特許第5784342号(P5784342)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5784342バルブ、バルブアタッチメントおよびエアゾール式消火器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5784342
(24)【登録日】2015年7月31日
(45)【発行日】2015年9月24日
(54)【発明の名称】バルブ、バルブアタッチメントおよびエアゾール式消火器
(51)【国際特許分類】
   A62C 13/76 20060101AFI20150907BHJP
   A62C 13/64 20060101ALI20150907BHJP
   B65D 83/14 20060101ALI20150907BHJP
【FI】
   A62C13/76 A
   A62C13/64
   B65D83/14
【請求項の数】3
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2011-74241(P2011-74241)
(22)【出願日】2011年3月30日
(65)【公開番号】特開2012-205805(P2012-205805A)
(43)【公開日】2012年10月25日
【審査請求日】2014年1月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000161437
【氏名又は名称】宮田工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098545
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100087745
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 善廣
(74)【代理人】
【識別番号】100106611
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 幸史
(74)【代理人】
【識別番号】100111006
【弁理士】
【氏名又は名称】藤江 和典
(74)【代理人】
【識別番号】100116241
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 一郎
(72)【発明者】
【氏名】津田 貴之
【審査官】 三宅 龍平
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3066073(JP,U)
【文献】 実開昭63−174856(JP,U)
【文献】 実開昭63−022946(JP,U)
【文献】 特開2009−022332(JP,A)
【文献】 特開2002−272868(JP,A)
【文献】 実開昭63−022947(JP,U)
【文献】 実開平05−058157(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A62C 13/76
A62C 13/64
B65D 83/14
B05B 9/04
F16K 1/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状カール部を備えた容器に用いられるものであり、ステムを収納するハウジングと、前記ハウジングと前記容器とを接続する接続部と、前記容器の内部の内容物を吐出する操作に用いるアクチュエータと、前記内容物を吐出する吐出孔と、前記ステムに形成されて前記吐出孔に連通するステム孔と、前記内容物の吐出時に前記ハウジングの内部と前記ステム孔とを連通する経路を備え、さらに、前記ハウジングの内部と前記容器の外部とを前記ステム孔を介さずに連通する計器用連通部を備え、前記接続部が、バルブ側ねじ部と前記容器に穴を開ける貫入部とシール部とを備えており、前記バルブ側ねじ部と容器側ねじ部とがはまり合うことにより、前記シール部が前記容器の接触面に接触した状態で、前記貫入部の開けた貫入穴を介して前記ハウジングの内部と前記容器の内部とを連通することを特徴とするバルブアタッチメント。
【請求項2】
