(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5783999
(24)【登録日】2015年7月31日
(45)【発行日】2015年9月24日
(54)【発明の名称】パレタイズされるべきパッケージの層を形成するためのシステムおよびパレチゼーションプラント
(51)【国際特許分類】
B65G 47/91 20060101AFI20150907BHJP
【FI】
B65G47/91 D
【請求項の数】17
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-500364(P2012-500364)
(86)(22)【出願日】2010年3月22日
(65)【公表番号】特表2012-520808(P2012-520808A)
(43)【公表日】2012年9月10日
(86)【国際出願番号】IB2010051236
(87)【国際公開番号】WO2010106529
(87)【国際公開日】20100923
【審査請求日】2013年2月13日
(31)【優先権主張番号】RM2009A000121
(32)【優先日】2009年3月20日
(33)【優先権主張国】IT
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】510004952
【氏名又は名称】エス.アイ.ピー.エー. ソシエタ インダストリアリザツィオーネ プロジェッタツィオーネ エ アウトマツィオーネ エス.ピー.エー.
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ボスキ, アンドレア
(72)【発明者】
【氏名】ゾッパス, マッテオ
【審査官】
中島 昭浩
(56)【参考文献】
【文献】
特開2001−239484(JP,A)
【文献】
実開平05−002843(JP,U)
【文献】
特開平11−254367(JP,A)
【文献】
特開2002−265039(JP,A)
【文献】
特開2000−117374(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/90 −47/92
B65G 57/00 −57/32
B65G 60/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パレタイズされるべきパッケージ(6)の層を形成するためのシステムであって、
前記パッケージ(6)が長手方向搬送手段に載せて供給することができ、
当該システムが、
肢部(2)を制御する少なくとも1つのロボットと、
前記肢部(2)の第1端(22)に連結され、少なくとも2つのパッケージ(6)を把持するための複合式グリップヘッド(1)と
を備え、
前記複合式グリップヘッド(1)が
第1回転軸線(α)を中心に回転するように構成された単一の支持板(11)と、
前記支持板(11)に枢動自在で直接結合された2つ以上のグリッパ(12)と、
を含み、前記グリッパの各々がそれぞれの第2回転軸線(β)を中心に回転するように構成され、前記第2回転軸線(β)は、前記第1回転軸線(α)を中心に回転する前記支持板を通過するものであり、
前記ロボットは、前記パッケージ(6)のグリップゾーン(4)と解放ゾーン(5)との間で前記グリップヘッド(1)を移動させるように平行移動および回転運動が可能とされ、前記グリップゾーンおよび前記解放ゾーンが前記長手方向搬送手段の一部分に形成され、
前記第1回転軸線(α)および前記第2回転軸線(β)が互いに平行であり、前記各グリッパ(12)のそれぞれの第2回転軸線(β)を中心とする回転が他のグリッパの回転とは独立しており、
もって、後で集積パレットに移送される前記パッケージ(6)の層を形成するために、前記グリッパ(12)により把持された前記パッケージ(6)が、前記長手方向搬送手段から持ち上げられることなく、前記グリップゾーン(4)から前記解放ゾーン(5)へ平行移動すること、および、互いに独立して前記第2回転軸線(β)を中心に回転すること、および、前記第1回転軸線(α)を中心に回転することができる、システム。
【請求項2】
