特許第5784199号(P5784199)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5784199ウィンドウ基板及びそれを備えたタッチスクリーンパネル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5784199
(24)【登録日】2015年7月31日
(45)【発行日】2015年9月24日
(54)【発明の名称】ウィンドウ基板及びそれを備えたタッチスクリーンパネル
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20150907BHJP
【FI】
   G06F3/041 450
   G06F3/041 400
   G06F3/041 495
【請求項の数】17
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-169265(P2014-169265)
(22)【出願日】2014年8月22日
(65)【公開番号】特開2015-43207(P2015-43207A)
(43)【公開日】2015年3月5日
【審査請求日】2014年8月22日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0101219
(32)【優先日】2013年8月26日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】503454506
【氏名又は名称】東友ファインケム株式会社
【氏名又は名称原語表記】DONGWOO FINE−CHEM CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100137095
【弁理士】
【氏名又は名称】江部 武史
(74)【代理人】
【識別番号】100173532
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 彰文
(74)【代理人】
【識別番号】100091627
【弁理士】
【氏名又は名称】朝比 一夫
(72)【発明者】
【氏名】張 元榮
(72)【発明者】
【氏名】安 基煥
(72)【発明者】
【氏名】▲曹▼ 昇鉉
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼ 相滿
【審査官】 萩島 豪
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−152639(JP,A)
【文献】 特開2012−192743(JP,A)
【文献】 特開2012−098785(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/069683(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/078231(WO,A1)
【文献】 実開昭61−148627(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0000954(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウィンドウ基板と、前記ウィンドウ基板の一面の非表示部に形成された非伝導性遮光パターンとを備え、
前記非伝導性遮光パターンが、パール顔料を含む凹凸パターンと、前記凹凸パターンを覆って平坦な表面を形成する色相パターン層と、前記色相パターン層の上部の遮光層とを備える、タッチスクリーンパネル用のウィンドウ基板。
【請求項2】
前記凹凸パターンの高さが2〜20μmである、請求項1に記載のタッチスクリーンパネル用のウィンドウ基板。
【請求項3】
前記パール顔料が、前記凹凸パターンの全重量に対して0.2〜2重量%の量で含まれる、請求項1または2に記載のタッチスクリーンパネル用のウィンドウ基板。
【請求項4】
前記パール顔料の平均粒径が5〜15μmである、請求項1ないし3のいずれかに記載のタッチスクリーンパネル用のウィンドウ基板。
【請求項5】
前記パール顔料が、反射層コア部及び前記コア部をコーティングする高屈折率層を備える、請求項1ないし4のいずれかに記載のタッチスクリーンパネル用のウィンドウ基板。
【請求項6】
前記反射層コア部が、マイカ、セリサイト、タルク、カオリン、スメクタイト系粘土鉱物、板状二酸化チタン、板状シリカ、板状酸化アルミニウム、窒化ホウ素、硫酸バリウム、及び板状チタニア・シリカ複合酸化物からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項5に記載のタッチスクリーンパネル用のウィンドウ基板。
【請求項7】
前記高屈折率層が、TiO、ZrO、Sb、ZnS、SnO、及びZnOからなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項5または6に記載のタッチスクリーンパネル用のウィンドウ基板。
【請求項8】
前記色相パターン層が複数の着色層からなる、請求項1ないし7のいずれかに記載のタッチスクリーンパネル用のウィンドウ基板。
【請求項9】
前記複数の着色層で形成された前記色相パターン層は、各層の色相が互いに異なる、請求項8に記載のタッチスクリーンパネル用のウィンドウ基板。
【請求項10】
前記遮光層が黒色の色相を有する、請求項1ないし9のいずれかに記載のタッチスクリーンパネル用のウィンドウ基板。
【請求項11】
ウィンドウ基板の一面の非表示部にパール顔料を含む凹凸パターン形成用感光性樹脂組成物を塗布し、フォトリソグラフィで凹凸パターンを形成する段階と、
前記凹凸パターンが形成されたウィンドウ基板上に非伝導性色相パターン形成用組成物を塗布し、フォトリソグラフィで前記凹凸パターンを覆って平坦な表面を形成する色相パターン層を形成する段階と、
前記色相パターン層に非伝導性遮光層形成用組成物を塗布し、フォトリソグラフィで遮光層を形成する段階と
を備える、タッチスクリーンパネル用のウィンドウ基板の製造方法。
【請求項12】
前記凹凸パターン形成用感光性樹脂組成物が、前記パール顔料を含む着色剤と、アルカリ可溶性樹脂と、光重合性化合物と、光重合開始剤と、溶媒とを含み、
前記パール顔料が、固形分を基準とし、前記組成物の全重量に対して0.2〜2重量%の量で含まれる、請求項11に記載のタッチスクリーンパネル用のウィンドウ基板の製造方法。
【請求項13】
前記非伝導性色相パターン形成用組成物及び前記非伝導性遮光層形成用組成物が、互いに独立して、着色剤と、アルカリ可溶性樹脂と、光重合性化合物と、光重合開始剤と、溶媒とを含む、請求項11または12に記載のタッチスクリーンパネル用のウィンドウ基板の製造方法。
【請求項14】
前記色相パターン層が複数の着色層で形成される、請求項11ないし13のいずれかに記載のタッチスクリーンパネル用のウィンドウ基板の製造方法。
【請求項15】
