特許第5783941号(P5783941)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社東芝の特許一覧 ▶ 東芝変電機器テクノロジー株式会社の特許一覧

<>
  • 特許5783941-ガス絶縁開閉装置 図000002
  • 特許5783941-ガス絶縁開閉装置 図000003
  • 特許5783941-ガス絶縁開閉装置 図000004
  • 特許5783941-ガス絶縁開閉装置 図000005
  • 特許5783941-ガス絶縁開閉装置 図000006
  • 特許5783941-ガス絶縁開閉装置 図000007
  • 特許5783941-ガス絶縁開閉装置 図000008
  • 特許5783941-ガス絶縁開閉装置 図000009
  • 特許5783941-ガス絶縁開閉装置 図000010
  • 特許5783941-ガス絶縁開閉装置 図000011
  • 特許5783941-ガス絶縁開閉装置 図000012
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5783941
(24)【登録日】2015年7月31日
(45)【発行日】2015年9月24日
(54)【発明の名称】ガス絶縁開閉装置
(51)【国際特許分類】
   H02B 13/035 20060101AFI20150907BHJP
【FI】
   H02B13/035 311A
   H02B13/035 301B
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-61090(P2012-61090)
(22)【出願日】2012年3月16日
(65)【公開番号】特開2013-198228(P2013-198228A)
(43)【公開日】2013年9月30日
【審査請求日】2014年4月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】395002434
【氏名又は名称】東芝変電機器テクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081961
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 光春
(72)【発明者】
【氏名】加藤 隆史
(72)【発明者】
【氏名】楠 恭彦
(72)【発明者】
【氏名】真田 靖憲
(72)【発明者】
【氏名】安ヶ平 晃希
【審査官】 関 信之
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−130717(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/069214(WO,A1)
【文献】 特開2006−271021(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第02031718(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02B 13/035
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
同じ向きでほぼ平行に上下2つの口出し部が形成された縦型の遮断器と、各口出し部に接続し水平方向に延びる接続軸線を持つ上下2つの断路器とを備えた複数の遮断器ユニットと、
外部受電端子を備え、両脇から前記遮断器ユニットによって挟まれるように配置した引き出し回路ユニットと、
前記引き出し回路ユニットに設けられ、当該引き出し回路ユニットの両脇に位置する前記遮断器ユニットの上側の断路器同士あるいは下側の断路器同士を接続する第1の接続母線と、
前記遮断器ユニットと前記引き出し回路ユニットとを交互に直列に接続し、且つ両端部に前記遮断器ユニットを配置し、両端部の前記遮断器ユニットにおける2つの断路器のうちの一方にのみ、隣接する前記引き出し回路ユニットの前記第1の接続母線を接続してなる上位ユニットと、
前記上位ユニットの両端部に配置した前記遮断器ユニットにおいて前記第1の接続母線と接続していない側の前記断路器に接続するとともに、前記第1の接続母線の上方又は下方に位置する第2の接続母線と、
前記第2の接続母線に接続し、上下2つの前記断路器の各接続軸線を含む平面上にその母線軸を配置した主母線と、