前記グリップヘッド(1)の動作を前記長手方向搬送手段上で供給される少なくとも2つのパッケージ(6)と同期させるための同期手段が前記ロボットに設けられた、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記同期手段が、前記グリップゾーン(4)に向かって供給されていくパッケージ(6)を検出して、前記パッケージ(6)の層がその上に形成される長手方向搬送手段の少なくとも一部分の作動モータに設けられた第1エンコーダにトリガ信号を伝送するように構成された少なくとも1つのセンサを備え、前記第1エンコーダが、前記パッケージ(6)の速度および位置基準信号を前記ロボットに送信するように構成された、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記グリッパ(12)および前記支持板(11)の回転運動を作動させるための作動手段がそれぞれ設けられた、請求項1〜3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記作動手段がブラシレスモータを含み、かつ前記それぞれのグリッパ(12)および前記支持板(11)にそれぞれ回転を伝達するための運動伝達軸線が前記ロボットに設けられた、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記ブラシレスモータにそれぞれの第2エンコーダが設けられた、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1エンコーダおよび前記第2エンコーダがインクリメンタルエンコーダである、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記支持板(11)が平板である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記グリッパ(12)がパレタイズされるべき1つ以上のパッケージ(6)の側面をクランプするように構成された、請求項1〜8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記肢部(2)がキネマチックチェーンを含み、前記キネマチックチェーンが前記肢部(2)の第2端(21)に回転自在に拘束される、請求項1〜9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記肢部(2)が前記第2端(21)を、前記長手方向搬送手段の少なくとも一部分の上に位置する前記支持構造(7)に拘束される、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記長手方向搬送手段が、
生産ゾーンまたは貯蔵ゾーンからパレチゼーションプラントへパッケージ(6)を供給するための少なくとも1つの第1ベルトコンベヤ(3)と、
肢部(2)を備えた少なくとも1つのロボットがその上で作業する、第1ベルト(3)の後に続く第2ベルトコンベヤ(8)であって、前記グリップヘッド(1)によって荷捌きされる前記パッケージ(6)の前記グリップゾーン(4)および前記解放ゾーン(5)を有する前記第2ベルトコンベヤ(8)と、
パレタイズステーションに向けて予め定められた構成で前記ロボットによって解放された前記パッケージ(6)を圧縮するための、前記第2ベルト(8)の後に続く少なくとも1つの第3ベルトコンベヤと、
を備えた、請求項1〜11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
互いに独立して働くように構成され、後で適切な積層手段によって積層されるパッケージ(6)の層を形成するために適切な側部ガイド(10)が設けられた、1対の第3ベルトコンベヤ(9、9’)が含まれる、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記長手方向搬送手段が、
生産ゾーンまたは貯蔵ゾーンからパレチゼーションプラントへパッケージ(6)を供給するための少なくとも1つの第1ベルトコンベヤ(3)と、
肢部(2)を備えた少なくとも1つのロボットがその上で作業する、第1ベルト(3)の後に続く第2ベルトコンベヤ(8)であって、前記グリップヘッド(1)によって荷捌きされる前記パッケージ(6)の前記グリップゾーン(4)および前記解放ゾーン(5)を有する前記第2ベルトコンベヤ(8)と、
を備え、
前記第2ベルトコンベヤ(8)が、予め定められた構成で前記ロボットによって解放されたパッケージ(6)を前記集積パレットに搬送するように構成された、請求項1〜11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