環状カール部を備えた容器に用いられるものであり、ステムを収納するハウジングと、前記ハウジングと前記容器とを接続する接続部と、前記容器の内部の内容物を吐出する操作に用いるアクチュエータと、前記内容物を吐出する吐出孔と、前記ステムに形成されて前記吐出孔に連通するステム孔と、前記内容物の吐出時に前記ハウジングの内部と前記ステム孔とを連通する経路を備え、さらに、前記ハウジングの内部と前記容器の外部とを前記ステム孔を介さずに連通する計器用連通部を備え、前記容器に設けられている容器側バルブを押し下げる当接部を備えており、前記当接部により前記容器側バルブを押し下げた状態を保持して前記容器の内部と前記ハウジングの内部とを連通することを特徴とするバルブアタッチメント。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のバルブアタッチメントを備えていることを特徴とするエアゾール式消火器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアゾール缶等の容器に用いることのできるバルブ、バルブアタッチメント、および消火薬剤と噴射用ガスとを充填したエアゾール式消火器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
気化した液化ガスや圧縮ガスの圧力により液状・粉状の内容物を放出するエアゾール缶は、安価であることから種々の用途に用いられている。そして、エアゾール缶は、通常、内容物の放出を制御するためのバルブを備えている。エアゾール缶には、繰り返して使用されるものもあるが、消火器のように非常時に一回のみ使用されるものもある。このような一回のみの使用が予定されているエアゾール缶は、バルブを開いて内部の状態を確認することができない。そこで、容器の内部圧力を確認することを目的として、エアゾール式消火器の容器に直接計測機を取り付けたエアゾール式消火器が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】公開実用昭和58−9160号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、底面の中央に雌螺子を切った貫通口を設け、この貫通口にシール剤を介して計器の雄螺子を螺合することにより、圧力計を底面外側の凹部面内に取り付ける構成が開示されている。
しかし、エアゾール缶の内部状態を測定する計器をバルブに取り付ける技術はこれまで提案されていない。
そこで、本発明は圧力計などの計器を取り付け可能なバルブおよびバルブアタッチメントを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項に記載の本発明は、環状カール部を備えた容器に用いられるものであり、ステムを収納するハウジングと、前記ハウジングと前記容器とを接続する接続部と、前記容器の内部の内容物を吐出する操作に用いるアクチュエータと、前記内容物を吐出する吐出孔と、前記ステムに形成されて前記吐出孔に連通するステム孔と、前記内容物の吐出時に前記ハウジングの内部と前記ステム孔とを連通する経路を備え、さらに、前記ハウジングの内部と前記容器の外部とを前記ステム孔を介さずに連通する計器用連通部を備え、前記接続部が、バルブ側ねじ部と前記容器に穴を開ける貫入部とシール部とを備えており、前記バルブ側ねじ部と容器側ねじ部とがはまり合うことにより、前記シール部が前記容器の接触面に接触した状態で、前記貫入部の開けた貫入穴を介して前記ハウジングの内部と前記容器の内部とを連通することを特徴とする。ここで、「容器の外部」とは、バルブアタッチメントが容器に取り付けられた状態における容器の外側をいう。
請求項に記載の本発明は、環状カール部を備えた容器に用いられるものであり、ステムを収納するハウジングと、前記ハウジングと前記容器とを接続する接続部と、前記容器の内部の内容物を吐出する操作に用いるアクチュエータと、前記内容物を吐出する吐出孔と、前記ステムに形成されて前記吐出孔に連通するステム孔と、前記内容物の吐出時に前記ハウジングの内部と前記ステム孔とを連通する経路を備え、さらに、前記ハウジングの内部と前記容器の外部とを前記ステム孔を介さずに連通する計器用連通部を備え、前記容器に設けられている容器側バルブを押し下げる当接部を備えており、前記当接部により前記容器側バルブを押し下げた状態を保持して前記容器の内部と前記ハウジングの内部とを連通することを特徴とする。
【0006】
請求項に記載の本発明のエアゾール式消火器は、請求項1または請求項2に記載のバルブアタッチメントを備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明のバルブおよびバルブアタッチメントは、容器内の内容物の吐出に用いられるステムの他に、容器内部と連通しているハウジングの内部と容器の外部とを連通する連通部を備えている。このため、連通部に計器を取り付けることにより、バルブを開放することなく容器内部の状態を確認することができる。
また、本発明のバルブまたはバルブアタッチメントを用いることにより、エアゾール缶などの環状カール部を備えたエアゾール式消火器に、内部状態を確認するための計器を取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1の実施形態に係るバルブの概略を示す模式断面図
図2】本発明の第2の実施形態に係るバルブアタッチメントの概略を示す模式断面図
