【実施例】
【0050】
実施例1
【0051】
水添エポキシ樹脂(ST3000、Kukdo Chemical.Co.,LTD.)60重量部及びビスフェノールAタイプのエポキシ樹脂(YD127、Kukdo Chemical.Co.,LTD.)40重量部のエポキシ樹脂、アミン硬化剤(KH−816、Kukdo Chemical.Co.,LTD.)55重量部及び平均粒度500nm(Kojundo Chem.,Japan)のB
4C粉末を上記エポキシ樹脂、アミン硬化剤及びB
4C粉末を含む全体重量に対して5重量%の含量で添加してエポキシ樹脂組成物を製造した。
【0052】
まず、上記B
4C粉末として以下のような2種類を用いた。
【0053】
i)何の表面処理も施されていないB
4C粉末の粒子
ii)B
4C粉末とエポキシ樹脂を10:1の重量比で混合した後、これをアセトンが入っているビーカーにアセトン重量に対して0.35重量部になるように添加して混練した。上記ビーカーを超音波バスに30分間入れた後、上記ビーカーを乾燥オーブンに入れてアセトンを蒸発させた。これにより、B
4C粉末をエポキシ樹脂でコーティングしてエポキシコーティングされたB
4C粉末が得られた。
【0054】
上記得られたそれぞれのB
4C粉末をFE−SEMで撮影し、そのイメージを
図2に示した。
図2において、(a)はi)の表面処理されていないB
4C粉末のFE−SEMイメージ、(b)はエポキシ樹脂でコーティングされたB
4C粉末のFE−SEMイメージである。
【0055】
図2から分かるように、上記エポキシコーティングされたB
4C粉末は、(a)の表面処理されていないB
4C粒子とは異なる表面モフォロジーを有することから、B
4C粒子表面にエポキシコーティング層を有すると判断した。
【0056】
上記のようなB
4C粉末を用いてB
4C/エポキシ複合材を以下のような方法でそれぞれ製造した。
【0057】
水添エポキシ樹脂(ST3000)及びビスフェノールAタイプのエポキシ樹脂(YD127、Kukdo Chemical.Co.,LTD.)を予備混合して高い水素濃度を有するエポキシ樹脂を製造した。
【0058】
その後、上記i)及びii)のB
4C粉末を硬化剤(KH−816)と混合して硬化剤−B
4Cの混合物を用意し、この混合物を上記用意されたエポキシ樹脂と混合して組成物1及び2を製造した。
【0059】
一方、上記i)及びii)のB
4C粉末を
図1のように上記アミン硬化剤に混合し、5分間機械的撹拌した後、超音波ホーン(JUW−2014、JANO Sonic Ltd.,Korea)を上記混合物に入れ、20分間超音波処理して励起することで、アミン硬化剤で表面処理されたB
4C−硬化剤の混合物が得られた。このとき、超音波は、周波数が20kHz、電力が約50Wであった。続いて、上記アミン硬化剤で表面処理されたB
4C−硬化剤の混合物を上記用意されたエポキシ樹脂に混合することで組成物3及び4を製造した。
【0060】
上記のように得られた組成物1から4をそれぞれ15分間エポキシミキサーで回転ブレードによって撹拌した。上記ブレードの回転速度を65〜70rpmに維持し、混合中に混合チャンバーを真空ポンプにつないで空隙を最小限にした。このような機械的混合の後に、上記エポキシ混合物をシリコンモールドに注ぎ、50℃の乾燥オーブンで20時間硬化して4種類のB
4C/エポキシ複合材をそれぞれ製造した。
【0061】
得られたB
4C/エポキシ複合材に存在するB
4C粒子の表面状態を評価すべく、上記で得られた4種類のB
4C/エポキシ複合材の表面をSEMで撮影し、そのイメージを
図3に示した。
図3において、(a)は何の処理もされていないraw−B
4Cが用いられた組成物1によって得られた複合材の破断面のイメージ、(b)はエポキシコーティングされたB
4C(epoxy−coated B
4C)が用いられた組成物2によって得られた複合材の破断面のイメージ、(c)は何の処理もされていないraw−B