前記長手方向搬送手段が、肢部(2)を含む前記少なくとも1つのロボットがその上で作業する単一ベルトコンベヤを備え、前記単一ベルトコンベヤが、前記グリップヘッド(1)によって荷捌きされる前記パッケージ(6)の前記グリップゾーン(4)および前記解放ゾーン(5)を有し、前記単一ベルトコンベヤが、パッケージ(6)を生産または貯蔵ゾーンからパレチゼーションプラントに搬送して、パッケージ(6)の層を集積するための前記集積パレットに到達させるように構成された、請求項1〜11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
2つのロボットが設けられ、それぞれのグリップヘッド(1)を備えた肢部(2、2’)が各ロボットに設けられた、請求項1〜15のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
請求項1〜16のいずれか一項に記載の前記パッケージ(6)の層を形成するためのシステムを含むパレチゼーションプラント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パレタイズされるべきパッケージの層を形成する、パレチゼーションプラントのためのシステム、および、パレチゼーションプラントに関する。
【背景技術】
【0002】
パレット上の荷の配置を最適化するように、荷をグループにまとめるために必要な幾つかのタイプのパレチゼーションプラントの問題解決策法は、いろいろ知られている。全てのシステムが、パレットの表面を最も適切に占有する配置構成を形成するように、荷、パッケージ、または一般的にブロック状の物体を荷捌きゾーンに搬送するベルトコンベヤまたは同様の手段を共通して有している。
【0003】
あるタイプのプラントは、パレット上の正しい位置に直線的に移動させることによって、1つのパッケージだけを把持する機械的アームを備える。
【0004】
そのような手段では、荷捌き速度に関して高性能が確保されず、プラントの性能は現在の生産サイクルの要求に対して絶対的に低い。
【0005】
別のタイプは、同一ベルトコンベヤによってまたは異なるベルトコンベヤによってパレット上に運ばれるように、パッケージが個別に平行移動および/または回転される荷捌きゾーンに、パッケージを搬送するベルトコンベヤを備える。
【0006】
この第2のタイプの公知のプラントでは、パッケージを搬送する第1ベルトコンベヤの上に平行して第2ベルトが配設され、この第2ベルトは、パッケージの移動に関して同期して荷捌き手段を搬送する。各荷捌き手段は1つのパッケージだけを移動させることができ、グリッパの対称軸線を中心に回転し、かつベルトコンベヤの移動方向に対して横方向に平行移動することのできるグリッパを含む。高い生産性を確実にするために、そのような手段は多数の荷捌き手段を必要とし、それはプラントを非常に複雑かつ大規模にする。
【0007】
したがって、第1の問題は、パレチゼーションシステムの生産性を低減することなく、システムの規模を制限することである。
【0008】
しかし、主要な技術上の問題は、層を形成するパッケージは同一高さを有するため、パレット上に作られる各層の高さは一般的に均等であるので、特に異なる幅および/または奥行きのパッケージの組を一緒に梱包しようとする場合に、公知のシステムが多種多様な寸法のパッケージに容易に適応できないことである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、前述の問題を解消するように構成された、パレタイズされるべきパッケージの層を形成するシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の目的は、パレタイズされるべきパッケージの層を形成するシステムを提供することであり、前記パッケージは長手方向搬送手段に載せて供給することができ、請求項1に記載のシステムは、
肢部を制御する少なくとも1つのロボットと、
前記肢部の第1端に連結され、少なくとも2つのパッケージを把持するための複合式グリップヘッド(multiple gripping head)と、
を備え、
前記複合式グリップヘッドは
第1回転軸線αを中心に回転するように構成された支持要素と、
支持要素に枢動自在に結合された2つ以上のグリッパと、
を備え、各グリッパはそれぞれの第2回転軸線βを中心に回転するように構成され、
前記ロボットには、パッケージのグリップゾーンと解放ゾーンとの間でグリップヘッドを移動させるように平行移動および回転運動がもたらされ、前記グリップおよび解放ゾーンは前記長手方向搬送手段の一部分に形成され、
前記第1回転軸線αおよび前記第2回転軸線βは互いに平行であり、各グリッパのそれぞれの第2軸線βを中心とする回転は他のグリッパの回転とは独立しており、
