特許第5783786号(P5783786)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5783786
(24)【登録日】2015年7月31日
(45)【発行日】2015年9月24日
(54)【発明の名称】ハイブリッド型産業車両
(51)【国際特許分類】
   B60W 10/08 20060101AFI20150907BHJP
   B60W 20/00 20060101ALI20150907BHJP
   B66F 9/24 20060101ALI20150907BHJP
   B60W 10/06 20060101ALI20150907BHJP
   B60W 10/18 20120101ALI20150907BHJP
【FI】
   B60K6/20 320
   B66F9/24 WZHV
   B60K6/20 310
   B60K6/20 370
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2011-102150(P2011-102150)
(22)【出願日】2011年4月28日
(65)【公開番号】特開2012-232661(P2012-232661A)
(43)【公開日】2012年11月29日
【審査請求日】2014年2月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000232807
【氏名又は名称】ニチユ三菱フォークリフト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 邦生
(72)【発明者】
【氏名】木内 裕介
(72)【発明者】
【氏名】二橋 謙介
(72)【発明者】
【氏名】小川 清光
【審査官】 山村 秀政
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3156582(JP,U)
【文献】 特開2011−051661(JP,A)
【文献】 特開2007−168502(JP,A)
【文献】 特開2010−241322(JP,A)
【文献】 特開2010−260477(JP,A)
【文献】 特開2010−213461(JP,A)
【文献】 特開2008−260428(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 10/08
B60W 10/06
B60W 10/18
B60W 20/00
B66F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンと、
荷役に用いられる荷役用発電電動機と、
前記エンジンおよび前記荷役用発電電動機の両方から動力の供給を受けて駆動可能な荷役手段と、
前記荷役手段に動力の供給が可能な走行用発電電動機と、
制御手段と
を有し、
前記制御手段は、
前記荷役用発電電動機の力行中においては、前記荷役用発電電動機の温度に応じて前記荷役用発電電動機の動力供給を減少させ、その減少分を前記走行用発電電動機の動力により補い、
前記荷役用発電電動機の回生中においては、前記荷役用発電電動機の温度に応じて前記荷役用発電電動機の回生量を減少させ、その減少分を前記走行用発電電動機により回生させるハイブリッド型産業車両。
【請求項2】
前記制御手段は、前記荷役用発電電動機の温度、前記荷役用発電電動機の温度変化速度、荷役積載重量、および荷役操作頻度の少なくともいずれか一つを用いて前記荷役用発電電動機の温度に関するパラメータを求め、前記パラメータに応じて前記荷役用発電電動機の動力および制動力を抑制する請求項1に記載のハイブリッド型産業車両。
【請求項3】
前記荷役用発電電動機を冷却する冷却手段を備え、
前記荷役用発電電動機の温度が予め設定されている所定の閾値を超えた場合に、前記冷却手段の出力を増加させる請求項1または請求項に記載のハイブリッド型産業車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、フォークリフトなどのハイブリッド型産業車両に関するものである。
【背景技術】
【0002】
産業車両の燃費向上のため、エンジンに加えて、電動発電機から動力を供給するハイブリッド型産業車両が知られている。一般に、ハイブリッド型産業車両は、発電電動機の回生エネルギーをバッテリに蓄え、力行時に再利用することができる。
このようなハイブリッド型産業車両において、バッテリの充電率の極端な減少や増加はバッテリ寿命を短縮するため、バッテリの充電率を適切に管理することが知られている(例えば、特許文献1参照)。
例えば、特許文献1には、ハイブリッド型産業車両において、バッテリ保護のために、充電率およびバッテリ温度を検出して、放電許容電力を制御する技術が開示されている。具体的には、特許文献1には、バッテリ温度の低温時および高温時または充電率が小さいときに、バッテリからの放電許容電力の設定値を小さくすることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3156582号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されている技術により、バッテリの破損は回避可能となるが、実際のハイブリッド型産業車両においては、バッテリ以外の構成要素についても注意して運用する必要がある。
