特許第5784252号(P5784252)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5784252
(24)【登録日】2015年7月31日
(45)【発行日】2015年9月24日
(54)【発明の名称】移動通信方法、無線基地局及び移動局
(51)【国際特許分類】
   H04W 8/26 20090101AFI20150907BHJP
   H04W 16/32 20090101ALI20150907BHJP
【FI】
   H04W8/26 110
   H04W16/32
【請求項の数】12
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-49553(P2015-49553)
(22)【出願日】2015年3月12日
(62)【分割の表示】特願2012-188688(P2012-188688)の分割
【原出願日】2012年8月29日
(65)【公開番号】特開2015-111949(P2015-111949A)
(43)【公開日】2015年6月18日
【審査請求日】2015年3月12日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100100712
【弁理士】
【氏名又は名称】岩▲崎▼ 幸邦
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100169797
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 浩幸
(72)【発明者】
【氏名】内野 徹
(72)【発明者】
【氏名】安部田 貞行
(72)【発明者】
【氏名】石井 啓之
【審査官】 桑原 聡一
(56)【参考文献】
【文献】 Requirements, Candidate Solutions & Technology Roadmap for LTE Rel-12 Onward,RWS-120010,NTT DOCOMO, INC.,2012年 6月11日,URL,http://www.3gpp.org/ftp/workshop/2012-06-11_12_RAN_REL12/Docs/
【文献】 Report of 3GPP RAN Workshop on Release 12 and onwards held in Ljubljana,RWS-120052,2012年 6月11日,第9頁,URL,http://www.3gpp.org/ftp/workshop/2012-06-11_12_RAN_REL12/Docs/
【文献】 HTC,Discussion on C-RNTI allocation in small cell[online], 3GPP TSG-RAN WG2♯83 R2-132674,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_83/Docs/R2-132674.zip>,2013年 8月19日
【文献】 Fujitsu,RNTI allocation for dual connectivity[online],3GPP TSG−RAN WG2#84 3GPP TSG-RAN WG2#84 R2-134001,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_84/Docs/R2-134001.zip>,2013年11月11日
【文献】 CATT,C-RNTI Allocation for Dual Connectivity[online],3GPP TSG−RAN WG2#84 3GPP TSG-RAN WG2#84 R2-134057,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_84/Docs/R2-134057.zip>,2013年11月11日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24−7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−2
CT WG1
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線基地局配下の第1セルのカバレッジエリアの少なくとも一部に重複するように、複数の第2セルが設定された場合に、該無線基地局が、該第1セルにおいて通信中の移動局に対して、コネクション設定変更信号によって、該複数の第2セルにおけるセル固有識別子を通知する工程と、
前記移動局が、前記第1セルにおけるセル固有識別子に加えて、前記複数の第2セルにおけるセル固有識別子を設定する工程とを有することを特徴とする移動通信方法。
【請求項2】
無線基地局配下の第1セルのカバレッジエリアの少なくとも一部に重複するように、複数の第2セルが設定されている場合で、かつ、同一のセル固有識別子が設定されており該第1セルにおいて通信中の第1移動局と第2移動局との間の距離が所定閾値よりも短くなった場合に、該無線基地局が、該第1移動局に対して、コネクション設定変更信号によって、該複数の第2セルにおけるセル固有識別子を通知する工程と、
前記第1移動局が、前記第1セルにおけるセル固有識別子に加えて、通知された前記複数の第2セルにおけるセル固有識別子を設定する工程とを有することを特徴とする移動通信方法。
【請求項3】
無線基地局配下の第1セルのカバレッジエリアの少なくとも一部に重複するように、複数の第2セルが設定された場合に、該無線基地局と該第1セルにおいて通信中の移動局との間で、非衝突型ランダムアクセス手順を開始する工程と、
前記非衝突型ランダムアクセス手順において、前記無線基地局が、前記移動局に対して、ランダムアクセス応答信号によって、前記複数の第2セルにおけるセル固有識別子を通知する工程と、