前記グリッパによって把持されたパッケージは、平行移動すること、および/または互いに独立して前記第2回転軸線βを中心に回転すること、および/または前記第1回転軸線αを中心に回転することができる。
【0011】
ロボットには、グリップヘッドの動作を、前記長手方向搬送手段で供給される少なくとも2つのパッケージと同期させるための同期手段が設けられる。前記同期手段は、グリップゾーンに向かって供給されていくパッケージを検出して、パッケージの層がその上に形成される長手方向搬送手段の少なくとも一部分の作動モータに含まれる第1エンコーダにトリガ信号を伝送するように構成された少なくとも1つのセンサを備え、前記第1エンコーダは、パッケージの速度および位置基準信号をロボットに送信するように構成される。
【0012】
それぞれのグリッパおよび支持要素の回転運動を作動させるための作動手段が含まれる。前記作動手段はブラシレスモータを含み、ロボットには、それぞれのグリッパおよび支持要素にそれぞれ回転を伝達するための運動伝達軸線が設けられる。ブラシレスモータにはそれぞれの第2エンコーダが設けられる。第1および第2エンコーダはインクリメンタルエンコーダとすることができる。
【0013】
本発明の一態様では、前記システムは、下の搬送手段によって画定される面に対して水平位置に維持される平板によって前記支持要素が形成されるときに、最良に適用される。
【0014】
本発明のさらなる態様では、前記システムは、前記支持要素がグリッパの回転軸線と平行なその回転軸線を中心に回転するように構成されたときに、最良に適用される。
【0015】
2つ以上のパッケージがベルトコンベヤで供給されるときに平行移動しながらそれら自体を中心に独立して回転することができるように、各グリッパは、おそらく前記グリッパの対称軸線と一致する回転軸線を中心に回転し、かつ各グリッパと枢動自在に結合または連結された水平支持板の回転軸線を中心に旋回するように構成されるのが有利である。
【0016】
本発明のさらなる目的は、適度の寸法および高い生産能力のパレチゼーションプラントを提供することである。
【0017】
本発明のさらなる目的は、請求項17に記載のパレチゼーションプラントである。
【0018】
従属請求項は、本説明の不可欠の一部を形成する発明の好ましい実施形態を記載する。
【0019】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付の図面の助けを借りて非限定的な例として示す、パレタイズされるべきパッケージの層を形成するシステム、およびそのパレチゼーションプラントの好ましい非排他的な実施形態の詳細な説明に照らして明白になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図2】
図1の複合式グリップヘッドの上面図である。
【
図3】従前の図に係る複合式グリップヘッドを含むパレチゼーションプラントの側面図である。
【
図4】
図3のパレチゼーションプラントの平面図である。
【
図7】あるグループの積層ゾーンがパレタイズされるパッケージの荷捌き方向に対して90°の位置にある変形例の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図中の同一参照番号および文字は同一要素または構成部品を指す。
【0022】
本発明に係るグリップヘッド1は、層のその後の形成を1つ以上のプッシャ20によって行なわせながら、同数のパッケージアラインメントに属する2つ以上のパッケージを独立して回転させるために有利に使用することができる。
【0023】
本発明に係る複合式グリップヘッド1は、第1回転軸線αを中心に回転するように構成された支持要素11、例えば平板を備える。各グリッパがその回転軸線β、例えばその対称軸線を中心に回転するように構成されるように、2つ以上のグリッパ12が前記支持要素11に枢動自在に結合され、前記回転軸線αおよびβは互いに平行である。
【0024】
換言すると、各グリッパ12は、好ましくは垂直なその回転軸線βを中心に回転し、かつ各グリッパが枢動自在に結合された支持要素11の回転軸線α(同じく垂直であることが好ましい)を中心に旋回するように構成される。
【0025】
さらに、特定の用途には、支持要素11は平板であることが好ましい。
【0026】
それによって各グリッパ12は1つ以上の物体、例えば飲料用の瓶を含むパッケージを把持し、かつその回転および旋回運動の組合せによってパッケージを回転および/または平行移動させる。
【0027】
