特許第5784679号(P5784679)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5784679
(24)【登録日】2015年7月31日
(45)【発行日】2015年9月24日
(54)【発明の名称】多結晶質研磨材料成形体
(51)【国際特許分類】
   C09K 3/14 20060101AFI20150907BHJP
   C04B 35/626 20060101ALI20150907BHJP
   B23B 27/14 20060101ALI20150907BHJP
【FI】
   C09K3/14 550C
   C09K3/14 550H
   C09K3/14 550F
   C09K3/14 550D
   C04B35/58 103R
   B23B27/14 B
【請求項の数】8
【外国語出願】
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-167595(P2013-167595)
(22)【出願日】2013年8月12日
(62)【分割の表示】特願2009-502242(P2009-502242)の分割
【原出願日】2007年3月29日
(65)【公開番号】特開2013-234335(P2013-234335A)
(43)【公開日】2013年11月21日
【審査請求日】2013年8月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】512123086
【氏名又は名称】エレメント シックス アブラシヴェス エス.エー.
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】モチュベレ、アンナ エメラ
(72)【発明者】
【氏名】キャン、アントワネット
(72)【発明者】
【氏名】デイビス、ジェフリー ジョン
(72)【発明者】
【氏名】マイバーグ、ヨハネス ロデウィクス
【審査官】 服部 芙美
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−522776(JP,A)
【文献】 特表2008−513566(JP,A)
【文献】 特開2000−044347(JP,A)
【文献】 特開2000−044350(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第00974566(EP,A1)
【文献】 特表2007−517955(JP,A)
【文献】 特表2008−528413(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09K 3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マトリックス材料中に存在する超硬研磨粒子と、該マトリックス材料とを含有する多結晶質超硬研磨材料であって、
該マトリックスは、該超硬研磨粒子を結合していて、0.5μm未満の平均のマトリックス又は結合材厚さを有し、該平均のマトリックス又は結合材厚さが0.5μm以下の標準偏差を有してい窒化チタン及び窒化タンタルを含む、多結晶質超硬研磨材。
【請求項2】
前記の平均のマトリックス又は結合材厚さが、0.1μm〜0.5μmの間の範囲の標準偏差を有している、請求項1に記載の多結晶質超硬研磨材。
【請求項3】
前記の平均のマトリックス又は結合材厚さが、0.1μm〜0.45μmの間の範囲の標準偏差を有している、請求項2に記載の多結晶質超硬研磨材。
【請求項4】
前記の平均のマトリックス又は結合材厚さが、0.1μm以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の多結晶質超硬研磨材。
【請求項5】
マトリックス中に存在する超硬研磨粒子と、該マトリックスとを含有する多結晶質超硬研磨材であって、
該超硬研磨粒子は0.01μmより大きい平均結晶粒度を有し、且つ、該マトリックスは0.5μmより大きい平均のマトリックス又は結合材厚さを有し、該平均のマトリックス又は結合材厚さが0.4μm未満の標準偏差を有してい窒化チタン及び窒化タンタルを含む、多結晶質超硬研磨材。
【請求項6】
前記の平均のマトリックス又は結合材厚さが、0.35μm未満の標準偏差を有している、請求項5に記載の多結晶質超硬研磨材。
【請求項7】
前記超硬研磨粒子が、ダイヤモンド、立方晶窒化ホウ素、炭化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ホウ素及び亜酸化ホウ素(BO)、又はそれらの組合せから成る群から選ばれている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の多結晶質超硬研磨材。
