特許第5784174号(P5784174)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5784174
(24)【登録日】2015年7月31日
(45)【発行日】2015年9月24日
(54)【発明の名称】ユーザ情報の特徴付け
(51)【国際特許分類】
   G06F 17/30 20060101AFI20150907BHJP
【FI】
   G06F17/30 340B
   G06F17/30 340A
   G06F17/30 210D
【請求項の数】20
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-76017(P2014-76017)
(22)【出願日】2014年4月2日
(62)【分割の表示】特願2011-551171(P2011-551171)の分割
【原出願日】2010年2月17日
(65)【公開番号】特開2014-132494(P2014-132494A)
(43)【公開日】2014年7月17日
【審査請求日】2014年5月1日
(31)【優先権主張番号】12/372,576
(32)【優先日】2009年2月17日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507103802
【氏名又は名称】グーグル・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】サラ・シラジュディン
(72)【発明者】
【氏名】シューフ・ワン
(72)【発明者】
【氏名】アングッシュマン・グハ
(72)【発明者】
【氏名】オーレン・イー・ザミール
(72)【発明者】
【氏名】アイタン・ウェインバーグ
【審査官】 早川 学
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−126975(JP,A)
【文献】 特開2001−075972(JP,A)
【文献】 特開2007−102407(JP,A)
【文献】 特開2002−312390(JP,A)
【文献】 特開2006−065734(JP,A)
【文献】 特開2005−309526(JP,A)
【文献】 特表2008−521267(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 17/30
G06Q 30/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータで実施される方法であって、
前記方法は、
コンテンツ・プロバイダから第1のユーザ識別子・リストを受信するステップを含み、前記第1のユーザ識別子・リストは、前記第1のユーザ識別子・リスト上で各ユーザに関連付けられた複数の第1のユーザ識別子を含み、
前記方法は、
情報データベースにおいて前記ユーザ識別子の少なくとも1つに関係する複数のユーザ特徴を識別するステップを含み、前記情報データベースは、前記ユーザ識別子に関連付けられたネットワーク活動を反映し、
前記方法は、
前記ユーザ特徴の少なくとも1つに関連付けられているサブセットに基づいて、第1のカテゴリに関連付けられるものとして前記複数の第1のユーザ識別子のサブセットを識別するステップと、
第2のユーザ識別子・リストに関連付けられている別の第2のカテゴリを識別するステップとを含み、前記第2のユーザ識別子・リストが、第2のユーザ識別子・リスト上で各ユーザに関連付けられた複数の第2のユーザ識別子を含み、
前記方法は、
前記複数の第2のユーザ識別子にも含まれている前記複数の第1のユーザ識別子の数と、前記複数の第1のユーザ識別子の前記サブセットにも含まれている前記複数の第2のユーザ識別子の数とを計算して、前記第1のユーザ識別子・リストと前記第2のユーザ識別子・リストとの間の重複の量を判定するステップと、
前記重複の量に基づいて前記第1のカテゴリと前記第2のカテゴリとを関連付けることを含むアクションを実行するステップと
を含むコンピュータで実施される方法。
【請求項2】
特定のユーザ名および特定のインターネット・プロトコル・アドレスの少なくとも1つと前記複数の第1のユーザ識別子との関連付けを絶つステップをさらに含む、請求項1に記載のコンピュータで実施される方法。
【請求項3】
特定のユーザ関心情報および特定のユーザ・ブラウザ履歴の少なくとも1つと前記複数の第1のユーザ識別子との関連付けを絶つステップをさらに含む請求項2に記載のコンピュータで実施される方法。
【請求項4】
受信された前記複数の第1のユーザ識別子の送信元である前記コンテンツ・プロバイダに拡張ユーザ識別子・リストを提供するステップをさらに含み、前記拡張ユーザ識別子・リストが、前記複数の第1のユーザ識別子のサブセットと、前記サブセットが前記第1のカテゴリに関連付けられることの指示とを含む、請求項1に記載のコンピュータで実施される方法。
【請求項5】
前記重複の量が少なくともしきい値レベルであるとの判定により、前記第2のカテゴリが前記第1のカテゴリに関連付けられることの指示を保存することを含むアクションを行うステップをさらに含む請求項1に記載のコンピュータで実施される方法。
【請求項6】
特定のユーザ関心情報、特定のユーザ・ブラウザ履歴、および特定のユーザ名のうち少なくとも1つと前記複数の第2のユーザ識別子との関連付けを絶つように、前記第2のユーザ識別子・リストを修正するステップをさらに含む請求項1に記載のコンピュータで実施される方法。
【請求項7】
実行すべきであるとスケジュールされる前記第1のカテゴリに関係するコンテンツ配信を識別するステップと、
前記第1のカテゴリに関連付けられるものとして前記第2のカテゴリを識別するステップと、
前記第1のカテゴリおよび前記第2のカテゴリ間の前記識別された関連付けに基づいて、前記第2のカテゴリに関連付けられた少なくともユーザ識別子に対して前記コンテンツ配信を行うステップとをさらに含む請求項1に記載のコンピュータで実施される方法。
【請求項8】
前記重複の量がしきい値レベルよりも小さいとの判定により、前記第2のカテゴリが前記第1のカテゴリに関連付けられないことの指示を保存することを含むアクションを行うステップをさらに含む請求項1に記載のコンピュータで実施される方法。
【請求項9】
前記判定に少なくとも基づいて、前記第1のカテゴリおよび前記第2のカテゴリ間の相関の予め保存された指示を削除するかどうかを判定するステップをさらに含む請求項8に記載のコンピュータで実施される方法。
【請求項10】
前記第1のユーザ識別子・リストと前記第2のユーザ識別子・リストとの間の重複の量を判定するステップと、
前記重複の量が少なくともしきい値レベルであるとの判定により、前記判定に関係する検証メッセージを生成することを含むアクションを行うステップとを含む請求項1に記載のコンピュータで実施される方法。
【請求項11】
