特許第5784346号(P5784346)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5784346電子金券贈答装置、電子金券贈答方法および電子金券贈答プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5784346
(24)【登録日】2015年7月31日
(45)【発行日】2015年9月24日
(54)【発明の名称】電子金券贈答装置、電子金券贈答方法および電子金券贈答プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/06 20120101AFI20150907BHJP
【FI】
   G06Q20/06 120
【請求項の数】8
【全頁数】32
(21)【出願番号】特願2011-84927(P2011-84927)
(22)【出願日】2011年4月6日
(65)【公開番号】特開2012-221130(P2012-221130A)
(43)【公開日】2012年11月12日
【審査請求日】2014年4月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】302064762
【氏名又は名称】株式会社日本総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100104190
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 昭徳
(72)【発明者】
【氏名】滝浦 重輝
【審査官】 塩田 徳彦
(56)【参考文献】
【文献】 特表2005−521959(JP,A)
【文献】 特表2005−539327(JP,A)
【文献】 特開2007−141055(JP,A)
【文献】 特開2002−163581(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0010918(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 50/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の識別情報ごとに当該利用者のカードの利用額および利用限度額に関する情報を含む利用者情報を関連付けて記憶する利用者情報記憶手段と、
金券を購入する利用者(以下「第1の利用者」という)の識別情報と前記金券の購入額(以下「金券額」という)と前記金券を利用する利用者(以下「第2の利用者」という)を特定可能な情報との入力を受け付ける贈与情報受付手段と、
前記贈与情報受付手段が受け付けた情報に基づいて、前記利用者情報記憶手段が記憶する前記第1の利用者の当月の利用額に前記金券額を加算し、かつ、前記利用者情報記憶手段が記憶する前記第2の利用者の利用限度額に前記金券額を加算する利用者情報更新手段と、
前記第2の利用者のカードを用いた決済に際して、前記金券を利用するか否かを指定する情報の入力を受け付ける利用情報受付手段と、
前記利用情報受付手段が前記金券を利用する指定を受け付けた場合に、所定の請求期日において、前記利用者情報記憶手段が記憶する前記第2の利用者の利用限度額から前記金券額を減算するとともに前記第2の利用者の利用額から前記金券額を減算した額を請求し、
前記利用情報受付手段が前記金券を利用しない指定を受け付けた場合に、前記所定の請求期日において、前記第2の利用者の利用額を請求する請求処理手段と、
を備えたことを特徴とする電子金券贈答装置。
【請求項2】
前記利用者情報更新手段は、前記利用者情報記憶手段が記憶する前記第2の利用者の利用限度額に加算する前記金券額と当該金券額の前記金券の贈与元となる前記第1の利用者の識別情報とを関連付けて記憶し、
前記第2の利用者のカードを用いた決済に際して、前記利用者情報記憶手段が記憶する情報に基づいて、前記第2の利用者の識別情報に関連付けられた前記金券額と当該金券額の前記金券の贈与元となる前記第1の利用者に関する情報とを関連付けて報知する報知手段を備え、
前記利用情報受付手段は、前記報知手段が報知した結果、いずれの前記金券を利用するか否かを指定する情報の入力を受け付けることを特徴とする請求項に記載の電子金券贈答装置。
【請求項3】
前記報知手段は、前記第2の利用者の識別情報に関連付けられた前記金券額の前記金券によって当月の支払に利用可能な決済項目を報知することを特徴とする請求項2に記載の電子金券贈答装置。
【請求項4】
前記利用情報受付手段が前記金券を利用する指定を受け付けた場合に、利用する指定を受け付けた前記金券の贈与元となる第1の利用者の端末装置に対して当該金券が利用されたことを通知する通知手段を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の電子金券贈答装置。
【請求項5】
物理媒体で発行された金券(以下「既発行金券」という)に関する既発行金券情報の入力を受け付ける既発行金券情報受付手段と、
前記既発行金券情報受付手段が入力を受け付けた既発行金券情報を承認する承認情報の入力を受け付ける承認情報受付手段と、
前記承認情報受付手段が承認情報の入力を受け付けた場合に、当該承認情報によって承認された既発行金券情報に基づいて前記既発行金券の額を特定する金券額特定手段と、
を備え、
前記贈与情報受付手段は、前記金券額特定手段が特定した額を前記金券額とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の電子金券贈答装置。
【請求項6】
前記金券の利用にかかる優先度を指定する情報の入力を受け付ける優先指定受付手段を備え、
前記請求処理手段は、前記優先指定受付手段が受け付けた情報に基づいて、前記第2の利用者の利用額から優先度の高い前記金券の前記金券額を減算した額を請求することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の電子金券贈答装置。
【請求項7】
利用者の識別情報ごとに当該利用者のカードの利用額および利用限度額に関する情報を含む利用者情報を関連付けて記憶する利用者情報記憶手段を備えた電子金券贈答装置に用いる電子金券贈答方法であって、
金券を購入する利用者(以下「第1の利用者」という)の識別情報と前記金券の購入額(以下「金券額」という)と前記金券を利用する利用者(以下「第2の利用者」という)を特定可能な情報との入力を受け付ける贈与情報受付工程と、
前記贈与情報受付工程において受け付けた情報に基づいて、前記利用者情報記憶手段が記憶する前記第1の利用者の当月の利用額に前記金券額を加算し、かつ、前記利用者情報記憶手段が記憶する前記第2の利用者の利用限度額に前記金券額を加算する利用者情報更新工程と、
前記第2の利用者のカードを用いた決済に際して、前記金券を利用するか否かを指定する情報の入力を受け付ける利用情報受付工程と、
前記利用情報受付工程において前記金券を利用する指定を受け付けた場合に、所定の請求期日において、前記利用者情報記憶手段が記憶する前記第2の利用者の利用限度額から前記金券額を減算するとともに前記第2の利用者の利用額から前記金券額を減算した額を請求し、
前記利用情報受付工程において前記金券を利用しない指定を受け付けた場合に、前記所定の請求期日において、前記第2の利用者の利用額を請求する請求処理工程と、
を含んだことを特徴とする電子金券贈答方法。
【請求項8】
利用者の識別情報ごとに当該利用者のカードの利用額および利用限度額に関する情報を含む利用者情報を関連付けて記憶する利用者情報記憶手段を備えた電子金券贈答装置に実行させる電子金券贈答プログラムであって、
金券を購入する利用者(以下「第1の利用者」という)の識別情報と前記金券の購入額(以下「金券額」という)と前記金券を利用する利用者(以下「第2の利用者」という)を特定可能な情報との入力を受け付ける贈与情報受付工程と、
前記贈与情報受付工程において受け付けた情報に基づいて、前記利用者情報記憶手段が記憶する前記第1の利用者の当月の利用額に前記金券額を加算し、かつ、前記利用者情報記憶手段が記憶する前記第2の利用者の利用限度額に前記金券額を加算する利用者情報更新工程と、
前記第2の利用者のカードを用いた決済に際して、前記金券を利用するか否かを指定する情報の入力を受け付ける利用情報受付工程と、
前記利用情報受付工程において前記金券を利用する指定を受け付けた場合に、所定の請求期日において、前記利用者情報記憶手段が記憶する前記第2の利用者の利用限度額から前記金券額を減算するとともに前記第2の利用者の利用額から前記金券額を減算した額を請求し、
前記利用情報受付工程において前記金券を利用しない指定を受け付けた場合に、前記所定の請求期日において、前記第2の利用者の利用額を請求する請求処理工程と、
を前記電子金券贈答装置に実行させることを特徴とする電子金券贈答プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、金券の取り扱い性の向上を図る電子金券贈答装置、電子金券贈答方法および電子金券贈答プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
金券は、貨幣や補助貨幣ではないものの、貨幣に準じる形で流通している有価証券であって、たとえば、金券発行会社などによって、紙などの物理媒体の形態で発行される。従来、たとえば、商品券、図書カード、ビール券などのように、用途に応じた各種の金券があった。
【0003】
従来の金券のうち、たとえば、商品券は、百貨店や事業協同組合が、自己の取り扱う商品やサービスを、当該商品券の券面に記載した価額に達するまで給付する旨を約束して発行される。また、従来の金券のうち、たとえば、図書カードやビール券は、書籍や酒類(酒屋で取り扱っている商品)など、あらかじめ限定された使途で使用することができる。また、従来の金券のうち、たとえば、クレジットカード会社が発行するギフトカードのように、釣り銭を出さないものがあった。
【0004】
金券は、贈答品として購入され、贈答者から被贈答者に贈られることも多い。金券を購入する場合、金券の購入者は所望する金券を取り扱っている店舗に出向き、目的とする種類の金券を購入していた。
【0005】
具体的には、たとえば、金券の送り手側端末から送信された受け手の情報や金券額の情報に基づいて、金券を承認するか否かを受け手に対して問い合わせ、承認された場合には金券にIDを付与して受け手側端末に通知するとともに、付与されたIDを用いて受け手側端末が金券の契約ショップにアクセスして所望の商品を購入した場合には購入商品の代金を契約ショップからサーバを介して送り手の契約するクレジット会社に対して請求するようにした技術があった(たとえば、下記特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−229276号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した特許文献1に記載された技術は、金券の受け手が契約ショップにアクセスして所望の商品を購入するまで、送り手に対する請求がおこなわれない。このため、送り手となる利用者は、受け手が金券を利用するまで、あるいは金券が有効期限切れとなるまでの間、受け手が使用する可能性のある金額分の請求を考慮してカードを利用しなくてはならず、金券の贈答にかかる利便性に劣るという問題があった。
【0008】
また、上述したように、紙などの物理媒体の形態で発行される従来の金券は、決済時に携帯していなくてはならない。このため、利用者は、不意の決済に備えて、常に金券を携帯しなくてはならない。また、上述したように、金券は使途が限定されているため、金券を用いて購入する商品が決まっていない場合は、所有しているすべての種類の金券を携帯しなくてはならない。このように、従来の金券は、常に携帯していなくてはならないという煩わしさがあり、金券の利用にかかる利便性に劣るという問題があった。
