特許第5784311号(P5784311)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5784311継続的な熱供給を伴う三次元物体の生成的な製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5784311
(24)【登録日】2015年7月31日
(45)【発行日】2015年9月24日
(54)【発明の名称】継続的な熱供給を伴う三次元物体の生成的な製造方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 67/00 20060101AFI20150907BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20150907BHJP
【FI】
   B29C67/00
   B33Y10/00
【請求項の数】10
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-325(P2011-325)
(22)【出願日】2011年1月5日
(65)【公開番号】特開2011-140222(P2011-140222A)
(43)【公開日】2011年7月21日
【審査請求日】2013年11月6日
(31)【優先権主張番号】10 2010 004 036.3
(32)【優先日】2010年1月5日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】503267906
【氏名又は名称】イーオーエス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング イレクトロ オプティカル システムズ
(74)【代理人】
【識別番号】100077838
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 憲保
(74)【代理人】
【識別番号】100082924
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 修一
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス バウマン
【審査官】 井上 由美子
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2008/0131546(US,A1)
【文献】 特開2007−223192(JP,A)
【文献】 特表2010−509092(JP,A)
【文献】 特表2008−540173(JP,A)
【文献】 特表平08−502703(JP,A)
【文献】 特表2010−510099(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 67/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーム(1)と、
造形領域(6)を囲む前記フレーム(1)の上部(2)と、
前記フレーム(1)に配置され、リフト機構(4)により少なくとも前記造形領域(6)の下方において垂直移動可能な支持体(5)と、
前記造形領域(6)に存在する粉末材料(11)を選択的に焼結又は溶解するために、偏向手段(9)によって前記造形領域(6)における任意の位置に集中されるエネルギー放射線(8、8’)を生成する放射装置(7)と、
前記支持体(5)上又は前に塗工された粉末材料(11)の層上に粉末材料(11)の層を塗工する塗工装置(10)と、
少なくとも前記フレーム(1)と前記支持体(5)が配置され、造形空間を囲む筐体(100)と、並びに、
少なくとも造形領域環境又は造形空間に対して継続的に熱を供給する加熱装置(13、14、15、16)と、を備える装置を有し、
前記加熱装置(13、14、15、16)に加えて、前記造形領域(6)を加熱する追加的な加熱装置(81)が提供され、
前記追加的な加熱装置(81)は、前記塗工装置(10)により塗工された粉末層(11)を前記エネルギー放射線(8’)による焼結に必要な事前温度に加熱し、
前記加熱装置(13、14、15、16)は、三次元物体(3)の製造中において少なくとも前記造形領域環境又は前記造形空間に対して標準量の熱量を継続的に供給することを特徴とする三次元物体(3)の生成的な製造方法
【請求項2】
前記三次元物体の製造中、前記加熱装置(13、14、15、16)の熱量は一定に維持されることを特徴とする請求項1に記載の製造方法
【請求項3】
前記加熱装置(13、14、15、16)の放熱量は、前記追加的な加熱装置(81)の熱量より低いことを特徴とする請求項1又は2に記載の製造方法
【請求項4】
前記加熱装置(13、14、15、16)は、放熱器(13)、抵抗ヒータ(14、15)、加熱マット(16)、及び加熱灯の内の少なくとも一つを有することを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載の製造方法
