特許第5784698号(P5784698)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5784698穴を少なくとも部分的に塞ぐ方法および装置、ならびにそのような装置を組み込んだ、特に機械を修理するための設備
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5784698
(24)【登録日】2015年7月31日
(45)【発行日】2015年9月24日
(54)【発明の名称】穴を少なくとも部分的に塞ぐ方法および装置、ならびにそのような装置を組み込んだ、特に機械を修理するための設備
(51)【国際特許分類】
   E04H 5/06 20060101AFI20150907BHJP
   E04H 4/10 20060101ALI20150907BHJP
   E04F 19/08 20060101ALI20150907BHJP
   E04G 21/32 20060101ALI20150907BHJP
   B60S 5/00 20060101ALN20150907BHJP
【FI】
   E04H5/06
   E04H4/10
   E04F19/08 103Z
   E04G21/32 Z
   !B60S5/00
【請求項の数】12
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-501906(P2013-501906)
(86)(22)【出願日】2011年3月29日
(65)【公表番号】特表2013-531151(P2013-531151A)
(43)【公表日】2013年8月1日
(86)【国際出願番号】FR2011050679
(87)【国際公開番号】WO2011121221
(87)【国際公開日】20111006
【審査請求日】2014年3月19日
(31)【優先権主張番号】1058104
(32)【優先日】2010年10月6日
(33)【優先権主張国】FR
(31)【優先権主張番号】1052522
(32)【優先日】2010年4月2日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】512244875
【氏名又は名称】レイス ピエール
(74)【代理人】
【識別番号】100075177
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 尚純
(74)【代理人】
【識別番号】100113217
【弁理士】
【氏名又は名称】奥貫 佐知子
(72)【発明者】
【氏名】レイス ピエール
【審査官】 津熊 哲朗
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭62−011959(JP,U)
【文献】 特開平04−166570(JP,A)
【文献】 米国特許第04122561(US,A)
【文献】 米国特許第04103368(US,A)
【文献】 欧州特許出願公開第00049015(EP,A1)
【文献】 仏国特許出願公開第02408021(FR,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 5/06
E04F 19/08
E04G 21/32
E04H 4/10
B60S 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピットまたは槽のような上に開いた穴(1)を、特に前記穴(1)の中への落下を防ぐために、少なくとも部分的に塞ぐ閉鎖装置であり、前記装置は、前記穴(1)の開口を少なくとも部分的に塞ぐ少なくとも1つの閉鎖要素(3)を含み、前記閉鎖要素(3)のサポートフレーム(2)は、前記穴(1)の中にまたは前記穴(1)の近くに、前記閉鎖要素(3)を配置するための長方体の形をしており、前記閉鎖要素(3)は、縮小形態に戻す戻り手段(4)を備えるエアマットレス(3)の形をしており、前記縮小形態では、前記エアマットレス(3)が前記エアマットレスの自由端部の1つ(3b)の周りに巻き取られ、渦巻き状のロールを形成しており、前記マットレス(3)を巻き取る前記巻き取り自由端部(3b)は、前記マットレス(3)を前記サポートフレーム(2)に結合する端部(3a)とは反対側のマットレスの端部によって形成され、前記マットレス(3)は、膨張可能なマットレスであり、前記マットレスを膨らませて広げることによって、巻き取り縮小形態、すなわち前記マットレスが前記穴(1)の開口を少なくとも部分的に解放するようになっている形態から、広げられた拡張形態、すなわち前記マットレスが前記穴(1)の開口を少なくとも部分的に閉めるようになっている形態に移行するマットレスであり、
