【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するための本発明は、ヒアルロン酸またはその塩にアルデヒド基が導入されているヒアルロン酸−アルデヒド誘導体をタンパク質のN−末端と反応させる方法を含むヒアルロン酸−タンパク質コンジュゲートの製造方法を提供する。
【0010】
また、本発明は、ヒアルロン酸またはその塩にアルデヒド基が導入されているヒアルロン酸−アルデヒド誘導体がタンパク質のN−末端と結合されているヒアルロン酸−タンパク質コンジュゲートを提供する。
【0011】
以下、本発明のヒアルロン酸−タンパク質コンジュゲート及びその製造方法に対してより詳細に説明する。
【0012】
ヒアルロン酸(HA:Hyaluronic acid)は、D−グルクロン酸(D−glucuronic acid、GlcA)及びN−アセチル−D−グルコサミン(GlcNAc)がβ1,3−グリコシド結合(β1,3−glycosidic bond)により連結されているジサッカライドを繰り返し単位で含む高分子量の線形ポリサッカライドである。ヒアルロン酸のジサッカライド繰り返し単位は、下記化学式1の通りである。
【0013】
【化1】
【0014】
本発明において、「ヒアルロン酸」は、前記化学式1のジサッカライドを繰り返し単位で含むヒアルロン酸だけではなく、化学式1のジサッカライド骨格から由来された誘導体を繰り返し単位で含むヒアルロン酸の誘導体を含むことで解釈される。ヒアルロン酸の誘導体は、前記化学式1のデサッカライド構造の中でカルボキシル基、水酸化基、アセチル基、またはデサッカライド繰り返し単位の末端が他の置換基に置換されている構造を有するヒアルロン酸を意味する。例えば、前記置換基は、水素、C1−6アルキル基、C1−6アルキルカルボニル基、カルボキシル基、水酸化基及びアセチル基から選択される一つ以上の置換基である。
【0015】
ヒアルロン酸の塩は、ヒアルロン酸またはヒアルロン酸の誘導体の塩を全て含み、これに限定されるものではないが、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩などが例示される。
【0016】
本発明は、ヒアルロン酸またはその塩にアルデヒド基が導入されているヒアルロン酸−アルデヒド誘導体をタンパク質のN−末端と反応させる方法を含むヒアルロン酸−タンパク質コンジュゲートの製造方法を提供する。
【0017】
ヒアルロン酸とタンパク質とのコンジュゲーション方法で、既存にはヒアルロン酸のカルボキシル基とタンパク質のアミン基を結合させる方法を使用した。しかし、このような方法は、通常的に結合形成のためのリンカーを使用しければならないので、反応が複雑であり、反応の効率、すなわち、バイオ接合効率が落ちるだけではなく、タンパク質のN−末端だけではなくタンパク質アミノ酸配列によって多数存在するリジンのアミン基と非特異的に反応するなどの問題点があった。
【0018】
一方、本発明では、ヒアルロン酸のカルボキシル基の代わりにヒアルロン酸−アルデヒド誘導体を利用することで、ヒアルロン酸−タンパク質コンジュゲーションのバイオ接合効率及び反応特異性を著しく改善した。
【0019】
本発明で使われる「ヒアルロン酸−アルデヒド誘導体」は、ヒアルロン酸またはその塩にアルデヒド基が導入されているヒアルロン酸またはその塩び誘導体を全て含むことで解釈される。
【0020】
具体的には、一例において、前記ヒアルロン酸−アルデヒド誘導体は、ヒアルロン酸またはその塩のグルクロン酸骨格に一つ以上のアルデヒド基が導入されているものである。
【0021】
本発明のヒアルロン酸−アルデヒド誘導体は、ヒアルロン酸またはその塩のグルクロン酸骨格にアルデヒド基を含んでいるので、ヒアルロン酸のジサッカライド繰り返し単位の末端にアルデヒド基が形成されているヒアルロン酸−アルデヒド誘導体を使用する場合に比べてアルデヒド基の置換率を自由に調節できる。本発明において、アルデヒド基の置換率とは、ヒアルロン酸またはその塩の特定機能基がアルデヒド基に代替されるか修飾されることを意味する。アルデヒド基への置換率は、全体ヒアルロン酸繰り返し単位の中でアルデヒド基に置換された繰り返し単位の割合で定義され、定義上0超過1以下の数値、または0%超過100%以下の数値、または0モル%超過100モル%以下の数値で表現することができる。アルデヒド基の置換率を調節すれば、ヒアルロン酸−アルデヒド誘導体を肝臓で標的化するか、または肝臓を迂回するようにするかを制御することができるので、ヒアルロン酸とコンジュゲーションされる薬物の種類によって肝臓への標的性を調節することができる長所を提供する。
