特許第5784129号(P5784129)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エルジー イノテック カンパニー リミテッドの特許一覧

<>
  • 特許5784129-太陽電池及びその製造方法 図000002
  • 特許5784129-太陽電池及びその製造方法 図000003
  • 特許5784129-太陽電池及びその製造方法 図000004
  • 特許5784129-太陽電池及びその製造方法 図000005
  • 特許5784129-太陽電池及びその製造方法 図000006
  • 特許5784129-太陽電池及びその製造方法 図000007
  • 特許5784129-太陽電池及びその製造方法 図000008
  • 特許5784129-太陽電池及びその製造方法 図000009
  • 特許5784129-太陽電池及びその製造方法 図000010
  • 特許5784129-太陽電池及びその製造方法 図000011
  • 特許5784129-太陽電池及びその製造方法 図000012
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5784129
(24)【登録日】2015年7月31日
(45)【発行日】2015年9月24日
(54)【発明の名称】太陽電池及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/0224 20060101AFI20150907BHJP
   H01L 31/0749 20120101ALI20150907BHJP
【FI】
   H01L31/04 266
   H01L31/06 460
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-532697(P2013-532697)
(86)(22)【出願日】2011年4月27日
(65)【公表番号】特表2013-539239(P2013-539239A)
(43)【公表日】2013年10月17日
(86)【国際出願番号】KR2011003113
(87)【国際公開番号】WO2012046932
(87)【国際公開日】20120412
【審査請求日】2014年4月28日
(31)【優先権主張番号】10-2010-0097056
(32)【優先日】2010年10月5日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】513276101
【氏名又は名称】エルジー イノテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジン ウー
【審査官】 井上 徹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−072332(JP,A)
【文献】 特開2009−064981(JP,A)
【文献】 特開2009−198628(JP,A)
【文献】 特開2007−098839(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/02−31/078、31/18−31/20、
51/42−51/48
H02S 10/00−50/15
G02B 1/00−1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の上に配置される裏面電極層と、
前記裏面電極層の上に配置される光吸収層と、
前記光吸収層の上に配置されるウィンドウ層と、を含み、
前記ウィンドウ層は、
上面に形成され、互いに離隔する多数個の第1溝と、
前記第1溝と交差し、互いに離隔する多数個の第2溝と、
前記第1溝と前記第2溝との間に配置され、前記光吸収層から上方に突出する第1突起及び前記第1突起に隣接する第2突起と、を含み、
前記突起は、上面及び前記上面から傾斜する方向に延びる傾斜面を含み、
前記第1突起の上面と前記第2突起の上面との間の距離は、0.5μm乃至4μmであり、
前記突起の高さは0.5μm乃至1μmであり、前記突起の上面の幅は0.5μm乃至1.5μmであり、
前記溝の深さは前記ウィンドウ層の厚さの1/2より小さく、
前記突起の上面に垂直な方向に対する前記傾斜面の角度(θ)は以下の<数式1>を満たし、
前記ウィンドウ層は、アルミニウムがドーピングされたジンクオキサイド、インジウムジンクオキサイド及びインジウムチンオキサイドのうちの一つで形成されたことを特徴とする、太陽電池。
θ<tan−1(L/T)・・・<数式1>
ここで、Lは前記第1突起の上面及び前記第2突起の上面の間の距離であり、Tは前記ウィンドウ層の厚さである。
【請求項2】
前記第1溝は、
前記光吸収層の上面に対して傾斜する第1内側面と、
前記光吸収層の上面に対して傾斜する第2内側面と、を含み、
前記第1内側面及び前記第2内側面は相接することを特徴とする、請求項に記載の太陽電池。
【請求項3】
前記第2溝は、
前記光吸収層の上面に対して傾斜する第3内側面と、
前記光吸収層の上面に対して傾斜する第4内側面と、を含み、