前記装置は、前記マットレス(3)が前記巻き取り縮小形態から前記広げられた拡張形態に移行するときに前記マットレス(3)を支持する少なくとも1つの支持アーム(5)をさらに含み、前記支持アーム(5)は、前記支持アームが前記マットレス(3)の巻き取り軸に実質的に平行に延在する収納位置と、前記支持アーム(5)が前記巻き取り軸を横断する向きに延在する作動位置との間を動くように取り付けられることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記支持アームまたは各支持アーム(5)は、前記支持アーム(5)を作動位置に戻す戻り手段(6)を備えること
を特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記支持アームまたは各支持アーム(5)の移動は、前記支持アーム(5)を前記収納位置から前記作動位置に移動させる場合は自動制御され、前記支持アーム(5)を前記作動位置から前記収納位置に移動させる場合は手動操作されること
を特徴とする請求項1および2のいずれか1項に記載の装置。
【請求項4】
前記サポートフレーム(2)は、巻き取り縮小形態の前記閉鎖要素(3)が少なくとも部分的に内部に挿入される箱(2)の形をとり、前記箱(2)は開口(2d)を備え、前記閉鎖要素(3)は、前記巻き取り縮小形態から前記広げられた拡張形態に移行するときに該開口を通って張り出し、前記箱(2)の前記開口(2d)は、前記箱の閉位置と開位置との間を動くように取り付けられた戸のような閉じ要素(2b)を備えること
を特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記閉じ要素(2b)は、前記箱(2)の閉位置に戻す戻り手段(7)を備え、前記マットレス(3)の膨張時に前記マットレス(3)によって前記閉じ要素(2b)に及ぼされる圧力の影響を受けて、前記閉位置から前記開位置に移行するようになっていること
を特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記装置は、前記支持アームまたは各支持アーム(5)を収納位置に保持する保持手段(8)を含み、前記保持手段(8)の部分(8A)が、前記閉じ要素(2b)に備えられ、前記閉じ要素(2b)の移動と連動するように取り付けられ、前記保持手段(8)の前記部分(8A)は、開/閉作動が可能であり、前記閉じ要素が閉位置から開位置に移行すると、開位置、すなわち前記支持アーム(5)を収納位置に保持する位置から、閉位置、すなわち前記支持アーム(5)を解放し、前記支持アーム(5)の前記作動位置への移動を可能にする位置に移行するようになっていること
を特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記支持アームまたは各支持アーム(5)を保持する前記保持手段(8)の部分(8B)が、前記支持アーム(5)の可動部分に配置され、前記保持手段(8)のこの部分(8B)は、少なくとも1つの引っ込み部位を含み、該引っ込み部位は、前記支持アーム(5)が前記作動位置から前記収納位置に移行するとき、前記閉じ要素(2b)に備えられた前記保持手段(8)の前記部分(8A)と接触して押されることによって引っ込み、前記支持アーム(5)の収納位置になると元に戻り、前記閉じ要素(2b)に備えられた前記保持手段(8)の前記部分(8A)と協動して前記支持アーム(5)をロックするロック部位を形成すること
を特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記支持アーム(5)に備えられた前記保持手段(8)の前記部分(8B)を構成する前記ロック部位は、台または突起のような、バネ仕掛けの部位の形をしていること、および前記閉じ要素(2b)に備えられた前記保持手段(8)の前記部分(8A)は、前記閉じ要素(2b)から張り出し前記閉じ要素(2b)とともに動くストッパの形をとり、このストッパは、前記支持アーム(5)が収納位置と作動位置との間を移動するとき、前記閉じ要素(2b)の閉位置では、前記支持アーム(5)、特に前記支持アーム(5)の前記ロック部位が辿る軌跡上に位置し、前記閉じ要素(2b)の開位置では、前記軌跡から外れて位置すること
を特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記マットレスを巻き取り縮小形態に戻す前記戻り手段(4)は、それぞれ、前記マットレス(3)を周りに巻き付けて縮小形態にするようになっている前記マットレス(3)の前記自由端部(3b)と、前記マットレス(3)を前記サポートフレーム(2)に結合する前記端部(3a)に相当し前記自由端部の反対側になる前記マットレス(3)の前記端部(3a)との間に延在する長尺要素の形をした弾性変形可能な要素であること
を特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