前記移動局が、前記第1セルにおけるセル固有識別子に加えて、前記複数の第2セルにおけるセル固有識別子を設定する工程とを有することを特徴とする移動通信方法。
【請求項4】
無線基地局配下の第1セルのカバレッジエリアの少なくとも一部に重複するように、複数の第2セルが設定されている場合で、かつ、同一のセル固有識別子が設定されており該第1セルにおいて通信中の第1移動局と第2移動局との間の距離が所定閾値よりも短くなった場合に、該無線基地局と該第1移動局との間で、非衝突型ランダムアクセス手順を開始する工程と、
前記非衝突型ランダムアクセス手順において、前記無線基地局が、前記第1移動局に対して、ランダムアクセス応答信号によって、前記複数の第2セルにおけるセル固有識別子を通知する工程と、
前記第1移動局が、前記第1セルにおけるセル固有識別子に加えて、通知された前記複数の第2セルにおけるセル固有識別子を設定する工程とを有することを特徴とする移動通信方法。
【請求項5】
無線基地局であって、
前記無線基地局配下の第1セルのカバレッジエリアの少なくとも一部に重複するように、複数の第2セルが設定された場合に、該第1セルにおいて通信中の移動局に対して、コネクション設定変更信号によって、該複数の第2セルにおけるセル固有識別子を通知するように構成されている送信部を具備することを特徴とする無線基地局。
【請求項6】
無線基地局であって、
前記無線基地局配下の第1セルのカバレッジエリアの少なくとも一部に重複するように、複数の第2セルが設定されている場合で、かつ、同一のセル固有識別子が設定されており該第1セルにおいて通信中の第1移動局と第2移動局との間の距離が所定閾値よりも短くなった場合に、該第1移動局に対して、コネクション設定変更信号によって、該複数の第2セルにおけるセル固有識別子を通知するように構成されている送信部を具備することを特徴とする無線基地局。
【請求項7】
無線基地局であって、
前記無線基地局配下の第1セルのカバレッジエリアの少なくとも一部に重複するように、複数の第2セルが設定された場合に、該無線基地局と該第1セルにおいて通信中の移動局との間で、非衝突型ランダムアクセス手順を開始し、該非衝突型ランダムアクセス手順において、該移動局に対して、ランダムアクセス応答信号によって、前記複数の第2セルにおけるセル固有識別子を通知するように構成されている送信部を具備することを特徴とする無線基地局。
【請求項8】
無線基地局であって、
前記無線基地局配下の第1セルのカバレッジエリアの少なくとも一部に重複するように、複数の第2セルが設定されている場合で、かつ、同一のセル固有識別子が設定されており該第1セルにおいて通信中の第1移動局と第2移動局との間の距離が所定閾値よりも短くなった場合に、該第1移動局との間で、非衝突型ランダムアクセス手順を開始し、該非衝突型ランダムアクセス手順において、該第1移動局に対して、ランダムアクセス応答信号によって、該複数の第2セルにおけるセル固有識別子を通知するように構成されている送信部を具備することを特徴とする無線基地局。
【請求項9】
移動局であって、
無線基地局配下の第1セルのカバレッジエリアの少なくとも一部に重複するように、複数の第2セルが設定された場合で、かつ、該第1セルにおいて通信中である場合に、該無線基地局から、コネクション設定変更信号を介して、該複数の第2セルにおけるセル固有識別子を取得するように構成されている受信部と、
前記第1セルにおけるセル固有識別子に加えて、前記複数の第2セルにおけるセル固有識別子を設定するように構成されている設定部とを具備することを特徴とする移動局。
【請求項10】
移動局であって、
無線基地局配下の第1セルのカバレッジエリアの少なくとも一部に重複するように、複数の第2セルが設定されている場合で、該第1セルにおいて通信中である場合で、かつ、同一のセル固有識別子が設定されている他の移動局との間の距離が所定閾値よりも短くなった場合に、該無線基地局から、コネクション設定変更信号を介して、該複数の第2セルにおけるセル固有識別子を取得するように構成されている受信部と、
前記第1セルにおけるセル固有識別子に加えて、通知された前記複数の第2セルにおけるセル固有識別子を設定するように構成されている設定部とを具備することを特徴とする移動局。
【請求項11】
移動局であって、
無線基地局配下の第1セルのカバレッジエリアの少なくとも一部に重複するように、複数の第2セルが設定された場合で、かつ、該第1セルにおいて通信中である場合に、該無線基地局との間で、非衝突型ランダムアクセス手順を開始し、該非衝突型ランダムアクセス手順において、該無線基地局から、ランダムアクセス応答信号を介して、該複数の第2セルにおけるセル固有識別子を取得するように構成されている受信部と、
前記第1セルにおけるセル固有識別子に加えて、前記複数の第2セルにおけるセル固有識別子を設定するように構成されている設定部とを具備することを特徴とする移動局。
【請求項12】
移動局であって、
無線基地局配下の第1セルのカバレッジエリアの少なくとも一部に重複するように、複数の第2セルが設定されている場合で、該第1セルにおいて通信中である場合で、かつ、同一のセル固有識別子が設定されている他の移動局との間の距離が所定閾値よりも短くなった場合に、該無線基地局との間で、非衝突型ランダムアクセス手順を開始し、該非衝突型ランダムアクセス手順において、該無線基地局から、ランダムアクセス応答信号を介して、該複数の第2セルにおけるセル固有識別子を取得するように構成されている受信部と、
前記第1セルにおけるセル固有識別子に加えて、通知された前記複数の第2セルにおけるセル固有識別子を設定するように構成されている設定部とを具備することを特徴とする移動局。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信方法、無線基地局及び移動局に関する。
【背景技術】
【0002】
LTE(Long Term Evolution)方式において、図6に示すように、無線基地局eNBは、配下のセルにおいて通信を行う移動局UEに対して、C-RNTI(Cell- Radio Netowork Temporary Identity)を割り当てて、データの送受信を行うように構成されている(特許文献1参照)。
【0003】
C-RNTIは、セルごとに割り当てられるように構成されており、LTE方式では、図6に示すように、同一のセル#Aにおいて通信を行う移動局UE#1及び移動局UE#2に対して、同一のC-RNTIを割り当てることができず、異なるセル#A/#Bにおいて通信を行う移動局UE#1(又は、移動局UE#2)及び移動局UE#3に対して、同一のC-RNTIを割り当てることができる。
【0004】
また、無線基地局eNBは、移動局UEに割り当てられたC-RNTIを用いて、下りリンクデータの送信や上りリンクデータの送信用リソースの割り当てを行うように構成されている。
【0005】
また、3GPPの「Rel-12ワークショップ」において、FRA(Future Radio Access)のトピックとして、「Small cell enhancement」に関する提案が多く寄せられた。
【0006】
かかる提案の中で、「ファントムセル(Phantom cell)」に係るコンセプトが検討されている。
【0007】
図7に示すように、従来のマクロセル(Macro cell)とは異なり、ファントムセルは、多数の「スモールセル(Small cell)」を連結することで、1つの大きなセルを形成し、広いエリアをカバーすることができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】3GPP TS36.300
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ここで、図7に示すように、ファントムセルのカバレッジエリア及びマクロセルのカバレッジエリアの少なくとも一部が重複している環境下において、移動局UEに対して、マクロセルにおけるC-RNTImacroに加えて、ファントムセルにおけるC-RNTIphを割り当てるケースが想定される。
【0010】
ここで、マクロセルにおけるC-RNTImacroは、「Contention based RA(Random Access)手順」或いはハンドオーバ手順において割り当てられるように構成されている。
【0011】
しかしながら、既存のLTE方式では、無線基地局eNBが、ファントムセルにおけるC-RNTIphについては、移動局UEを識別した上で割り当てる必要がある。
【0012】
したがって、ファントムセルにおけるC-RNTIphは、マクロセルにおけるC-RNTImacroと同様に、「Contention based RA手順」において割り当てることは困難であるという問題点があった。
【0013】
或いは、既存のLTE方式では、ハンドオーバ手順を起動する場合、データ送受信の瞬断が発生するため、ファントムセルにおけるC-RNTIphは、マクロセルにおけるC-RNTImacroと同様に、ハンドオーバ手順において割り当てることは望ましくないという問題点があった。
【0014】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、ファントムセルにおけるC-RNTIphについて、移動局を識別した上で割り当てることができる移動通信方法、無線基地局及び移動局を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の第1の特徴は、移動通信方法であって、無線基地局配下のマクロセルのカバレッジエリアの少なくとも一部に重複するように、複数のスモールセルを連結して形成されたファントムセルが設定された場合に、該無線基地局が、該マクロセルにおいて通信中の移動局に対して、コネクション設定変更信号によって、該ファントムセルにおけるセル固有識別子を通知する工程と、前記移動局が、前記マクロセルにおけるセル固有識別子に加えて、前記ファントムセルにおけるセル固有識別子を設定する工程とを有することを要旨とする。
【0016】
本発明の第2の特徴は、移動通信方法であって、無線基地局配下のマクロセルのカバレッジエリアの少なくとも一部に重複するように、複数のスモールセルを連結して形成されたファントムセルが設定されている場合で、かつ、同一のセル固有識別子が設定されており該マクロセルにおいて通信中の第1移動局と第2移動局との間の距離が所定閾値よりも短くなった場合に、該無線基地局が、該第1移動局に対して、コネクション設定変更信号によって、該ファントムセルにおけるセル固有識別子を通知する工程と、前記第1移動局が、前記マクロセルにおけるセル固有識別子に加えて、通知された前記ファントムセルにおけるセル固有識別子を設定する工程とを有することを要旨とする。
【0017】
本発明の第3の特徴は、移動通信方法であって、無線基地局配下のマクロセルのカバレッジエリアの少なくとも一部に重複するように、複数のスモールセルを連結して形成されたファントムセルが設定された場合に、該無線基地局と該マクロセルにおいて通信中の移動局との間で、非衝突型ランダムアクセス手順を開始する工程と、前記非衝突型ランダムアクセス手順において、前記無線基地局が、前記移動局に対して、ランダムアクセス応答信号によって、前記ファントムセルにおけるセル固有識別子を通知する工程と、前記移動局が、前記マクロセルにおけるセル固有識別子に加えて、前記ファントムセルにおけるセル固有識別子を設定する工程とを有することを要旨とする。
【0018】
