(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
光ディスクや光磁気ディスクなどの情報を記録した記録媒体について、情報の書き込みまたは読み出しを行う際には、ディスク駆動装置を用いてディスクが回転される。ディスク駆動装置は、ディスクを回転するためのディスク回転用モータを含んでいる。従来のディスク回転用モータに関連する技術は、たとえば下記特許文献1および2に開示されている。
【0003】
下記特許文献1には、ステータコアに絶縁処理と同時に樹脂がモールドされ、ステータコアの内径に樹脂層を介して焼結メタル軸受が圧入などで装着された小型ディスクモータが開示されている。
【0004】
下記特許文献2には、金属粉の焼結体で支持フレームと動圧軸受とを一体に構成し、かつ固定軸受部の内周面に動圧発生溝を形成した動圧軸受モータが開示されている。
【0005】
下記特許文献1および2のモータでは、ステータコアは、積層された複数のプレートよりなる積層コアであり、軸受は、メタルオイル(潤滑油)を含有する多孔質材料よりなっている。積層コアは軸受(メタル)に直接圧入されている。
【0006】
しかし、軸受に積層コアが直接圧入されると、積層コアを構成するプレート同士の隙間に、軸受のメタルオイルが毛細管現象によって吸い取られ、極めて重大な機能劣化が生じ得る。このため、一般的には、積層コアと軸受との間に軸受ハウジング部などが挿入され、軸受ハウジング部を介して積層コアが固定(締結)されていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ディスク回転用モータは、近年、低価格化が強く要求されている。ディスク回転用モータの低価格化を実現するためには、ディスク回転用モータを簡易な方法で製造する必要がある。たとえば、ディスク回転用モータの部品点数を削減したり、ディスク回転用モータを構成する部品の加工方法として、切削加工のような比較的複雑な(高価な)加工方法ではなく、プレス加工などの比較的簡単な(安価な)方法を用いたりすることが必要である。さらに、各部品を組み立てる際には、複雑な締結方法ではなく、圧入に代表されるような比較的容易な(安価な)締結方法を採用し、かつ組立て精度を保つことが必要である。
【0009】
従来の技術では、製造方法の簡易化の観点で更なる改善の余地があった。特に特許文献1および2では、低価格化を実現するために部品点数を減らさなければならない一方で、上述の理由で軸受ハウジングを廃止することができなかった。
【0010】
本発明は、上記課題を解決するためのものであり、その目的は、簡易な方法で製造することのできるディスク回転用モータおよびこれを備えたディスク駆動装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一の局面に従うディスク回転用モータは、回転軸の外径側において回転軸を回
転可能に支持する軸受と、軸受の外周面に取り付けられたステータコアとを備え、ステー
タコアは、回転軸の延在方向に沿って積層された第1および第2のプレートを含み、第1
のプレートは、回転軸の延在方向に沿って第2のプレートに積層された積層部と、積層部
の内径側において積層部から第2のプレートの方へ折り曲げられた折り曲げ部であって、
軸受の外周面に接触する折り曲げ部とを含
み、第2のプレートは第1のプレートと接触し、積層部は、第2のプレートと接触する側の面における折り曲げ部との境界部分に形成された溝部を含む。
本発明の他の局面に従うディスク用回転モータは、回転軸の外径側において回転軸を回転可能に支持する軸受と、軸受の外周面に取り付けられたステータコアとを備え、ステータコアは、回転軸の延在方向に沿って積層された第1および第2のプレートを含み、第1のプレートは、回転軸の延在方向に沿って前記第2のプレートに積層された積層部と、積層部の内径側において積層部から前記第2のプレートの方へ折り曲げられた折り曲げ部であって、軸受の外周面に接触する折り曲げ部とを含み、第2のプレートは第1のプレートと接触し、第2のプレートは、積層部と折り曲げ部との境界と接触する部分に形成された曲面状の面取り部を含む。
【0012】
上記ディスク回転用モータにおいて好ましくは、折り曲げ部は第2のプレートの内径側端部と軸受との間において、回転軸の延在方向に沿って延在する。
【0013】
上記ディスク回転用モータにおいて好ましくは、折り曲げ部は第2のプレートの内径側端部と軸受との両方に接触することにより固定される。
【0014】
上記ディスク回転用モータにおいて好ましくは、第1のプレートは、ステータコアの端部に積層されたプレートである。
【0017】