【0009】
また、従来の金券は、常に携帯していなくてはならないという煩わしさに加えて、常に携帯することにより紛失したり盗難されたりする可能性が高くなる。このため、利用者は、携帯する金券に関して、金券の種類や枚数などに注意を払わなくてはならないという煩わしさがあり、金券の所持にかかる利便性に劣るという問題があった。
【0010】
また、従来の金券は、常に携帯していなくてはならないという煩わしさから、却って、携帯することを敬遠しがちとなって、使用機会を逸してしまうことがあった。このように、従来の金券は、利用者が所望する場面で使用することができない場合があり、金券の利用にかかる利便性に劣るという問題があった。
【0011】
また、従来の金券は、常に携帯していなくてはならないという煩わしさから、却って、携帯することを敬遠しがちとなって、保管したままとなっている金券が存在することがあった。このように、従来の金券は、所有してはいるものの有効に利用することができていないものも多く、金券の利用にかかる利便性に劣るという問題があった。
【0012】
また、従来の金券のうち、たとえばギフトカードのように釣り銭の出ない金券は、金券の利用可能額の全てを利用できないことがあった。このように、従来の金券は、金券の利用者あるいは当該利用者に金券を贈与する利用者が損をする場合があり、金券を最大限有効に活用することが難しいという問題があった。
【0013】
また、従来の金券は、金券ごとに使途が限定されているとともに発行されている種類に限りがあるため、金券を購入する利用者、購入した金券を第三者に贈与する利用者(贈与者)あるいは贈与された金券を受け取る利用者(受贈者)などの利用者の希望する商品やサービスの購入に当該金券を利用することができないことがあった。このように、従来の金券は、利用者が所望する商品やサービスの支払に利用することができない場合があり、金券の利用にかかる利便性に劣るという問題があった。
【0014】
また、従来の金券は、所定の販売場所まで出向かなくては購入することができない。このように、従来の金券は、入手するまで、あるいは、入手してから利用するまでの手続が煩わしく、金券の利用者(金券の贈与者あるいは当該金券の受贈者)の利便性に劣るという問題があった。
【0015】
また、従来の金券の場合、たとえば、当該金券を贈与した利用者(贈与者)は、受贈者による当該金券の使途が分からないため贈与した金券が受贈者によって有益であったのかどうかを確認しにくい。また、従来の金券の場合、贈与された金券を受け取る利用者(受贈者)は、当該金券を利用したことをリアルタイムで贈与者に伝えることが難しい。このため金券の贈与者に感謝の気持ちを伝える機会を逸してしまうことがあり、両者の間において気持ちを伝える仕組みが確立されていないという問題があった。
【0016】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、金券の利用にかかる利用者の利便性の向上を図ることができる電子金券贈答装置、電子金券贈答方法および電子金券贈答プログラムを提供することを目的とする。
【0017】
また、この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、金券を利用する利用者の利便性の向上を図ることができるとともに、当該金券の贈与者と受贈者との交流を深めることができる電子金券贈答装置、電子金券贈答方法および電子金券贈答プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明にかかる電子金券贈答装置は、利用者の識別情報ごとに当該利用者のカードの利用額および利用限度額に関する情報を含む利用者情報を関連付けて記憶する利用者情報記憶手段と、金券を購入する利用者(以下「第1の利用者」という)の識別情報と前記金券の購入額(以下「金券額」という)と前記金券を利用する利用者(以下「第2の利用者」という)を特定可能な情報との入力を受け付ける贈与情報受付手段と、前記贈与情報受付手段が受け付けた情報に基づいて、前記利用者情報記憶手段が記憶する前記第1の利用者の当月の利用額に前記金券額を加算し、かつ、前記利用者情報記憶手段が記憶する前記第2の利用者の利用限度額に前記金券額を加算する利用者情報更新手段と、所定の請求期日において、前記利用者情報記憶手段が記憶する前記第2の利用者の利用限度額から前記金券額を減算するとともに前記第2の利用者の利用額から前記金券額を減算した額を請求する請求処理手段と、を備えたことを特徴とする。
【0019】
また、この発明にかかる電子金券贈答装置は、上記の発明において、前記第2の利用者のカードを用いた決済に際して、前記金券を利用するか否かを指定する情報の入力を受け付ける利用情報受付手段を備え、前記請求処理手段は、前記利用情報受付手段が前記金券を利用する指定を受け付けた場合に、前記第2の利用者の利用限度額から前記金券額を減算するとともに前記第2の利用者の利用額から前記金券額を減算した額を請求することを特徴とする。
【0020】
また、この発明にかかる電子金券贈答装置は、上記の発明において、前記利用者情報更新手段が、前記利用者情報記憶手段が記憶する前記第2の利用者の利用限度額に加算する前記金券額と当該金券額の前記金券の贈与元となる前記第1の利用者の識別情報とを関連付けて記憶し、前記第2の利用者のカードを用いた決済に際して、前記利用者情報記憶手段が記憶する情報に基づいて、前記第2の利用者の識別情報に関連付けられた前記金券額と当該金券額の前記金券の贈与元となる前記第1の利用者に関する情報とを関連付けて報知する報知手段を備え、前記利用情報受付手段が、前記報知手段が報知した結果、いずれの前記金券を利用するか否かを指定する情報の入力を受け付けることを特徴とする。
【0021】
また、この発明にかかる電子金券贈答装置は、上記の発明において、前記利用情報受付手段が前記金券を利用する指定を受け付けた場合に、利用する指定を受け付けた前記金券の贈与元となる第1の利用者の端末装置に対して当該金券が利用されたことを通知する通知手段を備えたことを特徴とする。
【0022】
また、この発明にかかる電子金券贈答装置は、上記の発明において、物理媒体で発行された金券(以下「既発行金券」という)に関する既発行金券情報の入力を受け付ける既発行金券情報受付手段と、前記既発行金券情報受付手段が入力を受け付けた既発行金券情報を承認する承認情報の入力を受け付ける承認情報受付手段と、前記承認情報受付手段が承認情報の入力を受け付けた場合に、当該承認情報によって承認された既発行金券情報に基づいて前記既発行金券の額を特定する金券額特定手段と、を備え、前記贈与情報受付手段が、前記金券額特定手段が特定した額を前記金券額とすることを特徴とする。
【0023】
また、この発明にかかる電子金券贈答装置は、上記の発明において、前記金券の利用にかかる優先度を指定する情報の入力を受け付ける優先指定受付手段を備え、前記請求処理手段が、前記優先指定受付手段が受け付けた情報に基づいて、前記第2の利用者の利用額から優先度の高い前記金券の前記金券額を減算した額を請求することを特徴とする。
【0024】
また、この発明にかかる電子金券贈答方法は、利用者の識別情報ごとに当該利用者のカードの利用額および利用限度額に関する情報を含む利用者情報を関連付けて記憶する利用者情報記憶手段を備えた電子金券贈答装置に用いる電子金券贈答方法であって、金券を購入する利用者(以下「第1の利用者」という)の識別情報と前記金券の購入額(以下「金券額」という)と前記金券を利用する利用者(以下「第2の利用者」という)を特定可能な情報との入力を受け付ける贈与情報受付工程と、前記贈与情報受付工程において受け付けた情報に基づいて、前記利用者情報記憶手段が記憶する前記第1の利用者の当月の利用額に前記金券額を加算し、かつ、前記利用者情報記憶手段が記憶する前記第2の利用者の利用限度額に前記金券額を加算する利用者情報更新工程と、所定の請求期日において、前記利用者情報記憶手段が記憶する前記第2の利用者の利用限度額から前記金券額を減算するとともに前記第2の利用者の利用額から前記金券額を減算した額を請求する請求処理工程と、を含んだことを特徴とする。
【0025】
また、この発明にかかる電子金券贈答プログラムは、利用者の識別情報ごとに当該利用者のカードの利用額および利用限度額に関する情報を含む利用者情報を関連付けて記憶する利用者情報記憶手段を備えた電子金券贈答装置に実行させる電子金券贈答プログラムであって、金券を購入する利用者(以下「第1の利用者」という)の識別情報と前記金券の購入額(以下「金券額」という)と前記金券を利用する利用者(以下「第2の利用者」という)を特定可能な情報との入力を受け付ける贈与情報受付工程と、前記贈与情報受付工程において受け付けた情報に基づいて、前記利用者情報記憶手段が記憶する前記第1の利用者の当月の利用額に前記金券額を加算し、かつ、前記利用者情報記憶手段が記憶する前記第2の利用者の利用限度額に前記金券額を加算する利用者情報更新工程と、所定の請求期日において、前記利用者情報記憶手段が記憶する前記第2の利用者の利用限度額から前記金券額を減算するとともに前記第2の利用者の利用額から前記金券額を減算した額を請求する請求処理工程と、を前記電子金券贈答装置に実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
この発明にかかる電子金券贈答装置、電子金券贈答方法および電子金券贈答プログラムによれば、金券の利用にかかる利用者の利便性の向上を図ることができるという効果を奏する。
【0027】
また、この発明にかかる電子金券贈答装置、電子金券贈答方法および電子金券贈答プログラムによれば、金券を利用する利用者の利便性の向上を図ることができるとともに、当該金券の贈与者と受贈者との交流を深めることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】この発明にかかる実施の形態の電子金券贈答装置を備える電子金券贈答システムのシステム構成を示す説明図である。
図2】この発明にかかる実施の形態の電子金券贈答装置を実現するコンピュータ装置のハードウエア構成を示すブロック図である。
図3-1】クライアント端末装置を実現するコンピュータ装置のハードウエア構成を示すブロック図である。
図3-2】クライアント端末装置を実現する携帯型通信端末装置のハードウエア構成を示すブロック図である。
図4-1】決済端末装置のハードウエア構成を示すブロック図(その1)である。
図4-2】決済端末装置のハードウエア構成を示すブロック図(その2)である。
図5-1】この発明にかかる実施の形態の電子金券贈答装置が備える各種のデータベース例を示す説明図(その1)である。
図5-2】この発明にかかる実施の形態の電子金券贈答装置が備える各種のデータベース例を示す説明図(その2)である。
図5-3】この発明にかかる実施の形態の電子金券贈答装置が備える各種のデータベース例を示す説明図(その3)である。
図6-1】この発明にかかる実施の形態の電子金券贈答システムにおけるクライアント装置を実現するコンピュータ装置が備えるディスプレイの表示画面例を示す説明図(その1)である。
図6-2】この発明にかかる実施の形態の電子金券贈答システムにおけるクライアント装置を実現するコンピュータ装置が備えるディスプレイの表示画面例を示す説明図(その2)である。
図6-3】この発明にかかる実施の形態の電子金券贈答システムにおけるクライアント装置を実現するコンピュータ装置が備えるディスプレイの表示画面例を示す説明図(その3)である。
