特許 5784711 モジュール式の滑動部を有する保守システム

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】5784711

(24)【登録日】2015年7月31日

(45)【発行日】2015年9月24日

(54)【発明の名称】モジュール式の滑動部を有する保守システム

(51)【国際特許分類】

   B41J 2/01 20060101AFI20150907BHJP

   B41J 2/165 20060101ALI20150907BHJP

   B41J 11/02 20060101ALI20150907BHJP

【ＦＩ】

   B41J2/01 305

   B41J2/165 101

   B41J2/165 307

   B41J2/165 503

   B41J11/02

【請求項の数】11

【全頁数】61

(21)【出願番号】特願2013-510447(P2013-510447)

(86)(22)【出願日】2011年5月16日

(65)【公表番号】特表2013-527058(P2013-527058A)

(43)【公表日】2013年6月27日

(86)【国際出願番号】AU2011000573

(87)【国際公開番号】WO2011143699

(87)【国際公開日】20111124

【審査請求日】2014年5月15日

(31)【優先権主張番号】61/345,559

(32)【優先日】2010年5月17日

(33)【優先権主張国】US

(73)【特許権者】

【識別番号】512193425

【氏名又は名称】メムジェット テクノロジー リミテッド

(74)【代理人】

【識別番号】100101454

【弁理士】

【氏名又は名称】山田 卓二

(74)【代理人】

【識別番号】100081422

【弁理士】

【氏名又は名称】田中 光雄

(74)【代理人】

【識別番号】100100479

【弁理士】

【氏名又は名称】竹内 三喜夫

(72)【発明者】

【氏名】ポール・イアン・マッキー

(72)【発明者】

【氏名】アーノルド・ペレグリノ

(72)【発明者】

【氏名】ダン・バテルナ・ジュニア

(72)【発明者】

【氏名】デイビッド・ウィリアム・ジェンセン

(72)【発明者】

【氏名】アッティラ・バートック

(72)【発明者】

【氏名】マコモ・ツボノ

(72)【発明者】

【氏名】アントニ・ムルシア

(72)【発明者】

【氏名】アントニオ・ジョアン・ユーバック

(72)【発明者】

【氏名】ビアージョ・アゴスティネッリ

(72)【発明者】

【氏名】デイビッド・ピーターセン

(72)【発明者】

【氏名】デイビッド・ティボール

(72)【発明者】

【氏名】ジャビエル・エスコベード

(72)【発明者】

【氏名】ジェフリー・ジョンソン

(72)【発明者】

【氏名】ジェフリー・ディ・ルーシェン

(72)【発明者】

【氏名】ジョン・クリスチャン・ラブ

(72)【発明者】

【氏名】ポール・ダニエル・フォーシェ

【審査官】 大熊 靖夫

(56)【参考文献】

【文献】 特開平１１−０７８０５４（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特開２００１−０７１５２１（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特開２００５−１０３７７０（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特開２００７−０５０７０４（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特開２００８−０８７２０９（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特開２００９−００６５７９（ＪＰ，Ａ）

(58)【調査した分野】（Int.Cl.，ＤＢ名）

Ｂ４１Ｊ ２／０１−２／２１５

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

プリントヘッドのための保守システムであって、
前記プリントヘッドに対して滑動可能に配置される滑動部と、
前記滑動部によって支持される媒体プラテンモジュールと、
前記滑動部によって支持されるキャッパーモジュールと、
前記滑動部によって支持されるワイパモジュールと、
前記媒体プラテンモジュール、前記キャッパーモジュール、および前記ワイパモジュールのうちの１つを前記プリントヘッドに位置合わせされるように、前記滑動部を選択的に滑動させるため、かつ前記位置合わせされたモジュールを前記プリントヘッドに向かって隣接するように移動させるための選択機構と、を備える、保守システム。

【請求項2】

前記媒体プラテンモジュール、前記キャッパーモジュール、および前記ワイパモジュールは、前記滑動部上に順次配置される、請求項１に記載の保守システム。

【請求項3】

前記プリントヘッドは、媒体幅プリントヘッドであり、前記媒体プラテンモジュール、前記キャッパーモジュール、および前記ワイパモジュールは各々、前記媒体幅に対応する長さを有する、請求項１に記載の保守システム。

【請求項4】

前記選択機構は、前記滑動部の前記選択的滑動のためのラックピニオン機構を備える、請求項３に記載の保守システム。

【請求項5】

前記ラックピニオン機構は、前記媒体プラテンモジュール、前記キャッパーモジュール、および前記ワイパモジュールの各端に対応する、前記滑動部の各端上にラックと、前記ラックのうちの対応する１つおよびモータと各々連結するように、シャフトの各端上にピニオンギヤとを備える、請求項４に記載の保守システム。

【請求項6】

前記選択機構は、前記媒体プラテンモジュール、前記キャッパーモジュール、および前記ワイパモジュールの位置を検知するためのセンサをさらに備える、請求項５に記載の保守システム。

【請求項7】

前記選択機構は、前記センサおよびモータに接続されるコントローラをさらに備える、請求項６に記載の保守システム。

【請求項8】

前記コントローラは、前記センサによる検知結果出力に応答して、前記モータの動作を制御する、請求項７に記載の保守システム。

【請求項9】

前記選択機構は、前記位置合わせされたモジュールの前記移動のためのリフト機構を備え、前記リフト機構は、前記位置合わせされたモジュールと係合するためのリフトアームと、前記リフトアームに、前記係合されたモジュールを上昇および下降させるためのモータとを備え、前記上昇位置は、前記プリントヘッドに隣接した位置である、請求項１に記載の保守システム。

【請求項10】

前記リフト機構は、前記モータと係合されるカムをさらに備え、前記カムは、前記係合されたモジュールの前記上昇および下降を生じるように、前記リフトアームと係合および係脱されるように配置される、請求項９に記載の保守システム。

【請求項11】

前記リフト機構は、前記リフトアームを前記下降位置に付勢するために、前記リフトアームに付設されるスプリングをさらに備える、請求項１０に記載の保守システム。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、プリントヘッドを保守するための保守システム、装置、および方法、ならびにそのようなシステムおよび装置の構成要素の構成および配置に関する。具体的には、インクジェットプリントヘッド等の流体射出プリントヘッドの保守を提供する。より具体的には、インクジェット媒体幅プリントヘッドの保守を提供する。

【背景技術】

【0002】

ほとんどのインクジェットプリンタは、媒体が給紙（ｍｅｄｉａ ｆｅｅｄ）経路に沿って漸進的に前進する際に、印刷幅にわたって反復的に走査または往復運動される走査または往復運動プリントヘッドを有する。これにより、コンパクトかつ安価なプリンタ構成が可能になっている。しかしながら、走査運動の正確な制御および各走査による媒体の漸進的な停止および開始による時間遅延を踏まえると、走査プリントヘッドに基づく印刷システムは、機械的に複雑かつ低速である。

【0003】

媒体幅プリントヘッドは、媒体全体に及ぶ（ｓｐａｎｎｉｎｇ）静止プリントヘッドを提供することにより、この問題を解決する。かかる媒体幅プリンタは高性能を提供するが、媒体幅プリントヘッド内の大型アレイのインクジェットノズルは、保守が困難である。例えば、ノズルのアレイが媒体の幅と同じ長さである場合に特に困難となるプリントヘッドの保守を行う必要がある。さらに、保守ステーションは、典型的には、媒体輸送の妨げにならないように、プリントヘッドからずらして配置する必要がある。

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

いくつかの以前のシステムは、非印刷時に、サービスステーションへプリントヘッドを移動させる。しかしながら、プリントヘッドがその作動位置に戻ると、正確な印刷のためのその整列は、最終的に視覚可能なアーチファクトによって、プリントヘッドを再整列させるためのハードウェアおよび／またはソフトウェア機構が要求されるまでは、ドリフトしやすい。他の以前のシステムでは、サービスステーションは、それらのオフセット位置からサービスプリントヘッドへ平行移動し、一方で、プリントヘッドは、媒体経路の十分上方へ上昇される。これらのシステムデザインは、共に、大きなプリンタ幅寸法、複雑なデザインおよび制御、およびプリントヘッド整列の維持の困難さという欠点がある。さらに、これらのシステムのために、プリンタのサイズが大きくなっている。このため、媒体幅印刷システムにとってより簡略、よりコンパクトかつより効果的な媒体幅プリントヘッド保守ソリューションが求められている。

【0005】

さらに、かかる媒体幅プリンタで使用される媒体輸送が高速であることから、給紙エラーを最小限にする必要性に起因して、典型的には、プリンタ内により複雑な媒体輸送システムを有することになる。このため、媒体幅印刷システムにとってより簡略かつより信頼性の高い媒体輸送ソリューションが求められている。

【課題を解決するための手段】

【0006】

一態様において、本発明は、プリントヘッドのための保守システムを提供し、システムは、
プリントヘッドに対して滑動可能に配置される滑動部と、
滑動部によって支持される媒体プラテンモジュールと、
滑動部によって支持されるキャッパーモジュールと、
滑動部によって支持されるワイパモジュールと、
プラテンモジュール、キャッパーモジュール、およびワイパモジュールのうちの１つをプリントヘッドと整列させるように、滑動部を選択的に滑動させるため、かつ整列されたモジュールをプリントヘッドに近位の位置へ移動させるための選択機構とを備える。

【0007】

任意選択的に、媒体プラテンモジュール、キャッパーモジュール、およびワイパモジュールは、滑動部上に直列に配置される。

【0008】

任意選択的に、プリントヘッドは、媒体幅プリントヘッドであり、プラテンモジュール、キャッパーモジュール、およびワイパモジュールは各々、媒体幅に対応する長さを有する。

【0009】

任意選択的に、選択機構は、滑動部の選択的滑動のためのラックピニオン機構を備える。

【0010】

任意選択的に、ラックピニオン機構は、プラテンモジュール、キャッパーモジュール、およびワイパモジュールの各端に対応する、滑動部の各端上にラックと、ラックのうちの対応する１つおよびモータと各々連結するように、シャフトの各端上にピニオンギヤとを備える。

【0011】

任意選択的に、選択機構は、プラテンモジュール、キャッパーモジュール、およびワイパモジュールの位置を検知するためのセンサをさらに備える。

【0012】

任意選択的に、選択機構は、センサおよびモータに接続されるコントローラをさらに備える。

【0013】

任意選択的に、コントローラは、センサによる検知結果出力に応答して、モータの動作を制御する。

【0014】

任意選択的に、選択機構は、整列されたモジュールの該移動のためのリフト機構を備え、リフト機構は、整列されたモジュールと係合するためのリフトアームと、リフトアームに、係合されたモジュールを上昇および下降させるためのモータとを備え、上昇された位置は、プリントヘッドの近位にある。

【0015】

任意選択的に、リフト機構は、モータと係合されるカムをさらに備え、カムは、係合されたモジュールの該上昇および下降を生じるように、リフトアームと係合および係脱されるように配置される。

【0016】

任意選択的に、リフト機構は、リフトアームを下降された位置へ付勢するための、リフトアームに付設されるスプリングをさらに備える。

【0017】

別の態様において、本発明は、
媒体幅プリントヘッドと、
プリントヘッドに対して滑動可能に配置される滑動部と、
滑動部によって支持される媒体プラテンモジュールと、
滑動部によって支持されるキャッパーモジュールと、
滑動部によって支持されるワイパモジュールと、
プラテンモジュール、キャッパーモジュール、およびワイパモジュールのうちの１つをプリントヘッドと整列させるように、滑動部を選択的に滑動させるため、かつ整列されたモジュールをプリントヘッドに近位の位置へ移動させるための選択機構とを備えるプリンタを提供する。