【請求項5】
前記加熱装置(14)は、前記筐体(100)の壁の特定領域に又は環状に配置されることを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載の製造方法
【請求項6】
前記製造装置の前記フレーム(1)及び/又は前記筐体(100)と接触する平板(12)を更に備え、前記加熱装置(13、14、15、16)は前記平板(12)に対して継続的に熱を供給することを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載の製造方法
【請求項7】
前記加熱装置(13、14、15、16)は、前記造形領域(6)の角部に対して、前記造形領域(6)の他の部分よりもより多く熱供給することを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載の製造方法
【請求項8】
前記フレーム(1)は、前記製造装置に対してモジュール挿入可能及び取り外し可能な代替フレームであることを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載の製造方法
【請求項9】
加熱装置(13)は、前記造形領域(6)のアクティブな断熱材として機能し、前記造形領域(6)から前記造形領域環境及び前記造形空間外側への熱損失を補償することを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の製造方法。
【請求項10】
粉末材料(11)として合成プラスチック粉末を用いることを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載の製造方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、三次元物体を生成的に製造する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の既知のレーザ焼結装置は、その上縁において造形領域を囲むコンテナと、上記コンテナに配置され、少なくとも造形領域の下方においてリフト機構により垂直移動可能な支持体と、造形領域に存在する粉末材料を選択的に焼結又溶融するために、偏向手段により造形領域における任意の位置に集中されるエネルギービームを発生する放射装置と、粉末材料の層を支持体上や前に塗工された粉末材料の層上に塗工する塗工装置(コータ)とを備える。レーザ焼結装置は、塗工装置により塗工された粉末層を、レーザビームによる焼結処理に必要な事前温度まで加熱(予熱)する加熱手段を有する。特許文献1における加熱手段は、粉体床及び/又は造形領域上方の所定の位置に設置されたパイロメータ形状のセンサを有する。パイロメータの温度計測は、PID又はPIフィードバック制御器の実測値として用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】欧州特許第0764079号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記発明においては加熱手段が使用されているが、造形領域内で温度が不均一になる場合があり、そのため、物体の機械特性が不均一になることがある。
【0005】
上記点に鑑み、本発明は、製造される三次元物体の機械特性を改善可能な、三次元物体を生成的に(generatively)製造する装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的は、請求項1の特徴を有する三次元物体の生成的な製造装置により達成される。本発明の一態様は、フレームと、造形領域を囲む上記フレームの上部と、上記フレームに配置され、リフト機構により少なくとも上記造形領域の下方において垂直移動可能な支持体と、上記造形領域に存在する粉末材料を選択的に焼結又は溶解するために、偏向手段によって上記造形領域における任意の位置に集中されるエネルギービームを生成する放射装置と、上記支持体上又は前に塗工された粉末材料の層上に粉末材料の層を塗工する塗工装置と、少なくとも上記フレームと支持体が配置され、造形空間を囲む筐体と、並びに、少なくとも造形領域環境又は造形空間に対して継続的に熱を供給する加熱装置とを備える三次元物体を生成的に製造する装置に関する。本発明の更なる有利な改良は従属項の主題である。
【0007】
更なる有利な展開では、継続的な熱損失が継続的な熱供給により補償される。例えば、造形領域の上縁における熱損失は最小限に抑えられ、縁領域次第で温度分散の改善が可能となる。そのゆえ、プロセス安全な有効造形領域が拡張され、造形領域全体にわたる均一な熱供給と温度分散が実現される。
【0008】