図6-4】この発明にかかる実施の形態の電子金券贈答システムにおけるクライアント装置を実現するコンピュータ装置が備えるディスプレイの表示画面例を示す説明図(その4)である。
図6-5】この発明にかかる実施の形態の電子金券贈答システムにおけるクライアント装置を実現するコンピュータ装置が備えるディスプレイの表示画面例を示す説明図(その5)である。
図7】この発明にかかる実施の形態の電子金券贈答装置の機能的構成を示す説明図である。
図8】この発明にかかる実施の形態の電子金券贈答システムにおける、電子金券贈答装置の処理手順を示すフローチャート(その1)である。
図9】この発明にかかる実施の形態の電子金券贈答システムにおける、電子金券贈答装置の処理手順を示すフローチャート(その2)である。
図10】この発明にかかる実施の形態の電子金券贈答システムにおける、電子金券贈答装置の処理手順を示すフローチャート(その3)である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる電子金券贈答装置、電子金券贈答方法および電子金券贈答プログラムの好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0030】
まず、この発明にかかる実施の形態の電子金券贈答システムのシステム構成について説明する。図1は、この発明にかかる実施の形態の電子金券贈答装置を備える電子金券贈答システムのシステム構成を示す説明図である。
【0031】
図1において、この発明にかかる実施の形態の電子金券贈答システム100は、電子金券贈答装置110と、クライアント端末装置120と、決済端末装置130と、を備えている。電子金券贈答システム100において、電子金券贈答装置110、クライアント端末装置120、決済端末装置130は、インターネットなどのネットワーク101に接続されている。電子金券贈答システム100において、電子金券贈答装置110とクライアント端末装置120、および、電子金券贈答装置110と決済端末装置130は、ネットワーク101を介して通信可能に接続されている。
【0032】
電子金券贈答装置110は、たとえば、パーソナルコンピュータなどのコンピュータ装置によって実現することができ、電子金券の発行にかかる各種の処理やカードを用いた決済(カード決済)処理などをおこなう。電子金券贈答装置110は、利用者情報データベース、利用情報データベース、金券情報データベースなどの各種のデータベースを備えている。電子金券贈答装置110を実現するコンピュータ装置および各種のデータベースについては説明を後述する(図2図5−1、図5−2および図5−3を参照)。
【0033】
クライアント端末装置120は、たとえば、利用者の入力操作を受け付ける入力操作部や、ディスプレイなどを備えたパーソナルコンピュータなどのコンピュータ装置によって実現することができる(図3−1、図3−2を参照)。クライアント端末装置120を実現するコンピュータ装置については、説明を後述する。決済端末装置130は、カード決済機能を備え、CAFISやINFOX−NETなどの決済用のネットワークを介して、インターネットなどのネットワーク101に接続されている。決済端末装置130は、それぞれ、電子金券贈答装置110との間で、ネットワーク101を介した通信が可能とされている。
【0034】
電子金券贈答システム100において、決済端末装置130は、クレジットカードなどのカードを用いた決済(以下「カード決済」という)にかかる各種の処理をおこなうことができる。決済端末装置130は、カード決済にかかる各種の処理の実行に際して、電子金券贈答装置110との間で通信をおこなう。また、決済端末装置130は、利用者と電子金券贈答システム100とのインターフェースをつかさどる。
【0035】
決済端末装置130は、具体的には、たとえばCAT(Credit Authorization Terminal)端末などのカードの信用照会端末や、INFOX端末などの多機能決済端末などの決済端末装置130によって実現することができる。決済端末装置130は、電話回線の他、所定のネットワークを介してインターネットに接続可能とされている。また、決済端末装置130は、POS端末に接続され、あるいはPOS端末に一体に組み込まれ、POS端末を介してネットワーク101に接続されていてもよい。
【0036】
(コンピュータ装置のハードウエア構成)
つぎに、電子金券贈答装置110を実現するコンピュータ装置のハードウエア構成について説明する。図2は、この発明にかかる実施の形態の電子金券贈答装置110を実現するコンピュータ装置のハードウエア構成を示すブロック図である。
【0037】
図2において、コンピュータ装置は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、HDD(ハードディスクドライブ)204と、HD(ハードディスク)205と、FDD(フロッピー(登録商標)ディスクドライブ)206と、着脱可能な記録媒体の一例としてのFD(フロッピーディスク)207と、ネットワークI/F(インターフェース)208と、を備えている。また、コンピュータ装置が備える各部201〜208は、バス209によってそれぞれ接続されている。
【0038】
CPU201は、コンピュータ装置全体の制御をつかさどる。ROM202は、ブートプログラムなどのプログラムを記憶している。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用される。HDD204は、CPU201の制御にしたがってHD205に対するデータのリード/ライトを制御する。HD205は、HDD204の制御で書き込まれたデータを記憶する。
【0039】
FDD206は、CPU201の制御にしたがってFD207に対するデータのリード/ライトを制御する。FD207は、FDD206の制御で書き込まれたデータを記憶する。着脱可能な記録媒体として、FD207の他、CD−ROM(CD−RW)、MO、DVD(Digital Versatile Disk)などであってもよい。
【0040】
ネットワークI/F208は、通信回線を通じてネットワーク101に接続され、ネットワーク101を介してクライアント端末装置120などの外部装置に接続される。そして、ネットワークI/F208は、ネットワーク101と内部とのインターフェースをつかさどり、コンピュータ装置からのデータの入出力を制御する。
【0041】
(クライアント端末装置120のハードウエア構成(その1))
つぎに、クライアント端末装置120を実現するコンピュータ装置のハードウエア構成について説明する。図3−1は、クライアント端末装置120を実現するコンピュータ装置のハードウエア構成を示すブロック図である。
【0042】
図3−1において、クライアント端末装置120を実現するコンピュータ装置は、CPU301と、ROM302と、RAM303と、HDD304と、HD305と、FDD306と、着脱可能な記録媒体の一例としてのFD307と、ディスプレイ308と、キーボード309と、マウス310と、スキャナ311と、ネットワークI/F312と、を備えている。また、各構成部はバス313によってそれぞれ接続されている。
【0043】
ここで、CPU301は、コンピュータ装置全体の制御をつかさどる。ROM302は、ブートプログラムなどのプログラムを記憶している。RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用される。HDD304は、CPU301の制御にしたがってHD305に対するデータのリード/ライトを制御する。HD305は、HDD304の制御で書き込まれたデータを記憶する。
【0044】
FDD306は、CPU301の制御にしたがってFD307に対するデータのリード/ライトを制御する。FD307は、FDD306の制御で書き込まれたデータを記憶する。着脱可能な記録媒体として、FD307の他、CD−ROM(CD−RW)、MO、DVD(Digital Versatile Disk)などであってもよい。
【0045】
ディスプレイ308は、カーソル、アイコン、ツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などのデータに関するウインドウ(ブラウザ)を表示する。また、ディスプレイ308は、利用明細の確認にかかる各種の表示画面(図6−1、図6−2、図6−3、図6−4および図6−5を参照)を表示する。具体的には、ディスプレイ308は、たとえば、TFT液晶ディスプレイ、有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイなどによって実現することができる。
【0046】
キーボード309は、文字、数値、各種指示などの入力のためのキーを備え、データ入力をおこなう。マウス310は、カーソルの移動や範囲選択、あるいはウインドウの移動やサイズの変更などをおこなう。ポインティングデバイスとして同様の機能を備えるものであれば、マウス310に代えてあるいは加えてトラックボール、ジョイスティックなどであってもよい。
【0047】
スキャナ311は、画像を光学的に読み取る。ネットワークI/F312は、通信回線を通じてネットワークに接続され、ネットワークを介して電子金券贈答装置110などの外部装置に接続される。そして、ネットワークI/F312は、ネットワークと内部とのインターフェースをつかさどり、クライアント端末装置120からのデータの入出力を制御する。
【0048】
(クライアント端末装置120のハードウエア構成(その2))
つぎに、クライアント端末装置120を実現する携帯型通信端末装置のハードウエア構成について説明する。図3−2は、クライアント端末装置120を実現する携帯型通信端末装置のハードウエア構成を示すブロック図である。図3−2において、携帯型通信端末装置は、CPU321と、ROM322と、RAM323と、ディスプレイ324と、キーボード325と、通信I/F326と、カメラ327と、マイク328と、スピーカ329と、を備えている。また、各構成部はバス320によってそれぞれ接続されている。また、クライアント端末装置120を実現する携帯型通信端末装置は、テキストデータや画像などを記憶するメモリ(図示を省略する)を備えていてもよい。
【0049】
CPU321は、携帯型通信端末装置全体の制御をつかさどる。ROM322は、ブートプログラムなどのプログラムを記憶している。RAM323は、CPU321のワークエリアとして使用される。ディスプレイ324は、設定中のモード(マナーモードやドライブモードなど)や電波の受信状態を示す各種のマーク、アイコンあるいはツールボックスなどを表示し、主にTFT液晶ディスプレイなどの液晶ディスプレイによって実現される。
【0050】
キーボード325は、文字、数値、各種指示などの入力のためのキーを備え、データ入力をおこなう。通信I/F326は、通信回線を通じてネットワークに接続され、ネットワークと携帯型通信端末装置の内部とのインターフェースをつかさどる。通信I/F326はネットワークを介して別の携帯型通信端末装置やコンピュータ装置との間におけるデータの入出力を制御する。
【0051】
カメラ327は、キーボード325の操作によって撮像対象を撮像し、画像データを生成する。生成された画像データはRAM323などに記憶される。マイク328は利用者の声をアナログ/デジタル変換した音声データを入力し、スピーカ329は通話相手側から送信された音声データをデジタル/アナログ変換した音声を出力する。
【0052】
(決済端末装置130のハードウエア構成)