例えば、産業車両では、ハイブリッド型の普通自動車に用いられるIPM(Interior Permanent Magnet Motor)モータなどの高価なモータではなく、熱効率が高くない比較的安価なモータが搭載される場合があり、エネルギーの回生および動力の供給による酷使により寿命が著しく短縮されるおそれがある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、発電電動機の寿命を長期化することのできるハイブリッド型産業車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明は、エンジンと、荷役に用いられる荷役用発電電動機と、前記エンジンおよび前記荷役用発電電動機の両方から動力の供給を受けて駆動可能な荷役手段と、前記荷役手段に動力の供給が可能な走行用発電電動機と、制御手段とを有し、前記制御手段は、前記荷役用発電電動機の力行中においては、前記荷役用発電電動機の温度に応じて前記荷役用発電電動機の動力供給を減少させ、その減少分を前記走行用発電電動機の動力により補い、前記荷役用発電電動機の回生中においては、前記荷役用発電電動機の温度に応じて前記荷役用発電電動機の回生量を減少させ、その減少分を前記走行用発電電動機により回生させるハイブリッド型産業車両を提供する。
【0007】
このように、荷役用発電電動機の温度に応じて荷役用発電電動機の出力または回生量を抑制するので、荷役用発電電動機の過度な温度上昇を抑えることができる。これにより、荷役用発電電動機として熱効率の低い発電電動機を用いた場合でも、熱の上昇による発電電動機の故障を未然に防止することができ、発電電動機の寿命を長期化させることが可能となる。
更に、荷役用発電電動機の出力を抑制した場合には、抑制により不足した動力分が走行用発電電動機から補われ、また、荷役用発電電動機の回生量を抑制した場合には、その抑制により不足した制動力分が走行用発電電動機により補われる。これにより、操作性を損なうことなく、運転を継続させることが可能となる。
【0012】
上記ハイブリッド型産業車両において、前記制御手段は、前記荷役用発電電動機の温度、前記荷役用発電電動機の温度変化速度、荷役積載重量、および荷役操作頻度の少なくともいずれか一つを用いて前記荷役用発電電動機の温度に関するパラメータを求め、前記パラメータに応じて前記荷役用発電電動機の動力および制動力を抑制することとしてもよい。
【0013】
このように、荷役用発電電動機の温度だけではなく、荷役用発電電動機の温度上昇に関わりのある情報を総合的に用いることにより、荷役用発電電動機の温度上昇を予測して、先行的に荷役用発電電動機を制御することが可能となる。
【0014】
上記ハイブリッド型産業車両は、前記荷役用発電電動機を冷却する冷却手段を更に備え、前記荷役用発電電動機の温度が予め設定されている所定の閾値を超えた場合に、前記冷却手段の出力を増加させることとしてもよい。
【0015】
これにより、荷役用発電電動機の過度な温度上昇をより効果的に抑制することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、発電電動機の寿命を長期化することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1実施形態に係るハイブリッド型産業車両の概略構成を示したブロック図である。
図2】荷役用発電電動機の力行中において、ハイブリッド制御システムで実行される処理を示したフローチャートである。
図3】荷役用発電電動機の回生中において、ハイブリッド制御システムで実行される処理を示したフローチャートである。
図4】動力配分比可変モードで参照されるテーブルの一例を示した図である。
図5】制動力配分比可変モードで参照されるテーブルの一例を示した図である。
図6】本発明の第2実施形態に係るハイブリッド型産業車両の概略構成を示したブロック図である。
図7】本発明の他の実施形態に係るハイブリッド型産業車両の概略構成を示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
〔第1実施形態〕
以下に、本発明に係るハイブリッド型産業車両の第1実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るハイブリッド型産業車両の概略構成を示したブロック図である。図1に示すように、ハイブリッド型産業車両1は、例えば、フォークリフトであり、エンジン2と荷役用発電電動機3と、エンジン2および荷役用発電機3の両方から動力の供給を受けて駆動可能な荷役装置(荷役手段)4とを備えている。
【0019】
荷役用発電電動機3には、インバータ5を介してバッテリ6が電気的に接続されている。荷役用発電電動機3は、バッテリ6からの電力供給により力行動作するとともに、荷役用発電機3の回生動作によって発生した回生エネルギーがバッテリ6に蓄電される構成とされている。荷役用発電電動機3は、例えば、荷役装置4が荷を上げるときに力行動作が行われ、荷を下ろすときに回生動作が行われる。また、回生動作の際には、制動装置(制動手段)9も用いられ、この制動装置9により荷役用発電電動機3の回生量が調整可能とされている。