【請求項8】
前記超硬研磨粒子が、ダイヤモンド又は立方晶窒化ホウ素、又はそれらの組合せである、請求項7に記載の多結晶質超硬研磨材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多結晶質研磨材料(polycrystalline abrasive material)に関する。
【背景技術】
【0002】
研磨材料成形体(abrasive compacts)は、切削(cutting)、フライス削り(milling)、研削(grinding)、穿孔(drilling)及び他の研磨作業において、広く使用される。研磨材料成形体は一般に、第2の相のマトリックス又は結合相の中に分散した超硬研磨粒子を含有する。第2の相のマトリックス又は結合相は、金属若しくはセラミックであるか、又はサーメットである場合がある。第2の相のマトリックス又は結合相は、3次元で連続的である場合がある。超硬研磨粒子は、ダイヤモンド、立方晶窒化ホウ素(cBN)、炭化ケイ素、窒化ケイ素、等である場合がある。これらの粒子は、一般に使用される、成形体を高圧高温で製造するプロセスが行われる間に互いに結合されて、多結晶質塊(polycrystalline mass)を形成するか、又は、1種類以上の第2の相材料のマトリックスを媒介して結合されて、多結晶質塊を形成することがある。そのような物体は一般に、超硬研磨材料としてダイヤモンドを含有する多結晶質ダイヤモンド、又は、超硬研磨材料としてcBNを含有する多結晶質立方晶窒化ホウ素として、それぞれ知られている。
【0003】
ダイヤモンド研磨材又は立方晶窒化ホウ素研磨材料の成形体の例は、米国特許第3,745,623号、同第3,767,371号、同第3,743,489号、同第4,334,928号、同第5,466,642号および同第5,328,875号明細書に記述されている。
従来の焼結体は典型的には、厚さ又は平均自由行程(mean free path)が該材料の大きさ全体に渡ってかなり変動する結合相を含有する。即ち、より大きい量の結合相を含有する領域と、より少ない量の結合相を含有する領域とが存在する。このことを当業者は典型的には、均質性が欠如するものとして特徴付けている。材料構造の一致性がこのように欠如することは、明らかに用途における材料の総合性能に影響を及ぼす。
【0004】
欧州特許EP0974566B1号明細書には、冶金学的な走査型透過電子顕微鏡法及びオージェ電子顕微鏡法を用いて、立方晶窒化ホウ素(cBN)粒子とそれらcBN粒子を結合する結合相とを含有するcBN焼結体の中の結合相の厚さを測定することが記述されている。顕微鏡写真上に任意の直線を引くことによって結合相の厚さが直接的に測定され、且つ、画像解析が行われて、該結合相の厚さの平均値と標準偏差値とが決定された。
欧州特許EP0974566B1号において、結合相の厚さの標準偏差は、材料を混合する様々な方法の有効性を評価するための測定基準(metric)として用いられている。標準偏差が低ければ低い程、その混合方法は、結合相を均質に分配する上でより有効である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
製造方法又は製造ルートを最適化することにより、本発明の多結晶質成形体の均質性(即ち、超硬研磨粒子とマトリックス材料又は結合材との相対分布)を改善することによって、特性が改善された材料を得ることができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
〔発明の概要〕
本発明の1つの面によると、マトリックス材料中に存在する超硬研磨粒子と、該マトリックス材料とを含有する多結晶質超硬研磨材であって、該マトリックスは、0.5μm未満の平均のマトリックス又は結合材厚さと、0.5μm以下の、典型的には0.1μm〜0.5μmの間の範囲の、好ましくは0.1μm〜0.45μmの間の範囲の標準偏差を有している、上記多結晶質超硬研磨材料が提供される。この材料の平均のマトリックス又は結合材厚さは、0.1〜0.5μmの間の範囲であることが好ましい。
本発明のもう1つの面によると、マトリックス中に存在する超硬研磨粒子と、該マトリックスとを含有する多結晶質超硬研磨材料であって、該超硬研磨粒子は0.01μmより大きい平均結晶粒度を有し、更に、該マトリックスは、0.5μmより大きい、典型的には0.5μm〜1.5μmの間の範囲の平均マトリックス又は結合材厚さを有し、そして、該マトリックスは0.4μm未満、好ましくは0.35μm未満、典型的には0.1〜0.35μmの間の範囲の標準偏差を有している、上記多結晶質超硬研磨材料が提供される。
【0007】