前記遮光層が黒色の色相層で形成される、請求項11ないし14のいずれかに記載のタッチスクリーンパネル用のウィンドウ基板の製造方法。
【請求項16】
請求項1〜10のいずれか一項に記載のウィンドウ基板を備えたタッチスクリーンパネル。
【請求項17】
請求項16に記載のタッチスクリーンパネルを備えた画像表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウィンドウ基板及びそれを備えたタッチスクリーンパネルに関し、より詳しくは、様々な立体感の表現が可能なウィンドウ基板及びそれを備えたタッチスクリーンパネルに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、急速に発展している半導体技術を中心に、小型化及び軽量化によってさらに性能が向上したディスプレイ装置の需要が急速的に増加している。
【0003】
情報化の傾向から、情報を視覚的に伝達するための電子ディスプレイが様々な形態で登場しており、最近では、携帯通信の発達に伴い携帯性が求められるディスプレイの開発が強く求められている。
【0004】
このようなディスプレイ装置は、ブラウン管方式から液晶表示装置(LCD;Liquid Crystal Display)、プラズマディスプレイパネル(PDP;Plasma Display Panel)、有機発光表示装置(OLED;Organic Electro Luminescence Display)等の方式へ変化した。特に、液晶ディスプレイ(LCD;liquid crystal display)は、既存のブラウン管方式と比較して消費電力が少なく、小型化及び軽量薄型化が可能であり、且つ有害電磁波を放出しないといった長所を有する。それ故に、次世代先端ディスプレイとして注目されており、現在ではディスプレイ装置を必要とする殆どすべての情報処理機器に搭載され用いられている。なお、最近では、スマートフォンの普及によって、このようなディスプレイ装置をタッチセンサと一体化させたタッチスクリーンパネルの使用が急激に増加しているのが実情である。
【0005】
図1に示すように、携帯電話を例として挙げると、最外面にカバーウィンドウ基板が配置され、カバーウィンドウ基板は、全面に画像が表示され、必要に応じてタッチ入力が行われる部分である表示部と、この映像センサの表示部を取り囲む非表示部とに区分される。
【0006】
非表示部には非表示部遮光パターンが形成され、不透明な導電性配線パターン及び各種回路を隠蔽する機能を有し、必要に応じて、携帯電話メーカーの商標やロゴ等が印刷される。従来、非表示部は、配線や回路の隠蔽が主な目的であったため、単純な色相層で形成されることが一般的である。
【0007】
韓国公開特許第2013−56598号公報には、熱硬化性ブラックインク組成物を用いて、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、リバースオフセット等の方式でタッチパネルのベゼルパターンを形成する技術が開示されている。
【0008】
しかしながら、韓国公開特許第2013−56598号公報には、ベゼル(非表示部)全体に対する印刷方式のみが記載されており、非表示部の一部に該当するロゴ等のパターンを形成する方法については記載されていない。韓国公開特許第2013−56598号公報に開示された前記印刷方式は、いずれも相対的に大きい設備が必要であるため、小面積のパターンを印刷するには適していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】韓国公開特許第2013−56598号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、立体感のある文様を具備する非表示部を備えるウィンドウ基板を提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明は、文様の視認性に優れた非表示部を備えるウィンドウ基板を提供することを他の目的とする。
【0012】
また、本発明は、立体感のある文様を具備する非表示部を製造することができる方法を提供することを更なる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
1.ウィンドウ基板と、前記ウィンドウ基板の一面の非表示部に形成された非伝導性遮光パターンとを備え、前記非伝導性遮光パターンが、パール顔料を含む凹凸パターンと、前記凹凸パターンを覆って平坦な表面を形成する色相パターン層と、前記色相パターン層の上部の遮光層とを備える、タッチスクリーンパネル用のウィンドウ基板。
【0014】
2.前記項目1において、前記凹凸パターンの高さが2〜20μmである、タッチスクリーンパネル用のウィンドウ基板。
【0015】
3.前記項目1において、前記パール顔料が、前記凹凸パターンの全重量に対して0.2〜2重量%の量で含まれる、タッチスクリーンパネル用のウィンドウ基板。
【0016】
4.前記項目1において、前記パール顔料の平均粒径が5〜15μmである、タッチスクリーンパネル用のウィンドウ基板。
【0017】
5.前記項目1において、前記パール顔料が、反射層コア部及び前記コア部をコーティングする高屈折率層を備える、タッチスクリーンパネル用のウィンドウ基板。
【0018】
6.前記項目5において、前記反射層コア部が、マイカ、セリサイト、タルク、カオリン、スメクタイト系粘土鉱物、板状二酸化チタン、板状シリカ、板状酸化アルミニウム、窒化ホウ素、硫酸バリウム、及び板状チタニア・シリカ複合酸化物からなる群から選択される少なくとも1種である、タッチスクリーンパネル用のウィンドウ基板。
【0019】
7.前記項目5において、前記高屈折率層が、TiO、ZrO、Sb、ZnS、SnO、及びZnOからなる群から選択される少なくとも1種を含む、タッチスクリーンパネル用のウィンドウ基板。
【0020】
8.前記項目1において、前記色相パターン層が複数の着色層からなる、タッチスクリーンパネル用のウィンドウ基板。
【0021】
9.前記項目8において、複数の着色層で形成された色相パターン層は、各層の色相が互いに異なる、タッチスクリーンパネル用のウィンドウ基板。
【0022】
10.前記項目1において、前記遮光層が黒色の色相を有する、タッチスクリーンパネル用のウィンドウ基板。
【0023】
11.ウィンドウ基板の一面の非表示部にパール顔料を含む凹凸パターン形成用感光性樹脂組成物を塗布し、フォトリソグラフィで凹凸パターンを形成する段階と、
前記凹凸パターンが形成されたウィンドウ基板上に非伝導性色相パターン形成用組成物を塗布し、フォトリソグラフィで前記凹凸パターンを覆って平坦な表面を形成する色相パターン層を形成する段階と、
前記色相パターン層に非伝導性遮光層形成用組成物を塗布し、フォトリソグラフィで遮光層を形成する段階と
を備える、タッチスクリーンパネル用のウィンドウ基板の製造方法。
【0024】
