特許第5784013号(P5784013)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5784013
(24)【登録日】2015年7月31日
(45)【発行日】2015年9月24日
(54)【発明の名称】内燃機関の動作方法および装置
(51)【国際特許分類】
   F02D 41/34 20060101AFI20150907BHJP
   F02D 41/38 20060101ALI20150907BHJP
   F02D 41/40 20060101ALI20150907BHJP
【FI】
   F02D41/34 L
   F02D41/38 B
   F02D41/40 F
【請求項の数】9
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-518846(P2012-518846)
(86)(22)【出願日】2010年6月1日
(65)【公表番号】特表2012-531561(P2012-531561A)
(43)【公表日】2012年12月10日
(86)【国際出願番号】EP2010057647
(87)【国際公開番号】WO2011000650
(87)【国際公開日】20110106
【審査請求日】2012年2月6日
【審判番号】不服2014-16379(P2014-16379/J1)
【審判請求日】2014年8月19日
(31)【優先権主張番号】102009027311.5
(32)【優先日】2009年6月30日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【復代理人】
【識別番号】100165940
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 令子
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】ヘラーソン ケマー
(72)【発明者】
【氏名】ホルガー ラップ
【合議体】
【審判長】 中村 達之
【審判官】 加藤 友也
【審判官】 金澤 俊郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開平6−317230(JP,A)
【文献】 特開2002−180934(JP,A)
【文献】 特開2005−180338(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02D41/34-41/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁式操作装置(24)を有している少なくとも1つの噴射弁(18)によって燃料が少なくとも1つの燃焼室(20)に達する、内燃機関(10)の動作方法であって、前記方法は、
前記噴射弁(18)の弁部材(28)の閉鎖を表す、前記噴射弁(18)の電気的動作量を、当該噴射弁(18)の異なる駆動制御持続時間に対して分析するステップと、
前記噴射弁(18)の閉鎖がちょうど確認できなくなるまで前記駆動制御持続時間(t)を徐々に短くするステップ、または、前記噴射弁(18)の閉鎖がちょうどはじめて確認できるまで前記駆動制御持続時間(t)を徐々に長くするステップと、
前記弁部材(28)の閉鎖がちょうど確認できなくなった際、または、前記弁部材(28)の閉鎖がちょうどはじめて検出できた際の駆動制御持続時間(t)を求めるステップと、
前記求めた駆動制御持続時間(t)を、前記噴射弁(18)の開放遅延時間(t11)として求めるステップと、
を含み、
前記電気的動作量は、前記電磁式操作装置(24)のコイル(26)の電圧の時間的な勾配であり、前記勾配の極小値から、前記噴射弁(18)の閉鎖を推測する、
ことを特徴とする内燃機関の動作方法。
【請求項2】
前記内燃機関(10)の動作中、前記方法を繰り返す、
請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記方法は、遅い点火角による前記内燃機関(10)の慣性走行動作時に実行される、
請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記開放遅延時間(t11)を、前記弁部材(28)の運動が最後ないしは最初に確認されたときの駆動制御持続時間(t)と同一にする、