前記サポートフレーム(2)は前記穴(1)の前記開口の端部(1a、1b)の1つ(1a)に沿って前記閉鎖要素(13)を配置し、前記装置は前記マットレス(3)の自由巻き取り端部(3b)を支える支え手段(9)を含み、前記支え手段(9)は前記穴(1)の前記開口の前記端部(1a、1b)のうち前記サポートフレーム(2)を受ける端部(1a)とは反対側の端部(1b)に沿って配置することができるレールのような1つまたは複数の長い要素の形をしており、前記マットレス(3)の追加の支えを形成すること
を特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
穴(1)と、前記穴(1)の開口を塞ぐ閉鎖装置とを少なくとも含む類の、特に機械を修理するための設備であって、
前記閉鎖装置は、請求項1から10のいずれか1項に記載されている通りの装置である設備。
【請求項12】
請求項1から10のいずれか1項に記載されている通りの装置を用いてピットまたは槽のような穴(1)を少なくとも部分的に塞ぐ方法であり、該方法は、少なくとも
‐前記穴(1)の中にまたは前記穴(1)に近い場所に前記装置を固定するステップ、
および
‐前記マットレス(3)を前記縮小形態から前記拡張形態に移行させて前記穴(1)を少なくとも部分的に閉めるために、前記エアマットレス(3)を膨らませる膨張ステップ、
を含み、
前記膨張ステップの間に、前記支持アーム(5)を前記収納位置から前記作動位置に移行させる
とを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピットまたは槽のような上に開いた穴を、特にこの穴の中への落下を防ぐために少なくとも部分的に塞ぐ方法および装置、ならびに穴と穴の開口を塞ぐ前記の類の閉鎖装置とを少なくとも含む類の、特に機械を修理するための設備に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の修理を確実に行うために機械整備で利用される類の作業用ピットを不使用時に確実に閉めることを目的とする装置が当業者に周知である。
【0003】
そのようなピットは、地面に掘られたほぼ平行6面体の形の穴で構成され、幅は、修理する自動車がピットの縦軸に沿ってピットの上に位置することができるように、修理する自動車の幅より小さい。安全上の明らかな理由から、利用するとき以外はこのピットの開口を確実に塞がなければならない。これは、普通は、ピットの長さ全体にわたって連続した閉鎖表面が実現されるように、ピットの上に一連の厚板または梁を横向きに並べ、それぞれの側面を互いに押し当てることによって実現される。
【0004】
従来は、この類のピットを自動的に開閉することができるように、各閉鎖要素が、歯車手段と共に動くのに適したラック手段を内側の面に備えている。歯車手段は、作動手段によって操作され、ラック手段と噛み合う。ラックおよび歯車は、たとえば仏国特許第2,674,565号によって例示されるように、組立てを複雑にし、高価なものにする。
【0005】
穴の開口を少なくとも部分的に塞ぐ閉鎖要素と、穴の中にまたは穴の近くに、好ましくは該穴の開口の端部の1つに沿って閉鎖要素を配置するための長方体の形をした、該閉鎖要素の支持フレームとを少なくとも含む閉鎖装置も知られている。該閉鎖要素は、縮小形態に戻す戻り手段を備えるエアマットレスの形をしている。縮小形態では、エアマットレスがその自由端部の1つの周りに巻き取られ、渦巻き状のロールを形成している。マットレスを巻き取るこの巻き取り自由端部は、マットレスをサポートフレームに結合する端部とは反対側のマットレスの端部によって形成される。マットレスは、膨張可能なマットレスであり、該マットレスを膨らませて広げることによって、巻き取り縮小形態、すなわちマットレスが穴の開口を少なくとも部分的に解放するようになっている形態から、広げられた拡張形態、すなわちマットレスが穴の開口を少なくとも部分的に閉めるようになっている形態に移行する。
【0006】
そのような閉鎖装置、特にプールを覆うことを目的とする装置においては、装置のデザインからして、広げられた拡張形態の閉鎖要素を、その上を歩ける床として利用することはできない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
従って、本発明の目的は、閉鎖要素のデザインから、一方では閉鎖要素を移動させる駆動用の複雑な機械要素を必要とせずに穴を簡単に開閉することが可能になり、他方では該穴が閉まった状態において閉鎖要素をその上を歩ける床として利用することが可能になる、前記の類の閉鎖装置を得ることである。
【0008】
本発明の別の目的は、閉鎖要素のデザインから、閉鎖要素を膨らませるのに必要な圧力下にある流体源を唯一のエネルギー源として、穴の開位置から穴の閉位置への移行および逆の移行が可能になる、前記の類の閉鎖装置を提案することである。
【0009】