本発明の更なるもう1つの面によると、ガラス性表面(vitreophilic surfaces)を有する多数の超硬研磨粒子を提供する工程と、脱イオン水の存在下でアルコキシド又はアルコラートの加水分解及び重縮合を経るゾル−ゲル法によって、懸濁液中の前記超硬研磨粒子をマトリックス前駆体材料で被覆する工程と、前記の被覆された超硬研磨粒子が焼結工程に適するように該超硬研磨粒子を処理する工程と、前記の被覆された超硬研磨粒子が結晶学的又は熱力学的に安定である圧力及び温度で、前記の被覆された超硬研磨粒子を圧密化して焼結する工程とを含む、多結晶質超硬研磨要素の製造方法であって、前記超硬研磨粒子上の被膜の加水分解及び重縮合の速度は、前記懸濁液に前記脱イオン水を極めてゆっくりと添加することによって制御することを特徴とする、上記製造方法が提供される。
超硬研磨粒子は、ダイヤモンド又は立方晶窒化ホウ素、又はそれらの組合せであることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】欧州特許EP0974566号の実施例に対する従来技術マッピング(均質性の説明((cBN)の平均結晶粒度0.01〜2μm))。
図2】従来技術マッピング(均質性の説明((cBN)の平均結晶粒度2〜6μm))。
図3】結合材の厚さと結合材厚さの標準偏差との関係。
図4】結合材の厚さと結合材厚さの標準偏差との関係。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(発明の詳細な記述)
本発明は、岩石、セラミックス及び摩耗部品のための旋削刃、フライス、ホーニング仕上げ刃及び穿孔刃としての切削工具として使用される、多結晶質超硬研磨要素とも呼ばれる多結晶質超硬研磨体及び多結晶質超硬研磨材料、並びに、それらの製造方法に関する。本発明はとりわけ、改善された均質な複合材料であって、存在する材料相がミクロン結晶粒度、サブミクロン結晶粒度及び/又はナノ結晶粒度であり、それゆえに、そのような材料相が使用される結果として、諸用途における特性及び挙動で予想される改善点を利用することができる上記複合材料に向けられている。
これらの材料は、改善された特性を示し、本発明の複合材料研磨体を使用することのできる用途の範囲における挙動が改善される結果となる。本発明は、微細構造における均質性の欠如と、組成の相の複雑性と、導入される不純物とに関連する従来技術において経験される多くの課題に取り組む。
【0010】
複合材料研磨体は、ミクロン結晶粒度、サブミクロン結晶粒度又はナノ結晶粒度のマトリックス材の中に分散されているミクロン、サブミクロン又はナノサイズの超硬研磨粒子と、該マトリックス材料から作られる。
本発明の目的のために、サブミクロンの粒子又は結晶粒は、それらの主要直径寸法が1μm(1000nm)〜0.1μm(100nm)の間であり、ナノサイズの粒子又は結晶粒は、それらの主要直径寸法が0.1μm(100nm)未満であると定義される。
超硬研磨粒子には、ダイヤモンド、立方晶窒化ホウ素、炭化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ホウ素、亜酸化ホウ素(BO)等、及び、これらの粒子タイプのあらゆる組合せが包含される。
マトリックス材料は、ミクロン結晶粒度、サブミクロン結晶粒度若しくはナノ結晶粒度の酸化物マトリックス、窒化物マトリックス、炭化物マトリックス、酸窒化物マトリックス、酸炭化物マトリックス又は炭窒化物マトリックスを包含するが、それらに限定されない。サブミクロンサイズ又はナノサイズのマトリックス材料は、アルミニウム、チタン、ケイ素、バナジウム、ジルコニウム、ニオブ、ハフニウム、タンタル、クロム、モリブデン及びタングステンの酸化物、窒化物、炭化物、酸窒化物、酸炭化物及び炭窒化物、並びに、これらの材料のいずれかの適切な組合せを包含する。これらのマトリックスは、アルミニウム、チタン、タンタル、ケイ素又はジルコニウムの、ナノ結晶粒度の化合物であることが好ましい。
【0011】
本発明の複合材料研磨体は、約25体積%〜98体積%超の、好ましくは70体積%超の、より好ましくは80体積%超の[分散された超硬粒子]対[マトリックス材料]の組成比を有する。
本発明の方法の1つの重要な面は、コロイド技術を用いて、所望のマトリックス材のための前駆体を各々の個々の超硬粒子の上に的確に被覆することができ、その結果、各々の粒子は、他の全ての粒子と実質的に同一の大きさと構造との被膜を有するということである。このことによって、従来技術の方法によって得られる構造的均質性に比べて著しく優れた、より高度の構造的均質性を得ることが可能である。このことによって、ミクロン、サブミクロンの大きさの微細超硬粒子を得ることが可能であり、また、ナノサイズの大きさの微細超硬粒子を得ることも可能である。なぜなら、本発明の方法の明確な特徴は、選定された熱処理法によってもたらされる前駆体被覆材料、及び、その後に生じる最終的なマトリックス材料が、非常に微細なナノ結晶粒度のものとなり得るということであるからである。ひいては、このことによって、90体積%を超える非常に高い超硬粒子の含有率と、優れた均質性とを達成することが可能になる。