12.前記項目11において、前記凹凸パターン形成用感光性樹脂組成物が、前記パール顔料を含む着色剤と、アルカリ可溶性樹脂と、光重合性化合物と、光重合開始剤と、溶媒とを含み、前記パール顔料が、固形分を基準とし、前記組成物の全重量に対して0.2〜2重量%の量で含まれる、タッチスクリーンパネル用のウィンドウ基板の製造方法。
【0025】
13.前記項目11において、前記非伝導性色相パターン形成用組成物及び前記非伝導性遮光層形成用組成物が、互いに独立して、着色剤と、アルカリ可溶性樹脂と、光重合性化合物と、光重合開始剤と、溶媒とを含む、タッチスクリーンパネル用のウィンドウ基板の製造方法。
【0026】
14.前記項目11において、前記色相パターン層が複数の着色層で形成される、タッチスクリーンパネル用のウィンドウ基板の製造方法。
【0027】
15.前記項目11において、前記遮光層が黒色の色相層で形成される、タッチスクリーンパネル用のウィンドウ基板の製造方法。
【0028】
16.前記項目1〜10のいずれか一項目に記載のウィンドウ基板を備えたタッチスクリーンパネル。
【0029】
17.前記項目16に記載のタッチスクリーンパネルを備えた画像表示装置。
【発明の効果】
【0030】
本発明のウィンドウ基板は、非表示部に凹凸構造である色相パターン及びパール顔料層を備えることで、立体感を有し、視認性に優れ、且つ様々な質感を有する文様の具現が可能である。
【0031】
また、本発明のウィンドウ基板製造方法は、薄膜構造の文様の製造が可能であり、パール顔料を含む凹凸パターンをフォトリソグラフィで形成することにより、大面積の基板にも容易に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1図1は、タッチスクリーンパネルが適用された携帯電話の概略的な斜視図である。
図2図2は、本発明に係る非伝導性遮光パターンを備えたウィンドウ基板の概略的な垂直断面図である。
図3図3は、本発明の製造方法の一具体例を概略的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明は、ウィンドウ基板、及び前記ウィンドウ基板一面の非表示部に形成された非伝導性遮光パターンを備え、前記非伝導性遮光パターンが、パール顔料を含む凹凸パターンと、前記凹凸パターンを覆って平坦な表面を形成する色相パターン層と、前記色相パターン層上部の遮光層とを備えることにより、立体感及び視認性に優れた文様の表現が可能な非表示部を備えることができ、大面積の基板への適用により適したウィンドウ基板及びそれを備えたタッチスクリーンパネルに関する。
【0034】
本発明において、立体感とは、三次元構造で視認されることの他に、正面及び斜面から視認される形状に差異が認められることも含む概念である。
【0035】
以下、図面を参照して本発明を詳しく説明する。但し、本明細書に添付される以下の図面は、本発明の好ましい実施例を例示するものであり、前述の発明の内容と共に本発明の技術思想の理解をさらに容易にするためものであるので、本発明は、前記図面に記載された事項にのみ限定されるものと解析されるべきではない。
【0036】
<ウィンドウ基板>
図2には、本発明の非伝導性遮光パターン200を備えたウィンドウ基板100の概略的な垂直断面図が示される。
【0037】
本発明に係る非伝導性遮光パターン200は、凹凸パターン(層)210と、色相パターン層220と、遮光層230とを備える。
【0038】
凹凸パターン210は、パール顔料を含み、且つウィンドウ基板100の視認側の反対側表面に突出した形態の凹凸構造で形成される。非伝導性遮光パターン200中にテクスチャ構造を形成することにより、非伝導性遮光パターン200中に立体的構造を提供する。きらめくパール顔料が凹凸パターンで形成されることにより、後述の色相パターン220との反射率及び屈折率の差異によって、立体感及び質感効果を著しく高めることができる。目的の文様は、凹凸パターン210の具体的な形態によって形成され得る。
【0039】
凹凸パターン210の高さは、2〜20μmであるのが好ましい。前記数値範囲であれば、優れた視認性及び工程性を同時に確保することができる。
【0040】
凹凸パターン210に含まれるパール顔料は、多重色相の真珠光沢顔料であり、真珠色、虹色、金属色等を示す顔料を統括して称するものである。本発明に用いられるパール顔料は、美感に優れるのみならず、反射率が高く、立体感及び質感の具現性能にも優れる。
【0041】
本発明に用いられるパール顔料は、反射層コア部及び前記コア部をコーティングする高屈折率層を備えてもよい。前記反射層コア部及び高屈折率層の具体的な素材は、目的の色相、反射率等によって多様に選択することができる。
【0042】
反射層コア部としては、例えば、マイカ、セリサイト、タルク、カオリン、スメクタイト系粘土鉱物、板状二酸化チタン、板状シリカ、板状酸化アルミニウム、窒化ホウ素、硫酸バリウム、板状チタニア・シリカ複合酸化物等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上混合して用いることができる。
【0043】
高屈折率層は、TiO、ZrO、Sb、ZnS、SnO、ZnO等を含んでもよい。これらは、それぞれ単独で又は2種以上混合して用いることができる。
【0044】
高屈折率層の屈折率は、2.4〜3.0であることが好ましい。前記数値範囲であれば、パール顔料の優れた反射率及び美感を示すことができる。
【0045】
本発明に用いられるパール顔料の平均粒径は、5〜15μmであることが好ましい。
【0046】
前記数値範囲の平均粒径を有するパール顔料を用いると、組成物の保存安定性が高く、硬化用光線の遮蔽問題を改善することで良好なパターン形成が可能になる。平均粒径が5μm未満であれば、視認性(光特性又はパール感)が低下され得、15μmを超えると、組成物の塗布時にノズルが塞がられるか、或いは塗布面の均一性が低下してパターンを容易に形成することができないことがある。
【0047】
本発明に係るパール顔料は、凹凸パターン210の全重量に対して0.2〜2重量%の量で含まれる。含有量が0.2重量%未満であれば、視認性(光特性又はパール感)が低下され得て、2重量%を超えると、工程性が低下され得る。
【0048】
凹凸パターン210は必要に応じて、前述のパール顔料の他に、本発明の範囲内において当分野で知られた着色剤、例えば、染料及び顔料をさらに含むこともできる。
【0049】
色相パターン層220は、凹凸パターン210を覆う層であり、視認側から見た時、凹凸パターン210が具現している凹凸構造のテクスチャパターンによる入射光の反射及び屈折と、色相パターン層220での反射現象とによって、凹凸パターン210による文様に立体感及び質感を付与する機能を有する。
【0050】
色相パターン層220は、所望の色相を具現するために複数の着色層からなり得る。この場合、各層は互いに異なる色相を有することができる。例えば、互いに異なる色相を有する層を複数形成することにより、混色の色相を具現することもできる。
【0051】
