(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
図7及び
図8に示すように、自動車のベルトラインより下部のロア側の位置におけるドア1(ドアインナーパネル2とドアアウターパネル3からなる)とボディパネル5との間のシール構造としては、ドアインナーパネル2側にクリップ(図示しない)を介して取付けられたドアウェザーストリップ10と、ボディパネル5に形成されたフランジ6に嵌め込まれたオープニングウェザーストリップ20からなるものが主流であった。
しかし、オープニングウェザーストリップ20は、断面略U字形状の取付基部21と車外側に突出するように設けられた中空シール部22からなり、取付基部21には内側に突出してフランジ6を保持する複数のリップ部23が設けられるとともに、保持力を向上させるために断面略U字形状の芯材24が埋設されているので、全体的に重量があり構造も複雑である。
【0003】
これに対して、ドア1を構成するドアインナーパネル2の車内側に設けられたドアトリム8の縁部8aにシール部を取付けてボディパネル5に弾接させるシール構造が知られている(特許文献1乃至3)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載されたシール構造は、ドアトリム(3)をシールリップ(4)を配設した表皮延長部(32)で包み込んだもの、特許文献2に記載されたシール構造は、インナーシール(12)をドアサッシュ(10)とドアサッシュカバー(11)の間に差し込んで挟着したもの、そして特許文献3に記載されたシール構造は、シール(7)をネジ(21)によって内側部材(3)に取付けるものであるといったように、いずれもドアトリムにシール部を後付けで組付ける構造である。
そのため、シール部の組付工数が増えるとともに部品数の増加により部品管理が煩雑になるといった問題がある。特に特許文献1及び3のように、中空状のシール部をドアトリム側に組付ける場合には、表皮延長部(32)やネジ(21)といったような特殊な部品がさらに必要になる。
【0007】
そこで本発明は上記従来の課題を解決するためのものであり、組付け工数を削減するとともに部品点数を最小限に抑えるシール機能付きドアトリム及びその組付方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、請求項1に係る発明のシール機能付きドアトリム(50)は、ドアインナーパネル(2)の車内側に設けられ、硬質材料からなるドアトリム本体部(51)と、
前記トリム本体部(51)の縁部(51a)周辺に一体成形され車内側に向けて膨出するように湾曲した湾曲面(52Y)と板状の平坦面(52X)が連続して断面略U字形状に形成されるとともに、前記トリム本体部(51)の縁部(51a)周辺に一体成形された前記湾曲面(52Y)の一端(52c)を中心に、前記平坦面(52X)を車外側からドア(1)の内周側に向けて巻き込むようにして折り畳むことができるように構成された、軟質材料からなるシール部(52)
を備え、
組付けられる前段階で、前記シール部(52)は、車外側に開口した断面略U字形状に形成され、
組付段階では、前記平担面(52X)は、車外側からドア(1)の内周側に向けて巻き込むようにして折り畳まれ、前記ドアインナーパネル(2)に対して略平行に延びて当接し、
その先端(52a)が前記ドアインナーパネル(2)と前記ドアトリム本体部(51)の縁部(51a)との隙間(M)に差し込まれ
ことで前記湾曲面(52Y)とで中空部が形成されるとともに、前記ドアトリム本体部(51)の縁部(51a)から車外側方向にかかる押圧力を受ける支持面(52X)と
されるとともに、
前記湾曲面(52Y)は、ドア(1)閉時にはボディパネル(5)側に弾接するシール面(52Y)になるように構成され、
さらに、前記シール部(52)の平坦面(52X)の一端(52a)に、前記隙間(M)よりも幅の広い厚肉部(54)が抜け防止用に設けられてなることを特徴とする
【0009】