前記第1のユーザ識別子・リストが、前記複数の第1のユーザ識別子を本質的に含むとともに、前記ユーザ特徴が、前記情報データベースにおいてユーザ識別子を使用して識別される、請求項1に記載のコンピュータで実施される方法。
【請求項12】
前記ユーザ識別子のそれぞれに関するイベント発生を検出すると、前記コンテンツ・プロバイダが、前記複数の第1のユーザ識別子を含む前記第1のユーザ識別子・リストを生成する請求項1に記載のコンピュータで実施される方法。
【請求項13】
前記コンテンツ・プロバイダによって制御されるリソースが前記各ユーザ識別子を使用してアクセスされたことを、前記イベント発生は含む、請求項12に記載のコンピュータで実施される方法。
【請求項14】
前記方法は、
前記複数の第1のユーザ識別子のそれぞれに対して、前記情報データベースにおいてプレイベント履歴を識別するステップをさらに含み、
前記プレイベント履歴が、前記ユーザ特徴の少なくとも1つを含むとともに、前記各ユーザ識別子に関するイベント発生より前の時点に関係し、
前記方法は、
プレイベント履歴の少なくとも1つに対して、イベント発生につながったユーザ行動の履歴パターンを検出するステップをさらに含む請求項12に記載のコンピュータで実施される方法。
【請求項15】
前記方法は、
前記複数の第1のユーザ識別子に追加される潜在的候補として別のユーザ識別子を識別するステップをさらに含み、前記履歴パターンを使用して前記情報データベースを検索することによって、前記別のユーザ識別子が識別される、請求項14に記載のコンピュータで実施される方法。
【請求項16】
有形のコンピュータ可読記録媒体に具現化されるとともに、プロセッサによって実行された場合に以下の方法を行うための命令を含むコンピュータプログラムであって、
前記方法は、
コンテンツ・プロバイダから、第1のユーザ識別子・リスト上で各ユーザに関連付けられた複数の第1のユーザ識別子を含む第1のユーザ識別子・リストを受信するステップと、
情報データベースにおいて前記ユーザ識別子の少なくとも1つに関係する複数のユーザ特徴を識別するステップとを含み、前記情報データベースが、前記ユーザ識別子に関連付けられたネットワーク活動を反映し、
前記方法は、
前記ユーザ特徴の少なくとも1つに関連付けられている前記複数の第1のユーザ識別子のサブセットに基づいて、第1のカテゴリに関連付けられるものとして前記複数の第1のユーザ識別子の前記サブセットを識別するステップと、
第2のユーザ識別子・リストに関連付けられている別の第2のカテゴリを識別するステップとを含み、前記第2のユーザ識別子リストが、前記第2のユーザ識別子・リスト上で各ユーザに関連付けられた複数の第2のユーザ識別子を含み、
前記方法は、
前記複数の第2のユーザ識別子にも含まれる前記複数の第1のユーザ識別子の数と、前記複数の第1のユーザ識別子の前記サブセットにも含まれる前記複数の第2のユーザ識別子の数とを計算して、前記第1のユーザ識別子・リストと前記第2のユーザ識別子・リストとの間の重複の量を判定するステップと、
前記重複の量に基づいて前記第1のカテゴリと前記第2のカテゴリとを関連付けることを含むアクションを行うステップとを含む、コンピュータプログラム。
【請求項17】
有形のコンピュータ可読記録媒体に具現化されたコンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムは、実行された場合にディスプレイ・デバイス上でグラフィカル・ユーザ・インタフェースを生成するための命令を含み、前記グラフィカル・ユーザ・インタフェースが、
第1のユーザ識別子・リスト上で各ユーザに関連付けられた複数の第1のユーザ識別子を含む第1のユーザ識別子・リストをユーザがサブミットするための識別子領域と、
前記ユーザ識別子に関連付けられた複数のユーザ特徴のいずれかの選択を前記ユーザが入力するための属性領域とを含み、前記ユーザ特徴が、前記複数の第1のユーザ識別子を使用して情報データベースから得られ、前記情報データベースが、ユーザによるネットワーク活動を反映し、前記選択に応じて、選択されたユーザ特徴に関連付けられた前記ユーザ識別子のユーザ識別子コレクションが生成され、前記ユーザ特徴の少なくとも1つが、ユーザ識別子分類に対して確立された第1のカテゴリと対応するものとして識別され、前記ユーザ特徴の少なくとも1つに関連付けられた前記複数の第1のユーザ識別子のサブセットに基づいて、前記複数の第1のユーザ識別子の前記サブセットが前記第1のカテゴリに関連付けられるものとして識別され、ユーザ識別子分類に対して確立されかつ複数の第2のユーザ識別子を含む第2のユーザ識別子・リストに関連付けられている第2のカテゴリが識別され、前記複数の第1のユーザ識別子の前記サブセットがどれだけ前記複数の第2のユーザ識別子にも含まれているか、および前記複数の第2のユーザ識別子がどれだけ前記複数の第1のユーザ識別子の前記サブセットにも含まれているかについての判定がなされるとともに、前記判定に基づいて、前記第1のカテゴリと前記第2のカテゴリとを関連付けるアクションが、コンテンツ配信システムにおいて行われる、コンピュータプログラム。
【請求項18】
前記複数の第1のユーザ識別子が、前記複数の第1のユーザ識別子を本質的に含む拡張識別子・リストに含まれるとともに、前記ユーザ特徴が、前記情報データベースにおいてユーザ識別子を使用して識別される、請求項17に記載のコンピュータプログラム。
【請求項19】
前記ユーザが、受信された前記複数の第1のユーザ識別子の送信元であるコンテンツ・プロバイダであるとともに、前記グラフィカル・ユーザ・インタフェースが、
拡張識別子・リストを使用して、コンテンツ配信を開始するために構成されたコンテンツ配信領域をさらに含み、前記拡張識別子・リストが、前記複数の第1のユーザ識別子の前記サブセットを含むとともに、前記サブセットが前記第1のカテゴリに関連付けられていることを示す、請求項17に記載のコンピュータプログラム。
【請求項20】
前記グラフィカル・ユーザ・インタフェースが、前記コンテンツ・プロバイダが別のコンテンツ・プロバイダと前記拡張識別子・リストを共有するための共有機能をさらに含む、請求項19に記載のコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照により開示が本明細書に組み込まれている、「CHARACTERIZING USER INFORMATION」という名称の、2009年2月17日に出願した米国特許出願第12/372,576号の優先権を主張する。
【0002】
本明細書は、情報処理に関する。
【背景技術】
【0003】
コンテンツが、コンピュータ・システムにおいて、または他の技術によって様々な状況で配布されている。例えば、広告が、多種多様な製品、商品、およびサービスについて人々に知らせようとして使用され得る。一般に、広告主は、広告のコンテンツのターゲットを意図される聴衆または視聴者に絞ろうとする可能性がある。
【0004】