【0018】

任意選択的に、媒体プラテンモジュール、キャッパーモジュール、およびワイパモジュールは、滑動部上に直列に配置される。

【0019】

任意選択的に、プリントヘッドは、媒体幅プリントヘッドであり、プラテン、キャッパー、およびワイパモジュールは各々、媒体幅に対応する長さを有する。

【0020】

任意選択的に、選択機構は、滑動部の選択的滑動のためのラックピニオン機構を備える。

【0021】

任意選択的に、ラックピニオン機構は、プラテンモジュール、キャッパーモジュール、およびワイパモジュールの各端に対応する、滑動部の各端上にラックと、ラックのうちの対応する１つおよびモータと各々連結するように、シャフトの各端上にピニオンギヤとを備える。

【0022】

任意選択的に、選択機構は、プラテンモジュール、キャッパーモジュール、およびワイパモジュールを検知するためのセンサをさらに備える。

【0023】

任意選択的に、選択機構は、センサおよびモータに接続されるコントローラをさらに備える。

【0024】

任意選択的に、コントローラは、センサによる検知結果出力に応答して、モータの動作を制御する。

【0025】

任意選択的に、選択機構は、整列されたモジュールの該移動のためのリフト機構を備え、リフト機構は、整列されたモジュールと係合するためのリフトアームと、リフトアームに、係合されたモジュールを上昇および下降させるためのモータとを備え、上昇された位置は、プリントヘッドの近位にある。

【0026】

任意選択的に、リフト機構は、モータと係合されるカムをさらに備え、カムは、係合されたモジュールの該上昇および下降を生じるように、リフトアームと係合および係脱されるように配置される。

【0027】

任意選択的に、リフト機構は、リフトアームを下降位置へ付勢するための、リフトアームに付設されるスプリングをさらに備える。

【0028】

別の態様において、本発明は、プリントヘッドを保守する方法を提供し、方法は、
プリントヘッドを用いて印刷する時に、滑動部によって支持される媒体プラテンモジュールをプリントヘッドと整列させるように、プリントヘッドに対してモジュール式の滑動部を平行移動することと、
印刷物を用いて印刷した後に、滑動部によって支持されるワイパモジュールをプリントヘッドと整列させるように、プリントヘッドに対して滑動部を平行移動し、プリントヘッドの印刷面を拭き取るように、ワイパモジュールのワイパローラを動作させることと、
該拭き取り後かつプリントヘッドを用いて印刷を開始する前に、プリントヘッドの印刷面をキャップ止めするように、滑動部によって支持されるキャッパーモジュールをプリントヘッドと整列させるように、プリントヘッドに対して滑動部を平行移動することとを含む。

【0029】

任意選択的に、プリントヘッドは、媒体幅プリントヘッドであり、プラテンモジュール、キャッパーモジュール、およびワイパモジュールは各々、媒体幅に対応する長さを有する。

【0030】

任意選択的に、滑動部は、滑動部のラック上のピニオンギヤの動作によって平行移動される。

【0031】

任意選択的に、滑動部は、プラテンモジュール、キャッパーモジュール、およびワイパモジュールの各端に対応する、滑動部の各端上にラックと、ラックのうちの対応する１つおよびモータと各々連結するように、シャフトの各端上にピニオンギヤとを備える。

【0032】

任意選択的に、方法は、センサを用いて、プリントヘッドに対するプラテンモジュール、キャッパーモジュール、およびワイパモジュールの位置を検知することをさらに含む。

【0033】

任意選択的に、方法は、整列されたモジュールをプリントヘッドの近位に位置するように、滑動部に対して各整列されたモジュールを変位させることをさらに含む。

【0034】

別の態様において、本発明は、プリントヘッドのための印刷補助装置を提供し、装置は、
プリントヘッドによって媒体上に印刷中に媒体を支持するためのプラテンと、
プラテン内に配置される吐き出し要素であって、該プラテン上の流体が、多孔質材料に吐き出されることによって、プラテンから転写されるように、多孔質材料で形成される、吐き出し要素とを備える。

【0035】

任意選択的に、プリントヘッドは、媒体幅プリントヘッドであり、プラテンおよび吐き出し要素は各々、媒体幅よりも大きい長さを有する。

【0036】

任意選択的に、プラテンは、媒体幅に沿って長手方向の長さを有するスロットを備え、吐き出し要素がスロット内に位置する。

【0037】

任意選択的に、吐き出し要素は、スロット内で離脱可能にクリップされる。

【0038】

任意選択的に、プラテンは、媒体を支持するプラテンの表面がプリントヘッドの流体射出ノズルから第１の距離だけ離間するように、プリントヘッドに接する基準要素を備え、吐き出し要素は、吐き出し要素がノズルから、第１の距離より大きい第２の距離だけ離間するように、プラテン内に配置される。

【0039】

任意選択的に、吐き出し要素の多孔質材料は、親水性ポリエチレンである。

【0040】

別の態様において、本発明は、媒体幅プリントヘッドのための印刷補助装置を提供し、本装置は、
プリントヘッドの流体射出ノズルによって媒体上に印刷中に、媒体幅にわたって媒体を支持するための表面を有する長尺状プラテンと、
該支持表面からノズルによって射出される流体を吐き出すための、プラテン内に配置される吐き出し要素であって、プラテン内に配置される長尺状本体と、
プリントヘッドに向かって、長手方向の長さの本体に沿って、本体から突出する複数のパッドとを有し、パッドがノッチによって離間する、吐き出し要素とを備える。

【0041】

任意選択的に、吐き出し要素は、多孔質材料で形成される。

【0042】

任意選択的に、プラテンは、媒体幅に沿って長手方向の長さを有するスロットを備え、吐き出し要素がスロット内に位置する。

【0043】

任意選択的に、吐き出し要素は、スロット内で除去可能にクリップされる。

【0044】

任意選択的に、プラテンは、支持表面がノズルから第１の距離だけ離間するように、プリントヘッドに接する基準要素を備え、吐き出し要素は、吐き出し要素がノズルから、第１の距離より大きい第２の距離だけ離間するように、プラテン内に配置される。

【0045】

別の態様において、本発明は、媒体幅プリントヘッドのための印刷補助装置を提供し、プリントヘッドは、媒体幅に沿って延在する、複数列の流体射出ノズルを有し、装置は、
媒体が媒体移動方向に沿ってプリントヘッドを越える際に媒体幅にわたって媒体を支持するための表面を有する長尺状プラテンであって、媒体幅に沿って長尺状スロットを有する、プラテンと、
該支持表面から、ノズルによって射出される流体を吐き出すための、スロット内に配置される吐き出し要素と、
スロットの対向する長手方向縁がそれぞれ、ノズル列の長さに沿って中心線に対して媒体移動方向の上流および下流に配置されるように、プラテンをプリントヘッドと整列させるためであって、吐き出し要素の上流表面面積が吐き出し要素の下流表面面積未満であるように、上流縁が下流縁よりも中心線に近接する、整列機構とを備える。

【0046】

任意選択的に、吐き出し要素は、多孔質材料で形成される。

【0047】

任意選択的に、吐き出し要素は、スロット内で離脱可能にクリップされる。

【0048】

任意選択的に、プラテンは、支持表面がノズルから第１の距離だけ離間するように、プリントヘッドに接する基準要素を備え、吐き出し要素は、吐き出し要素がノズルから、第１の距離より大きい第２の距離だけ離間するように、スロット内に配置される。

【0049】

別の態様において、本発明は、媒体幅プリントヘッドによって印刷するための媒体を成形するためのシステムを提供し、システムは、
媒体幅印刷範囲を画定する、複数の流体射出ノズルを有する媒体幅プリントヘッドと、
印刷範囲と平行な平面に対してある角度をなす印刷範囲内へ媒体を輸送するように、プリントヘッドに対して配置される入力ローラと、
印刷範囲と平行な平面に対してある角度をなす印刷範囲から外へ媒体を輸送するように、プリントヘッドに対して配置される出力ローラと、
媒体が印刷範囲を通って輸送される際に、媒体を支持し、成形するための長尺状プラテンであって、媒体輸送方向に対して印刷範囲の上流に配置される一連の上流リブと、媒体輸送方向に対して印刷範囲の下流に配置される一連の下流リブとを有する、プラテンとを備え、
リブは、輸送された媒体が、印刷範囲内のリブとの接触を通して、ノズルを越えて拘束曲線経路に適合するように構成される。

【0050】

任意選択的に、プラテンは、媒体幅に沿って長手方向の長さを有するスロットを備え、上流リブは、スロットの上流側に配置され、下流リブは、スロットの下流側に配置される。

【0051】

任意選択的に、上流リブの各々の外面は、スロットに最近接の上流リブの各々の一部が、スロットから最も遠い上流リブの各々の一部よりもプリントヘッドに近接するように、該平行平面に対して斜めである。

【0052】

任意選択的に、下流リブの各々の外面は、スロットに最近接の下流リブの各々の一部が、スロットから最も遠い下流リブの各々の一部よりもプリントヘッドに近接するように、該平行平面に対して斜めである。

【0053】

任意選択的に、入力および出力ローラは、該平行平面に対する上流および下流の角度が、約１０°〜１２°であるように相対的に配置される。

【0054】

任意選択的に、プラテンは、上流および下流リブがノズルから離間するように、プリントヘッドに接する基準要素を備える。

【0055】

任意選択的に、リブは、プラテンの長手方向長さに沿って周期的に配置され、各々、それらのそれぞれの長さに沿って媒体輸送方向と整列する。

【0056】

任意選択的に、プラテンは、成型プラスチック材料本体で形成され、リブは本体と一体化して成形される。

【0057】

別の態様において、本発明は、媒体幅プリントヘッドによって印刷するための媒体を成形する方法を提供し、方法は、
印刷範囲と平行な平面に対してある角度をなす入力ローラを用いて、プリントヘッドの複数の流体射出ノズルによって画定される印刷範囲内へ媒体を輸送することと、
該平行平面に対してある角度をなす出力ローラを用いて、印刷範囲から外へ媒体を輸送することと、
長尺状プラテンであって、媒体輸送方向に対して印刷範囲の上流に配置された一連の上流リブと、媒体輸送方向に対して印刷範囲の下流に配置された一連の下流リブとを有する、プラテンを用いて、媒体が印刷範囲を通って輸送される際に媒体を支持し、成形することとを含み、
リブは、輸送された媒体が、印刷範囲内でリブと接触し、ノズルを越えて拘束曲線経路に適合するように、構成される。

【0058】

任意選択的に、プラテンは、媒体幅に沿って長手方向の長さを有するスロットを備え、上流リブは、スロットの上流側に配置され、下流リブは、スロットの下流側に配置される。

【0059】

任意選択的に、上流リブの各々の外面は、スロットに最近接の上流リブの各々の一部が、スロットから最も遠い上流リブの各々の一部よりもプリントヘッドに近接するように、該平行平面に対して斜めである。