そのために、本発明は、ピットまたは槽のような上に開いた穴を、特に該穴の中への落下を防ぐために、少なくとも部分的に塞ぐ閉鎖装置を目的とする。該装置は、穴の開口を少なくとも部分的に塞ぐ少なくとも1つの閉鎖要素を含み、該閉鎖要素のサポートフレームは、穴の中にまたは穴の近くに、好ましくは該穴の開口の端部の1つに沿って、閉鎖要素を配置するための長方体の形をしている。該閉鎖要素は、縮小形態に戻す戻り手段を備えたエアマットレスの形をしている。縮小形態では、エアマットレスが、その自由端部の1つの周りに巻き取られ、渦巻き状のロールを形成している。マットレスを巻き取るこの巻き取り自由端部は、マットレスをサポートフレームに結合する端部とは反対側のマットレスの端部によって形成される。該マットレスは、膨張可能なマットレスであり、マットレスを膨らませて広げることによって、巻き取り縮小形態、すなわちマットレスが該穴の開口を少なくとも部分的に解放するようになっている形態から、広げられた拡張形態、すなわちマットレスが穴の開口を少なくとも部分的に閉めるようになっている形態に移行する。本装置は、マットレスが巻き取り縮小形態から広げられた拡張形態に移行するときに該マットレスを支持する少なくとも1つの支持アームをさらに含み、該支持アームは、支持アームがマットレスの巻き取り軸に実質的に平行に延在する収納位置と、アームが巻き取り軸を横断する向きに延在する作動位置との間を動くように取り付けられることを特徴とする。
【0010】
膨張可能なエアマットレスの形をした閉鎖要素を選べば、単に膨らませるだけで該穴を閉めることができる。従って、閉鎖要素を移動させる駆動用の複雑な機械的手段はまったく必要ない。収納位置においてはサポートフレームの下に該サポートケースの縦軸に平行に延在するようになっており、作動位置においては広げられた拡張形態のマットレスによって形成される支え面の下に該サポートフレームの縦軸を横断する向きに延在するようになっている少なくとも1つの支持アームが存在することによって、特に、閉鎖要素が拡張形態のときに、歩ける床として利用することが可能になる。
【0011】
好ましくは、支持アームまたは各支持アームは、該支持アームを作動位置に戻す戻り手段、すなわち該支持アームがサポートフレームの縦軸またはマットレスの巻き取り軸を横断する向きに延在する位置に戻す戻り手段を備える。マットレスの巻き取り軸とサポートフレームの縦軸とは、通常、実質的に平行である。
【0012】
さらに、好ましくは、支持アームまたは各支持アームの移動は、該支持アームを収納位置から作動位置に移動させる場合は自動制御され、該支持アームを作動位置から収納位置に移動させる場合は手動制御される。
【0013】
言い換えると、支持アームまたは各支持アームは、該支持アームを収納位置から作動位置に移動させる場合は自動操作され、該支持アームを作動位置から収納位置に移動させる場合は手動操作される。
【0014】
従って、支持アームまたは各支持アームは、作業者によって支持アームのジョイントの周りを移動させることにより手動で収納位置に戻される。実際には、支持アームまたは各支持アームは、通常、サポートフレームの縦軸と、マットレスが広げられた拡張形態のマットレスによって形成される支え面とに対して垂直な軸の周りを旋回するように取り付けられた旋回アームである。
【0015】
サポートフレームは、巻き取り縮小形態の閉鎖要素が少なくとも部分的に内部に挿入される箱の形をとる。該箱は開口を備え、閉鎖要素は、巻き取り縮小形態から広げられた拡張形態に移行するときにこの開口を通って張り出す。箱の開口は、該箱の閉位置と開位置との間を動くように取り付けられた戸のような閉じ要素を備える。
【0016】
この配置は、箱の列を形成する一連の箱を、穴の1つの縦端部に沿って縦一列に、すなわち互いに前後させて配置することができる。それぞれの箱の閉鎖要素は、他の箱の閉鎖要素とは独立に広げられてよい。このため、穴の開閉は、多数の形態のものが得られる。
【0017】
閉じ要素は、通常、該箱の閉位置に戻す戻り手段を備え、該マットレスの膨張時に該マットレスによって閉じ要素に及ぼされる圧力の影響を受けて、閉位置から開位置に移行するようになっている。
【0018】
つまり、戻り手段は、マットレスを膨らませる膨張手段とは反対に作用し、閉じ要素を閉位置に復帰させようとする。
【0019】
好ましくは、この閉じ要素は、閉位置から開位置に移行するとき、マットレスに関連づけられた支持アームまたは各支持アームを収納位置から作動位置に移行させるために該アームを作動させる手段を形成する。その結果、マットレスを膨らませるだけで閉じ要素および支持アームを移動させ、閉じ要素を開位置に、支持アームを作動位置にそれぞれ移行させることができる。
【0020】
好ましくは、マットレスを巻き取り縮小形態に戻す戻り手段は、弾性変形可能な要素である。該要素は、それぞれ、マットレスを周りに巻き付けて縮小形態にするようになっているマットレスの自由端部と、マットレスをサポートフレームに結合する端部に相当し該自由端部の反対側になるマットレスの端部との間に延在する長尺要素の形をしている。
【0021】
これらの戻り手段は、膨張手段とは反対に作用する。マットレスを排気させると、これらの戻り手段によって、穴の開位置にマットレスを自動的に戻すことが可能になる。
