(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記音響パワー再決定部は、前記上限記憶部に記憶された前記特定の表示モードの前記パラメータの上限値と前記パラメータ特定部によって特定された前記パラメータ値との差分を、前記上限記憶部に記憶された前記異なる表示モードの前記パラメータの上限値に分配し、分配後の上限値を超えないように前記異なる表示モードの音響パワーを再決定することを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
前記音響パワー決定部によって決定された前記各表示モードの音響パワーと、前記増減指示部による増減指示入力に伴い変更された後の前記各表示モードの音響パワーとの比率を計算する比率計算部と、
この比率計算部によって算出された前記比率を報知する比率報知部と、
をさらに備えていることを特徴とする請求項2に記載の超音波診断装置。
前記各表示モードの音響パワーがいずれもゼロ又は所定の閾値以上である場合、それら各音響パワーにて前記超音波プローブを駆動して得られる前記各表示モードの超音波画像をリアルタイムで所定の表示部に表示させ、前記増減指示部による増減指示入力に伴い前記各表示モードのいずれかの音響パワーがゼロ又は前記閾値未満となった場合、前記表示部に表示させる当該表示モードの超音波画像を過去に得られた当該表示モードの超音波画像に変更する表示制御部、
をさらに備えていることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか1に記載の超音波診断装置。
前記上限記憶部には、前記各表示モードにおける値の加算値によって評価される第1パラメータの前記各表示モードそれぞれに分配された上限値と、前記各表示モードにおける値の最大値によって評価される第2パラメータの上限値とが記憶され、
前記音響パワー決定部は、前記各表示モードのそれぞれについて、前記上限記憶部に記憶されたその表示モードの前記第1パラメータの上限値及び前記第2パラメータの上限値を超えないように前記音響パワーを決定し、
前記パラメータ特定部は、前記増減指示部による入力に応じて増減された後の音響パワーに基づき、前記特定の表示モードの第1パラメータ値を特定し、
前記音響パワー再決定部は、前記上限記憶部に記憶された前記特定の表示モードの前記第1パラメータの上限値と前記パラメータ特定部によって特定された前記第1パラメータ値との差分を、前記上限記憶部に記憶された前記異なる表示モードの前記第1パラメータの上限値に分配し、当該分配後の上限値及び前記上限記憶部に記憶された前記第2パラメータの上限値を超えないように前記異なる表示モードの音響パワーを再決定する、ことを特徴とする請求項2に記載の超音波診断装置。
前記各表示モードのいずれかについて前記第2パラメータの上限値に対応する音響パワーが前記最小値である場合、当該表示モードの音響パワーを変更できない旨を警告する警告部、をさらに備えていることを特徴とする請求項6に記載の超音波診断装置。
前記第1パラメータは、Ispta(spatial-peak temporal average Intensity)、TI(Thermal Index)、及び前記超音波プローブの表面温度の上昇値の少なくとも1つを含み、前記第2パラメータは、MI(Mechanical Index)である、ことを特徴とする請求項3乃至8のうちいずれか1に記載の超音波診断装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、いくつかの実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0012】
(第1の実施形態)
先ず、第1の実施形態について説明する。
[装置構成]
図1は、本実施形態における超音波診断装置1のブロック構成図である。
【0013】
同図に示すように、超音波診断装置1は、超音波プローブ2、装置本体3、送受信部4、Bモード処理部5、ドプラ処理部6、画像生成部7、画像メモリ8、表示制御部9、ディスプレイ10、制御プロセッサ11、内部記憶部12、入力部13、インターフェース部14、音響パワー調整つまみ15B,15Cb等を備えている。
【0014】
超音波プローブ2は、送受信部4からの駆動信号に基づき超音波を発生し、被検体からの反射波を電気信号に変換する複数の圧電振動子、当該圧電振動子に設けられる整合層、上記圧電振動子から後方への超音波の伝播を防止するバッキング材等を有している。超音波プローブ2から被検体Pに超音波が送信されると、当該送信超音波は、体内組織の音響インピーダンスの不連続面で次々と反射され、エコー信号として超音波プローブ2に受信される。このエコー信号の振幅は、反射することになった不連続面における音響インピーダンスの差に依存する。また、送信された超音波パルスが、移動している血流や心臓壁等の表面で反射された場合のエコーは、ドプラ効果により移動体の超音波送信方向の速度成分に依存して、周波数偏移を受ける。
【0015】