4Cを直接超音波処理して得られたB
4Cが用いられた組成物3によって得られた複合材の破断面のイメージ、(d)はエポキシコーティングされたB
4C(epoxy−coated B
4C)を入れて超音波処理して得られたB
4Cが用いられた組成物4によって得られた複合材の破断面のイメージである。
【0062】
図3の(a)を参照すると、上記B
4C粒子は相対的に適宜に分散されているように見えるが、イメージ上に円で示された粒子表面とマトリックスとの間にギャップがあることが確認できる。上記ギャップは、マトリックスと粒子との結合が弱いことを示す。
【0063】
また、
図3の(b)から分かるように、表面にB
4C粒子の凝集が観察されており、
図3の(b)に挿入された拡大図によると、粒子境界部にギャップがあることが分かる。このような結果により、エポキシ樹脂でコーティングされたB
4Cを用いても、B
4C凝集体とエポキシマトリックスとの結合力が弱いと予想できる。
【0064】
このような
図3の(a)及び(b)のイメージから、B
4C粒子に対するエポキシコーティングは、エポキシマトリックスにおける分散及びエポキシマトリックスとの結合を向上させない点が予想できる。むしろ、raw−B
4Cの方が、エポキシマトリックスと粒子との結合力は多少弱いが、より良好な分散性を示すと言える。
【0065】
これに対し、組成物3及び4を用いて得られた複合体のイメージを示す
図3の(c)及び(d)では、B
4C粒子が複合材の破断面にほんの一部観察された。ポリマーマトリックスとフィラー粒子との結合が強いと、破断面は粒子と高分子との界面ではなく、マトリックス自体に沿って展開されるようになる。よって、
図3の(c)及び(d)のSEMイメージに示される少量のB
4C粒子は、エポキシマトリックスとB
4C粒子との良好な結合を示す確固たる証であると言える。これにより、超音波ホーンを用いて直接超音波処理して励起すると、(a)及び(b)の場合に比べて上記エポキシマトリックスとB
4C粒子との結合がより強くなることが分かる。
【0066】
また、直接超音波処理による励起は、
図3の(c)及び(d)において粒子間の凝集が示されていないことから、B
4C粒子の分散の向上に効果的であると判断される。
【0067】
直接超音波処理による励起がエポキシマトリックス内におけるB
4C粒子の分散及びエポキシマトリックスとB
4C粒子との結合を強化させるメカニズムは、明確に理解されるものではなく、いかなる理論によっても限定されないが、強力な超音波エネルギーが硬化剤によって生成された微細バブルの破壊を誘導してB
4C表面において密度の変動をもたらし、上記のような密度変動中に、アミン硬化剤分子のリング置換体とB
4Cとの間に強いファンデルワールス力が作用してエポキシマトリックスにおける粒子の濡れ性を向上させると予想される。
【0068】
また、B
4C粒子の表面状態を評価すべく、B
4C−硬化剤混合物のFTIRスペクトルを分析して
図4に示した。
図4において、(a)はiii)によって得られた超音波処理により分散されたraw−B
4C/硬化剤に関するもの、(b)はi)の超音波分散されていないrawB
4C/硬化剤に関するもの、(c)は純粋な硬化剤に関するもの、(d)はii)の超音波分散されていないエポキシコーティングされたB
4C/硬化剤に関するもの、さらに(e)はiv)の超音波分散されたエポキシコーティングされたB
4C/硬化剤に関するFTIRスペクトルである。
【0069】
このようなFTIRスペクトルは、KRS−5のウィンドー内部に位置したB
4C分散された硬化剤の薄い液状フィルムを用いて得られた。
図4において、硬化剤のリング内部に炭素と炭素の伸縮振動モードを含む芳香族C=C振動が1607cm
−1に示されており、1585cm