【0060】

任意選択的に、下流リブの各々の外面は、スロットに最近接の下流リブの各々の一部が、スロットから最も遠い下流リブの各々の一部よりもプリントヘッドに近接するように、該平行平面に対して斜めである。

【0061】

任意選択的に、媒体は、媒体の前縁が上流リブの外面に接触し、外面に沿ってプリントヘッドに向かって誘導され、次いで、スロット上から、ノズルの印刷範囲を通過し、その時点で、媒体は、上流リブの該最近接部分との唯一の点接触が、媒体の残りの部分によって作成されるようなカンチレバー様式で屈曲するように、印刷範囲内へ輸送される。

【0062】

任意選択的に、媒体は、媒体の前縁が次いで、スロットをつなぐように下流リブの該最近接部分に点接触し、次いで、媒体が上流リブとのその点接触で安定してカンチレバーされるように出力ローラに渡されるように、下流リブとの接触を離れるように、印刷範囲内を通じて輸送される。

【0063】

任意選択的に、媒体は、媒体の後縁が、入力ローラを離れ、上流リブから下流リブへ移行し、印刷範囲を離れるように、印刷範囲から外へ輸送される。

【0064】

別の態様において、本発明は、プリントヘッドのための保守装置を提供し、本装置は、
回転シャフトと、
シャフトの周囲に多孔質材料と、
多孔質材料であって、回転中にプリントヘッドからの流体を吸収するように構成される多孔質材料がプリントヘッドに対して回転するように、シャフトを回転させるための機構とを備える。

【0065】

任意選択的に、機構は、シャフトの一方の端に旋回可能に装着されるスイングアーム内に回転可能に装着されるギヤトレインを備える。

【0066】

任意選択的に、装置は、滑動部と、滑動部によって支持されるワイパモジュールとをさらに備え、シャフトは、ワイパモジュール内に回転可能に装着される。

【0067】

任意選択的に、装置は、多孔質材料をプリントヘッドの近位に位置付けるように、滑動部からワイパモジュールを上昇させるためのリフト機構をさらに備える。

【0068】

任意選択的に、装置は、プリントヘッドを越えて媒体を輸送するための媒体輸送ローラをさらに備え、媒体輸送ローラは、媒体輸送ローラの回転がシャフトの回転を生じるように、ワイパモジュールが滑動部から上昇する際に、スイングアームのギヤトレインに動作可能に接触するギヤを有する。

【0069】

任意選択的に、ワイパモジュールは、ワイパモジュールがプリントヘッドから遠隔にある時、ギヤトレインがシャフトの回転を開始するために媒体輸送ローラに接触するように配置される。

【0070】

任意選択的に、スイングアームは、ギヤトレインがワイパモジュールの上昇された位置とは関係なく、媒体輸送ローラギヤと接触したままであるように、ワイパモジュールに対して旋回するように構成される。

【0071】

任意選択的に、装置は、シャフトに装着される圧縮可能コアを備え、多孔質材料がコア上に提供され、
リフト機構は、圧縮可能コアを圧縮するように、プリントヘッドに対して多孔質材料を位置付けるように構成される。

【0072】

任意選択的に、コアは、押し出し独立気泡発泡体で形成される。

【0073】

任意選択的に、多孔質材料は、不織布マイクロファイバーで形成される。

【0074】

不織布マイクロファイバーは、マイクロファイバーの少なくとも２つのレイヤーがレイヤーの間を接着剤で、コアを中心にして存在するように、スパイラル技術によってコアを中心にして巻き付けられる。

【0075】

任意選択的に、装置は、コアと多孔質材料との間に配置される疎水性フィルムをさらに備える。

【0076】

任意選択的に、フィルムは、感圧接着剤で形成される。

【0077】

別の態様において、本発明は、プリントヘッドのための保守システムを提供し、システムは、
滑動部と、
滑動部によって支持されるワイパモジュールであって、回転シャフトとシャフトの周囲に多孔質材料とを備える、ワイパモジュールと、
プリントヘッドに対して多孔質材料を位置付けるように、滑動部からワイパモジュールを上昇させるためのリフト機構と、
多孔質材料であって、回転中にプリントヘッドからの流体を吸収するように構成される、多孔質材料がプリントヘッドに対して回転するように、シャフトを回転させるための回転機構と、
回転する多孔質材料がプリントヘッドにわたって拭き取られるように、プリントヘッドに対して滑動部を滑動させるための滑動機構とを備える。

【0078】

任意選択的に、回転機構は、シャフトの一方の端に旋回可能に装着されるスイングアーム内に回転可能に装着されるギヤトレインを備える。

【0079】

任意選択的に、回転機構は、プリントヘッドを越えて媒体を輸送するための媒体輸送ローラをさらに備え、媒体輸送ローラは、媒体輸送ローラの回転がシャフトの回転を生じるように、ワイパモジュールがリフト機構によって滑動部から上昇する際に、スイングアームのギヤトレインに動作可能に接触するギヤを有する。

【0080】

任意選択的に、スイングアームは、ギヤトレインがワイパモジュールの上昇した位置とは関係なく、媒体輸送ローラギヤと接触したままであるように、ワイパモジュールに対して旋回するように構成される。

【0081】

任意選択的に、滑動機構は、ワイパモジュールの各端に対応する、滑動部の各端上にラックと、ラックのうちの対応する１つおよびモータと各々連結するように、シャフトの各端上にピニオンギヤとを備える。

【0082】

任意選択的に、ワイパモジュールは、シャフトに装着される圧縮可能コアをさらに備え、多孔質材料がコア上に提供され、リフト機構は、圧縮可能コアを圧縮するように、プリントヘッドに対して多孔質材料を位置付けるように構成される。

【0083】

任意選択的に、コアは、押し出し独立気泡発泡体で形成される。

【0084】

任意選択的に、多孔質材料は、不織布マイクロファイバーで形成される。

【0085】

不織布マイクロファイバーは、マイクロファイバーの少なくとも２つのレイヤーがレイヤーの間を接着剤で、コアを中心にして存在するように、スパイラル技術によってコアを中心にして巻き付けられる。

【0086】

任意選択的に、コアと多孔質材料との間に疎水性フィルムが配置される。

【0087】

任意選択的に、フィルムは、感圧接着剤で形成される。

【0088】

別の態様において、本発明は、プリントヘッドを拭き取る方法を提供し、方法は、
ワイパモジュールの多孔質材料をプリントヘッドに対して位置付けるために、支持滑動部からワイパモジュールを上昇させるようにリフト機構を制御することと、
多孔質材料であって、回転中にプリントヘッドからの流体を吸収するように構成される、多孔質材料がプリントヘッドに対して回転するように、その周囲に多孔質材料が提供されるワイパモジュールのシャフトを回転させるために回転機構を制御することと、
回転する多孔質材料がプリントヘッドにわたって拭き取られるように、プリントヘッドに対して滑動部を滑動させるために滑動機構を制御することとを含む。

【0089】

任意選択的に、回転機構は、シャフトの一方の端に旋回可能に装着されるスイングアーム内に回転可能に装着されるギヤトレインが、プリントヘッドを越えて媒体を輸送するための媒体輸送ローラと接触するように制御され、媒体輸送ローラは、媒体輸送ローラの回転がシャフトの回転を生じるように、ワイパモジュールがリフト機構によって滑動部から上昇する際に、スイングアームのギヤトレインに動作可能に接触するギヤを有する。

【0090】

任意選択的に、スイングアームは、ギヤトレインがワイパモジュールの上昇した位置とは関係なく、媒体輸送ローラギヤと接触したままであるように、ワイパモジュールに対して旋回するように構成される。

【0091】

任意選択的に、滑動機構は、ワイパモジュールの各端に対応する、滑動部の各端上のラックに沿って、シャフトの各端上のピニオンギヤを回転させるように、モータを動作することによって制御される。

【0092】

任意選択的に、リフト機構は、プリントヘッドに対してワイパモジュールのシャフトに圧縮可能コアを圧縮するように制御される。

【0093】

別の態様において、本発明は、プリントヘッドのための保守装置を提供し、装置は、
プリントヘッドからの粒子を吸収するために、プリントヘッドに回転可能に接触するための多孔質部材と、
該回転中に、多孔質部材から吸収された粒子を除去するように、多孔質部材に接触するためのスクレーパーとを備える。

【0094】

任意選択的に、プリントヘッドは、媒体幅プリントヘッドであり、多孔質部材およびスクレーパーは、少なくとも媒体幅の長手方向の長さを備えて長尺状である。

【0095】

任意選択的に、多孔質部材は、滑動部によって支持されるワイパモジュールに回転可能に装着され、スクレーパーは、ワイパモジュールに離脱可能に装着される。

【0096】

任意選択的に、スクレーパーは、ワイパモジュールにクリップされる。

【0097】

任意選択的に、スクレーパーは、スクレーパーが、プリントヘッドに接触する多孔質部材の上部外周領域より下の多孔質部材の縦方向外周領域上の多孔質部材に接触するように、ワイパモジュールに装着される。

【0098】

任意選択的に、スクレーパーは、傾斜したスクレーパーが、多孔質部材の外周の接線で多孔質部材に接触するように、多孔質部材に対して傾斜した角度で配置される。

【0099】

任意選択的に、ワイパモジュールは、回転シャフトに装着される圧縮可能コアを備え、多孔質部材がコア上に提供される。

【0100】

任意選択的に、多孔質部材は、不織布マイクロファイバーで形成される。

【0101】

不織布マイクロファイバーは、マイクロファイバーの少なくとも２つのレイヤーがレイヤーの間を接着剤で、コアを中心にして存在するように、スパイラル技術によってコアを中心にして巻き付けられる。

【0102】

任意選択的に、装置は、コアと多孔質材料との間に配置される疎水性フィルムをさらに備える。

【0103】

任意選択的に、フィルムは、感圧接着剤で形成される。

【0104】

任意選択的に、スクレーパーは、接触圧力が圧縮可能コア上にかかるように、ワイパモジュールに装着される。

【0105】

任意選択的に、スクレーパーは、弾性的可撓性がある。

【0106】

任意選択的に、スクレーパーは、弾性的可撓性があるマイラーのシートである。

【0107】

別の態様において、本発明は、プリントヘッドのための保守装置を提供し、装置は、
流体射出ノズルを有するプリントヘッドの表面に対して密封するための密封部であって、該ノズル周囲に密封空間を形成するように構成される、密封部と、
密封空間内の該ノズルの近位にあるように、密封部内に配置される多孔質材料とを備え、該ノズルによって排出される流体は、密封空間内の多孔質材料に接触し、転写される。

【0108】

任意選択的に、密封部は、弾性材料で形成される。

【0109】

任意選択的に、装置は、その上に密封部が装着され、その中に多孔質材料が配置される本体を有する、キャッパーモジュールをさらに備える。

【0110】

任意選択的に、密封部の側壁は、波形輪郭を有し、側壁の下部セクションが、キャッパーモジュールの本体のリッジ上に保持されるように構成される溝を画定し、側壁の上部セクションが、プリントヘッドの表面に対する外面の圧縮接触が、カンチレバービームの屈曲を生じるように、自由外面で終了するカンチレバービームを画定する。