広告は、印刷された資料、テレビおよびラジオのコマーシャル、大型看板などの多くの形態をとることが可能である。これらの広告は、これらの広告に偶然に遭遇する潜在的な顧客に届くようにするために、潜在的な視聴者についての詳細な知識なしに配置され得る。広告は、潜在的な顧客に届く確率を高めるために、ときとして、或る特定の人口層グループにターゲットを絞るように配置される(例えば、子供のTVショーにおける玩具の広告、道路沿いのタイヤに関する大型看板)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、ユーザ情報を特徴付けることに関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様において、ユーザ情報を特徴付けるためのコンピュータによって実施される方法は、それぞれのユーザに関連付けられた複数の識別子を受信することを含む。この方法は、この複数の識別子を使用して、ユーザのうち少なくとも1名と関係する情報コレクション中の任意の情報部分を識別することを含み、情報コレクションは、ユーザによるネットワーク活動を反映する。この方法は、対応する情報部分に関連付けられた複数の識別子を含むレコードを生成することを含む。この方法は、情報部分の少なくとも1つを、ユーザ分類のために定められたカテゴリに対応するものとして識別することを含む。この方法は、複数の識別子のサブセットを、そのカテゴリに関連するものとして識別することを含む。この方法は、受信された複数の識別子の送信元であるコンテンツ・プロバイダにリストを供給することを含み、このリストは、複数の識別子のサブセットを含み、さらにそのサブセットがそのカテゴリに関連付けられていることを示す。
【0007】
実施形態は、以下の特徴のいずれか、またはすべてを含むこと、あるいはいずれも含まないことが可能である。この方法は、特定のユーザ名と特定のインターネット・プロトコル・アドレスのうち少なくとも1つと識別子との関連付けを絶つようにリストを変更することをさらに含むことが可能である。この方法は、特定のユーザ関心情報と特定のユーザ・ブラウザ履歴のうち少なくとも1つと識別子との関連付けを絶つようにリストを変更することをさらに含むことが可能である。この方法は、別のコンテンツ・プロバイダにもリストを供給することをさらに含むことが可能である。この方法は、ユーザ識別子のセットに関連付けられたユーザ分類のために定められた別のカテゴリを識別すること、複数の識別子のサブセットとユーザ識別子のセットの間の重複の量を判定すること、および重複の量が少なくともしきい値レベルであると判定すると、その別のカテゴリを、そのカテゴリに関する相互関係標識に関連付けることをさらに含むことが可能である。この方法は、特定のユーザ関心情報、特定のユーザ・ブラウザ履歴、および特定のユーザ名のうち少なくとも1つと識別子との関連付けを絶つようにリストを変更することをさらに含むことが可能である。この方法は、実行されるようにスケジューリングされたカテゴリと関係するコンテンツ配信を識別すること、相互関係標識を使用して、その別のカテゴリを、そのカテゴリに関連するものとして識別すること、および相互関係標識に基づいて、少なくとも、その別のカテゴリに関連付けられたユーザに向けてコンテンツ配信を実行することをさらに含むことが可能である。その別のカテゴリは、現在、そのカテゴリに関する相互関係標識に関連付けられていることが可能であり、さらにこの方法は、重複の量がしきい値レベル未満であると判定すると、その相互関係標識に関連してその判定を記録することをさらに含むことが可能である。この方法は、少なくともその判定に基づいて、相互関係標識を除去するかどうかを判定することをさらに含むことが可能である。その別のカテゴリは、現在、そのカテゴリに関する相互関係標識に関連付けられていることが可能であり、さらにこの方法は、重複の量が少なくともしきい値レベルであると判定すると、その判定に基づいて、相互関係標識に関する検証メッセージを生成することをさらに含むことが可能である。その複数の識別子は、その複数の識別子を基本的に備えるユーザ・リストの中に含められることが可能であり、さらに情報部分は、情報コレクション中の識別子を使用して識別されることが可能である。コンテンツ・プロバイダが、それぞれのユーザの各ユーザに関するイベント発生を検出したときに、その複数の識別子を含むリストを生成していることが可能である。イベント発生は、それぞれのユーザが、コンテンツ・プロバイダによって管理されるリソースにアクセスしたことを含むことが可能である。この方法は、その複数の識別子に関連するそれぞれのユーザの各ユーザに関して、情報コレクション中の、情報部分の少なくとも1つを含み、さらにそれぞれのユーザに関するイベント発生より前の時点と関係するプレイベント履歴を識別すること、およびプレイベント履歴の少なくとも1つに関して、イベント発生につながったユーザ行動の履歴パターンを検出することをさらに含むことが可能である。この方法は、別のユーザを、その複数の識別子に関連するユーザに追加される潜在的な候補として識別することをさらに含むことが可能であり、そのユーザは、履歴パターンを使用して情報コレクションを検索することによって識別される。
【0008】
第2の態様において、コンピュータ・プログラム製品がコンピュータ可読記憶媒体として実体化され、さらにプロセッサによって実行されると、ユーザ固有のコンテンツ提示のための方法を実行する命令を含む。この方法は、それぞれのユーザに関連付けられた複数の識別子を受信することを含む。この方法は、複数の識別子を使用して、ユーザのうち少なくとも1名と関係する情報コレクション中の任意の情報部分を識別することを含み、情報コレクションは、ユーザによるネットワーク活動を反映する。この方法は、対応する情報部分に関連付けられた複数の識別子を含むレコードを生成することを含む。この方法は、情報部分の少なくとも1つを、ユーザ分類のために定められたカテゴリに対応するものとして識別することを含む。この方法は、その複数の識別子のサブセットを、そのカテゴリに関連するものとして識別することを含む。この方法は、受信された複数の識別子の送信元であるコンテンツ・プロバイダにリストを供給することを含み、このリストは、複数の識別子のサブセットを含み、さらにそのサブセットがそのカテゴリに関連付けられていることを示す。
【0009】
第3の態様において、コンピュータ・プログラム製品がコンピュータ可読記憶媒体として実体化され、さらに実行されると、ディスプレイ・デバイス上で、ユーザ情報を特徴付けるためのグラフィカル・ユーザ・インタフェースを生成する命令を含む。このグラフィカル・ユーザ・インタフェースは、ユーザが、それぞれの個人に関連付けられた複数の識別子をサブミットする識別子領域を含む。このグラフィカル・ユーザ・インタフェースは、ユーザが、個人に関連する複数の属性のいずれかの選択を入力する属性領域を含み、属性は、その複数の識別子を使用して情報コレクションから獲得され、情報コレクションは、個人によるネットワーク活動を反映し、ユーザのうち、選択された属性に関連するユーザの識別子コレクションが、その選択に応答して生成される。