前記第3内側面及び前記第4内側面は相接することを特徴とする、請求項に記載の太陽電池。
【請求項4】
前記第1溝及び前記第2溝はV形状を有することを特徴とする、請求項のいずれか1項に記載の太陽電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、エネルギーの需要が増加するにつれて、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換させる太陽電池に対する開発が進められている。
【0003】
特に、ガラス基板、金属後面電極層、p型CIGS系光吸収層、高抵抗バッファ層、n型ウィンドウ層などを含む基板構造のpnヘテロ接合装置であるCIGS系太陽電池が広く使われている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、高い光吸収率を有する太陽電池及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に従う太陽電池は、基板、上記基板の上に配置される裏面電極層、上記裏面電極層の上に配置される光吸収層、及び上記光吸収層の上に配置されるウィンドウ層を含み、上記ウィンドウ層は、上記光吸収層の上に配置されるベース層、及び上記ベース層の上に配置される反射防止パターンを含み、上記反射防止パターンは、上面、及び上記上面から傾斜する方向に延びる傾斜面を含む。
【0006】
本発明に従う太陽電池は、基板、上記基板の上に配置される裏面電極層、上記裏面電極層の上に配置される光吸収層、及び上記光吸収層の上に配置されるウィンドウ層を含み、上記ウィンドウ層は上面に形成され、第1方向に延びて、互いに離隔する多数個の第1溝、及び上記第1方向と交差する第2方向に延びて、互いに離隔する多数個の第2溝を含む含む太陽電池。
【0007】
本発明に従う太陽電池の製造方法は、基板の上に裏面電極層を形成するステップ、上記裏面電極層の上に光吸収層を形成するステップ、上記光吸収層の上にウィンドウ層を形成するステップ、上記ウィンドウ層の上にマスクパターンを形成するステップ、及び上記マスクパターンをエッチングマスクとして使用して上記ウィンドウ層をエッチングするステップを含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明に従う太陽電池は、反射防止パターンを使用して、より多い光の入射を受けることができる。即ち、反射防止パターンはウィンドウ層で反射される光を減らし、光吸収層に入射する光を増加させる。
【0009】
特に、反射防止パターンは平平な上面及び傾斜面を含む。したがって、上記反射防止パターンの上面及び傾斜面の面積が適当に調節できる。即ち、反射防止パターンが最適の入射率を有するように上面及び傾斜面の面積が調節され、傾斜面の角度が調節できる。
【0010】
したがって、本発明に従う太陽電池は向上した光学的特性を有し、向上した光−電変換効率を有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態に従う太陽電池のウィンドウ層を示す斜視図である。
図2】本発明の実施形態に従う太陽電池を切断した断面を示す断面図である。
図3】反射防止パターンを示す平面図である。
図4】本発明の実施形態に従う太陽電池を形成する過程を示す図である。
図5】本発明の実施形態に従う太陽電池を形成する過程を示す図である。
図6】本発明の実施形態に従う太陽電池を形成する過程を示す図である。
図7】本発明の実施形態に従う太陽電池を形成する過程を示す図である。
図8】本発明の実施形態に従う太陽電池を形成する過程を示す図である。
図9】本発明の実施形態に従う太陽電池を形成する過程を示す図である。
図10】本発明の実施形態に従う太陽電池を形成する過程を示す図である。
図11】本発明の実施形態に従う太陽電池を形成する過程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明を説明するに当たって、各基板、層、膜、または電極などが、各基板、層、膜、または電極などの“上(on)”に、または“下(under)”に形成されることと記載される場合において、“上(on)”と“下(under)”は、“直接(directly)”または“他の構成要素を介して(indirectly)”形成されることを全て含む。また、各構成要素の上または下に対する基準は、図面を基準として説明する。図面において、各構成要素のサイズは説明のために誇張することがあり、実際に適用されるサイズを意味するものではない。
【0013】
図1は、本発明の実施形態に従う太陽電池のウィンドウ層を示す斜視図である。図2は、本発明の実施形態に従う太陽電池を切断した断面を示す断面図である。図3は、反射防止パターンを示す平面図である。
【0014】
図1乃至図3を参照すると、太陽電池は、支持基板100、裏面電極層200、光吸収層300、バッファ層400、高抵抗バッファ層500、及びウィンドウ層600を含む。
【0015】
上記支持基板100はプレート形状を有し、上記裏面電極層200、上記光吸収層300、バッファ層400、高抵抗バッファ層500、及び上記ウィンドウ層600を支持する。