色相パターン層220は、フォトリソグラフィが可能な非伝導性色相パターン形成用組成物で形成され得る。これについては後述する。
【0052】
遮光層230は、色相パターン層220の上部に平坦な表面を形成することで、後の接着過程が容易に遂行できるようにして、金属配線等の遮蔽及び色相パターン層220で覆われた凹凸パターン210を保護し、非伝導性遮光パターンに目的の色相が具現されるようにする機能を有する。故に、遮光層230は、色相パターン層220と同一の色相を有するか、或いは異なる色相を有することができる。好ましくは、遮光層230は、金属配線の遮蔽効果及び色相パターン層220における色相の効果的な具現のために、黒色の色相層であってよい。
【0053】
遮光層230の厚さは、1〜10μmであることが好ましい。厚さが1μm未満であれば、遮蔽性が低下され得て、10μmを超えると、工程性が低下され得る。
【0054】
前述のような非伝導性遮光パターンを有する本発明のウィンドウ基板は、立体感を有し、視認性に優れた文様を有する非表示部を備えることができる。
【0055】
<ウィンドウ基板の製造方法>
以下では、本発明のウィンドウ基板の製造方法をより詳しく説明する。図3には、本発明の製造方法の一具体例が概略的に示されている。
【0056】
先ず、ウィンドウ基板一面の非表示部に凹凸パターン形成用感光性樹脂組成物を塗布し、フォトリソグラフィで凹凸パターンを形成する。
【0057】
凹凸パターン形成用感光性樹脂組成物は、パール顔料を含む着色剤(A)と、アルカリ可溶性バインダ樹脂(B)と、光重合性化合物(C)と、光重合開始剤(D)と、溶媒(E)とを含む。
【0058】
着色剤(A)
着色剤は、前述のパール顔料の他に、本発明の範囲内において当分野で知られた着色剤、例えば、染料及び顔料をさらに含むことができる。
【0059】
アルカリ可溶性バインダ樹脂(B)
アルカリ可溶性バインダ樹脂は、本発明の溶媒に溶解され得、前記着色剤に対する結着(バインダ)樹脂の機能を有し、且つアルカリ性現像液に溶解可能な樹脂であれば、特にその種類を制限することなく用いることができる。
【0060】
前記バインダ樹脂は、例えば、カルボキシル基含有単量体、及びこの単量体と共重合可能な他の単量体との共重合体等が挙げられる。
【0061】
前記カルボキシル基含有単量体としては、例えば、不飽和モノカルボン酸や、不飽和ジカルボン酸、不飽和トリカルボン酸等の、分子中に1個以上のカルボキシル基を有する不飽和多価カルボン酸等の不飽和カルボン酸等が挙げられる。
【0062】
前記不飽和モノカルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α−クロロアクリル酸、ケイ皮酸等が挙げられる。
【0063】
前記不飽和ジカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸等が挙げられる。
【0064】
前記不飽和多価カルボン酸は、酸無水物であってよく、具体的には、マレイン酸無水物、イタコン酸無水物、シトラコン酸無水物等が挙げられる。また、前記不飽和多価カルボン酸は、そのモノ(2−メタクリロイロキシアルキル)エステル類であってよく、例えば、コハク酸モノ(2−アクリルロイロキシエチル)、コハク酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2−アクリルロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)等が挙げられる。前記不飽和多価カルボン酸は、その両末端ジカルボキシポリマーのモノ(メタ)アクリレート類であってよく、例えば、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノメタクリレート等が挙げられる。
【0065】
前記カルボキシル基含有単量体は、それぞれ単独で又は2種以上混合して用いることができる。
【0066】
前記カルボキシル基含有単量体と共重合可能な他の単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−ビニルトルエン、m−ビニルトルエン、p−ビニルトルエン、p−クロロスチレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−メトキシスチレン、o−ビニルベンジルメチルエーテル、m−ビニルベンジルメチルエーテル、p−ビニルベンジルメチルエーテル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、インデン等の芳香族ビニル化合物;メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリレート、i−プロピルアクリレート、i−プロピルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルアクリレート、i−ブチルメタクリレート、sec−ブチルアクリレート、sec−ブチルメタクリレート、t−ブチルアクリレート、t−ブチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、3−ヒドロキシブチルアクリレート、3−ヒドロキシブチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、フェニルアクリレート、フェニルメタクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、2−フェノキシエチルメタクリレート、メトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシジエチレングリコールメタクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、メトキシトリエチレングリコールメタクリレート、メトキシプロピレングリコールアクリレート、メトキシプロピレングリコールメタクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、メトキシジプロピレングリコールメタクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、ジシクロペンタジエニルアクリレート、ジシクロペンタジエチルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレート、グリセロールモノアクリレート、グリセロールモノメタクリレート等の不飽和カルボン酸エステル類;2−アミノエチルアクリレート、2−アミノエチルメタクリレート、2−ジメチルアミノエチルアクリレート、2−ジメチルアミノエチルメタクリレート、2−アミノプロピルアクリレート、2−アミノプロピルメタクリレート、2−ジメチルアミノプロピルアクリレート、2−ジメチルアミノプロピルメタクリレート、3−アミノプロピルアクリレート、3−アミノプロピルメタクリレート、3−ジメチルアミノプロピルアクリレート、3−ジメチルアミノプロピルメタクリレート等の不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル類;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等の不飽和カルボン酸グリシジルエステル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、アリルグリシジルエーテル等の不飽和エーテル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、シアン化ビニルリデン等のシアン化ビニル化合物;アクリルアミド、メタクリルアミド、α−クロロアクリルアミド、N−2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−2−ヒドロキシエチルメタクリルアミド等の不飽和アミド類;マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等の不飽和イミド類;1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の脂肪族共役ジエン類;及びポリスチレン、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリ−n−ブチルアクリレート、ポリ−n−ブチルメタクリレート、ポリシロキサンの重合体分子鎖の末端にモノアクリロイル又はモノメタクリロイル基を有するマクロモノマー類等が挙げられる。これら単量体は、それぞれ単独で又は2種以上混合して用いることができる。
【0067】
前記バインダ樹脂が、カルボキシル基含有単量体及び当該単量体と共重合可能な他の単量体との共重合体である場合、前記カルボキシル基含有単量体から誘導される構成単位の含有量割合は、前記共重合体を構成する構成単位の全含有量に対して、重量分率で10〜50重量%であり、好ましくは15〜40重量%であり、より好ましくは25〜40重量%である。前記カルボキシル基含有単量体から誘導される構成単位の含有量割合が前記基準で10〜50重量%であれば、現像液への溶解性が良好であり、現像の際にパターンが正確に形成されるため好ましい。
【0068】
前記バインダ樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート/ポリメチル(メタ)アクリレートマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリメチル(メタ)アクリレートマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリメチル(メタ)アクリレートマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド共重合体、(メタ)アクリル酸/コハク酸モノ(2−アクリロイロキシ)/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド共重合体、(メタ)アクリル酸/コハク酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)/スチレン/アリル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド/スチレン/グリセロールモノ(メタ)アクリレート共重合体等が挙げられる。
【0069】
これらの中で、(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート/スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート/スチレン共重合体が好ましく用いられる。
【0070】
前記バインダ樹脂は、特に制限されないが、そのポリスチレン換算の重量平均分子量が3,000〜100,000の数値範囲にあることが好ましく、3,000〜50,000、特に5,000〜50,000の数値範囲にあることがより好ましい。バインダ樹脂の重量平均分子量が3,000〜100,000の数値範囲にあれば、着色剤分散が容易で、粘度が低く、且つ保存安定性に優れるため好ましい。
【0071】
前記バインダ樹脂は、組成物中の固形分の全重量に対して、3〜80重量%、好ましくは5〜70重量%の量で含まれ得る。前記バインダ樹脂の含有量が前記基準で3〜80重量%であれば、着色剤の分散が容易であり、且つ保存安定性に優れるため好ましい。
【0072】
光重合性化合物(C)
光重合性化合物は、光及び後述の光重合開始剤の作用により重合することができる化合物であって、単官能性単量体、二官能性単量体、その他の多官能性単量体等を用いることができる。
【0073】
単官能性単量体の具体的な例としては、ノニルフェニルカルビトールアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、N−ビニルピロリドン等が挙げられる。
【0074】
二官能性単量体の具体的な例としては、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのビス(アクリロイロキシエチル)エーテル、3−メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0075】
三官能以上の多官能光重合性化合物の具体的な例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシル化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシル化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エトキシル化ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、プロポキシル化ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0076】
前記例として挙げた光重合性化合物の中でも、二官能以上の多官能性単量体が好ましく用いられ、三官能以上の(メタ)アクリル酸エステル類、及びウレタン(メタ)アクリレートが重合性に優れて強度を向上させ得る点から特に好ましい。前記例として挙げた光重合性化合物は、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0077】
前記光重合性化合物は、組成物中の固形分の全重量に対して、1〜60重量%、好ましくは5〜50重量%の量で含まれ得る。光重合性化合物が前記数値範囲で含まれれば、画素部の強度や平滑性が良好になり得る。
【0078】
光重合開始剤(D)
前記光重合開始剤としては、当分野で知られた光重合開始剤を特に制限なく用いることができ、例えば、トリアジン系化合物、アセトフェノン系化合物、ビイミダゾール系化合物、及びオキシム化合物からなる群から選択される少なくとも1種を用いることができる。
