖する。よって、時短状態や確変状態では通常状態に比べて始動入賞口22への入賞率が高くなり、持玉をあまり減らすことなく遊技を継続することができる。
【0032】
始動入賞口22に玉が入賞し、始動入賞検出器132による玉の検出に応じて、主回路100は、払出制御回路112に玉(例えば3個)を払い出すように指示する。このとき、主回路100(抽選手段)は、RAM103上の特図保留領域に記憶された特図保留が3個以下であれば、特図用の乱数カウンタから現在の値を抽出し、その抽出した特図乱数値を特図保留として特図保留領域に記憶する。
【0033】
主回路100は、新たな特図の変動を開始可能なとき(特図の変動中でなく、大当たり中でもないとき)、特図保留領域に特図保留が記憶されていれば、記憶された順に特図保留を読み出すとともに、読み出した特図保留を特図保留領域から消去する。
【0034】
主回路100(抽選手段)は、読み出した特図保留の特図乱数値と、特図判定テーブルに設定されている当たり値とを比較し、一致する場合は当たりと判定する当否抽選処理を実行する。具体的には、通常状態及び時短状態であれば、通常用特図判定テーブル(特図当選確率:1/300)に設定されている当たり値と一致するか否かにより当否判定を行い、確変状態であれば、確変用特図判定テーブル(特図当選確率:1/50)の当たり値と一致するか否かにより当否抽選処理を行う。
【0035】
ROM102(図柄変動パターン記憶手段)には、複数種類の図柄変動パターンが記憶されており、主回路100(図柄変動パターン決定手段)は、ROM102に格納された複数種類の図柄変動パターンを参照して、上記抽選結果と対応付けて記憶されている図柄変動パターン、すなわち液晶表示装置12での停止用図柄である特図(各桁が「1」〜「7」で表される3桁の数字)、図柄変動パターン及び変動表示時間を決定する。そして、液晶表示部(表示手段)12では変動表示を開始し、決定された変動パターンでの表示を行った後、上、下、中の順で特図を停止表示して、抽選結果の当否を表示する(
図6参照)。
【0036】
主回路100(抽選手段)による抽選結果が当たりの場合、すなわち液晶表示装置12に停止表示された特図が大当たり図柄と一致した場合には、主回路100が大当たり状態を発生させる。このとき、液晶表示装置12では、例えばリーチ図柄を表示した後、演出用大当たり図柄の組合せ、例えばゾロ目「777」を停止表示する。
【0037】
そして、主回路100は、大入賞口ソレノイド143を励磁して大入賞口23を開放し、例えば10個入賞するか30秒経過すると閉鎖するラウンド処理を複数回(例えば15回)繰り返す。大入賞口23へ1個入賞すると、賞球(例えば、14個)が払い出されるので、遊技者は、大当たりに当選することで多量の玉を獲得することができる。
【0038】
大当たりが終了した後、主回路100は、時短状態を発生させる。時短状態では、周知のように液晶表示装置12における図柄の変動回数が所定回数(例えば100回)に達するか、あるいは新たな大当たりに当選するか何れか早い方が成立するまで継続する。
【0039】
通常状態又は時短状態での大当たり終了後は、40%の割合で確変状態(高確率状態;確変中)となる。すなわち、奇数の大当たり図柄で大当たりとなった後は確変状態となり、次回の大当たりまで継続する。一方、偶数の大当たり図柄で大当たりとなった後は時短状態となり、次回の大当たりが発生するか、特図の変動表示が100回行なわれるか、いずれかが成立するまで継続する。
【0040】
次に、本発明の主回路100(合成手段)により行われる合成演出による図柄変動パターンについて説明する。主回路100(抽選手段)により抽選が行われた後、抽選結果が大当たりの場合は1/3の確率で、はずれの場合は1/900の確率で合成演出が行われる。よって、通常状態では約1/450(=1/300×1/3+299/300×1/900)の確率で合成演出が発生し、発生したうち半分が大当たりとなる。
【0041】