【0012】
本発明の多結晶質研磨材料は、国際特許出願番号PCT/IB2005/002799号明細書に概略的に記述される方法によって製造することができる。この国際特許出願明細書の内容は、言及されることによって本明細書に組み入れられるものの、本発明によって最適化されている。
本発明の方法は、概して4つの手順要素、即ち、1)超硬研磨粒子にガラス性表面(vitreophilic surfaces)を与える工程、又は、適切な場合には、該超硬研磨粒子の表面を化学的に処理して、それら表面をガラス性にする工程、2)コロイド懸濁液反応法(colloidal suspension reaction methods)を用いて、前記超硬粒子を前駆体材料で被覆する工程、3)複数種類の反応ガスを含有するガス環境を包含するガス環境の中で、前記の被覆された超硬粒子を熱処理して、その被膜を、選ばれた酸化物、窒化物、炭化物、酸窒化物、酸炭化物及び/又は炭窒化物に転化する工程、並びに、4)高圧高温での圧密化及び焼結を行って、十分に高密度の微細構造でナノ構造の複合材料部品を作り出す工程、を含む。
【0013】
第1の工程では、超硬粒子材料の表面化学を巧みに操作して、超硬研磨粒子にガラス性(vitreophilic nature)を与える。「ガラス性の(vitreophilic)」、「ガラスに馴染む(glass loving)」は、酸化物材料との化学結合が容易に形成され得るような特性である状態と定義される。超硬粒子のガラス性挙動を必要とする表面の上に化学種を作り出すことのできる処理は、適切な場合には、濃硝酸等、酸化力のある酸の中での煮沸処理、又は、過酸化水素水等の強酸化剤への暴露処理、又は、空気中若しくは酸素中での加熱処理、を包含するが、それらに限定されない。そのようにして作り出された表面によって、酸化物ベース及び水酸化物ベースのコーティングを粒子材料上に形成し成長させることが可能となり、且つ、そのようにして形成された酸化物ベース前駆体コーティングとの付着性が良好となる。
【0014】
第2の工程では、超硬研磨粒子を、非晶質及び/又はナノ結晶粒の水和酸化物の前駆体材料でコロイド懸濁液被覆する工程が使用される。PCT/IB2005/002799号明細書に記載のゾル−ゲル法の幾つかの工程を最適化することによって、ミクロンサイズ、サブミクロンサイズの超硬材料粒子を、且つ、ナノサイズの超硬材料粒子をも的確に被覆することができることが分かった。好ましいゾル−ゲル法では、アルコキシド即ちアルコラートの加水分解と重縮合とを使用する。この方法によって作り出される前駆体コーティングは、高表面積を有する、非晶質又はナノ結晶粒の細孔性水和酸化物である。ゾル−ゲル技術はとりわけ、用途が非常に広く、且つ、寸法が10nm程度又は更にいっそう小さい場合もあるガラス性懸濁粒子の表面の上に、水和酸化物の前駆体材料の非常に的確な被膜が異種核形成して成長するのを容易に制御することができる。
【0015】
好ましいゾル−ゲル法は、1種類の金属アルコキシドのアルコール溶液又は複数種類の金属アルコキシドの組合せのアルコール溶液を、徐々に且つ制御されたやり方で、同一種類のアルコールに入れた超硬材料粒子の懸濁液に添加することである。その後、同一種類のアルコールに入れた低濃度の純水/脱イオン水を該懸濁液に徐々に添加する。該金属アルコキシドは、該水によって加水分解されて金属水酸化物単量体を形成する。これらの金属水酸化物単量体は、ひいては、(本発明では、酸化物の前駆体材料又は被膜と称される)水和酸化物の細孔性材料を漸次形成する重縮合反応を受ける。典型的には前記の1種類以上のアルコキシドと同一のアルキル基を有するアルコールの種類と、懸濁した超硬粒子の濃度と、アルコキシドのアルコール溶液の濃度と、アルコキシド水比と、温度と、他の作用物質(例えば、酸若しくは塩基)の存在又は不存在とを適切に選定することによって、懸濁した該超硬粒子の上に酸化物前駆体のコーティングが形成されるのを制御することができる。使用されるアルコキシドの各々の種類は、懸濁した超硬粒子を所望の被膜の状態で被覆するために使用されるべき特定の条件を必要とする。
【0016】