請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記内燃機関(10)が複数の噴射弁(18)を有している場合には、前記開放遅延時間(t11)を全ての噴射弁(18)に対して求める、
請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
前記方法を、異なる燃料圧力に対して実行し、当該実行結果から特性マップを形成する、
請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
請求項1から6までのいずれか1項記載の方法の各ステップを実行するようにプログラミングされている、
ことを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項8】
請求項1から6までのいずれか1項記載の方法の各ステップを実行するためのコンピュータプログラムが格納されている、
ことを特徴とする、内燃機関(10)の開ループ制御および/または閉ループ制御装置(22)用の電気記憶媒体。
【請求項9】
請求項1から6までのいずれか1項記載の方法の各ステップを実行するようにプログラミングされているコンピュータプログラムが格納されている、
ことを特徴とする、内燃機関(10)用の開ループ制御および/または閉ループ制御装置(22)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
従来技術
本発明は、請求項1の上位概念に記載された、内燃機関の動作方法に関する。本発明の構成要件はさらに、コンピュータプログラム、電気的な記憶媒体並びに開ループ制御装置および/または閉ループ制御装置に関する。
【0002】
例えば、噴射弁から直接的に各燃焼室内にガソリンが噴射される内燃機関が市場から知られている。このような噴射弁は、バルブニードルを有している。これは例えば、電磁式操作装置によって操作される。燃料の最適な噴射量を正確な量に計算するための異なる方法が知られている。ここでは殊に、噴射弁に対する駆動制御情報、例えば駆動制御開始、駆動制御持続時間および/または駆動制御終了が求められる。これらの情報が正確になるほど、開ループ制御装置および/または閉ループ制御装置によって調量がより正確に制御される。ここではさらに、バルブニードルの開放および閉鎖時の遅延時間も考慮されるべきである。
【0003】
本発明の開示内容
本発明の課題は、冒頭に記載した形式の方法を改良し、噴射弁を介した燃料噴射をさらに最適化することである。
【0004】
上述の課題は本発明と相応に、請求項1記載の方法によって解決される。別の解決方法は、添付した特許請求範囲に記載されており、コンピュータプログラム、電気的な記録媒体並びに開ループ制御装置および/または閉ループ制御装置に関する。本発明の有利な発展形態は従属請求項に記載されている。さらに本発明にとって重要な特徴を以下の明細書および図面に示す。これらの特徴は、単独でも、明示されていない異なる組み合わせでも、本発明にとって重要である。
【0005】
本発明の方法によって、噴射弁の開放遅延時間が求められる。ここでは、開放遅延時間に差をもたらす、個々の、相違する、バルブ素子、弁座、場合によっては磁石アンカーの不正確さが考慮される。電磁式操作装置によって操作される噴射弁の基本的な構造は、本発明の方法にとって重要ではない。すなわち、バルブ素子が固定的に磁石コアと接続されていても、またはこれが弁素子に対して、ある程度の軸の遊びを有している磁石アンカーを有していてもよい。
【0006】
弁開放持続時間は、開放遅延時間を引いた駆動制御持続時間と、(駆動制御持続時間終了後の)閉鎖時間とから成る。すなわち純粋に数学的には:
弁開放持続時間=駆動制御持続時間−開放遅延時間+閉鎖時間 (1)
である。
【0007】
本発明による方法の基となる考えは、バルブ素子のストローク運動がちょうど可能ではなくなった、またはぎりぎり不可能であり、これによって弁が閉鎖されたままである、駆動制御持続時間を求めることである。これによって、弁開放持続時間および閉鎖時間が無くなる。この場合には、上述の式を変換することによって、式は純粋に数学的に減り、:
開放遅延時間=駆動制御持続時間 (2)