本発明の他の局面に従うディスク駆動装置は、上記のディスク回転用モータと、ディスク回転用モータの駆動状態を制御する制御部とを備える。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、簡易な方法で製造することのできるディスク回転用モータおよびこれを備えたディスク駆動装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の一実施の形態におけるディスク駆動装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の一実施の形態におけるディスク回転用モータの構成を模式的に示す底面図である。
【
図3】
図2のIV−IV線に沿う断面斜視図である。
【
図5】プレート51の構成を示す斜視図であって、ロータ10に面している側から見た場合の図である。
【
図6】プレート51の構成を示す斜視図であって、ブラケット23に面している側から見た場合の図である。
【
図7】ロータ10に面している側から見た場合のプレート52または53の構成を示す斜視図である。
【
図8】ロータ10に面している側から見た場合のブラケット23の構成を示す斜視図である。
【
図9】本発明の一実施の形態におけるディスク回転用モータの製造方法の第1工程を示す斜視図であり、得られたステータコア21をロータ10に面している側から見た場合の斜視図である。
【
図10】本発明の一実施の形態におけるディスク回転用モータの製造方法の第1工程を示す斜視図であり、得られたステータコア21をブラケット23に面している側から見た場合の斜視図である。
【
図11】本発明の一実施の形態におけるディスク回転用モータの製造方法の第2工程を示す斜視図であり、得られた巻線組立体をロータ10に面している側から見た場合の斜視図である。
【
図12】本発明の一実施の形態におけるディスク回転用モータの製造方法の第2工程を示す斜視図であり、得られた巻線組立体をブラケット23に面している側から見た場合の斜視図である。
【
図13】本発明の一実施の形態におけるディスク回転用モータの製造方法の第3工程を示す斜視図である。
【
図14】本発明の一実施の形態におけるディスク回転用モータの製造方法の第4工程を示す斜視図である。
【
図15】本発明の一実施の形態におけるディスク回転用モータの製造方法の第5工程を示す斜視図である。
【
図16】本発明の第1の変形例のディスク回転用モータにおけるプレート51の一部の構成を模式的に示す断面図である。
【
図17】本発明の第2の変形例のディスク回転用モータにおけるプレート51の一部の構成を模式的に示す断面図である。
【
図18】本発明の第3の変形例におけるディスク回転用モータの構成を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施の形態について、図面に基づいて説明する。
【0021】
以降の説明において、「外径側」とは、ディスク回転用モータの回転軸を中心とした場合の外径側を意味しており、「内径側」とは、ディスク回転用モータの回転軸を中心とした場合の内径側を意味している。「外周面」とは、ディスク回転用モータの回転軸を中心とした場合の外周面を意味しており、「内周面」とは、ディスク回転用モータの回転軸を中心とした場合の内周面を意味している。
【0022】
図1は、本発明の一実施の形態におけるディスク駆動装置の構成を示すブロック図である。
【0023】
図1を参照して、本実施の形態におけるディスク駆動装置は、ディスク回転用モータとしてのモータ100と、オンオフや回転速度などのモータ100の駆動状態を制御する制御部200とを備えている。
【0024】
図2〜
図4は、本発明の一実施の形態におけるディスク回転用モータの構成を模式的に示す図である。
図2は底面図であり、
図3は
図2のIV−IV線に沿う断面斜視図であり、
図4は
図2のIV−IV線に沿う断面図である。
【0025】
図2〜
図4を参照して、モータ100は、ロータ10と、ステータ20と、軸受30とを主に含んでいる。ロータ10はステータ20に対して回転可能である。軸受30は、ロータ10をステータ20に対して回転可能に支持している。
【0026】
ロータ10は、ロータフレーム11と、マグネット12と、回転軸であるシャフト13と、抜け止めワッシャ14とを含んでいる。ロータフレーム11は、ロータフレーム11内部からの磁界の漏れを防ぐものであり、たとえば磁性体よりなっている。ロータフレーム11は、ターンテーブル部11aと、側壁部11bとを含んでいる。ターンテーブル部11aは、シャフト13の延在方向(以降、軸方向と呼ぶことがある)に対してたとえば垂直な方向(
