特許第5784297号(P5784297)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5784297
(24)【登録日】2015年7月31日
(45)【発行日】2015年9月24日
(54)【発明の名称】携帯型画像読取装置用ケース
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/04 20060101AFI20150907BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20150907BHJP
   H04N 5/64 20060101ALI20150907BHJP
   H04N 5/74 20060101ALI20150907BHJP
【FI】
   H04N1/04 Z
   H04N1/00 D
   H04N5/64 501D
   H04N5/74 C
【請求項の数】10
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2010-236814(P2010-236814)
(22)【出願日】2010年10月21日
(65)【公開番号】特開2012-90182(P2012-90182A)
(43)【公開日】2012年5月10日
【審査請求日】2013年6月18日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000136136
【氏名又は名称】株式会社PFU
(74)【代理人】
【識別番号】100117075
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 剣太
(74)【代理人】
【識別番号】100113103
【弁理士】
【氏名又は名称】香島 拓也
(72)【発明者】
【氏名】室崎 幹雄
【審査官】 宮島 潤
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−333283(JP,A)
【文献】 実開平5−48460(JP,U)
【文献】 特開平3−295352(JP,A)
【文献】 特開2005−62312(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/04 − 1/207
H04N 1/00
H04N 5/64
H04N 5/66 − 5/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像読取対象である読取媒体を搬送しながら、前記読取媒体に対する画像の読み取りを行う携帯型画像読取装置が取り外し可能に収納される本体部と、
前記本体部に対して、前記本体部の長手方向周りに回動自在に支持されたカバー部と、
前記本体部に対して、前記カバー部を前記本体部に向かう方向である近接方向に回動させ、前記カバー部が前記本体部を覆った状態である閉塞状態で、前記カバー部を本体部に対して係止する係止部と、
を備え、
前記カバー部は、前記係止部による係止を解放した状態で、前記本体部に対して前記近接方向と反対方向である離間方向に回動することで展開状態となり、前記読取媒体の排出経路を形成し、
前記本体部は、前記長手方向周りに回動自在に支持された仕切板を有し、
前記仕切板は、前記本体部を前記携帯型画像読取装置が保持される第1収納部と、第2収納部とに区画し、かつ立位状態で前記第1収納部に保持される前記携帯型画像読取装置の排出口と対向することを特徴とする携帯型画像読取装置用ケース。
【請求項2】
請求項に記載の携帯型画像読取装置用ケースにおいて、
前記仕切板を前記離間方向に回動させる力を作用させる仕切板回動機構をさらに備える携帯型画像読取装置用ケース。
【請求項3】
請求項1または2に記載の携帯型画像読取装置用ケースにおいて、
前記本体部は、収納状態の前記携帯型画像読取装置に形成されている外部機器と電気的な接続を行う接続部と対向する位置に接続用穴が形成されている携帯型画像読取装置用ケース。
【請求項4】
請求項に記載の携帯型画像読取装置用ケースにおいて、
前記接続用穴に着脱自在に挿入される蓋部をさらに備える携帯型画像読取装置用ケース。
【請求項5】
請求項またはに記載の携帯型画像読取装置用ケースにおいて、
前記第1収納部は、収納状態の前記携帯型画像読取装置よりも長手方向に長く形成されており、
前記本体部の長手方向における両端部のうち、収納状態の前記携帯型画像読取装置に形成されている外部機器との電気的な接続を行う接続部側の端部と前記仕切板との間には、前記第1収納部と前記第2収納部とを連通する開口部が形成されている携帯型画像読取装置用ケース。
【請求項6】
請求項に記載の携帯型画像読取装置用ケースにおいて、
前記本体部は、接続部側の前記端部に、少なくとも第2収納部と連通する引き出し穴が形成されている携帯型画像読取装置用ケース。
【請求項7】
請求項1〜のいずれか1つに記載の携帯型画像読取装置用ケースにおいて、
前記カバー部を前記離間方向に回動させる力を作用させるカバー部回動機構をさらに備える携帯型画像読取装置用ケース。
【請求項8】
請求項1〜のいずれか1つに記載の携帯型画像読取装置用ケースにおいて、
収納状態の前記携帯型画像読取装置が前記本体部に対して移動することを規制する規制機構をさらに備える携帯型画像読取装置用ケース。
【請求項9】
請求項1〜のいずれか1つに記載の携帯型画像読取装置用ケースにおいて、
前記本体部に収納され、収納状態の前記携帯型画像読取装置に電力を供給するバッテリをさらに備える携帯型画像読取装置用ケース。
【請求項10】
請求項1〜のいずれか1つに記載の携帯型画像読取装置用ケースにおいて、
前記カバー部は、収納状態の前記携帯型画像読取装置が有する少なくとも前記携帯型画像読取装置により生成された読取媒体に対応する読取画像データを投射する投射装置の投射方向に位置できる部分に、前記読取画像データを表示するスクリーン面が形成されている携帯型画像読取装置用ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯型画像読取装置用ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