−1に位置した二つ目のピークはリング置換体によるものである。セラミック粉末が分散された高分子複合体の吸収ピークを調査することは粒子結合の評価に非常に有用である。これは、高分子分子の振動吸収ピークが、ファンデルワールス相互作用からの影響を大きく受けることに起因する。
【0070】
図4の(b)及び(d)は、純粋な硬化剤に該当する(c)と同様に、各位置において二つの同一の伸縮ピークを示す。このようなスペクトルにおいて、硬化剤の吸収ピークは、(b)及び(d)ともにB
4Cの影響を受けない。これは、B
4C表面において硬化剤分子との結合が硬化剤の吸収ピークを変化させるほど十分に強くない点を意味する。これに対し、
図4の(a)及び(e)に示された吸収ピークは、硬化剤分子の上記C=C伸縮振動がB
4C粒子との強い結合の影響を受けるため低く平坦である。このような平坦で低い吸収ピークは、ファンデルワールス相互作用によってB
4Cと強く結合されたリング置換体からの影響を受ける、連続して赤色偏移された伸縮運動エネルギースペクトルに起因すると言える。
【0071】
また、B
4C/エポキシ複合材の最終引張強度及びヤングモジュラスを、多目的機械テスト器具(Instron 3000、USA)が用いられたASTM D638標準の引張サンプルを用いて分析し、その結果を
図5に示した。上記引張速度は50mm/min、試片数はそれぞれ5個以上である。
図5のグラフにおけるエラーバー(error bar)は各サンプルに対して5回の測定を行い標準偏差を示したものである。
【0072】
図5は多様な条件下において製造された純粋なエポキシマトリックス及びB
4C−エポキシ複合材の最終引張強度を示す。一般に、エポキシマトリックスの引張強度は、セラミックフィラーの添加によって減少することが明らかである。これに対し、エポキシマトリックス内におけるフィラー粒子の分散及びエポキシマトリックスとの結合をうまく制御すると、エポキシ複合材の機械的特性を強化させることができる。
【0073】
図5によると、純粋なエポキシ樹脂が用いられたエポキシマトリックスにおける引張強度は54.1MPaであるが、(1)の組成物に用いられた表面処理されていないraw−B
4C粒子がエポキシマトリックスに分散される場合、B
4C/エポキシ複合材の引張強度が43.6MPaと多少減少し、(2)の組成物に用いられたエポキシ−コーティングされたB
4C/エポキシ複合材の引張強度は31.6MPaとさらに減少した。
【0074】
このような引張強度の減少は、
図3の(a)及び(b)に示されたエポキシマトリックスとB
4Cとの弱い界面結合による結果であると考えられる。これは、不純物が占める面積または体積が損失されたエポキシマトリックスの面積または体積と同一であり、強度の低下をもたらすためである。不純物のサイズに関連し、エポキシ−コーティングされたB
4Cの凝集体のサイズがコーティングされないB
4Cに比べて大きいため、引張強度をさらに弱化させると考えることが合理的である。
【0075】
これに対し、超音波ホーンを用いた直接超音波処理により硬化材内に分散されたraw−B
4C及びエポキシ−コーティングされたB
4Cが用いられた組成物3及び4によって得られたB
4C/エポキシ複合材の引張強度は、それぞれ52.6MPa及び56.9MPaと向上した。これらは、直接超音波分散を施さずに製造されたものに比べて遥かに高い水準の引張特性を示す。これらは、純粋なエポキシマトリックスと比較しても、エラー範囲において競争力があるか数値が高い。上記内容により、直接超音波処理によって分散されて得られた組成物を用いることで、複合材の引張強度を強化させることができることが分かる。このような引張強度の強化は、
図3の(c)及び(d)に示されているように、B
4Cとマトリックスとの向上した界面結合による結果であると判断できる。
【0076】
直接超音波処理されたraw−B
4C/エポキシ複合材及びエポキシ−コーティングされたB
4C/エポキシ複合材の引張強度は類似した値を示す。これは、エポキシコーティングされたか否かに関わらず、B