【0010】
実施形態は、以下の特徴のいずれか、またはすべてを含むこと、あるいはいずれも含まないことが可能である。複数の識別子は、その複数の識別子を基本的に備えるユーザ・リストの中に含められることが可能であり、さらに情報部分は、情報コレクション中の識別子を使用して識別されることが可能である。ユーザは、受信された複数の識別子の送信元であるコンテンツ・プロバイダであることが可能であり、さらにグラフィカル・ユーザ・インタフェースは、その複数の識別子のサブセットを含むとともに、そのサブセットがそのカテゴリに関連付けられていることを示すリストを使用して、コンテンツ配信を開始するように構成されたコンテンツ配信領域をさらに含むことが可能である。グラフィカル・ユーザ・インタフェースは、コンテンツ・プロバイダが別のコンテンツ・プロバイダとそのリストを共有するための共有機能をさらに含むことが可能である。
【0011】
実施形態は、以下の特徴のいずれか、またはすべてを含むこと、あるいはいずれも含まないことが可能である。コンテンツ配信が向上させられることが可能である。ユーザ識別子のコレクションが、1名または複数名のユーザと関係する情報で強化されることが可能である。広告主などのコンテンツ・プロバイダが、拡張ユーザ・リストにアクセスすることから利益を得ることができる。
【0012】
1つまたは複数の実施形態の詳細が、添付の図面、および後段の説明で示される。その他の特徴および利点は、説明および図面から、さらに特許請求の範囲から明白となろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】コンテンツ配信のために使用され得る例示的なシステムを示す図である。
図2】情報を1つまたは複数のユーザ識別子に関連付ける例示的なプロセスを示す概略図である。
図3】ユーザ情報を特徴付けるために使用され得る例示的なユーザ・インタフェースを示す図である。
図4】ユーザ情報を特徴付けるのに実行され得る例示的な方法を示す図である。
図5】本明細書で説明されるコンピュータによって実施される方法に関連して使用され得るコンピューティング・システムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
様々な図面における参照符号は、同様の要素を示す。
【0015】
図1は、コンテンツ配信のために使用され得る例示的なシステム100を示す。コンテンツ・プロバイダ・システム102が、任意の種類のネットワーク104を介してコンテンツを供給することが可能である。例えば、コンテンツ・プロバイダは、ウェブサイト上で、またはオンライン・フォーラムにおいてなど、オンライン環境で1名または複数名の潜在的な顧客に広告を提示することを所望する広告主であることが可能である。コンテンツ配給元システム106が、ネットワーク104を介してコンテンツ・プロバイダ・システム102と通信することが可能である。例えば、広告主が、マルチメディアまたはテキスト、および/または他のコンテンツなどの広告を広告配給元に供給することが可能である。一部の実施形態において、コンテンツ配給元システム106は、ユーザ・リストなどの、ユーザ識別子のコレクションに基づいて、ネットワーク104を介してユーザにコンテンツを配信することが可能である。例えば、コンテンツ・プロバイダ・システムは、好ましくは、ユーザ識別子と関係する或る個人を識別可能な情報のコレクションを匿名化しながら、または最小限に抑えながら、ユーザ識別子のコレクションの中に記載される1つまたは複数のユーザ識別子と関係する情報を取得することができる。一部の実施形態において、関係する情報の取得は、ユーザ・リストを分析すること、およびコンテンツ配信の際に使用され得る強化されたリストを作成することの一環であることが可能である。
【0016】
コンテンツ配給元システム106は、コンテンツ発行元システム108とネットワーク104を介して通信することが可能である。例えば、コンテンツ発行元108は、広告、または他の配信されるコンテンツを、オプションとして、他のコンテンツと一緒に提示するウェブページまたは他のコンテンツを公開することが可能である。コンテンツ発行元システムは、さらにいくつかの例を挙げると、フォーラム、電子メール・サービス、または大規模マルチプレーヤ・オンライン・ゲームを公開することが可能である。
【0017】
コンテンツは、ネットワーク104を介してコンテンツ発行元システム108によってユーザ・システム110に供給されることが可能である。例えば、ユーザは、ウェブサイト上でコンテンツ発行元システム108によって提供されるコンテンツおよび/または広告をブラウズすることができる。コンテンツ配給元システム106が、ユーザがコンテンツを供給されるべきかどうかを指定することが可能である。例えば、或る広告が、或る特定のウェブサイトを訪れているユーザに、そのユーザおよび/またはそのウェブサイトが、コンテンツ配給元システムにおいて定義される条件を満たす場合、提示されることが可能である。コンテンツは、1つまたは複数の基準に基づいて、ユーザに供給されることが可能である。
【0018】
広告などのコンテンツが、ユーザ・システム110をターゲットとすることが可能である。例えば、ターゲットを絞った広告システムにおいて、ユーザ・システム110が、或るキーワード、または複数のキーワードを検索し、さらにコンテンツ配給元システム106が、それらの特定のキーワードと関係があるコンテンツ発行元108のウェブサイト上で表示されるべき広告を供給する。コンテンツ発行元システム108は、特定のユーザにターゲットを絞ったコンテンツを提示することをしないことを選ぶことができる。一部の実施形態において、コンテンツ・プロバイダ・システム102は、ユーザのリストを有する、または求めることが可能である。さらに、ユーザ・システム110にコンテンツを配信するための方法が、ユーザ・リストなどのユーザ識別子のコレクションに基づくことが可能である。一部の実施形態において、ユーザのリストは、いくつかの例を挙げると、例えば、ユーザ名、匿名化されたユーザ識別子番号など、IP(インターネット・プロトコル)アドレス(プライバシーを保護するために切り詰められていることが可能な)、クッキー、および/またはユーザを識別するための他のデータを含むことが可能であるが、以上には限定されない。コンテンツ・プロバイダ・システム102は、ユーザのリストをコンテンツ配給元システム106に供給することが可能である。コンテンツ・プロバイダ・システム102は、2つの例を挙げると、ユーザ人口層またはウェブサイト人口層などの他の規模に基づいて、さらなるユーザ、またはユーザのサブセットに広告のターゲットを絞ることを所望する可能性がある。コンテンツ・プロバイダ・システム102は、或る特定の規模にターゲットを絞ったユーザへのコンテンツ配信に対して、異なる額の報酬を支払う用意があることが可能である。例えば、広告主は、他の人口層グループと比べて、20〜29才の男性に対する広告に対して、より多く支払うことを所望する可能性がある。別の例において、広告主は、精算プロセス中にオンライン購入をキャンセルしたユーザに或る製品を広告することを所望する可能性がある。