【0022】
具体的には、一例において、前記ヒアルロン酸−アルデヒド誘導体は、ヒアルロン酸またはその塩のグルクロン酸骨格が
開環されており、
開環された環の末端に一つ以上のアルデヒド基を有する。例えば、このようなヒアルロン酸−アルデヒド誘導体は、下記化学式2の繰り返し単位を一つ以上含む高分子を含む。
【0023】
【化2】
【0024】
このようなヒアルロン酸−アルデヒド誘導体を製造する方法は、特別に限定されるものではない。当業者であれば、公知の方法を使用してグルクロン酸を
開環させて、
開環された環の末端に一つ以上のアルデヒド基を形成させることができる。
【0025】
具体的には、一例において、ヒアルロン酸またはその塩のグルクロン酸骨格が
開環されており、
開環された環の末端に一つ以上のアルデヒド基を有する前記ヒアルロン酸−アルデヒド誘導体は、ヒアルロン酸またはその塩を酸化剤と反応させて得ることができる。下記反応式1は、前記ヒアルロン酸−アルデヒド誘導体の形成方法の例を模式化した式である。
【0026】
【化3】
【0027】
本明細書の反応式において、m及びnは、繰り返し単位の繰り返し回数を示し、m及びnは、各々独立的に1〜10,000の定数である。
【0028】
反応式1のように、ヒアルロン酸またはその塩の中で一部の繰り返し単位を化学式2の構造で誘導することができる。
【0029】
具体的には、一例において、前記酸化剤は、グルクロン酸の
開環反応を誘導するものであることができ、これに限定されるものではないが、このような酸化剤は、過ヨード酸(periodate)、例えば、過ヨード酸ナトリウム (sodium periodate)、過ヨード酸カリウム(potassium periodate)などを含む。過ヨード酸を酸化剤で利用する場合、ヒアルロン酸またはその塩を暗条件下で過ヨード酸と2時間反応させることで、10%の置換率を有するヒアルロン酸誘導体を得ることができ、反応時間を24時間までふやして50%の置換率を有するヒアルロン酸誘導体を得ることができる。酸化剤との反応時間を調節することで、ヒアルロン酸のアルデヒド置換率を調節することが可能であり、これは当業者がヒアルロン酸とコンジュゲーションさせようとするタンパク質医薬の種類によって適切に選択して調節することができる。
【0030】
本発明の他の具体的な例において、前記ヒアルロン酸−アルデヒド誘導体は、ヒアルロン酸またはその塩のグルクロン酸骨格に存在するカルボキシル位置にアルデヒド基が導入されているものである。ヒアルロン酸のカルボキシル位置にアルデヒド基を導入する方法は、当業者により多様に選択されることができる。これに限定されるものではないが、例えば、このようなヒアルロン酸−アルデヒド誘導体は、下記化学式3の繰り返し単位を一つ以上含む高分子を含む。
【0031】
【化4】
【0032】
このようなヒアルロン酸−アルデヒド誘導体を製造する方法は、特別に限定されるものではない。当業者であれば、公知の方法を使用してヒアルロン酸またはその塩のグルクロン酸骨格に存在するカルボキシル位置にアルデヒド基を導入させることができる。
【0033】
具体的には、一例において、ヒアルロン酸またはその塩のグルクロン酸骨格に存在するカルボキシル位置にアルデヒド基が導入されているヒアルロン酸−アルデヒド誘導体は、ヒアルロン酸またはその誘導体のカルボキシル基をジアミンまたはジヒドラジド基を有した分子と反応させた後、その誘導体をジアルデヒド基を有した分子と反応させて得ることができる。下記反応式2は、前記ヒアルロン酸−アルデヒド誘導体の形成方法の例を模式化した式である。
【0034】
【化5】
【0035】