本発明の第4の特徴は、移動通信方法であって、無線基地局配下のマクロセルのカバレッジエリアの少なくとも一部に重複するように、複数のスモールセルを連結して形成されたファントムセルが設定されている場合で、かつ、同一のセル固有識別子が設定されており該マクロセルにおいて通信中の第1移動局と第2移動局との間の距離が所定閾値よりも短くなった場合に、該無線基地局と該第1移動局との間で、非衝突型ランダムアクセス手順を開始する工程と、前記非衝突型ランダムアクセス手順において、前記無線基地局が、前記第1移動局に対して、ランダムアクセス応答信号によって、前記ファントムセルにおけるセル固有識別子を通知する工程と、前記第1移動局が、前記マクロセルにおけるセル固有識別子に加えて、通知された前記ファントムセルにおけるセル固有識別子を設定する工程とを有することを要旨とする。
【0019】
本発明の第5の特徴は、無線基地局であって、前記無線基地局配下のマクロセルのカバレッジエリアの少なくとも一部に重複するように、複数のスモールセルを連結して形成されたファントムセルが設定された場合に、該マクロセルにおいて通信中の移動局に対して、コネクション設定変更信号によって、該ファントムセルにおけるセル固有識別子を通知するように構成されている送信部を具備することを要旨とする。
【0020】
本発明の第6の特徴は、無線基地局であって、前記無線基地局配下のマクロセルのカバレッジエリアの少なくとも一部に重複するように、複数のスモールセルを連結して形成されたファントムセルが設定されている場合で、かつ、同一のセル固有識別子が設定されており該マクロセルにおいて通信中の第1移動局と第2移動局との間の距離が所定閾値よりも短くなった場合に、該第1移動局に対して、コネクション設定変更信号によって、該ファントムセルにおけるセル固有識別子を通知するように構成されている送信部を具備することを要旨とする。
【0021】
本発明の第7の特徴は、無線基地局であって、前記無線基地局配下のマクロセルのカバレッジエリアの少なくとも一部に重複するように、複数のスモールセルを連結して形成されたファントムセルが設定された場合に、該無線基地局と該マクロセルにおいて通信中の移動局との間で、非衝突型ランダムアクセス手順を開始し、該非衝突型ランダムアクセス手順において、該移動局に対して、ランダムアクセス応答信号によって、前記ファントムセルにおけるセル固有識別子を通知するように構成されている送信部を具備することを要旨とする。
【0022】
本発明の第8の特徴は、無線基地局であって、前記無線基地局配下のマクロセルのカバレッジエリアの少なくとも一部に重複するように、複数のスモールセルを連結して形成されたファントムセルが設定されている場合で、かつ、同一のセル固有識別子が設定されており該マクロセルにおいて通信中の第1移動局と第2移動局との間の距離が所定閾値よりも短くなった場合に、該第1移動局との間で、非衝突型ランダムアクセス手順を開始し、該非衝突型ランダムアクセス手順において、該第1移動局に対して、ランダムアクセス応答信号によって、該ファントムセルにおけるセル固有識別子を通知するように構成されている送信部を具備することを要旨とする。
【0023】
本発明の第9の特徴は、移動局であって、無線基地局配下のマクロセルのカバレッジエリアの少なくとも一部に重複するように、複数のスモールセルを連結して形成されたファントムセルが設定された場合で、かつ、該マクロセルにおいて通信中である場合に、該無線基地局から、コネクション設定変更信号を介して、該ファントムセルにおけるセル固有識別子を取得するように構成されている受信部と、前記マクロセルにおけるセル固有識別子に加えて、前記ファントムセルにおけるセル固有識別子を設定するように構成されている設定部とを具備することを要旨とする。
【0024】
本発明の第10の特徴は、移動局であって、無線基地局配下のマクロセルのカバレッジエリアの少なくとも一部に重複するように、複数のスモールセルを連結して形成されたファントムセルが設定されている場合で、該マクロセルにおいて通信中である場合で、かつ、同一のセル固有識別子が設定されている他の移動局との間の距離が所定閾値よりも短くなった場合に、該無線基地局から、コネクション設定変更信号を介して、該ファントムセルにおけるセル固有識別子を取得するように構成されている受信部と、前記マクロセルにおけるセル固有識別子に加えて、通知された前記ファントムセルにおけるセル固有識別子を設定するように構成されている設定部とを具備することを要旨とする。
【0025】
本発明の第11の特徴は、移動局であって、無線基地局配下のマクロセルのカバレッジエリアの少なくとも一部に重複するように、複数のスモールセルを連結して形成されたファントムセルが設定された場合で、かつ、該マクロセルにおいて通信中である場合に、該無線基地局との間で、非衝突型ランダムアクセス手順を開始し、該非衝突型ランダムアクセス手順において、該無線基地局から、ランダムアクセス応答信号を介して、該ファントムセルにおけるセル固有識別子を取得するように構成されている受信部と、前記マクロセルにおけるセル固有識別子に加えて、前記ファントムセルにおけるセル固有識別子を設定するように構成されている設定部とを具備することを要旨とする。
【0026】
本発明の第12の特徴は、移動局であって、無線基地局配下のマクロセルのカバレッジエリアの少なくとも一部に重複するように、複数のスモールセルを連結して形成されたファントムセルが設定されている場合で、該マクロセルにおいて通信中である場合で、かつ、同一のセル固有識別子が設定されている他の移動局との間の距離が所定閾値よりも短くなった場合に、該無線基地局との間で、非衝突型ランダムアクセス手順を開始し、該非衝突型ランダムアクセス手順において、該無線基地局から、ランダムアクセス応答信号を介して、該ファントムセルにおけるセル固有識別子を取得するように構成されている受信部と、前記マクロセルにおけるセル固有識別子に加えて、通知された前記ファントムセルにおけるセル固有識別子を設定するように構成されている設定部とを具備することを要旨とする。