【0019】
コンテンツ配給元システム106は、コンテンツ配給元規定コンポーネント112を含むことが可能である。一部の実施形態において、コンテンツ配給元規定コンポーネント112は、いくつかだけの例を挙げると、ユーザ、人口層、広告、報酬額を規定するためのコントロール、および/またはその他のコントロールを提供するソフトウェア・モジュール、ハードウェア・モジュール、および/またはファームウェア・モジュールを含むことが可能である。
【0020】
コンテンツ配給元システム106は、情報のリポジトリ114を含むことが可能である。一部の実施形態において、リポジトリ114は、いくつかの例を挙げると、ユーザID、人口層、選好、および/またはユーザおよびユーザ活動についての他の情報のコレクションなどの、ユーザについての情報を格納する。一部の実施形態において、ユーザに関連付けられた或る情報は、匿名化される、または部分的に編集される。例えば、ユーザID(ユーザ名またはユーザ電子メール・アドレスなどの)が、数字列で全体的に、または部分的に置き換えられることが可能であり、ユーザ・インターネット・プロトコル・アドレスが、例えば、クラスCサブドメイン情報およびクラスDサブドメイン情報などのいくらかの情報を削除するように処理されることが可能であり、ユーザ・ブラウジング履歴と特定のユーザIDとの関連付けが絶たれ、ユーザ関心カテゴリで置き換えられることが可能であり、さらにユーザ関心カテゴリが、特定のユーザIDまたは特定のユーザ・ブラウジング履歴などとの関連を最小限に抑えるように一般化されることが可能である。
【0021】
コンテンツ配給元システム106は、コンテンツ・データベース116を含むことが可能である。例えば、コンテンツ・データベース116は、1つまたは複数のユーザに配信されるように構成された広告などのコンテンツを含むことが可能である。
【0022】
例示的なシナリオにおいて、コンテンツ・プロバイダ・システム102は、リスト上のユーザに広告配信または他のコンテンツ配信のターゲットを絞ることを、その配信に関連して或るキーワードが出現する場合に限って行うことを、例えば、そのキーワードが、そのコンテンツが公開されることになるページ上、または他のリソース上で出現するという理由で、所望することが可能である。コンテンツ・プロバイダは、コンテンツ配給元規定コンポーネント112によって生成されたユーザ・インタフェースにおいて、コンテンツ・プロバイダが、或る基準を満たすリスト上のユーザ、および同一の基準を満たす、リストの中で指定されていない他のユーザに広告することを所望することを規定することができる。ユーザ情報は、リポジトリ114の中に含まれる、さらに/または格納されることが可能である。コンテンツ・プロバイダ・システム102は、広告をアップロードする、またはコンテンツ・データベース116の中に格納された広告を選択することができる。コンテンツ配給元システム106は、ユーザが、コンテンツ発行元システム108によって提供されるウェブサイトを訪れた際に、ユーザ・システム110がその広告を受信すべきかどうかを決定する。
【0023】
一部の実施形態において、システム100は、ユーザのリストをコンテンツ配信に関係のある情報で強化することなどによって、リポジトリ114の中の情報を使用して、1つまたは複数のユーザ識別子を関係する情報に関連付けることができる。例えば、ユーザ・リストは、いずれが、コンテンツ・プロバイダによって運用されるページまたは他のリソースを訪れることなどによって、コンテンツ・プロバイダと接触したかに基づいて、生成されることが可能である。
【0024】
図2は、情報を1つまたは複数のユーザ識別子に関連付ける例示的なプロセス200を概略で示す。この場合、ユーザ・リスト202は、1つまたは複数のユーザ識別子204を含むことが可能である。一部の実施形態において、ユーザ識別子204は、コンテンツ・プロバイダのページまたは他のリソースに訪問が行われた際にユーザ識別子を登録した、広告主などのコンテンツ・プロバイダから獲得されることが可能である。例えば、コンテンツ・プロバイダは、ユーザ・リスト202が、基本的に、クッキーID、および/または個々のユーザに関連付けられた他のタイプの識別子だけしか含まないように、ユーザ・リスト202をサブミットすることが可能である。このユーザ・リストは、コンテンツ・プロバイダ・システム102からの電子的伝送によるなど、複数の仕方のいずれでサブミットされることも可能である。
【0025】
この例において、情報206が入手可能であり、あるいは獲得されることが可能である。一部の実施形態において、情報206は、1名または複数名のユーザと関係する情報コレクションを含むことが可能である。例えば、情報206は、1名または複数名のユーザに以前にコンテンツ配信が行われた際に、情報206がコンテンツ配給元システム106によって収集されることなどによって、ユーザによるネットワーク活動を反映することが可能である。例えば、広告などのコンテンツが、ユーザ・システム110の1つまたは複数に配信されることが可能であり、さらにコンテンツ配信システム102が、ユーザが、コンテンツ部分をクリックすることなどによって、コンテンツ部分を選択した、またはそれ以外でコンテンツ部分と対話したかどうかを監視することが可能である。一部の実施形態において、情報206は、クッキーIDなどの識別子204と同様の、または同一のユーザ識別子を使用して、個々のユーザに帰せられる。
【0026】
ユーザ・リスト202および情報206は、1名または複数名のユーザと関係する情報をユーザ識別子204に関連付けるのに使用されることが可能である。一部の実施形態において、拡張(enhanced)ユーザ・リスト208などのレコードが、生成されることが可能である。このレコードは、ユーザ・リスト202からのユーザ識別子204の1つまたは複数、およびそれぞれのユーザ識別子204に関連する1つまたは複数の情報部分210を含むことが可能である。例えば、ユーザ識別子204のそれぞれが、情報206から獲得された対応するユーザについての情報に関連付けられることが可能である。例えば、データベースおよび/またはユーザ・プロファイル文書などの、他の形態のレコードが生成されることも可能である。
【0027】