【0079】
前記トリアジン系化合物としては、具体的に、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシナフチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ピペロニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシスチリル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル]−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−フラン−2−イル)エテニル]−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル]−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル]−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
【0080】
前記アセトフェノン系化合物としては、具体的に、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパン−1−オン、2−(4−メチルベンジル)−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン等が挙げられる。
【0081】
前記ビイミダゾール化合物としては、具体的に、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,3−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(アルコキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(トリアルコキシフェニル)ビイミダゾール、2,2−ビス(2,6−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、又は4,4’,5,5’位のフェニル基がカルボアルコキシ基で置換されたイミダゾール化合物等が挙げられる。これらの中で、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,3−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2−ビス(2,6−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾールが好ましく用いられる。
【0082】
前記オキシム化合物は、具体的に、o−エトキシカルボニル−α−オキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン等が挙げられ、市販品としては、BASF社のOXE01、OXE02が主に挙げられる。
【0083】
また、本発明の効果を損なわない程度であれば、この分野において通常用いられるその他の光重合開始剤等をさらに併用することもできる。なお、前記光重合開始剤は、この分野において一般的に用いられる光重合開始助剤を組み合わせて用いることもできる。
【0084】
具体的には、例として、アミン化合物、カルボン酸化合物が挙げられる。前記アミン化合物の具体的な例としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等の脂肪族アミン化合物;4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(通称:ミヒラーケトン)、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等の芳香族アミン化合物が挙げられる。好ましくは、前記アミン化合物は、芳香族アミン化合物であってよい。
【0085】
前記カルボン酸化合物の具体的な例としては、フェニルチオ酢酸、メチルフェニルチオ酢酸、エチルフェニルチオ酢酸、メチルエチルフェニルチオ酢酸、ジメチルフェニルチオ酢酸、メトキシフェニルチオ酢酸、ジメトキシフェニルチオ酢酸、クロロフェニルチオ酢酸、ジクロロフェニルチオ酢酸、N−フェニルグリシン、フェノキシ酢酸、ナフチルチオ酢酸、N−ナフチルグリシン、ナフトキシ酢酸等の芳香族ヘテロ酢酸類が挙げられる。
【0086】
前記光重合開始剤は、組成物中の固形分の全重量に対して、1〜40重量%、好ましくは3〜20重量%の量で含まれることが好ましい。光重合開始剤が前記含有量範囲で含まれることで、感度の上昇による露出時間の短縮、及び生産性の向上を図ることができる。
【0087】
溶媒(E)
前記溶媒は特に制限されない。好ましくは、エーテル類、芳香族炭化水素類、ケトン類、アルコール類、エステル類又はアミド類等を用いることができる。
【0088】
前記溶媒は、具体的に、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、アセトン、メチルアミルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、グリセリン等のアルコール類;3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、エチルアセテート、ブチルアセテート、アミルアセテート、メチルラクテート、エチルラクテート、ブチルラクテート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシ−1−ブチルアセテート、メトキシペンチルアセテート、エチレングリコールモノアセテート、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、又はγ−ブチロラクトン等のエステル類等が挙げられる。前記例として挙げた溶媒のうち、塗布性及び乾燥性面を考慮すると、好ましくは、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、エチルラクテート、ブタルラクテート、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル等が挙げられる。前記例として挙げた溶媒は、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0089】
前記溶媒は、組成物の全重量に対して30〜90重量%、好ましくは50〜80重量%の量で含まれ得る。
【0090】
溶媒が前記数値範囲で含まれれば、組成物を塗布する際の塗布性が良好になるため好ましい。
【0091】
図3に示すように、フォトリソグラフィによる凹凸パターン210の形成は、ウィンドウ基板100一面の非表示部に凹凸パターン形成用感光性樹脂組成物を塗布し、露光及び現像する工程を経て遂行され得る。