本発明の更なる特徴及び目的は、添付図に基づく実施形態の詳細な説明に基づく。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1の実施形態による三次元物体の製造装置の概略図である。
図2図1による上記装置における加熱装置の構成図である。
図3】本発明の第2の実施形態による三次元物体の製造装置の概略図である。
図4】本発明の第3の実施形態による三次元物体の製造装置の概略図である。
図5】本発明の第4の実施形態による三次元物体の製造装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本発明の第1の実施形態による、レーザ焼結装置として例示的に具体化された三次元物体の製造装置の概略図を示す。
【0011】
レーザ焼結装置は上部に開口を有し、その内に支持体5を備えるフレーム1と、製造される三次元物体3を支持し、垂直移動可能な支持体5を備える。フレーム1は、上部2において造形領域6を囲む。好ましくは、フレーム1と支持体5は、レーザ焼結装置から取り外し可能且つ交換可能な代替フレームを形成する。支持体5は、実際に固化される粉末層の上側が造形領域6の面に置かれるように、少なくとも造形領域6の面の下方において支持体5を垂直移動するリフト機構4と連結する。ここでは、造形領域の面として上部2の上縁が位置するその面を考慮する。
【0012】
更に、粉末材料11の層を塗工する塗工装置10が提供される。粉末材料11として、全てのレーザ焼結可能な粉末が使用され得る。例えば、レーザ焼結可能なポリマーとして、ポリアリールエーテルケトン、ポリアリールエーテルスルホン、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリビニリデンフルオリド、ポリフェニレンオキシド、及びポリイミド、並びに上記ポリマーの少なくとも1つを含むコポリマー及び配合物などが挙げられるが、上記選択群は上述のポリマー及びコポリマーに制限されるものではない。粉末材料として特に好適なポリアリールエーテルケトンは、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトンケトン(PEEKK)及びポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)及びポリエーテルエーテルエーテルケトン(PEEEK)、並びに特にポリアリールエーテルスルホンなどの上記ポリマーの少なくとも1つを含むコポリマー及び配合物から成る群から選択され得る。特に好適なポリアミド−ポリマー又はコポリマー及びそれらの配合物は、ポリアミド6/6T、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド612、ポリアミド610、ポリアミド1010、ポリアミド1212、ポリアミドPA6T/66、PA4T/46及び上記ポリマーの少なくとも1つを含むコポリマー、並びにポリエーテルブロックアミド(例えばPEBAX(登録商標)系材料)等のポリアミドエラストマーから成る群から選択され得る。好適なポリエステルポリマー又はコポリマーは、ポリアルキレンテレフタレート(例えば、PET、PBT)及びそれらのコポリマーから選択され得る。好適なポリオレフィンポリマー又はコポリマーは、ポリエチレン及びポリプロピレンから成る群から選択され得る。好適なポリスチレンポリマー又はコポリマーは、シンジオタクチックポリスチレン及びイソタクチックポリスチレンから成る群から選択され得る。
【0013】
更に、フィラー及び/又は添加剤の他に、対応するポリマー、コポリマー、又は配合物を含むポリマーの混合粉末が使用可能である。そのようなフィラーとして、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、カーボンナノチューブを含む繊維、又は低いアスペクト比を有するフィラー(ガラスビーズ、アルミニウム顆粒等)又は二酸化チタン等の鉱物フィラー等のフィラーが使用され得る。さらに、加工性を改善するプロセス添加物、例えば、Aerosilシリーズの1つ(例えばAerosil 200)等の易流動性剤や、熱安定剤、酸化安定剤、顔料(グラファイト、カーボンブラック)のような他の機能性添加剤、又は有機リン酸エステル、ポリ臭素化炭化水素などの耐火性添加剤を使用してもよい。粉末材料11として、金属、セラミック、鋳物砂、及び複合材料が用いられ得る。金属含有粉末材料として、任意の金属、それらの合金、及び金属成分又は非金属成分の混合物が検討され得る。
【0014】
塗工装置10は、粉末材料11の層が所定の高さ単位で支持体5の上方及び/又は最後に固化された層の上方に沿うように、造形領域6の上方の所定の高さに移動される。さらに上記装置は、偏向手段9により造形領域6における任意の位置に集中されるレーザビーム8、8’を発生するレーザ7形状の放射装置を備える。従って、レーザビーム8、8’は、製造される物体3の横断面に対応する場所に粉末材料11を選択的に固化する。