画像読取装置には、ユーザーが持ち運ぶことを前提とした携帯可能な携帯型画像読取装置がある。携帯型画像読取装置は、通常、鞄などに入れて持ち運ばれる。携帯型画像読取装置が鞄などにそのまま入れられて持ち運ばれると、携帯型画像読取装置に汚れや傷が付き、破損などが生じる虞がある。従って、これらを防止する目的から携帯型画像読取装置を収納できる専用のケースである携帯型画像読取装置用ケース(以下、単に「キャリーケース」と称する)が使用される場合がある(特許文献1参照)。キャリーケースは、上記目的を達成するために、携帯型画像読取装置の未使用時に主に使用されるものである。なお、携帯型画像読取装置とキャリーケースを一体化したものもある(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2005/0094216号明細書
【特許文献2】特許第3258448号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来のキャリーケースに収納された携帯型画像読取装置を使用する場合は、携帯型画像読取装置をキャリーケースから取り出し、携帯型画像読取装置を机などに設置して使用することができる状態とするとともに、キャリーケースを他の場所に片付けておくこととなる。例えば、電車やバスの中、駅や空港の待合室などにおいて、携帯型画像読取装置を使用する場合は、予め設置されている小さな机の上やユーザーの膝の上で使用することとなり、携帯型画像読取装置を使用できる場所の広さが限定されている。従って、携帯型画像読取装置をキャリーケースから取り出すことや、キャリーケースを片付けることが困難となる虞や、これらの行為をユーザーが煩わしく思う虞がある。また、携帯型画像読取装置では、画像読取対象である読取媒体を搬送する際に用いられるトレイ、特に携帯型画像読取装置から排出された読取媒体が載置される排紙トレイを有さない場合がある。この場合、携帯型画像読取装置から搬送された読取媒体は、携帯型画像読取装置が載置されている場所に排出されることとなる。従って、読取媒体が排出される場所の状態によって、読取媒体が安定して排出されない虞がある。例えば、読取媒体が排出される領域に物が存在する場合や、読取媒体が排出される領域の形状が読取媒体を引っ掛けやすい形状である場合などでは、読取媒体が安定して排出されないため、携帯型画像読取装置により読み取られた読取画像が歪む虞や、読取媒体に損傷を与える虞がある。
【0005】
本発明は、携帯型画像読取装置を使用する場所の状態に拘わらず、携帯型画像読取装置を簡単に使用できること、あるいは携帯型画像読取装置を安定して使用できることの少なくともいずれかを実現できる携帯型画像読取装置用ケースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、携帯型画像読取装置用ケースは、画像読取対象である読取媒体を搬送しながら、前記読取媒体に対する画像の読み取りを行う携帯型画像読取装置が取り外し可能に収納される本体部と、前記本体部に対して、前記本体部の長手方向周りに回動自在に支持されたカバー部と、前記本体部に対して、前記カバー部を前記本体部に向かう方向である近接方向に回動させ、前記カバー部が前記本体部を覆った状態である閉塞状態で、前記カバー部を本体部に対して係止する係止部と、を備え、前記カバー部は、前記係止部による係止を解放した状態で、前記本体部に対して前記近接方向と反対方向である離間方向に回動することで展開状態となり、前記読取媒体の排出経路を形成し、前記本体部は、前記長手方向周りに回動自在に支持された仕切板を有し、前記仕切板は、前記本体部を前記携帯型画像読取装置が保持される第1収納部と、第2収納部とに区画し、かつ立位状態で前記第1収納部に保持される前記携帯型画像読取装置の排出口と対向することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明にかかる携帯型画像読取装置用ケースは、携帯型画像読取装置を本体部に収納した状態で、携帯型画像読取装置により画像読取対象である読取媒体の読み取りを行うことができるので、携帯型画像読取装置を使用する場所の状態に拘わらず、携帯型画像読取装置を簡単に使用できることができ、携帯型画像読取装置を安定して使用できることの少なくともいずれかを実現できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態1に係る携帯型画像読取装置用ケースの外観図である。
図2図2は、実施形態1に係る携帯型画像読取装置用ケースの平面図である。
図3図3は、携帯型画像読取装置を収納した状態を示す図である。
図4図4は、携帯型画像読取装置用ケースの断面図である。
図5図5は、変形例2に係るキャリーケースの概略構成例を示す図である。
図6図6は、変形例3に係るキャリーケースの概略構成例を示す図である。
図7図7は、変形例4に係るキャリーケースの概略構成例を示す図である。
図8図8は、実施形態2に係る携帯型画像読取装置用ケースの外観図である。
図9図9は、携帯型画像読取装置を収納した状態を示す図である。
図10図10は、実施形態3に係る携帯型画像読取装置用ケースの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の実施形態により本発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの或いは実質的に同一のものが含まれる。また、下記の実施形態では、携帯型画像読取装置としてユーザーが携帯できるイメージスキャナについて説明するが本発明はこれに限定されるものではなく、複写機、ファクシミリ、文字認識装置などの画像読取対象である読取媒体をイメージセンサによりスキャンするもので、ユーザーが携帯できるものであればいずれであっても良い。
【0010】
〔実施形態1〕