ここで、合成演出とは、通常の図柄変動に遊技中の遊技者の動画を含む画像を取り込んだ演出であり、さらに、遊技者が所定の動作を行った場合にはその動作に応じて図柄変動パターンを変更するものである。所定の動作としては、遊技者が表示画面中の数字を掴むような動作、手を振る動作、両手を合わせる動作、手で仰ぐ動作などがある。また、各動作に応じた変更用の図柄変動パターン(変更パターン)を予め記憶しており、所定の動作を検出した場合には、その動作に応じた変更パターンに変更することとなる。
【0042】
図4に
図1に示したX部分の部分拡大断面図を示す。この
図4に示すようにカバー部材3の内部には赤外線光源として機能する赤外線LED9aの列と点灯部材として機能する装飾用LED9bの列とが交互に並んで配置されている。赤外線LED9aと装飾用LED9bとはカバー部材3により覆われているので、遊技者からは、これらのLED9a,9bが視認不能となり、目立たない。よって、演出時等に装飾用LED9bが点灯したとしても赤外線LED9aは遊技者から視認不能なので、遊技盤面上に配置されている場合などに比べ遊技者は遊技に集中でき、遊技機の美観が損なわれることも無い。
【0043】
なお、赤外線LED9aは装飾用LED9bと並べて30〜50個配置することで、
図2に示す動作検出領域Yに向け赤外線を照射することが可能となる。このように、赤外線LED9aが多量に配置されているので、動作検出領域Yに隙間無く赤外線を照射することができ、動作検出領域Yに入った遊技者の身体に赤外線を確実に当てることができる。よって、遊技者の身体に当たり反射した赤外線を赤外線カメラ8で受光することができるので、遊技者の動作(主に手の動き)を確実に捉えることが可能となる。
【0044】
なお、
図4(a)では赤外線LED9aを内側から外側に向う方向に装飾用LED9bと交互に並ぶようにしているが、
図4(b)のように赤外線LED9aを複数個まとめてひとかたまりとした配置としてもよい。さらに、
図4に示すように、遊技者の動作が検知される遊技機1の前方の動作検出領域Y(
図2参照)において赤外線LED9aからの光が漏れなく照射されるように、赤外線LED9a同士の間隔が密に配置されていると遊技者の動作を良好に検出することができる。ここで、動作検出領域Yとは赤外線LED9aと赤外線カメラ8の撮像範囲が重なる領域を示すものである。また、この実施例では赤外線LED9aを
図1においてカバー部材3の左右下方に配置するようにしているが、カバー部材3内であればどこに配置するようにしてもよい。このように、赤外線LED9aの配置は適宜変更が可能で、それに合わせ赤外線カメラ8の位置も同様に変更が可能である。
【0045】
図5のフローチャートにより、本発明の合成演出による図柄変動パターン処理について具体的に説明する。なお、
図5のフローチャートで示されるプログラムは、主回路100のROM102に格納されており、主回路100のCPU101が図柄変動のタイミングで繰り返し実行するように構成されている。
【0046】
玉が始動入賞検出器132により検出されると(S1:Yes)、主回路100(抽選手段)により大当たりの抽選処理が開始される(S2)。そして、抽選結果に応じて、主回路100(図柄変動パターン決定手段)が、ROM102(図柄変動パターン記憶手段)により記憶されている複数の図柄変動パターンの中から、1つの図柄変動パターンを決定する(S3)。そして、主回路100(図柄変動手段)により、その決定された図柄変動パターンによる図柄変動が開始される(S4)。
【0047】
次に、主回路100では合成演出を行うか否かの判定が行われる(S5)。合成演出を行う場合(S5:Yes)、主回路100(合成手段)はリーチ後に赤外線カメラ8により撮影した遊技者の画像を図柄変動に合成する合成演出を実行する(S6)。さらに、主回路(報知手段)は、遊技者に所定の動作を報知する(S7)。赤外線カメラ8により遊技者の所定の動作が検出される(S8:Yes)と、主回路100(図柄変動パターン変更手段)により図柄変動パターンが変更されることとなる(S9)。
【0048】
図6,7は、合成演出が具体的に液晶表示装置12にどのように表示されるのかを示したものである。ここで、
図6は大当たりとなる場合を示し、
図7はハズレとなる場合を示している。
【0049】