送受信部4は、送信系としてのパルス発生器、遅延回路およびパルサを有している。パルサでは、所定のレート周波数fr[Hz](周期;1/fr秒)で、送信超音波を形成するためのレートパルスが繰り返し発生される。また、遅延回路では、チャンネル毎に超音波をビーム状に集束し且つ送信指向性を決定するのに必要な遅延時間が、各レートパルスに与えられる。パルス発生器は、このレートパルスに基づくタイミングで、超音波プローブ2に駆動パルスを印加する。
【0016】
また、送受信部4は、受信系としてのプリアンプ、A/D変換器、受信遅延部、加算器等を有している。プリアンプは、超音波プローブ2を介して取り込まれたエコー信号をチャンネル毎に増幅する。受信遅延部は、増幅されたエコー信号に対し受信指向性を決定するのに必要な遅延時間を与える。加算器は、遅延時間が与えられたエコー信号を加算する。この加算により、エコー信号の受信指向性に応じた方向からの反射成分が強調され、受信指向性と送信指向性とにより超音波送受信の総合的なビームが形成される。
【0017】
Bモード処理部5は、検波器及び対数圧縮器等を有している。検波器は、送受信部4からエコー信号を受け取り、包絡線検波処理を実行する。対数圧縮器は、上記検波処理における検波後のエコー信号に対して対数増幅を施し、信号強度が輝度の明るさで表現されるデータを生成する。
【0018】
ドプラ処理部6は、送受信部4から受け取ったエコー信号から速度情報を周波数解析し、ドプラ効果による血流や組織、造影剤エコー成分を抽出し、平均速度、分散、パワー等の血流情報を多点について求める。得られた血流情報は、画像生成部7等にて所定の処理を受けた後、平均速度画像、分散画像、パワー画像、これらの組み合わせ画像としてカラー表示される。
【0019】
画像生成部7は、Bモード処理部5及びドプラ処理部6から出力されるデータに基づきBモード画像及びCbモード画像等の超音波画像を生成する。生成された超音波画像は、画像メモリ8に出力される。
【0020】
画像メモリ8は、画像生成部7から出力されたフレーム毎の超音波画像を格納する記憶メモリから成る。この超音波画像は、例えば診断の後に読み出すことが可能となっており、静止画的に、あるいは複数枚を使って動画的に再生することが可能である。
【0021】
表示制御部9は、画像メモリ8から超音波画像を読み出すとともに、読み出した画像と文字情報等とを合成した診断画面を生成し、ディスプレイ10に表示させる。なお、超音波プローブ2にBモードやCbモードのような複数の表示モードに対応する駆動パワーを所定時間幅ずつ印加して超音波の送受信を行わせるモード(以下、コンビネーションモード)において、表示制御部9は、画像メモリ8に記憶された各表示モードの同一フレームの超音波画像を同一画面上にレイアウトし、これに文字情報等を合成した診断画面を生成して、ディスプレイ10に表示させる。
【0022】
ディスプレイ10は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)であり、表示制御部9に制御されて上記診断画面等を表示する。
【0023】
入力部13は、オペレータからの各種指示、条件、関心領域(ROI)の設定指示、種々の画質条件設定指示等を装置本体3に取り込むための各種スイッチ、ボタン、トラックボールの他、マウス、キーボード等を有している。
【0024】
インターフェース部14は、各種の入出力デバイス、通信ネットワーク、及び外部記憶装置等を装置本体3に接続するためのインターフェースである。超音波診断装置1において得られた超音波画像等のデータや解析結果等は、インターフェース部14を介して上記入出力デバイス、通信ネットワークに接続された他の装置、及び上記外部記憶装置に出力可能である。
【0025】
内部記憶部12には、各種スキャンシーケンスや超音波の送信条件等のデータ、制御プロセッサ11に種々の機能を実現させるための制御プログラム、上限値テーブル121、及びパラメータテーブル122B,122Cb等が記憶されている。また、超音波診断装置1がコンビネーションモードにて動作する際には、内部記憶部12に上限値記憶エリア123が生成される。
【0026】
既述の通り、超音波プローブ2から送信される超音波の音響パワーは、4種別のパラメータ、すなわちIspta.3、TI、TempRise、及びMIによって制約される。なお、厳密にはTIは、TIS、TIB、TICから構成されるが、本実施形態では簡略化のため、これら3つの要素を1つのTIと定義して説明する。
【0027】
Bモード及びCbモードからなるコンビネーションモードでは、Ispta.3、TI、及びTempRise(第1パラメータ)に関してはBモード及びCbモードにおける値の加算値が上限値を超えないように、また、MI(第2パラメータ)に関してはBモード及びCbモードにおける値のうちの最大値が上限値を超えないように、Bモード及びCbモードの音響パワーを制御する必要がある。
【0028】
上限値テーブル121には、Ispta.3、TI、TempRise、及びMIの上限値が記述されている。この上限値テーブル121に記述されたIspta.3、TI、及びTempRiseの上限値は、送信波形、送信ウェイティング(Weighting)、送信周波数、及び送信フォーカス等の送信条件に応じて、例えば予め定められた比率にてBモード及びCbモードに分配される。以下、Bモード及びCbモードに分配されたIspta.3、TI、及びTempRiseの上限値を、それぞれのパラメータの個別上限値B及び個別上限値Cbと称す。