また、請求項2に係る発明のシール機能付きドアトリム(50)は、前記シール部(52)の支持面(52X)の、前記ドアトリム本体部(51)の縁部(51a)に対向する位置に貫通孔(53)を形成するとともに、前記ドアトリム本体部(51)の縁部(51a)からドアインナーパネル(2)側に向けて突設され、前記シール部(52)の支持面(52X)に形成された貫通孔(53)を貫通し対向する前記ドアインナーパネル(2)に形成された孔(H)に嵌め込まれるクリップ(55)を更に備えることを特徴とする。
【0012】
また、
請求項3に係る発明のシール機能付きドアトリムの組付方法は、ドアインナーパネル(2)の車内側に設けられ、硬質材料からなるドアトリム本体部(51)と、前記ドアトリム本体部(51)の縁部(51a)周辺に一体成形され車内側に向けて膨出するように湾曲した湾曲面(52Y)と板状の平坦面(52X)が連続して形成され、軟質材料からなるシール部(52)
を備え、前記シール部(52)の平坦面(52X)の一端(52a)に、前記隙間(M)よりも幅の広い厚肉部(54)を抜け防止用に設けたドアトリム(50)の組付方法であって、
前記シール部(52)は、金型による成形時にはリップ状であるが、組付段階では、前記シール部(52)の平坦面(52X)を車外側からドア(1)の内周側に向けて
巻き込むようにして折り畳むとともにその先端(52a)を前記ドアインナーパネル(2)とドアトリム本体部(51)の縁部(51a)との隙間(M)に差し込むことで
前記湾曲面(52Y)と平担面(52X)で中空部を形成して、前記平担面(52X)を前記ドアインナーパネル(2)に対して略平行に延びるようにして
当接させて、前記ドアトリム本体部(51)の縁部(51a)から車外側方向にかかる押圧力を受けるよう
にし、
しかも、
ドア(1)閉時には、前記湾曲面(52Y)を、ボディパネル(5)側に弾接するシール面(52Y)にするように設定したことを特徴とする。
【0013】
また、
請求項4に係る発明のシール機能付きドアトリムの組付方法は、前記ドアトリム本体部(51)の縁部(51a)からドアインナーパネル(2)側に向けてクリップ(55)を突設するとともに、
前記シール部(52)の平担面(52X)が前記ドアインナーパネル(2)とドアトリム本体部(51)の縁部(51a)との隙間(M)に差し込まれたときに、前記平担面(52X)の、前記ドアトリム本体部(51)の縁部(51a)に対向する位置に貫通孔(53)を形成し、前記クリップ(55)を、前記シール部(52)の平担面(52X)に形成された貫通孔(53)に貫通させ、対向する前記ドアインナーパネル(2)に形成された孔(H)に嵌め込むことを特徴とする。
【0014】
なお、括弧内の記号は、図面および後述する発明を実施するための形態に記載された対応要素または対応事項を示す。
【発明の効果】
【0015】
本発明のシール機能付きドアトリムによれば、ドアトリム本体部にシール部が後付けされるのではなく、ドアトリム本体部にシール部が一体成形されるので、部品点数を最小限に抑えることができるとともに、ドアトリム本体部とシール部が一体化したものをドアインナーパネルに組付けるので組付け工数が削減する。これによりドアトリム本体部とシール部が一体化したものを一つのドアトリムとして管理することができるので部品管理も容易になる。
また、シール部の支持面は、ドアインナーパネルとドアトリム本体部の縁部との隙間に差し込まれ、ドアトリム本体部の縁部から車外側方向にかかる押圧力を受けるので、安定して組付けることができる。
しかも、車内側に向けて膨出するように湾曲し、ドア閉時にボディパネル側に弾接するシール部のシール面の内側一端はドアトリム本体部の縁部周辺に一体成形され、外側他端は支持面に連設されるので、シール面と支持面によって中空部が形成される。よって、十分なシール機能が得られるので、ボディパネル側に従来例で示したような、重量のあるオープニングウェザーストリップを設ける必要はない。また、金型による成形時にはシール部はリップ状であるため、金型成形時に中空形状とするよりも複雑な金型を必要とせず廉価で成形加工し易い。
【0016】
また本発明のシール機能付きドアトリムによれば、シール部の支持面の一端に、ドアインナーパネルとドアトリム本体部の縁部との隙間よりも幅の広い厚肉部を設けたので、ドアインナーパネルにシール機能付きドアトリムを組付けた後に、シール部の支持面がドアインナーパネルとドアトリム本体部の縁部との隙間から容易に抜け落ちることが防止される。