このアプローチの1つの重要な面は、アルコキシドの加水分解反応及び重縮合反応の副産物が、コーティングの幾つかの自由表面の上に存在する水、アルコール及び水酸化物であることである。これらの副産物は全て、乾燥及び低温熱処理によって容易に除去することができる。更に、前記の1種類以上のアルコキシドはそれ自体、高純度等級で容易に入手することができる。このように、アルコキシドのゾル−ゲル法は、非常に純粋な非汚染酸化物を得るのに役立つ。したがって、最終のマトリックス材は、従来技術の方法によって作り出されるマトリックス材料に比べて非常に純粋になり得る。微粉砕方法/混合方法によって持ち込まれる遍在的な不純物は、本発明の方法では全く存在しない。
本発明の方法の更にもう1つの非常に重要な面は、異なる金属に基づく2種類以上のアルコキシドを同時に又は順次に使用することによって、広範囲の混合された前駆体酸化物材料を作ることができることである。このような方法において、そのようにして作り出された酸化物前駆体材料は、異なる金属が分子スケールで分配された混合酸化物になる。代替的に、2種類以上の金属を含有するアルコキシド複合体を作ることができることは知られている。これらのアルコキシド複合体は、本発明の方法で使用することができる。結果的に、本発明の方法を十分利用することによって作り出される酸化物、窒化物及び炭化物は、混合され合金化された相を含有することができる。更に、混合された金属アルコキシドの構造体を作り得ることは知られている。そのような混合された金属アルコキシドを使用すれば、混合された金属前駆体酸化物が作り出され、続いて、混合された金属複合体マトリックス相が作り出されることにもなる。
【0017】
複数種類のアルコキシドの混合物、又は混合された複数種類のアルコキシドを使用すれば、前駆体、及び、その後に生じるマトリックス材を焼結剤及び構造改質剤(structure modification agents)(例えば、イットリア、マグネシア等)でドーピングすることも可能となる。このように、セラミック、サーメット及び冶金材料に関する確立された多くの科学知識を、本発明の方法による複合材料の製造に向けることができる。
被覆された超硬研磨粒子は、懸濁液から取り去り、洗浄した後、例えば、100℃未満の真空中で加熱することによって徐々に乾燥させる。前駆体の被覆材料は細孔性構造、非晶質構造、又はナノ結晶粒度構造を有するので、複合材料の成分としての、所望の微細な結晶粒度及びナノ結晶粒度を有するセラミック並びに他の材料を形成するために、該前駆体の被覆材料に対して、ガス反応物中又はガス環境中で、温度をプログラム化した反応熱処理を行うことが最適となる。
【0018】
第3の工程では、選定したガス環境中で、前駆体の被覆された超硬粒子に対して、温度をプログラム化した反応熱処理を行って、該被膜を部分的に緻密化し、次いで、それを選定された微細なセラミック材料又はナノ結晶粒度のセラミック材料に転化する。被膜を部分的に緻密化し、残留しているあらゆる水分及びアルコール成分を追い出し、且つ、該被膜を所望の酸化物相として結晶化させるために、空気中又は酸素中での熱処理を採用する。加熱速度、最高温度、及び最高温度の持続時間は、必要とされる酸化物の構造、相及び種類によって特定される。
被膜を窒化物に転化することが望ましい場合、ある特定の用途では、約1400℃以下の温度が必要であるかもしれないが、乾燥された被覆材料、又は空気中でか焼した被覆材料を、典型的には1100℃以下の乾燥アンモニア中で加熱することができる。この、温度をプログラム化した反応熱処理は、被覆材料を徐々に変化させて、酸化物ベース被膜を、化学両論的な窒化物及び酸窒化物、並びに非化学両論的な窒化物及び酸窒化物に転化することができる。この場合も先と同様に、加熱速度、ガスの流速、最高温度、及び最高温度の持続時間は、必要とされる窒化物の構造、相及び種類によって特定される。
【0019】
酸窒化物相は、前記の諸条件を適切に選定することによって作り出すことができることも見出だされた。
被膜を炭化物に転化することが望ましい場合、ある特定の用途では、1500℃以下の温度が必要であるかもしれないが、乾燥された被覆材料、又は空気中でか焼した被覆材料を、典型的には1200℃未満の温度で、炭素質ガス(例えば、メタン又はエタン)と水素との混合物の中で加熱することができる。この場合も先と同様に、加熱速度、ガスの流速、最高温度、及び最高温度の持続時間は、必要とされる炭化物の構造、相及び種類によって特定される。酸炭化物相は、前記の諸条件を適切に選定することによって作り出すことができることも分かった。代替的に、上述のようにして作り出された窒化物被膜は、メタン又はエタンと水素との混合物の中で適切に加熱処理することによって炭化物に転化することができることが分かった。炭窒化物相は、前記の諸条件を選定することによって作り出すことができる。
【0020】
幾種類かの酸化物被膜は、純水素中での還元によって、対応する単体金属まで容易に還元することができる。そのような被膜の例は、酸化タングステン(WO)及び酸化モリブデン(MoO)であり、それらの被膜は、500〜700℃の典型的な範囲の低い温度で、単体金属まで容易に還元することができる。