反応式2のように、ヒアルロン酸またはその塩の一部の繰り返し単位のカルボキシル基をヒドラジド基またはアミン基を末端に有した分子と反応させてヒドラジドまたはアミン基を有したヒアルロン酸誘導体を合成した後、これを両側末端にアルデヒド基を有した物質と反応させてアルデヒドが導入されたヒアルロン酸誘導体を合成することができる。両側末端にヒドラジドまたはアミン基を有した分子では、両側末端にヒドラジドまたはアミン基を有した分子があり、それに限定されるものではなく、アジピン酸ジヒドラジド(ADH:Adipic acid dihydrazide)、ヘキサンジヒドラジド(hexanedihydrazide)、ヘプタンジヒドラジド(heptanedihydrazide)、オクタンジヒドラジド(octanedihydrazide)、ノナン−1,9−ジアミン(nonane−1,9−diamine)、オクタン−1,8−ジアミン(octane−1,8−diamine)、ヘキサメチレンジアミン(HMDA:hexamethlyene diamine)、ジアミノペンタン(diamino pentane)、ジアミノブタン(diamino butane)、ジアミノエタン(diamino ethane)などを含む。また、両側末端にアルデヒドが導入されている分子では、両側方末端にアルデヒドが導入されている分子であり、それに限定されるものではなく、アジピンアルデヒド(adipaldehyde)、ヘプタンダイアール(heptanedial)、オクタンダイアール(octanedial)、グルタルアルデヒド(glutaraldehyde)などを含む。ADHを使用して誘導体を合成する場合、3分間反応させる時20%、2時間反応させる時70%のADHが置換されたヒアルロン酸誘導体を得ることができる。HA−ADH誘導体とグルタルアルデヒド(glutaraldehyde)を利用する場合、ADHの置換率によって20%〜70%のヒアルロン酸−アルデヒド誘導体を得ることができる。一方、本発明によるヒアルロン酸−アルデヒド誘導体を利用すれば、前記ヒアルロン酸−アルデヒド誘導体のアルデヒド置換率を調節することで、ヒアルロン酸とコンジュゲーションさせるタンパク質薬物の種類によって肝臓で標的化するかまたは肝臓を迂回するようにするかを制御することができる。
【0036】
本発明のヒアルロン酸−アルデヒド誘導体のアルデヒド置換率は、例えば、グルクロン酸の
開環反応を誘導する酸化剤の処理時間を調節することで自由に調節することができる。また、ヒアルロン酸のカルボキシル基とジヒドラジドまたはジアミン基を有した分子との反応時間を調節することで、カルボキシル基の置換率を自由に調節することができる。
【0037】
本発明の一具体例において、前記ヒアルロン酸−アルデヒド誘導体は、5%以上30%未満の
アルデヒド置換率を有することができる。5%以上30%未満の
アルデヒド置換率を有するヒアルロン酸−アルデヒド誘導体とコンジュゲーションされたタンパク質は、肝臓で標的化されることができる。
【0038】
本発明の他の具体例において、前記ヒアルロン酸−アルデヒド誘導体は、30%以上100%以下の
アルデヒド置換率を有することができる。30%以上100%以下のアルデヒ基置換率を有するヒアルロン酸−アルデヒド誘導体とコンジュゲーションされたタンパク質は、肝臓で標的化されないで標的非特異的な特性を有するようになる。
【0039】
下記実施例では、10%置換された低置換率のヒアルロン酸アルデヒド誘導体を利用した場合、体内残留時間は短いが肝臓への伝達特性がよく、45%置換された高置換率のヒアルロン酸アルデヒド誘導体を利用した場合、体内残留時間がより長くなる一方、肝臓への伝達特性が低くなることが確認できる。
【0040】
このように得られたヒアルロン酸−アルデヒド誘導体をタンパク質のN−末端と結合させることで、本発明のヒアルロン酸−タンパク質コンジュゲートを製造することができる。
【0041】
本発明のヒアルロン酸−タンパク質コンジュゲートは、例えば、ヒアルロン酸内に下記化学式4の繰り返し単位を一つ以上含むことができる。
【0042】
【化6】
【0043】
例えば、化学式2の繰り返し単位を一つ以上含むヒアルロン酸−アルデヒド誘導体をタンパク質と
コンジュゲーションさせると、下記反応式3のように、化学式2に存在するアルデヒド基とタンパク質のN−末端のアミン基がお互いに反応してコンジュゲーションを形成するようになる。
【0044】
【化7】
【0045】
他の具体例では、本発明のヒアルロン酸−タンパク質コンジュゲートは、例えば、ヒアルロン酸内に下記化学式5の繰り返し単位を一つ以上含むことができる。
【0046】
【化8】
【0047】