【0029】
上限値記憶エリア123は、本実施形態における上限記憶部として機能するものであり、上記のように分配されたIspta.3、TI、及びTempRiseの個別上限値B,Cbと、MIの上限値とを記憶する。
【0030】
パラメータテーブル122Bは、上記4種別のパラメータのそれぞれについて、Bモードの上記送信条件毎に設けられている。同様に、パラメータテーブル122Cbは、上記4種別のパラメータのそれぞれについて、Cbモードの上記送信条件毎に設けられている。
【0031】
パラメータテーブル122B,122Cbの一例を
図2に示す。図示したものは、BモードあるいはCbモードのある送信条件におけるTempRiseに関するものであり、TempRiseと、超音波プローブ2に印加する駆動電圧Vの2乗値との関係を示している。なお、Ispta.3及びTIに関する各送信条件のパラメータテーブル122B,122Cbについても、Ispta.3及びTIと、駆動電圧Vの2乗値との関係が示されている。但し、MIに関する各送信条件のパラメータテーブル122B,122Cbについては、MIと、駆動電圧Vとの関係が示されている。なお、各種別のパラメータと駆動電圧Vとの関係は、例えば実験的に測定したものであってもよいし、経験的あるいは理論的に導出したものであってもよい。
【0032】
このような構成のパラメータテーブル122B,122Cbを用いれば、特定の送信条件と各パラメータ値とに対応する音響パワー(本実施形態においては駆動電圧)が一意に特定される。
【0033】
制御プロセッサ11は、超音波診断装置1の各部の動作を制御する。また、本実施形態における制御プロセッサ11は、内部記憶部12に記憶された制御プログラムを実行することにより、音響パワー決定部100、音響パワー増減部101、パラメータ特定部102、音響パワー再決定部103、比率計算部104、及び警告部105等の各機能を実現する。これら各部100〜105の動作については後述する。
【0034】
調整つまみ15B,15Cbは、それぞれBモード及びCbモードにおける音響パワーを、ユーザの操作によって調整するものである。本実施形態においては、調整つまみ15Bを操作することでBモードにおける音響パワーの低減が指示入力され、調整つまみ15Cbを操作することでCbモードにおける音響パワーの低減が指示入力されるものとする。
【0035】
[動作]
次に、
図3〜
図6を用いて、上記のような超音波診断装置1の基本的な動作につき説明する。
図3はコンビネーションモードでの超音波診断において初期音響パワーを決定する際の動作を示すフローチャートであり、
図4は初期音響パワー決定後に調整つまみ15B,15Cbによっていずれかのモードの音響パワーが調整される際の動作を示すフローチャートである。また、
図5、
図6は、制御プロセッサ11によって実現される各部100〜105等で構成される音響パワー算出ユニット20の機能ブロック図であり、
図5は特に音響パワー調整つまみ15Bが操作された場合のものを示しており、
図6は特に音響パワー調整つまみ15Cbが操作された場合のものを示している。
【0036】
[初期音響パワー決定処理]
入力部13の操作等によってコンビネーションモードにおける動作開始が指示されると、Bモード,Cbモードの初期音響パワー(本実施形態においては初期駆動電圧)を決定すべく
図3のフローチャートに沿った動作が開始される。
すなわち、先ず音響パワー決定部100が上限値テーブル121に記述されたIspta.3、TI、及びTempRiseの上限値を送信条件に応じてBモード,Cbモードに分配することで、個別上限値B,Cbを決定する(ステップS1)。この処理においては、例えば送信条件毎に各パラメータの分配比率を定めておき、この比率に従って上限値テーブル121に記述された各パラメータの上限値を分配すればよい。
【0037】
なお、上記送信条件、すなわち送信波形、送信ウェイティング、送信周波数、及び送信フォーカス等は、予め内部記憶部12等に記憶されたものを用いてもよいし、入力部13やインターフェース部14を介して外部から入力されたものを用いてもよい。
【0038】
ステップS1にて決定されたIspta.3、TI、及びTempRiseの個別上限値B,Cb及びMIの上限値は、上限値記憶エリア123に記憶される。
【0039】
ステップS1の後、音響パワー決定部100は、送信条件に応じた4種別のパラメータのパラメータテーブル122B、122Cbを参照し、Bモード,Cbモードのそれぞれについて上限値記憶エリア123に記憶された個別上限値B,Cb及びMIの上限値に対応する音響パワー、すなわち駆動電圧を特定する(ステップS2)。以下の説明においては、Bモードについて求められたIspta.3、TI、TempRise、及びMIの上限値に対応する駆動電圧をそれぞれV
B1、V
B2、V
B3、及びV