つぎに、決済端末装置130のハードウエア構成について説明する。図4−1および図4−2は、決済端末装置130のハードウエア構成を示すブロック図である。図4−1においては、カード決済に特化した機能を備えた決済端末装置130のハードウエア構成を示している。図4−2においては、カード決済機能を備えたPOS端末によって実現される決済端末装置130のハードウエア構成を示している。
【0053】
図4−1において、カード決済に特化した機能を備えた決済端末装置130は、CPU411と、ROM412と、RAM413と、ディスプレイ414と、キーボード415と、ネットワークI/F416と、ブザー417と、カードリーダ418と、プリンタ419と、を備えている。また、決済端末装置130が備える各部411〜419は、バス420によってそれぞれ接続されている。
【0054】
CPU411は、決済端末装置130全体の制御をつかさどる。ROM412は、カード決済に際して実行させる各種のプログラムなどを記憶している。RAM413は、CPU411のワークエリアとして使用される。CPU411は、カード決済に際して、ネットワークI/F416を介してサーバ110との間で通信をおこなう。
【0055】
キーボード415は、カード決済をおこなう店舗の店員などによるカード決済にかかる各種の入力操作を受け付けたり、カードの所有者による暗証番号の入力操作を受け付けたりする。キーボード415は、入力された情報をCPU411に出力する。ディスプレイ414は、たとえば液晶パネルを備えた表示装置によって実現することができる。ディスプレイ414を実現する液晶パネルは、定型メッセージ、数字、記号などを表示することができる。また、ディスプレイ414を実現する液晶パネルは、7セグメント方式のディスプレイであってもよい。
【0056】
ブザー417は、決済端末装置130においてエラーが発生した場合などに所定のブザー音声を出力する。ブザー417としては、たとえば圧電ブザー、電子ブザー、電磁ブザーなど公知の各種のブザーを用いることができる。カードリーダ418は、カードを用いた決済において、カードに記録されたデータを読み出す。カードは、ICチップを備えたタイプであってもよいし、磁気テープを備えたタイプであってもよい。
【0057】
プリンタ419は、伝票用紙に対して決済の内容などを印字する印字処理をおこなう。プリンタ419は、たとえば複写が可能な伝票用紙に対する印字が可能なインパクトドットプリンタなどを用いることができる。プリンタ419は、インパクトドットプリンタに限るものではなく、サーマルプリンタ、レーザプリンタ、インクジェットプリンタなど公知の各種の印字方式のプリンタによって実現することができる。プリンタ419は、伝票用紙を保持する用紙保持機構、伝票用紙に対して印字をおこなうプリンタヘッドなどを備えて構成されている。
【0058】
図4−2において、カード決済機能を備えたPOS端末によって実現される決済端末装置130は、CPU421と、ROM422と、RAM423と、HDD424と、HD425と、ディスプレイ426と、タッチパネル427と、キーボード428と、バーコードスキャナ429と、プリンタ430と、ドロワ開放装置431と、ネットワークI/F432と、スピーカー433と、カードリーダ434と、を備えている。また、決済端末装置130が備える各部421〜434は、バス435によってそれぞれ接続されている。
【0059】
CPU421は、カード決済機能を備えたPOS端末によって実現される決済端末装置130全体の制御をつかさどる。ROM422は、カード決済時、商品の売り上げ登録時あるいは売り上げの精算時などに実行させる各種のプログラムなどを記憶している。RAM423は、CPU421のワークエリアとして使用される。CPU421は、たとえばカード決済に際して、ネットワークI/F432を介してサーバ110との間で通信をおこなう。
【0060】
カード決済機能を備えたPOS端末によって実現される決済端末装置130は、サーバ110との間で直接通信をおこなうことができる。また、カード決済機能を備えたPOS端末によって実現される決済端末装置130は、店舗ごとあるいはグループごとに設けられたサーバコンピュータを介して、サーバ110との間で通信をおこなってもよい。
【0061】
HDD424は、CPU421の制御にしたがって、HD425に対するデータのリード/ライトを制御する。HDD424は、HD425の制御によって書き込まれたデータを記憶する。具体的には、HD425は、たとえば商品マスタファイルや売り上げファイルなどを記憶している。カード決済機能を備えたPOS端末によって実現される決済端末装置130における商品マスタファイルや売り上げファイルについては公知であるため説明を省略する。
【0062】
ディスプレイ426は、たとえば液晶パネルを備えた表示装置によって実現することができる。ディスプレイ426は、カーソル、アイコン、ツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などのデータに関するウインドウ(ブラウザ)を表示する。カード決済機能を備えたPOS端末によって実現される決済端末装置130は、店員側に情報を表示するディスプレイ426と、顧客(カードの所有者)側に情報を表示するディスプレイ426とのように、1台あたり複数のディスプレイ426を備えていてもよい。
【0063】
タッチパネル427は、ディスプレイ426に積層され、操作位置に応じた信号をCPU421に対して出力する。タッチパネル427は、たとえば抵抗膜方式や静電容量方式、音響パルス認識方式、超音波表面弾性波方式、赤外遮光方式、画像認識方式など公知の各種の方式のものを用いることができる。キーボード428は、文字、数値、各種指示などの入力のためのキーを備え、操作されたキーに応じた信号をCPU421に対して出力する。
【0064】
バーコードスキャナ429は、商品に付されたバーコードや2次元コードなどを光学的に読み取ることが可能な光学式マーク認識装置(OMR:Optical Mark RecognitionもしくはOptical Mark Reader)によって実現することができる。バーコードスキャナ429は、LEDなどの光源、光源からの光を走査させるポリゴンミラー、読み取り対象物からの反射光を受光するセンサ、センサが受光した光信号をデコードするデコード回路などを備えている。センサとしてCCDイメージセンサを採用することにより、2次元コードを読み取ることが可能になる。デコード回路がデコードしたデータは、CPU421に出力される。
【0065】
プリンタ430は、ロール紙に対して決済の内容などを印字する印字処理をおこなう。サーマルプリンタ、レーザプリンタ、インクジェットプリンタなど公知の各種の印字方式のプリンタによって実現することができる。プリンタ430は、ロール紙を保持するロール紙保持機構、ロール紙に対して印字をおこなうプリンタヘッド、印字済みのロール紙を任意の長さでカットするカッタ機構などを備えて構成されている。
【0066】
ドロワ開放装置431は、カード決済機能を備えたPOS端末によって実現される決済端末装置130に対して所定の操作がおこなわれた場合に、当該決済端末装置130に接続されたドロワ装置を開放する。ドロワ開放装置431は、具体的には、たとえばソレノイドなどによって実現することができ、キーボード428における「預/現計」キーの操作に応じてCPU421から出力された開放信号を受信した場合に動作してドロワ装置を解錠する。
【0067】
スピーカー433は、商品をスキャンした場合の『ピッ』という音声やエラーなどの異常発生時の報知音を出力する。スピーカー433は、ボイスコイル(図示を省略する)を備えており、CPU421から出力された音声信号にしたがった電気信号をボイスコイルに印加することによって音声を出力する。カードリーダ434は、カード決済に際して、カードに記録されたデータを読み出す。カードは、ICチップを備えたタイプであってもよいし、磁気テープを備えたタイプであってもよい。
【0068】
(データベース例)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の電子金券贈答装置110が備える各種のデータベースについて説明する。図5−1、図5−2および図5−3は、この発明にかかる実施の形態の電子金券贈答装置110が備える各種のデータベース例を示す説明図である。
【0069】
(利用者情報データベース)
図5−1においては、利用者情報データベースを示している。図5−1において、利用者情報データベース510は、カードの識別情報ごとに、カードの利用者に関する利用者情報を関連付けて記憶している。
【0070】
カードの識別情報は、カードごとに固有の情報であって、個々のカードを識別可能な情報とされる。具体的には、たとえば、この実施の形態におけるカードをクレジットカードによって実現する場合、カード番号は、クレジットカードごとに固有のクレジットカード番号によって実現することができる。
【0071】
クレジットカード番号においては、最初の6桁の銀行識別番号(Bank Identification Number:BIN)によって、クレジットカード会社などのカードの発行事業者(イシュア)を特定することができる。クレジットカード番号は、BINを含み、カードの発行事業者によって割り当てられた任意の数列によって構成され、カードごとに固有の情報とされている。
【0072】
カードの識別情報は、各カードを識別することができる情報(カード識別情報)であればよく、クレジットカード番号のように、数字の羅列によって構成されるものに限らない。具体的には、カード番号は、たとえばアルファベットのみを含む所定桁数の情報、あるいは、数字とアルファベットとを含む所定桁数の情報によって実現してもよい。
【0073】
利用者情報は、カードの発行およびカード決済に必要とする各種の情報であって、たとえば、カードの発行時(申し込み時)などに、利用者から事前に取得し、カードの発行元によって利用者情報データベース510に登録することができる。利用者情報は、具体的には、たとえば、利用者の氏名、住所、電話番号、性別など、利用者を特定可能な情報を含んでいる。
【0074】
利用者が携帯型電話機などの携帯端末装置を所有している場合、当該携帯端末装置のアドレス情報(電子メールアドレス)を含んでいてもよい。利用者が所有する携帯端末装置のアドレス情報は、たとえば、電子明細の送付や、サービス・キャンペーン情報の配信に用いられる。
【0075】
また、利用者情報は、具体的には、たとえば、利用者の年収や利用限度額など、支払い能力に関する情報を含んでいてもよい。利用限度額は、利用者の年収などに応じて設定される。この発明にかかる実施の形態の電子金券贈答システム100においては、金券を有する利用者に関しては、利用者の年収などに応じて設定される通常の利用限度額に、所有しているすべての金券の金券額を合計した金額を加算した金額を、利用限度額とすることができる。通常の利用限度額に所有する金券額を加算した利用限度額は、カード決済に際して、加算した金券を使用した時点において使用した金券の金券額分減算される。
【0076】
また、利用者情報は、具体的には、たとえば、支払い方法、支払いに利用する金融機関名、支店名、預金種目や口座番号など、支払いに関する情報を含んでいる。たとえばリボルビング払い(分割払い)を設定している利用者に対しては、分割払いによる1回あたりの支払い額が、支払いに関する情報に含まれる。利用者情報は、たとえば、利用者に固有の情報の他に、カードの有効期限などカードごとに設定された情報を含んでいる。
【0077】
利用者情報データベース510において、利用者情報は、カード番号などのカードの識別情報ごとに関連付けられて記憶されているため、カードの識別情報が指定されることにより、特定の利用者の利用者情報を抽出することができる。利用者情報データベース510においては、カードの識別情報(カード番号)以外にも、特定の利用者情報が指定されることによって、指定された利用者情報に対応する情報を抽出することができる。