【0022】
戻り手段を構成する当該長尺要素は、板バネの類であり、外力が全くないときには渦巻き状に巻かれた形となる要素である。予め応力を付与されたバネの類のこれら長尺要素は、マットレスを膨らませることによってマットレスに付与される張力が当該要素を確実に変形させるように、特に当該要素を広げるように、予め付与された応力または初期応力を有している。逆に、マットレスをしぼませるとき、長尺要素は元の形に戻ろうとし、その結果、マットレスを確実に巻き取る。したがって、戻り手段は、マットレスを膨らませる膨張手段とは反対に作用し、マットレスを渦巻きロールの形の巻き取り位置に復帰させようとする。
【0023】
さらに、好ましくは、本装置は、マットレスの自由巻き取り端部を支える支え手段を含む。該支え手段は、好ましくは、穴の開口の端部のうちサポートフレームを受ける端部とは反対側の端部に沿って配置することができるレールのような1つまたは複数の長い要素の形をしており、マットレスの追加の支えを形成する。この特徴は、閉鎖要素をその上を歩ける床として利用するうえでも有用である。
【0024】
マットレスは、通常、マットレスの巻き取り自由端部に沿っておよび/またはサポートフレームに結合するその端部に沿って、当該端部に剛性をもたせるための剛性要素を備え、これが該閉鎖要素の歩ける床としての機能を改めて強化する。
【0025】
本発明は、さらに、穴と、穴の開口を塞ぐ閉鎖装置とを少なくとも含む類の設備であって、閉鎖装置は前記の類のものであることを特徴とする、特に機械を修理するための設備を目的とする。
【0026】
本発明は、さらに、前記の類の装置を用いてピットまたは槽のような穴を少なくとも部分的に塞ぐ方法を目的とする。この方法は、少なくとも、
‐穴の中にまたは穴に近い場所に装置を固定するステップ、
‐該マットレスを縮小形態から拡張形態に移行させ、穴を少なくとも部分的に閉めるために、該エアマットレスを膨らませる膨張ステップ、および
該穴が少なくとも部分的に閉まった状態において、穴を少なくとも部分的に開けるために、該戻り手段を介して該マットレスを巻き付けることが可能になるように、膨張可能なマットレスから排気するステップ
を含み、この方法は、膨張ステップの間に支持アームを収納位置から作動位置に移行させることを含むことを特徴とする。
【0027】
支持アームまたは各支持アームは、該支持アームを作動位置に戻す戻り手段を備え、閉じ要素は、該箱の閉位置に戻す戻り手段を備え、該マットレスの膨張時にマットレスによって閉じ要素に及ぼされる圧力の影響を受けて閉位置から開位置に移行するようになっている本方法の一実施によれば、本方法は、膨張ステップの際、膨張によってマットレスの体積が増加する間にマットレスによって該閉じ要素に及ぼされる圧力の影響によって、箱の閉じ要素が閉位置から開位置に移行する段階を少なくとも含む。該閉じ要素が閉位置から開位置に移行すると、開位置において支持アームまたは各支持アームは拘束から完全に解放され、支持アームまたは各支持アームが備える戻り手段の作用を受けて、アームは収納位置から作動位置に自動的に移行する。
【0028】
本発明は、添付の図面を参照し、実施態様の例についての以下の記載を読めばよく分かるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明による閉鎖装置を複数備えたピットのような穴の全体概略図を示し、各閉鎖要素は種々の形態で示されている。
図2】箱の戸が開いた状態にあって閉鎖要素が拡張形態にある閉鎖要素と、関連するサポートフレームとの部分図を示す。
図3】閉鎖要素を縮小形態から拡張形態に移行させるための装置の動作のさまざまな段階を断面概略図の形で示す。
図4】閉鎖要素を縮小形態から拡張形態に移行させるための装置の動作のさまざまな段階を断面概略図の形で示す。
図5】閉鎖要素を縮小形態から拡張形態に移行させるための装置の動作のさまざまな段階を断面概略図の形で示す。
図6】閉鎖要素を縮小形態から拡張形態に移行させるための装置の動作のさまざまな段階を断面概略図の形で示す。
図7】閉鎖要素を縮小形態から拡張形態に移行させるための装置の動作のさまざまな段階を断面概略図の形で示す。
図8】閉じ要素を開くことによって支持アームのロックを解除することを例示する装置の断面概略図を示す。
図9】閉じ要素を開くことによって支持アームのロックを解除することを例示する装置の断面概略図を示す。
図10】閉じ要素を開くことによって支持アームのロックを解除することを例示する装置の断面概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
上述のように、本発明の目的である装置によって、上に開いた穴1を少なくとも部分的に閉じることが可能になる。
【0031】