図3】本発明の第2の実施形態に係るバルブアタッチメントがエアゾール缶に取り付けられた状態の概略を示す模式断面図
図4】本発明の第3の実施形態に係るバルブアタッチメントの概略を示す模式断面図
図5】本発明の第3の実施形態に係るバルブアタッチメントがエアゾール缶に取り付けられた状態の概略を示す模式断面図
図6図5のバルブアタッチメントのアクチュエータが押えられた状態の概略を示す模式断面図
図7】環状カール部を備えた容器にバルブを取り付ける工程を説明する模式断面図
図8】環状カール部を備えた容器にバルブを取り付ける工程を説明する模式断面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1の実施形態)
本発明のバルブの第1の実施形態につき、図1図7および図8を参照して以下に説明する。
まず、図7および図8を参照して、環状カール部を備えた容器にバルブを取り付ける工程について説明する。
図7は、環状カール部を備えた容器にバルブを取り付ける工程を説明する模式断面図であり、(a)はバルブ10が環状カール部を備えた容器であるエアゾール缶30の所定位置に載置される前の状態を模式的に示し、(b)はバルブ10がエアゾール缶30の所定位置に載置された状態を模式的に示している。図7(a)に示すように、バルブ10のマウンティングカップ11の外縁には、エアゾール缶30の開口31の縁に設けられている環状カール部32とはまり合うように、環状カール部32に対応した形状の環状凹部12が形成されている。このため、図7(b)に示すように、バルブ10をエアゾール缶30の所定位置に載置することにより、環状カール部32が環状凹部12の内側に収められた状態で、エアゾール缶30の開口31をバルブ10により覆うことができる。
【0010】
図8は、図7に二点鎖線で示した領域Aを示しており、環状カール部を備えた容器にバルブを取り付ける工程を説明する断面図である。図8(a)に示すように、環状カール部32が環状凹部12の内側に収納された状態(図7(b)参照)において、マウンティングカップ11に型100を挿入する。そして、同図(b)に示すように、型100をマウンティングカップ11の外側すなわち環状凹部12側に移動させる。これにより環状凹部12と環状カール部32との隙間が無くなるように密着させること、すなわち、両者をかしめてエアゾール缶30をバルブ10で密封することができる。
【0011】
続いて、図1を参照して本実施形態のバルブ10の構造について説明する。図1は本実施形態のバルブの概略を示す模式断面図である。同図では、環状カール部32を備えたエアゾール缶30が本実施形態のバルブ10により密封されている状態を示している(図7図8参照)。
同図に示すように、本実施形態のバルブ10は、マウンテンカップ11、ハウジング13、ステム14、ステムガスケット15、弾性体16、アクチュエータ17、および計器用連通部18を備えている。
【0012】
マウンテンカップ11は、その縁の環状凹部12とエアゾール缶30の環状カール部32とがはまり合った状態で両者をかしめることにより、エアゾール缶30を密封するものである。マウンテンカップ11の中心には、ハウジング13が固定されている。そして、ハウジング13にはその一部がマウンテンカップ11から突出するようにステム14が設けられている。
【0013】
ハウジング13は筒状体でありその内部19に空間が形成されている。そして、内部19の長手方向に移動可能なステム14および弾性体16を備えている。ステム14は、弾性体16によりマウンテンカップ11から突出する方向(バルブ10がエアゾール缶30に固定された状態で、エアゾール缶30外部側となる側、以下、「上方」という。)への力が加えられている。このため、ステム14は、アクチュエータ17により下方への力が加えられていない状態では、コイルバネなどで構成される弾性体16による上方への力により所定位置に保持されている。この所定位置では、ステム14のステム孔20がステムガスケット15により閉塞される。このように、アクチュエータ17に力が加えられていない状態では、ハウジング13の内部19とステム孔20とがステムガスケット15により遮断されるから、エアゾール缶30の密閉が維持される。
【0014】
ステム14の上部は、マウンテンカップ11から突出しており、この突出した部分にアクチュエータ17が取り付けられている。アクチュエータ17には内部を貫通する吐出孔21が形成されており、アクチュエータ17の吐出孔21とステム14のステム孔20とは連通している。アクチュエータ17を押し下げると、弾性体16による上方への力に抗してステム14を下方(バルブ10がエアゾール缶30に固定された状態で、エアゾール缶30内部側となる側)に移動させることができる。これにより、ステムガスケット15が所定位置より下方に移動して、ステムガスケット15によるステム孔20の閉塞が解かれる。この結果、ステム14のステム孔20を介して、ハウジング13の内部19とアクチュエータ17の吐出孔21が連通され、エアゾール缶30内部の内容物がアクチュエータ17の吐出孔21から吐出される。