生成されたレコードは、1つまたは複数の目的で使用され得る。一部の実施形態において、このレコードは、情報206を分析することの一環として生成されることが可能である。例えば、ユーザ・リスト202は、情報206の中に含められた対応するデータを有する総数の識別子の選択されたスライスを表すことが可能であり、さらにこの分析は、ユーザ・リスト202の中の識別子のサブセットの見地から情報206を選択的に見ることを含むことが可能である。
【0028】
別の例として、情報206は、いくつかの例を挙げると、人口層パラメータ、関心、およびブラウジング・パターンの1つまたは複数に基づくなどして、ユーザ識別子204によって表されるユーザを特徴付けるのに使用されることが可能である。例えば、情報206は、1つまたは複数のユーザ識別子に関連する人口層、関心、および/またはブラウジング履歴を示すことが可能であり、さらにそのような情報は、ユーザ・リスト202から獲得されたそれぞれユーザ識別子204を使用してグループ化されることが可能である。一部の実施形態において、拡張ユーザ・リスト208などのレコードが、ユーザ・リスト202をサブミットしたコンテンツ・プロバイダなどの、1つまたは複数のエンティティに供給されることが可能である。例えば、拡張ユーザ・リスト208は、コンテンツ・プロバイダが、配信のための広告などのコンテンツを選択し、さらに/または配布経路を評価するのを助けることが可能である。一部の実施形態において、他の1つまたは複数のコンテンツ・プロバイダに、生成されたレコードへのアクセスが提供されることが可能である。
【0029】
一部の実施形態において、拡張ユーザ・リスト208は、ユーザのカテゴリ間の知られている相互関係などの、既存の情報を評価する際に使用されることが可能である。例えば、広告業界において、遠隔の目的地への旅行パックを予約することに関心があると分類されたユーザは、デジタル・カメラを購入することに関心がある尤度が平均より高いと認識されているものと想定されたい。このことは、「旅行パックを予約することに関心がある」カテゴリと「デジタル・カメラを購入することに関心がある」カテゴリの間の相互関係と見なされ得る。すると、例えば、第1のグループに分類されたユーザが、より高い確率で、第2のグループにより分類された人々のリストの中で見出される可能性がある。
【0030】
一部の実施形態において、拡張ユーザ・リスト208などの生成されたレコードが、既存の相互関係を確認する際、および/または検証する際に使用されることが可能である。例えば、拡張ユーザ・リスト208は、ユーザが「旅行パックを予約することに関心がある」として分類されていることを情報210が示すユーザ識別子を含むことが可能である。さらに、別のリスト212は、ユーザが「デジタル・カメラを購入することに関心がある」として分類されていることを対応する情報が示すユーザ識別子を含むことが可能である。それらのカテゴリ間の相互関係が確認され得るかどうかを判定するのに、リスト208およびリスト212によって識別されるそれぞれのユーザ間に実質的な相互関係が存在するかどうかが判定されることが可能である。例えば、リスト208上の相当な数のユーザ(或るパーセンテージ、例えば、5%などの)がリスト212上にも出現する場合、相互関係は、有効であると考えられることが可能であり、したがって、確認214によって概略で示されるとおり、確認されることが可能である。有意なユーザ重複の他の測度を含む相互関係を評価する他の方法が使用されることも可能である。
【0031】
相互に関係付けることは、共同フィルタリング、ピアソン相関などのパラメトリック法、およびカイ二乗相関などの非パラメトリック法などの、ただし、以上には限定されない任意のよく知られた方法を介して実行されることが可能である。
【0032】
別の例として、リスト208およびリスト212は、例えば、それぞれのリスト上のユーザが実質的に重なり合わないため、それらのカテゴリ間に有意な相互関係は存在しないことを示すことが可能である。相互関係が確認され得ない場合、既存の相互関係を無効にするように、またはその相互関係がさらなる調査を必要とする可能性があることを登録するようになど、分析に基づいて逆のメッセージが生成されることが可能である。
【0033】
一部の実施形態において、拡張ユーザ・リスト208などの生成されたレコードが、既存の相互関係を確認する際、さらに/または検証する際に使用されることが可能である。例えば、拡張ユーザ・リスト208は、前述の例の場合と同様に、「旅行パックを予約することに関心がある」として分類されたユーザと関係することが可能である。それに対して、この例におけるユーザ・リスト212は、「近代美術に関心がある」として分類されたユーザと関係する。さらに、これらのそれぞれのカテゴリ間の相互関係は、それまで全く識別されていないものと想定されたい。つまり、この例において、広告業界は、これらのカテゴリに入れられたユーザ間に有意な重複が存在するとは、一般に、考えない可能性がある。
【0034】
しかし、一部の実施形態において、リスト208の中で獲得され、記録された情報の分析は、そうでないことを示す可能性がある。例えば、リスト208およびリスト212は、それぞれのカテゴリの中のユーザのグループの間に有意な重複が存在することを示すことが可能である。つまり、それまでに知られていなかった相互関係が発見される可能性がある。例えば、相互関係は、最近になって初めて発展している可能性があり、リスト208およびリスト212は、その相互関係の存在を検出する効率的な方途であり得る。一部の実施形態において、新たな相互関係216が識別されることが可能である。例えば、その新たな相互関係は、それらのリストのいずれかのリスト上のユーザに、他方のリストのカテゴリと関係するコンテンツでターゲットを絞ることを所望する可能性があるコンテンツ・プロバイダに対してなどの、適切なメッセージの中で示されることが可能である。検出された相互関係が他の用途に供されることも可能である。
【0035】
一部の実施形態において、拡張ユーザ・リスト208などの生成されたレコードが、コンテンツ配信の受信者を選択する際に使用されることが可能である。例えば、ユーザ・リスト208をサブミットするコンテンツ・プロバイダに、拡張ユーザ・リスト208が提示される。さらに、リスト208は、それぞれのユーザに関連する1つまたは複数の属性などの情報210を含むことが可能である。一部の実施形態において、コンテンツ・プロバイダは、選択218によって概略で示されるとおり、リスト208から1つまたは複数の属性を選択することが可能であり、さらに、これに応答して、選択された属性に関連する(例えば、「属性A」に関連する)ユーザ識別子204の任意の識別子を含むサブセットを供給されることが可能である。例えば、コンテンツ・プロバイダの基準を満たすものとして選択された識別子を含む属性固有のリスト220が生成されることが可能である。一部の実施形態において、ユーザ・リスト220は、リストアップされる任意の、またはすべてのユーザ識別子にコンテンツ配信のターゲットを絞る際に使用するように、コンテンツ・プロバイダに供給されることが可能である。