図示されている例で取り上げるのは、2つの縦端部1aおよび1bと2つの横端部1cおよび1dとによって画定されるほぼ平行六面体の形の埋設穴の形をした作業場ピットである。横端部は通常、階段を備え、ピットの中へ入ることができる。本装置は、槽、たとえばプールなどの槽にも同じように適用することができるであろう。そのような閉鎖装置の目的は、穴の中への落下を避けること、特に穴の不使用時における穴の中への落下を避けること、および閉鎖要素を歩ける床として利用することができることである。
【0032】
上述のように、本装置は、穴1の開口を少なくとも部分的に塞ぐ閉鎖要素と、穴1の中にまたは穴1の近くに、好ましくは該穴1の開口の端部1a、1bの1つ1aに沿って閉鎖要素3を配置するための長方体の形をしている、該閉鎖要素3のサポートフレーム2とを少なくとも含む。該閉鎖要素3は、縮小形態に戻す戻り手段4を備えたエアマットレス3の形をしている。縮小形態では、エアマットレス3が、その自由端部の1つ3bの周りに巻き取られ、渦巻き状のロールを形成している。マットレス3を巻き取るこの巻き取り自由端部3bは、マットレス3をサポートフレーム2に結合する端部3とは反対側のマットレスの端部によって形成される。マットレス3は、膨張可能なマットレスであり、マットレスを膨らませて広げることによって、巻き取り縮小形態、すなわちマットレスが穴1の開口を少なくとも部分的に解放するようになっている形態から、広げられた拡張形態、すなわちマットレスが穴1の開口を少なくとも部分的に閉めるようになっている形態に移行する。
【0033】
一般に、穴の上の部分を閉めることを目的とする閉鎖要素は、該穴の開口面か、または前記面の少し上もしくは少し下に配置される。穴の該開口面より下に延在するときは、該開口面に延在するときと同様に、穴の内部に配置される。穴の開口面より上に配置されるときは、たとえば穴の縦端部に沿ってまたは穴の中央に配置され、その開口を覆うことによって穴を塞ぐ。
【0034】
図示されている例においては、閉鎖要素は、縮小形態で穴1の開口面より下に配置され、サポートフレーム2とともに該穴の縦端部1aに沿って配置される。閉鎖要素は、穴の該縦端部1aから他方の縦端部1bの方に展開され、展開位置で縦端部1bに支えられるようになっているか、または付け加えられた支え手段によって支えられるようになっている。実際には、装置は、マットレス3の自由巻き取り端部3bを支える支え手段9を含む。該支え手段9は、好ましくは、サポートフレーム2を受ける端部とは反対側の該穴の開口の端部1bに沿って配置することができるレールのような1つまたは複数の長い要素の形をしており、マットレス3の追加の支えを形成する。
【0035】
通常、閉鎖装置を穴の中に配置することが可能になるように、縦端部の1つ、この場合には穴1の端部1aに沿って溝が設けられる。なお、図示されている例では、穴の縦端部の1つに沿って複数の閉鎖装置が整列して配置されている。これらの装置の閉鎖要素は、同時に展開されてもよく、同時に展開されなくてもよい。
【0036】
従って、本発明はさらに、少なくとも1つの穴1と、穴1の開口を塞ぐ少なくとも1つの閉鎖装置、好ましくは穴1の開口を塞ぐ複数の閉鎖装置とを含む設備を目的とする。該装置は、縮小形態の位置をとって、好ましくは該穴の縦端部の1つに沿って整列した状態で配置される。
【0037】
閉鎖装置または各閉鎖装置の閉鎖要素は、巻き付けることができる少なくとも1つのエアマットレス3で形成される。エアマットレス3は、広げることによって展開され、該マットレス3の巻き取り状態に相当する縮小形態から、該マットレス3の広げられた状態に相当する拡張形態に移行する。該マットレス3は、単に膨らませることによってマットレス3の縮小形態から拡張形態に移行するようになっている。該マットレス3を膨らませることができるように、マットレス3は、例えば、コンプレッサのような圧縮空気の供給源と接続することができる少なくとも1つの孔を備えている。
【0038】
図に例示されているように、複数の閉鎖装置が整列する場合、別々の装置の各閉鎖要素が1つの同じコンプレッサに接続されてよく、それぞれがバルブ、たとえば3方バルブを備える。バルブは、閉鎖要素の孔に設けられ、バルブの占める位置に応じてマットレスを排気させたり、マットレスを圧縮空気の供給源に接続させたりする。したがって、穴1を開位置から閉位置に移行させることは、単にマットレスを膨らませることによって行われる。
【0039】
このマットレスは、縮小形態に戻す戻り手段4を備える。図示されている例においては、戻り手段4は、それぞれ、マットレス3の対向する2つの端部3a、3bの間に延在する長尺要素の形をした弾性変形可能な要素である。端部3a、3bのうち1つ3bは、マットレス3の自由端部を構成し、その周りには、マットレス3が縮小形態に巻き付くようになっている。これらの弾性変形可能な要素は、渦巻き状のロールを形成する状態に戻す板バネによって形成されてよい。それぞれの長尺要素はマットレスの同じ面に固定され、これらの要素は、マットレスの巻き取り自由端部3bとサポートフレーム2に結合する反対側端部3aとの間に互いに平行に配置される。図示されている例においては、マットレスは、下の面に配置された複数の平行な長尺要素を含む。これらの要素は、上の面、すなわちマットレスが穴の中に、または穴に近い場所に取り付けられた状態のときに穴の底を向いている面とは反対側のマットレスの面に配置されてもよい。長尺要素のマットレスへの固定は、接着、溶接などによって行ってよい。