となる。
【0008】
すなわち、この場合には、求められた駆動制御持続時間が、開放遅延時間に相当する。これは、走行動作の間、実際の駆動制御持続時間に依存せずに、最も簡単な場合には、一定とみなされる。
【0009】
噴射弁の閉鎖は、異なる既知の方法、例えばセンサによって、および/または電気パラメータまたは電磁パラメータの分析によって、容易に求められる。このうちの幾つかは、噴射弁を開ループ制御するおよび閉ループ制御するために元から組み込まれている。従ってこれは付加的なコスト要因にならない。
【0010】
噴射弁の閉鎖がちょうど確認できなくなるまで駆動制御持続時間が徐々に短くされ、または、噴射弁の閉鎖が確認可能になるまで駆動制御持続時間が徐々に長くされ、噴射弁に対する開放遅延時間が、駆動制御開始から最後のないしは最初の閉鎖までの時間から求められる場合に、本発明の方法は特に有効である。
【0011】
ここで算出時間を短くするために、この方法の第1のステップにおいて、比較的大きい時間的な変化をクリチカルな点の近傍において生じさせ、次に小さいステップにおいて、バルブ素子のストローク運動および閉鎖運動がちょうど再び識別される、ないしはちょうど識別されない駆動制御持続時間に近似させる。ここで、次のことが考慮される。すなわち弁素子の最小開放時には、閉鎖が診断されず、これによって診断された駆動制御持続時間が正確な値とは異なってしまう、ということが考慮される。このために例えば、開ループ制御装置および/または閉ループ制御装置において、駆動制御持続時間の求められた値が経験に基づいて、例えば検査分野または試験分野から見付けられた整合値によって相応に修正される。クリチカルな駆動制御持続時間の両面から近似し、次に求められた2つの値から、所定のアルゴリズムに従って(例えば平均値の形成によって)、正確なクリチカルな駆動制御持続時間を形成することも可能である。
【0012】
本発明の方法では、電気的な動作量は、電磁式操作装置のマグネットコイルの電圧の時間的な微分(勾配)であり、この勾配の極小値から、噴射弁の閉鎖が推測される。噴射弁の弁座内に弁素子が当接することによって、電磁式操作装置の低減していく電圧が、弁素子の運動変化によって生じる、相互誘導の変化によって影響される。従って、鞍に類似した電圧経過特性が生じる。ここでこの経過特性の偏向点は、弁素子の当接点に相応する。弁素子の当接を確実に知るためには、電圧経過特性の時間的な微分(勾配)が有利である。なぜなら、鞍に類似した経過特性がこの場合には、容易に診断されるべき極小値に変換されるからである。ここでは駆動制御持続時間の終了後に、最初に生じた極小値のみが観察されるべきである。なぜなら例えば、弁素子またはアンカーの衝突によって、後に別の極小値が形成され得るからである。択一的または付加的に、関数の第2の微分時に、弁素子の当接を識別することが可能である。これは弁素子の閉鎖時に零位置を有している。電圧経過特性の微分の実施は、開ループ制御装置および/または閉ループ制御装置において、容易に、かつ低コストで可能である。
【0013】
開放時間遅延に関して、常に、確実な値を得るために、および噴射弁のドリフトないしは磨耗によって生じる劣化を識別するために、内燃機関の動作中に、この方法が(例えばそれぞれ、特定の動作時間の後で、または特定数の動作周期の後で)繰り返し実行される。
【0014】
この方法が、多段噴射を備えた内燃機関の動作中に実行されるのも有利である。ここでこの場合には、駆動制御持続時間はある個別噴射時にのみ変えられ、少なくとも1つの別の個別噴射の駆動制御持続時間の変化によって、実質的に、トルクおよび/または排ガスに影響を与えずに補償される。すなわちこの方法は、内燃機関の動作を妨害しない。
【0015】
この方法はさらに、より遅い点火角による内燃機関の慣性走行動作時に実行される。これは次の利点を有している。すなわち、例えば燃料圧力を、開放遅延時間の圧力依存性の特定の必要に応じて自由に変えることができる、という利点を有している。噴射時間はここで、噴射弁が確実に開放しない状態から、最初の開放まで徐々に長くされる。これによって排気ガスへの悪影響が最小になる。駆動制御により遅い点火角が割り当てられると、噴射された燃料の燃焼は、実質的にトルクに影響を与えずに行われる。この手段も、内燃機関の通常動作がこの方法によって妨害されないために用いられる。
