特許第5784156号(P5784156)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5784156
(24)【登録日】2015年7月31日
(45)【発行日】2015年9月24日
(54)【発明の名称】加熱調理器
(51)【国際特許分類】
   H05B 6/12 20060101AFI20150907BHJP
   F24C 15/00 20060101ALI20150907BHJP
【FI】
   H05B6/12 305
   F24C15/00 T
   F24C15/00 S
   H05B6/12 312
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2014-2666(P2014-2666)
(22)【出願日】2014年1月9日
(62)【分割の表示】特願2012-195078(P2012-195078)の分割
【原出願日】2009年3月13日
(65)【公開番号】特開2014-89978(P2014-89978A)
(43)【公開日】2014年5月15日
【審査請求日】2014年1月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000176866
【氏名又は名称】三菱電機ホーム機器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】特許業務法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼野 浩志郎
(72)【発明者】
【氏名】西 健一郎
(72)【発明者】
【氏名】平國 悟
(72)【発明者】
【氏名】一法師 茂俊
(72)【発明者】
【氏名】永安 哲也
(72)【発明者】
【氏名】下畑 賢司
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 賢一
(72)【発明者】
【氏名】亀岡 和裕
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 宏和
【審査官】 礒部 賢
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−162968(JP,A)
【文献】 特開2000−088254(JP,A)
【文献】 特開2009−026572(JP,A)
【文献】 特開2006−331770(JP,A)
【文献】 特開2007−227402(JP,A)
【文献】 特開昭63−043686(JP,A)
【文献】 実開平07−024301(JP,U)
【文献】 特表昭64−500387(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 6/12
F24C 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加熱物を加熱する加熱手段と、
前記加熱手段を収容している筐体と、
前記筐体の上部にあって被加熱物が載置されるトッププレートと、を備え、
前記加熱手段のある位置に対応した前記トッププレートの領域が被加熱物を加熱する被加熱物載置部となっている加熱調理器であって、
前記トッププレートは、利用上の注意を詳しく記載した詳細注意表示部を有し、
前記筐体は、前記詳細注意表示部に記載の注意事項を簡潔表示した簡潔注意表示部を前面に有していること
を特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
前記筐体は、前記前面に開閉式の操作部を備え、
前記簡潔注意表示部は、前記開閉式の操作部の操作面もしくは、出力表示面がある面に配置されていること
を特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
【請求項3】
前記簡潔注意表示部は、調理器の非動作時においても視認可能な状態で表示すること
を特徴とする請求項1又は2記載の加熱調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、加熱調理器に関し、特にその利用時の注意喚起を促す技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の加熱調理器においては、装置上面の後方に、利用上の注意・警告文が表示されているものが多かった(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−247186号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながらそのような表示態様では、鍋などの被加熱物をサークル等で表されている加熱部位に載置した場合には、表示が使用者から見えづらくなってしまっていた。また、その表示内容も、長文の警告を複数段に渡って記載されているので、内容が分かりづらく、注意や警告の有効性に疑問があった。