を有し、
前記遮断器ユニットの上下2つの断路器の内、前記第1の接続母線を介して前記主母線が接続された側の断路器には、前記主母線と反対方向側に主母線接地用の接地開閉器および計器用変圧器を接続し、
これら接地開閉器および計器用変圧器の接続軸線は前記遮断器ユニットのユニット軸線とほぼ平行に配置し、且つユニット軸線よりも短く設定したことを特徴とするガス絶縁開閉装置。
【請求項2】
2つの前記引き出し回路ユニットの端部に、外部受電用のブッシングを接続し、
2つの当該ブッシングは、引き出し軸方向が前記引き出し回路ユニットのユニット軸線方向とほぼ平行であり、且つ、ブッシングの引き出し軸方向が互いに180度反対方向を向くように配置することを特徴とする請求項1に記載のガス絶縁開閉装置。
【請求項3】
前記遮断器ユニットと前記引き出し回路ユニットのユニット軸線の長さ寸法を同じに設定したことを特徴とする請求項1またはに記載のガス絶縁開閉装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、遮断器ユニット、引き出し回路ユニットおよび主母線の配置構成に改良を加えたガス絶縁開閉装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ガス絶縁開閉装置は、絶縁性及び消弧性に優れたガスを密閉容器に充填し、前記密閉容器内に遮断器および断路器などを収納するとともに、主母線などの機器を組合せることで構成されている。この種の開閉装置は気中絶縁方式の開閉装置に比べて小型化が容易である。中でも、複数の機器をユニット化したガス絶縁開閉装置は、優れたコンパクト化を発揮することができる。
【0003】
また近年では、地価高騰などを背景として変電所の建設用地の縮小化が望まれている。そのため変電所には、小型化に優れたガス絶縁開閉装置が多用されている。さらに最近の変電所では、屋内型のガス絶縁開閉装置の建屋を含めたものが知られている。したがって、ガス絶縁開閉装置の建屋面積は厳しい制約を受ける傾向にある。その結果、ガス絶縁開閉装置には一層の小型化が要求されている。
【0004】
以下、遮断器を含む遮断器ユニットと、外部受電端子を含む引き出し回路ユニットを備えたガス絶縁開閉装置について、図10を用いて説明する。図10はガス絶縁開閉装置の代表的な単線結線図である。図10に示すように、ガス絶縁開閉装置には複数の機器を1台のユニットとして、合計20台のユニットが配置されている。20台のユニットの内訳は、遮断器ユニット5〜16が12台、引き出し回路ユニット17〜24が8台である。
【0005】
また、20台のユニットは、3台の遮断器ユニットと2台の引き出し回路ユニットからなる5台のユニット群を1つの上位ユニットとして、4つの上位ユニット1〜4に分かれている。これら上位ユニット1〜4が1つの単位となって、第1および第2の主母線25、26に接続されている。
【0006】
遮断器ユニットは、ガス遮断器27と、計器用変流器28、29と、主母線接地開閉器付きの断路器30、31とから構成されている。引き出し回路ユニットには、接地開閉器付きの断路器32と、引き出し回路用の接地開閉器33と、計器用変圧器34と、外部受電端子35と、接続母線36とから構成されている。外部受電端子35には、例えばケーブル端末部やブッシングなどがある。
【0007】
続いて図11を参照して、ガス絶縁開閉装置全体の機器配置について説明する。図11に示すように、上位ユニット1〜4は図11の左右方向に並んでおり、且つ互いに一定距離、離れて配置されている。上位ユニット1〜4の構成要素である各ユニットのユニット軸線(ユニットを構成する機器の接続軸線)は、図11の左右方向に延びている。また、各ユニットのユニット軸線は上位ユニット1〜4同士で同一軸線上となり、且つ互いに平行に配置されている。
【0008】
また、主母線25、26はともに上位ユニット1〜4の外側(第1の主母線25が図11の下側、第2の主母線26が図11の上側)に配置されている。これら主母線25、26は図11の左右方向に沿って互いに平行に配置されている。
【0009】
さらに、主母線25、26には所定の間隔を持って、接続軸線が水平な接続母線37、38が取り付けられている。このうち、接続母線37を介して第1の主母線25に対し遮断器ユニット5、8、11、14が接続されている。また、接続母線38を介して第2の主母線26に対し遮断器ユニット7、10、13、16が接続されている。