また本発明のシール機能付きドアトリムによれば、ドアトリム本体部の縁部から突設されたクリップを、シール部の支持面に形成された貫通孔に貫通させて対向するドアインナーパネルに形成された孔に嵌め込むようにしてシール機能付きドアトリムをドアインナーパネルに組付けるようにしたので、組付け強度がさらに向上する。
【0019】
また本発明のシール機能付きドアトリムの組付方法によれば、トリム本体部の縁部周辺に一体成形され車内側に向けて膨出するように湾曲した湾曲面と板状の平坦面が連続して形成されたドアトリムにおいて、シール部の平坦面を車外側からドアの内周側に向けて折り畳むとともにその先端をドアインナーパネルとドアトリム本体部の縁部との隙間に差し込むようにすることで組付段階で湾曲面と平担面で中空部を形成するようにしたので、中空形状を成形するための複雑な金型を必要としない。しかも中空部の形成によって十分なシール機能が得られる。
また、中空状のシール部をドアトリム側に設けるにあたって、従来例で示したような表皮延長部やネジといったような特殊な部品を必要としないし、ドアパネルに穴あけ等も不要であるので組付け構造の簡略化が図れコストを抑えられる。
さらに、先端がドアインナーパネルとドアトリム本体部の縁部との隙間に差し込まれた平担面をドアインナーパネルに対して略平行に延びるようにして当接させ、ドアトリム本体部の縁部から車外側方向にかかる押圧力を受けるようにしたので、組付け強度が向上し安定化が図れる。
【0020】
また本発明のシール機能付きドアトリムの組付方法によれば、ドアトリム本体部の縁部からドアインナーパネル側に向けて突設したクリップを、シール部の平担面に形成された貫通孔に貫通させ、対向するドアインナーパネルに形成された孔に嵌め込むようにしてシール機能付きドアトリムをドアインナーパネルに組付けるので、組付け強度がさらに向上する。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(第1実施形態)
次に、
図1乃至
図3及び
図7を参照して、本発明の第1実施形態に係るシール機能付きドアトリムについて説明する。
図1は本発明の第1実施形態に係るシール機能付きドアトリム50がドア1に取付けられた状態を示す断面図であり、
図2はそのシール機能付きドアトリム50を示す、
図7のA−A線拡大断面図である。また、
図3はシール機能付きドアトリム50の組付方法の過程を示す断面図である。従来例と同一部分には同一符号を付した。
【0023】
本発明の第1実施形態に係るシール機能付きドアトリム50は、ドアインナーパネル2の車内側に設けられたトリム本体部51とシール部52を備え、両者を一体成形してなるものである。
【0024】
ドアトリム本体部51は、硬質材料からなり、ドアインナーパネル2の表面を車内側から覆って、外観上見栄えよくしている。またドアトリム本体部51は、車外側が開口した凹状箱型でドア面に略平行な車内側面51Qからドアインナーパネル2側に向かって延びる周端部51Rの縁部51aと、ドアインナーパネル2との間に隙間Mを設けるようにして配置されている。ドアトリム本体部51は、装飾部材として機能するものであるので多種多様の色やデザインを施すことができ、材質についても樹脂製,ゴム製など多種多様である。
【0025】
シール部52は、軟質材料(例えば、硬度がJIS A40以下の材料)からなり、ドアインナーパネル2(ドア面)に対して略平行に延びてドアインナーパネル2に当接する略板状の支持面52Xと、車内側に向けて膨出するように湾曲してドア1の閉時にはボディパネル5側に弾接するシール面52Yとを有している。
支持面52Xについては、その支持面52Xのドア1の内周側に延びる一端52a(
図1では左側端)が、ドアインナーパネル2とドアトリム本体部51の縁部51aとの隙間Mからドア1の内周側に向かって差し込まれていて、さらに一端52aには、隙間Mよりも幅の広い厚肉部54を設けられ隙間Mからの抜け防止を図っている。また支持面52Xは、ドアトリム50をドアインナーパネル2に組付けたときに、ドアトリム本体部51の縁部51aから車外側方向にかかる押圧力を受けている。
【0026】
また、シール面52Yについては、そのシール面52Yのドア1の内周側に位置する内側一端52cがドアトリム本体部51の縁部51a周辺、ここでは縁部51aの至端に一体成形されている。また、シール面52Yのドア1の外周側に位置する外側他端52dは、支持面52Xの他端52b(