【0016】
上記支持基板100は絶縁体でありうる。上記支持基板100は、ガラス基板、プラスチック基板、または金属基板でありうる。より詳しくは、上記支持基板100はソーダライムガラス(soda lime glass)基板でありうる。上記支持基板100は透明でありえる。上記支持基板100はリジッドまたはフレキシブルである。
【0017】
上記裏面電極層200は上記支持基板100の上に配置される。上記裏面電極層200は導電層である。上記裏面電極層200に使われる物質の例としては、モリブデン(Mo)などの金属が挙げられる。
【0018】
また、上記裏面電極層200は2つ以上の層を含むことができる。この際、各々の層は同一な金属で形成されたり、互いに異なる金属で形成される。
【0019】
上記光吸収層300は上記裏面電極層200の上に配置される。上記光吸収層300はI-III-VI族系化合物を含む。例えば、上記光吸収層300は、銅−インジウム−ガリウム−セレナイド系(Cu(In,Ga)Se;CIGS系)結晶構造、銅−インジウム−セレナイド系、または銅−ガリウム−セレナイド系結晶構造を有することができる。
【0020】
上記光吸収層300のエネルギーバンドギャップ(band gap)、は約1eV乃至1.8eVでありうる。
【0021】
上記バッファ層400は上記光吸収層300の上に配置される。上記バッファ層400は上記光吸収層300に直接接触する。上記バッファ層400は硫化カドミウムを含む。上記バッファ層400のエネルギーバンドギャップは約1.9eV乃至約2.3eVでありうる。
【0022】
上記高抵抗バッファ層500は上記バッファ層400の上に配置される。上記高抵抗バッファ層500は不純物がドーピングされていないジンクオキサイド(i−ZnO)を含む。上記高抵抗バッファ層500のエネルギーバンドギャップは約3.1eV乃至3.3eVでありうる。
【0023】
上記ウィンドウ層600は上記光吸収層300の上に配置される。より詳しくは、上記ウィンドウ層600は上記高抵抗バッファ層500の上に配置される。上記ウィンドウ層600は透明で、導電層である。上記ウィンドウ層600に使われる物質の例としては、アルミニウムがドーピングされたジンクオキサイドなどが挙げられる。
【0024】
上記ウィンドウ層600はベース層610及び反射防止パターン620を含む。
【0025】
上記ベース層610は上記光吸収層300の上に配置される。より詳しくは、上記ベース層610は上記高抵抗バッファ層500の上に配置される。上記ベース層610は上記高抵抗バッファ層500を全体的に覆うことができる。上記ベース層610の厚さは上記ウィンドウ層600の厚さの1/2より大きいことがある。
【0026】
上記反射防止パターン620は上記ベース層610の上に配置される。上記反射防止パターン620は上記ベース層610と一体形成される。上記反射防止パターン620の高さは上記ウィンドウ層600の厚さの1/2より小さいことがある。即ち、上記反射防止パターン620の高さ(H)は上記ベース層610の厚さより小さいことがある。
【0027】
上記反射防止パターン620は突起パターンである。即ち、上記反射防止パターン620は上記ベース層610から突起される多数個の突起602を含む。
【0028】
各々の突起602は上面621及び多数個の傾斜面622を含む。より詳しくは、各々の突起602は上面621及び4個の傾斜面622を含むことができる。
【0029】
各々の突起602の上面621は上記光吸収層300の上面と同一な方向に延びる。即ち、各々の突起602の上面621は上記光吸収層300の上面と実質的に平行である。また、各々の突起602の上面621は、上記支持基板100の上面、上記裏面電極層200の上面、及び上記高抵抗バッファ層500の上面と同一な方向に延びる。
【0030】
各々の突起602の上面621は多角形状を有することができる。より詳しくは、各々の突起602の上面621は四角形状を有することができる。より詳しくは、各々の突起602の上面621は直四角形状を有することができる。より詳しくは、各々の突起602の上面621は正四角形状を有することができる。
【0031】
各々の突起602の傾斜面622は上記上面621から下方に延びる。より詳しくは、各々の突起602の傾斜面622は上記上面621から上記ベース層610に向けて延びる。即ち、上記傾斜面622は上記上面621に対して傾斜する。
【0032】
上記傾斜面622は、例えば、第1傾斜面622a、第2傾斜面622b、第3傾斜面622c、及び第4傾斜面622dでありうる。この際、上記第2傾斜面622bは上記第1傾斜面622a及び上記第3傾斜面622cに隣接し、上記第3傾斜面622cは上記第2傾斜面622b及び上記第4傾斜面622dに隣接する。また、上記第4傾斜面622dは、上記第1傾斜面622a及び上記第3傾斜面622cに隣接する。また、上記第1傾斜面622a及び上記第3傾斜面622cは互いに対向し、上記第2傾斜面622b及び上記第4傾斜面622dは互いに対向する。
【0033】