【0016】
正確な開放遅延時間を知ることによって、これを、噴射弁の開ループ制御および/または閉ループ制御時に、考慮することが可能になる。これによって、燃料調量および燃料噴射の全体的な開ループ制御および/または閉ループ制御がさらに良くなる(これに関しては式(1)を参照)。1つの噴射弁から別の噴射弁への噴射量の開ループ制御は、内燃機関の全ての噴射弁に対する開放遅延時間が求められる場合、低減される。これによって燃料が節約され、内燃機関の動作の比較緩和が生じる。
【0017】
さらに、この方法を異なる燃料圧力に対して行い、方法の結果から、特性マップを形成することを提案する。これは例えば、閉ループ制御されたないしは開ループ制御された、燃料噴射弁の動作に対して使用される。
【0018】
以下に、本願発明の実施形態を、図面を参照してより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】複数の噴射弁を備えた内燃機関の概略図
図2図1に示された噴射弁の概略図
図3図2に示された噴射弁の駆動制御電流と、時間にわたった噴射弁のストロークへの作用とが記載されている2つのダイヤグラム
図4】駆動制御電流と、ストロークと、コイル電圧の微分とが時間にわたって示されている3つのダイヤグラム(内燃機関の通常動作中)
図5図3に比べて駆動制御が短くされている、図3に類似した3つのダイヤグラム
図6図4に比べて駆動制御がさらに短くされている、図4に類似した3つのダイヤグラム
図7図1の内燃機関の動作方法のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1において内燃機関には全体として、参照番号10が付与されている。これはタンク12を含んでおり、搬送システム14はこのタンクから、燃料をコモンレール16内に搬送する。コモンレールには複数の噴射弁18a〜18dが接続されている。これらの噴射弁は、燃料を直接的に、自身に割り当てられている燃焼空間20a〜20d内に噴射する。内燃機関10の動作は、開ループ制御および閉ループ制御装置22によって開ループ制御ないしは閉ループ制御される。これは殊に、噴射弁18a〜18dも駆動制御する。
【0021】
図2には、例として、噴射弁18aが非常に詳細に図示されている。これは、電磁式操作装置24、同様に電磁コイル26およびバルブニードル28上のマグネットアンカー30とを含んでいる。マグネットアンカー30はここで、バルブニードル28と固定的に接続されている。しかし、マグネットアンカー30とバルブニードル28との間に、ある程度の軸遊びが存在していてもよい。
【0022】
噴射弁18aは、基本的に以下のように動作する:噴射弁18aは図2では、閉鎖された状態で示されている。すなわち、バルブニードル28は弁座32に当接している。電磁
コイル26には、マグネットアンカー30を操作するために、開ループ制御および閉ループ制御装置22の開ループ制御部および最終段を介して、電圧(駆動制御電圧)が印加される。これはコイル26に流され、相応の強さおよび持続時間のもとで、バルブニードル28を、弁座32から持ち上げる。
【0023】
図3は、噴射弁18aのこのような駆動制御の基本図(模範的な例として)と、噴射弁18の開放時間への作用を時間にわたって示している。図3は、2つのダイヤグラムから成る。ここで上方のダイヤグラムは、駆動制御電流Iの時間的な流れを示しており、下方のダイヤグラムは、これによって生じる噴射弁18aのストロークHを示している。
【0024】
上方のダイヤグラムにおける駆動制御電流Iの経過特性は、まずは急峻な上昇を示しており(参照番号40を参照)、これはある程度の時間空間にわたって一定に保持され、その後ほぼ半分に低下する(参照番号42を参照)。このような電流レベルは、駆動制御持続時間tの終了まで保持される。駆動制御持続時間tの終了では、電流Iがスイッチオフされる(参照番号44を参照)。
【0025】