【0111】

任意選択的に、本体のベースは、その上で多孔質材料の下部表面が支持されるリブを有する。

【0112】

任意選択的に、多孔質材料は、親水性ポリエチレンである。

【0113】

別の態様において、本発明は、媒体幅プリントヘッドであって、媒体が媒体移動方向に沿ってプリントヘッドを越えて移動する際に、媒体上に流体を射出するための、媒体幅に沿って延在する、複数列の流体射出ノズルを有する、プリントヘッドのための保守装置を提供し、装置は、
ノズル列を有するプリントヘッドの表面に対して密封するための密封部であって、ノズル周囲に密封空間を形成するように構成される、密封部と、
密封空間から、ノズルによって射出される流体を吐き出すための、密封部内に配置される吐き出し要素であって、媒体移動方向に傾斜した外面を有する、吐き出し要素と、
プリントヘッドに最近接の吐き出し要素の傾斜した外面の一部が、ノズル列の長さに沿って中心線に対して媒体移動方向の上流に配置され、プリントヘッドから最も遠い吐き出し要素の傾斜した外面の一部が、媒体幅方向の下流に配置されるように、密封部をプリントヘッドと整列させるための整列機構とを備える。

【0114】

任意選択的に、密封部は、弾性材料で形成される。

【0115】

任意選択的に、装置は、その上に密封部が装着され、その中に多孔質材料が配置される本体を有する、キャッパーモジュールをさらに備える。

【0116】

任意選択的に、密封部の側壁は波形輪郭を有し、側壁の下部セクションが、キャッパーモジュールの本体のリッジ上に保持されるように構成される溝を画定し、側壁の上部区分が、プリントヘッドの表面に対する外面の圧縮接触が、カンチレバービームの屈曲を生じるように、自由外面で終了するカンチレバービームを画定する。

【0117】

任意選択的に、本体のベースは、その上で多孔質材料の下部表面が支持されるリブを有する。

【0118】

任意選択的に、多孔質材料は、親水性ポリエチレンである。

【0119】

別の態様において、本発明は、プリントヘッドを保守する方法を提供し、
プリントヘッドの非印刷相で、プリントヘッドの流体射出ノズルから、既定の距離内に多孔質材料を供するステップと、
該非印刷相中、該既定距離に多孔質材料を保持するステップとを含み、
既定の距離は、流体流路が、ノズルと、ノズルによって排出された流体を多孔質材料へ転写させ、次いで、解消するように流路を誘導する多孔質材料との間に形成することを可能にするように選択される。

【0120】

任意選択的に、多孔質材料とノズルとの間の既定の距離は、約１．１ミリメートルである。

【0121】

任意選択的に、多孔質材料は、リフト機構によって、該既定の距離へ運ばれる。

【0122】

任意選択的に、多孔質材料は、プリントヘッドをキャップ止めするためのキャップ機構内に配置される。

【0123】

任意選択的に、キャップ機構は、該ノズルを有するプリントヘッドの表面を密封するための密封部を備え、多孔質材料は、該密封中に該既定の距離にあるように、密封部によって包囲される。

【0124】

任意選択的に、多孔質材料は、リフト機構によって、該既定の距離で保持される。

【0125】

別の態様において、本発明は、プリントヘッドのための保守装置を提供し、装置は、
プリントヘッドからの流体を吸収するように、プリントヘッドに接触するための第１の多孔質部材と、
第１の多孔質部材からの流体を吸収するように、第１の多孔質部材に接触するための第２の多孔質部材とを備える。

【0126】

任意選択的に、装置は、滑動部と、滑動部によって支持されるワイパモジュールとをさらに備え、第１の多孔質部材は、ワイパモジュール内に装着され、第２の多孔質部材は、滑動部内に装着される。

【0127】

任意選択的に、装置は、第１の多孔質材料をプリントヘッドの近位に位置付けるように、滑動部からワイパモジュールを上昇させるためのリフト機構をさらに備える。

【0128】

任意選択的に、第２の多孔質部材は、滑動部のチャネル内に保持されるパッドから突出する複数のタワーを有し、タワーは、ワイパモジュールが滑動部内の非上昇位置にある時に第１の多孔質部材に接触するように配置される。

【0129】

任意選択的に、タワーは、ワイパモジュールが滑動部内の非上昇位置にある時、ワイパモジュール内の窓を通って突出するように構成される。

【0130】

任意選択的に、第１の多孔質材料は、圧縮可能コア上に装着され、タワーは、第１の多孔質材料によって保持される流体が、タワーへ、そしてパッド内へ吐き出されるように、該接触中に第１の多孔質材料を圧縮するように構成される。

【0131】

任意選択的に、圧縮可能コアは、ワイパモジュール内の回転シャフト上に装着され、装置は、ワイパモジュールが上昇位置にある時に第１の多孔質部材がプリントヘッドに対して回転するように、シャフトを回転させるための機構を備える。

【0132】

任意選択的に、リフト機構は、圧縮可能コアを圧縮するように、プリントヘッドに対して第１の多孔質部材を位置付けるように構成される。

【0133】

別の態様において、本発明は、プリントヘッドのための保守システムを提供し、システムは、
プリントヘッドからの廃棄流体を摂取するための摂取部材と、
該摂取された廃棄流体を収容するための容器であって、収容された廃棄流体の量が増加すると拡大するように可撓性がある、容器とを備える。

【0134】

任意選択的に、容器は、媒体入力領域と印刷された媒体出力領域との間にプリントヘッドを有するプリンタの本体内部に配置される。

【0135】

任意選択的に、容器は、流体収容モジュールのモジュール式アセンブリである。

【0136】

任意選択的に、各モジュールは、流体が空である場合には実質的に平坦で、そうでない場合には拡大する、拡大可能袋を画定するように、可撓性の折り畳み可能な材料で形成される。

【0137】

任意選択的に、摂取部材は、各モジュールに充填する、吸収材料である。

【0138】

任意選択的に、吸収材料は、乾燥すると粉末で、湿ると硬いゲルである、高分子である。

【0139】

任意選択的に、モジュールは、モジュール間の毛管吐き出し経路を提供する、吐き出し要素によって、相互に連結される。

【0140】

別の態様において、本発明は、
複数の流体射出ノズルを有するプリントヘッドと、
プリントヘッドからの廃棄流体を摂取するための摂取部材と、
該摂取された廃棄流体を収容するための容器であって、収容された廃棄流体の量が増加すると拡大するように可撓性がある、容器とを備える、プリンタを提供する。

【0141】

任意選択的に、容器は、媒体入力領域と印刷された媒体出力領域との間にプリントヘッドを有するプリンタの本体内部に配置される。

【0142】

任意選択的に、容器は、流体収容モジュールのモジュール式アセンブリである。

【0143】

任意選択的に、各モジュールは、流体が空である場合には実質的に平坦で、そうでない場合には拡大する、拡大可能袋を画定するように、可撓性の折り畳み可能な材料で形成される。

【0144】

任意選択的に、摂取部材は、各モジュールに充填する、吸収材料である。

【0145】

任意選択的に、吸収材料は、乾燥すると粉末で、湿ると硬いゲルである、高分子である。

【0146】

任意選択的に、モジュールは、モジュール間の毛管吐き出し経路を提供する、吐き出し要素によって、相互に連結される。

【0147】

別の態様において、本発明は、プリンタのための媒体クリアランス機構を提供し、媒体クリアランス機構は、
プリンタの媒体幅プリントヘッドに媒体経路の媒体幅を露出するように開くことができる、プリンタの本体にヒンジで連結されて装着されるドアと、
ドアが閉位置にある時、ドアおよび誘導器が経路の誘導部分を画定するように、ドアに装着される媒体誘導器であって、誘導器がドアを開く際に邪魔にならずに旋回するように、ドアに旋回可能に装着されている、誘導器と、
ドアの開運動と共に誘導器を格納し、ドアの閉運動と共に媒体誘導のために誘導器の位置を変更するように構成される変位機構とを備える。

【0148】

任意選択的に、媒体経路は、媒体入力領域から、プリンタのプリントヘッドまでの曲線媒体経路である。

【0149】

任意選択的に、変位機構は、ドアのいずれかの端で側壁内にスロットと、誘導器のいずれかの端でアーム上に追跡ピンとを備え、スロットは、蛇行形状を有し、追跡ピンは、それぞれのスロットと係合し、それによって、誘導器をドアに接続する。

【0150】

任意選択的に、各スロットの蛇行形状は、２つの湾曲点を有し、媒体経路に向かって配向される湾曲点は、媒体経路に沿って媒体移動方向に対して媒体経路から遠くに配向される湾曲点の上流にある。

【0151】

任意選択的に、旋回ピンは、各スロットの下流湾曲点の外側でドアの側壁の各々から突出し、各アームの自由端は、誘導器がスロットに沿って追跡する際に、それぞれの旋回ピンと係合するヨークを有する。

【0152】

別の態様において、本発明は、
媒体幅プリントヘッドと、
媒体入力領域からプリントヘッドまでの媒体経路と、
媒体経路を露出するように開くことができる、プリンタの本体にヒンジで連結されて装着されるドアと、
ドアが閉位置にある時、ドアおよび誘導器が経路の誘導部分を画定するように、ドアに装着される媒体誘導器であって、誘導器がドアの開放時に邪魔にならずに旋回するように、ドアに旋回可能に装着されている、誘導器と、
ドアの開運動と共に誘導器を格納し、ドアの閉運動と共に媒体誘導のために誘導器の位置を変更するように構成される変位機構とを備える、プリンタを提供する。

【0153】

任意選択的に、媒体経路は、曲線媒体経路である。

【0154】

任意選択的に、変位機構は、ドアのいずれかの端で側壁内にスロットと、誘導器のいずれかの端でアーム上に追跡ピンとを備え、スロットは、蛇行形状を有し、追跡ピンは、それぞれのスロットと係合し、それによって、誘導器をドアに接続する。

【0155】

任意選択的に、各スロットの蛇行形状は、２つの湾曲点を有し、媒体経路に向かって配向される湾曲点は、媒体経路に沿って媒体移動方向に対して媒体経路から遠くに配向される湾曲点の上流にある。

【0156】

任意選択的に、旋回ピンは、各スロットの下流湾曲点の外側でドアの側壁の各々から突出し、各アームの自由端は、誘導器がスロットに沿って追跡する際に、それぞれの旋回ピンと係合するヨークを有する。