B4と定義し、Cbモードについて求められたIspta.3、TI、TempRise、及びMIの上限値に対応する駆動電圧をそれぞれV
C1、V
C2、V
C3、及びV
C4と定義する。
【0040】
続いて、音響パワー決定部100は、Bモード,Cbモードについて、ステップS2にて特定した音響パワーの最小値、すなわち駆動電圧V
B1〜V
B4の最小値と、駆動電圧V
C1〜V
C4の最小値とを特定する(ステップS3)。そして、音響パワー決定部100は、特定した駆動電圧V
B1〜V
B4の最小値をBモードにおける初期駆動電圧V
Bに決定し、特定した駆動電圧V
C1〜V
C4の最小値をCbモードにおける初期駆動電圧V
Cbに決定する(ステップS4)。
【0041】
このように初期駆動電圧V
B,V
Cbが決定されると、制御プロセッサ11は、これら初期駆動電圧V
B,V
Cbを超音波プローブ2に所定時間幅ずつ印加して送信条件に応じた超音波を送受信させる。このとき、初期駆動電圧V
Bの印加時に超音波プローブ2が得たエコー信号はBモード処理部5において処理され、初期駆動電圧V
Cbの印加時に超音波プローブ2が得たエコー信号はドプラ処理部6において処理されて、画像生成部7にてBモード及びCbモードの超音波画像が生成される。生成された各モードの超音波画像は画像メモリ8に記憶され、表示制御部9によって読み出されて文字情報等と共に合成された後、ディスプレイ10に表示される。
【0042】
[音響パワーの出力比率変更処理]
さて、初期駆動電圧V
B、V
Cb決定の後に調整つまみ15B,15Cbが操作されると、操作された調整つまみに対応するモードの駆動電圧が初期駆動電圧から低減されるとともに他方のモードの駆動電圧が増加して、各モードの音響パワーの出力比率が変更される。
【0043】
以下、
図4のフローチャートに沿って上記出力比率の変更に関わる処理につき説明する。
この処理においては、先ず音響パワー増減部101が変更対象モードの駆動電圧をユーザが調整つまみ15B,15Cbによって指示された分だけ低減させる(ステップS11)。上記変更対象モードは、調整つまみ15Bが操作された場合にあってはBモードであり、調整つまみ15Cbが操作された場合にあってはCbモードである。
【0044】
次に、パラメータ特定部102が現在の送信条件に応じた変更対象モードのIspta.3、TI、TempRise、及びMIに関するパラメータテーブル122を参照し、ステップS11における低減後の駆動電圧に対応するIspta.3、TI、及びTempRiseの値を特定する(ステップS12)。
【0045】
続いて、音響パワー再決定部103が変更対象モードではないモードの個別上限値を再計算する(ステップS13)。具体的には、音響パワー再決定部103は、ステップS12にて特定されたIspta.3、TI、及びTempRiseの値を上限値記憶エリア123に記憶された変更対象モードの個別上限値から差し引いて得られる差分を、上限値記憶エリア123に記憶された他方のモードの個別上限値に分配することで当該他方のモードの個別上限値を再計算する。
【0046】
そして、音響パワー再決定部103は、再計算された個別上限値及び上限値記憶エリア123に記憶されたMIの上限値を用いて当該他方のモードの音響パワー、すなわち駆動電圧を再決定する(ステップS14)。この処理は、基本的にはステップS2〜S4と同様の流れで行われる。すなわち、音響パワー再決定部103は、送信条件に応じた当該他方のモードのパラメータテーブル122を参照して再計算後の個別上限値及び上限値記憶エリア123に記憶されたMIの上限値に対応する駆動電圧を特定し、その最小値を当該他方のモードの新たな駆動電圧に決定する。ステップS14を以って一連の処理が終了する。
【0047】
このような流れの処理の後、変更対象モードに関してはステップS11にて低減された後の駆動電圧にて超音波プローブ2が駆動され、他方のモードに関してはステップS14にて再決定された駆動電圧にて超音波プローブ2が駆動される。
【0048】
ここで、調整つまみ15Bが操作されて初期駆動電圧V
Bの低減が指示された場合を例にとり、出力比率の再決定に関わる処理の具体例について説明する。
この場合、ステップS11にて初期駆動電圧V
Bが当該操作によって指示された分だけ低減される。以下、低減後のBモードの駆動電圧をV
B´と定義する。その後、ステップS12にて送信条件に応じたIspta.3、TI、TempRise、及びMIのパラメータテーブル122Bが参照され、駆動電圧V
B´に対応するこれら4種別のパラメータ値が特定される。
【0049】
そして、ステップS13にて上記Ispta.3、TI、及びTempRiseの値と上限値記憶エリア123に記憶されたBモードの個別上限値Bとの差分を、上限値記憶エリア123に記憶されたCbモードの個別上限値Cbに加算することでCbモードの個別上限値Cbが再計算される。
【0050】
この再計算の様子を
図7に示している。図示したものは、TempRiseの上限値がBモード,Cbモードに均等に分配され、かつ初期駆動電圧V
B,V