図6(a)に示すように液晶表示装置12には、各数字に対応したキャラクター33,34,36,37(例えば図に示すような動物のキャラクター)が表示されている。玉が始動入賞口22に入賞すると図柄変動が開始される。そして、
図6(b)に示すように上方のキャラクター37,36と下方のキャラクター36,37が停止することでリーチ状態となる(いわゆるダブルリーチ)。この時、真中のキャラクター33,34は未だ変動(例えば右から左へ移動)している。
【0050】
合成演出が行われるように主回路100により判断されている場合、
図6(c)に示すように遊技者の動画30が赤外線カメラ8により、液晶表示装置12上に映し出される。さらに、
図6(d)に示すように報知画像31が液晶表示装置12上に映し出される。このとき、真中のキャラクター35,36は引き続き変動している。この実施例での報知画像31は真中のキャラクターを上下に手でつかむように遊技者に促すもので、手の態様をとる報知画像31が上下に移動することで報知動作を遊技者に分かり易く知らせている。このように報知画像31が表示されることで、遊技性を十分に理解していない遊技者に対しても、十分に遊技を楽しませることができる。
【0051】
そして、遊技者が
図6(e)に示すように報知画像31の報知に合わせ、キャラクター38を上下からつかむ動作を行う。赤外線カメラ8がつかむ動作を検出すると、遊技者の動作に合わせた図柄変動が行われ、その図柄変動に赤外線カメラ8で撮像した遊技者の動画30が合成される。そして、合成された遊技者の動画を含む画像(遊技者の動画30とキャラクター38の画像と)が液晶表示装置12上に表示される。つまり、キャラクター38は上下に潰されたように変形し、あたかも遊技者自らがキャラクター38をつかんでいるように思わせることが可能となる。これにより、遊技者はまるでリアルタイムで遊技に参加していることを実感でき、遊技の趣向が格段に向上する。
【0052】
さらに、
図6(f)に示すように図柄変動が大当たりである場合、キャラクター37,37,37が斜めに一列に揃う。
図6(f)の例では、大当たりとなって、喜んだポーズをとった遊技者が映し出されている。
【0053】
ハズレの場合には、大当たりの場合と同様、遊技者は、
図7(e)のようにキャラクター38を上下からつかむ動作を行う。すると、キャラクター38は上下に潰されたように変形する。しかし、ハズレの場合には
図7(g)に示すようにキャラクター38が左方向に滑って、あたかも遊技者の手の中から逃げたように表示される。そして、
図7(h)に示すように、キャラクター36,37はハズレた位置で停止し、遊技者は非常に悔しい思いをする。
【0054】
図6,
図7では、ダブルリーチの例を示したが、これに限らず例えば一度目の大当たり図柄来た段階では合成演出を行わず、二度目の大当たり図柄が来た段階で合成演出が行われるようにしてもよい。また、一度目の合成演出でハズレとし、二度目の合成演出で当たりとする(キャラクターがつかめる)ような設定としてもよく、勿論シングルリーチの場合に合成演出を行ってもよい。
【0055】
このように、本発明の遊技機(パチンコ遊技機)1によると、従来の遊技性に加え、遊技者のリアルタイムの動作を表示するとともに遊技者の動作に応じて図柄変動が変化するという構成となり、遊技者の動作が図柄変動の変化に反映されていることを遊技者に示しやすい。その結果、遊技者の遊技への参加意識を十分に高めることができ、臨場感溢れる遊技性を実現することができる。
【0056】
ここで、合成演出を行っているにも関わらず、遊技者が例えばキャラクター37(例えば、当たり図柄)をつかむ動作を検出できない場合、抽選結果が大当たりのときは一旦キャラクター37が滑って、ハズレ図柄を停止させた後に図柄を再変動し、キャラクター37を停止する一方、ハズレのときは同様に滑ってハズレ図柄を停止するようにしてもよい。
【0057】
上記実施例では、主回路100(報知手段)によって報知される所定の動作は、上下で挟み込む(つかむ)ような動作が示されているが、所定の動作は実施例のものに限らない。例えば、手を振る動作、両手を合わせる(祈る)動作、手で仰ぐ動作の他、刀のように手で画面を切る動作、拳で殴るような動作を図柄変動演出と絡ませて行うことで合成演出がより楽しめ、遊技者が図柄変動に参加している印象が一層高まる。