【0020】
制動装置9は、例えば、荷役装置4が備える荷役用ポンプ(図示略)と荷役用発電電動機3との間のシャフトに設けられたメカブレーキであり、荷役用発電電動機3の回生量を抑制させる必要がある場合には、ブレーキ圧力を増加させ、熱エネルギーを発生させる。
また、制動装置9は、例えば、荷役用油圧回路に設けられた圧力調節弁の開度を制御する装置であり、荷役用発電電動機3の回生量を抑制させる必要がある場合には、圧力調節弁の弁開度を絞り、圧力損失を増大させ、熱エネルギーを発生させる。
このとき、理想的な環境下では、以下の関係式が成立することとなる。
上昇させた荷役装置が持つ位置エネルギー
=荷役下降速度に応じた運動エネルギー+回生エネルギー+熱エネルギー
【0021】
エンジン2、荷役用発電電動機3、インバータ5、および制動装置9はハイブリッド制御システム(制御手段)8により制御される。
荷役用発電電動機3には、温度を検出するセンサ7が設けられている。センサ7は、例えば、軸受またはコイル部の温度を検出可能に設けられている。センサ7によって検出された荷役用発電電動機3の温度は、ハイブリッド制御システム8に入力される。
【0022】
このような構成を備えるハイブリッド型産業車両1における荷役用発電電動機3の制御について図2および図3を参照して説明する。
荷役用発電電動機3の力行中においては、以下のような処理がハイブリッド制御システム8において行われる。
【0023】
まず、エンジン2と荷役用発電電動機3の動力配分比が予め設定されている比率に固定された通常運転モードが実行される(図2のステップSA1)。
続いて、センサ7から通知された荷役用発電電動機3の温度Tが予め設定されている閾値Tcを超えたか否かを判定する(図2のステップSA2)。この閾値Tcは、荷役用発電電動機3を停止させる停止閾値Ttよりも小さい値に設定されている。
【0024】
ステップSA2において、温度Tが閾値Tcを超えていなければ、ステップSA1に戻り、通常運転モードを維持し、閾値を超えていた場合には動力配分比可変モードを実行する(図2のステップSA3)。
動力配分比可変モードは、荷役用発電電動機3の出力を抑制するモードであり、荷役用発電電動機3の温度に応じてエンジン2と荷役用発電電動機3の動力配分比が変更される。具体的には、図4に示すような荷役用発電電動機の温度と動力配分比とが対応付けられたテーブルを有しており、このテーブルから現在の温度に対応する動力配分比を取得する。ここで、テーブルは、温度が高温になるのに伴い、荷役用発電電動機の配分が減少し、エンジン2の配分が増加するように設定されている。そして、このようなテーブルから取得した動力配分比に応じた動力指令をエンジン2およびインバータ5に出力する。
【0025】
続いて、センサ7から通知された荷役用発電電動機3の温度Tが閾値Tcを超えたか否かが再度判定され(図2のステップSA4)、この結果、温度Tが閾値Tcを超えていなければ、ステップSA1に戻り、通常運転モードに切り替える。一方、温度Tが閾値Tcを超えていた場合には、温度Tが停止閾値Ttを超えているか否かを判定し(図2のステップSA5)、超えていなければステップSA3に戻り、動力配分比可変モードが維持され、超えていた場合には、インバータ5を停止させて、荷役用発電電動機3の動力供給を停止する(図2のステップSA6)。
【0026】
次に、荷役用発電電動機3の回生中におけるハイブリッド制御システム8による処理について図3を参照して説明する。
【0027】
まず、制動装置9と荷役用発電電動機3の制動力配分比が予め設定されている比率に固定された通常運転モードが実行される(図3のステップSB1)。
続いて、センサ7から通知された荷役用発電電動機3の温度Tが予め設定されている閾値Tcを超えたか否かを判定する(図3のステップSB2)。この閾値は、上記力行動作のときと同じ値に設定されている。
ステップSB2において、温度Tが閾値Tcを超えていなければ、ステップSB1に戻り、通常運転モードを維持し、閾値Tcを超えていた場合には制動力配分比可変モードを実行する(図3のステップSB3)。制動力配分比可変モードは、荷役用発電電動機3の回生量を抑制するモードであり、荷役用発電電動機3の温度に応じて制動装置9と荷役用発電電動機3の制動力配分比が変更される。具体的には、図5に示すような荷役用発電電動機3の温度と制動力配分比とが対応付けられたテーブルを有しており、このテーブルから現在の温度に対応する制動力配分比を取得する。ここで、テーブルは、温度が高温になるのに伴い、荷役用発電電動機3の配分が減少し、制動装置9の配分が増加するように設定されている。
そして、この制動力配分比に応じた制動力指令を制動装置9に出力するとともに、回生指令をインバータに出力する。
【0028】
続いて、センサ7から通知された荷役用発電電動機3の温度が閾値を超えたか否かが再度判定され(図3のステップSB4)、この結果、温度Tが閾値Tcを超えていなければ、ステップSB1に戻り、通常運転モードに切り替える。一方、温度Tが閾値Tcを超えていた場合には、温度Tが停止閾値Ttを超えているか否かを判定し(図3のステップSB5)、超えていなければステップSB3に戻り、制動力配分比可変モードが維持され、超えていた場合には、インバータを停止させて、荷役用発電電動機3の回生動作を停止させる(図3のステップSB6)。