この発明は上記課題に対応したものであり、調理の際における注意・警告を使用者にとって見え易い位置に簡潔に表示し、利用者が注意・警告を容易に把握して、安全に利用することができる加熱調理器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明の加熱調理器は、被加熱物を加熱する加熱手段と、前記加熱手段を収容している筐体と、前記筐体の上部にあって被加熱物が載置されるトッププレートと、を備え、前記加熱手段のある位置に対応した前記トッププレートの領域が被加熱物を加熱する被加熱物載置部となっている加熱調理器であって、前記トッププレートは、利用上の注意を詳しく記載した詳細注意表示部を有し、前記筐体は、前記詳細注意表示部に記載の注意事項を簡潔表示した簡潔注意表示部を前面に有している。
【発明の効果】
【0006】
この発明の加熱調理器によれば、被加熱物をトッププレートのどの被加熱物載置部においた場合でも、かつ加熱調理器が非動作時においても、利用者は、突沸又は揚げ物調理に関する注意事項を簡潔表示した簡潔注意表示部を視認できるため、重要な注意事項を容易に把握して安全な利用に資することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】トッププレートに被加熱物を載置した状態のこの発明の実施の形態1による加熱理器の斜視図。
図2】この発明の実施の形態1、6を示す加熱調理器の平面図。
図3】この発明の実施の形態2、6を示す加熱調理器の平面図。
図4】この発明の実施の形態3、6を示す加熱調理器の平面図。
図5】一部に被加熱物を載置したこの発明の実施の形態4、5を示す加熱調理器の平面図。
図6】トッププレートに被加熱物を載置した状態のこの発明の実施の形態7を示す加熱調理器の斜視図。
図7】トッププレートに被加熱物を載置した状態のこの発明の実施の形態8を示す加熱調理器の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る被加熱物載置状態の加熱調理器の斜視図、図2はこの発明の実施の形態1に係る加熱調理器の平面図である。この加熱調理器は、箱状の筐体1の内部に被加熱物101〜103を加熱する加熱手段としての誘導コイル(図示せず)をそれぞれ備え、筐体1の上面には被加熱物を載置するトッププレート2が配置されている。トッププレート2の前後には筐体1と一体でトッププレート2を固定支持する枠体3(前側枠体3a、後側枠体3b、場合によっては側方枠体もある)が形成されている。また、前側枠体3aには誘導加熱に関する操作キーを有した操作部4が、後側枠体3bには通気口5がそれぞれ配置されている。筐体1の内部には第2の加熱手段としてのグリル部6も設けられており、筐体1の前面にグリル部6のグリル開閉蓋6aやその操作部6bが配置されている。
【0009】
トッププレート2の被加熱物載置部11,12,13には載置位置を示す載置サークルが表示されており、その部分に筐体1内の誘導コイルが対応している。トッププレート2の前側領域には、火力、調理メニュー、調理時間等を表示する出力表示部7と、調理の際の利用上の注意(又は警告)を簡潔に表示する簡潔注意表示部8,8aが設けられている。一方、トッププレート2の後側部分には、利用上の注意等を詳しく記載した詳細注意表示部9が設けられている。なお、実施の形態1では、トッププレート2の被加熱物載置部11,12,13の配置は、この例に限られず、適宜の構成とすることができる。
【0010】
以上の構成の加熱調理器の動作は既に公知の加熱調理器の動作と同じとする。この加熱調理器が従来のものと相違している部分は、簡潔注意表示部8,8aの表示態様と配置位置にある。すなわち、簡潔注意表示部8,8aには重要な注意・警告が簡潔に表示されており、その簡潔注意表示部8,8aは、被加熱物がどの載置表示サークル上に置かれても、利用者に対して見えるようにしている点である。簡潔注意表示部8,8aの表示は、通常詳細注意表示部9等に記載されているものであり、その中でも特に重要性の高い注意事項を一見して理解できるように簡潔に表示したものである。但し、これに限るものではなく、簡潔注意表示を行った注意事項は詳細注意表示部9への記載を省略する事もできる。簡潔注意表示部8,8aの表示としては、「突沸注意」、「揚げ物注意」等がある。
突沸現象は、被加熱物内の被調理物の加熱が静かに行なわれ、液体から気体への相転移のきっかけが発生せず液体の沸点を超えた過加熱の状態となったとき、沸騰の核となる粉末調味料等が投入されたりすることで相転移促進のきっかけが与えられ、急速に沸騰が進み突然大きな気泡を発生する現象である。突沸現象に関する簡潔注意表示部8,8aの表示内容例としては、「水や調理物は加熱前によくかきまぜる」なども考えられる。