本発明の方法の、温度をプログラム化した反応成分(reaction component)の重要な側面は、結果として得られる、超硬粒子上の酸化物、窒化物、炭化物のコーティングの結晶粒度の直径が典型的には全てナノメーターであることが観察されたということである。これらの熱処理の更にもう1つの有益な側面は、溶融技術又は融解技術によって作られる従来の酸化物材料を類似の方法で転化するのに要する温度及び時間と比べて、転化を達成するのに要する温度が低く、且つ、転化を達成するのに要する時間が短いということであった。窒化物を形成する一部の例において、本発明の方法では、従来の酸化物材料を窒化する工程と比べて400℃も低い温度を必要とした。更に、被覆された超硬粒子は、ばらばらの状態に非凝集化することができる。このことは、後続の高圧高温による圧密化と、続く焼結段階とが行われる間に得られる構造体を均質化するのに役立つ。
【0021】
第4の工程では、高温による圧密化工程及び焼結工程を、超硬粒子が熱力学的に且つ化学的に安定である温度及び圧力で用いて、十分に緻密な、又はほぼ十分に緻密なミクロンサイズ、サブミクロンサイズ及びナノサイズの複合材料によるモノリシック(monolithic)材料部品を作り出す。ダイヤモンド及び立方晶窒化ホウ素(cBN)の好ましい超硬材料を得るためのこれらの条件は、2.5GPa〜8GPaの範囲、及び600℃〜1800℃の範囲であった。そのようにして作り出された緻密な複合材料は更に、圧密化工程及び焼結工程の間、そのままで(in situ)金属炭化物の基体に結合させることができる。使用する高圧高温装置は、当該技術分野で知られている、適切な条件を作り出すことのできるものであれば如何なるものでもよい。
【0022】
本方法の1つの形態において、とりわけ被覆工程と圧密化工程とを綿密に制御することによって、欧州特許EP0974566B1号の、一般的な結合材又はマトリックスの厚さの標準偏差方法によって決定されるような、非常に高い均質性の構造体を有する新規な材料を得ることが可能であるということが見出だされた。この最適化は典型的には、例えば、
・超硬粒子とマトリックス前駆体形成材料との相対濃度のバランスを取ること、
・マトリックス前駆体材料の超硬粒子の表面への3次元的な一時的暴露(3−dimensional temporal exposure)を巧みに操作すること、並びに
・pH、及び他の溶液に基づく諸因子及びパラメータのような側面を変化させることによって、反応速度を制御すること、
のような諸因子を通して、いわゆるゾル−ゲル反応に関する反応速度論(reaction kinetics)を制御するという更なる側面に焦点を当てる。
【0023】
とりわけ、反応速度のより良い制御、及び、超硬粒子のコーティングの粒子間の再現性の増大は、ゾル−ゲル反応の速度の遅延化に役立つアプローチ、又は、超硬粒子の表面をゾル−ゲル試薬に暴露する方法の改善に役立つアプローチを用いることによって達成することができるということが見出だされた。
【0024】
より均質な最終構造体は、例えば、試薬(典型的には、アルコキシド及び脱イオン水)を複数種類の超硬粒子に添加する速度を低下させることによって得ることができる。このことは、諸試薬を数時間、例えば、2時間以上に及ぶ時間にわたって、一滴ずつ添加するか若しくは回分式で添加することによって、それらの試薬を超硬粒子の懸濁液に対して、有効なより遅い添加の形態をとることができ、且つ/又は、反応プロセスの巧みな操作によって、例えば、反応工程の後期に水相を添加し、もう一度一滴ずつ添加するか若しくは回分式で添加することによって、達成することができる。更に、アルコール懸濁液の媒質に入っている諸試薬の濃度は、例えば、
・[脱イオン水]対[希釈アルコール懸濁液]比が1未満(又は、純アルコール1ml当り水0.1モル未満)に維持され、且つ、
・乾燥アルコール懸濁液に対するアルコキシドの濃度が、乾燥アルコール1ml当りアルコキシド0.005モル未満に維持される、
ようなやり方で減少させることができる。
【0025】
加えて、超硬粒子を試薬溶液に分散させるための遥かに強力で有効な超音波法を使用すれば、結果的に構造特性が改善された複合材料が生じる傾向となる。大直径(40mm)のホーン(horn)を備えた高電力源を用いて、超硬粒子−アルコール懸濁液を超音波処理することは、超硬粒子を分散させ且つ非凝集化させるのに有効であることが分かった。また、超硬粒子は、とりわけ凝集する傾向があることが分かった。この方法にとって極めて重要なことは、高エネルギー超音波処理の結果としてかなりの温度上昇を受ける懸濁液を、反応が進行する前、室温まで冷却させる追加の工程である。反応が進行する前に溶液が冷却されなければ、反応速度はあまりにも急激に進んで、結果的に十分に均質な特性を有する複合材料が得られないことがある。