【0029】
以上説明してきたように、本実施形態に係るハイブリッド型産業車両1によれば、荷役用発電電動機3の温度Tが所定の閾値Tcよりも高くなった場合に、荷役用発電電動機3の動力供給量または回生量を抑制するので、荷役用発電電動機3の過度な温度上昇を抑えることができる。これにより、荷役用発電電動機3として熱効率の低い発電電動機(例えば、三相誘導型の発電電動機)を用いた場合でも、熱の上昇による発電電動機の故障を未然に防止することができ、発電電動機の寿命を長期化させることが可能となる。
また、荷役用発電電動機3の動力供給量を抑制することによる動力の不足分がエンジン2により補われ、荷役用発電電動機3のエネルギー回生量を抑制することによる制動力の不足分が制動装置9によって補われるので、操作性を損なうことなく、運転を継続させることが可能となる。
【0030】
なお、上記実施形態においては、荷役用発電電動機3の温度の情報のみを用いて、動力配分比可変モードまたは制動力配分比可変モードに移行するか否かを判定していたが、この判定に用いる情報は温度に限定されない。例えば、荷役用発電電動機3の温度、荷役用発電電動機3の温度変化速度、荷役積載重量、および荷役操作頻度の少なくともいずれか一つを用いて判定を行うこととしてもよい。また、これらのうちの少なくとも1つを変数とした温度に関するパラメータを算出する演算式を保有しており、この演算式を用いて算出したパラメータに基づいて、上記判定を行うこととしてもよい。また、この場合、図4および図5に示したテーブルも、温度に代えて上記パラメータを用いることとしてもよい。
【0031】
ここで、荷役操作頻度は、所定時間における荷役操作の回数であり、例えば、所定時間内において荷役レバーが操作された回数をカウントすることで得ることができる。
このように、荷役用発電電動機3の温度だけではなく、荷役用発電電動機3の温度上昇に関わりのある情報を総合的に用いて、動力配分比可変モードまたは制動力配分比可変モードに移行するか否かを判定することで、荷役用発電電動機3の将来における温度上昇を予測することが可能となり、荷役用発電電動機3を先行的に制御することが可能となる。
【0032】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態に係るハイブリッド型産業車両について図6を参照して説明する。以下、上述した第1実施形態と共通する点については説明を省略し、異なる点について主に説明する。
【0033】
本実施形態に係るハイブリッド型産業車両は、図6に示すように、車輪などの走行装置に動力を供給する走行用発電電動機10を有しており、この走行用発電電動機10から荷役装置4への動力供給および走行用発電電動機10の回生動作が可能な構成とされている。走行用発電電動機10は、例えば、インバータ11を介してバッテリ6に接続されている。
【0034】
そして、荷役用発電電動機3の力行時において、動力配分比可変モードに移行した場合には、荷役用発電電動機3の配分の減少分をエンジン2で補うのではなく、走行用発電電動機10からの動力供給により補うとともに、荷役用発電電動機3の回生時において、制動力配分比可変モードに移行した場合には、荷役用発電電動機3の配分の減少分を制動装置9で補うのではなく、走行用発電電動機10による回生量によって補う。
【0035】
以上説明してきたように、本実施形態に係るハイブリッド型産業車両によれば、荷役用発電電動機3の動力供給量およびエネルギー回生量の不足分を走行用発電電動機10により補うことにより、荷役用発電電動機3の過度の温度上昇を抑制することができる。これにより、荷役用発電電動機3として熱効率の低い発電電動機を用いた場合でも、熱の上昇による発電電動機の故障を未然に防止することができ、荷役用発電電動機3の寿命を長期化させることが可能となる。また、荷役用発電電動機3の動力供給量およびエネルギー回生量の不足分が走行用発電電動機10により補われるので、操作性を損なうことなく、運転を継続させることが可能となる。
【0036】
また、上述した各実施形態において、例えば、図7に示すように、荷役用発電電動機3の付近に、荷役用発電電動機3を冷却する冷却ファン(冷却手段)12を設け、荷役用発電電動機3の温度が所定の値を超えた場合に、冷却ファン12の出力を増加させることとしてもよい。これにより、荷役用発電電動機3の過度な温度上昇をより効果的に抑制することができる。この場合において、例えば、冷却ファン12の制御はハイブリッド制御システム8により行われ、冷却ファン12への電力供給はバッテリ6から行われる。
【符号の説明】
【0037】
1 ハイブリッド型産業車両
2 エンジン
3 荷役用発電電動機
4 荷役装置
5 インバータ
6 バッテリ
7 センサ
8 ハイブリッド制御システム
9 制動装置
10 走行用発電電動機
11 インバータ
12 冷却ファン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7