Cbの決定に用いられた上記最小値であるパラメータ(以下、制約パラメータと称す)がいずれもTempRiseである場合に、上記再計算により各モードのTempRiseの上限値が変化する様子を示す縦棒グラフである。調整つまみ15Bの操作前は各モードのTempRiseがいずれも図中の「個別上限値B,Cb」と一致するが、調整つまみ15Bの操作後には初期駆動電圧V
Bの低下に伴いBモードのTempRiseが下向矢印のように低下し、この下向矢印による減少幅分がCbモードの個別上限値Cbに加算される。同様に、Ispta.3及びTIに関しても、Bモードにおけるこれらパラメータの値とIspta.3及びTIの個別上限値Bとの差分が、CbモードのIspta.3及びTIの個別上限値Cbに加算される。
【0051】
ステップS14においては、このように増加したTempRise、Ispta.3、TIの個別上限値Cb及びMIの上限値を用いて駆動電圧V
Cb´が再決定される。
【0052】
なお、MIに関しては、既述の如く各モードにおける値の加算値ではなく最大値にて評価されるので、ステップS13において上限値の再配分は行われない。調整つまみ15BにてBモードの音響パワー出力比率を下げた場合におけるMIの変化の一例を、
図8に示している。図示したものは、初期駆動電圧V
Bの制約パラメータがMIである場合に調整つまみ15Bを操作してBモードの駆動電圧を低下させ、Cbモードの駆動電圧を増加させる様子の一例を示す縦棒グラフである。調整つまみ15Bの操作によってBモードの駆動電圧が低下したことに伴い、BモードのMIも下向矢印のように低下する。しかし、MIの上限値はBモード,Cbモードで同一であるため、
図7に示したもののようにCbモードのMIの上限値が調整つまみ15Bの操作前後で変動することはない。
【0053】
[出力比率の表示]
本実施形態における超音波診断装置1は、上述のように変更されるBモード,Cbモードの音響パワーの出力比率等を報知する機能を備える。この機能につき具体的に説明する。
【0054】
図9は、本実施形態における比率報知部として機能するディスプレイ10に表示される診断画面200の一例を示す模式図である。この診断画面200は、Bモードの超音波画像201Bと、Cbモードの超音波画像201Cbと、比率表示202とを含んでいる。各モードの超音波画像201B,201Cbは、超音波プローブ2がコンビネーションモードにて駆動されている間、リアルタイムで更新される。
【0055】
比率表示202は、例えばBモード,Cbモードそれぞれの音響パワー(Power)、MI、及びTIの値を、調整つまみ15B,15Cbによる調整前の値を基準とした百分率にて表記したものである。これらの比率は、調整つまみ15B,15Cbが操作される度に比率計算部104によって計算される。なお、各モードの音響パワーの比率は現在の駆動電圧V
B´,V
Cb´を初期駆動電圧V
B,V
Cbにて除すことで求められる。MIの比率は上限値テーブル121に規定されたMIの上限値にて現在の各モードのMIを除すことで求められ、TIの比率は上限値記憶エリア123に記憶されたTIの個別上限値B,Cbにて現在の各モードのTIを除すことで求められる。ここで使用する各モードの現在のMI,TIは、既述の如く現在の駆動電圧V
B´,V
Cb´及びパラメータテーブル122B,122Cbを用いてパラメータ特定部102に特定させればよい。
【0056】
なお、
図9には音響パワー、MI、及びTIの比率のみを表記しているが、Ispta.3やTempRise、さらにはTIを構成するTIS、TIB、TICの比率を表記してもよい。
【0057】
また、初期駆動電圧V
B,V
Cbやこれに対応する各モードのパラメータの値を「0%」の状態とし、調整つまみ15B,15Cbの操作によって変更可能な音響パワーや各種別のパラメータの上限を百分率にて併記するようにしてもよい。このような場合、各モードのIspta.3、TI、及びTempRiseの上限は、例えば個別上限値B,Cbの最大値、すなわち上限値テーブル121に規定されたこれらパラメータの上限値を、初期駆動電圧V
B,V
Cbに対応するこれらパラメータの値にて除すことで求められる。また、各モードのMIの上限は、例えば上限値テーブル121に規定されたMIの上限値を、初期駆動電圧V
B,V
Cbに対応する各モードのMIにて除すことで求められる。さらに、各モードの音響パワーの上限は、例えば各モードの個別上限値B,Cbの最大値、すなわち上限値テーブル121に規定された上限値を用いてステップS2〜S4の処理を行うことで決定される各モードの駆動電圧を、各モードの初期駆動電圧V
B,V
Cbにて除すことで求められる。
[制約パラメータがMIである場合の警告処理]
図8を用いて説明した通り、MIは各モードの最大値にて評価されるため、その上限値は各モードに分配されず各モードで一定となる。そのため、一方のモードの制約パラメータがMIである場合には、他方のモードの音響パワーを低下させてIspta.3、TI、及びTempRiseの上限値を再分配しても、それ以上当該一方のモードの音響パワーを増加させることはできない。すなわち、ステップS11〜S14の処理を経ても、変更対象モードの音響パワーが低下するだけで、変更対象モードではないモードの音響パワーが変化しないことになる。