図4中横方向)に延在している。ターンテーブル部11aは平面的に見て円形状を有している。ターンテーブル部11aの中心部にはシャフト13を通すための孔60が設けられており、ロータフレーム11は孔60においてシャフト13に固定されている。側壁部11bは、ターンテーブル部11aの外径側端部からステータ20のブラケット23へ(
図4中下方向へ)向かって延在している。側壁部11bは円筒形状を有している。
【0027】
マグネット12は、側壁部11bの内周面に取り付けられている。マグネット12は環状を有しており、N極に着磁された領域と、S極に着磁された領域とが円周方向に沿って一定周期で交互に設けられている。マグネット12は、ステータ20と対向するようにロータフレーム11に取り付けられている。
【0028】
シャフト13は、ロータフレーム11の中央部を貫くように
図4中縦方向に延在している。ロータフレーム11は、シャフト13を中心としてシャフト13とともに回転可能である。シャフト13は、シャフト13の外径側に配置された軸受30によって回転可能に支持されている。
【0029】
抜け止めワッシャ14は、シャフト13の
図4中下端部付近において、シャフト13の外周面に形成された溝13aと嵌め合わされている。抜け止めワッシャ14は、シャフト13が
図4中上方向に移動した場合に軸受30と接触することにより、シャフト13の
図4中上方向への抜けを防止する。抜け止めワッシャ14は、軸受30とブラケット23の第3の底部23cとの間でその位置が規制されている。
【0030】
ステータ20は、ステータコア21(コア)と、ステータコイル22と、ブラケット23と、底板24と、スラスト板25と、インシュレータ26を含んでいる。ステータコア21は、軸受30の外周面に取り付けられており、ブラケット23に対してたとえばバーリングカシメにより固定されている。ステータコア21は、内径側から外径側へ向かって放射状に延びるように形成される複数のティース部21aを含んでいる。ステータコイル22は、複数のティース部21aの各々の周囲に巻回されている。底板24は、たとえば磁性体よりなっており、ブラケット23におけるロータ10側の面に固定されている。スラスト板25は、たとえば円形状であり、シャフト13の
図4中下端部と接触する接触面を含んでいる。スラスト板25は、シャフト13のスラスト方向の荷重を受ける。インシュレータ26は、ステータコア21とステータコイル22との間に設けられており、これらを互いに絶縁している。
【0031】
ステータコア21は、その中央部に形成された孔21b(コア中央孔)と、孔21bを中心とする円周上の複数(たとえば3カ所)の位置に、等間隔に形成された孔21c(周辺貫通孔)とを含んでいる。孔21bおよび孔21cの各々は、ステータコア21を軸方向に貫通している。孔21bには軸受30が圧入されており、それにより軸受30はステータコア21に固定されている。
【0032】
ステータコア21は、複数枚のプレートが軸方向に積層された構造を有している。ステータコア21は、たとえばプレート51〜53の3種類の形状を有するプレート(積層コア)により構成されている。プレート51〜53の各々は互いに接触しており、ロータフレーム11側(
図4中上側)からブラケット23側(
図4中下側)へ向かって、軸方向に沿ってこの順序で積層されている。プレート51〜53の各々の枚数は任意である。
【0033】
軸受30は、たとえばメタルオイルを含有する多孔質材料よりなっている。
【0034】
モータ100は、調芯部材41と、クッションラバー42とをさらに含んでいる。ターンテーブル部11aは、その内径側端部11cが
図4中上方に折れ曲げられている。調芯部材41は、内径側端部11cの外周面に固定されている。調芯部材41と内径側端部11cとの間には図示しないバネが設けられており、調芯部材41は外径方向に付勢されている。クッションラバー42は、ターンテーブル部11aの
図4中上面に配置されている。ディスク駆動装置にディスク80をセットする際には、ディスク80は、その中心部の孔80aが調芯部材41にはめ込まれるように、クッションラバー42上に配置される。調芯部材41はバネの作用によりディスク80の孔80aの内周面を押圧することで、ディスク80を固定する。クッションラバー42は、ディスク80の
図4中上下方向の振動を抑止する。
【0035】
図5および
図6は、プレート51の構成を示す斜視図である。
図5はロータ10に面している側から見た場合の図であり、
図6はブラケット23に面している側から見た場合の図である。
【0036】
図5および