図1では右端)に連設されている。
【0027】
なお、ドアインナーパネル2においてシール部52が設けられた位置より車外側には、ドアウェザーストリップ10の取付基部10aがクリップ(図示しない)を介して取付けられ、ドア1の閉時には取付基部10aに一体成形された中空シール部10bと、ドアトリム本体部51に一体成形されたシール部52がボディパネル5に弾接して、ドアインナーパネル2とボディパネル5との間を二重にシールする。
ここでは、シール部52のシール面52Yを、ボディパネル5に形成されたフランジ6を覆う内装材9の端部9aに弾接させているが、内装材9を省略してシール面52Yをボディパネル5に直接、弾接させるようにしてもよい。
【0028】
このように構成されるシール機能付きドアトリム50は、
図3(a)、(b)の順で中空部が形成されるようにして
図1に示したようにドアインナーパネル2に対して組付けられる。
すなわち、シール機能付きドアトリム50は、
図3(a)に示すような形状でドアトリム本体部51の縁部51aにシール部52の内側一端52cが一体形成され、縁部51aから車内側面51Q側に向けて膨出するように湾曲した湾曲面52Yと板状の平坦面52Xが連続して車外側に開口した断面略U字形状に形成される。
次に、シール部52の平坦面52Xを、
図3(a)に示す矢印Gの方向に車外側からドア1の内周側に向けて巻き込むようにして折り畳み、
図3(b)に示すように、平坦面52Xの車内側がドアトリム本体部51の縁部51aに当接するようにする。そして、
図1に示すように、シール部52の平坦面52Xの先端52aをドアインナーパネル2とドアトリム本体部51の縁部51aとの隙間Mに差し込むようにしてドアインナーパネル2に対して組付ける。又は、シール機能付きドアトリム50を成形した後の
図3(a)の状態で、ドアトリム50をドアインナーパネル2に組付け、その後に、シール部52の平担面52Xの先端52aをトリム本体部51の縁部51aとの隙間Mに差し込んでもよい。
【0029】
このとき、平担面52Xは、ドアインナーパネル2に対して略平行に延びてドアインナーパネル2に当接する支持面52Xとなり、ドアトリム本体部51の縁部51aから車外側方向にかかる押圧力を受ける。また、平坦面52Xの折り畳みにより、湾曲面52Yと平担面52Xで中空部が形成され、湾曲面52Yを、ドア1の閉時にはボディパネル5側に弾接するシール面52Yとしている。
【0030】
以上のようにしてドアインナーパネル2に組付けられるシール機能付きドアトリム50によれば、ドアトリム本体部51にシール部52が後付けされるのではなく、ドアトリム本体部51にシール部52が一体成形されるので、部品点数を最小限に抑えることができるとともに、ドアトリム本体部51とシール部52が一体化したものをドアインナーパネル2に組付けるので組付け工数が削減する。これにより、ドアトリム本体部51とシール部52が一体化したものを一つのドアトリム50として管理することができるので部品管理も容易になる。
また、シール部52の支持面52X(平担面52X)は、ドアインナーパネル2とドアトリム本体部51の縁部51aとの隙間Mに差し込まれ、ドアトリム本体部51の縁部51aから車外側方向にかかる押圧力を受けるので、安定して組付けることができる。
しかも、車内側に向けて膨出するように湾曲し、ドア1の閉時にボディパネル5側に弾接するシール部52のシール面52Yの内側一端52cはドアトリム本体部51の縁部51a周辺に一体成形され、外側他端52dは支持面52Xに連設されるので、シール面52Yと支持面52Xによって中空部が形成される。よって、十分なシール機能が得られるので、ボディパネル5側に従来例で示したような、重量のあるオープニングウェザーストリップ20を設ける必要はない。
【0031】
(第2実施形態)
次に、
図4及び
図5を参照して、本発明の第2実施形態に係るシール機能付きドアトリムについて説明する。
図4は本発明の第2実施形態に係るシール機能付きドアトリム50がドア1に取付けられた状態を示す断面図であり、
図5はシール機能付きドアトリム50の組付方法の過程を示す断面図である。第1実施形態と同一部分には同一符号を付した。