【発明の効果】
【0027】
以上説明したように、本発明によれば、ファントムセルにおけるC-RNTIphについて、移動局を識別した上で割り当てることができる移動通信方法、無線基地局及び移動局を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの全体構成図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係る無線基地局の機能ブロック図である。
図3】本発明の第1の実施形態に係る移動局の機能ブロック図である。
図4】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの動作を示すシーケンス図である。
図5】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの動作を示すシーケンス図である。
図6】従来技術を説明するための図である。
図7】従来技術を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
(本発明の第1の実施形態に係る移動通信システム)
図1乃至図5を参照して、本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムについて説明する。
【0030】
図1に示すように、本実施形態に係る移動通信システムは、LTE方式の移動通信システムであって、セル#10を管理する無線基地局PhNB#10と、セル#1を管理する無線基地局eNB#1と、セル#2を管理する無線基地局eNB#2と、セル#3を管理する無線基地局eNB#3と、セル#4を管理する無線基地局eNB#4と、セル#5を管理する無線基地局eNB#5とを具備している。
【0031】
ここで、セル#10は、複数のスモールセルを連結して形成されたファントムセルであり、セル#1〜#5は、マクロセルである。
【0032】
図1に示すように、セル#10のカバレッジエリア及びセル#1〜#5のカバレッジエリアは、少なくとも一部で重なるように配置されている。
【0033】
なお、本実施形態に係る移動通信システムでは、セル#10において、複数の移動局UEに対して、同一のC-RNTIphを割り当てることができるように構成されている。
【0034】
一方、本実施形態に係る移動通信システムでは、セル#1〜#5において、複数の移動局UEに対して、同一のC-RNTImacroを割り当てることができないように構成されている。
【0035】
本実施形態に係る移動通信システムでは、1つの移動局UEに対して、複数のC-RNTI(すなわち、C-RNTImacro及びC-RNTIph)を割り当てることができるように構成されている。
【0036】
本実施形態では、マクロセルであるセル#1において通信中の移動局UE#1に対してファントムセルであるセル#10を追加するケース1や、セル#10において通信中の移動局UE#2が同一のC-RNTI(C-RNTImacro=A及びC-RNTIph=B)を有する移動局UE#5に近づいたケース2を例に挙げて説明する。
【0037】
無線基地局eNB#1〜eNB#5の構成は、基本的に同一であるため、以下、代表して、無線基地局eNBの構成として説明する。
【0038】
図2に示すように、本実施形態に係る無線基地局eNB#1は、受信部11と、決定部12と、送信部13とを具備している。
【0039】
受信部11は、セル#1内の移動局UEや無線基地局eNB#10/eNB#2〜#5から各種信号を受信するように構成されており、送信部13は、セル#1内の移動局UEや無線基地局eNB#10/eNB#2〜#5に対して各種信号を送信するように構成されている。
【0040】
決定部12は、ケース1又は2において、移動局UE#1〜#3に対して、セル#10におけるC-RNTIphを新たに割り当てることを決定するように構成されている。
【0041】
具体的には、決定部12は、図1に示すように、上述のセル#10が設定された場合に(すなわち、ケース1において)、セル#1において通信中の移動局UE#1に対して、セル#10におけるC-RNTIphを割り当てることを決定するように構成されている。
【0042】
また、決定部12は、図1に示すように、移動局UE#2に対してセル#10が設定されている場合で、かつ、同一のC-RNTIphが設定されておりセル#4/#5において通信中の他の移動局UEとの間の距離が所定閾値よりも短くなった場合に(すなわち、ケース2において)、移動局UE間のC-RNTIの衝突を回避するために、セル#4において通信中の移動局UE#2に対して、セル#10におけるC-RNTIphを割り当てることを決定するように構成されている。
【0043】
或いは、決定部12は、移動局UE#3に対して、セル#10におけるC-RNTIphを割り当てることを決定するように構成されていてもよい。
【0044】
また、かかる場合、決定部12は、セル#4において通信中の移動局UE#2に対して、セル#10におけるC-RNTIphを割り当てる代わりに、新たにセル#4におけるC-RNTImacroを割り当てることを決定するように構成されていてもよい。
【0045】
送信部13は、ケース1又は2において、移動局UE#1〜#3に対して、「RRC connection reconfiguration」によって、セル#10におけるC-RNTIph(或いは、セル#4におけるC-RNTImacro)を通知するように構成されていてもよい。
【0046】
この時、かかる通知は、ベアラ追加・削除やファントムセルの追加等といった任意の指示を行う「RRC connection reconfiguration」と同時に通知されてもよい。
【0047】