図1は、実施形態1に係る携帯型画像読取装置用ケースの外観図である。図2は、実施形態1に係る携帯型画像読取装置用ケースの平面図である。図3は、携帯型画像読取装置を収納した状態を示す図である。図4は、携帯型画像読取装置用ケースの断面図である。なお、図4は、携帯型画像読取装置を収納した状態である携帯型画像読取装置用ケースの副走査方向と直交する平面における断面図である。
【0011】
実施形態1にかかる携帯型画像読取装置用ケース(以下、単に「キャリーケース」と称する)1−1は、図1に示すように、イメージスキャナ100を収納するケースである。ここで、イメージスキャナ100は、ユーザーの手差しにより、挿入口101から挿入された読取媒体を図示しない搬送部により、図示しないイメージセンサを有する撮像部まで搬送する。イメージスキャナ100は、搬送中の読取媒体を撮像部により読み取ることで、読取媒体に対応する読取画像データを生成し、読み取られた読取媒体を搬送部により排出口102から排出する。ここで、103は、イメージスキャナ100を外部機器、例えばパーソナルコンピュータや携帯端末などと電気的な接続を行うための接続部である。イメージスキャナ100は、接続部103と外部機器に形成された接続部とをインターフェースケーブルなどの接続ケーブルを介して電気的に接続することで、生成した読取画像データを外部端末に出力することができ、イメージスキャナ100を作動させるための電力を供給することができ、外部端末からの入力により読取媒体を読み取る際の動作設定などを変更することができる。
【0012】
キャリーケース1−1は、図1図4に示すように、本体部2と、カバー部3と、係止部4とを備える。
【0013】
本体部2は、イメージスキャナ100を収納するものである。本体部2は、収納部材21と、底部材22と、仕切板23とを有する。収納部材21は、例えば、ABS樹脂などの合成樹脂により形成されている。収納部材21は、底面部21aと、側面部21b,21cと、前面リブ21dと、後面リブ21e,21fとを有する。
【0014】
底面部21aは、イメージスキャナ100が本体部2に収納される際に、イメージスキャナ100が載置される部分であり、長方形状に形成されている。側面部21b,21cは、本体部2の長手方向、すなわちキャリーケース1−1の幅方向における底面部21aの両端部に形成されている。また、底面部21aは、長手方向における側面部21b,21cとの間の距離、すなわち第1収納部S1の長手方向における距離がイメージスキャナ100の幅と同じあるいはほぼ同じに設定されている。従って、側面部21b,21cは、本体部2に収納された状態、すなわち収納状態のイメージスキャナ100が本体部2に対して長手方向に移動することを規制する規制機構として機能する。これにより、収納状態のイメージスキャナ100により、読取媒体の読み取り時に、キャリーケース1−1に対するイメージスキャナ100の移動(長手方向における移動)を規制することができるので、収納状態のイメージスキャナ100により安定して読取媒体の読み取りを行うことができる。また、底面部21aは、切欠部21gが形成されている。切欠部21gは、前後方向の両端部のうち、後方向側の端部から前方向に形成されている。ここで、前後方向とは本体部2の長手方向および上下方向と直交する方向であり、前後方向のうち前面リブ21d側に向かう方向を前方向とし、後面リブ21e,21f側に向かう方向を後ろ方向とする。切欠部21gは、後面リブ21e,21fの間および後述するリブ21h,21iの間に形成されている。
【0015】
側面部21b,21cは、上下方向における底面部21aからの距離、すなわち後述する第1収納部S1の上下方向における距離がイメージスキャナ100の高さよりも長くなるように設定されている。ここで、上下方向とは本体部2の長手方向および前後方向と直交する方向であり、上下方向のうち底面部21a側に向かう方向を下方向とし、底面部21a側と反対側に向かう方向を上方向とする。また、側面部21b,21cは、長手方向において対向する内壁面から互いに向かう方向に突出するリブ21h,21iがそれぞれ形成されている。ここで、リブ21h,21iは、前後方向におけるリブ21h,21iと前面リブ21dとの間の距離、すなわち第1収納部S1の前後方向における距離が、イメージスキャナ100の奥行きと同じあるいはほぼ同じに設定されている。従って、側面部21b,21cおよび前面リブ21dは、収納状態のイメージスキャナ100が本体部2に対して前後方向に移動することを規制する規制機構として機能する。これにより、収納状態のイメージスキャナ100により、読取媒体の読み取り時に、キャリーケース1−1に対するイメージスキャナ100の移動(前後方向における移動)を規制することができるので、収納状態のイメージスキャナ100により安定して読取媒体の読み取りを行うことができる。
【0016】
また、側面部21bには、収納状態のイメージスキャナ100の接続部103と対向する位置に接続用穴21jが形成されている。接続用穴21jは、側面部21bを長手方向に貫通するものであり、イメージスキャナ100の接続部103に接続される接続ケーブルなどが挿入できる形状に形成されている。従って、イメージスキャナ100が本体部2に収納された状態で、接続部103に接続ケーブルを接続することができる。これにより、イメージスキャナ100を本体部2から取り出さずに、イメージスキャナ100と外部機器とを電気的に接続することができ、収納状態のイメージスキャナ100が読取媒体を読み取ることで生成された読取画像データを外部機器に出力することができる。また、イメージスキャナ100が有する記憶部に記憶された読取画像データをイメージスキャナ100が収納された状態のままで、外部機器に出力することもできる。なお、接続用穴21jは、収納状態のイメージスキャナ100の接続部103の位置に応じて形成されるものであり、側面部21bに限られず、本体部2のいずれの位置に形成されていても良い。また、キャリーケース1−1を使用するイメージスキャナ100が複数種類あり、各イメージスキャナ100において接続部103の位置が異なる場合は、接続用穴21jが各イメージスキャナ100の接続部103の位置に対応して複数形成されていても良い。