例えば、化学式3の繰り返し単位を一つ以上含むヒアルロン酸−アルデヒド誘導体をタンパク質とコンジュゲーションさせると、下記反応式4のように、化学式3に存在するアルデヒド基とタンパク質のN−末端のアミン基がお互いに反応してコンジュゲーションを形成するようになる。
【0048】
【化9】
【0049】
ヒアルロン酸−アルデヒド誘導体とタンパク質とのコンジュゲーションは、好ましくは、還元的アミノ化(reductive amination)を誘導する試薬の存在下で実行することができる。例えば、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(NaBH
3CN:sodium cyannoborohydride)、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(NaBH(OCOCH
3)
3:sodium triacetoxyborohydride)などのような直接還元的アミノ化試薬を利用すれば、短時間内にワンステップでヒアルロン酸−タンパク質コンジュゲーションを誘導することができる。
【0050】
前記ヒアルロン酸−アルデヒド誘導体とタンパク質のN−末端との反応は、pH5〜pH7の緩衝液内で実行することが好ましい。緩衝液のpHを前記範囲で調節することで、ヒアルロン酸−アルデヒド誘導体のアルデヒド基がタンパク質の他のアミン基を有するリジンのようなアミノ酸と反応しないで、タンパク質のN−末端と特異的に反応するようにすることができる。より好ましくは、ヒアルロン酸−アルデヒド誘導体とタンパク質のN−末端との反応は、pH5.5〜pH6.5、一番好ましくは、pH6.0の緩衝液内で実行する。
【0051】
一方、ヒアルロン酸−アルデヒド誘導体でタンパク質のN−末端と反応しない未反応アルデヒド基は、保護基を使用してブロッキング(blocking)できる。ヒアルロン酸−アルデヒド誘導体の未反応アルデヒド基は、薬物伝達体の製造過程または生体内投与過程で、タンパク質医薬の他のアミノ酸残基または体内の他のタンパク質物質などと不必要に反応する可能性があるので、これを前もってブロッキングすることが好ましい。
【0052】
未反応アルデヒド基をブロッキングする物質では、カルバジン酸エチル(ethyl carbazate)、カルバジン酸テトラブチル(tetrabutyl carbazate)のようなカルバジン酸アルキル(alkyl carbazate)、アミノエタノール(aminoethanol)のようなアミノアルコール(aminoalchol)を使用することができるが、これに限定されるものではない。一般的に、アルデヒド基の保護基で知られているアシラール保護基(acylal protecting group)、アセタール保護基(acetal protecting group)、ケタール保護基(ketal protecting group)などを使用することも可能である。
【0053】
これに制限されるものではないが、上のような未反応アルデヒド基のブロッキング過程は、下記反応式5または反応式6のように実行することができる。
【0054】
【化10】
【0055】
【化11】
【0056】
本発明において、ヒアルロン酸−タンパク質コンジュゲートの製造のために使われるヒアルロン酸またはその塩は、これに限定されるものではないが、10,000〜3,000,000ダルトン(Da)の分子量を有することができる。前記範囲の分子量を有するヒアルロン酸またはその塩は、薬物の薬効持続のための薬物伝達体の製造に有用に使われることができる。
【0057】
一方、ヒアルロン酸−アルデヒド誘導体1分子当たり結合されるタンパク質の分子数は、ヒアルロン酸−アルデヒド誘導体と反応させるタンパク質水溶液の濃度によって調節することができる。一具体例では、本発明のヒアルロン酸−タンパク質コンジュゲートにおいて、タンパク質は、ヒアルロン酸−アルデヒド誘導体1分子当たり1〜20個の分子が結合される。前記範囲内の分子数のタンパク質が結合されたヒアルロン酸−タンパク質コンジュゲートは、希望する薬効持続時間を示すことができ、肝臓組織への伝達特性が優れて肝疾患治療剤で応用が可能である。
【0058】