【0010】
また、図11に示した従来例では、上位ユニット3の引き出し回路ユニット21、22にL字状の接続母線45、46を介してブッシング39、40が接続されている。ブッシング40は第1の主母線25の外側(図11の下側)に配置され、ブッシング39は第2の主母線26の外側(図11の上側)に配置されている。
【0011】
なお、ブッシング39、40が接続される引き出し回路ユニット21と22の位置関係は、ユニット21が図11の下側、ユニット22が図11の上側である。このとき、図11下側のユニット21に接続されるブッシング39が図11上側に位置し、図11上側のユニット22に接続されるブッシング40が図11下側に位置している。そのため、ユニット21、22とブッシング39、40とを結ぶ接続母線45、46はL字状であって、互いに交差して配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平05−130717号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、図11に示したガス絶縁開閉装置には次のような問題点が指摘されていた。すなわち、上位ユニット1〜4は、5台のユニットを図11の上下方向に並べて配置したので、図11の上下方向に十分に長い。しかも、図11の従来例では主母線25、26を上位ユニット1〜4の両脇に配置している。さらに、主母線25、26は接地開閉器41、43および計器用変圧器42、44を有するため、その分だけ図11の上下方向に膨らむことになる。したがって、図11のガス絶縁開閉装置は幅寸法Wが大きくなっていた。その結果、装置の建屋面積の大型化を招いており、変電所の建設面積を増大させていた。
【0014】
また、図11の従来例では、ブッシング39、40と引き出し回路ユニット21、22とを接続する接続母線45、46が、互いに交差していた。したがって、接続母線45、46における交差部分の機器構成が複雑化し易く、装置の製造コストを増大させる要因となっていた。このため、シンプルな構成で回線を引き出すことが望まれていた。
【0015】
ところで、ガス絶縁開閉装置においては、各機器を操作するための操作箱が例えば遮断器ユニットの主母線接地開閉器付きの断路器30、31や、引き出し回路ユニットの、接地開閉器付きの断路器32、引き出し回路用の接地開閉器33の近傍に点在配置されているのが一般的である。図11のガス絶縁開閉装置にも勿論、機器操作用の操作箱が配置されるが、上位ユニット1〜4が2本の主母線25、26に囲まれているため、次のような不具合があった。すなわち、操作箱の設置場所によっては、作業員が主母線25、26を回り込んで操作箱に接近しなくてはならなかった。その結果、作業員が操作箱に接近する際の巡路が長くなり、各機器の操作および保守・点検を効率よく行えないことがあった。
【0016】
本実施形態のガス絶縁開閉装置は、以上の課題を解消するために提案されたものである。本実施形態の目的は、小型化により建屋面積を小さくして変電所建設面積の縮小化に寄与し、シンプルな回線引き出しを実現して低廉化を図ると共に、機器の操作性および保守・点検性を向上させたガス絶縁開閉装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するために、本実施形態のガス絶縁開閉装置は、次の(a)〜()を有することを特徴とする。
(a)同じ向きでほぼ平行に上下2つの口出し部が形成された縦型の遮断器と、各口出し部に接続し水平方向に延びる接続軸線を持つ上下2つの断路器とを備えた複数の遮断器ユニット。
(b)外部受電端子を備え、両脇から前記遮断器ユニットによって挟まれるように配置した引き出し回路ユニット。
(c)前記引き出し回路ユニットに設けられ、当該引き出し回路ユニットの両脇に位置する前記遮断器ユニットの上側の断路器同士あるいは下側の断路器同士を接続する第1の接続母線。
(d)前記遮断器ユニットと前記引き出し回路ユニットとを交互に直列に接続し、且つ両端部に前記遮断器ユニットを配置し、両端部の前記遮断器ユニットにおける2つの断路器のうちの一方にのみ、隣接する前記引き出し回路ユニットの前記第1の接続母線を接続してなる上位ユニット。
(e)前記上位ユニットの両端部に配置した前記遮断器ユニットにおいて前記第1の接続母線と接続していない側の前記断路器に接続するとともに、前記第1の接続母線の上方又は下方に位置する第2の接続母線。