【0017】
ここで、接続用穴21jは、蓋部5を挿入することで閉塞される。蓋部5は、例えば弾性を有する合成樹脂やゴムなどで形成されており、挿入部5aと支持部5bとにより構成されている。挿入部5aは、接続用穴21jに挿入することで、接続用穴21jを閉塞する部分であり、接続用穴21jに対して着脱自在に形成されている。従って、収納状態のイメージスキャナ100と外部機器とを電気的に接続しない場合に、接続用穴21jを蓋部5により閉塞することで、接続部103がキャリーケース1−1の外部に露出することを抑制することができる。これにより、外部から埃やゴミなどが本体部2内部に進入し、接続部103に堆積することを抑制することができる。また、支持部5bは、本体部2に支持される部分であり、挿入部5aの後方向側の端部から後方向に突出して形成されている。支持部5bは、側面部21bの図示しない支持穴に挿入することで本体部2に支持される。従って、支持部5bは、接続用穴21jから外された蓋部5と本体部2とが離れることを抑制することができる。これにより、蓋部5を紛失することを抑制することができる。
【0018】
前面リブ21dは、前方向側から見た際に、U字形状に形成されており、底面部21aの前方向側の端部に形成されており、長手方向における両端部が側面部21b,21cと一体に形成されている。ここで、前面リブ21dは、前方向側から見た際に、収納状態のイメージスキャナ100の挿入口101と重なり合わないように形成されている。従って、本体部2にイメージスキャナ100が収納された状態で、読取媒体をユーザーが手差しにより挿入口101に挿入する際に、前面リブ21dが妨げとなることを抑制することができる。
【0019】
後面リブ21e,21fは、底面部21aの後方向側の端部で、長手方向における両端部に側面部21b,21cとそれぞれ一体に形成されている。ここで、後面リブ21e,21fは、後方向から見た際に、収納状態のイメージスキャナ100の排出口102と重なり合わないように形成されている。従って、後面リブ21e,21fは、本体部2にイメージスキャナ100が収納された状態で、搬送部により排出口102から排出された読取媒体が接触することを抑制できるので、搬送部により読取媒体を排出する際に妨げとなることを抑制することができる。
【0020】
底部材22は、収納部材21の底面部21aが固定されるものであり、仕切板23を有する。底部材22は、例えば、PVCシートなどの樹脂製シートに板紙などの芯材を積層し、芯材の露出する部分を布生地などの表面シートで被覆することで、表面シートと樹脂製シートとの間に芯材が挟まれた構造とし、長方形状に形成されている。本実施形態では、底部材22は、収納部材21に固定される面である裏面22aがPVCシートであり、反対側の面である表面22bが布生地で形成されている。底部材22は、収納部材21よりも前後方向における長さが長く設定されており、収納部材21に固定された状態で、前方向において収納部材21よりも突出する突出部22cが形成されている。
【0021】
仕切板23は、例えば、板紙などの芯材をPVCシートなどの樹脂製シートにより被覆し、長方形状に形成されている。仕切板23は、切欠部21gよりも長手方向の長さが短く設定されている。仕切板23は、切欠部21gに位置し、回動基準Aにおいて底部材22に対して長手方向周りに回動自在に支持されている。本実施形態では、回動基準Aは、仕切板23が上下方向に立っている状態である立位状態(図4参照)において、底部材22と対向する底面23aの前後方向の両端部のうち、後方向側の端部23cと、端部23bと対向する裏面22aとの間である。つまり、仕切板23は、本体部2に対して長手方向周りに回動自在に支持されている。具体的には、仕切板23が立位状態において、後方向の面である後面23cと底部材22の裏面22aとを変形自在なシート状のもの(例えば、樹脂製のシート)で連結する、あるいは、後面23cおよび裏面22aを一つの樹脂製シートで形成することで、仕切板23を底部材22に対して長手方向周りに回動自在に支持する。なお、仕切板23は、立位状態において、側面部21b,21cより上方向に突出しないように設定されている。ここで、仕切板23が立位状態となると、本体部2は2つの空間部に区画される。一方は仕切板23と前面リブ21dとの間に形成され、イメージスキャナ100を収納する第1収納部S1であり、他方は仕切板23と後面リブ21e,21fとの間に形成される第2収納部S2である。つまり、本体部2は、仕切板23を設けることで、第1収納部S1にイメージスキャナ100を収納できることのみならず、第2収納部S2にイメージスキャナ100に関連する周辺機器、例えば上述の接続ケーブルなどを収納することができる。従って、イメージスキャナ100に関連する接続ケーブルなどの周辺機器をキャリーケース1−1に収納することができるので、イメージスキャナ100をキャリーケース1−1に収納して持ち運ぶ際に、キャリーケース1−1に収納されていない周辺機器を鞄などに入れて別個に持ち運ぶことを抑制することができる。
【0022】
カバー部3は、本体部2を覆うことで、収納状態のイメージスキャナ100を覆うものである。カバー部3は、複数のパネル部材31,32,33とを有する。各パネル部材31〜33は、長手方向の長さが本体部2と同じあるいはほぼ同じとなるように形成されている。各パネル部材31〜33は、上記底部材22と同様に、例えば、PVCシートなどの樹脂製シートに板紙などの芯材を積層し、芯材の露出する部分を布生地などの表面シートで被覆することで、表面シートと樹脂製シートとの間に芯材が挟まれた構造とし、長方形状に形成されている。本実施形態では、各パネル部材31〜33は、本体部2と対向する面である裏面31a,32a、33aがPVCシートであり、反対側の面である表面31b,32b,33bが布生地で形成されている。
【0023】