本発明のヒアルロン酸−タンパク質コンジュゲートの製造に使われるタンパク質医薬の種類は、特別に限定されるものではない。前記タンパク質医薬は、本発明の方法に容易に適用するように水溶性であることが好ましいが、これに限定されるものではない。タンパク質薬効の長期持続性の確保が必要なタンパク質医薬であれば、いずれも本発明のヒアルロン酸−タンパク質コンジュゲートの形態で製造して使うことができる。
【0059】
具体的には、一例において、前記タンパク質は、インターフェロンアルファ(IFNα)、インターフェロンベータ(IFNβ)、インターフェロンガンマ(IFNγ)、インシュリン、
インシュリン様成長因子1(IGF−1)、成長ホルモン、エリスロポエチン、
顆粒球コロニー刺激因子(GCSF)、
顆粒球/マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、インターロイキン−1アルファ、インターロイキン−1ベータ、インターロイキン−3、インターロイキン−4、インターロイキン−6、インターロイキン−2、
上皮成長因子(EGF)、カルシトニン(calcitonin)、
副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、
腫瘍壊死因子(TNF)、アトビスバン(atobisban)、ブセレリン(buserelin)、セトロレリックス(cetrorelix)、デスロレリン(deslorelin)、デスモプレシン(desmopressin)、ジノルフィンA(dynorphin A)(1−13)、エルカトニン(elcatonin)、エレイドシン(eleidosin)、エプチフィバチド(eptifibatide)、
成長ホルモン放出ホルモン−II(GHRH−II)、ゴナドレリン(gonadorelin)、ゴセレリン(goserelin)、ヒストレリン(histrelin)、リュプロレリン(leuprorelin)、リプレシン(lypressin)、オクトレオチド(octreotide)、オキシトシン(oxytocin)、ピトレシン(pitressin)、セクレチン(secretin)、シンカリド(sincalide)、テルリプレシン(terlipressin)、チモペンチン(thymopentin)、チモシン(thymosine)α1、トリプトレリン(triptorelin)、ビバリルジン(bivalirudin)、カルベトシン(carbetocin)、シクロスポリン、エキセジン(exedine)、ランレオチド(lanreotide)、
黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)、ナファレリン(nafarelin)、副甲状腺ホルモン、プラムリンチド(
pramlintide)、T−20(enfuvirtide)、チマルファシン(thymalfasin)またはジコノチドであ
り得る。
【0060】
また、本発明は、ヒアルロン酸またはその塩にアルデヒド基が導入されているヒアルロン酸−アルデヒド誘導体がタンパク質のN−末端と結合されているヒアルロン酸−タンパク質コンジュゲートを提供する。
【0061】
本発明のヒアルロン酸−タンパク質コンジュゲートは、上述の方法により製造することができるが、これとは異なる方法で製造されたものも全て含むことで意図される。
【0062】
下記実施例で示すように、ヒアルロン酸またはその塩にアルデヒド基が導入されているヒアルロン酸−アルデヒド誘導体と結合されたタンパク質は、バイオ接合が95%に至るだけではなく安全性が優秀であり、高分子の結合によりタンパク質の立体構造が影響を受けないで、タンパク質医薬の薬効持続性が非常に優れたことで確認された。したがって、本発明のヒアルロン酸−タンパク質コンジュゲートは、タンパク質の薬物伝達システムのために有用に使われることができる。特に、ヒアルロン酸のレセプターとバインディングするカルボキシル基を残したままリング構造をオープンしてタンパク質をコンジュゲーションしたヒアルロン酸−タンパク質コンジュゲートは、ヒアルロン酸の肝臓組職の特異的伝達特性を最大化して肝臓疾患治療剤への開発に多様に応用することができる。また、ヒアルロン酸−アルデヒド誘導体のアルデヒド置換率を調節することで、ヒアルロン酸の肝臓標的志向性を自由に調節することができるので、肝臓の迂回が必要な薬物の薬効持続性確保のためにも有用に使用することができる。