(f)前記第2の接続母線に接続し、上下2つの前記断路器の各接続軸線を含む平面上にその母線軸を配置した主母線。
(g)前記遮断器ユニットの上下2つの断路器の内、前記第1の接続母線を介して前記主母線が接続された側の断路器には、前記主母線と反対方向側に主母線接地用の接地開閉器および計器用変圧器を接続する。
(h)これら接地開閉器および計器用変圧器の接続軸線は前記遮断器ユニットのユニット軸線とほぼ平行に配置し、且つユニット軸線よりも短く設定する。

【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】第1の実施形態の平面図
図2】第1の実施形態の正面図
図3】第1の実施形態における上位ユニットの正面図
図4図3のX−X矢視図
図5】第1の実施形態における遮断器ユニットの側面図
図6】第1の実施形態における引き出し回路ユニットの側面図
図7】第2の実施形態における上位ユニットの正面図
図8図7のY−Y矢視図
図9】第3の実施形態における上位ユニットの平面図
図10】従来のガス絶縁開閉装置の代表的な単線結線図
図11】従来のガス絶縁開閉装置の平面図
【発明を実施するための形態】
【0019】
(1)第1の実施形態
[構成]
図1図6を参照して、第1の実施形態を構成する機器の配置について説明する。第1の実施形態は構成機器の配置に関して改良を加えたものであって、構成機器自体は図10図11にて示した従来例の構成機器と同様である。そのため、従来例と同一部材については同一符号を付している。
【0020】
図1に示すように、上位ユニット1〜4が図1の左右方向に並んでおり、且つ互いに一定距離、離れて配置されている。上位ユニット1〜4の構成要素である各ユニットのユニット軸線(ユニットを構成する機器の接続軸線)は、図1の上下方向に延びている。また、全てのユニット軸線は互いに平行に配置されている。
【0021】
また、図1に示すように、上位ユニット3の引き出し回路ユニット21、22にはブッシング39、40が接続されている。ブッシング40は図1の下側に配置され、ブッシング39は図1の上側に配置されている。ブッシング39の引き出し軸線は引き出し回路ユニット21のユニット軸線と同一直線上にあり、ブッシング40の引き出し軸線は引き出し回路ユニット22のユニット軸線と同一直線上にある。これらブッシング39、40の引き出し軸線は互いにほぼ平行であって、且つ180度反対方向を向くように配置されている。このため、ユニット21、22とブッシング39、40とを結ぶ接続母線47、48は、図1の上下方向に延びる直線状であり、互いに平行に配置されている。
【0022】
図2に示すように、第1の主母線25は上位ユニット1〜4の上方に配置され、第2の主母線26は上位ユニット1〜4の下方に配置されている。すなわち、主母線25、26は上位ユニット1〜4を上下方向から挟むようにして平行に配置されている。さらに主母線25、26は、遮断器ユニット5〜16の断路器30、31の各接続軸線を含む平面上にその母線軸が配置されている。
【0023】
また、図2図4に示すように、上位ユニット1では、遮断器ユニット5と遮断器ユニット6の下側の断路器31同士が、引き出し回路ユニット17の接続母線36によって一直線上に接続されている。また、上位ユニット1では、遮断器ユニット6と遮断器ユニット7の上側の断路器30同士が、引き出し回路ユニット18の接続母線36によって一直線上に接続されている。
【0024】
さらに、上位ユニット1の一端部(図2図4の左端部)に位置する遮断器ユニット5において、引き出し回路ユニット17の接続母線36と接続していない側の上側の断路器30には、接続母線37(図2図3に図示)が接続されている。この接続母線37の上部に第1の主母線25が接続されている。
【0025】
また、上位ユニット1の他端部(図2図4の右端部)に位置する遮断器ユニット7において、引き出し回路ユニット18の接続母線36と接続していない側の下側の断路器31には、接続母線38(図2図3に図示)が接続されている。この接続母線38の下部に第2の主母線26が接続されている。
【0026】
なお、上位ユニット2〜4においても同様の機器配置を有している。すなわち、上位ユニット1〜4と主母線25、26との関係について言えば、図2に示すように、上位ユニット1〜4の両端に位置する遮断器ユニット5および7(8および10、11および13、14および16)と、主母線25、26とが、接続母線37、38によって接続されている。接続母線37、38の接続軸線は、主母線25、26と同じく、断路器30、31の各接続軸線を含む平面上に配置されている。