また、揚げ物調理に関する簡潔注意表示部8,8aの表示内容例としては、「揚げ物調理をするときは本体のそばを離れない」なども考えられる。
なお、以上に説明した加熱調理器の基本的な構成は、この発明の他の実施の形態でも同じとする。
【0011】
次に、この発明における簡潔注意表示部8,8a(その個数は任意)の配置の例を具体的に説明する。実施の形態1では、図2に示すように、簡潔注意表示部8,8aを、トッププレート2の最も後側に位置する被加熱物載置部13の中心部を左右に延長した仮想水平線より前側領域であって、かつトッププレート2にある全ての被加熱物載置部11〜13と各被加熱物載置部11〜13より後側領域(後方領域)とを除いた視認可能領域(図2の破線Aより前側の領域)に配置したものである。
実施の形態1の加熱調理器によれば、被加熱物をトッププレートのどの被加熱物載置部においた場合でも、利用者は、「突沸」又は「揚げ物調理」に関する注意事項を簡潔表示した簡潔注意表示部8,8aを容易に視認できるため、利用者はそれらの注意事項を一見して把握し安全な利用に資することが可能となる。
また、この実施の形態及び以下の各実施の形態では、簡潔注意表示部8,8aの表示方法として、「揚げ物調理をするときは本体のそばを離れない」、「水や調理物は加熱前によくかきまぜる」等の注意喚起を、トッププレート2へ印刷表示するようにしている。
注意事項をトッププレート2へ印刷表示するようにしたことで、加熱調理器本体が非動作時においても利用者は簡潔注意表示部8,8aを確認することができるため、調理開始以前に利用者の注意が喚起されるという効果を奏する。また、シール貼付等の手段によっても前記と同様の効果が得られる。
【0012】
実施の形態2.
実施の形態2における簡潔注意表示部8,8aの配置態様は図3に示されている。図3に示すように、被加熱物載置部11〜13は、トッププレート2の前側と後側に左右方向に位置をずらして複数配置されている。ここにおいては、簡潔注意表示部8,8aを、トッププレート2の前側と後側の間の中間位置より前側領域であって、トッププレート2にある全ての被加熱物載置部11〜13と各被加熱物載置部11〜13より後側領域とを除いた領域、又はトッププレート2の前側に被加熱物載置部がない位置に対応している後側の被加熱物載置部13の外縁より前側領域(図3の破線Bより前側の領域と斜線Cの領域とを含む領域)に配置したものである。
実施の形態2の加熱調理器によれば、「突沸」又は「揚げ物調理」に関する注意事項を簡潔表示した簡潔注意表示部8,8aがトッププレート2の視認し易い領域に位置するため、利用者は重要な注意事項を容易に把握できて、安全な利用に資することが可能となる。
なお、被加熱物載置部11〜13は、トッププレート2の前側と後側に左右方向に位置をずらして複数配置されているものであればよく図3の態様に限定されるものではない。
また、被加熱物載置部11〜13の個数や配置態様にかかわらず、簡潔注意表示部8,8aを、トッププレート2の前側と後側の間の中間位置より前側領域であって、トッププレート2にある全ての被加熱物載置部11〜13と各被加熱物載置部11〜13より後側領域とを除いた領域(図3の破線Bより前側の領域)としても、同様の効果を奏する。
【0013】
実施の形態3.
実施の形態3における簡潔注意表示部8,8aの配置態様は図4に示されている。図4に示すように、被加熱物載置部11〜13は、トッププレート2の前側と後側に左右方向に位置をずらして複数配置されている。ここにおいては、簡潔注意表示部8,8aを、トッププレート2の最も前側に位置する被加熱物載置部11,12の中心部を左右に延長した水平仮想線より前側領域であって、トッププレート2にある全ての被加熱物載置部11〜13と各被加熱物載置部11〜13より後側領域とを除いた領域、又はトッププレート2の前側に被加熱物載置部がない位置に対応している後側の被加熱物載置部13の外縁より前側領域(図4の破線Dより前側の領域と斜線Eの領域とを含む領域)に配置したものである。
実施の形態3の加熱調理器によれば、「突沸」又は「揚げ物調理」に関する注意事項を簡潔表示した簡潔注意表示部8,8aがより前側に位置することになるため、利用者は重要な注意事項をさらに容易に把握できて、利用者のより安全な利用に資することが可能となる。
なお、被加熱物載置部11〜13は、トッププレート2の前側と後側に左右方向に位置をずらして複数配置されているものであればよく図4の態様に限定されるものではない。
また、被加熱物載置部11〜13の個数や配置態様にかかわらず、簡潔注意表示部8,8aを、トッププレート2の最も前側に位置する被加熱物載置部11,12の中心部を左右に延長した水平仮想線より前側領域であって、トッププレート2にある全ての被加熱物載置部11〜13と各被加熱物載置部11〜13より後側領域とを除いた領域前側(図4の破線Dより前側の領域)としても、同様の効果を奏する。
【0014】
実施の形態4.