さらに、各グリッパ12はパッケージを把持し、かつその作動手段を備えており、その回転軸線βを中心に他のグリッパとは独立して回転する。前記作動手段はインクリメンタルエンコーダを備えたブラシレスモータを含むことが有利であり、この手段は完全な運動補間および同期を確実にする。
【0028】
別の好ましい実施形態(図示せず)では、2つ以上のグリッパ12は前記支持要素11と枢動自在に結合され、前記グリッパの1つは支持要素11の回転軸線αと一致する回転軸線βを有する。この場合、そのようなグリッパは、前記軸線αを中心とする旋回を実行せず回転だけを実行する唯一のグリッパとなる。
【0029】
本発明に係るパレチゼーションプラントは、パレタイズされるパッケージの長手方向搬送手段を備え、長手方向搬送手段は少なくとも1つのベルトコンベヤと、肢部2、例えば機械的または電気機械的肢部を備えたロボットとを含む。前記肢部2はシネマチックチェーン(cinematic chain)を含み、特に、アーム23、前腕24、肘25、および手首26を含む。
【0030】
図3には、その荷捌き中に取る2つの位置にそのような肢部2が示されている。そのような肢部2は、地面に枢動自在に束縛された、好ましくはパッケージの長手方向搬送手段の一部の上にある地面に固定された支持構造7に拘束された、第1端21を有し、かつ運動力学的連鎖を含むことによって、その第2端22を長手方向パッケージ搬送手段の部分全体に沿って移動させることができるように、伸縮することができる。前記複合式グリップヘッド1は、ロボット肢部2の第2端22と枢動自在に結合される。グリップヘッド1の各グリッパ12の回転は、同一ヘッド1の他のグリッパの回転とは独立している。グリッパ12および支持板11自体の回転の管理はロボットに組み込まれ(それぞれのグリッパ12に対応し2つの補助ロボット軸線が設けられ)、完全な回転運動補間および正確さを確実にする。
【0031】
複合式グリップヘッド1は、前記ベルトによって画定される平面に属する2つの軸線xおよびyに沿って後で集積パレットに移送されるパッケージの層を形成するために、荷捌きされる単数または複数のパッケージと完全に同期して、ベルト上の機械的肢部2を用いてロボットによって平行移動される。グリップヘッド1はまた、グリップヘッド自体の任意の空間移動を可能にするように、ジョイントによって肢部2の端部22にも連結することができる。
【0032】
特に、ロボットは次の8つの軸線を備えることが有利である。
【0033】
第1軸線はロボットの足の軸線、すなわちロボットの本体全体の回転を可能にする軸線である。
【0034】
第2および第3軸線は、ロボットの肢部2のアーム23および前腕24(
図3)の前後方向の傾斜を可能にする。
【0035】
第4軸線は、肢部2の肘25に対する前腕24の回転を可能にする。
【0036】
第5軸線は、肢部2の手首26に対するグリップヘッド1の振動、したがって、支持要素11の振動を可能にする。
【0037】
第6軸線は、回転軸線αを中心とする支持要素11の回転を可能にする。
【0038】
第7および第8軸線は、回転軸線βを中心とするそれぞれのグリッパ12の回転を可能にする、ロボットの前述の2つの補助軸線である。
【0039】
ロボットの全ての軸線は、支持要素11が常に、パッケージ6の長手方向搬送手段によって画定される平面と平行に配置されることを確実にするように調整される。
【0040】
ロボット、すなわちグリップヘッド1と、荷捌きされるパッケージとの間の同期が、グリップゾーンの方向に供給されるパッケージを検出する少なくとも1つの適切なセンサ、例えば少なくとも1つの光電セルによってトリガされるトリガ信号(物体検出)によって発生する。前記トリガ信号は、層がその上に形成されるベルトの作動モータに設けられたインクリメンタルエンコーダに伝達される。前記エンコーダによって送信された信号は、パッケージの速度および位置基準として働き、荷捌きされる各単一パッケージの追跡を計算および制御するためにロボットによって使用される。
【0041】
ロボットはこうして、零に等しい相対速度で荷捌きされる少なくとも2つのパッケージ6と、グリップヘッド1のグリッパ12によって完全に「連結する」ことができる。
【0042】
グリッパ12および支持板11の回転軸線に含まれる全てのロボット軸線は、運動の完全な補間および同期を確保するようにインクリメンタルエンコーダを装備したブラシレスモータによって互いに独立して作動する。層がその上に形成されたベルトの作動モータに含まれるインクリメンタルエンコーダおよび種々のブラシレスモータのインクリメンタルエンコーダはどちらもロボットソフトウェアによって管理される。インクリメンタルエンコーダの代わりに他のタイプのエンコーダを使用してもよい。