【0027】
次に、遮断器ユニット5〜16を構成する機器の配置について図5を用いて説明する。図5に示すように、各遮断器ユニット5〜16内のガス遮断器27は縦型に配置されている。ガス遮断器27には、ほぼ平行で同一方向(図4では右方向)に向いた上下2つの口出し部27a、27bが設けられている。
【0028】
上側の口出し部27aには計器用変流器28が接続され、下側の口出し部27bには計器用変流器29が接続されている。計器用変流器28、29には断路器30、31が接続されている。断路器30、31は水平方向に延びる接続軸線を有している。遮断器ユニット5〜16ではこれら断路器30、31がユニットの端部に位置するようになっている。
【0029】
さらに、引き出し回路ユニット17〜24を構成する機器の配置について図6を用いて説明する。図6に示すように、各引き出し回路ユニット17〜24内の断路器32および接地開閉器33は同一の縦型容器内に収納されている。接地開閉器33の上部には上方に向いた口出し部33aが形成されており、この口出し部33aに計器用変圧器34が接続されている。
【0030】
また、断路器32の下端部付近に外部受電端子35が設置されている。さらに、断路器32には図6の右方向に向いた口出し部32aが形成されており、口出し部32aに接続母線36が接続されている。引き出し回路ユニット17〜24では接続母線36がユニットの端部に位置している。接続母線36の接続軸線は、主母線25、26の母線軸と同様、遮断器ユニット5〜16の断路器30、31の各接続軸線を含む平面上に配置されている。
【0031】
[作用効果]
上記のような第1の実施形態においては、図1および図2に示すように、ユニット5〜24を互いに平行となるように20台並べて配置し、主母線25、26の母線軸を、遮断器ユニット5〜16の断路器30、31の各接続軸線を含む平面上に配置している。このとき、断路器30、31の各接続軸線を含む平面は、上位ユニット1〜4の一縁部を含む平面と一致する。
【0032】
そのため、第1の実施形態を上方から見た場合、主母線25、26は上位ユニット1〜4の一縁部から幅方向に向かって飛び出すことがなく、上位ユニット1〜4の占有面積の内側に収まる。したがって、図1に示すように、ガス絶縁開閉装置の幅寸法W2は上位ユニット1〜4の幅寸法と一致することになる。このような第1の実施形態によれば、図11に示した従来のガス絶縁開閉装置に比べて、装置の幅寸法W2を小さくすることができ、建屋面積が小さくなり、変電所の建設面積を縮小化することができる。
【0033】
また、第1の実施形態では、主母線25、26を、上位ユニット1〜4の上下に配置したので、上位ユニット1〜4を主母線25、26が取り囲むことがない。したがって、機器の操作箱が点在していたとしても、操作箱に容易に接近することができ、操作箱への巡路を短縮化することが可能である。したがって、操作箱へのアクセスが容易となり、機器の操作効率および保守・点検の作業効率が向上する。
【0034】
さらに、第1の実施形態では、ブッシング39と引き出し回路ユニット21、ブッシング40と引き出し回路ユニット22を、それぞれ同一直線上に置くことができる。そのため、両者を接続する接続母線47、48は、直線的な構成となり、且つ互いに交差することがない。したがって、第1の実施形態においては機器構成の簡略化を進めることができる。その結果、スムーズに回線引き出しを実施することができ、低廉化を図ることが可能となる。
【0035】
(2)第2の実施形態
第2の実施形態について図7図8を用いて説明する。第2の実施形態は、上位ユニット1〜4の基本構成に関しては上記第1の実施形態と同様である。
【0036】
[構成]
図7図8に示すように、上位ユニット4において、引き出し回路ユニット23の接続母線36によって遮断器ユニット14と遮断器ユニット15の下側の断路器31同士が一直線上に接続されている。また、上位ユニット4では、引き出し回路ユニット24の接続母線36によって遮断器ユニット15と遮断器ユニット16の上側の断路器30同士が一直線上に接続されている。
【0037】
さらに、上位ユニット4の一端部(図7中の左端部)に位置する遮断器ユニット14において、引き出し回路ユニット23の接続母線36と接続していない側の上側の断路器30に接続母線37(図7に図示)が接続されている。この接続母線37の上部に第1の主母線25が接続されている。