或いは、送信部13は、ケース1又は2において、移動局UE#1〜#3に対して、「Non-contention RA手順」において、セル#10におけるC-RNTIph(或いは、セル#4におけるC-RNTImacro)を通知するように構成されていてもよい。
【0048】
本実施形態に係る移動局UE#1〜UE#3の構成は、基本的に同一であるため、以下、代表して、移動局UEの構成として説明する。
【0049】
図3に示すように、本実施形態に係る移動局UEは、受信部21と、設定部22と、送信部23とを具備している。
【0050】
受信部21は、無線基地局PhNB#10/eNB#1/eNB#2/eNB#3から各種信号を受信するように構成されており、送信部23は、無線基地局PhNB#10/eNB#1/eNB#2/eNB#3に対して各種信号を送信するように構成されている。
【0051】
例えば、受信部21は、無線基地局eNB#1〜eNB#5から、移動局UEに対して割り当てられたC-RNTIphやC-RNTImacroを受信するように構成されている。
【0052】
具体的には、受信部21は、図1に示すように、セル#1において通信中である場合で、かつ、セル#10が設定された場合に(すなわち、ケース1において)、無線基地局eNB#1から、セル#10におけるC-RNTIphを取得するように構成されている。
【0053】
また、受信部21は、図1に示すように、セル#1において通信中である場合で、かつ、同一のC-RNTIphが設定されている他の移動局UEとの間の距離が所定閾値よりも短くなった場合に(すなわち、ケース2において)、無線基地局eNB#4から、セル#10におけるC-RNTIphを取得するように構成されている。
【0054】
ここで、受信部21は、「RRC connection reconfiguration」を介して、セル#10におけるC-RNTIphを取得するように構成されていてもよいし、「Non-contention RA手順」において受信する「RA response」を介して、セル#10におけるC-RNTIphを取得するように構成されていてもよい。
【0055】
設定部22は、受信部21によって「RRC connection reconfiguration」を介して、或いは、「Non-contention RA手順」において取得されたC-RNTIphを、セル#10において移動局UEに割り当てられたC-RNTIphとして設定するように構成されている。
【0056】
以下、図4及び図5を参照して、本実施形態に係る移動通信システムの動作について説明する。
【0057】
第1に、図4を参照して、本実施形態に係る移動通信システムの動作例1について説明する。
【0058】
図4に示すように、無線基地局eNBは、ステップS1001において、配下のセルにおいて通信中の移動局UEに対して、ファントムセルを追加することを決定すると、ステップS1002において、かかる移動局UEに対して、かかるファントムセルにおいて移動局UEに割り当てたC-RNTIphを含む「RRC Connection reconfiguration」を送信する。
【0059】
移動局UEは、ステップS1003において、受信した「RRC Connection reconfiguration」に含まれているC-RNTIphを、かかるファントムセルにおいて移動局UEに割り当てられたC-RNTIphとして設定し、ステップS1004において、無線基地局eNBに対して、「RRC Connection reconfiguration complete」を送信する。
【0060】
かかる「RRC Connection reconfiguration」には、割り当てられるC-RNTIphに関連付けられたセルの識別子或いは当該セルの識別子を払いだした無線基地局eNBの識別子が含まれてもよい。
【0061】
第2に、図5を参照して、本実施形態に係る移動通信システムの動作例1について説明する。
【0062】
図5に示すように、無線基地局eNBは、ステップS2001において、配下のセルにおいて通信中の移動局UEに対して、ファントムセルを追加することを決定すると、ステップS2002において、かかる移動局UEとの間で「Non-contention RA手順」を開始するために、かかる移動局UEに対して、「PDCCH order」を送信する。
【0063】
ステップS2003において、移動局UEは、無線基地局eNBに対して、「RA preamble」を送信する。
【0064】
ステップS2004において、無線基地局eNBは、移動局UEに対して、「temporeary C-RNTI」として、ファントムセルにおいて移動局UEに割り当てたC-RNTIphを含む「RA response」を送信する。
【0065】
移動局UEは、ステップS2005において、従来は破棄していた「RA response」に含まれている「temporeary C-RNTI」を、かかるファントムセルにおいて移動局UEに割り当てられたC-RNTIphとして設定し、ステップS2006において、無線基地局eNBに対して、「MSG3(「RA response」で指示された「UL grant」に対応するPUSCH)」を送信する。
【0066】
かかる非衝突型RA手順は、移動局UEが接続している任意のセルで実施されてもよい。また、各ステップが異なるセルで実施されてもよい。
【0067】
ここで、無線基地局eNBは、「PDCCH order」や「RA response」等において、ファントムセルにおいて移動局UEに新たにC-RNTIph割り当てた旨を通知してもよい。
【0068】
かかる構成によれば、無線基地局eNBが、「RRC connection reconfiguration」や「Non-contention RA手順」を用いて、配下のセルにおいて通信中の移動局UEに対して、ファントムセルにおいて移動局UEに新たに割り当てたC-RNTIphを通知することができるので、ケース1やケース2において、特定の移動局UEを認識した上で、C-RNTIphを割り当てることができ、また、ハンドオーバ手順に伴うデータ送受信の瞬断を回避することができる。