各々の突起602の上面621に垂直な方向に対して上記傾斜面622の角度(θ)は以下の式を満たすことができる。
θ<tan−1(L/T)
【0034】
ここで、Lは互いに隣接する突起602の上面621の間の距離であり、Tは上記ウィンドウ層600の厚さである。
【0035】
上記突起602は錐台形状を有することができる。より詳しくは、上記突起602は多角錐台形状を有することができる。より詳しくは、上記突起602は四角錐台形状を有することができる。
【0036】
各々の突起602の上面621の幅(W)は約0.5μm乃至約1.5μmであり、各々の突起602の上面621の間の距離(L)は約0.5μm乃至約4μmでありうる。また、上記反射防止パターンの高さ(H)は約0.5μm乃至約1μmでありうる。
【0037】
上記反射防止パターン620に対し、突起パターンにて説明したが、これとは異なり、溝パターン323にて説明できる。即ち、上記反射防止パターン620は、上記ウィンドウ層600が一部エッチングされて形成された溝パターン323でありうる。
【0038】
この際、上記溝パターン323は第1方向に延びる多数個の第1溝323a及び上記第1方向と交差する第2方向に延びる多数個の第2溝323bを含む。この際、上記第1溝323a及び上記第2溝323bは互いに交差する。より詳しくは、上記第1溝323a及び上記第2溝323bはメッシュ(mesh)形状を有し、互いに交差する。
【0039】
また、上記第1溝323aは互いに離隔する。上記第1溝323aは上記光吸収層300の上面に対して傾斜する第1内側面及び第2内側面を含む。この際、上記第1内側面及び上記第2内側面は相接する。即ち、上記第1溝323aの断面はV字形状を有することができる。また、上記第1内側面及び上記第2内側面は、上記第2傾斜面622b及び上記第4傾斜面622dと実質的に同一である。
【0040】
また、上記第2溝323bは互いに離隔する。上記第2溝323bは、上記光吸収層300の上面に対して傾斜する第3内側面及び第4内側面を含む。上記第3内側面及び上記第4内側面は相接する。即ち、上記第1溝323a及び上記第2溝323bの断面はV字形状を有することができる。また、上記第3内側面及び上記第4内側面は、上記第1傾斜面622a及び上記第3傾斜面622cと実質的に同一である。
【0041】
上記第1溝323a及び上記第2溝323bによって上記突起602が形成される。これによって、上記第1溝323a及び上記第2溝323bの入口の幅は各々の突起602の上面621の間の距離と同一である。また、上記第1溝323a及び上記第2溝323bの深さは上記突起602の高さ(H)と同一である。
【0042】
実施形態に従う太陽電池は上記反射防止パターン620を使用して、より多い光の入射を受けることができる。即ち、上記反射防止パターン620は、上記ウィンドウ層600で反射される光を減らし、上記光吸収層300に入射する光を増加させる。
【0043】
特に、上記反射防止パターン620の上面621及び傾斜面622の面積が適当に調節できる。即ち、上記反射防止パターン620が最適の入射率を有するように、上記反射防止パターン620の上面621及び傾斜面622の面積が各々調節され、上記傾斜面622の角度が調節される。
【0044】
したがって、本発明に従う太陽電池は向上した光学的特性を有し、向上した光−電変換効率を有することができる。
【0045】
図4乃至図7は、本発明の実施形態に従う太陽電池を製造するための工程を示す図である。本製造方法では前述した太陽電池を参考して説明する。本製造方法に対する説明に、前述した太陽電池に関する説明は本質的に結合できる。
【0046】
図4を参照すると、支持基板100の上にスパッタリング工程によりモリブデンなどの金属が蒸着され、裏面電極層200が形成される。上記裏面電極層200は工程条件が互いに異なる2回の工程により形成される。
【0047】
上記支持基板100及び上記裏面電極層200の間には拡散防止膜のような追加的な層が介される。
【0048】
図5を参照すると、上記裏面電極層200の上に光吸収層300が形成される。
【0049】
上記光吸収層300はスパッタリング工程または蒸発法等により形成される。
【0050】
例えば、上記光吸収層300を形成するために、銅、インジウム、ガリウム、セレニウムを同時または区分して蒸発させながら銅−インジウム−ガリウム−セレナイド系(Cu(In,Ga)Se;CIGS系)の光吸収層300を形成する方法と、金属プリカーサ膜を形成させた後、セレン化(selenization)工程により形成させる方法が幅広く使われている。
【0051】
金属プリカーサ膜を形成させた後、セレン化することを細分化すれば、銅ターゲット、インジウムターゲット、ガリウムターゲットを使用するスパッタリング工程により上記裏面電極200の上に金属プリカーサ膜が形成される。
【0052】
以後、上記金属プリカーサ膜はセレン化(selenization)工程により、銅−インジウム−ガリウム−セレナイド系(Cu(In,Ga)Se;CIGS系)の光吸収層300が形成される。
【0053】