【0058】
これに鑑み、本実施形態においては初期音響パワー決定処理を経て決定された初期駆動電圧V
B,V
Cbの少なくとも一方の制約パラメータがMIである場合、警告部105がその旨をユーザに警告する。
【0059】
この警告は、例えば
図9に示した診断画面200上に所定の警告メッセージを表示することで行う。あるいは、インターフェース部14を介して超音波診断装置1に通信接続された機器に一方の制約パラメータがMIである旨のステータスを出力したり、図示せぬスピーカにて音声を出力したりすることで、警告を行ってもよい。
【0060】
[過去画像の表示処理]
調整つまみ15B,15Cbの操作により、Bモード,Cbモードのいずれかの音響パワーがゼロとなった場合、当該モードの超音波画像が得られなくなる。
これに鑑み、本実施形態においてはBモード,Cbモードのいずれかの音響パワー、すなわち駆動電圧がゼロとなった場合に、過去に生成された当該モードの画像を診断画面に表示させる。
【0061】
このような処理は、例えば表示制御部9が
図10に示すフローチャートに沿って動作することで実現される。すなわち、ステップS11〜S14の処理が実行された直後において、表示制御部9は、Bモード,Cbモードの駆動電圧V
B´,V
Cb´がゼロであるか否かを判定する(ステップS21)。駆動電圧V
B´,V
Cb´がいずれもゼロでないならば(ステップS21のNo)、表示制御部9は、Bモード処理部5から出力されるデータ及びドプラ処理部6から出力されるデータに基づき画像生成部7が生成して画像メモリ8に記憶していくBモード,Cbモードの超音波画像を用いて診断画面を順次生成し、ディスプレイ10に出力する(ステップS22)。その結果、ディスプレイ10にはBモード,Cbモードのリアルタイムの超音波画像を含む診断画面が表示される。
【0062】
一方、駆動電圧V
B´,V
Cb´のいずれかがゼロであるならば(ステップS21のYes)、表示制御部9は、当該駆動電圧がゼロであるモードの過去に生成された画像であって、当該モードの駆動電圧がゼロでないときに撮影されたものを、画像メモリ8から読み出す(ステップS23)。このとき読み出す画像は、予め定められた時間(例えば数秒程度)だけ前に撮影された画像であってもよいし、ステップS11〜S14の処理を開始するトリガとなった調整つまみ15の操作直前における画像であってもよい。
【0063】
ステップS23の後、表示制御部9は、当該読み出した画像と、画像メモリ8に順次記憶されていく駆動電圧がゼロでないモードの超音波画像とを用いて診断画面を生成し、ディスプレイ10に出力する(ステップS24)。その結果、駆動電圧がゼロであるモードのディスプレイ10に表示される超音波画像が、リアルタイムの画像から静止画である過去画像に変更される。
【0064】
さらにステップS24の後、表示制御部9は、上記駆動電圧がゼロであるモードの超音波画像が過去画像である旨をユーザに報知する(ステップS25)。この報知は、例えば診断画面上に所定のメッセージを表示することで行う。あるいは、インターフェース部14を介して超音波診断装置1に通信接続された機器に上記駆動電圧がゼロであるモードの超音波画像が過去画像である旨のステータスを出力したり、図示せぬスピーカにて音声を出力したりすることで報知してもよい。
【0065】
なお、本実施形態においては駆動電圧V
B´,V
Cb´のいずれかがゼロであるときに過去画像を表示する場合を例示したが、駆動電圧V
B´,V
Cb´のいずれかが所定の閾値未満である場合に過去画像を表示するようにしてもよい。
【0066】
以上説明したように、本実施形態における超音波診断装置1は、調整つまみ15B,15Cbの操作によってBモード,Cbモードの音響パワーの低減が指示入力されると、変更対象のモードの音響パワーをその指示に応じて低減させるとともに、それによって生じた当該モードの各パラメータの個別上限値に対する余裕分を他方のモードの個別上限値に分配し、当該他方のモードの音響パワーを増加させる。このような構成であれば、ユーザは調整つまみ15B,15Cbを操作するだけで、各パラメータによる規制を遵守しつつ所望するモードの感度を簡単に向上させることが可能となる。
【0067】
また、超音波診断装置1は、調整つまみ15B,15Cbによる調整前後のBモード,Cbモードそれぞれの音響パワーやMI及びTI等の値の比率を診断画面に表示する。このような比率が表示されれば、ユーザは、Bモード,Cbモードそれぞれの音響パワーの調整状態等を容易に把握できる。
【0068】
また、超音波診断装置1は、調整つまみ15B,15Cbの操作に伴い各モードのいずれかの音響パワー、すなわち駆動電圧がゼロ又は上記閾値未満となった場合には診断画面に表示する当該モードの超音波画像を過去に得られた当該モードの超音波画像に変更する。このように過去画像が表示されれば、いずれかのモードの駆動電圧がゼロ又は上記閾値未満になった場合であっても、そのモードの超音波画像が表示されなかったり、診断に利用できない程に劣悪な超音波画像が表示されたりするとの事態が防がれる。
【0069】