【0157】

本発明の例示的な特徴、最良の形態および利点は、以下の添付の図面を参照し、本明細書中の記載から理解される。

【図面の簡単な説明】

【0158】

【図1】プリンタの主なシステムコンポーネントのブロック図である。

【図2】プリンタのプリントヘッドの斜視図である。

【図3】カバーを外した状態のプリントヘッドである。

【図4】プリントヘッドの分解図である。

【図5】入口または出口カップリングのないプリントヘッドの分解図である。

【図6】プリンタの保守システムのコンポーネント以外の大部分のコンポーネントを省略した、プリンタの等角図である。

【図7】図６に図示されるプリンタの反対側の等角図である。

【図8】保守システムのモジュール式保守滑動部の例示的な実施形態を模式的に図示する。

【図9】図８に図示される滑動部の分解図である。

【図10】滑動部のプラテンモジュールの第１の分解斜視図である。

【図11】プラテンモジュールの第２の分解斜視図である。

【図12】組み立てられたプラテンモジュールである。

【図13】プラテンモジュールの一方の端の近接図である。

【図14】プラテンモジュールの別の端の近接図である。

【図15】プラテンモジュールの断面図である。

【図16】プリントヘッドの印刷範囲全体の例示的な媒体経路である。

【図17A】媒体経路全体の媒体移動の後続の段階である。

【図17B】媒体経路全体の媒体移動の後続の段階である。

【図17C】媒体経路全体の媒体移動の後続の段階である。

【図17D】媒体経路全体の媒体移動の後続の段階である。

【図17E】媒体経路全体の媒体移動の後続の段階である。

【図17F】媒体経路全体の媒体移動の後続の段階である。

【図18】プリントヘッドに対して動作位置にあるプラテンモジュールの断面図である。

【図19】滑動部のワイパモジュールの第１の等角図である。

【図20】ワイパモジュールの第２の等角図である。

【図21】ワイパモジュールの分解斜視図である。

【図22A】プリンタの駆動ローラに対するワイパモジュールの異なる位置を図示する。

【図22B】プリンタの駆動ローラに対するワイパモジュールの異なる位置を図示する。

【図23】ワイパモジュールの一方の端の近接図である。

【図24】ワイパモジュールの別の端の近接図である。

【図25】ワイパモジュールのワイパ要素の例示的なスプリング配置である。

【図26】ワイパ要素から隔離された状態のワイパローラである。

【図27】ワイパモジュールの断面図である。

【図28】滑動部のキャッパーモジュールの等角図である。

【図29】キャッパーモジュールの分解斜視図である。

【図30】キャッパーモジュールの断面図である。

【図31】プリントヘッドの印刷面の一部である。

【図32】キャッパー要素を省略したキャッパーモジュール、およびキャッパーモジュールから解体された吐き出し要素である。

【図33】キャッパーモジュールの中に組み立てられた吐き出し要素である。

【図34】吐き出し要素およびキャッパー要素を排除したキャッパーモジュールのチャネルである。

【図35】ポートから弁を解体したキャッパーモジュールの排出ポートである。

【図36】ポート内に組み立てられた弁である。

【図37】保守滑動部の下面等角図である。

【図38】滑動部の平行移動機構である。

【図39】リフト機構の１セクションの近接図である。

【図40】変位機構の別のセクションの近接図である。

【図41】変位機構のモータ配置である。

【図42A】ほとんどのコンポーネントを省略し、上昇していない位置の保守システムのリフト機構と係合されたキャッパーモジュールを示す、プリンタの断面図である。

【図42B】上昇した位置のリフト機構と係合されたキャッパーモジュールである。

【図42C】プリントヘッド上のキャップ位置にあるキャッパーモジュールである。

【図43A】ほとんどのコンポーネントを省略し、上昇していない位置のリフト機構と係合されたプラテンモジュールを示す、プリンタの断面図である。

【図43B】上昇した位置のリフト機構と係合されたプラテンモジュールである。

【図43C】プリントヘッドに対して作動位置にあるプラテンモジュールである。

【図44A】ほとんどのコンポーネントを省略し、上昇していない位置のリフト機構と係合されたワイパモジュールを示す、プリンタの断面図である。

【図44B】上昇位置のリフト機構と係合されたワイパモジュールである。

【図44C】プリントヘッドに対して作動位置にあるワイパモジュールである。

【図45】リフト機構の１セクションの近接図である。

【図46】リフト機構の別のセクションの近接図である。

【図47】モジュールが離脱された滑動部の上面等角図である。

【図48A】プラテンモジュール位置を示す滑動部の断面図である。

【図48B】図４８Ａのプラテンモジュールを省略した本体である。

【図49】キャッパーモジュール位置を示す滑動部の断面図である。

【図50A】ワイパモジュール位置を示す滑動部の断面図である。

【図50B】図５０Ａのワイパモジュールのワイパローラを省略した図である。

【図51】滑動部内の排出孔とプリンタのハウジング内の通気孔との整列を示す。

【図52】折り畳まれた状態にある流体保管モジュールと分離した状態の、保守システムの流体回収器である。

【図53】流体保管モジュールが拡大状態にある、流体回収器である。

【図54】媒体詰まり除去ドアを示すために、プリンタのケースが外された状態のプリンタの斜視図である。

【図55】図５４のプリンタから本体の一部を取り外した図である。

【図56】媒体詰まり除去ドアを完全に閉じた状態である。

【図57A】媒体詰まり除去ドアの媒体誘導器の対向図である。

【図57B】媒体詰まり除去ドアの媒体誘導器の対向図である。

【図58A】媒体詰まり除去ドアを徐々に開いている状態である。

【図58B】媒体詰まり除去ドアを徐々に開いている状態である。

【図59】媒体詰まり除去ドアを完全に開いた状態である。

【図60A】媒体詰まり除去ドアを徐々に閉じている状態である。

【図60B】媒体詰まり除去ドアを徐々に閉じている状態である。

【発明を実施するための形態】

【0159】

当業者は、その応用が、本明細書の説明に記載されるおよび／または添付の図面に図示される構造の詳細、コンポーネントの配置、およびステップの配置に限定されないことを理解されよう。本発明は、他の実施形態、および種々の他の方式で実践または実行することが可能である。さらに、本明細書中で用いられる表現および用語は、記載を目的とするものであり、制限的なものとみなされるべきではないことを理解するべきである。

【0160】

プリンタ１００の主なシステムコンポーネントの例示的なブロック図を、図１に示す。プリンタ１００は、プリントヘッド２００、流体分配システム３００、保守システム６００、および電子機器８００を有する。

【0161】

プリントヘッド２００は、通過する印刷媒体上にインク等の印刷流体を射出するための流体射出ノズルを有する。流体分配システム３００は、プリントヘッド２００のノズルによる射出のために、インクおよび他の流体を分配する。保守システム６００は、信頼性が高く、精密な流体射出が提供されるように、プリントヘッド２００のノズルを保守する。

【0162】

電子機器８００は、互いに、および外部コンポーネント／システムへ、プリンタ１００の電子コンポーネントを動作可能に相互接続する。電子機器８００は、接続されたコンポーネントの動作を制御するための制御電子機器８０２を有する。制御電子機器８０２の例示的な構成は、米国特許出願公開第２００５０１５７０４０号（出願人整理番号ＲＲＣ００１ＵＳ）に記載され、その内容は、参照により、本明細書に組み込まれる。

【0163】

プリントヘッド２００は、参照によりその内容が本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第２００９／０１７９９４０号明細書（出願人整理番号ＲＲＥ０１７ＵＳ）に記載されるように、プリンタ１００から取り外し可能な媒体幅プリントヘッドカートリッジとして提供され得る。この例示的なプリントヘッドカートリッジは、図２〜５に示されるように、印刷される媒体基板の幅を延長させる、一連のプリントヘッドＩＣ２０４を支持する液晶高分子（ＬＣＰ）成形２０２を含む。したがって、プリンタ１００に装着されると、プリントヘッド２００は、静止全媒体幅プリントヘッドを構成する。

【0164】

プリントヘッドＩＣ２０４は、それぞれ、通過する媒体上にインクおよび他の印刷流体の液滴を射出するための射出ノズルを備える。ノズルは、真の１６００ｄｐｉ（つまり、インチあたり１６００ノズルのノズルピッチ）以上の解像度の、ＭＥＭＳ（マイクロ電子機械）構造印刷にしてもよい。適したプリントヘッドＩＣ２０４の製造および構造は、参照によりその内容が本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第２００７／００８１０３２号明細書（出願人整理番号ＭＮＮ００１ＵＳ）に詳細に記載されている。

【0165】

ＬＣＰ成形２０２は、関連付けられる入口ポート２０８および出口ポート２１０の間のＬＣＰ成形２０２の長さを延在するメインチャネル２０６を有する。主な各チャネル２０は、ＬＣＰ成形２０２の他の側に延在する一連のファインチャネル（図示せず）に供給する。ファインチャネルは、以下に記載するように、それを介してプリントヘッドＩＣがＬＣＰ成形に装着される、金型取り付け（ｄｉｅ ａｔｔａｃｈ）フィルム内のレーザー剥離孔を通って、プリントヘッドＩＣ２０４にインクを供給する。

【0166】

上記のメインチャネル２０６の上には、一連の非プライミングエアキャビティ２１４が設けられている。これらのキャビティ２１４は、プリントヘッドプライミング中にエアポケットを捕捉するように設計される。エアポケットにより、システムに対し、印刷流体内の圧力上昇または水圧衝撃を吸収および鈍化するためのいくらかのコンプライアンスがもたらされる。プリンタは、急激に噴射する多数のノズルを有する高速ページ幅または媒体幅プリンタである。これによりインクが急速に消費され、突然、印刷ジョブまたはページの端のみが終了することは、プリントヘッド２００に向かって（およびこれを通って）移動するインク列が、ほぼ瞬時に定着しなければならないということを意味する。エアキャビティ２１４によって提供されるコンプライアンスがない場合、インクの運動量によって、プリントヘッドＩＣ２０４内のノズルをあふれさせることになる。さらに、以降の「あおりを受けた波」によって、コンプライアンスがない場合には誤ってノズルをデプライミング（ｄｅｐｒｉｍｅ）するのに十分な負の圧力を生じさせかねない。

【0167】

プリントヘッドカートリッジは、上部成形２１６および取り外し可能な保護カバー２１８を有する。上部成形２１６は、構造的硬度のための、およびプリンタ１００に対する挿入および取り外し時にプリントヘッドカートリッジを操作するためのきめの粗い把持表面２２０を提供するための中心網を有する。可動キャップ２２２がカバーのベースに提供され、プリンタの設置前に、プリントヘッド２００の入口プリントヘッドカップリング２２４および出口プリントヘッドカップリング２２６を覆うように可動となっている。「入口」および「出口」という用語は、印刷時にプリントヘッド２００を通る流体流れの通常の向きを指定するために使用される。しかしながら、プリントヘッド２００は、流体の流入および流出がプリントヘッド２００に沿って両方向で実現できるように、構成される。

【0168】

カバー２１８のベースは、プリンタの設置前にプリントヘッドＩＣ２０４およびプリントヘッドの電子接触子２２８を保護し、図３に示されるように、設置のために、プリントヘッドＩＣ２０４および接触子２２８を露出させるため、取り外し可能になっている。保護カバーは、廃棄される、またはその内部の残渣インクからの漏れを含むように取り換えられるプリントヘッドカートリッジに装着されてもよい。

【0169】

上部成形２１６は、図４に示されるように、側板２３４と共に、入口カップリング２２４の入口マニホールド２３０および出口カップリング２２６の出口マニホールド２３２を覆う。入口および出口マニホールド２３０、２３２は、それぞれ、入口および注出口２３６、２３８を有する。入口および出口ポートまたは噴出口２３６、２３８の５つはそれぞれ、５つのインクチャネル、例えば、ＣＹＭＫＫまたはＣＹＭＫＩＲを提供する、プリントヘッド２００の図示された実施形態に示される。噴出口の他の構成および数は、異なる印刷流体チャネル構成を提供することができる。例えば、マルチチャネルプリントヘッド印刷の複数インク色の代わりに、いくつかのプリントヘッドは、各印刷に１つ以上のインク色を提供することができる。

【0170】

各注入口２３６は、ＬＣＰ成形２０２の入口ポート２０８の対応するものに流体的に接続される。各注出口２３８は、ＬＣＰ成形２０２の出口ポート２１０のうちの対応するものに流体的に接続される。このため、各インク色について、供給されたインクは、メインチャネル２０６の対応する１つを介して、注入口２３６のうちの１つおよび注出口２３８の対応する１つの間に分配される。