【0036】
図3は、ユーザ情報を特徴付けるために使用され得る例示的なユーザ・インタフェース300を示す。ユーザ・インタフェース300は、例えば、システム100内の、コンピュータ可読媒体の中の命令を実行するプロセッサによって生成されることが可能である。一部の実施形態において、GUI300は、コンテンツ配信システム102によって生成されることが可能である。
【0037】
この場合、ユーザ・インタフェース300は、コンテンツ・プロバイダが、分析において使用されるべき1つまたは複数のユーザ・リストを識別することができるユーザ・リスト領域302を含む。一部の実施形態において、コンテンツ・プロバイダは、ユーザ・リストを入力し、さらにコントロール304を使用してアップロードするために、このリストをサブミットすることができる。例えば、コンテンツ・プロバイダは、コンテンツ・プロバイダによって管理されるページまたは他のリソースを訪れた任意のユーザのユーザ識別子から、ユーザ・リストをまとめていることが可能である。コンテンツ・プロバイダは、コントロール306を使用して、他の1つまたは複数のエンティティとのユーザ・リストの共有を開始することができる。例えば、コンテンツ・プロバイダは、ユーザの選択されたグループにコンテンツ配信を向けることに関心のある他のコンテンツ・プロバイダとユーザ・リストを共有することができる。
【0038】
コンテンツ・プロバイダは、選択コントロール308を使用して、利用可能にされている1つまたは複数の既存のユーザ・リストを選択することができる。一部の実施形態において、このことは、1つまたは複数のコンテンツ・プロバイダによって使用されるように、コンテンツ配給元および/または別のコンテンツ・プロバイダによって利用に供されるユーザ・リストを含むことが可能である。例えば、ユーザ・リストは、そのユーザ・リストが、コントロール306を使用して共有のためにサブミットされた後、コントロール308においてリストアップされることが可能である。
【0039】
この場合、ユーザ・インタフェース300は、1つまたは複数のユーザ識別子に関する属性を選択するために使用されることが可能な属性領域310を含むことが可能である。一部の実施形態において、属性領域310は、少なくとも1つの属性を選択するためのコントロール312を含むことが可能である。例えば、属性は、拡張ユーザ・リスト208などの生成されたレコードから獲得されることが可能であり、コントロール312をポピュレートするのに使用されることが可能である。一部の実施形態において、コントロール312を使用して属性を選択することは、リスト220(図2)が供給されることをもたらすことが可能である。
【0040】
一部の実施形態において、ユーザ・インタフェース300は、広告キャンペーンなどのコンテンツ配信を開始するためのコントロール314を含むことが可能である。例えば、コンテンツ・プロバイダは、1つまたは複数の特定の属性と合致するユーザ識別子のリストを獲得することが可能であり、さらにコントロール314を開始することによって、対応するユーザに向けられたキャンペーンを開始することが可能である。コンテンツ配信を開始する他の仕方が使用されることも可能である。
【0041】
図4は、ユーザ情報を特徴付けるのに実行され得る例示的な方法400の流れ図である。一部の実施形態において、方法400は、システム100内などの、コンピュータ可読媒体の中の命令を実行するプロセッサによって実行されることが可能である。
【0042】
ステップ410で、それぞれユーザに関連する複数の識別子が受信される。例えば、ユーザ・リスト202が、GUI300を使用してコンテンツ・プロバイダ・システム102からサブミットされることが可能である。
【0043】
ステップ420で、ユーザのうち少なくとも1名と関係する情報コレクション中の任意の情報部分が、複数の識別子を使用して識別される。この情報コレクションは、ユーザによるネットワーク活動を反映する。例えば、コンテンツ配信システム102が、リポジトリ114の中の情報にアクセスして、ユーザ・リストによって識別されたユーザに関係する任意の情報部分を取得することが可能である。取得された情報は、いくつかの例を挙げると、人口層、関心、および/またはブラウジング履歴と関係することが可能である。
【0044】
ステップ430で、対応する情報部分に関連付けられた複数の識別子を含むレコードが生成される。例えば、拡張ユーザ・リスト208が生成されることが可能である。
【0045】
ステップ440で、情報部分の少なくとも1つが、ユーザ分類のために定められたカテゴリに対応するものとして識別される。例えば、情報210のいずれかが、ユーザがデジタル・カメラを購入することに関心があることを示すことが可能である。
【0046】
ステップ450で、複数の識別子のサブセットが、そのカテゴリに関連するものとして識別される。例えば、ユーザ識別子204のいずれが、デジタル・カメラを購入することに関心のある、検出されたユーザに関連付けられているかが識別されることが可能である。
【0047】
ステップ460で、或るリストが、受信された複数の識別子の送信元であるコンテンツ・プロバイダに供給される。このリストは、複数の識別子のサブセットを含み、さらにそのサブセットがそのカテゴリに関連付けられていることを示すことが可能である。例えば、属性固有のリスト220が供給されることが可能である。
【0048】
ステップ470で、生成されたレコードが1つまたは複数のエンティティと供給されることが可能である。例えば、拡張ユーザ・リスト208が、開始側コンテンツ・プロバイダがコントロール306をアクティブ化したことに基づくなどして、システム100内のコンテンツ・プロバイダと供給されることが可能である。
【0049】
ステップ480で、コンテンツ配信が開始されることが可能である。例えば、コンテンツの配信は、拡張ユーザ・リスト208の中で選択された属性に関連するものとしてリスト220上で言及される任意のユーザに対して開始されることが可能である。
【0050】
一部の実施形態において、より多くのステップ、またはより少ないステップが実行されることも可能である。別の例として、1つまたは複数のステップが別の順序で実行されることも可能である。
【0051】
図5は、汎用コンピュータ・システム500の概略図である。システム500は、一実施形態によれば、前述したコンピュータによって実施される方法のいずれかに関連して説明される動作のために使用されることが可能である。システム500は、プロセッサ510と、メモリ520と、ストレージ・デバイス530と、入出力デバイス540とを含む。構成要素510、520、530、および540のそれぞれは、システム・バス550を使用して互いに接続される。プロセッサ510は、システム500内で実行するために命令を処理することができる。一部の実施形態において、プロセッサ510は、シングルスレッド・プロセッサである。別の実施形態において、プロセッサ510は、マルチスレッド・プロセッサである。プロセッサ510は、メモリ520内、またはストレージ・デバイス530上に格納された命令を処理して、入出力デバイス540上でユーザ・インタフェースに関するグラフィック情報を表示することができる。