また、超音波診断装置1は、いずれかのモードの初期音響パワー、すなわち初期駆動電圧の制約パラメータがMIである場合には他方のモードの音響パワーを変更できない旨を警告する。したがって、ユーザは、音響パワーを変更できないモードを容易に把握できる。
これらの他にも、本実施形態の構成からは種々の好適な効果が得られる。
【0070】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。
本実施形態における超音波診断装置1は、初期音響パワー決定時のBモード,Cbモードいずれかの制約パラメータがMIである場合、そのモードに分配されたIspta.3、TI、及びTempRiseの個別上限値の余裕分を他方のモードに再分配して同モードの初期音響パワーを再決定する点で、第1の実施形態と異なる。
【0071】
超音波診断装置1の構成や出力比率変更処理等は第1の実施形態と同様であるので、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0072】
本実施形態における初期音響パワー決定処理において、超音波診断装置1の各部は、
図11のフローチャートに沿って動作する。
【0073】
すなわち、先ず第1の実施形態と同様に、音響パワー決定部100が上限値テーブル121に記述されたIspta.3、TI、及びTempRiseの上限値を送信条件に応じてBモード,Cbモードに分配することで、個別上限値B,Cbを決定する(ステップS1)。決定されたIspta.3、TI、及びTempRiseの個別上限値B,Cb及びMIの上限値は、上限値記憶エリア123に記憶される。
【0074】
次に、音響パワー決定部100は、送信条件に応じた4種別のパラメータのパラメータテーブル122B、122Cbを参照し、Bモード,Cbモードのそれぞれについて個別上限値B,Cb及びMIの上限値に対応する音響パワー、すなわち駆動電圧を特定する(ステップS2)。そして、音響パワー決定部100は、ステップS2にて特定した駆動電圧V
B1〜V
B4の最小値と、駆動電圧V
C1〜V
C4の最小値とを特定し(ステップS3)、特定した駆動電圧V
B1〜V
B4の最小値をBモードにおける初期駆動電圧V
Bに決定し、特定した駆動電圧V
C1〜V
C4の最小値をCbモードにおける初期駆動電圧V
Cbに決定する(ステップS4)。
【0075】
ステップS1〜S4の後、音響パワー決定部100は、いずれかのモードの制約パラメータがMIであるか否か、より具体的に言えば各モードのいずれかについてステップS3にて特定された最小値がMIであるか否かを判定する(ステップS5)。
【0076】
Bモード,Cbモードのいずれにおいても制約パラメータがMIでない場合や、双方の制約パラメータがMIである場合には(ステップS5のNo)、初期音響パワー決定処理が終了する。この後、ステップS4にて決定された初期駆動電圧V
B,V
Cbにて超音波プローブ2が駆動され、コンビネーションモードによる診断処理が行われる。
【0077】
一方、いずれかのモードの制約パラメータがMIである場合(ステップS5のYes)、パラメータ特定部102が現在の送信条件に応じた当該モードのIspta.3、TI、TempRise、及びMIに関するパラメータテーブル122を参照し、ステップS4にて決定された当該モードの初期駆動電圧に対応するIspta.3、TI、及びTempRiseの値を特定する(ステップS6)。
【0078】
しかる後、音響パワー再決定部103が制約パラメータがMIでないモードの個別上限値を再計算する(ステップS7)。具体的には、ステップS6にて特定されたIspta.3、TI、及びTempRiseの値と上限値記憶エリア123に記憶された上記制約パラメータがMIであるモードの個別上限値との差分を、上限値記憶エリア123に記憶された他方のモードの個別上限値に分配することで、当該他方のモードの個別上限値を再計算する。
【0079】
そして、音響パワー再決定部103は、再計算された個別上限値及びMIの上限値を用いて当該他方のモードの初期駆動電圧を再決定する(ステップS8)。この処理は、基本的にはステップS2〜S4と同様の流れで行われる。すなわち、音響パワー再決定部103は、送信条件に応じた当該他方のモードのパラメータテーブル122を参照して上記再計算後の個別上限値及びMIの上限値に対応する駆動電圧を特定し、その最小値を当該他方のモードの新たな初期駆動電圧に決定する。ステップS8を以って一連の処理が終了する。
【0080】
ステップS6〜S8を経て初期音響パワー決定処理が終了した後には、上記制約パラメータがMIであるモードに関してはステップS4にて決定された初期駆動電圧にて、他方のモードに関してはステップS8にて再決定された初期駆動電圧にて超音波プローブ2が駆動されて、コンビネーションモードによる診断処理が行われる。
【0081】
以上のような流れの初期音響パワー決定処理の具体例につき、
図12、
図13を用いて説明する。
この具体例においては、
図12に示すように初期駆動電圧V
Bの制約パラメータがMIでなく、初期駆動電圧V