【0026】
更に、アルコールベース懸濁液中の超硬研磨粒子の濃度を(例えば、0.2g/ml未満に)減少させること、及び、3:1より大きい[脱イオン水]対[前駆体から誘導される酸化物相]のモル比を用いることは好都合であることが分かった。
添付図面の図1及び図2は、(立方晶窒化ホウ素(cBN)の異なる結晶粒度の2つの型に関する)欧州特許第0974566号明細書からの従来技術の実施例(結合材の厚さの平均値の関数としてプロットされた結合材の厚さの平均値の標準偏差)を示す。例えば、範囲の名称「Sumi 2」とは、該欧州特許明細書からの実施例2に解説されるそれらの試料を言い、範囲の名称「Sumi 10」とは、実施例10に解説されるそれらの試料を言う。
【0027】
本発明の多結晶質研磨材料は、結合材の厚さの平均値の標準偏差が、従来技術において示される標準偏差に比べて遥かに低くなっている。
結合材相又はマトリックス相の分布は典型的には、統計学的に結合材の厚さの平均値と、それに関連する標準偏差値とによって表現することができる。結合材の厚さの平均値は、複合材料内部における1種類以上の結合材相の分布特性を効果的に表現する。結合材の総含有率と超硬粒子の粒度及び分布とを定義することによって、この値は効果的に幾何学的に決定される。しかし、この値の標準偏差値は、均質性に対する優れた記述語(descriptor)である。結合材の厚さの分布が広ければ広い程(即ち、標準偏差値が高ければ高い程)、その材料はより非均質である。結合材の厚さの分布が狭ければ狭い程、又は、標準偏差値が低ければ低い程、その材料はより均質である。
【0028】
考慮すべき実際的見地からの更なる効果が存在する。材料の性能を損なうことなく結合材の厚さを薄くすること(従って、結合材又はマトリックスの含有率を減少させること)は、均質性が本質的に欠如するため、典型的には困難である。均質性が本質的に欠如すれば、結果的に、材料の一部分が、効果的な圧密化を促進するには不十分である結合材相を有することになる。これらの低くなった結合材厚さの平均値を、遥かに低くなった標準偏差値(典型的には、0.5μm以下)と結び付けることによって、結合材相の平均厚さが0.5μm以下で0.1μmより大きい材料であって、圧密化が困難であることに起因して諸特性が損なわれない上記材料を作り出すことは可能であることが分かった。最も好ましい取り合わせ(arrangement)は、標準偏差が、0.1μmより高く0.45μm以下である値を有する場合である。
図3は、結合材の厚さの値が0.1μm〜0.5μmであり、且つ、標準偏差が0.1μm〜0.5μmである本発明の好ましい材料の範囲を、斜交平行線模様で示す。
【0029】
加えて、本発明の更なる面は、より高い結合材含有率を有することのできる材料であって、結合材の厚さの平均値は0.5μmよりも高いと表現されるものの、(標準偏差値が低いと表現される)本発明の増大した均質性は依然として保持されている上記材料に向けられている。この材料は、結合材の厚さが0.5μmより厚く約1.5μm以下であり、且つ、標準偏差が0.1〜0.4μmの間、好ましくは0.1〜0.35μmの間に低下している。これらの材料は特別な利点を有しており、この場合、結合材系は、超硬研磨粒子の非常に均質な分布と結び付けることのできる著しく好都合な諸特性を有している。図4は、本発明のこの面に従う材料の範囲を、斜交平行線模様で示す。
次に、本発明は、下記の非限定的実施例によって説明する。
【0030】
実施例1
1.3μmの平均粒度を有する立方晶窒化ホウ素100gをHClで清浄化して、表面汚染物を除去した。立方晶窒化ホウ素(cBN)粒子の表面は、国際特許出願PCT/IB2005/002799号明細書に教示される通りに、親ガラス性(vitreophilic)にした。次いで、ビーカーに入れた純アルコール700mlに、cBN 53.7gを懸濁させた。該懸濁液は、大ホーン(直径40mm)を用い、cBN粒子を非凝集化するのに十分大きい動力で、20分間超音波処理を行った。次いで、該懸濁液は、櫂形撹拌機を用い、約100rpmで激しく撹拌した。
タンタル(V)エトキシドの液体[Ta(OC]50gを、無水エタノール75mlに溶解させた。cBN懸濁液を(超音波処理した後)室温まで冷却した後、Ta(OCは、2時間の時間にわたって該cBN懸濁液に一滴ずつ添加した。次いで、チタンイソプロポキシドの液体[Ti(OC]35.25gを、無水エタノール75mlに溶解させ、次いで、更に2時間の時間にわたって該cBN懸濁液に一滴ずつ添加した。
【0031】