【0043】
第1の好ましい変形例では、パッケージ6の長手方向搬送手段は、
生産または貯蔵ゾーンからパレチゼーションプラントへパッケージ6を供給するための少なくとも1つの第1ベルトコンベヤ3と、
機械的肢部2を備えた少なくとも1つのロボットがその上で作業する、第1ベルトコンベヤの後に続く第2ベルトコンベヤ8であって、肢部2に関連付けられたグリップヘッド1によって荷捌きされるパッケージ6のグリップゾーン4および解放ゾーン5と交差する前記第2ベルトコンベヤ8と、
パレタイズまたは積層ステーションに向けて予め定められた構成でロボットによって解放されたパッケージ6を圧縮するための、第2ベルトコンベヤの後に続く少なくとも1つの第3ベルトコンベヤと、
を備えることができる。
【0044】
パッケージの長手方向搬送手段は、第2変形例では、生産または貯蔵ゾーンからパレチゼーションプラントに向かってパッケージを供給するための第1ベルトコンベヤと、第1ベルトから荷降ろしされたパッケージを受け入れる第2ベルトコンベヤとを含むことができる。前記第2ベルトは少なくとも1つのロボットの支持構造に部分的に載っており、パッケージをパッケージ層の集積パレットに搬送する。機械的肢部2およびグリップヘッド1を備えた前記少なくとも1つのロボットは、どちらも前記第2ベルトが交差するグリップゾーンおよび解放ゾーンで作動する(
図7の例を参照)。
【0045】
パッケージ6の長手方向搬送手段は、第3変形例では、生産または貯蔵ゾーンからパレチゼーションプラントに向かってパッケージ層集積パレットまでパッケージを搬送する、少なくとも1つのロボットの支持構造に部分的に載っている単一のベルトコンベヤを含むことができる。機械的肢部2およびグリップヘッド1を備えた前記少なくとも1つのロボットは、どちらも前記単一ベルトが交差するグリップゾーンおよび解放ゾーンで作動する。
【0046】
図3〜
図6の実施形態に対応する前記第1変形例に特に関連して、第2ベルトコンベヤ8に対する機械的肢部2の配置は、機械的肢部が伸縮するときにベルトコンベヤ8に対して縦方向に移動し、かつ前記第1端21を中心に回転することによってベルト8の供給方向に対して横方向に移動することができるように行なわれる。
【0047】
ベルトコンベヤ3は、機械的肢部2が1つ以上のパッケージ6を把持し、収縮し、または長手方向に伸長し、または前記第1端21を中心に回転しながら、前記パッケージを回転‐平行移動させ、かつそれらを解放ゾーン5で解放することができるように、パッケージ6をグリップゾーン4に向かって運搬する。そのような解放ゾーン5は、第2ベルト8上に加えて、上述した第3変形例の単一ベルトコンベヤ上に、または直接パッケージ集積パレット上に設けることができる。
【0048】
各グリッパの回転軸線βを中心に、かつ支持板11の回転軸線αを中心に、他のグリッパとは独立して回転することに加えて、各グリッパ12は、第2端22を中心に機械的肢部2によって実行される運動に従って平行移動および/または回転することが有利である。
【0049】
特に
図3〜
図6に関連して、パッケージ6は、第1ベルトコンベヤ3によって搬送されて、例えば第2ベルトコンベヤ8の一部分によって画定されるグリップゾーン4に到達する。
【0050】
例えば、パッケージは1列に並んで互いに適切に間隔を空けて、または2列、3列等に並んで、再び適切に前後のパッケージとは間隔を空けて、グリップゾーンに到達する。
【0051】
次いで、機械的肢部2は、前述のロボット同期手段によって、前記グリップゾーン4からパッケージ6を受け取り、かつそれらを前記解放ゾーン5に運搬するように、グリップゾーン4および解放ゾーン5と交差するベルトコンベヤによって、同期して運動する。
【0052】
パッケージ6は好ましくはグリッパ12によって横方向にクランプされ、かつ、持ち上げられることなくベルトコンベヤ上を摺動することによって解放ゾーン5に運搬される。したがって、グリップヘッド1は、グリッパ12が枢動自在に結合されている平板11が、グリップゾーン4によって画定される平面と平行になるように、機械的肢部2によって上から下降するように構成されることが好ましい。
【0053】
グリップヘッド1が2つのグリッパ12を含む場合、ロボットは、例えばベルトコンベヤ8の供給方向に従って互いに整列した2つのパッケージ6を把持し、支持板11の回転が90°であれば、前記パッケージがベルトコンベヤ8の供給方向に対し横方向に沿って並ぶこともできるように、パッケージを回転‐平行移動するように引き摺る。