【0040】
閉鎖装置は、塞がれる穴1の中に、または穴1に近い場所に閉鎖要素3を取り付けるためのサポートフレーム2も含み、サポートフレーム2は、該穴の1つの端部、好ましくは縦端部に実質的に平行に延在するようなフレームである。好ましくは、このサポートフレーム2は、縮小形態の閉鎖要素が少なくとも部分的に内部に挿入される箱2の形をとる。該箱2は開口2dを備える。閉鎖要素は、縮小形態から拡張形態に移行するときに、該開口を通って張り出す。この箱によって、該穴の中の作業中の不慮の破損から閉鎖要素を保護することが可能になる。
【0041】
箱2の開口2dは、箱2の閉位置と開位置との間で動くように取り付けられ、戸2bで形成された閉じ要素を備える。箱を閉じるこの閉じ要素2は、箱の縦軸に平行な軸の周りに回転するように取り付けられた旋回要素であり、閉じ要素2bを箱2の閉位置に戻す戻り手段7を形成するバネ蝶番によって箱の残りの部分と接続されている。閉じ要素2bは、図4が示しているように、マットレスの膨張時にマットレスの閉鎖圧力を受ける。これによって、閉じ要素2bが旋回し、閉位置から開位置に移行することができる。マットレス3は、縮小形態では、その自由端部の1つ3bの周りに巻き取られ、渦巻き状のロールを形成している。マットレス3の該巻き取り自由端部3bは、マットレスをサポートフレーム2に結合する端部3aとは反対側のマットレスの端部によって形成される。マットレスと穴との間の接合境界を構成するサポートフレーム2は、それ自体が、例えば、穴の縦端部の1つに沿って設置された溝の中にはめ込まれてきて、たとえばネジ止めされて該溝の中に保持されるようになっている。
【0042】
本発明に特徴的な様態によれば、本装置は、マットレスを縮小形態から拡張形態に移行させるときに該マットレス3を支持する少なくとも1つの支持アーム5をさらに含む。支持アーム5は、支持アーム5が実質的にマットレス3の巻き取り軸に平行に延在する収納位置と、支持アーム5が該巻き取り軸を横断する向きに延在する作動位置との間を動くように取り付けられる。
【0043】
この場合、支持アームまたは各支持アーム5は、膨らんだ状態のマットレスによって形成される支え面に対して垂直且つマットレスの巻き取り軸、またはサポートフレームの縦軸に対して垂直であるいわゆる鉛直軸の周りを旋回するように取り付けられた旋回アームである。
【0044】
支持アームまたは各支持アーム5は、該支持アーム5を作動位置に戻す戻り手段6を備える。
【0045】
図示されている例において、該戻り手段6は、ガススプリングまたはエアジャッキによって形成される。同じように、弾性による該戻り手段6をバネによって形成することができるであろう。
【0046】
支持アームまたは各支持アーム5の移動は、該支持アーム5を収納位置から作動位置に移行させる場合は自動制御され、該支持アーム5を作動位置から収納位置に移動する場合は手動操作される。
【0047】
特に、本装置は、支持アームまたは各支持アーム5を収納位置に保持する保持手段8を含む。保持手段8の少なくとも一部分8Aが閉じ要素2bに備えられ、該閉じ要素2bの移動と連動するように取り付けられる。保持手段8の該部分8Aは、開/閉作動が可能であり、閉じ要素が閉位置から開位置に移行すると、開位置、すなわち支持アーム5を収納位置に保持する位置から、閉位置、すなわち支持アーム5を解放し、支持アーム5の作動位置への移動を可能にする位置に移行するようになっている。
【0048】
支持アームまたは各支持アーム5の保持手段8の少なくとも一部分8Bが、支持アーム5の可動部分に配置される。保持手段8のこの部分8Bは、少なくとも1つの引っ込み部位を含む。この引っ込み部位は、支持アーム5が作動位置から収納位置に移行するとき、閉じ要素2bに備えられた保持手段8の部分8Aと接触して押されることによって引っ込み、支持アーム5の収納位置になると元に戻り、閉じ要素2bに備えられた保持手段8の部分8Aと協動して該支持アーム5をロックするロック部位を形成する。
【0049】
図示されている例において、支持アーム5に備えられた保持手段8の部分8Bを構成するロック部位は、台または突起のようなバネ仕掛けの部位の形をしており、閉じ要素2bに備えられた保持手段8の部分8Aは、閉じ要素2bから張り出し、閉じ要素2bとともに動くストッパの形をとる。このストッパは、支持アーム5が支持アームの収納位置と作動位置との間を移動するとき、閉じ要素2bの閉位置では、支持アーム5、特に支持アーム5のロック部位が辿る軌跡の上に位置し、閉じ要素2bの開位置では、この軌跡から外れて位置する。
【0050】