【0038】
接続母線37が接続された断路器30において、接続母線37が接続している面と反対側の面に主母線用の接地開閉器41が水平に接続されている。接地開閉器41には主母線用の計器用変圧器42(図8に図示)が接続されている。計器用変圧器42は断路器30に対する接地開閉器41の接続方向と直交するように配置されている。
【0039】
また、上位ユニット4の他端部(図7中の右端部)に位置する遮断器ユニット16において、引き出し回路ユニット24の接続母線36と接続していない側の下側の断路器31には接続母線38(図7に図示)が接続されている。この接続母線38の下部に第2の主母線26が接続されている。
【0040】
接続母線38が接続された断路器31において、接続母線38が接続している面と反対側の面には主母線用の接地開閉器43が水平に接続されている。接地開閉器43には主母線用の計器用変圧器44(図8に図示)が接続されている。計器用変圧器44は断路器31に対する接地開閉器43の接続方向と直交するように配置されている。
【0041】
これら接地開閉器41、43および計器用変圧器42、44はその接続軸線が遮断器ユニット14〜16のユニット軸線とほぼ平行となるように配置されている。このとき、接地開閉器41、43および計器用変圧器42、44の接続軸線の幅寸法W3は、ガス絶縁開閉装置の幅寸法W2(共に図8に図示)よりも短く設定されている。
【0042】
[作用効果]
上記のような第2の実施形態によれば、上位ユニット4の構成を変更することなく、主母線用の接地開閉器41、43を遮断器ユニット14、16の断路器30、31の接続軸線上に配置することができる。また、接地開閉器41、43には計器用変圧器42、44を接続するので、これらの機器41〜44を主母線25、26に設置する必要がない。
【0043】
したがって、第2の実施形態では、図11に示した従来例のように主母線25、26の幅寸法が外側に向かって膨らむことがない。その結果、接地開閉器41、43および計器用変圧器42、44を設置した場合であっても、第1の実施形態と同様なガス絶縁開閉装置の幅寸法W2に設定することが可能である。これにより、ガス絶縁開閉装置の建屋面積を小型化することができ、変電所の建設面積を縮小化することが可能である。
【0044】
(3)第3の実施形態
第3の実施形態について図9を用いて説明する。
[構成]
第3の実施形態では、上位ユニット1Aにおいて遮断器ユニット5〜7と引き出し回路ユニット17、18のユニット軸線の長さ寸法をほぼ同じに設定して構成する。同様に、他の3つの上位ユニットにおいても、3台の遮断器ユニットと2台の引き出し回路ユニットのユニット軸線の長さ寸法をほぼ同じに設定して構成する。
【0045】
[作用効果]
第3の実施形態によれば、上位ユニット1〜4の外形が平面から見て長方形となる。したがって、輸送架台の構造を簡素化することができる。その結果、主母線を含む複数台の上位ユニット1〜4を一括して輸送することが容易となり、梱包の数を低減して現地施工箇所を減らすことが可能である。これにより、輸送コストや施工コストが低減し、経済的に有利となる。また、上位ユニット1〜4が強度的にも強い矩形構造となるため、輸送に際しての安全性が高く、装置の品質が向上するといったメリットがある。
【0046】
(4)他の実施形態
なお、上記の実施形態は、本明細書において一例として提示したものであって、発明の範囲を限定することを意図するものではない。すなわち、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の範囲を逸脱しない範囲で、種々の省略や置き換え、変更を行うことが可能である。これらの実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0047】
1〜4…上位ユニット
5〜16…遮断器ユニット
17〜24…引き出し回路ユニット
25…第1の主母線
26…第2の主母線
27…ガス遮断器
28、29…計器用変流器
30、31、32…断路器
33、41、43…接地開閉器
34、42、44…計器用変圧器
35…外部受電用端子
36、37、38…接続母線
39、40…ブッシング
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11