パネル部材31は、カバー部3により本体部2を覆った状態である閉塞状態で、本体部2の後面リブ21e,21fと対向するものである。パネル部材31は、回動基準Bにおいて底部材22に対して長手方向周りに回動自在に支持されている。本実施形態では、回動基準Bは、パネル部材31の裏面31aの短手方向の両端部のうち、底部材22側の端部31cと、端部31cと対向する裏面22aの後方向側の端部22kとの間である。つまり、パネル部材31は、本体部2に対して長手方向周りに回動自在に支持されている。ここで、短手方向とは、長手方向と各パネル部材31〜33の厚さ方向と直交する方向である(図1における前後方向)。
【0024】
パネル部材32は、閉塞状態で、本体部2の側面部21b,21cの上方向側の端部と対向するものである。パネル部材32は、回動基準Cにおいてパネル部材31に対して長手方向周りに回動自在に支持されている。本実施形態では、回動基準Cは、パネル部材32の裏面32aの短手方向の両端部のうち、パネル部材31側の端部32cと、端部32cと対向する裏面31aの短手方向の両端部のうち、パネル部材32側の端部31dとの間である。つまり、パネル部材32は、パネル部材31を介して、本体部2に対して長手方向周りに回動自在に支持されている。
【0025】
パネル部材33は、閉塞状態で、本体部2の前面リブ21dと対向するものである。パネル部材33は、回動基準Dにおいてパネル部材32に対して長手方向周りに回動自在に支持されている。本実施形態では、回動基準Dは、パネル部材33の裏面33aの短手方向の両端部のうち、パネル部材32側の端部33cと、端部33cと対向する裏面32aの短手方向の両端部のうち、パネル部材33側の端部32dとの間である。つまり、パネル部材33は、パネル部材31,32を介して、本体部2に対して長手方向周りに回動自在に支持されている。つまり、カバー部3は、複数のパネル部材31〜33を回動基準B〜Dにおいて長手方向周りに回動自在に支持されていることで、本体部2に対して長手方向周りに回転自在に支持されていることとなる。
【0026】
係止部4は、カバー部3を本体部2に対して係止するものである。係止部4は、複数のパネル部材41、42と、第1係止部材43と、第2係止部材44と、おもり45とを有する。各パネル部材41,42は、長手方向の長さが本体部2に対して1/2〜1/3程度となるように形成されている。各パネル部材41,42は、上記底部材22と同様に、例えば、PVCシートなどの樹脂製シートに板紙などの芯材を積層し、芯材の露出する部分を布生地などの表面シートで被覆することで、表面シートと樹脂製シートとの間に芯材が挟まれた構造とし、長方形状に形成されている。本実施形態では、各パネル部材41,42は、本体部2と対向する面である裏面41a,42aがPVCシートであり、反対側の面である表面41b,42bが布生地で形成されている。
【0027】
パネル部材41は、上記閉塞状態後、カバー部3を本体部2に対して係止する状態である係止状態で、パネル部材33を介して本体部2の前面リブ21dと対向するものである。パネル部材41は、回動基準Eにおいて底部材22に対して長手方向周りに回動自在に支持されている。本実施形態では、回動基準Eは、パネル部材41の裏面41aの短手方向の両端部のうち、底部材22側の端部41cと、端部41cと対向する裏面22aの後方向側の端部22mとの間である。つまり、パネル部材41は、本体部2に対して長手方向周りに回動自在に支持されている。ここで、短手方向とは、長手方向とパネル部材41,42の厚さ方向と直交する方向である(図1における前後方向)。
【0028】
パネル部材42は、係止状態で、パネル部材32を介して本体部2の側面部21b,21cの上方向側の端部と対向するものである。パネル部材42は、回動基準Fにおいてパネル部材41に対して長手方向周りに回動自在に支持されている。本実施形態では、回動基準Fは、パネル部材42の裏面42aの短手方向の両端部のうち、パネル部材41側の端部42cと、端部42cと対向する裏面41aの短手方向の両端部のうち、パネル部材42側の端部41dとの間である。つまり、パネル部材42は、パネル部材41を介して、本体部2に対して長手方向周りに回動自在に支持されている。従って、係止部4は、複数のパネル部材41,42を回動基準E,Fにおいて長手方向周りに回動自在に支持されていることで、本体部2に対して長手方向周りに回動自在に支持されていることとなる。
【0029】
第1係止部材43および第2係止部材44は、カバー部3を本体部2に対して係止するためのものである。本実施形態では、第1係止部材43および第2係止部材44により面ファスナーを構成する。なお、第1係止部材43および第2係止部材44は面ファスナーに限られるものではなく、磁石および磁性体、例えばフック形状の部材とその受け部材などであっても良い。第1係止部材43は、パネル部材42の裏面42aに設けられている。第2係止部材44は、パネル部材32の表面32bに係止状態において第1係止部材と対向する位置に設けられている。
【0030】
おもり45は、パネル部材42の短手方向の両端部のうち、パネル部材41側と反対側の端部42dを覆い、かつ裏面42a、表面42bの一部を覆うように、パネル部材42に取り付けられている。
【0031】
次に、本実施形態1に係るキャリーケース1−1によるイメージスキャナ100の収納について説明する。まず、本体部2にイメージスキャナ100を収納する。ここでは、ユーザーにより、本体部2の第1収納部S1にイメージスキャナ100を載置する。ここで、収納状態のイメージスキャナ100の搬送方向は後ろ方向となり、読取媒体の排出方向も後ろ方向となる。次に、本体部2に、イメージスキャナ100とともに周辺機器200を収納する場合は、仕切板23を立位状態にして、第2収納部S2に周辺機器200を収納する。これにより、イメージスキャナ100と周辺機器200が本体部2に収納される。
【0032】