【0032】
本発明の第2実施形態に係るシール機能付きドアトリム50は、
図5に示すように、第1実施形態に係るシール機能付きドアトリム50のシール部52の支持面52Xに貫通孔53を形成するとともに、ドアトリム本体部51の縁部51aからドアインナーパネル2側に向けて貫通穴53を貫通するクリップ55を突設したものである。貫通孔53は、シール部52の平担面52Xを巻き込むように折り畳んで支持面52Xにする際に、その支持面52Xが、ドアトリム本体部51の縁部51aに対向する位置に形成されている。
【0033】
そして、シール機能付きドアトリム50をドアインナーパネル2に組付けるには、シール部52の平坦面52Xを、
図5(a)に示す矢印Gの方向に車外側からドア1の内周側に向けて巻き込むようにして折り畳み、
図5(b)に示すように、平坦面52Xの車内側をドアトリム本体部51の縁部51aに当接するように近づけ、クリップ55を平担面52Xに形成された貫通孔53に貫通させる。そして、
図4に示すように、シール部52の平坦面52Xの先端52aをドアインナーパネル2とドアトリム本体部51の縁部51aとの隙間Mに差し込むようにするとともに、貫通孔53を貫通して車外側に突出したクリップ55の先端を、対向するドアインナーパネル2に形成された孔Hに嵌め込むことによりドアインナーパネル2に対して組付ける。
このとき、平担面52Xは、ドアインナーパネル2に対して略平行に延びてドアインナーパネル2に当接する支持面52Xとなり、ドアトリム本体部51の縁部51aから車外側方向にかかる押圧力を受ける。また、平坦面52Xの折り畳みにより、湾曲面52Yと平担面52Xで中空部が形成され、湾曲面52Yを、ドア1の閉時にはボディパネル5側に弾接するシール面52Yとしている。
【0034】
これによれば、ドアトリム本体部51の縁部51aから突設されたクリップ55を、シール部52の支持面52Xに形成された貫通孔53に貫通させて対向するドアインナーパネル2に形成された孔Hに嵌め込むようにしてシール機能付きドアトリム50をドアインナーパネル2に組付けるようにしたので、組付け強度がさらに向上する。また、この実施形態によれば、シール部52の平担面52Xの先端52aに厚肉部54を設けなくてもよい。
【0035】
(第3実施形態)
次に、
図6を参照して、本発明の第3実施形態に係るシール機能付きドアトリムについて説明する。
図6は本発明の第3実施形態に係るシール機能付きドアトリム60がドア1に取付けられた状態を示す断面図である。第1実施形態と同一部分には同一符号を付した。
【0036】
本発明の第3実施形態に係るシール機能付きドアトリム60は、
図6に示すように、第1実施形態に係るシール機能付きドアトリム50とは、ドアトリム60を構成する硬質材料からなるドアトリム本体部61及び軟質材料からなるシール部62の形状がそれぞれ異なる。
ドアトリム本体部61は、ドアインナーパネル2の表面を車内側から覆って、外観上見栄えよくするもので、車外側が開口した凹状箱型でドア面に略平行な車内側面61Qから周端部61Rがドアインナーパネル2側に向かって延び、さらにドア1の外周側に向けてエッジ部61Sがドア面に略平行に延びている。そして、ドアトリム本体部61は、ドアトリム本体部61のエッジ部61Sとドアインナーパネル2との間に隙間Nを設けるようにして配置されている。
【0037】
シール部62は、支持部62Xとリップ部62Yとを有している。
支持部62Xにおいては、ドア1の内周側に延びる一端62aがドアインナーパネル2とドアトリム本体部61のエッジ部61Sの先端にあたる縁部61aとの隙間Nに差し込まれ、ドアトリム本体部61の縁部61aから車外側方向にかかる押圧力を受けている。
また、リップ部62Yは、支持部62Xの他端62bに連設され車内側に向けて膨出するように湾曲した断面略舌状であり、ドア1の閉時にはボディパネル5側に弾接する。
そして、支持部62Xとリップ部62Yの間の部位が、ドアトリム本体部61の縁部61a周辺、ここでは縁部61aの至端に一体成形されている。
【0038】
これによれば、ドアトリム本体部61に一体成形されるシール部62を断面略舌状にしたので中空状のものと比較して製造が容易であり、軽量化が図れる。