【0092】
前記塗布は、非伝導性色相パターン形成用組成物をウィンドウ基板100一面の非表示部に塗布して予備乾燥することで、溶媒等の揮発成分を除去して平滑な塗膜を得るものである。
【0093】
塗布方法は、特に限定されることなく、例えば、スプレーコーティング法、ロールコーティング法、吐出ノズル式塗布法等のスリットノズルを用いたコーティング法、中央滴下スピン法等の回転塗布法、押出し(extrusion)コーティング法、バーコーティング法等が挙げられる。
【0094】
前記露光は、前記で得られた塗膜に、目的のパターンを得るため、マスクを介して特定領域に紫外線を照射することである。この時、露光部全体に均一に平行光線が照射され、且つマスクと基板との正確な位置合わせができるように、マスクアライナやステッパ等の装置を用いることができる。
【0095】
前記現像は、前記において硬化が完了した塗膜を、現像液であるアルカリ水溶液に接触させて現像することで、目的のパターンを製造することである。現像後、必要に応じて、150〜230℃で10〜60分程度のベーキング段階を実施することができる。必要に応じて、ベーキング段階以後に更なるベーキング段階を備えることができる。
【0096】
前記のような過程によって、ウィンドウ基板100上に凹凸パターン210を形成することができる。
【0097】
次に、図3に示すように、前記凹凸パターン210が形成されたウィンドウ基板上に非伝導性色相パターン形成用組成物を塗布し、フォトリソグラフィで前記凹凸パターンを覆って平坦な表面を形成する色相パターン層を形成する。
【0098】
非伝導性色相パターン形成用組成物は、着色剤と、アルカリ可溶性バインダ樹脂と、光重合性化合物と、光重合開始剤と、溶媒とを含む。
【0099】
着色剤は、当分野で知られた着色剤を特に制限なく用いることができる。着色剤の種類は、ユーザの求める色相を具現するために特に限定されず、例えば、白色、赤色、緑色、青色の染料及び顔料、調色用の黄色、オレンジ、バイオレット、ブラウン等の染料及び顔料、及びカーボンブラック等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上混合して用いることができる。
【0100】
着色剤は、必要に応じて、金属粉、白色顔料、蛍光顔料等をさらに含むことができる。
【0101】
顔料は、無機顔料又は有機顔料であってよい。
【0102】
無機顔料の種類は、特に限定されず、例えば、硫酸バリウム、硫酸鉛、酸化チタン、黄鉛、ベンガル、酸化クロム、カーボンブラック等が挙げられる。
【0103】
有機顔料の種類は、特に限定されず、例えば、以下のC.I.(カラーインデックス)番号で列挙する顔料が挙げられ、これらはそれぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0104】
白色顔料は、例えば、C.I.ピグメントホワイト4、5、6、6:1、7、18、18:1、19、20、22、25、26、27、28、32が挙げられる。反射効率及び白色度の側面から、C.I.ピグメントホワイト6及びC.I.ピグメントホワイト22を用いることが好ましい。前記C.I.ピグメントホワイト6に分類されるTiOは、価格が非常に安く、且つ屈折率が高くて反射率が高いといった長所を有するため、効果的な白色着色剤として用いることができる。また、前記TiOは、ルチル構造を有することが好ましい。ルチル構造を有するTiOは優れた白色度を有するため、ディスプレイ最外殻の遮光層に好ましく用いることができる。
【0105】
黄色顔料は、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、12、13、14、16、17、24、55、65、73、74、81、83、87、93、94、95、97、100、101、105、108、109、110、116、120、127、128、129、133、138、139、147、148、150、151、153、154、155、166、168、169、170、172、173、174、175、176、180、185、193、194、202等が挙げられる。
【0106】
オレンジ顔料は、例えば、C.I.ピグメントオレンジ1、2、5、13、16、17、19、22、24、34、36、38、39、43、46、48、61、62、64、65、67、69、73、77等が挙げられる。
【0107】
赤色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、8、9、12、14、15、17、22、23、31、37、38、41、48:1、48:2、48:3、49、50:1、52:1、53、57:1、58:4、60、63、64、68、81、88、90:1、112、114、122、123、144、146、147、149、150、151、166、168、170、175、176、177、178、179、181、185、187、188、190、193、194、202、207、208、209、214、216、220、221、224、242、243、245、247、254、255、264、272等が挙げられる。
【0108】
バイオレット顔料は、例えば、C.I.ピグメントバイオレット1、2、3、5、19、23、29、31、32、37、39、50等が挙げられる。
【0109】
青色顔料は、例えば、C.I.ピグメントブルー1、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、25、56、60、66、75、79等が挙げられる。
【0110】
緑色顔料は、例えば、C.I.ピグメントグリーン2、7、8、13、36、54等が挙げられる。
【0111】
ブラウン顔料は、例えば、C.I.ピグメントブラウン1、22、23、25、27等が挙げられる。
【0112】
黒色顔料は、例えば、C.I.ピグメントブラック1、7、31、32等が挙げられる。
【0113】
染料の種類は、特に限定されず、例えば、アゾ系染料、アントラキノン系染料、フタロシアニン系染料、キノンイミン系染料、キノリン系染料、ニトロ系染料、カルボニル系染料、メチン系染料等が挙げられる。
【0114】
アゾ系染料は、特に限定されず、例えば、C.I.アシッドイエロー11、C.I.アシッドオレンジ7、C.I.アシッドレッド37、C.I.アシッドレッド180、C.I.アシッドブルー29、C.I.ダイレクトレッド28、C.I.ダイレクトレッド83、C.I.ダイレクトイエロー12、C.I.ダイレクトオレンジ26、C.I.ダイレクトグリーン28、C.I.ダイレクトグリーン59、C.I.リアクティブイエロー2、C.I.リアクティブレッド17、C.I.リアクティブレッド120、C.I.リアクティブブラック5、C.I.ディスパースオレンジ5、C.I.ディスパースレッド58、C.I.ディスパースブルー165、C.I.ベーシックブルー41、C.I.ベーシックレッド18、C.I.モルダントレッド7、C.I.モルダントイエロー5、C.I.モルダントブラック7等が挙げられる。