次に、本体部2にイメージスキャナ100および周辺機器200が収納された状態で、カバー部3を本体部2に向かう方向である近接方向に回動させ、カバー部3が本体部2を覆った状態である閉塞状態とする。具体的には、ユーザーにより、カバー部3のパネル部材31を回動基準Bにおいて、底部材22に対して近接方向に回動させ、本体部2の後面リブ21e,21fと対向させる。次に、パネル部材32を回動基準Cにおいて、本体部2の後面リブ21e,21fと対向している状態のパネル部材31に対して近接方向に回動させ、本体部2の側面部21b,21cの上方向側の端部と対向させる。次に、パネル部材33を回動基準Dにおいて、本体部2の側面部21b,21cの上方向側の端部と対向している状態のパネル部材32に対して近接方向に回動させ、本体部2の前面リブ21dと対向させる。このとき、パネル部材32は、裏面33aの短手方向の両端部のうち、パネル部材32側と反対側の端部33dが底部材22の突出部22cと上下方向において対向する。
【0033】
次に、カバー部3が閉塞状態で、係止部4によりカバー部3を本体部2に対して係止する。具体的には、ユーザーにより、係止部4のパネル部材41を回動基準Eにおいて、底部材22に対して近接方向に回動させ、閉塞状態のパネル部材33と対向させる。次に、パネル部材42を回動基準Fにおいて、閉塞状態のパネル部材33と対向している状態のパネル部材41に対して近接方向に回動させ、パネル部材32と対向させる。次に、第1係止部材43と第2係止部材44とを接触させることで、カバー部3を本体部2に対して係止することで、キャリーケース1−1にイメージスキャナ100および周辺機器200を収納する。
【0034】
次に、本実施形態1に係るキャリーケース1−1に収納された状態でイメージスキャナ100を使用する場合について説明する。まず、ユーザーにより、イメージスキャナ100および周辺機器200が収納されたキャリーケース1−1を使用する場所に載置する。次に、係止部4による係止を解放する。ここでは、ユーザーにより、接触している第1係止部材43と第2係止部材44との接触を離間する。そして、パネル部材42を回動基準Fにおいて、パネル部材41に対して近接方向と反対方向である離間方向に回動させるとともに、パネル部材41を回動基準Eにおいて、底部材22に対して離間方向に回動させることで、パネル部材41およびパネル部材42を展開状態とする。このとき、パネル部材42に取り付けられたおもり45により、展開状態のパネル部材41およびパネル部材42が近接方向に再度回動することを抑制することができる。これにより、パネル部材41およびパネル部材42が、前方向側から見た際に、収納状態のイメージスキャナ100の挿入口101と重なり合うことを抑制することができる。従って、本体部2にイメージスキャナ100が収納された状態で、読取媒体をユーザーが手差しにより挿入口101に挿入する際に、パネル部材41およびパネル部材42が妨げとなることを抑制することができる。
【0035】
次に、係止部4による係止を解放した状態で、カバー部3を本体部2に対して離間方向に回動することで展開状態とする。まず、パネル部材33を回動基準Dにおいて、パネル部材32に対して離間方向に回動させるとともに、パネル部材32を回動基準Cにおいて、パネル部材31に対して離間方向に回動させるとともに、パネル部材31を回動基準Bにおいて、底部材22に対して離間方向に回動させることで、カバー部3を展開状態とする。
【0036】
次に、本体部2から周辺機器200を取り出すとともに、仕切板23を立位状態から傾倒状態とする。具体的には、ユーザーにより、立位状態の仕切板23を回動基準Aにおいて、底部材22に対して離間方向に回動させることで、仕切板23を傾倒状態とする。これにより、仕切板23が排出口102から排出される読取媒体と接触することを抑制することができ、読取媒体を安定して排出することができる。
【0037】
次に、収納状態のイメージスキャナ100により読取媒体の読取動作を行う。具体的には、まず、ユーザーにより、蓋部5が外された接続用穴21jから取り出された周辺機器200のうち接続ケーブルを挿入し、接続ケーブルをイメージスキャナ100の接続部103に電気的に接続するとともに、外部機器に電気的に接続し、イメージスキャナ100に電力を供給する。次に、イメージスキャナ100を読取可能状態とし、挿入口101に読取媒体を手差しで挿入し、読取媒体の読み取りを開始する。読み取られた読取媒体は、排出口102から排出される。このとき、排出方向が後ろ方向であるので、排出された読取媒体は、展開されたカバー部3に沿って排出されることとなる。従って、カバー部3は、本実施形態では読取媒体を排出する排出経路を形成する。
【0038】
以上のように、本実施形態に係るキャリーケース1−1は、イメージスキャナ100を本体部2に収納した状態で、イメージスキャナ100により読取媒体の読み取りを行うことができる。従って、イメージスキャナ100をキャリーケース1−1から取り外す手間や、イメージスキャナ100を取り外したキャリーケース1−1の片付けなどが省略され、イメージスキャナ100を簡単に使用することができる。また、展開状態のカバー部3は、使用する場所を覆うことで排出経路を形成するので、イメージスキャナ100を使用する場所に拘わらず、イメージスキャナ100から排出された読取媒体は必ず展開状態のカバー部3に沿って排出される。これにより、使用する場所に影響を受けることなく、読取媒体を安定して排出することができるので、イメージスキャナ100を安定して使用することができる。
【0039】
〔変形例1〕
なお、上記実施形態において、仕切板23を本体部2に対して離間方向に回動させる力を作用させる仕切板回動機構を有していても良い。仕切板回動機構は、本実施形態では、仕切板23を回動基準Aにおいて底部材22に対して離間方向に回動させるものである。また、上記実施形態1において、カバー部3を本体部2に対して離間方向に回動させる力を作用させるカバー部回動機構を有していても良い。カバー部回動機構は、本実施形態では、パネル部材31を回動基準Bにおいて底部材22に対して離間方向に回動させるパネル部材回動機構、パネル部材32を回動基準Cにおいてパネル部材31に対して離間方向に回動させるパネル部材回動機構、パネル部材33を回動基準Dにおいてパネル部材32に対して離間方向に回動させるパネル部材回動機構である。また、パネル部材41,42を本体部2に対して離間方向に回動させる力を作用させるパネル部材回動機構を有していても良い。パネル部材回動機構は、本実施形態では、パネル部材41を回動基準Eにおいて底部材22に対して離間方向に回動させるもの、パネル部材42を回動基準Fにおいてパネル部材41に対して離間方向に回動させるものである。ここで、仕切板回動機構およびパネル部材回動機構は、一方の部材を回動基準において他方の部材に対して離間方向に回動させる力を発生するものであればいずれであっても良く、例えば板バネ、コイルバネ、弾性を有する合成樹脂部材などの弾性体を一方の部材と他方の部材との間に設けても良く、一方の部材と他方の部材とを一体の弾性を有する部材で形成しても良い。