これらの保持手段は、図8から10により詳しく示されている。この実施態様においては、閉じ要素から張り出しているストッパは箱の下面から張り出して延在し、支持アーム5の可動部分に備えられたロック部位は、バネ仕掛けのボルトで形成され、ボルトはストッパを押さえる位置に戻る。ストッパおよびロック部位は、アームに対して、アームの旋回軸と同じ側にあるアームの最も手前の部分に配置される。アームの最も手前の部分とは、アームの戻り手段6によってアームが動かされて旋回移動するその旋回移動の間、箱の下にとどまろうとする部分である。この旋回移動の間、該アームは、作動位置へ向かってきて、その行程の最後に、対応する固定ストッパに押えられる。この固定ストッパは、新たに箱の下の面の下に配置される。
【0051】
このような閉鎖装置の動作は、以下のとおりである。最初に、穴1に対する閉鎖装置の設置を行い、穴の縦端部のような1つの端部に沿ってサポートフレーム2を固定する。普通、この設置の操作の間、閉鎖要素は縮小形態にあり、箱の中に収容され、箱の戸は閉位置にある。利用の際、特にマットレスを広げるには、マットレスを膨らませる。こうすると箱が開く方向に戸を旋回移動させる結果となる。こうして戸が開くと、該戸に備えられたストッパが外れ、これによって支持アーム5を解放する。支持アーム5は、支持アーム5の戻り手段6の作用を受けて旋回移動し、サポートフレームの下に延在する位置から、拡張形態の位置にあるマットレスによって形成される支え面の下に延在する位置まで移行することが可能になる。マットレス3の方は、これに並行して展開され、サポートフレームに結合するマットレス3の端部から広がって、穴の反対側の端部のところまで伸張し、穴の反対側の端部に沿って位置する支え手段9が存在するときは、その支え手段9に支えられることになる。従って、マットレスは、マットレスが延在する区域で該穴の開口を閉める。マットレスは、同じように、たとえば、穴の中央縦軸に沿って配置され、この中央縦軸の一方の側または他方の側に延在してもよいであろう。この場合、穴の大きさ全体を覆うには2つの閉鎖装置を配置することが必要であろう。
【0052】
穴1が開位置に移行するには、たとえばマットレスの膨張用の孔に備えられているバルブを用いて排気することによって、マットレスをしぼませるだけで十分である。
【0053】
そのとき、戻り手段4は、膨張手段より強い力、この場合は該マットレスの内部を占める空気の圧力より強い力をマットレスに及ぼすので、マットレスは該戻り手段の作用を受けて、再び巻き付き、縮小形態に戻る。この配置において、箱の閉じ要素2は、閉じ要素2の戻り手段7の作用を受けて自動的に閉まる。次に、支持アームまたは各支持アーム5は作業員によって手動で収納位置に戻される。この移動の間に、支持アーム5の可動部分に備えられているロック部位は、閉じ要素2bに備えられているストッパと接触し押されることによって引っ込み、ストッパを通り抜けた後に元に戻り、アームの戻り手段6を介してストッパに接触し押されて保持される。
【0054】
閉鎖要素をデザインすることによって、穴を開閉する操作が、容易かつ迅速に行われる。そのような閉鎖装置のメンテナンスは、装置が単純であるため容易である。穴が、たとえば穴の縦端部の1つに沿って整列した形に配置された複数の閉鎖装置を備えるとき、それぞれの閉鎖要素は、隣の閉鎖装置の閉鎖要素に同時にそれぞれ膨らまされてもしぼまされてもよく、同時でなくてもよい。その結果、図1に例示されているように、1つの閉鎖要素を縮小形態に配置し、一方で、隣の閉鎖要素を拡張形態に位置づけることが可能となる。
【0055】
下記に記載されるように、マットレスは、マットレスを膨らませる/しぼませるために、空気圧回路によって空気供給源と接続される。安全上の理由から、マットレスを膨らませしぼませる孔と空気圧回路の空気供給源との間にある該空気圧回路は、少なくとも2つの排気出口を含んでよく、出口の1つは、マットレスを膨らませる段階では閉じており、マットレスをしぼませるステップ時には閉位置から開位置へ移行するようになっており、もう1つの出口は、調整用であり、すなわち、マットレスの所定の膨張圧力を超えたら排気させるようになっている。膨張段階の間は開いているこの調整用排気出口は、マットレスが広げられた拡張形態配置になれば、開位置から閉位置に移行するようになっている。閉鎖装置は、調整用排気出口を開位置から閉位置に、閉位置から開位置に移行させるために、マットレスが広げられた状態のときにマットレスの自由巻き取り端部3bを支える支え手段9のところに配置された制御部位を含む。この制御部位は、たとえば、該支え手段9を形成するレールの底に配置されてよい。この制御部位は、マットレスの自由端部によって制御部位に及ぼされる圧力の作用だけで開/閉作動化することが可能である。この調整用排気出口が存在することによって、マットレスの膨張段階のときにマットレスとピットの端部との間で作業者が挟まる不慮の事故を避けることが可能になる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10