【0052】
メモリ520は、システム500内で情報を格納する。一部の実施形態において、メモリ520は、コンピュータ可読媒体である。一部の実施形態において、メモリ520は、揮発性メモリ・ユニットである。別の実施形態において、メモリ520は、不揮発性メモリ・ユニットである。
【0053】
ストレージ・デバイス530は、システム500に大容量ストレージを提供することができる。一部の実施形態において、ストレージ・デバイス530は、コンピュータ可読媒体である。様々な異なる実施形態において、ストレージ・デバイス530は、フロッピー(登録商標)・ディスク・デバイス、ハードディスク・デバイス、光ディスク・デバイス、またはテープ・デバイスであることが可能である。
【0054】
入出力デバイス540は、システム500に入出力動作を提供する。一部の実施形態において、入出力デバイス540は、キーボードおよび/またはポインティング・デバイスを含む。別の実施形態において、入出力デバイス540は、グラフィカル・ユーザ・インタフェースを表示するためのディスプレイ・ユニットを含む。
【0055】
説明される特徴は、デジタル電子回路において、あるいはコンピュータ・ハードウェア、コンピュータ・ファームウェア、またはコンピュータ・ソフトウェアにおいて、あるいは以上の組合せにおいて実施されることが可能である。装置は、プログラマブル・プロセッサによって実行されるように、情報担体として、例えば、マシン可読ストレージ・デバイスとして実体化されたコンピュータ・プログラム製品において実施されることが可能であり、さらに方法ステップは、入力データを操作すること、および出力を生成することによって、説明される実施形態の機能を実行するように命令のプログラムを実行するプログラマブル・プロセッサによって実行されることが可能である。説明される特徴は、データ・ストレージ・システム、少なくとも1つの入力デバイス、および少なくとも1つの出力デバイスからデータおよび命令を受信し、さらにそれらのシステムおよびデバイスにデータおよび命令を送信するように結合された少なくとも1つのプログラマブル・プロセッサを含むプログラマブル・システム上で実行可能である1つまたは複数のコンピュータ・プログラムにおいて有利に実施されることが可能である。コンピュータ・プログラムは、或る活動を実行するように、または或る結果をもたらすようにコンピュータにおいて、直接、または間接的に使用されることが可能な命令のセットである。コンピュータ・プログラムは、コンパイルされる言語または解釈される言語を含め、任意の形態のプログラミング言語で書かれることが可能であり、さらにコンピュータ・プログラムは、スタンドアロンのプログラムとして、またはモジュールとして、構成要素として、サブルーチンとして、あるいはコンピューティング環境において使用されるのに適した他のユニットとして展開されることを含め、任意の形態で展開されることが可能である。
【0056】
命令のプログラムの実行に適したプロセッサには、例えば、汎用マイクロプロセッサと専用マイクロプロセッサの両方、ならびに任意の種類のコンピュータの単一のプロセッサ、または複数のプロセッサの1つが含まれる。一般に、プロセッサは、読み取り専用メモリから、またはランダム・アクセス・メモリから、あるいは読み取り専用メモリとランダム・アクセス・メモリの両方から命令およびデータを受け取る。コンピュータの基本的要素は、命令を実行するためのプロセッサ、ならびに命令およびデータを格納するための1つまたは複数のメモリである。一般に、コンピュータは、データ・ファイルを格納するための1つまたは複数の大容量デバイスも含む、またはそのような1つまたは複数の大容量デバイスと通信するように動作上、結合され、そのようなデバイスは、内部ハードディスクやリムーバブル・ディスクなどの磁気ディスク、光磁気ディスク、および光ディスクを含む。コンピュータ・プログラム命令およびデータを実体化するのに適したストレージ・デバイスには、例として、EPROM、EEPROM、およびフラッシュメモリ・デバイスなどの半導体メモリ・デバイス、内部ハードディスクやリムーバブル・ディスクなどの磁気ディスク、光磁気ディスク、ならびにCD-ROMディスクおよびDVD-ROMディスクを含む、すべての形態の不揮発性メモリが含まれる。プロセッサおよびメモリは、ASIC(特定用途向け集積回路)によって補足される、またはASICに組み込まれることが可能である。
【0057】
ユーザとの対話を可能にするのに、これらの特徴は、ユーザに情報を表示するためのCRT(陰極線管)モニタまたはLCD(液晶ディスプレイ)モニタ、ならびにユーザがコンピュータに入力を与えることができるキーボード、およびマウスまたはトラックボールなどのポインティング・デバイスを有するコンピュータ上で実施されることが可能である。
【0058】
これらの特徴は、データ・サーバなどのバックエンド構成要素を含む、またはアプリケーション・サーバもしくはインターネット・サーバなどのミドルウェア構成要素を含む、またはグラフィカル・ユーザ・インタフェースもしくはインターネット・ブラウザを有するクライアント・コンピュータなどのフロントエンド構成要素を含む、あるいは以上の任意の組合せを含むコンピュータ・システムにおいて実施されることが可能である。システムの構成要素は、通信ネットワークなどの任意の形態または媒体のデジタル・データ通信によって接続されることが可能である。通信ネットワークの例には、例えば、LAN、WAN、ならびにインターネットを形成するコンピュータとネットワークが含まれる。
【0059】
コンピュータ・システムは、クライアントおよびサーバを含むことが可能である。クライアントとサーバは、一般に、互いに遠隔であり、通常、説明されるネットワークなどのネットワークを介して対話する。クライアントとサーバの関係は、それぞれのコンピュータ上で実行され、互いにクライアント-サーバ関係を有するコンピュータ・プログラムのお陰で生じる。
【0060】
いくつかの実施形態が説明された。それでも、本開示の趣旨および範囲を逸脱することなく、様々な変形が行われることが可能であることが理解されよう。したがって、他の実施形態も添付の特許請求の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0061】
102 コンテンツ・プロバイダ・システム
104 ネットワーク
106 コンテンツ配給元システム
108 コンテンツ発行元システム
110 ユーザ・システム
112 コンテンツ配給元規定コンポーネント
114 リポジトリ
116 コンテンツ・データベース
図1
図2
図3
図4
図5