【0015】
参照符号100は、フレーム1、支持体5、及び塗工装置10が配置される筐体を示している。筐体100は、レーザビーム8、8’用の入射口を上部領域に有する。好ましくは、筐体100は気密に形成されるため、不活性ガスを導入できる。以下では、筐体100の内部を「造形空間(building space)」と称する。さらに、本製造装置において制御装置40が提供され、制御装置40によって、造形処理を行うため及びレーザ7を用いるエネルギーの適用を制御するために本製造装置が協調的に制御される。
【0016】
本製造装置において、例えば上部2においてフレーム1と接触する及び/又は本製造装置の筐体100と接触する平板(plate)12が提供される。平板12と本製造装置の筐体100を用いて、フレーム1から吸収される熱が可能な限り少なくなるように、好ましくは、フレーム1と本製造装置の筐体100との間の距離は平板12の寸法によって選択される。
【0017】
さらに、本製造装置は、造形領域環境又は造形空間に対して継続的に熱を供給する加熱装置13を備える。以下において、上記用語「造形領域環境(building field environment)」とは、筐体100内の造形領域6と同じ面に沿い、造形領域6横方向に隣接し、また造形領域6と筐体100間に延びる範囲を示す。好ましくは、平板12はこの造形領域環境に配置される。このため、加熱装置13は平板12及び/又は平板12上方の造形空間を熱する。加熱装置13は、造形領域6のアクティブな断熱材として機能し、造形領域6から造形領域環境及び造形空間外側への熱損失を補償する。
【0018】
図1に示すように、本発明の第1の実施形態によると、加熱装置13は、好ましくは平板12の上方に配置された少なくとも一つの放熱器を備える。標準量の熱量が造形領域環境又は造形空間に対して継続的に供給されることがこの配置の目的である。また、加熱装置13は、レーザ焼結装置の他の領域に熱供給してもよい。しかしながら、加熱装置13が少なくとも造形領域環境又は造形空間に対して継続的に熱を供給することが本発明の本質である。加熱装置13により必要とされる熱供給は、造内温度に基づいて決定される。また、熱供給は、三次元物体3を生成的に製造する装置のために固定調整されることが好ましく、構成において装置は同一である。例えば、使用された粉末に対して固定値(例として170°C、180°C、及び190°Cの造内温度)が提供される。加熱装置13の放熱量は、三次元物体3の製造中に変更可能であるが、好ましくは一定に維持される。加熱装置13の放熱量はフィードバック制御されないことが好ましい。熱損失が造形領域6の角部で通常最大であるため、加熱装置13は、好ましくは造形領域環境の他の部分よりも造形領域6の角部近くの造形領域環境の範囲に対してより多くの熱を供給する。これは、加熱装置13の熱放射を造形領域6の角部に積極的に集中させたり、造形領域6の角部近くに加熱装置13を配置させたりすることで達成できる。
【0019】
また、例えば直線状の放熱器81形状の追加的な加熱装置81が、フレーム1上方の造形領域6及び/又は造形領域6に対して所定の距離を置いて配置される。そのような追加的な放熱器81は、欧州特許第0764079号などの先行技術により既知である。追加的な放熱器81は、塗工装置10により塗工された粉末層をレーザビーム8’による固化に必要な事前温度まで加熱する機能を果たす。ここで、通常放熱器は不連続的に動作する。つまり、造形領域に対する熱供給は時間変動する。このとき、各新たに塗工された粉末層は、レーザを用いる次の固形化処理前に処理温度にされる。
【0020】
塗工した粉末層の加熱は、図2に従い造形領域6及び/又はフレーム1の形状に適合して配置される少なくとも2つ、好ましくは4つの直線状の放熱器81により実行されることが実施形態に示されている。直線状の放熱器81は、同じく規定される、好ましくは造形領域6と並列な矩形又は正方形形状で規定される。放熱器81それぞれの各全長は、造形領域6の幅及び/又は放熱器81に覆われる造形領域6の直径におおよそ対応する。放熱器81と造形領域6の距離zは、例えば220mである。しかしながら、この距離は高さ調節装置により周辺の状態に合わせて変更できる。このため、調整される熱流に応じて、塗工される粉末層の上側において所定の温度が得られる。
【0021】
放熱器13は、図2に対応した追加的な放熱器81と同様の配置ができる。放熱器13は、内側に配置される放熱器81の周囲に外側リングを形成する。放熱器13の放熱量は、追加的な放熱器81の放熱量より小さい。放熱器13は追加的な放熱器81より非常に小さな寸法であるため、放熱器13は追加的な放熱器81より少ない熱を供給する。
【0022】
造形領域6の対称軸が放熱器配列の対称軸と一致するように、放熱器81は、好ましくは造形領域6の上方に配置される。つまり、正方形の造形領域6においては正方形の放熱器配列が選択され、また、矩形の造形領域6において矩形の放熱器配列が選択される。放熱器81の位置は較正(calibration)により測定される。造形領域6の上方の放熱器81の高さzと、造形領域6に対する放熱器81の角度は、ここでは手動で調整される。