【0054】
2つのパッケージ6を互いに非常に近接して横に並べることが要求される場合、支持板11に小さい回転が与えられ、パッケージに関連付けられる軸線が互いに平行または直交する状態等を維持するように、グリッパ12に適切な回転が与えられる。次いでベルトコンベヤ8は、ベルト9および9’上でそれらを供給する意味で搬送圧縮する。次いで、圧縮された層を積層モジュールに移送する特定のプッシャ20が介入する。
【0055】
パッケージ6が解放ゾーン5内に解放されると、機械的肢部2は引き上げられ、最大速度でグリップゾーン4に向かって戻り、サイクルが繰り返される。
【0056】
解放ゾーン5で解放されたパッケージ6はベルトに沿って進み続け、パレチゼーションダイヤグラムによって要求される構成に従って集積される。
【0057】
図4では、プラントは、パッケージ6の1つ以上のアラインメントをグリップゾーン4に向かって搬送するように構成されたベルトコンベヤ3を備える。代替的に、
図5では、プラントは、2つ以上のパッケージアラインメント6をグリップゾーン4に向かって搬送するように構成された2つのベルトコンベヤ3、3’を備える。さらに、前記ベルトコンベヤ、例えば少なくとも2つのコンベヤ3および3’の移動は独立しており、機械的肢部2によって実行される動作と同期する。
【0058】
図6に示すプラントの別の好ましい実施形態では、2つ以上の機械的アーム2、2’は、梱包されるパッケージのグループ66の形成のために協働するように提供される。そのようなプラントは並んで配置された1対のベルトコンベヤ3、3’と、前記ベルトコンベヤの各々と関連付けられ、本発明に係るグリップヘッドを含むそれぞれの機械的肢部2、2’とを備える。
【0059】
2つの機械的アーム2、2’は、所与のダイヤグラムに従ってパッケージの同一グループ66の形成に寄与しながら、互いに独立して働くように有利に構成される。
【0060】
機械的アームの第1端21、21’は、前記第2ベルトコンベヤ8が機械的アームの下を通過するように、前記第2ベルトコンベヤ8の上にある、グループダイヤグラム66の寸法に比例する大きさの支持構造7に枢動自在に制限されることが好ましい。
【0061】
パッケージ6が供給(生産または貯蔵)ゾーンから到達し損ねた場合、かつ/または下流の梱包システムが停止した場合を除き、機械的肢部2または機械的アーム2、2’の作業サイクルは連続し、ベルトコンベヤ8と同期する。
【0062】
図4〜
図6では、パッケージ6の搬送手段は右側から、
第1ベルトコンベヤ3、3’と、
第1ベルト3、3’より横方向に幅が広く、グリップゾーン4および解放ゾーン5の両方を画定し、かつパッケージ6がその上で回転‐平行移動する第2ベルトコンベヤ8と、
並んで配置され、かつ互いに独立して働くように構成され、後で適切な積層手段によって積層される1層のグループ66を形成するようにその上にパッケージ6が集積されかつ両側のガイド10から圧縮される、1対の第3ベルト9および9’と、
を備える。
【0063】
ベルト8、9、および9’’上に載って、パッケージ6は1つ以上の機械的アーム2を支持する支持構造7の下を通過する。
【0064】
最後に、
図7は、第2ベルト8または代替的に第3ベルト9、9’から荷降ろしされたパッケージをパッケージ6の荷捌き方向に対し略直交する第2方向に押すように構成されたプッシャ20によって、パッケージのグループ66がグリップゾーン4から解放ゾーン5に移送される、変形例を示す。
【0065】
本発明の適用から導き出される利点は次の通り明白である。
【0066】
前記グリップヘッドおよび前記機械的肢部のおかげで、パッケージを単一の列に並べて搬送することができるが、幾つかの列に並べ、かつ1つ以上のベルトコンベヤ3、3’等に分散することも望まれるため、ベルトコンベヤ3を横方向に適度な寸法とすることができるので、こうして寸法を限定しながら、高い生産速度を確実にすることができる。
【0067】
機械的肢部を使用することにより、グリッパ12の開閉およびそれらが回転軸線αおよびβを中心に達成することが要求される回転角度のみならず、パッケージが到達するグリップゾーン4上の平面からの機械的肢部の高さも容易に調整可能となるため、異なるパレチゼーションダイヤグラムおよび異なるパッケージサイズの両方にプラントを迅速に構成させることが可能になる。
【0068】
様々な実施形態に示した要素および特徴は、本発明の保護の範囲から逸脱することなく、組み合わせることができる。