【0058】
また、表示部の右端から動物の大群が出てくると大当たりの期待度が高い遊技機においては、合成演出時に手を右から左に大きく振ると動物の大群が出てくるようにしてもよい。
【0059】
また、上記実施例では玉が始動入賞検出器132により検出されることにより、主回路100(抽選手段)により大当たりの抽選処理が開始されており、合成演出時には既に大当たりかどうかが決定されているが、合成演出時における遊技者の動作に応じて大当たりの当否を決定するようにしても良い。例えば、報知通りの動作を行った場合には大当たりとするが、その動作を行わなかった場合にはハズレとするようにしても良い。また、報知通りの動作を行った場合であっても、動作を行った回数や、動作を行うまでに要した時間などに応じて大当たりの当否を決定するようにしても良い。
【0060】
また、主回路100(交代判定手段)により客の交代を判定するように構成し、経過時間を計測可能な主回路100(計測手段)により、同一人物の遊技時間が長くなるほど報知頻度を減少するようにしてもよい。同一の遊技者が長時間に渡って遊技をしている場合は、遊技機の遊技性を十分に理解している可能性が高く、このような状況でも報知を行えば却って遊技の邪魔となりかねない。よって、経過時間に対応して報知頻度を減らすことでこのような問題を解決することができる。
【0061】
具体的な客交代の判定手段として、遊技者の出玉を主回路100(計測手段)により計測し、その値がプラスの状態で入金がされた場合は、主回路100(交代判定手段)により客の交代が判定されるようにしてもよい。また、赤外線カメラ8により遊技者の顔を主回路100(計測手段)により認識することで、主回路100(交代判定手段)により客の交代が判定されるようにしてもよい。また、会員カードが抜かれ別の会員カードが挿入されたことにより交代の判定を行うようにしてもよく、一般的な客交代の判定手法を採用することが可能である。
【0062】
また、報知は別途設けた表示部によって行うようにしてもよい。さらに、表示部でなく、例えば音声によって行う報知としてもよい。
【0063】
また、上述の記載では報知を行うことを前提としたが、報知を行わないような仕様とすることも可能である。
【0064】
上記実施例では、遊技者が液晶表示装置12上に映し出された後に報知画像31が表示され、その報知画像31に合わせた遊技者の所定の動作が検出されることで、図柄変動パターンが変更される場合について説明したが、これに代えて例えば、遊技者が液晶表示装置12上に映し出されることが、常に図柄変動パターンの変更を行える状態であることを示唆するように構成された遊技機としてもよい。この場合においても、報知を行わないような仕様とすることができる。
【0065】
具体的には、主回路100(示唆手段)は、図柄変動パターンの変更が可能な状態において、遊技者の動画30を液晶表示装置12に表示する。この場合、遊技者は自身の動画30が映し出されることで、図柄変動パターンが変更可能な状態であることを理解する。つまり、遊技者の動画30が映し出されることが、遊技者に図柄変動パターンの変更が可能であることを示唆するので、遊技者はその動画30が映し出されたのを契機に何らかの動作(例えば、図柄を上下で挟み込む動作、手を振る動作、両手を合わせる動作等)を行う。遊技者が行った動作が図柄変動パターンの変更をするために必要な動作であった場合、主回路100(図柄変動パターン変更手段)により、図柄変動パターンが変更される。
【0066】
このように、遊技者に図柄変動が行われることを示唆する主回路100(示唆手段)を備えた遊技機によると、図柄変動パターンの変更契機となる動作を遊技者に模索させることができるので、遊技者の参加意識を高め、変更された場合の達成感を一層高めることができる。
【0067】
なお、本発明に用いられる赤外線カメラ8は周知の赤外線カメラであり、映像と動作を検出できるものである。
【0068】
また、赤外線光源9aは複数あるとしたが、1つの光源としてもよく、その場合は長細い光源で遊技者に照射できるようにしてもよい。
【0069】
また、遊技機はパチンコ遊技機に限らずスロットマシンに適用することも可能である。