下方のダイヤグラムでは、噴射弁18aのバルブニードル28が、駆動制御開始後に、ある程度の開放遅延時間t11の後に初めて持ち上げられることが読み取れる(参照番号46を参照)。バルブニードル28が自身の最大ストロークに達すると、これらのレベルを保つために、より少なく駆動制御電流Iで足りるようになる。駆動制御電流Iがスイッチオフされると、バルブニードル28は再び弁座32内に沈む。しかしこれは同じように、遅延を伴う(参照番号48を参照)。駆動制御電流Iのスイッチオフから完全な閉鎖までの時間間隔は、バルブニードル28の閉鎖時間tabとして定められる。全体的な弁開放持続時間はTopとして示される。すなわち純粋に数学的に、
op=t−t11+tab
が有効である。
【0026】
図4〜6は、駆動制御持続時間tの長さが異なる場合の、噴射弁18の操作時の3つのケースを示している。各図は、3つのダイヤグラムを示している。上方のダイヤグラムは駆動制御電流Iの経過特性を示しており、中央のダイヤグラムはバルブストロークHの経過特性を示しており、下方のダイヤグラムはマグネットコイル26での、駆動制御の終了後に消える電圧Uのコイル電圧の時間的な第1の微分(時間的な勾配)の経過特性を示している。
【0027】
図4は例えば、通常動作時に行われるケースを示している。バルブニードル28の駆動制御電流IおよびストロークHは、既知の、上述した流れに相応する。下方のダイヤグラムから、電圧Uの第1の微分の経過特性が極小値50を有していることが読み取れる。この極小値は、弁座32内にバルブニードル28が当接する時点を示している。極小値50は、マグネットコイル26での電圧経過の変化によって生じる。これは、バルブニードル28が当接する時点で、鞍に類似した経過を有する。これは、バルブニードル28の当接時の運動変化、ひいてはマグネットコイル26内の相互誘導の関連する変化によって生じる。
【0028】
図5は、駆動制御持続時間tが若干短くされた場合のケースを示している。駆動制御持続時間tを短くすることによって、バルブニードル28は最大ストロークにもはや達しない。従って、弁開放持続時間Topも短くなる。弁座32内にバルブニードル26が当接することによって、電圧Uの第1の微分の経過特性は再び、極小値50を有する。
【0029】
図6では、駆動制御持続時間tがさらに短くされている。詳細には、バルブニードル26がもはや弁座32から持ち上げられないほどに、短くされている。従って、電圧Uの第1の微分の経過特性は極小値を有さない。弁開放持続時間Topおよび閉鎖時間tabは存在しない。すなわち、数学的に0である。
【0030】
弁開放持続時間Topを定める上述の式において、この2つの零値をセットすると、バルブニードル28がちょうど持ち上げられなくなる程度に駆動制御持続時間tが短い場合には、式の変化後に
駆動制御持続時間t=開放遅延時間t11
となる。
【0031】
すなわち、駆動制御持続時間を連続的に短くする原理によって、開放遅延時間t11が特定される。開放遅延時間t11を正確に知ることによって、噴射弁18a〜18dの開ループ制御および閉ループ制御が実現され、これによって全体的な噴射方法が改善される。
【0032】
図7には、開放遅延時間t11を求める、可能な方法が示されている:
開始点は、開ループ制御および閉ループ制御装置22によって設定される駆動制御持続時間tによる通常の走行動作である(参照番号100)。その後、開ループ制御および閉ループ制御装置22はステップ110において、内燃機関10の外部条件が、内燃機関10の走行動作を妨害することなく、少なくとも1つの噴射弁18に対する駆動制御持続時間tを短くすることを許容するか否かを検査する。これは例えば、慣性走行動作の場合であろう。これが可能である場合には、ステップ120において、選択された噴射弁18に対して駆動制御持続時間tが低減される。これと同時に、割り当てられたマグネットコイル26に対する電圧経過特性Uの第1の微分が形成される。極小値50が第1の微分の経過特性において識別されると(参照番号130)、駆動制御持続時間tがさらに低減される(ステップ120へと飛ぶ)。極小値が識別されなくなると、クリチカルな駆動制御持続時間tに達する。この場合には、ステップ140において、開放遅延時間t11が駆動制御開始と駆動制御終了との差から計算される。場合によっては、さらなる修正ファクターが入力される。ステップ150では、測定された噴射弁18が開ループ制御および閉ループ制御装置内で示され、次の測定周期では、別の噴射弁18が選択される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7