実施の形態4における簡潔注意表示部8,8aの配置態様は図5に示されている。実施の形態4では、図5に示すように、簡潔注意表示部8bを、トッププレート2を固定支持している枠体3に配置している。この配置位置としては、通常前側枠体3aに配置するが、側方枠体に配置してもよい。
実施の形態4の加熱調理器によれば、簡潔注意表示部8bが被加熱物によって隠されることはなく、しかも加熱調理器の最前列に位置することになるため、利用者は重要な注意事項を容易に把握できて、利用者の安全な利用に資することが可能となる。
【0015】
実施の形態5.
実施の形態5における簡潔注意表示部8,8bの配置態様も図5に示されている。この実施の形態では、図5に示すように、簡潔注意表示部8,8bを、加熱手段の出力状態を表示する出力表示部7の近傍に隣接して配置している。
出力表示部7には、投入火力、調理メニュー、調理時間等が表示されるので、利用者は通常、出力表示部7を見るため、その際に簡潔注意表示部8,8bが視野に入る。従って、この実施の形態の加熱調理器によれば、利用者は重要な注意事項を確実に把握できて、利用者の安全な利用に資することが可能となる。
【0016】
実施の形態6.
実施の形態6における簡潔注意表示部8、8aの配置態様は、図2図4に示されている。すなわち、実施の形態6では、図2図3図4に示すように、簡潔注意表示部8aを、加熱量の調整などを行う操作部4の近傍に配置したものである。
操作部4は調理の際に必ず利用者に見られるため、簡潔注意表示部8aを実施の形態6の態様に配置することで、必然的に利用者の注意を喚起させることが可能となる。
【0017】
実施の形態7.
実施の形態7における簡潔注意表示部8、8cの配置態様は図6に示されている。実施の形態7では、図6に示すように、簡潔注意表示部8cを、加熱調理器の前面、具体的には、筐体1の前面に配置している。
加熱調理器の前面は鍋等の被加熱物で隠れることがないため、利用者の注意が喚起され易いという効果を奏する。
【0018】
実施の形態8.
実施の形態8における簡潔注意表示部8,8dの配置態様は、図7に示されている。実施の形態8では、図7に示すように、加熱調理器の前面(筐体1の前面)に開閉式の操作部4aを備えたものの場合の例である。ここでは、簡潔注意表示部8dが、開閉式の操作部4aの操作面がある面に配置されている。加熱調理器の利用者は、必ず操作面を見るため、これにより、利用者の注意が喚起されるという効果を奏する。但しこれに限るものではなく、開閉式操作部4aの出力表示面の近くに配置しても同様の効果を奏す。
【0019】
なお、各実施の形態で例示した簡潔注意表示部の配置態様は、適宜組み合わせて簡潔注意表示部をそれらに対応する複数箇所に設けることもでき、その場合には注意喚起の効果をさらに向上させることができる。
【符号の説明】
【0020】
1 筐体、2 トッププレート、3 枠体、3a 前側枠体、3b 後側枠体、4 操作部、5 通気口、6 グリル部、6a グリル開閉蓋 6b グリル操作部、7 出力表示部、8 簡潔注意表示部、8a〜8d 簡潔注意表示部、9 詳細注意表示部、11,12,13 被加熱物載置部、101,102,103 被加熱物。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7