【0069】
以上に述べた本実施形態の特徴は、以下のように表現されていてもよい。
【0070】
本実施形態の第1の特徴は、移動通信方法であって、無線基地局eNB#1配下のセル#1(マクロセル)のカバレッジエリアの少なくとも一部に重複するように、複数のスモールセルを連結して形成されたセル#10(ファントムセル)が設定された場合に、無線基地局eNB#1が、セル#1において通信中の移動局UE#1に対して、「RRC connection reconfiguration(コネクション設定変更信号)」によって、セル#10におけるC-RNTImacro(セル固有識別子)を通知する工程と、移動局UE#1が、セル#1におけるC-RNTImacroに加えて、セル#10におけるC-RNTIph(セル固有識別子)を設定する工程とを有することを要旨とする。
【0071】
本実施形態の第2の特徴は、移動通信方法であって、無線基地局eNB#1配下のセル#1のカバレッジエリアの少なくとも一部に重複するように、複数のスモールセルを連結して形成されたセル#10が設定されている場合で、かつ、同一のC-RNTImacro/C-RNTIphが設定されておりセル#4/#5において通信中の移動局UE#2(第1移動局)と移動局UE#3(第2移動局)との間の距離が所定閾値よりも短くなった場合に、無線基地局eNB#4が、移動局UE#2に対して、「RRC connection reconfiguration」によって、セル#10におけるC-RNTIphを通知する工程と、移動局UE#2が、セル#4におけるC-RNTImacroに加えて、通知されたセル#10におけるC-RNTIphを設定する工程とを有することを要旨とする。
【0072】
本実施形態の第3の特徴は、移動通信方法であって、無線基地局eNB#1配下のセル#1(マクロセル)のカバレッジエリアの少なくとも一部に重複するように、複数のスモールセルを連結して形成されたセル#10(ファントムセル)が設定された場合に、無線基地局eNB#1とセル#1において通信中の移動局UE#1との間で、「Non-contention RA手順(非衝突型ランダムアクセス手順)」を開始する工程と、「Non-contention RA手順」において、無線基地局eNB#1が、移動局UE#1に対して、「RA response(ランダムアクセス応答信号)」によって、セル#10におけるC-RNTIphを通知する工程と、移動局UE#1が、セル#1におけるC-RNTImacroに加えて、セル#10におけるC-RNTIphを設定する工程とを有することを要旨とする。
【0073】
本実施形態の第4の特徴は、移動通信方法であって、無線基地局eNB#1配下のセル#1のカバレッジエリアの少なくとも一部に重複するように、複数のスモールセルを連結して形成されたセル#10が設定されている場合で、かつ、同一のC-RNTImacro/C-RNTIphが設定されておりセル#4/#5において通信中の移動局UE#2と移動局UE#3との間の距離が所定閾値よりも短くなった場合に、無線基地局eNB#4と移動局UE#2との間で、「Non-contention RA手順」を開始する工程と、「Non-contention RA手順」において、無線基地局eNB#4が、移動局UE#2に対して、「RA response」によって、セル#10におけるC-RNTIphを通知する工程と、移動局UE#2が、セル#4におけるC-RNTImacroに加えて、通知されたセル#10におけるC-RNTIphを設定する工程とを有することを要旨とする。
【0074】
本実施形態の第5の特徴は、無線基地局eNB#1であって、無線基地局eNB#1配下のセル#1のカバレッジエリアの少なくとも一部に重複するように、複数のスモールセルを連結して形成されたセル#10が設定された場合に、セル#1において通信中の移動局UE#1に対して、「RRC connection reconfiguration」によって、セル#10におけるC-RNTIphを通知するように構成されている送信部13を具備することを要旨とする。
【0075】
本実施形態の第6の特徴は、無線基地局eNB#4であって、無線基地局eNB#4配下のセル#4のカバレッジエリアの少なくとも一部に重複するように、複数のスモールセルを連結して形成されたセル#10が設定されている場合で、かつ、同一のC-RNTImacro/C-RNTIphが設定されておりセル#4/#5において通信中の移動局UE#2と移動局UE#3との間の距離が所定閾値よりも短くなった場合に、移動局UE#2に対して、「RRC connection reconfiguration」によって、セル#10におけるC-RNTIphを通知するように構成されている送信部13を具備することを要旨とする。
【0076】
本実施形態の第7の特徴は、無線基地局eNB#1であって、無線基地局eNB#1配下のセル#1のカバレッジエリアの少なくとも一部に重複するように、複数のスモールセルを連結して形成されたセル#10が設定された場合に、無線基地局eNB#1とセル#1において通信中の移動局UE#1との間で、「Non-contention RA手順」を開始し、「Non-contention RA手順」において、移動局UE#1に対して、「RA response」によって、セル#10におけるC-RNTIphを通知するように構成されている送信部13を具備することを要旨とする。
【0077】