【0078】
(利用情報データベース)
図5−2においては、利用情報データベースを示している。図5−2において、利用情報データベース520は、カードの識別情報ごとに、当該カードの所定期間における利用金額に関する情報を関連付けて記憶する。カードの所定期間における利用金額に関する情報は、所定期間においておこなったカード決済の合計金額を示す情報を含んでいる。
【0079】
所定期間は、前回の締め日の翌日から次回の締め日までの期間であって、たとえば前月11日から当該前月の翌月10日までの1ヶ月間とすることができる。締め日は、カード会社が加盟店への立替払金額やカード会員への請求金額を確定するための締め切り日であり、具体的には、たとえば、「毎月10日」、「毎月25日」などのように設定することができる。
【0080】
利用情報データベース520は、カード決済ごとの利用金額(カード決済1回あたりの利用金額)およびカード決済の日時を示す情報を記憶しており、所定期間においておこなったカード決済の合計金額は、カード決済ごとの利用金額(カード決済1回あたりの利用金額)およびカード決済の日時に基づいて算出することができる。カード決済の日時は、たとえば、決済端末装置130においてカードを読み取った日時や、決済端末装置130が読み取った情報を電子金券贈答装置110が受信した日時とすることができる。
【0081】
また、利用情報データベース520は、カード決済ごとに指定された支払い回数、カード決済をおこなった店舗の店舗端末装置ID、を記憶していてもよい。店舗端末装置IDは、たとえば、決済端末装置130ごと、あるいは、決済端末装置130が設置された店舗ごとに設定される。また、利用情報データベース520は、利用限度額を特定可能な情報を記憶していてもよい。
【0082】
また、利用情報データベース520は、カード決済に際して金券を使用したか否かを示す情報、および、カード決済に際して使用した金券に関する情報を記憶している。カード決済に際して使用した金券に関する情報は、たとえば、金券の種類、金券額、当該金券の贈与者、当該金券の贈与日時などを示す情報を含んでいる。
【0083】
(金券情報データベース)
図5−3においては、金券情報データベースを示している。図5−3において、金券情報データベース530は、カードの識別情報ごとに、当該カードの識別情報によって特定される利用者が所有している金券(電子金券)に関する情報を記憶している。金券に関する情報は、たとえば、贈答者(金券の贈与者)、金券額、金券の種類(金券の発行元)、金券が利用可能な店舗などを示す情報を含んでいる。また、金券に関する情報は、たとえば、当該金券を利用した場合の特典に関する情報を含んでいてもよい。
【0084】
(表示画面例)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の電子金券贈答システム100における各装置の表示画面例について説明する。図6−1、図6−2、図6−3、図6−4および図6−5は、この発明にかかる実施の形態の電子金券贈答システム100におけるクライアント装置を実現するコンピュータ装置が備えるディスプレイの表示画面例を示す説明図である。
【0085】
図6−1において、表示画面610は、金券を贈与する利用者(贈与者)が、クライアント装置を実現するコンピュータ装置に対して所定の入力操作をおこなった場合に表示される。表示画面610は、贈答先情報を入力する欄と、贈答内容を指定する欄と、を表示する。贈答先情報は、たとえば、贈答先の利用者の氏名、カード番号などによって実現することができる。カード番号に代えて、あるいは加えて、贈答先の利用者の住所、電話番号、アドレス情報(電子メールアドレス)などの入力を受け付けるようにしてもよい。
【0086】
贈答内容は、たとえば、贈与する金券の「金額」、贈与する金券が使用可能な「用途」、購入商品の通知をおこなうか否かを指定する「購入商品通知」、贈答の通知をおこなうか否かを指定する「贈答の通知」、などの情報によって指定することができる。贈与する金券の「金額」は、贈与元となる利用者が任意に設定することができる。あるいは、贈与する金券の「金額」は、電子金券贈答システム100の運営者などが任意に設定した「30000円」、「10000円」、「5000円」などの複数の選択肢の中のいずれかを指定することにより設定できるようにしてもよい。
【0087】
購入商品の通知をおこなうか否かは、「購入商品通知」の項目において、「あり」、「なし」あるいは「利用者に選択させる」のいずれかを1つを指定することにより設定することができる。「購入商品通知」の項目において「あり」を指定すると、金券の贈与先となる利用者(受贈者)が当該金券を使用した場合に、当該金券を利用したことが贈与者に通知される。具体的には、たとえば、電子メールを用いて通知をおこなうことができる。また、具体的には、たとえば、金券を利用した後日に発送される書面を用いて通知をおこなうことができる。
【0088】
「購入商品通知」の項目において「利用者に選択させる」を指定すると、金券の贈与先となる利用者(受贈者)が当該利用者のカードを用いたカード決済をおこなう際に、決済端末装置130などに「購入商品通知」を「あり」にするか「なし」にするかの選択を促すメッセージが表示される。これにより、購入する商品が決定し、金券を使用する間際になって「購入商品通知」の「あり」や「なし」を指定できるようにしてもよい。
【0089】
贈答の通知をおこなうか否かは、「贈答の通知」において「あり(手紙)」、「あり(メール)」あるいは「なし」のいずれかを1つを指定することにより設定することができる。「購入商品通知」の項目において、「あり(手紙)」を指定すると、利用した金券の贈与者に対して当該金券を利用したことが記載された書面(手紙、礼状)が送達される。
【0090】
「購入商品通知」の項目において、「あり(メール)」を指定すると、利用した金券の贈与者に対して当該金券を利用したことを案内するメッセージが記載された電子メールが送信される。「購入商品通知」の項目において、「あり(手紙)」、「あり(メール)」を指定した場合、受贈者が購入した商品名などを、所定のWEB画面において表示して、通知できるようにしてもよい。「購入商品通知」の項目において、「なし」を指定すると、贈与者に対して贈与された金券を使用したことは通知されない。
【0091】
また、贈答内容は、金券を受贈したことを通知するメッセージを含んでいてもよい。金券を受贈したことを通知するメッセージは、受贈者が任意に設定することができる。また、金券を受贈したことを通知する定型メッセージをあらかじめ複数設けておき、受贈者に適宜選択させるようにしてもよい。
【0092】
贈答内容における「用途」は、たとえば、該当する入力ボックスをダブルクリックするなどして選択することができる。贈答内容における「用途」を選択すると、表示画面610の上に、別の表示画面620が重ねてポップアップ表示される。
【0093】
図6−2において、表示画面620は、贈与する金券の利用条件を設定する際に表示する。金券の利用条件は、具体的には、たとえば、贈与する金券を利用できる店舗や地域を指定したり、贈与する金券を利用できる商品を指定することによって設定することができる。贈与する金券を利用できる店舗や地域としては、たとえば、「○○デパート」、「旅行代理店××」、「東京」、「新宿区」、「埼玉県」、「関東一都六県」などのように指定することができる。贈与する金券を利用できる商品としては、たとえば、「書籍」、「家電製品」、「旅行費用」、「衣類」、「玩具」などのように指定することができる。
【0094】
贈与する金券を利用できる「店舗や地域」と「商品」とは、いずれか一方を指定してもよいし、両方を指定してもよい。贈与する金券を利用できる「店舗や地域」および「商品」の両方を指定した場合、贈与された金券は、指定された店舗や地域において指定された商品の支払いに際してのみ使用することができる。
【0095】
図6−3において、表示画面630は、金券を受贈する利用者(受贈者)が、クライアント装置を実現するコンピュータ装置に対して所定の入力操作をおこなった場合に表示される。表示画面630は、利用者が所有する金券の一覧と、当該一覧の中から所望する金券情報を検索するための検索欄と、を表示する。
【0096】
一覧は、たとえば、利用者が所有する金券の種類(用途)、金額、贈与者、贈与日などの情報を表示する。また、一覧は、上記の表示画面610において指定された「購入商品通知」の設定の有無や、各金券の使用方法を表示する。「購入商品通知」の設定の有無は、上記の表示画面610において贈与者によって指定された設定内容が表示される。また、各金券の使用方法は、各金券を優先的に使用するか、選択された場合に使用するか、を指定する。各金券の使用方法として、優先使用が設定された金券の場合、選択使用が設定されている金券よりも優先的に使用される。
【0097】
具体的には、たとえば、「使用方法」を「優先使用」に指定した場合、対象となる商品を購入した場合に、通常のカード決済ではなく、金券から引き落とす決済処理がおこなわれる。また、たとえば、「使用方法」を「選択使用」に指定した場合、当月の支払い対象の商品から、適宜金券を使用する商品(決済)を指定する。
【0098】
「使用方法」の設定は、カード決済よりも前におこなうことが好ましい。「使用方法」は、カード決済の後におこなってもよい。具体的には、カード決済の後であって当月の支払い(締め日)前に「使用方法」を「優先使用」にする設定をおこなった場合、締め日までに対象となる商品やサービスについてのカード決済をおこなっていれば、当該カード決済の利用金額分を金券から引き落とす決済処理がおこなわれる。
【0099】
また、一覧は、各金券の詳細情報を表示する際に操作される「詳細」項目を表示する。「詳細」項目は、金券ごとに設けられている。表示画面630において、金券を選択し、選択された金券における「詳細」項目を指定した場合、表示画面640が表示される。
【0100】
図6−4において、表示画面640は、上記の表示画面630において選択された金券における「詳細」項目を指定した場合に表示される。表示画面640は、選択された金券についての詳細な情報を表示する。具体的には、表示画面640は、たとえば、指定された金券の種類(用途)、金額、贈与者、贈与日、購入商品通知についての贈与者の希望の有無、贈与者への通知方法などの情報を表示する。また、表示画面640は、購入商品の通知に際して贈与者へ通知する任意のメッセージの入力を受け付けたり、入力を受け付けたメッセージを表示してもよい。
【0101】
また、表示画面640において、「店舗通知」は、カード決済に際して金券を使用した場合に、当該金券を利用したことを店舗側に通知するか否かを指定する。この発明にかかる実施の形態の電子金券贈答システム100の運用においては、たとえば、金券を利用したことを通知された店舗側は購入した商品を無料でラッピングするなどのサービスを提供することを広告しておくことにより、当該店舗での金券を使用したカード決済を促進することができる。
【0102】
具体的には、たとえば、表示画面640において、「店舗通知」が「あり」に設定された金券を用いてカード決済をおこなった場合、当該カード決済をおこなった決済端末装置130に対して、当該カード決済において発行されるレシートに所定のマークをプリントさせる。商品を販売した店舗側は、所定のマークがプリントされたレシートが発行された場合、該当する商品を無料でラッピングするなどのサービスを提供する。
【0103】
表示画面640において、「明細選択」キーは、「使用方法」の項目において「選択使用」が指定された場合に操作することができる。表示画面640の表示中に「明細選択」キーが操作された場合、表示画面640の上に、別の表示画面650が重ねてポップアップ表示される。