【0040】
〔変形例2〕
なお、上記実施形態では、イメージスキャナ100は、底面部21aに載置するのみで、本体部2に収納するが本発明はこれに限定されるものではない。図5は、変形例2に係るキャリーケースの概略構成例を示す図である。本変形例では、同図に示すように、イメージスキャナ100と底面部21aとの間に規制機構6を設けても良い。規制機構6は、第1係止部材61と第2係止部材62とに構成される。第1係止部材61は、収納状態のイメージスキャナ100の底面部21aに設けられ、第2係止部材62は、底面部21aの収納状態のイメージスキャナ100に設けられている。本変形例では、第1係止部材61および第2係止部材62により面ファスナーを構成する。従って、第1係止部材61と第2係止部材62とが接触すると、収納状態のイメージスキャナ100が本体部2に対して長手方向、上下方向、前後方向に移動することを規制することができる。従って、カバー部3が展開している状態で、キャリーケース1−1が落下するなどがあっても、イメージスキャナ100が本体部2から離間することがないため、イメージスキャナ100の損傷を抑えることができる。なお、第1係止部材61および第2係止部材62は面ファスナーに限られるものではなく、磁石および磁性体、例えばフック形状の部材とその受け部材などであっても良い。
【0041】
〔変形例3〕
なお、上記実施形態において、本体部2から収納状態のイメージスキャナ100に電力を供給してもよい。図6は、変形例3に係るキャリーケースの概略構成例を示す図である。本変形例では、同図に示すように、底面部21aにバッテリ7を固定しておき、イメージスキャナ100が第1収納部S1に収納されると、イメージスキャナ100の電源コネクタ104と、バッテリ7の給電コネクタ71とが電気的に接続され、バッテリ7からイメージスキャナ100に電力を供給する。従って、イメージスキャナ100と外部機器とが接続ケーブルにより接続できない状態でも、イメージスキャナ100を作動させることができる。ここで、本体部2の側面部21bには、バッテリ7の充電コネクタ72と対向する位置に充電用穴21lが形成されている。充電用穴21lは、側面部21bを長手方向に貫通するものであり、バッテリ7の充電コネクタ72に接続される充電用ケーブルなどが挿入できる形状に形成されている。従って、イメージスキャナ100が本体部2に収納された状態で、充電コネクタ72に充電ケーブルを接続することができる。なお、上述の蓋部5と同様に、充電用穴に着脱自在に挿入される蓋部を有していても良い。
【0042】
〔変形例4〕
なお、上記実施形態において、カバー部3が収納状態のイメージスキャナ100から投射される読取画像を投影するスクリーン面を有していても良い。図7は、変形例4に係るキャリーケースの概略構成例を示す図である。本変形例では、同図に示すように、イメージスキャナ100は、投射装置105を備える。投射装置105は、イメージスキャナ100の図示しない制御部と接続されており、少なくともイメージスキャナ100により生成された読取媒体に対応する読取画像データを投射するものである。投射装置105は、収納状態のイメージスキャナ100の後方向側に設けられており、投射方向が後方向となるものである。カバー部3は、カバー部3を展開状態から近接方向に回動させることで、投射装置105の投射方向に位置できる部分、本実施形態では、カバー部3を展開状態から近接方向に回動させることで、パネル部材32の裏面32aに読取画像データを表示するスクリーン面34が形成されている。これにより、イメージスキャナ100により生成された読取画像データを外部機器に出力し、外部機器に表示させることなく、キャリーケース1−1で表示させることができる。従って、収納状態のイメージスキャナ100が外部から電力を供給されなくても作動する場合は、イメージスキャナ100を外部機器に接続することなく、読取媒体の読み取り、読み取り後の読取画像の確認を簡単に行うことができる。
【0043】
〔実施形態2〕
次に、実施形態2に係るキャリーケースについて説明する。図8は、実施形態2に係る携帯型画像読取装置用ケースの外観図である。図9は、携帯型画像読取装置を収納した状態を示す図である。実施形態2に係るキャリーケース1−2が実施形態1に係るキャリーケース1−1と異なる点は、カバー部3を閉塞状態とするとともに、係止部8によりカバー部3を本体部2に対して係止することができる点である。なお、実施形態2に係るキャリーケース1−2は、実施形態1に係るキャリーケース1−1と基本的構成、基本的動作がほぼ同一であるため、同一部分については簡略化あるいは省略する。
【0044】
係止部8は、第1係止部材81と第2係止部材82とに構成される。第1係止部材81は、本体部2の前方向側、すなわち前面リブ21dに設けられ、第2係止部材82は、カバー部3のパネル部材33の裏面33aに、カバー部3の閉塞状態において第1係止部材81と対向する位置に設けられている。本実施形態では、第1係止部材81および第2係止部材82により面ファスナーを構成する。なお、第1係止部材81および第2係止部材82は面ファスナーに限られるものではなく、磁石および磁性体、例えばフック形状の部材とその受け部材などであっても良い。イメージスキャナ100を本体部2に収納し、展開状態のカバー部3を閉塞状態とすると、第2係止部材82が第1係止部材81と対向し、接触するため係止部8によりカバー部3が本体部2に対して係止される。従って、係止部8は、カバー部3を閉塞状態とすることで、カバー部3を本体部2に対して係止する。以上のように、本実施形態に係るキャリーケース1−2は、実施形態1における作用効果とともに、簡単な操作で、イメージスキャナ100をキャリーケース1−2に収納することができる。