Cbの制約パラメータがMIである。この状態でステップS7の処理が行われると、CbモードのIspta.3、TI、及びTempRiseの個別上限値Cbに対する余裕分が、BモードのIspta.3、TI、及びTempRiseの個別上限値Bに再分配される。
【0082】
ここで、例えば
図13に示すようにステップS4にて決定された初期駆動電圧V
Bの制約パラメータがTempRiseであるとすると、ステップS7の処理において分配された分だけその個別上限値Bが上昇し、TempRiseに余裕が生じる。その結果、ステップS8の処理において決定される初期駆動電圧V
Bは、少なくともステップS4にて決定されたものより高い値となる。
【0083】
以上説明したように、本実施形態における超音波診断装置1は、各モードの初期音響パワー、すなわち初期駆動電圧の決定時において、いずれかのモードの制約パラメータがMIである場合、自動的にそのモードのIspta.3、TI、及びTempRiseの個別上限値の余裕分を他方のモードに分配し、当該他方のモードの初期駆動電圧を再決定する。このような構成であれば、初期音響パワーの決定時において各モードの音響パワーが各パラメータの上限値を超えない範囲内で最大化されるので、各モードのより良好な診断画像を得ることができるようになる。
【0084】
その他、第1の実施形態にて説明したものと同様の効果を奏することは勿論である。
【0085】
(変形例)
上記各実施形態に開示された構成は、実施段階において各構成要素を適宜変形して具体化できる。具体的な変形例としては、例えば次のようなものがある。
【0086】
(1)上記各実施形態では、BモードとCbモードからなるコンビネーションモードにおいて、各モードの音響パワーを調整する場合を例示した。しかしながら、BモードとDモードからなるコンビネーションモードや、Bモード,Cbモード,及びDモードからなるコンビネーションモードにおいて、各モードの音響パワーを調整する場合に、上記各実施形態にて開示した構成を適用してもよい。
なお、3以上のモードを組み合わせたコンビネーションモードにおいて、各モード毎の音響パワーを決定する必要がある場合には、各モード毎に音響パワーの調整つまみを設ければよい。そして、いずれかの調整つまみが操作された際に実行される出力比率変更処理においては、ステップS13にて変更対象モードを除く他の全てのモードの個別上限値に対し、所定の分配率にて変更対象モードの個別上限値の余裕分を分配し、ステップS14にて分配後の個別上限値を用いて上記他の全てのモードの音響パワーを再決定すればよい。さらに、第2の実施形態にて説明した初期音響パワー決定処理においては、ステップS7にて制約パラメータがMIであるモードを除く他の全てのモードの個別上限値に対し、所定の分配率にて制約パラメータがMIであるモードの個別上限値の余裕分を分配し、ステップS8にて分配後の個別上限値を用いて上記他の全てのモードの音響パワーを再決定すればよい。
【0087】
(2)上記各実施形態では、調整つまみ15BにてBモードの駆動電圧を初期駆動電圧V
Bから低減させ、調整つまみ15CbにてCbモードの駆動電圧を初期駆動電圧V
Cbから低減させる場合を例示した。しかしながら、調整つまみ15BにてBモードの駆動電圧を初期駆動電圧V
Bから増加させ、調整つまみ15CbにてCbモードの駆動電圧を初期駆動電圧V
Cbから増加させるようにしてもよい。このように変更対象モードの駆動電圧を上昇させると、いずれかのパラメータが上限値記憶エリア123に記憶された当該モードの個別上限値を超える場合が生じ得る。このような場合には、ステップS13にて算出される当該パラメータの差分が負数となり、この負数である差分が他方のモードの個別上限値に分配されるので、当該他方のモードの個別上限値が下がる。その結果、基本的にはステップS14にて算出される当該他方のモードの駆動電圧が下がることになる。
【0088】
(3)上記各実施形態では、駆動電圧を増減させることで、各モードの音響パワーを制御する場合を例示した。しかしながら、音響パワーは、超音波プローブ2に印加する電流を増減させるなど、他の手法にて制御してもよい。
【0089】
(4)上記各実施形態では、制御プロセッサ11が内部記憶部12に記憶された制御プログラムを実行することにより、音響パワー決定部100、音響パワー増減部101、パラメータ特定部102、音響パワー再決定部103、比率計算部104、及び警告部105等の各機能を実現するとした。しかしながら、これに限らず上記制御プログラムを所定のネットワークから超音波診断装置1にダウンロードしてもよいし、同様の機能を記録媒体に記憶させたものを超音波診断装置1にインストールしてもよい。記録媒体としては、CD−ROMやUSBメモリ等を利用でき、かつ超音波診断装置1に内蔵あるいは接続されたデバイスが読み取り可能な記録媒体であれば、その形態はどのようなものであってもよい。また、このように予めインストールやダウンロードにより得る機能は、超音波診断装置1内部のOS(Operating System)等と協働してその機能を実現させるものであってもよい。
【0090】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。