【0104】
図6−5において、表示画面650は、当月の支払に金券を利用可能な決済項目を表示する。具体的には、たとえば、表示が画面650においては、「2010/9/25」に「A商店」で購入した雑誌の支払いに「15,000円」の金券を充当し、「2010/9/27」に「A商店」で購入した参考書の支払に「30,000円」の金券を充当することを示している。
【0105】
表示画面640には、所有する金券を売却することを宣言する操作キーが表示されている。表示画面640の表示中に、所有する金券を売却することを宣言する操作キーが操作された場合、売却によって得た金額は、たとえば、当月の請求金額の支払いに充当することができる。この場合、当月の支払いがなければ、翌月以降の支払いに充当することができる。また、この場合、クレジットカードの支払いに充当される金額は、売却によって得た金額すなわち金券の換算額(換金額)の全部であってもよく、一部であってもよい。クレジットカードの支払いに充当される金額を、売却によって得た金額の一部とする場合、当該一部の金額は利用者が任意に指定できるようにしてもよい。
【0106】
売却に際しては、電子金券贈答システム100の管理者が、適宜所定の手数料を徴収するようにしてもよい。これによって、利用者は、所有する金券の中に、自身が所望する商品の支払いに利用できる金券がない場合は、所有する金券を売却することによって資金を調達し、当該資金を用いて支払うことができる。
【0107】
上述したように、表示画面610〜650を用いて金券を贈与したり受け取った金券を使用したりすることにより、金券の贈与者および受贈した金券の利用者はWEB画面上で金券の購入や贈答をおこなうことができる。これによって、金券の購入場所へ出向くことなく、容易かつ安全に金券を贈答し、利用することができる。
【0108】
上述した表示画面610〜650は、クライアント端末装置120をパーソナルコンピュータなどのコンピュータ装置によって実現する場合の例を示したが、表示画面の態様は上記に限るものではない。たとえば、クライアント端末装置120を携帯型電話機によって実現する場合は、各画面における表示項目や各表示項目のレイアウトなどを調整し、携帯型電話機のディスプレイに適した表示画面としてもよい。
【0109】
(電子金券贈答装置110の機能的構成)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の電子金券贈答装置110の機能的構成について説明する。図7は、この発明にかかる実施の形態の電子金券贈答装置110の機能的構成を示す説明図である。
【0110】
図7において、この発明にかかる実施の形態の電子金券贈答装置110の各機能は、利用者情報記憶部701と、贈与情報受付部702と、優先指定受付部703と、利用者情報更新部704と、報知部705と、利用情報受付部706と、決済処理部707と、請求処理部708と、既発行金券情報受付部709と、承認情報受付部710と、金券額特定部711と、によって実現される。
【0111】
この発明にかかる実施の形態の電子金券贈答装置110の各機能を実現する利用者情報記憶部701、贈与情報受付部702、優先指定受付部703、利用者情報更新部704、報知部705、利用情報受付部706、決済処理部707、請求処理部708、既発行金券情報受付部709、承認情報受付部710および金券額特定部711は、電子金券贈答装置110を実現するコンピュータ装置が備える各部によって実現することができる。
【0112】
利用者情報記憶部701は、利用者の識別情報ごとに当該利用者のカードの利用額および利用限度額に関する情報を含む利用者情報を関連付けて記憶する。利用者情報記憶部701は、たとえば、上記の利用者情報データベース510、利用情報データベース520、金券情報データベース530を用いて、利用者の識別情報ごとに当該利用者のカードの利用額および利用限度額に関する情報を含む利用者情報を関連付けて記憶する。
【0113】
贈与情報受付部702は、金券を購入する利用者(以下「第1の利用者」という)の識別情報と金券の購入額(以下「金券額」という)と金券を利用する利用者(以下「第2の利用者」という)を特定可能な情報との入力を受け付ける。贈与情報受付部702は、たとえば、ネットワークを介して所定のWEBページに接続したクライアント端末装置120において、当該所定のWEBページの内容にしたがって入力操作をおこなわせ、当該クライアント端末装置120から送信された情報を受信することによって、第1の利用者の識別情報、金券額および第2の利用者を特定可能な情報との入力を受け付ける。
【0114】
具体的には、たとえば、所定のWEBページに接続することにより図6−1の表示画面610を表示したクライアント端末装置120において、利用者に対して、当該表示画面610の表示内容にしたがった入力操作をおこなわせる。第1の利用者の識別情報は、たとえば、当該第1の利用者のカードの識別情報によって実現することができる。
【0115】
第1の利用者のカードの識別情報は、たとえば、所定のWEBページに接続があった場合に、表示画面610を表示させる前に、所定のWEBページに接続した利用者に対して入力を求めることによって取得することができる。あるいは、所定のWEBページに接続したクライアント端末装置120のアドレス情報に基づいて第1の利用者を特定し、特定された第1の利用者のカードの識別情報を取得するようにしてもよい。金券額および第2の利用者の氏名などの情報は、表示画面610の内容にしたがって入力させることによって取得することができる。
【0116】
優先指定受付部703は、金券の利用にかかる優先度を指定する情報の入力を受け付ける。具体的には、優先指定受付部703は、たとえば、所定のWEBページに接続することにより図6−3の表示画面630を表示したクライアント端末装置120において、利用者に対して、当該表示画面630の表示内容にしたがった入力操作をおこなわせる。
【0117】
利用者情報更新部704は、贈与情報受付部702が受け付けた情報に基づいて、利用者情報記憶部701が記憶する第1の利用者の当月の利用額に金券額を加算し、かつ、利用者情報記憶部701が記憶する第2の利用者の利用限度額に金券額を加算する。これによって、第1の利用者から第2の利用者への金券の贈与があった場合、第1の利用者は金券額のカード決済をおこなったものとされ、第2の利用者に対して格別な手続をおこなわせることなく当該第2の利用者の利用限度額を高くすることができる。
【0118】
また、利用者情報更新部704は、利用者情報記憶部701が記憶する第2の利用者の利用限度額に加算する金券額と当該金券額の金券の贈与元となる第1の利用者の識別情報とを関連付けて記憶する。これによって、贈与された金券額を第2の利用者の利用限度額に加算した後も、金券の贈与元を識別することができる。
【0119】
報知部705は、第2の利用者のカードを用いた決済に際して、利用者情報記憶部701が記憶する情報に基づいて、第2の利用者の識別情報に関連付けられた金券額と当該金券額の金券の贈与元となる第1の利用者に関する情報とを関連付けて報知する。報知部705は、たとえば、決済端末装置130が備えるディスプレイ414、426に、金券の種類、金券額および当該金券の贈与元の氏名などを関連付けた金券情報の一覧を表示することによって、第2の利用者の識別情報に関連付けられた金券額と当該金券額の金券の贈与元となる第1の利用者に関する情報とを関連付けて報知することができる。この場合、決済端末装置130は、たとえば、金券情報の一覧における、いずれの金券も使用しない意思表示をするための操作キーなどを備えていてもよい。
【0120】
利用情報受付部706は、第2の利用者のカードを用いた決済に際して、金券を利用するか否かを指定する情報の入力を受け付ける。利用情報受付部706は、たとえば、第2の利用者のカードを用いた決済をおこなう決済端末装置130に対して所定の入力操作がおこなわれた結果、当該決済端末装置130から出力された情報を受信することによって金券を利用するか否かを指定する情報の入力を受け付ける。
【0121】
利用情報受付部706は、報知部705が報知した結果、いずれの金券を利用するか否かを指定する情報の入力を受け付ける。利用情報受付部706は、たとえば、報知部705が報知をおこなうことによって金券情報の一覧を表示した決済端末装置130に対して、当該決済端末装置130が備えるディスプレイ414、426に表示された金券情報の一覧の中からいずれか一つの金券情報を指定する入力操作がおこなわれた結果、当該決済端末装置130から出力された情報に基づいて、いずれの金券を利用するかの指定を受け付ける。
【0122】
また、利用情報受付部706は、たとえば、報知部705が報知をおこなうことによって金券情報の一覧を表示した決済端末装置130に対して、当該決済端末装置130が備えるディスプレイ414、426に表示された金券情報の一覧の中のいずれの金券も使用しない意思表示をするための操作キーに対する入力操作がおこなわれた結果、当該決済端末装置130から出力された情報に基づいて、いずれの金券も利用しない指定を受け付ける。
【0123】
決済処理部707は、決済端末装置130との間で通信をおこなうことにより決済処理をおこなう。決済処理は、決済端末装置130から送信された決済要求を受信した場合に決済処理をおこなう。具体的には、決済処理部707は、たとえば、決済端末装置130から送信された決済要求を受け付けた場合、当該決済要求に含まれるカードの識別情報、該当する支払い金額、および、当該支払い金額の支払い先に関する情報に基づいて決済処理をおこなう。
【0124】
また、具体的には、決済処理部707は、たとえば、利用情報受付部706において受け付けた指定に基づいて決済処理に金券を使用するか否かを判断し、金券を使用する場合は、使用する金券の種類および金額に関する情報を、該当するカードの識別情報に関連付けて記憶する。あるいは、決済処理部707は、決済処理に際して、支払い金額から金券額を減算する処理をおこなってもよい。
【0125】
その後、決済処理部707は、たとえば、決済処理の結果を、決済端末装置130に送信する。決済処理部707は、決済処理を完了できた場合は決済処理が正常に完了したことを示す決済結果を送信し、決済処理を完了できなかった場合は決済処理が正常に完了しなかったことを示す決済結果を送信する。さらに、具体的には、決済処理部707は、たとえば、利用者情報記憶部701における利用情報データベース520などに記憶する。
【0126】
請求処理部708は、所定の請求期日において、利用者情報記憶部701が記憶する第2の利用者の利用限度額から金券額を減算するとともに第2の利用者の利用額から金券額を減算した額を請求する。所定の請求期日は、たとえば、締め日であって、請求処理部708は、「毎月10日」、「毎月25日」が到来すると、利用者情報記憶部701が記憶する第2の利用者の利用限度額から金券額を減算するとともに第2の利用者の利用額から金券額を減算した額を請求する。
【0127】
また、請求処理部708は、利用情報受付部706が金券を利用する指定を受け付けた場合に、第2の利用者の利用限度額から金券額を減算するとともに第2の利用者の利用額から金券額を減算した額を請求することを特徴とする。これによって、利用者が金券の利用を所望した場合に当該金券を利用することができる。
【0128】
また、請求処理部708は、利用情報受付部706が金券を利用する指定を受け付けた場合に、優先指定受付部703が受け付けた情報に基づいて、第2の利用者の利用額から優先度の高い金券の金券額を減算した額を請求する。
【0129】