【0045】
〔実施形態3〕
次に、実施形態3に係るキャリーケースについて説明する。図10は、実施形態3に係る携帯型画像読取装置用ケースの平面図である。実施形態3に係るキャリーケース1−3が実施形態1に係るキャリーケース1−1と異なる点は、接続ケーブル201を接続した状態のイメージスキャナ100をキャリーケース1−3に収納することができる点である。なお、実施形態3に係るキャリーケース1−3は、実施形態1に係るキャリーケース1−1と基本的構成、基本的動作がほぼ同一であるため、同一部分については簡略化あるいは省略する。
【0046】
収納部材21は、側面部21b,21cと、側面部21b,21cまで存在する切欠部21gを有する。また、底面部21aは、長手方向における側面部21b,21cとの間の距離、すなわち第1収納部S1の長手方向における距離がイメージスキャナ100の幅、すなわち長手方向の距離よりも長く設定されている。つまり、第1収納部S1は、収納状態のイメージスキャナ100よりも長手方向に長く形成されている。また、底部材22には、仕切板24を有する。また、本体部2の長手方向における両端部のうち、収納状態のイメージスキャナ100の接続部103側の端部、本実施形態では、側面部21bと仕切板24との間には、第1収納部S1と第2収納部S2とが連通する開口部25が形成されている。つまり、仕切板24の立位状態においても、第1収納部S1と第2収納部S2とは、開口部25により連通した状態を維持する。さらに、側面部21bに、少なくとも第2収納部S2と連通する引き出し穴21mが形成されている。
【0047】
次に、本実施形態3に係るキャリーケース1−3によるイメージスキャナ100の収納について説明する。まず、本体部2にイメージスキャナ100を収納する。次に、本体部2に、イメージスキャナ100とともに周辺機器200を収納する場合は、仕切板24を立位状態にして、第2収納部S2に本実施形態では接続ケーブル201を収納する。このとき、接続ケーブル201の接続コネクタ202は、開口部25を介して、イメージスキャナ100の接続部103と予め接続しておく。これにより、イメージスキャナ100と周辺機器200が本体部2に収納される。
【0048】
次に、本体部2にイメージスキャナ100および周辺機器200が収納された状態で、カバー部3を本体部2に向かう方向である近接方向に回動させ、カバー部3が本体部2を覆った状態である閉塞状態とする。次に、カバー部3が閉塞状態で、係止部4によりカバー部3を本体部2に対して係止することで、キャリーケース1−3にイメージスキャナ100および周辺機器200を収納する。
【0049】
次に、本実施形態3に係るキャリーケース1−3に収納された状態でイメージスキャナ100を使用する場合について説明する。まず、ユーザーにより、イメージスキャナ100および周辺機器200が収納されたキャリーケース1−3を使用する場所に載置する。次に、係止部4による係止を解放する。次に、係止部4による係止を解放した状態で、カバー部3を本体部2に対して離間方向に回動することで展開状態とする。次に、引き出し穴21mから接続ケーブル201を引き出し、仕切板24を立位状態から傾倒状態とする。次に、引き出された接続ケーブル201の接続コネクタ203を外部機器と接続することで、イメージスキャナ100を外部機器と電気的に接続し、収納状態のイメージスキャナ100により読取媒体の読取動作を行う。
【0050】
以上のように、本実施形態に係るキャリーケース1−3は、本実施形態1における作用効果とともに、収納状態のイメージスキャナ100を使用するごとに、接続ケーブル201をイメージスキャナ100および外部機器に接続しないので、収納状態のイメージスキャナ100を使用できるようにするまでの準備時間を短縮することができる。
【0051】
なお、本実施形態においては、上記変形例2のように、イメージスキャナ100と底面部21aとの間に規制機構を設けることが好ましい。また、仕切板24がない場合は、接続ケーブル201を巻き取り式とし、本体部2の巻き取り時における接続コネクタ203と対向する位置に引き出し穴21mを設けても良い。
【0052】
なお、イメージスキャナ100の挿入口101あるいは排出口102の少なくともいずれか一方に開閉自在なトレイを有する場合、トレイと対向する部材、例えば仕切板23,24、カバー部3、係止部4のパネル部材41,42のいずれかの離間方向への回動動作により、トレイを開かせるトレイ連動機構を備えていても良い。
【0053】
実施形態1〜3、変形例1〜4は、それぞれ独立して説明したが、必要に応じて各実施形態1〜3、変形例1〜4の構成の一部を他の実施形態1〜3、変形例1〜4と適宜組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0054】
以上のように、本発明にかかる携帯型画像読取装置用ケースは、携帯型画像読取装置を収納するのに有用であり、特に、携帯型画像読取装置を使用する場所の状態に拘わらず、携帯型画像読取装置を簡単に使用できること、あるいは携帯型画像読取装置を安定して使用できることの少なくともいずれかを実現するのに適している。
【符号の説明】
【0055】
1−1,1−2,1−3 キャリーケース
2 本体部
21 収納部材
21j 接続用穴
21m 引き出し穴
22 底部材
23,24 仕切板
25 開口部
3 カバー部
31,32,33 パネル部材
34 スクリーン面
4 係止部
41,42 パネル部材
43 第1係止部材
44 第2係止部材
45 おもり
5 蓋部
6 規制機構
7 バッテリ
8 係止部
100 イメージスキャナ
101 挿入口
102 排出口
103 接続部
104 電源コネクタ
105 投射装置
200 周辺機器
201 接続ケーブル
202,203 接続コネクタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10