【0171】

図５から、チャネル成形２４０においてメインチャネル２０６が形成され、関連付けられるエアキャビティ２１４がキャビティ成形２４２内に形成されることがわかる。チャネル成形２４０に、金型取り付けフィルム２４４が接着される。金型取り付けフィルム２４４は、チャネル成形２４０内に形成されるファインチャネルが、フィルム２４４を通って、小さいレーザー剥離孔２４５を介して、プリントヘッドＩＣ２０４と流体的に連通するように、チャネル成形２４０にプリントヘッドＩＣ２０４を装着する。

【0172】

チャネルおよびキャビティ成形２４０、２４４は、ＬＣＰ成形２０２を形成するために、プリントヘッドＩＣの電子接触子２２８およびクリップ成形２４８を含む接触子成形２４６と共に装着される。クリップ成形２４８は、ＬＣＰ成形２０２を上部成形２１６に確実にクリップ固定するために使用される。

【0173】

ＬＣＰは、成形の媒体幅長さにわたって構造的完全性を保持するその硬度、およびプリントヘッド２００の動作中におけるＬＣＰ成形２０２のファインチャネルおよびプリントヘッドＩＣ２０４のノズルの間の良好な位置合わせを確保する、プリントヘッドＩＣで使用されるシリコンの熱膨張係数とほぼ一致するその熱膨張係数のために、好適な成形２０２材料となっている。しかしながら、これらの基準を満たす限り、他の材料を使用することもできる。

【0174】

流体分配システム３００は、本出願人の米国仮特許出願第６１／３４５５５２号（整理番号ＫＰＦ００１ＰＵＳ）に記載のように構成されてもよい。

【0175】

プリントヘッド２００および流体分配システム３００を保守するための保守システム６００は、明確化のために保守システム６００のコンポーネント以外の大部分のコンポーネントを省略してプリンタ１００を示す、図６および図７に図示されるように、プリントヘッド２００に対して配置されてもよい。保守システム６００およびその多様なコンポーネントの多様な実施形態をここで詳細に記載する。

【0176】

保守システム６００は、プリントヘッド２００の動作寿命において、操作順に、プリントヘッド２００、それにより、流体分配システム３００を保守する。

【0177】

プリントヘッド２００の各印刷サイクル後、およびプリントヘッド２００を使用していない期間において、保守システム６００は、ノズル内の流体の吐き出しを防ぐために、プリントヘッド２００の射出ノズルをキャップ止めするために使用される。これにより、ノズル内の詰まりのため以降の印刷に問題が発生することが少なくなる。

【0178】

保守システム６００はまた、プリントヘッドＩＣを拭き取ることによって、プリントヘッド２００の印刷面を清掃するためにも使用される。さらに、保守システム６００は、プライミングおよび保守サイクルの間に、プリントヘッドがノズルから「スピット」または「排出」する流体を捕獲するためにも使用され、プライミングに関するさらなる詳細については、本出願人の米国仮特許出願第６１／３４５５５２号（整理番号ＫＰＦ００１ＰＵＳ）の組み込まれた記載を参照されたい。

【0179】

さらに、保守システム６００は、さらに、媒体上の流体転写を最小限にするクリーンな方法で、印刷時の媒体の支持を提供するために使用される。

【0180】

さらに、保守システム６００は、後の廃棄または再利用のために、プリンタ１００内のこれらの機能の間に収集されたインクおよび他の印刷流体を貯蔵する。

【0181】

これらの機能を実現するために、保守システム６００は、モジュール式の滑動部６０２および流体回収器６０３を採用する。滑動部６０２は、各々異なる機能を有する、いくつかの保守モジュールを収容する。図８および図９の図示された実施形態において、保守モジュールは、プラテンモジュール６０４、ワイパモジュール６０６、およびキャッパーモジュール６０８を含む。滑動部６０２は、プリントヘッド２００に対して選択的に変位可能であるように、かつ、印刷の媒体１０４がプリントヘッド２００と滑動部６０２との間を通過することが可能であるように、プリンタ１００のハウジング１０２によって収容される。さらに、保守モジュールは、滑動部に対して変位可能である。滑動部の変位によって、保守モジュールの各々をプリントヘッドと選択的に整列させ（位置合わせし）、整列（位置合わせ）された保守モジュールの変位によって、整列された保守モジュールをプリントヘッドに対して動作位置に供する。

【0182】

図１０〜１８は、プラテンモジュール６０４の多様な例示的な態様を図示する。プラテンモジュール６０４は、本体６１０および吐き出し要素６１２のアセンブリである。本体６１０は、プリントヘッド２００の媒体幅より長い長さに沿って延在するように長尺状である。プラテンモジュール６０４は、滑動部６０２の長尺状フレーム６１４内に収容される。フレーム６１４は、ベース６１８と、その内部にノッチ６２０ａが画定される、ベースから突出する側壁６２０とを有する。

【0183】

ノッチ６２０ａは、プラテンモジュール６０４の本体６１０の長手方向の端で、リテーナ要素６２２を離脱可能に受容する。ノッチおよびリテーナのこの係合によって、プラテンモジュール６０４は、固定されないが、制約された様式において、フレーム６１４によって保持されることが可能になる。すなわち、プラテンモジュールは、滑動部内部で事実上「浮遊」し、滑動部に対するプラテンモジュールの変位を促進する。

【0184】

プラテンモジュール６０４は、プラテンモジュール６０４がその動作位置にある時に媒体がプリントヘッド２００を通過すると、印刷されている媒体のための支持を提供する、本体６１０のプラテン表面６２４が、プリントヘッド２００に面するように、フレーム６１４内に組み立てられる。

【0185】

図１０〜１８に図示された実施形態において、プラテン６２４は、プラテンモジュール６０４の長手方向長さに沿ってプラテン６２４を通って延在するスロット６３０のいずれかの側に周期的に配置される、一連のリブ要素６２６および６２８を有する。プラテンモジュール６０４が滑動部６０２の選択的変位を通じてプリントヘッド２００と整列すると、スロット６３０はノズルと整列する。プラテンモジュール６０４の本体６１０は、成型プラスチック材料で形成されることが好ましく、リブ６２６、６２８は、本体６１０の中に一体に成型されることが好ましい。しかしながら、リブをプラテン本体に固定する等、他の配置が可能である。

【0186】

狭いリブ６２６、６２８は、それらの長さに沿ってプリントヘッド２００を越えて媒体移動の方向と整列するように、プラテン６２４の表面６２４ａから突出し、プラテンモジュール６０４がその動作位置にある時にプリントヘッド２００の射出ノズルの近辺で、印刷範囲内に媒体を誘導し、成形することを支援するように構成される。誘導することによって、媒体がプリントヘッド２００の印刷面と接触する可能性を最小限にし、成形することによって、媒体およびノズルの異なる部分の間の間隔の変化率を最小限にする。

【0187】

図１６に図示されるように、媒体１０４は、プリントヘッド２００およびプラテン６２４によって画定される印刷範囲と平行な平面から斜めであるように、媒体１０４の移動方向に対してノズルの上流に位置する、リブ６２６の各々の外面６２６ａより高いレベルで、プリンタ１００の入力ローラ１０６によって、印刷範囲内へ輸送または駆動される。さらに、媒体は、印刷範囲の平行平面から斜めであるように、媒体１０４の移動方向に対して、ノズルの下流に位置する、リブ６２８の各々の外面６２８ａより高いレベルで、プリンタ１００の出力ローラ１０８によって、印刷範囲の外へ輸送または駆動される。約１０°〜１２°の上流および下流の角度が好ましいが、他の角度が可能である。

【0188】

印刷範囲内の媒体１０４とプラテン６２４との間の接触と共に、印刷範囲内への媒体の挿入および排出をある角度で提供することによって、媒体１０４がノズルを越えて制約された経路に適合することを確実にする。すなわち、典型的には紙または他の可撓性媒体である、媒体１０４は、印刷範囲内で媒体を強化するように働き、それによって、縁なし印刷用途において特に重要である、媒体の全ての部分で実質的に一定の媒体からノズルまでの間隔を保守する、この制約された経路に沿って湾曲させられる。

【0189】

図１３〜１５に最も明確に確認されるように、上流リブ６２６の各々の外面６２６ａもまた、スロット６３０に最近接のリブ６２６の各々の一部６２６ｂが、スロット６３０から最も遠いリブ６２６の各々の一部６２６ｃよりプリントヘッド２００により近接する（例えば、より高い）ように、プラテン６２４の平行平面に対して斜めである。同様に、下流リブ６２８の各々の外面６２８ａもまた、スロット６３８に最近接のリブ６２８の各々の一部６２８ｂが、スロット６３０から最も遠いリブ６２８の各々の一部６２８ｃよりプリントヘッド２００により近接する（例えば、より高い）ように、プラテン６２４の平行平面に対して斜めである。リブ６２４、６２６のこれらの相対的構造は、以下のように、媒体の誘導および成形を支援する。

【0190】

図１７Ａおよび１７Ｂに図示されるように、プラテン６２４に対して上述のような角度で入力ローラ１０６によって駆動される媒体１０４の前縁１０４ａは、上流リブ６２６の外面６２６ａに接触し、外面６２６ａに沿ってプリントヘッド２００に向かって誘導される。この方式では、リブ６２６の外面６２６ａは、媒体１０４の前縁１０４ａのための傾斜台として働く。媒体１０４の前縁は、次いで、スロット６３０上から、ノズルの印刷範囲を通過し、この時点で、媒体１０４が受け継いだ剛性が、図示されるように丸い、リブ６２６の部分６２６ｂとの唯一の点接触が、媒体の残りの部分によって作成されるように、カンチレバー様式において媒体１０４を屈曲させる。

【0191】

図１７Ｃおよび１７Ｄに図示されるように、媒体１０４の前縁は、次いで、スロット６３０をつなぐように、下流リブ６２８の部分６２８ｂと点接触し、次いで、媒体１０４によって適合される屈曲に起因して、媒体１０４の前縁１０４ａは、出力ローラ１０８の挟みに送られるために、リブ６２８との接触を離れる。このように、媒体は、印刷範囲を通じて媒体の実質的に一定の軌道を保守する上流リブ６２６とのその点接触場所で、安定してカンチレバーされ、それによって、媒体の全ての部分に実質的に一定の媒体からノズルまでの間隔を提供する。

【0192】

図示されるように、リブ６２８の部分６２８ｂは、リブ６２６の部分６２６ｂに比較して、プリントヘッド２００からわずかにさらに遠い（例えば、さらに低い）。また、部分６２８ｂは、リブ６２８の残りの部分の角度と反対の角度に、実質的に平坦な輪郭を有する。このように、媒体２０４の前縁は、プリントヘッド２００に対して、プラテン６２４に平行な平面より下に、リブ６２６からスロット６３０にわたる軌道を有し、円滑で安定した様式でリブ６２８に接触する。これによって、印刷範囲内で媒体１０４の反発力を削減し、スロット６３０内で可能性がある詰まりを抑制する。