既発行金券情報受付部709は、紙などの物理媒体で発行された金券に関する情報(既発行金券情報)の入力を受け付ける。既発行金券情報受付部709は、たとえば、クライアント端末装置120を実現するコンピュータ装置において所定の入力操作を受け付けることによって当該コンピュータ装置から送信された情報を受信した場合に、既発行金券情報の入力を受け付ける。
【0130】
承認情報受付部710は、別途郵送などの方法によって電子金券贈答装置110の管理者などの所に届けられている紙などの物理媒体で発行された金券と、既発行金券情報受付部709が入力を受け付けた既発行金券情報と、に基づく当該管理者の判断の結果、入力を受け付けた既発行金券情報を承認するか否かを指定する情報の入力を受け付ける。入力された既発行金券情報が複数件ある場合、電子金券贈答装置110の管理者は、既発行金券情報ごとに承認するか承認しないかを示す情報を入力する。
【0131】
金券額特定部711は、既発行金券情報受付部709が入力を受け付けた既発行金券情報のうち、承認情報受付部710が受け付けた情報に基づいて承認されたと判断できる既発行金券情報に基づいて、各既発行金券における金券額を特定する。
【0132】
(電子金券贈答装置110の処理手順)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の電子金券贈答システム100における、電子金券贈答装置110の処理手順について説明する。図8図9および図10は、この発明にかかる実施の形態の電子金券贈答システム100における、電子金券贈答装置110の処理手順を示すフローチャートである。
【0133】
図8のフローチャートにおいて、まず、クライアント端末装置120から送信された贈与情報を受け付けたか否かを判断する(ステップS801)。ステップS801においては、たとえば、ネットワークを介して所定のWEBページに接続したクライアント端末装置120において、当該所定のWEBページの内容にしたがって入力操作をおこなわせ、当該クライアント端末装置120から送信された情報を受信したか否かを判断する。
【0134】
ステップS801において、クライアント端末装置120から送信された贈与情報を受け付けた場合(ステップS801:Yes)、すなわち、ネットワーク101を介して所定のWEBページに接続し、表示画面610を表示したクライアント端末装置120から送信された贈与情報を受信した場合は、受信した贈与情報に基づいて利用者情報データベース510を更新して(ステップS802)、一連の処理を終了する。
【0135】
一方、ステップS801において、クライアント端末装置120から送信された贈与情報を受け付けていない場合(ステップS801:No)、すなわち、ネットワークを介して所定のWEBページに接続したクライアント端末装置120から送信された贈与情報を受信していない場合は、優先度の指定を受け付けたか否かを判断する(ステップS803)。ステップS803においては、たとえば、ネットワークを介して所定のWEBページに接続し、表示画面630を表示したクライアント端末装置120から送信された優先度を指定する情報を受信したか否かを判断する。
【0136】
ステップS803において、優先度の指定を受け付けていない場合(ステップS803:No)、すなわち、ネットワークを介して所定のWEBページに接続したクライアント端末装置120から送信された優先度を指定する情報を受信していない場合は、ステップS801へ戻る。一方、ステップS803において、優先度の指定を受け付けた場合(ステップS803:Yes)は、ステップS802へ移行して、受信した優先度を指定する情報に基づいて利用者情報データベース510を更新して(ステップS802)、一連の処理を終了する。
【0137】
図9のフローチャートにおいて、まず、既発行金券情報の入力があったか否かを判断する(ステップS901)。ステップS901においては、たとえば、ネットワークを介して所定のWEBページに接続したクライアント端末装置120において、当該所定のWEBページの内容にしたがって入力操作をおこなわせ、当該クライアント端末装置120から送信された既発行金券情報を受信したか否かを判断する。
【0138】
ステップS901において、既発行金券情報の入力がない場合(ステップS901:No)は、入力があるまで待機する。一方、ステップS901において、既発行金券情報の入力があった場合(ステップS901:Yes)は、既発行金券情報の入力があったことを報知する(ステップS902)。
【0139】
ステップS902においては、たとえば、電子金券贈答装置110に対して、所定期間内に入力された既発行金券情報を表示させる指示信号が入力された場合に、当該電子金券贈答装置110に接続されている所定のディスプレイ(図示を省略する)に所定期間内に入力された既発行金券情報を表示させることによって、既発行金券情報の入力があったことを報知する。この場合、上記指示信号は、たとえば、電子金券贈答装置110の管理者などの既発行金券情報の入力確認作業をおこなう作業者が当該入力確認作業をおこなう際に、電子金券贈答装置110に接続された所定のコンピュータ装置(図示を省略する)に対して所定の入力操作をおこなうことによって電子金券贈答装置110に入力することができる。
【0140】
あるいは、ステップS902においては、たとえば、既発行金券情報を前回表示してから所定時間(たとえば1日など)が経過した場合に、電子金券贈答装置110に接続されている所定のディスプレイ(図示を省略する)に所定期間内に入力された既発行金券情報を表示させることによって、既発行金券情報の入力があったことを報知するようにしてもよい。これによって、前回、既発行金券情報の入力確認をおこなってから所定時間ごと(たとえば1日おき)に、電子金券贈答装置110の管理者などの既発行金券情報の入力確認作業をおこなう作業者に対して、既発行金券情報の入力があったことを報知することができる。
【0141】
電子金券贈答システム100の運用上、電子金券贈答装置110の管理者は、別途郵送などの方法によって管理者の所に届けられている紙などの物理媒体で発行された金券と、入力された既発行金券情報と、に基づいて、入力された既発行金券情報を承認するか承認しないかを示す情報を入力する。入力された既発行金券情報が複数件ある場合、電子金券贈答装置110の管理者は、既発行金券情報ごとに承認するか承認しないかを示す情報を入力する。
【0142】
つぎに、ステップS902において入力があったことを報知した既発行金券情報についての承認情報の入力があったか否かを判断する(ステップS903)。ステップS903においては、電子金券贈答装置110の管理者による既発行金券情報についての承認情報の入力があったか否かを判断する。そして、ステップS903において、承認情報の入力があった場合(ステップS903:Yes)は、承認された既発行金券情報に基づいて金券情報データベース530を更新することによって、当該金券情報データベースに金券情報を登録する(ステップS904)。
【0143】
一方、ステップS903において、承認情報の入力がない場合(ステップS903:No)は、ステップS902において入力があったことを報知した既発行金券情報についての非承認情報の入力があったか否かを判断する(ステップS905)。ステップS905においては、電子金券贈答装置110の管理者による既発行金券情報について、承認しない旨の情報の入力があったか否かを判断する。
【0144】
ステップS905において、ステップS902において入力があったことを報知した既発行金券情報についての非承認情報の入力があった場合(ステップS905:Yes)は、非承認情報が入力された既発行金券情報の送信元となる利用者に対して、当該既発行金券情報の非承認を通知して(ステップS906)、一連の処理を終了する。ステップS906においては、たとえば、該当する利用者のクライアント端末装置120に対して、入力した既発行金券情報が無効であったことを案内するメッセージを含む電子メールを送信することによって、既発行金券情報の非承認を通知する。あるいは、ステップS906においては、該当する利用者に対して送達する、入力した既発行金券情報が無効であったことを案内する書面をプリント出力する処理をおこなってもよい。
【0145】
ステップS905において、ステップS902において入力があったことを報知した既発行金券情報についての非承認情報の入力がない場合(ステップS905:No)は、ステップS902において既発行金券情報の入力を報知してから所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS907)。ステップS907において、所定時間が経過していない場合(ステップS907:No)は、ステップS903へ戻る。
【0146】
一方、ステップS907において、ステップS902において既発行金券情報の入力を報知してから所定時間が経過した場合(ステップS907:Yes)は、たとえば、電子金券贈答装置110に接続されている所定のディスプレイ(図示を省略する)に、「未確認の既発行金券情報があります。確認してください。」などの所定のエラーメッセージを表示するなどしてエラー報知をおこなって(ステップS908)、一連の処理を終了する。
【0147】
図10のフローチャートにおいて、まず、決済要求を受け付けたか否かを判断する(ステップS1001)。ステップS1001においては、決済端末装置130においてカード決済処理がおこなわれることにより当該決済端末装置130から送信された決済要求を受信したか否かを判断することにより、決済要求を受け付けたか否かを判断する。決済要求は、カード決済に用いるカードの識別情報と、当該カード決済における支払金額に関する情報と、当該カード決済をおこなう店舗に関する情報と、を含んでいる。
【0148】
ステップS1001において、決済要求を受け付けていない場合(ステップS1001:No)は、決済要求を受け付けるまで待機する。一方、ステップS1001において、決済要求を受け付けた場合(ステップS1001:Yes)は、決済要求に含まれるカードの識別情報に基づいて、金券情報データベースを参照して、該当するカード識別情報に関連付けられた金券情報があるか否かを判断する(ステップS1002)。ステップS1002において、該当するカード識別情報に関連付けられた金券情報がない場合(ステップS1002:No)は、ステップS1006へ移行する。
【0149】
一方、ステップS1002において、該当するカード識別情報に関連付けられた金券情報がある場合(ステップS1002:Yes)は、該当する金券情報を報知する(ステップS1003)。ステップS1003においては、たとえば、図6−4に示した表示画面640を表示することによって、金券情報を報知する。
【0150】
電子金券贈答システム100の運用上、カード決済をおこなう利用者は、金券情報を報知した決済端末装置130に対して、当該カード決済において金券を利用するか否かを指定する情報の入力をおこなう。複数の金券情報が存在し、かつ、カード決済において金券を利用する場合、カード決済をおこなう利用者は、当該カード決済において利用する金券を指定する情報を入力する。
【0151】
つぎに、ステップS1003において金券情報を報知した結果、決済端末装置130において金券を利用する旨の入力操作がおこなわれることによって当該決済端末装置130から送信された情報に基づいて、ステップS1001:Yesにおいて受け付けた決済要求に対する決済処理において、金券を利用するか否かを判断する(ステップS1004)。
【0152】
ステップS1004において、金券を利用する場合(ステップS1004:Yes)は、金券を利用する決済処理をおこなって(ステップS1005)、一連の処理を終了する。ステップS1005においては、カード決済における利用金額のうち、当該利用金額からステップS1004:Yesにおいて指定された金券額を減算した金額を、カード決済の利用金額とし、当月の請求額に加算する。