本実施形態の第8の特徴は、無線基地局eNB#4であって、無線基地局eNB#4配下のセル#4のカバレッジエリアの少なくとも一部に重複するように、複数のスモールセルを連結して形成されたセル#10が設定されている場合で、かつ、同一のC-RNTImacro/C-RNTIphが設定されておりセル#4/#5において通信中の移動局UE#2と移動局UE#3との間の距離が所定閾値よりも短くなった場合に、移動局UE#2との間で、「Non-contention RA手順」を開始し、「Non-contention RA手順」において、移動局UE#2に対して、「RA response」によって、セル#10におけるC-RNTIphを通知するように構成されている送信部13を具備することを要旨とする。
【0078】
本実施形態の第9の特徴は、移動局UE#1であって、無線基地局eNB#1配下のセル#1のカバレッジエリアの少なくとも一部に重複するように、複数のスモールセルを連結して形成されたセル#10が設定された場合で、かつ、セル#1において通信中である場合に、無線基地局eNB#1から、「RRC connection reconfiguration」を介して、セル#10におけるC-RNTIphを取得するように構成されている受信部21と、セル#1におけるC-RNTImacroに加えて、セル#10におけるC-RNTIphを設定するように構成されている設定部22とを具備することを要旨とする。
【0079】
本実施形態の第10の特徴は、移動局UE#2であって、無線基地局eNB#4配下のセル#4のカバレッジエリアの少なくとも一部に重複するように、複数のスモールセルを連結して形成されたセル#10が設定されている場合で、セル#4において通信中である場合で、かつ、同一のC-RNTImacro/C-RNTIphが設定されている他の移動局UE#3との間の距離が所定閾値よりも短くなった場合に、無線基地局eNB#4から、「RRC connection reconfiguration」を介して、セル#10におけるC-RNTIphを取得するように構成されている受信部21と、セル#4におけるC-RNTImacroに加えて、セル#10におけるC-RNTIphを設定するように構成されている設定部22とを具備することを要旨とする。
【0080】
本実施形態の第11の特徴は、移動局UE#1であって、無線基地局eNB#1配下のセル#1のカバレッジエリアの少なくとも一部に重複するように、複数のスモールセルを連結して形成されたセル#10が設定された場合で、かつ、セル#1において通信中である場合に、無線基地局eNB#1との間で、「Non-contention RA手順」を開始し、「Non-contention RA手順」において、無線基地局eNB#1から、「RA response」を介して、セル#10におけるC-RNTIphを取得するように構成されている受信部21と、セル#1におけるC-RNTImacroに加えて、セル#10におけるC-RNTIphを設定するように構成されている設定部22とを具備することを要旨とする。
【0081】
本実施形態の第12の特徴は、移動局UE#2であって、無線基地局eNB#4配下のセル#4のカバレッジエリアの少なくとも一部に重複するように、複数のスモールセルを連結して形成されたセル#10が設定されている場合で、セル#4において通信中である場合で、かつ、同一のC-RNTImacro/C-RNTIphが設定されている他の移動局UE#3との間の距離が所定閾値よりも短くなった場合に、無線基地局eNB#4との間で、「Non-contention RA手順」を開始し、「Non-contention RA手順」において、無線基地局eNB#4から、「RA response」を介して、セル#10におけるC-RNTIphを取得するように構成されている受信部21と、セル#4におけるC-RNTImacroに加えて、セル#10におけるC-RNTIphを設定するように構成されている設定部22とを具備することを要旨とする。
【0082】
なお、上述の移動局UE#1〜UE#3や無線基地局eNB#1〜eNB#5PhNB#10の動作は、ハードウェアによって実施されてもよいし、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールによって実施されてもよいし、両者の組み合わせによって実施されてもよい。
【0083】
ソフトウェアモジュールは、RAM(Random Access Memory)や、フラッシュメモリや、ROM(Read Only Memory)や、EPROM(Erasable Programmable ROM)や、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)や、レジスタや、ハードディスクや、リムーバブルディスクや、CD-ROMといった任意形式の記憶媒体内に設けられていてもよい。
【0084】
かかる記憶媒体は、プロセッサが当該記憶媒体に情報を読み書きできるように、当該プロセッサに接続されている。また、かかる記憶媒体は、プロセッサに集積されていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ASIC内に設けられていてもよい。かかるASICは、移動局UE#1〜UE#3や無線基地局eNB#1〜eNB#5PhNB#10内に設けられていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ディスクリートコンポーネントとして移動局UE#1〜UE#3や無線基地局eNB#1〜eNB#5PhNB#10内に設けられていてもよい。
【0085】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0086】
eNB#1〜eNB#5、PhNB#10…無線基地局
UE…移動局
11、21…受信部
12…決定部
13、23…送信部
22…設定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7