【0015】
バルブ10は、アクチュエータ17により内容物を吐出する経路となるステム孔20および吐出孔21に加えて、ハウジング13の長手方向に貫通する計器用連通部18を備えている。この計器用連通部18は、ハウジング13の内部19とエアゾール缶30の外部とを連通するものである。ここで、ハウジング13の内部19はエアゾール缶30の内部と連通されているから、内部19の状態(圧力など)は、エアゾール缶30内部と同様となっている。このため、計器用連通部18に計器22を接続することにより、エアゾール缶30内部の圧力を測定することができる。計器22としては、例えば圧力計などが挙げられるが、これに限られるものではなく、測定対象となるエアゾール缶30内部の状態を表示する種々の手段を用いることができる。
【0016】
本実施形態では、計器22を計器用連通部18とは別体のものとして構成し、バルブ10をエアゾール缶30に取り付けた後に計器22を計器用連通部18に取り付ける。これにより、バルブ10をエアゾール缶30に取り付ける際、計器用連通部18が型100(図8参照)と接触することを防止できる。なお、計器22をバルブ10と一体のものとして構成することも可能であるが、この場合、計器用連通部18をハウジング13から突出している部分を弾性体で構成することにより、型100との接触を避けることができる。
【0017】
以上のように、本実施形態のバルブ10は計器用連通部18を備えているから、この計器用連通部18にエアゾール缶30内部の状態を測定する計器22を取り付けることができる。したがって、バルブ10によりエアゾール缶30内部の密閉状態が保たれた状態のままでその内部の圧力などを測定し確認することが可能となる。
【0018】
(第2の実施形態)
本発明のバルブアタッチメントの第2の実施形態につき、図2および図3を参照して以下に説明する。本実施形態のバルブアタッチメントは、バルブが設けられていないエアゾール缶に取り付けられるものであり、マウンテンカップではなく接続部を介してエアゾール缶に取り付けられる点において、第1の実施形態として説明したバルブとは異なっている。本実施形態では、上述した実施形態で説明した部材と同一の機能を奏するものは同じ番号を付して説明を省略する。
【0019】
図2は本実施形態のバルブアタッチメントの概略を示す模式断面図であり、図3は本実施形態のバルブアタッチメントがエアゾール缶に取り付けられた状態の概略を示す模式断面図である。図2および図3に示すように、本実施形態のバルブアタッチメント40は、ハウジング41、ステム14、ステムガスケット15、弾性体16、アクチュエータ17、計器用連通部48を備えている。
【0020】
ハウジング41は、ステムガスケット15の上下に分割可能なハウジング41Aおよびハウジング41Bにより構成されている。ハウジング41Aとハウジング41Bとは、その間にステムガスケット15が配置された状態でねじ止めされている。
ハウジング41Bは接続部42を備えている。この接続部42は、エアゾール缶50のバルブ設置部52の外形に対応した凹形状とされており、バルブ側ねじ部43、貫入部44およびシール部45を備えている。また、エアゾール缶50のバルブ設置部52には、バルブ側ねじ部43とはまり合う容器側ねじ部53が設けられている。バルブ側ねじ部43と容器側ねじ部53とがはまり合うこと(螺合)により、接続部42とバルブ設置部52とを接続することができる。
【0021】
接続部42の内部には、エアゾール缶50のバルブ設置部52の上面54に穴を開けるための貫入部44を備えている。この貫入部44は、バルブ側ねじ部43と容器側ねじ部53とがはまり合う際、上面54に貫入穴55を開けるものである。この貫入穴55が形成される際、貫入穴55が形成される部分を取り巻くようにしてシール部45が上面54に接触した状態となっているから、エアゾール缶50とハウジング43とはシール部45によりシールされる。このため、エアゾール缶50の密閉性が確保された状態で、貫入部44によりこの貫入穴55が形成される。したがって、貫入手段44の形成した貫入穴55を介してエアゾール缶50内部とハウジング43の内部49とを、エアゾール缶50が密閉された状態で連通することができる。シール部45は、例えば、貫入部44を取り巻くように設けられたパッキンなどにより構成することができる。
【0022】