【0153】
また、ステップS1005においては、通常の利用限度額に所有する金券額を加算して得られる利用限度額から使用した金券の金額分を減算することで、利用限度額を更新する。ステップS1004:Yesにおいて指定された金券額の方が、カード決済の利用金額よりも高い場合、使用しきれなかった余剰分の金券額は、次回のカード決済に使用することができる。
【0154】
一方、ステップS1004において、金券を利用しない場合(ステップS1004:No)は、通常の決済処理をおこなって(ステップS1006)、一連の処理を終了する。ステップS1006においては、ステップS1001において受け付けた決済要求に基づいて、該当するカード番号に関連付けられている利用可能額と、今回のカード決済の利用金額とを比較し、今回のカード決済の利用額の方が低いあるいは同等である場合に、決済処理をおこなう。
【0155】
上述した実施の形態においては、カード決済ごとに、カード決済の利用金額と金券額とを相殺する処理をおこない、請求に反映させるような例について説明したが、これに限るものではない。たとえば、上記の実施の形態で説明した運用に加えて、所定額の手数料を支払うことによって変換した金券額を、当月の請求額に充てる支払い方法を選択できるようにしてもよい。この場合、変換した金券額(元の金券額から手数料を差し引いた後の残額)は、現金を振り込んだ場合と同様に扱われる。
【0156】
この発明にかかる実施の形態の電子金券贈答システム100を用いることにより、クレジットカードなどのカードの与信枠以上の買い物を、クレジットカードなどのカードを用いておこなうことができる。これにより、たとえば、家電製品店の金券を毎月購入し、購入した金券を購入した利用者の金券として登録しておくことにより、カードの与信枠以上の高額な家電製品を一括払いで購入することができる。
【0157】
あるいは、たとえば、海外旅行を含む旅行先において使用できる金券を、当該旅行以前に購入し、購入した金券を購入した利用者の金券として登録しておくことにより、旅行先においては現金を用いることなくすべてをカード決済で対応することができる。これにより、旅行先などに高額な現金を持って行く必要をなくすことができ、現金を持って旅行に行った場合と比較して、旅行先におけるリスクを軽減することができる。具体的には、旅行先において現金を紛失したり盗難された場合と比較して、被害を少なく抑えることができる。
【0158】
また、この発明にかかる実施の形態の電子金券贈答システム100を用いることにより、カード決済をおこなった商品を把握することができるので、たとえば、子供などの家族に渡す小遣いを、「購入商品の通知」を「あり」に設定した金券によって実現することにより、当該子供などの家族のお小遣いの使途を把握することができる。これによって、子供などの家族に「購入した商品が親(家族)に伝わる」という考えを持たせ、子供などの家族の無駄遣いを抑止することができる。
【0159】
また、この発明にかかる実施の形態の電子金券贈答システム100を用いることにより、たとえば、子供などの家族に渡す小遣いを、あらかじめ使途を限定した金券によって実現することにより、当該子供などの家族のお小遣いの使途を制限することができる。これによって、不要な商品を購入したり、有意性の低い商品の購入に小遣いが費やされたりすることを抑止できる。
【0160】
この発明にかかる実施の形態の電子金券贈答システム100においては、金券を用いておこなったカード決済に際して、金券額の方がカード決済の利用金額よりも高い場合、金券額と利用金額との差額(残額)は、引き続き金券情報データベースに登録される。この場合、次回表示される表示画面630における金券額(金額)上記の残額とされる。
【0161】
これにより、この発明にかかる実施の形態の電子金券贈答システム100においては、金券額を使い切るまで金券を利用することができるので、利用者が損をすることをなくし、利用者の利便性の向上を図ることができる。また、カード会社など、金券の登録を受け付ける電子金券贈答システム100の管理者は、金券情報が登録されてから、登録された金券が全額使用されるまでの間に発生する退蔵益を得ることができる。
【0162】
また、この発明にかかる実施の形態の電子金券贈答システム100を用いることにより、金券の種類を制限することなく、既存の金券にない多様な金券を発行することができる。具体的には、たとえば、「A焦点で利用できる金券」、「B商店街で利用できる金券」、「Cショッピングモールで利用できる金券」、「D国で利用できる金券」、「ブライダル商品で利用できる金券」などのように利用範囲を特定の範囲に制限した金券を発行することができる。
【0163】
これによって、金券を利用する利用者は、贈与者の意図に合致した金券を贈与することができる。また、これによって、金券を利用したカード決済が可能な店舗においては、利用者を金券によって制限される特定の範囲に誘導する手段として利用することができる。また、これによって、カード会社など、金券の登録を受け付ける電子金券贈答システム100の管理者は、加盟店の増加に利用することができ、金券の発行にともなう加盟店からの手数料収入を得ることができる。
【0164】
この発明にかかる実施の形態の電子金券贈答システム100においては、電子金券贈答システム100において利用可能な金券を利用した加盟店および金券の登録を受け付けるカード会社の双方から、カード決済をおこなったことに対するポイントを発行するようにしてもよい。あるいは、加盟店およびカード会社の双方から、商品についての案内(お知らせ)や、利用者がカード決済によって商品を購入した後に購入を感謝して送るメール(サンクスメール)の送付などをおこなうようにしてもよい。このようなサービスをおこなうことにより、カードの利用促進を図ることができる。
【0165】
以上説明したように、この発明にかかる実施の形態の電子金券贈答装置110は、第1の利用者の識別情報と金券額と第2の利用者を特定可能な情報との入力を受け付けた場合、受け付けた情報に基づいて、利用情報データベースにおける第1の利用者の当月の利用額に金券額を加算し、かつ、金銭情報データベースにおける第2の利用者の利用限度額に金券額を加算し、所定の請求期日において、第2の利用者の利用限度額から金券額を減算するとともに第2の利用者の利用額から金券額を減算した額を請求するようにしたことを特徴としている。
【0166】
この発明にかかる実施の形態の電子金券贈答装置110によれば、紙などの物理媒体を用いることなく、第1の利用者から第2の利用者に金券額の金券を贈与することができる。これによって、第1の利用者は第2の利用者に対して容易かつ迅速に金券を贈与することができ、第2の利用者は紙などの物理媒体を携帯することなく贈与された金券を利用することができる。これによって、金券の贈与および贈与された金券の利用にかかる利便性の向上を図ることができる。
【0167】
また、この発明にかかる実施の形態の電子金券贈答装置110は、第2の利用者のカードを用いた決済に際して、金券を利用するか否かを指定する情報の入力を受け付け、金券を利用する指定を受け付けた場合に、第2の利用者の利用限度額から金券額を減算するとともに第2の利用者の利用額から金券額を減算した額を請求することを特徴としている。
【0168】
この発明にかかる実施の形態の電子金券贈答装置110によれば、第2の利用者は、金券の利用時期を限定されることなく、任意のタイミングで金券を利用することができる。これによって、贈与された金券の利用にかかる利便性の向上を図ることができる。
【0169】
また、この発明にかかる実施の形態の電子金券贈答装置110は、第2の利用者の利用限度額に加算する金券額と当該金券額の金券の贈与元となる第1の利用者の識別情報とを関連付けて記憶し、第2の利用者のカードを用いた決済に際しては、第2の利用者の識別情報に関連付けられた金券額と当該金券額の金券の贈与元となる第1の利用者に関する情報とを関連付けて報知する報知手段を備え、当該報知の結果、いずれの金券を利用するか否かを指定する情報の入力を受け付けた場合に、第2の利用者の利用限度額から金券額を減算するとともに第2の利用者の利用額から金券額を減算した額を請求することを特徴としている。
【0170】
この発明にかかる実施の形態の電子金券贈答装置110によれば、第2の利用者は、複数の金券を所有する場合に、各金券の贈与元となる第1の利用者および当該第1の利用者から贈与された金券額とを把握するとともに、所有する複数の金券の中から任意の金券を利用することができる。これによって、贈与された金券の利用にかかる利便性の向上を図ることができる。
【0171】
また、この発明にかかる実施の形態の電子金券贈答装置110は、金券を利用する指定を受け付けた場合に、利用する指定を受け付けた金券の贈与元となる第1の利用者の端末装置に対して当該金券が利用されたことを通知することを特徴としている。この発明にかかる実施の形態の電子金券贈答装置110によれば、第2の利用者は、第1の利用者から贈与された金券を使用する場合に、各金券の贈与元となる第1の利用者に対して贈与された金券を利用したことを伝えることができる。これによって、第2の利用者は、贈与された金券の利用にかかる報告を容易かつ確実におこなうことができ、金券の利用にかかる利便性の向上を図ることができる。
【0172】
また、この発明にかかる実施の形態の電子金券贈答装置110は、物理媒体で発行された金券である既発行金券に関する既発行金券情報の入力を受け付けた後、入力を受け付けた既発行金券情報を承認する承認情報の入力を受け付けた場合に、当該承認情報によって承認された既発行金券情報に基づいて既発行金券の額を特定し、特定した額を金券額として金券情報データベースを更新することを特徴としている。
【0173】
この発明にかかる実施の形態の電子金券贈答装置110によれば、第2の利用者は紙などの物理媒体を携帯することなく紙などの物理媒体で既に発行された金券(既発行金券)を利用することができる。これによって、贈与された金券の利用にかかる利便性の向上を図ることができる。
【0174】
また、この発明にかかる実施の形態の電子金券贈答装置110は、金券の利用にかかる優先度を指定する情報の入力を受け付け、入力を受け付けた情報に基づいて、第2の利用者の利用額から優先度の高い金券の金券額を減算した額を請求することを特徴としている。この発明にかかる実施の形態の電子金券贈答装置110によれば、金券ごとに指定した任意の優先度にしたがって金券を利用することができる。これによって、金券を利用する利用者の事情などにあわせて金券を利用することができ、金券の利用にかかる利便性の向上を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0175】
以上のように、この発明にかかる電子金券贈答装置、電子金券贈答方法および電子金券贈答プログラムは、カード決済に使用可能な電子金券贈答装置、電子金券贈答方法および電子金券贈答プログラムに有用であり、特に、カード決済に使用可能な金券を利用者間で贈答する電子金券贈答装置、電子金券贈答方法および電子金券贈答プログラムに適している。
【符号の説明】
【0176】
100 電子金券贈答システム
110 電子金券贈答装置
120 クライアント端末装置
130 決済端末装置
701 利用者情報記憶部
702 贈与情報受付部
703 優先指定受付部
704 利用者情報更新部
705 報知部
706 利用情報受付部
707 決済処理部
708 請求処理部
図1
図2
図3-1】
図3-2】
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