【0193】

図１７Ｅおよび１７Ｆに図示されるように、媒体１０４の後縁１０４ｂは、出力ローラ１０８によってのみ駆動されるように、入力ローラ１０６の挟みを離れ、媒体１０４の屈曲に起因して、媒体１０４の後半部分および後縁は、プラテン６２４の平行平面と実質的に平行になるように生じる。次いで、媒体１０４の後縁１０４ｂは、スロット６３０の上に吊るされ、リブ６２６を過ぎて駆動される。これによって、媒体１０４は、下流リブ６２８の部分６２８ｂとの点接触に戻ることになり、それによって、上流リブ６２６から下流リブ６２８へ移行し、印刷範囲を通じて媒体１０４のそれより以前の軌道を保守することを支援する。

【0194】

媒体１０４の後縁１０４ｂは、リブ６２８の部分６２８ｂを過ぎて通過すると、支持されない。媒体の重量に依存して、この支持の欠落は、媒体の後半部分の逆屈曲を生じる場合がある。リブ６２８の外面６２８ａの角度は、媒体のこの後半部分が、そうでなければ、媒体排出の混乱を生じ得る、プラテン４２２と一切のさらなる接触を行うことを防止する。

【0195】

上述の媒体成形は、いずれの場合も媒体の前縁および後縁が印刷サイクルの何らかの時点で送られるので、個別のページまたは連続ウェブ印刷用途のいずれかに適用可能である。

【0196】

印刷範囲の環境では、印刷されたインクからのエアロゾルおよび類似物ならびにインクの過剰印刷等は、特に縁なし印刷用途において、リブの外面を含む、プラテンの表面上に流体を集めさせる。リブと媒体との間に点接触を提供する、上述のリブの構成は、媒体に集められた流体の転写を最小限にする。また、点接触は、媒体移動速度、したがって印刷品質に影響を与え得る、媒体上の障害を印刷範囲全体で最小限にする。さらに、比較的狭いリブの提供によって、流体がリブの外面から遠ざかりプラテン６２４の表面６２４ａへ、スロット６３０を通ってプリントヘッド２００から遠くへ流れるように促進されるので、媒体に接触するリブの外面上に集められる流体の蓄積を削減する。

【0197】

図示される実施形態において、リブ６２６、６２８は、媒体誘導および成形が媒体幅にわたって均一であるように、印刷範囲の媒体幅にわたって均一に提供される（例えば、リブ６２６の各々は、相互に均等に離間され、リブ６２８の各々は相互に均等に離間される）。しかしながら、縁で巻きを防止するために、媒体の側部に追加の指示を提供するように、媒体幅に中心のリブよりも相互に近接して媒体幅の周辺部にリブを有する等、他の配置が可能である。

【0198】

さらに、リブ６２６の各々は、リブ６２８のうちの対応する１つと整列されているように図示される。しかしながら、媒体幅に沿ってリブの間での媒体の反りを防止するように、リブ６２６がリブ６２８からオフセットされる、他の配置が可能である。

【0199】

さらに、プリンタによって使用されている媒体の種類に依存して、図示される数よりも多い、または少ないリブを使用することができる。例えば、リブが排除され、プラテン６２４の得られる連続表面６２４ａが、図示される実施形態のリブに類似して、スロット６３０の上流および下流側に斜めである、配置を有することが可能である。代替として、プラテン表面の上流および下流リブまたは側部のいずれかまたは両方の斜めの輪郭を排除することができる。かかる代替の配置は、プラテン６２４上の流体蓄積が最小限であるように、エアロゾルおよび印刷物過剰噴霧が無視できる因子である、印刷用途においてのみ所望されるであろう。

【0200】

さらにまた、他の例示的な配置は、プリントヘッドの印刷面に対して平面上の媒体挿入および／または排出軌道に適合してもよい。かかる配置において、プラテンの媒体成形態様は排除することができる。

【0201】

プラテン６２４は、プラスチック材料から成型されることが好ましい。このように、プラテン６２４の本体６１０は、リテーナ６２２およびリブ６２６、６２８を一体化して備え、その中に正確に形成されるスロット６３０を有し、一切の切断を必要としない、一体装置として成型することができる。プラテン６２４の材料は、プラテン６２４およびプリントヘッド２００の整列が、全ての動作サイクルおよび環境全体で保守されるように、プリントヘッド２００に類似した熱膨張特性を有することが好ましい。

【0202】

前述のように、プラテンの表面は、印刷環境において、印刷動作からのインクおよび他の流体がスロットへ流れるように構成される。印刷の多様な段階中、ノズルを「湿状態」に保つために、いくらかの時間印刷していないプリントヘッドの射出ノズルにいくらかのインクを「スピット」させることが有利な場合がある。「湿状態」という用語の使用は、ノズル内の流体が新鮮な流体で補充される、または乾燥しないように保たれ、それによって、そうでなければノズルを閉塞させ得る、ノズル内で流体が乾燥する可能性を削減することを意味すると理解されたい。これは、インクが空気に露出された場合に液体が迅速に蒸発して、染料が沈殿物の形で懸濁液を離れることになるため、水等の液体中に懸濁された染料から形成されるインクに関して、特に重要である。この湿状態保存スピット動作は、給紙のページの間に実行され、したがって、給紙の最小の中断が好まれる。このため、プラテンモジュール６０４は、湿状態保存スピット動作中、定位置に残されることが好ましい。

【0203】

湿状態保存スピットおよび印刷手順中に射出されたインクまたは他の印刷流体を捕獲するために、プラテンモジュール６０４の吐き出し要素６１２は、プリントヘッド２００の印刷面と整列するように、スロット６３０内に位置する。吐き出し要素６１２は、成型可能な親水性多孔質材料で形成され、インクの吸収を可能にする気泡空隙寸法を備える気孔率を有する。例えば、親水性ポリエチレンが好まれ、その最終形状に共に成型される、焼結と類似のプロセスによって、吐き出し要素６１２を作製するために使用することができる。「親水性」という用語の使用は、水だけではなく、任意の液体が、「親水性」と言われる材料によって吸収されることを意味するとして理解されたい。

【0204】

図１０〜１２に図示されるように、吐き出し要素６１２は、細長く、プラテンモジュール６０４の長さに沿って延在するように、本体６１０の凹部６１０ａ内に収まるような形状である。吐き出し要素６１２は、凹部６１０ａ内のレール６１０ｂと係合するいずれかの側に吐き出し本体を画定するフランジ６１２ｂ内に画定されたノッチ６１２ａを有する。吐き出し要素６１２は、図面の図示される配向に対してフランジ６１２ｂの下側上をクリップする、レール６１０ｂに関連付けられるクリップ６１０ｃによって、６１０内に保持される。このように、吐き出し要素は、吐き出し要素の多孔質材料の吐き出しの効率が経時的に削減した場合に吐き出し要素の置換が可能であるように、プラテンモジュールから離脱可能である。

【0205】

このクリップ係合は、図１３〜１５に図示されるように、フランジ６１２ｂから垂直に突出するパッド６１２ｃが、スロット６３０と整列し、そこを通って突出するが、プリントヘッド２００に対して、リブ６２６、６２８の外面６２６ａ、６２８ａを越えて突出しないように、本体６１０内の吐き出し要素６１２を固定する。

【0206】

具体的には、パッド６１２ｃは、媒体１０４が吐き出し要素６１２に決して接触することがないように、リブの外面の下に離間し、プラテン６２４の基準面６２４ｂを形成する。これによって、インクが媒体に転写することを防止する。一方、パッド６１２ｃは、吐き出し要素６１２がプリントヘッド２００の近接近であるように、基準面６２４ｂの極端に下に離間されない。これによって、ノズルからの軌道飛行内にある間にインクが捕獲されることを確実にし、印刷範囲周囲のエアロゾルまたは噴霧を最小限にする。図示される実施形態において、プリントヘッドＩＣ２０４から基準面６２４ｂまでの距離は、約１．１ミリメートルであり、パッド６１２ｃの外面は、基準面６２４ｂの下、約０．３５ミリメートルである。これらの距離が設定される様式は以下に詳細を記載する。

【0207】

吐き出し要素６１２がプリントヘッド２００の印刷面に近接していることに起因して、パッド６１２ｃ上に捕獲された流体が、特に流体が吐き出し要素６１２上で乾燥するにつれて、蓄積流体が印刷面に接触するようになる量蓄積することは、防止されなければならない。この蓄積は、特に縁なし印刷において媒体からの過剰噴霧が発生する領域において石筍として形成する可能性があり、図１０に図示されるように、ノッチ６１２ｄがパッド６１２ｃの間で画定されるように吐き出し要素６１２を形成することによって、防止される。この配置は、捕獲された流体が、パッド６１２ｃの外面上に集まるのではなく、吐き出し要素６１２の主多孔質本体内へ吸収されるように促進する。

【0208】

媒体移動方向に沿ったプリントヘッド２００のプリントヘッドＩＣ２０４の幅は、１〜２ミリメートルの単位、またはプリントヘッドＩＣ２０４上に組み込まれたノズル列の数に依存して、これより小さい。図１８に図示されるように、プラテンモジュール６０４がその動作位置にある時、保守システム６００の整列機構は、プリントヘッドＩＣ２０４のノズルの中心線が、スロット６３０の下流縁６３０ｂよりも媒体幅に沿うように、プラテンモジュール６０４をプリントヘッド２００と整列させる。図示される実施形態において、吐き出し要素６１２は約５．５ミリメートルの幅を有し、スロット６３０は、吐き出し要素６１２に対応するように約６ミリメートルの幅を有し、上流縁６３０ａは、中心線から約１．６ミリメートルであるが、下流縁６３０ｂは中心線から約４ミリメートルである。

【0209】

スロット６３０とプリントヘッドＩＣ２０４との間のこのオフセット整列を構成することによって、吐き出し要素６１２もまた、プリントヘッド２０４の中心線からオフセットする。したがって、プリントヘッドＩＣ２０４の中心線の上流よりも下流に、吐き出し要素６１２のより大きい表面面積が露出される。これは、印刷中に、媒体が移動する際にインクエアロゾルが同じ方向に噴流されるという傾向が存在するためで、したがって、より多くのエアロゾルが、オフセット吐き出し要素６１２によって直接的に捕獲される。

【0210】

吐き出し要素６１２が捕獲されたインクを用いて飽和状態になると、インクは、滑動部６０2内のプラテンモジュール６０４の組み立てられた配置に関して、重力下の毛管作用によって、吐き出し要素６１２を通じて自然に排出しやすくなる。排出するインクは、排出されたインクを適切に収容することができるように、吐き出し要素６１２の特定領域から、基底の滑動部６０２内へ排出するように促進される。これは、パッド６１２ｃの突出と反対方向に、フランジ６１２ｂから垂直に突出する排出リッジ６１２ｅを備える吐き出し要素６１２を形成することによって達成される。

【0211】

図１０〜１２に図示されるように、排出リッジ６１２ｅは、図４７、４８Ａおよび４８Ｂに図示され、以下に詳細を記載するように、滑動部６０２のベース６１８内の排出細部６３２と整列されるピークを有する三角形状の突出である。この構成によって、吐き出し要素６１２の多孔質本体を通って排出する毛管インクは、ピークから排出細部６３２内へと、吐き出し要素６１２の外部へ排出する。

【0212】

この排出およびオフセットのエアロゾル捕獲の両方は、図１３〜１５に図示されるように、媒体移動方向に傾斜するようにパッド６１２ｃの外面を形成することによっても支援される。具体的には、吐き出し要素の上面は、プリントヘッドＩＣの直接下に位置せず、したがって、射出された流体は、その傾斜領域において吐き出し要素に達し、それによって、捕獲された流体が、プリント面から遠くへ、吐き出し要素を通って引き出されることを促進する。これによって、流体が乾燥し得て、吐き出し要素の効率の削減を生じる、吐き出し要素の本体内部の停滞面積を削減する。