【0115】
アントラキノン系染料は、特に限定されず、例えば、C.I.バットブルー4、C.I.アシッドブルー40、C.I.アシッドグリーン25、C.I.リアクティブブルー19、C.I.リアクティブブルー49、C.I.ディスパースレッド60、C.I.ディスパースブルー56、C.I.ディスパースブルー60等が挙げられる。
【0116】
フタロシアニン系染料は、特に限定されず、例えば、C.I.バットブルー5等が挙げられる。
【0117】
キノンイミン系染料は、特に限定されず、例えば、C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー9等が挙げられる。
【0118】
キノリン系染料は、特に限定されず、例えば、C.I.ソルベントイエロー33、C.I.アシッドイエロー3、C.I.ディスパースイエロー64等が挙げられる。
【0119】
ニトロ系染料は、特に限定されず、例えば、C.I.アシッドイエロー1、C.I.アシッドオレンジ3、C.I.ディスパースイエロー42等が挙げられる。
【0120】
前記例示した染料、顔料、及びカーボンブラックの具体的な例を挙げると、三菱カーボンブラックM1000、三菱カーボンブラックMA−100、三菱カーボンブラック#40、ビクトリアピュアブルー(42595)、オーラミンO(41000)、カチロンブリリアントフラビン(ベーシック13)、ローダミン6GCP(45160)、ローダミンB(45170)、サクラニンOK 70:100(50240)、エリオグラウシンX(42080)、NO.120/リオノールイエロー(21090)、リオノールイエローGRO(21090)、シミラーファーストイエローGRO(21090)、シミラーファーストイエロー8GF(21105)、ベンジジンイエロー4J−564D(21095)、ペリオトルイエローL0960(ピグメントイエロー139)、イエローピグメントE4−GN(ピグメントイエロー150誘導体)、シミラーファストレッド4015(12355)、リオノールレッド7B4401(15850)、ペストゲンブルーJGR−L(74160)、リオノールブルーSM(26150)、リオノールブルーES(ピグメントブルー15:6、ピグメントブルー1536)、リオノーゲンレッドGD(ピグメントレッド168、ピグメントレッド108)、クロモフタルレッドA2B(ピグメントレッド177)、イルガフォアレッドB−CF(ピグメントレッド254)、ヘリオゲングリーンL8730(ピグメントグリーン7)、リオノールグリーン2YS(ピグメントグリーン36)等が挙げられる。
【0121】
非伝導性色相パターン形成用組成物のアルカリ可溶性バインダ樹脂と、光重合性化合物と、光重合開始剤と、溶媒とは、前述の凹凸パターン形成用組成物と同一の範疇に属する成分及び含有量で使用可能なため、ここでの説明は省略する。
【0122】
非伝導性色相パターン形成用組成物を塗布して硬化させた後には、フォトリソグラフィで非表示部の目的の部分のみに色相パターン層220が残るようにすることができる。
【0123】
必要に応じて、色相パターン層は、複数の着色層からなり得る。複数の着色層を備えることで、より様々な色相を具現し、金属配線の遮蔽効果を向上することができる。このような側面から、複数の着色層で形成された色相パターン層は、各層の色相が互いに異なってもよい。
【0124】
必要に応じて、色相パターン層220のフォトリソグラフィは、後述の遮光層230を形成するためのフォトリソグラフィと同時に遂行され、一つの工程として遂行され得る。
【0125】
次に、図3に示すように、前記色相パターン層220に非伝導性遮光層形成用組成物を塗布し、フォトリソグラフィで遮光層230を形成する。
【0126】
遮光層230は、色相パターン層220で用いられた非伝導性色相パターン形成用組成物と同一の範疇に属する非伝導性遮光層形成用組成物を用いて、同一のフォトリソグラフィ方式で形成され得る。遮光層230は、好ましい例として、図3に示したように、金属配線の遮蔽効果及び下部着色遮光層230の明瞭な色相表現のために、黒色の色相層で形成され得る。
【0127】
このように、蒸着及びフォトリソグラフィによって形成される本発明の非伝導性遮光パターンは、薄膜構造の具現が可能である。
【0128】
本発明のウィンドウ基板は、当分野で通常的に用いられる構成と組み合わせることで、タッチスクリーンパネルを形成することができる。例えば、前記非伝導性パターンが形成されたウィンドウ基板上に形成された感知パターン、前記感知パターンを回路に接続して、非表示部の対応領域上に形成された金属配線、感知パターン上に形成された保護膜、及び電極パターンに接続された印刷回路基板等をさらに備えることができる。
【0129】
感知パターンは、映像センサのタッチ領域である表示部に指が触れると、人体に発生する静電気を感知して電気信号と接続する役割を果たす。
【0130】
感知パターンの形成に用いられる導電性物質は、特に限定されず、例えば、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、亜鉛酸化物(ZnO)、インジウム亜鉛スズ酸貨物(IZTO)、カドミウムスズ酸貨物(CTO)、PEDOT(poly(3,4-ethylenedioxythiophene))、炭素ナノチューブ(CNT)、金属ワイヤ等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上混合して用いることができる。
【0131】
金属ワイヤに用いられる金属は特に限定されず、例えば、銀(Ag)、金、アルミニウム、銅、鉄、ニッケル、チタニウム、テルル、クロム等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上混合して用いることができる。
【0132】
金属配線は、ウィンドウ基板表示部のタッチによって感知パターンから発生する電気的信号をFPCB、IC Chip等に伝達する役割を果たす。
【0133】
保護膜は、前記感知パターン及び金属配線を保護し、ウィンドウ基板が破損された時に飛散することを防止する役割を果たす。
【0134】
保護膜の材質は、耐久性を提供して透明な材質であれば特に限定されず、例えば、PET(polyethylene terephthalate)であってよい。
【0135】
印刷回路基板としては様々な形態の印刷回路基板が用いられ得るが、例えば、軟性印刷回路基板(FPCB;flexible printed circuit board)であってよい。
【0136】
本発明に係るタッチスクリーンパネルは、当分野で公知の追加工程を経ることで、液晶ディスプレイ、OLED、フレキシブルディスプレイ等の画像表示装置と結合されて有用に用いることができる。
【符号の説明】
【0137】
100:ウィンドウ基板
200:非伝導性遮光パターン
210:凹凸パターン
220:色相パターン層
230:遮光層
図1
図2
図3