脱イオン水44mlを、無水エタノール200mlで希釈し、次いで、2時間の時間にわたって立方晶窒化ホウ素(cBN)懸濁液に添加した。その懸濁液及び諸試薬は、室温(約25℃)に保持し、加熱しないで反応速度を低くした。更に16時間の間、撹拌し続けた。次いで、結果として得られた多数の被覆された粒子は、純エタノールで3回洗浄し、次いで、回転式蒸発器で乾燥させた。次いで、750℃に維持されたオーブンで2日間、更なる乾燥工程を行った。交換可能ディスク記憶装置(EDS)を使用しながら、走査型電子顕微鏡(SEM)で調べてみると、各々のcBN粒子は、チタン及びタンタルの酸化物化合物の均質混合物であって、細孔性非晶質のチタニア(TiO)及びタンタラ(tantala:酸化タンタル)(Ta)であると予想される上記均質混合物で完全に被覆されていることが観察された。
次いで、この酸化物で被覆されたcBNは、400℃の空気で3時間の間処理した。加熱速度及び冷却速度は、5℃/分に維持した。次いで、空気加熱処理された、チタニア及びタンタラで被覆されたサブミクロンcBN粒子60gを、管状炉の中で、乾燥アンモニアガス(NH)の流れに暴露させながら、1000℃で5時間の間更に加熱した。使用した加熱速度は、10℃/分であった。X線回折(XRD)調査によって、アンモニア中でのこの熱処理は、ナノ結晶粒度のチタニア及びタンタラの被膜をナノ結晶粒度の窒化チタン(TiN)及び窒化タンタル(TaN)に転化することが示された。
【0032】
次いで、ナノ結晶粒度のTiN/TaNの組合せで被覆された立方晶窒化ホウ素(cBN)約45gを、当該技術分野では周知のベルト型高圧装置の中で、約5.0GPaの圧力で20分間、約1400℃の温度にさらした。
連続したTiN/TaNマトリックスの中にcBN約84体積%を有する、亀裂なし多結晶質cBN材料を製造した。結果として得られた材料を走査型電子顕微鏡(SEM)で調べてみると、TiN/TaNマトリックス中にサブミクロンのcBN粒子を有する、十分に焼結された均質な単分散系であることが分かった。結合材相を前述の方法のように測定し、この複合材料に対する平均結合材自由行程は0.25μmであり、この値の標準偏差は0.23μmであることが分かった。
【0033】
実施例2
1.3μmの平均粒度を有する立方晶窒化ホウ素を、実施例1に記述されるように酸処理した。酸処理した立方晶窒化ホウ素(cBN)の粉末250gを、純エタノール2000mlに懸濁させた。この懸濁液は、大ホーンの超音波プローブ(直径40mm)を用いて、20分間超音波処理を行ってそれらcBN粒子を非凝集化し、次いで、櫂形撹拌機を用いて激しく機械撹拌した(100rpm)。次いで、該懸濁液は、処理の前、室温まで冷却した。化学式Zr[O(CHCHを有するジルコニウム(IV)n−プロポキシド(n−プロパノールで70重量%)221.7gを、乾燥エタノール200mlに溶解させた。該アルコキシド溶液を、撹拌したcBN懸濁液に、室温で一滴ずつ2時間にわたって添加した。
【0034】
分液滴下漏斗に入れた硝酸イットリウム六水和物[Y(NO・6HO]7.4gを、乾燥エタノール150mlに溶解させた。ジルコニウムn−プロポキシドを添加した後、Y(NO・6HOを該cBN懸濁液に1時間にわたって添加した。この後、純エタノール200mlに入れた脱イオン水187mlを、2時間にわたって一滴ずつ添加した。次いで、該混合物は、一晩中(約16時間)撹拌し、実験の間中、室温に維持して、反応速度を減少させた。
酸化ジルコニウムで被覆されたcBNは、純エタノールで3回洗浄し、次いで、600〜390ミリバールの間の真空の下、70〜80℃の間の温度で、ロータベイター(rotavator)による乾燥を行った。結果として得られた粉末は、75℃の空気で2日間更に乾燥させた。この乾燥済み粉末は、その後、静止大気中で加熱処理した。使用した加熱処理サイクルは、次の通りであった。即ち、350℃まで2℃/分で上昇、350℃を1時間の間保持、次いで、500℃まで2℃/分で上昇、次いで、500℃を5時間の間保持。
【0035】
前記の熱処理した粉末のX線回折(XRD)分析によって、該粉末は結晶質立方晶窒化ホウ素及び正方晶ジルコニア相から成ることが分かった。次いで、正方晶ジルコニアで被覆された立方晶窒化ホウ素(cBN)粉末は、ベルト型高圧/高温プレスによって、約1400℃の温度及び約5GPaの圧力で20分間ホットプレスにかけた。これによって、均質なcBN−ジルコニア複合材料が作り出された。
結果として得られた、十分に焼結された複合材料を走査型電子顕微鏡(SEM)で調べてみると、結合材相及び超硬粒子相の分布は非常に均質であり、且つ、前述のような、平均結合材自由行程の測定値は、平均値が0.22μmであり、この測定値の標準偏差が0.23μmであることが分かった。
図1
図2
図3
図4