図6を参照して、プレート51(貫通孔大の内曲げコア)は、積層部51aと、筒状の折り曲げ部51bとを含んでいる。積層部51aは平板状であり、ステータコア21の
図4中上端部に積層されている。積層部51aには複数のティース部21aと、孔21cとが形成されている。折り曲げ部51bは、積層部51aの内径側において積層部51aからプレート52の方へ折り曲げられている。折り曲げ部51bは軸方向に延在しており、孔21bを構成している。折り曲げ部51bには軸受30が圧入により締結されており、折り曲げ部51bの内周面は軸受30の外周面に接触している。孔21cは直径d1を有している。
【0037】
図7は、ロータ10に面している側から見た場合のプレート52または53の構成を示す斜視図である。
【0038】
図7を参照して、プレート52(貫通孔大のコア)および53(貫通孔小のコア)は平板状であり、軸方向に沿ってプレート51とともに積層されている。プレート52には複数のティース部21aと、孔52aおよび孔21cとが形成されている。プレート53には複数のティース部21aと、孔53aおよび21cとが形成されている。プレート52の孔21cは直径d1を有しており、プレート53の孔21cは直径d2を有している。直径d2は直径d1よりも小さい。直径d1は、ブラケット23のバーリング部23dの直径よりもやや大きい。直径d2は、ブラケット23のバーリング部23dとプレート53の孔21cとが互いに係合する程度の大きさである。プレート51の折り曲げ部51bは、孔52aおよび53aの内周面(プレート52および53の内径側端部)と軸受30との間に延在している。
【0039】
なお、プレート51の折り曲げ部51bは、全てのプレート52および53の内径側端部をカバーしている必要は無いが、軸受30に固定されたステータコア21が所望の取付強度を発揮する程度の長さを有していることが望ましい。
【0040】
図8は、ロータ10に面している側から見た場合のブラケット23の構成を示す斜視図である。
【0041】
図4および
図8を参照して、ブラケット23は、第1の底部23aと、第2の底部23bと、第3の底部23cと、バーリング部23dと、外縁部23eなどを含んでいる。第1〜第3の底部23a〜23cは、ブラケット23の中央部に形成されており、シャフト13の
図4中下端部を支持している。第1の底部23aは、ブラケット23におけるシャフト13の
図4中下端部に最も近い位置にあり、
図4中横方向に延在している。第2の底部23bは、第1の底部23aの外径側端部と第3の底部23cの内径側端部との間において、軸方向に延在している。第3の底部23cは、第2の底部23bの上端部から
図4中横方向に延在している。外縁部23eは、第3の底部23cの外径側端部からステータコア21の外径側端部よりも外径側の位置まで延在している。外縁部23eにおける第1の底部23aを中心とする円周上の複数(たとえば3カ所)の位置には、等間隔に孔が形成されており、バーリング部23dは各孔の周囲に形成されている。バーリング部23dは、孔21cに対応した位置に形成されている。バーリング部23dの各々は、外縁部23eからステータコア21に向かう方向(
図4中上方向)に延在している。
【0042】
第1の底部23aは、スラスト板25におけるシャフト13との接触面とは反対側の面でスラスト板25と接触する。第2の底部23bは、スラスト板25の外周を取り囲んでいる。外縁部23eには底板24が形成されている。バーリング部23dは、プレート53の孔21cに挿入されている。バーリング部23dの上端部は、プレート53の孔21cの外径方向に変形されている。これにより、ステータコア21はブラケット23に対して直接締結されている。
【0043】
なお、モータ100は、ロータ10を磁気的に吸引することにより、ロータ10の軸方向における位置を安定させる吸引マグネットをさらに含んでいてもよい。吸引マグネットは、たとえばステータコア21のプレート51と接触するように軸受30の外周面に固定されていてもよい。
【0044】
次に、本実施の形態におけるディスク回転用モータの製造方法の一例について、
図9〜
図15を用いて説明する。
【0045】
図9および
図10を参照して、始めに、たとえば1枚の金属平板に対してプレス加工などの塑性加工を行うことで、プレート51〜53を作製する。次に、プレート51〜53を積層することにより、ステータコア21を作製する。
【0046】
図11および
図12を参照して、次に、インシュレータ26によりステータコア21をカバーした後で、ステータコア21の複数のティース部21aの各々にステータコイル22を巻き回す。これにより、巻線組立体が得られる。
【0047】