4C粒子の直接超音波による励起は超音波励起中にコーティングされた物質のタイプとは関係なくファンデルワールス相互作用を増加させることを意味する。
【0077】
これは、
図4のB
4C/エポキシ複合体のFTIRスペクトルによっても確認された。硬化剤分子のピーク強度の変化によると、B
4C自体(
図4(a))またはB
4C表面のエポキシの影響を受けることが明確である。B
4C表面のエポキシによる影響と関連し、B
4C表面に結合されたエポキシ分子は、B
4C自体と類似して硬化剤分子の伸縮振動に影響を及ぼすものと思われる。このような強力なファンデルワールス相互作用は、超音波励起中のB
4C粒子の界面におけるエポキシまたは硬化剤分子の相互拡散によるものであることができる。しかし、直接超音波励起されなかった場合、硬化剤分子の振動モードは、B
4Cはもちろんのこと、B
4C上のエポキシ分子によっても変化しなかった。
【0078】
図6には、純粋なエポキシマトリックスに比べてB
4C/エポキシ複合材のヤングモジュラスが増加することが示されている。このように、セラミックフィラーの添加により高分子複合材のモジュラスが増加する傾向は、純粋なエポキシマトリックスに比べて高い強度を示す一般的な結果である。しかし、本発明における直接超音波分散によるモジュラスの増加は、B
4Cとエポキシマトリックスとの強力な界面接着に基づいた高い靭性により維持または増加した変形率の特性から説明することができる。
【0079】
実施例2−水酸化アルミニウム含有エポキシ複合材の製造及び物性評価
【0080】
平均粒子サイズ5μmの水酸化アルミニウム(Al(OH)
3)粉末が用いられた点を除いては、実施例1の組成物1及び3と同一の方法でエポキシ樹脂組成物5及び6をそれぞれ製造し、上記それぞれの組成物を用いて実施例1と同一の方法によって水酸化アルミニウム/エポキシ複合材を製造した。これによって得られた複合材をそれぞれ複合材5及び6とする。
【0081】
上記で得られた複合材5及び6の機械的物性として最大引張強度及び破壊前の延伸率を測定した。超音波処理段階を行っていない組成物5によって得られた複合材5の引張強度及び破壊前の延伸率はそれぞれ28.0MPa及び7.3%であったが、超音波処理段階を行った組成物6によって得られた複合材6の引張強度及び破壊前の延伸率はそれぞれ40.9MPa及び9.6%であった。
【0082】
上記結果から分かるように、直接超音波処理によって硬化剤内に分散される場合は、純粋なエポキシ樹脂に比べて引張強度及び延伸率値が多少低下するが、このような直接超音波処理を行っていない複合材6と比べると引張強度が約45%高く、延伸率も約7.3%向上する。
【0083】
これにより、本発明による直接超音波処理は、マトリックス内にナノサイズの粉末はもちろんのこと、マイクロサイズの比較的大きい粉末も均一に分散させることができ、機械的物性も向上させることができる効果的な方法である。
【0084】
実施例3−B
4C粒度によるエポキシ複合材の熱中性子遮蔽能の評価
【0085】
2.5重量%のB
4C粒子を含むB
4C−エポキシ複合材において、用いられたB
4Cの粒度によって熱中性子遮蔽能をMCNP(Monte Carlo n−Particles)プログラムを用いて評価し、その結果を
図7に示した。一方、エポキシ複合材の厚さは3cmと仮定した。
【0086】
図7から分かるように、B
4C粒度が100μmから1μmまで粒度が減少するにつれ、中性子遮蔽能が向上することが分かる。しかし、1μm未満の粒度を有する場合は、一定の遮蔽能効果を示すことが分かる。これにより、粒度が1μm未満のナノサイズを有するホウ素化合物粉末を用いることで中性子遮蔽により優れた効果を奏することが分かる。
【0087】
実施例4−PbO/エポキシ複合材の製造
【0088】