これとは異なり、上記銅ターゲット、インジウムターゲット、ガリウムターゲットを使用するスパッタリング工程及び上記セレン化工程は同時に進行できる。
【0054】
これとは異なり、銅ターゲット及びインジウムターゲットのみを使用したり、銅ターゲット及びガリウムターゲットを使用するスパッタリング工程、及びセレン化工程により、CIS系またはCIG系光吸収層300が形成される。
【0055】
図6を参照すると、上記光吸収層300の上にバッファ層400及び高抵抗バッファ層500が形成される。
【0056】
上記バッファ層400は化学溶液蒸着工程(chemical bath deposition;CBD)により形成される。例えば、上記光吸収層300が形成された後、上記光吸収層300は硫化カドミウムを形成するための物質を含む溶液に浸漬され、上記光吸収層300の上に硫化カドミウムを含む上記バッファ層400が形成される。
【0057】
以後、上記バッファ層400の上にジンクオキサイドがスパッタリング工程などにより蒸着され、上記高抵抗バッファ層500が形成される。
【0058】
図7を参照すると、上記高抵抗バッファ層500の上にウィンドウ層600が形成される。上記ウィンドウ層600を形成するために、上記高抵抗バッファ層500の上に透明な導電物質が積層されて、透明導電層601が形成される。上記透明な導電物質の例としては、アルミニウムドーピングされたジンクオキサイド、インジウムジンクオキサイド、またはインジウムチンオキサイドなどが挙げられる。
【0059】
図8及び図9を参照すると、上記透明導電層601の上にマスクパターン700が形成される。上記マスクパターン700は、フォトリソグラフィ工程により形成される。例えば、上記透明導電層601の上に感光性樹脂がコーティングされて、フォトレジストフィルムが形成される。上記フォトレジストフィルムの一部が露光され、エッチングされて、上記マスクパターン700が形成される。
【0060】
上記マスクパターン700は島(island)形状を有する。即ち、上記マスクパターン700は島形状を有する多数個のマスク701を含む。この際、上記マスク701を互いに離隔する。また、上記マスク701はマトリックス形態に配置される。
【0061】
上記マスク701の幅は約1μmであり、上記マスク701の間の間隔は約3μmでありうる。
【0062】
上記マスクパターン700に使われる物質の例としてはシリコンオキサイドまたはシリコンナイトライドなどを挙げることができ、上記マスクパターン700の厚さは約1μmでありうる。
【0063】
図10及び図11を参照すると、上記透明導電層601は上記マスクパターン700をエッチングマスクとして使用してエッチングされる。この際、上記透明導電層601は湿式エッチング工程または乾式エッチング工程などによりパターニングされる。
【0064】
これによって、上記マスクパターン700が配置されていない部分の透明導電層601は傾斜しながらエッチングされる。
【0065】
これによって、上記光吸収層300の上にベース層610及び反射防止パターン620を含むウィンドウ層600が形成され、以後、上記マスクパターン700は除去される。
【0066】
上記エッチング工程により上記透明導電層601に第1溝323a及び第2溝323bが形成され、上記第1溝323a及び上記第2溝323bによって上記反射防止パターン620が形成される。上記第1溝323a及び上記第2溝323bの内側面は上記光吸収層300の上面に対して傾斜する。
【0067】
この際、上記透明導電層601がエッチングされる深さは、上記透明導電層601の厚さの1/2より小さいことがある。即ち、上記第1溝323a及び上記第2溝323bの深さは、上記透明導電層601の厚さの1/2より小さいことがある。
【0068】
このように、実施形態に従う太陽電池の製造方法は、向上した入射率を有する太陽電池が容易に提供できる。
【0069】
以上、実施形態に説明された特徴、構造、効果などは、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれ、必ず1つの実施形態のみに限定されるものではない。延いては、各実施形態で例示された特徴、構造、効果などは、実施形態が属する分野の通常の知識を有する者により他の実施形態に対しても組合または変形されて実施可能である。したがって、このような組合と変形に関連した内容は本発明の範囲に含まれることと解釈されるべきである。
【0070】
以上、本発明を好ましい実施形態をもとに説明したが、これは単なる例示であり、本発明を限定するのでない。本発明の本質的な特性を逸脱しない範囲内で、多様な変形及び応用が可能であることが同業者にとって明らかである。例えば、実施形態に具体的に表れた各構成要素は変形して実施することができ、このような変形及び応用にかかわる差異点も、特許請求の範囲で規定する本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明に従う太陽電池及びその製造方法は、太陽光発電分野に利用できる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11