図13を参照して、続いて、矢印A1で示すように、ブラケット23のバーリング部23dの各々にステータコア21の孔21cの各々を嵌め込む。そして、バーリング部23dの各々に対してカシメ加工を施すことにより、ブラケット23に巻線組立体を実装する。
【0048】
図14を参照して、続いて、矢印A2で示すように、ステータコア21の孔21b内に軸受30を挿入し、軸受30をステータコア21に圧入固定する。その後、ステータコイル22の端末をブラケット23上の基板(図示無し)と半田で接続する。これにより、
図15に示すようなステータ20が得られる。
【0049】
図4を参照して、続いて、必要に応じて吸引マグネット(図示無し)を所定の位置に装着する。次に、軸受30内にシャフト13を挿入することにより、ステータ20にロータ10を装着する。その後、調芯部材41およびクッションラバー42をロータフレーム11上に設置し、モータ100が完成する。
【0050】
本実施の形態によれば、ステータコア21を構成するプレート51の一部を折り曲げた折り曲げ部51bにより、軸受30とステータコア21との間に円筒状の壁面が設けられる。これにより、軸受30のメタルオイルがステータコア21に吸い取られることが抑止される。その結果、軸受ハウジングを廃止して軸受30にステータコア21を直接締結することができ、ディスク回転用モータを簡易な方法で製造することができる。
【0051】
[変形例]
続いて、本発明の実施の形態の変形例について説明する。
【0052】
図16は、本発明の第1の変形例のディスク回転用モータにおけるプレート51の一部の構成を模式的に示す断面図である。
【0053】
図16を参照して、プレート51は、積層部51aと、筒状の折り曲げ部51bとを含んでいる。積層部51aは、プレート52と接触する側(
図16中下側)の面における積層部51aと折り曲げ部51bとの境界部分(内側R(曲面)部)に形成された逃げ溝51cを含んでいる。
【0054】
図17は、本発明の第2の変形例のディスク回転用モータにおけるプレート51の一部の構成を模式的に示す断面図である。
【0055】
図17を参照して、プレート51(折り曲げられた積層コア)に接するプレート52は、プレート51における積層部51aと折り曲げ部51bとの境界と接触する部分(内径部分)に形成された曲面状の面取り部52b(R面取り部)を含んでいる。これにより、プレート52が、積層部51aと折り曲げ部51bとの境界部分と干渉しにくくなり、プレート51とプレート52との密着性が向上する。
【0056】
図16および
図17に示す変形例によれば、プレート52が、積層部51aと折り曲げ部51bとの境界部分と干渉しにくくなり、プレート51とプレート52との密着性が向上する。
【0057】
上述の実施の形態においては、ステータコアを構成するプレートのうち少なくとも1枚のプレートが折り曲げられていればよく、複数枚のプレートが折り曲げられていてもよい。折り曲げられたプレートの積層位置は任意であるが、ステータコアの端部であることが望ましい。
【0058】
図18は、本発明の第3の変形例におけるディスク回転用モータの構成を模式的に示す断面図である。
【0059】
図18を参照して、本変形例のモータ100においては、ステータコア21がプレート51〜54の4種類の形状を有するプレートにより構成されている。プレート54は、ステータコア21を構成するプレートのうち下端部のプレートである。プレート54は、積層部54aと、筒状の折り曲げ部54bとを含んでいる。積層部54aは平板状であり、ステータコア21の
図18中下端部に積層されている。積層部54aには複数のティース部21aと、孔21cとが形成されている。折り曲げ部54bは、積層部54aの内径側において、積層部54aから軸方向に沿って
図18中上方向に折り曲げられている。折り曲げ部54bはプレート51の折り曲げ部51bと突き合わされており、折り曲げ部51bとともに孔21bを構成している。折り曲げ部54bには軸受30が圧入により締結されており、折り曲げ部54bの内周面は軸受30の外周面に接触している。プレート54の孔21cは直径d2を有している。
【0060】
[その他]
本発明のディスク回転用モータは、上述の実施の形態のような軸回転型のモータの他、軸固定型のモータや、平面対向型のモータなどであってもよい。
【0061】
上述の実施の形態は適宜組み合わせることができる。たとえば、
図18に示す形状を有するプレート54が、
図16に示す逃げ溝を含んでいてもよいし、プレート54と接触するプレート53が、
図17に示す面取り部を含んでいてもよい。
【0062】
上述の実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。