PbO粉末の分散において、超音波処理されるか否かによる引張強度への影響を把握すべく、PbO粉末が樹脂組成物全体重量に対して10重量%含まれるPbO/エポキシ樹脂組成物を製造し、上記樹脂組成物を用いてPbO/エポキシ複合材を製造した。このとき、PbO粉末は、それぞれ平均粒子サイズ10μm及び200nmの粉末を用いた。
【0089】
上記平均粒子サイズ10μmのPbO粉末を用いて実施例1の組成物1を製造するのと同様の方法で樹脂組成物を製造して組成物7を製造し、上記平均粒子サイズ200nmのPbO粉末を用いて実施例1の組成物1を製造するのと同様の方法で樹脂組成物を製造して組成物8を製造した。また、上記平均粒子サイズ200nmのPbO粉末を用いて実施例1の組成物の3を製造するのと同様の方法で樹脂組成物を製造して組成物9を製造した。
【0090】
上記で得られた組成物7、8及び9を用いてPbO/エポキシ複合材を製造し、これによって得られた複合材をそれぞれ複合材7、8及び9とした。
【0091】
上記複合材7から9のPbO/エポキシ複合材の引張強度を測定し、その結果を
図8に示した。
【0092】
図8から分かるように、純粋なエポキシ樹脂で形成された遮蔽材(a)の引張強度は54.1MPaを示している。これに対し、マイクロサイズのPbO粉末を含み、直接超音波処理を施さなかった複合材(b)の引張強度は43.1MPa、ナノサイズのPbO粉末を含み、直接超音波処理を施さなかった複合材(c)の遮蔽材の引張強度は44.0MPaと測定された。(b)及び(c)の遮蔽材は、引張強度において大差がないことが分かる。
【0093】
一方、ナノサイズのPbO粉末を含み、直接超音波処理を施してPbO粉末を表面処理した複合材(d)の遮蔽材は46.8MPaの引張強度値を示すことから、(b)及び(c)に比べて高い引張強度値を示すことが分かる。
【0094】
上記内容から分かるように、PbO粉末を含むと純粋なエポキシより引張強度が低下するが、(d)のように直接超音波処理を用いるとエポキシ樹脂内にPbO粉末をより均一に分散させ、樹脂界面接着性を向上させることができるため、複合材の物性を改善させることができる。
【0095】
実施例5−複合材の熱中性子遮蔽能の評価
【0096】
B
4C/PbO/Al(OH)
3を組成物全体重量に対してそれぞれ5重量%、10重量%及び25重量%含有するエポキシ複合材の粉末粒度による熱中性子遮蔽能をMCNPプログラムを用いて評価し、その結果を
図9に示した。
【0097】
B
4C及びPbOの粒度をそれぞれ同一に100μm、1μm及び0.1μm、また、Al(OH)
3粉末の粒度は全ての場合において一律2μmに仮定した。また、エポキシ複合材の厚さは3cmと仮定した。
【0098】
Al(OH)
3粉末の粒度を全ての場合において2μmと仮定したのは、Al(OH)
3の熱中性子及びガンマ線に対する遮蔽性能が他の粉末に比べて相対的に劣るためである。
【0099】
図9から分かるように、熱中性子に対する各粉末の粒度に関し、粒度が小さいほど熱中性子のフラックスが減少することが分かる。これにより、1μm未満の粒度を有する粉末を使用することで優れた中性子遮蔽効果を有することができることが分かる。
【0100】
実施例6−複合材のガンマ線遮蔽能の評価
【0101】
B
4C/PbO/Al(OH)
3を組成物全体重量に対してそれぞれ5重量%、10重量%及び25重量%含有するエポキシ複合材の粉末粒度によるガンマ線遮蔽能をMCNPプログラムを用いて評価し、その結果を
図10及び
図11に示した。
【0102】
このとき、用いられた粒子の粒度、濃度及びエポキシ複合材の厚さは上記実施例5と同一に設定し、ガンマ線エネルギーが1MeV及び0.1MeVの二つの場合に対して評価した。
【0103】
図10及び
図11から分かるように、ガンマ線のエネルギーが0.1MeVの場合が1MeVの場合に比べてガンマ線のフラックス減少効果が増加する。これにより、1μm未満の粒度を有する粉末を用いる場合に優れたガンマ線遮蔽効果を有し、特に、低エネルギーガンマ線の場合、本エポキシ複合材がさらに優れた遮蔽能を有することが分かる。