本実施形態のバルブアタッチメント40は、エアゾール缶50のバルブ設置部52に取り付けられるものである。このため、計器用連通部48は、ハウジング41の長手方向(上下方向)でなく、水平方向に伸びるように設けられている。これにより、例えば、計器22がその一端に取り付けられている計器管23を計器用連通部48にさしこむことにより、計器22をバルブアタッチメント40に取り付け、エアゾール缶50内部の状態を計測することができる。ただし、計器用連通部48は、ハウジング43の内部49とハウジング43の外側とを連通するものであればよく、その設けられる方向は水平方向に限定されない。
【0023】
(第3の実施形態)
本発明のバルブアタッチメントの第3の実施形態につき、図4図6を参照して、以下に説明する。本実施形態のバルブアタッチメントは、バルブを備えたエアゾール缶に取り付けられるものである点において、第2の実施形態と異なっている。なお、本実施形態においては、上述した実施形態で説明した部材と同一の機能を奏するものには同じ番号を付して説明を省略する。
【0024】
図4は、本実施形態のバルブアタッチメントの概略を示す模式断面図である。同図に示すように本実施形態のバルブアタッチメント60は、ハウジング61、ステム14、ステムガスケット15、弾性体16、アクチュエータ17、計器用連通部48を備えている。
【0025】
ハウジング61が分割可能である点はハウジング41と同様であるが、ハウジング61Bの構成がハウジング41Bとは異なっている。
ハウジング61Bに設けられている接続部62は、容器側バルブ80が設けられたエアゾール缶70のバルブ設置部72の凸状の外形に対応し、バルブ設置部72とはまり合う円筒状の凹形状とされている。そして、エアゾール缶70の設置部72をバルブアタッチメント60の接続部62に差し込んだ状態で、接続部62の端部63を内側にかしめて、バルブ設置部72の溝部73と密着させる。これにより、接続部62とバルブ設置部72とがはまり合った状態を維持して、バルブ60の接続部62とエアゾール缶70のバルブ設置部62とを接続することができる。
【0026】
図5は、本実施形態に係るバルブアタッチメントがエアゾール缶に取り付けられた状態の概略を示す模式断面図である。同図はバルブアタッチメント60がカバー90により覆われた状態を示している。同図に示すように、エアゾール缶70のバルブ設置部72に、バルブアタッチメント60の接続部62が接続された状態では、接続部62内の上方端面の当接部64により、容器側バルブ80のステム14が押し下げられた状態が維持される。これにより、エアゾール缶70の容器側バルブ80が開いた状態となり、エアゾール缶70の内部とバルブアタッチメント60の内部49とが連通される。このため、計測機用経路48に計器22を取り付け内部49の状態を測定して、エアゾール缶70内部の状態を確認することができる。
【0027】
当接部64には、容器側バルブ80のステム14の端部と当接する部分にシール部65が設けられている。このシール部65は、ステム14が押し下げられた状態において、エアゾール缶70内とハウジング61の内部49とを連通することができるよう、容器側バルブ80のステム14端部の形状に沿った、例えばドーナツ型の形状となっている。シール部65にはゴム製のパッキンなどを用いることができる。当接部64にシール部65を設けることにより、接続部42の密閉性を向上させることができる。
【0028】
図6は、図5のバルブアタッチメント60において、アクチュエータ17が押し下げられている状態の概略を示す模式断面図である。同図に示すように、アクチュエータ17を押し下げることによりステム14が下方に移動し、ステムガスケット15によるステム孔20の閉塞が解かれて、エアゾール缶70内部の薬剤などをアクチュエータ17の吐出孔21から放出することができる。
【0029】
以上のとおり、本発明のバルブおよびバルブアタッチメントを用いることにより、密封されているエアゾール缶の内部の状態を確認するための計器をバルブに取り付けることができる。このため、本発明のバルブおよびバルブアタッチメントは、バルブを開放することなくその内部状態を確認する必要があるエアゾール式消火器用として好適に用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は、エアゾール缶等の環状カール部を備えた容器用のバルブ、バルブアタッチメントとして用いることができ、エアゾール式消火器のように計器により内部状態を確認することが有効なものに用いることができる。
【符号の説明】
【0031】
14 ステム
13 41、61 ハウジング
18、48 計器用連通部(連通部)
30、50、70 エアゾール缶(容器)
32 環状カール部
42、62 接続部
43、バルブ側ねじ部
44 貫入部
45 シール部
54 接触面
55 貫入穴
64 当接部
80 容器側バルブ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8