【0023】
放熱器81は、放熱器81の放熱量をフィードバック制御するフィードバック制御手段(不図示)に接続される。これは、粉体床及び/又は造形領域6上方の所定位置に配置されたパイロメータ形状の非接触型測定温度検出器などのセンサ(不図示)により行われる。放熱器81の放熱量をフィードバック制御するために、例えば、PID制御器又はPI制御器形状の工業用フィードバック制御器が用いられる。制御経路は、PT1−要素(PT1-element)と称される。ここで、所定の急激な温度変化Pは遅れT1により得られる。放熱器81のフィードバック制御はPID制御器により実行される。このとき、制御パラメータは応答特性による既知の方法で決定される。
【0024】
放熱器81に加えて加熱装置13が使用されるため、放熱器81はより少ない熱損失を補償する必要があり、その結果、引用文献に比べて放熱器81に対する閉ループの精度が向上する。
【0025】
本製造装置の操作では、最初に、支持体の上側が造形領域6の面の下方に沿うまで、第1粉末層の所望の厚さ単位で、リフト機構4により支持体5が降下される。次に、塗工装置10によって第1の粉末材料11の層が支持体5上に塗工され、平らにされる。
【0026】
この新たに塗工された粉末は貯蔵コンテナ10からの低温粉末である。下層が強く冷却されないよう、新たな粉末層を非常に素早く加熱する必要がある。放熱器81から放出される熱放射が新たな粉末層の表面のみを加熱するため、層内の熱伝達によって粉末層全体が所望の温度に至るまでには一定時間掛かる。このために、放熱器81の放熱量は、例えばPID制御器によりフィードバック制御される。
【0027】
その後、制御装置40は、偏向レーザビーム8、8’が固化される粉末材料層の位置に選択的に影響を与えるように偏向手段9を制御する。従って、粉末材料11はそれらの位置で固化及び/又は焼結され、これにより三次元物体3がここで生成される。
【0028】
次に、支持体5は、次の層の所望の厚さ単位でリフト機構4により下降される。第2の粉末材料層は塗工装置10により塗工且つ平坦にされ、さらにレーザビーム8、8’により選択的に固化される。これらの手順は所望の物体3が製造されるまで繰り返される。
【0029】
有利なことに、加熱装置13による継続的な熱供給は、継続的な熱損失を補償し、その結果、造形領域6周辺における熱損失を最小化でき、周辺領域での優れた温度分散が可能となる。従って、プロセス安全な有効造形領域が拡張される。ゆえに、造形領域6全体にわたる均一な熱供給及び温度分散が実現できる。
【0030】
図3は、本発明の第2の実施形態による三次元物体の製造装置の概略図を示す。第2の実施形態では、加熱装置は、筐体100の壁の特定箇所に又は環状に配置された少なくとも一つの抵抗ヒータ14を備える。
【0031】
図4は、本発明の第3の実施形態による三次元物体の製造装置の概略図を示す。第3の実施形態では、加熱装置は平板12に又は平板12内に配置された少なくとも一つの抵抗ヒータ16を備える。
【0032】
図5は、本発明の第4の実施形態による三次元物体の製造装置の概略図を示す。第4の実施形態では、加熱装置は平板12に又は平板12内に配置された少なくとも一つの加熱マット15を備える。
【0033】
第2から第4の実施形態による製造装置の更なる構成及び操作は第1の実施形態と同様である。
【0034】
本発明による製造装置は、追加的な加熱装置により造形領域における粉末層の最上層の温度が固化に必要な処理温度を数°C下回る温度に予熱(事前加熱)されるレーザ焼結処理において特に適用可能である。レーザビーム8’による追加的な放射は粉末材料を固化するためのエネルギーの更なる適用を提供する。これは、粉末合成プラスチック材料の使用において特に適用される。
【0035】
本発明の技術的範囲は図示された実施形態に限られるものではなく、更なる変更、修正が採用可能であり、請求項により規定された技術的思想の範囲内に含まれる。
【0036】
例えば、本発明による装置はレーザ焼結に適用可能なだけでなく、材料及び/又は粉末材料がエネルギー放射により固化される各塗工された層に使用されるような、全ての粉末系生成方法に適用できる。エネルギー放射は必ずしもレーザビーム8’に限られず、電子ビームや、例えばレーザ以外の他の光源から放射されるものであってもよい。
【0037】
加熱装置は、放熱器、抵抗ヒータ、又は加熱マットにより形成されるものに限られず、例えば、加熱灯や赤外線放熱器により形成されてもよい。さらに、熱流体を筐体100又は平板12の領域に通過させることが同様に可能である。
【0038】
第1から第4の実施形態の加熱装置13、14、15、16は、それぞれ任意に組み合わせできる。
図1
図2
図3
図4
図5