【0213】

上述の実施形態において、吐き出し要素によって捕獲された流体は、重力下で吐き出しを通って外部へ排出することが可能になる。代替の実施形態は、管を通って、プラテンモジュールに接続された吸引ポンプによる吸引を採用することができる。

【0214】

図１９〜２７は、ワイパモジュール６０６の多様な例示的な態様を図示する。ワイパモジュール６０６は、本体６３４、ワイパ要素６３６、およびスクレーパー要素６３８のアセンブリである。本体６３４は、プリントヘッド２００の媒体幅より長い長さに沿って延在するように長尺状である。ワイパモジュール６０６は、図８に図示されるように、プラテンモジュール６０４に隣接するように、滑動部６０２の長尺状フレーム６１４内に収容される。

【0215】

フレーム６１４の側壁６２０内のノッチ６２０ａは、ワイパモジュール６０６の本体６３４の長手方向端で、リテーナ要素６３９および６４１を離脱可能に受容する。ノッチおよびリテーナのこの係合によって、ワイパモジュール６０６は、固定されないが、制約された様式において、フレーム６１４によって保持されることが可能になる。すなわち、ワイパモジュールは、滑動部内部で事実上「浮遊」し、滑動部に対するワイパモジュールの変位を促進する。ワイパモジュール６０６は、ワイパモジュール６０６がその動作位置にある時にワイパ要素６３６がプリントヘッド２００に面するように、フレーム６１４内に組み立てられる。

【0216】

ワイパ要素６３６は、シャフト６４２上のワイパローラ６４０、およびシャフト６４２の一方の端にある駆動機構６４４のアセンブリである。ワイパローラ６４０は、プリントヘッド２００の媒体幅と少なくとも同じ長さを有し、駆動機構６４４によるシャフト６４２の回転を通じて回転させられる。駆動機構６４４は、シャフト６４２の一方の端に旋回可能に装着されるスイングアーム６４８内に回転可能に装着されるギヤトレイン６４６を有する。図示される実施形態では、スイングアーム６４８は、２つのアーム６５０および６５２を有する。アーム６５０、６５２は、その間に配置されるギヤトレイン６４６と共に組み立てられる。しかしながら、以下に記載するように、スイングアームがワイパモジュール６０６の本体６３４に対してスイングすることが可能である限り、単一のアームを有するスイングアーム等、他の配置が可能である。

【0217】

ギヤトレイン６４６は、シャフト６４２上に装着される第１のギヤ６５４と、入力ローラ１０６の駆動ローラ１０６ｂのギヤ１０６ａと接触する、複合駆動ギヤである第２のギヤ６５６と、第１および第２のギヤ６５４、６５６の中間にある複合ギヤである、第３のギヤ６５８とを有する。

【0218】

第２および第３のギヤ６５６、６５８は、アーム６５０のそれぞれのピン６５０ａを、第２および第３のギヤ６５６、６５８の穴６５６ａ、６５８ａを通し、次いで、アーム６５２内のそれぞれの穴６５２ａを通すことによって、スイングアーム６４８に回転可能に装着される。

【0219】

第１のギヤ６５４は、シャフト６４２の端部分６６０を、アーム６５０内の穴６５０ｂを通し、第１のギヤ６５４内の穴６５４ａを通し、次いで、アーム６５２内の穴６５２ｂを通すことによって、スイングアーム６５８に回転可能に装着される。図２１に図示されるように、シャフト６４２の端部分６６０は、ワイパローラ６４０からシャフト６４２の端まで、連続的に小さくなる直径の一連のセクション６６０ａ〜６６０ｄを有する。

【0220】

最小直径セクション６６０ｄは、第１のギヤ６５４内の穴６５４ａおよびアーム６５２内の穴６５２ｂを通過するように構成され、一方、隣接内部セクション６６０ｃは、第１のギヤ６５４内の穴６５４ａの直径よりも大きい直径を有する。このように、第１のギヤ５６４は、スイングアーム６４８に対するシャフト６４２および第１のギヤ５６４の回転を可能にしながら、スイングアーム６４８内に確実に保持される。

【0221】

隣接セクション６６０ｃは、アーム６５０内の穴６５０ｂを通過するように構成され、一方、次の隣接内側セクション６６０ｂは、アーム６５０内の穴６５０ｂの直径よりも大きい直径を有する。このように、スイングアーム６4８は、スイングアーム６４８に対するシャフト６４２の回転を可能にしながら、シャフト６４２上に確実に保持される。

【0222】

次の隣接セクション６６０ｂは、カラー６６２を通過するように構成され、一方、隣接の最大直径セクション６６０ｄは、カラー６６２の内径よりも大きい直径を有する。したがって、カラー６６２は、シャフト６４２上に確実に保持される。

【0223】

最大直径セクション６６０ａは、クリップ６６４を受容するように構成される。シャフト６４２の他の長手方向端にある端部分６６６は同様に、直径が異なる２つのセクションを有し、より小さい直径セクションは、別のカラー６６２を受容するように構成され、より大きい直径セクションは、別のクリップ６６４を受容するように構成される。クリップ６６４は、本体６３４にクリップされるように、図２３および２４に図示されるように、本体６３４の対応する端の開口部６６８を通過する。このクリップは、ワイパ要素６４０を本体６３４に離脱可能かつ回転可能に固定する。

【0224】

この固定アセンブリにおいて、本体６３４の一方の端にあるリテーナ要素６３９は、その中にスイングアーム６４８が受容されるベイ６３９ａと、その中でシャフト６４２の端部分６６０のセクション６６０ｂが対応するカラー６６２とスイングアーム６４８との間で支持されるノッチ６３９ｂとを有する。本体６３４の他方の端にあるリテーナ要素６４１は、その中でシャフト６４２の端部分６６６の最小直径セクションがそこに接して対応するカラー６６２を用いて支持される、ノッチ６４１ａを有する。図示されるように、ノッチ６３９ｂ、６４１ａは、シャフト６４２の対応する円周セクションの半径に適合する半径を各々有する、半円形状の開口を画定する。

【0225】

ワイパモジュール６０６が、滑動部６０２のフレームから、その動作位置へ上昇すると、第２のギヤ６５６は、駆動ローラ１０６ｂのギヤ１０６ａに接触する。プリンタ１００の駆動モータ１１０による駆動ローラ１０６ｂの回転は、ギヤ１０６ａを介して、第２のギヤ６５６へ伝達される。この回転は、ギヤトレイン６４６を通じてシャフト６４２へ移転され、それによって、ワイパローラ６４０を回転させる。ワイパローラ６４０のこの回転は、以下に詳細を記載するように、プリントヘッド２００の印刷面からインクを拭き取るために使用される。

【0226】

図示される実施形態において、ギヤトレインは、プリントヘッド２００を越えて分あたり最高１２０ページを輸送するために使用される、駆動ローラの高速のために、３：１の比率で駆動ローラの回転速度を低下する。しかしながら、異なるギヤ率および／または変動速度駆動モータ等、ワイパローラの適切な回転速度を提供するように、他の配置が可能である。

【0227】

この配置によって、ワイパ要素６３６の回転は、プリンタ１００の入力ローラ１０６の駆動モータ１１０によって駆動される。これによって、ワイパモジュール６０６の追加の専用モータの必要性を排除し、それによって、保守システム６００の部品および駆動要件の数を削減する。入力ローラ１０６の媒体駆動およびワイパ駆動の態様を分離するために、駆動モータ１１０は、可逆モータであることが好ましく、制御電子機器８０２は、駆動ローラ１０６ｂが、印刷のための媒体輸送時には第１の回転方向に、ワイパローラ６３６の駆動時には、第１の方向とは反対の第２の回転方向に駆動するように、モータ１１０を制御する。しかしながら、同じ方向に駆動することが可能である。

【0228】

駆動ローラ１０６ｂは、ワイパモジュール６０６が、プリントヘッド２００に対して、ワイパローラがプリントヘッド２００の印刷面と接触するようになる、その拭き取り位置に到達する前に、ワイパ要素６３６の第２のギヤ６５６と駆動ローラ１０６ｂのギヤ１０６ａとの間の接触が発生するように、図６および７に図示されるようにプリンタ１００の本体１０２内部に装着される。このように、ワイパローラ６４０は、プリントヘッド２００と接触する際、既に回転している。この回転接触によって、ワイパローラ６４０が、そうでなければノズル内のメニスカスに支障をきたす可能性がある、プリントヘッド２００のノズルを汚すことを防ぐ。

【0229】

ワイパモジュール６０６が、プリンタ１００の駆動ローラ１０６ｂとのその接触位置から、その拭き取り位置に移行すると、第２のギヤ６５６と駆動ローラ１０６ｂのギヤ１０６ａとの間の接触、したがって、駆動トランスミッションは、図２２Ｂに図示されるように、スイングアーム６４８の弾性スイングによって保守される。

【0230】

スイングアーム６４８は、スイングアーム６４８のアーム６５０、６５２の穴６５０ａ、６５０ｂ内に固定されたシャフト６４２の周囲の旋回点に起因して、ワイパモジュール６０６の本体６３４に対してスイングすることが可能である。このスイングに対する抵抗は、スイングアーム６４８の第２のギヤ６５６が、駆動ローラ１０６ｂの接触ギヤ１０６ａに対して圧迫されるように、ばね６７０によって提供される。この圧迫接触は、ばねピン１０６ｃを使用して、駆動ローラ１０６ｂ上にギヤ１０６ａを装着することによって、さらに促進される（図２２Ｂを参照）。図２５の図示される実施形態において、ばね６７０は、図２３に図示されるように、アーム６５０、６５２の低部表面と本体６３４内の開口部６７４との間でプランジャ６７２内に保持される。この配置は、ばねの一方の端で、本体６３４にばね６７０を固定し、それによってカンチレバー式ばねを作製する。図示されるばね６７０は、圧縮ばねであるが、しかしながら、スイングアームが駆動ローラギヤに向かって付勢される限り、屈曲カンチレバー式ばね等の他のばね、または他の付勢手段を使用することができる。

【0231】

スイングアームおよびプリンタの駆動ローラのこの付勢接触は、上述のように、プリントヘッドの印刷面と接触する前にワイパローラの回転を提供するだけでなく、拭き取り接触全体、さらにワイパモジュールがプリントヘッドから低下された後もワイパローラを回転し続ける。図示される実施形態において、ワイパローラに伝達される回転速度は毎秒約２０ミリメートルである。したがって、ワイパローラは、ワイパモジュールの動作中のいずれの時点でもプリントヘッドに接触して静止していることが防止され、上述のように汚れを防止し、その円周周囲でワイパローラが変形することを防止する。

【0232】

ワイパローラ６４０による、プリントヘッド２００の印刷面からの媒体粉塵および乾燥インク等のインク、他の流体および残滓の回転拭き取りは、主に、プリントヘッド２００のプライミング後（本出願人の米国仮特許出願第６１／３４５５５２号（整理番号ＫＰＦ００１ＰＵＳ）の組み入れた記載を参照）および印刷サイクルの完了後に実施される。しかしながら、拭き取りは、ワイパモジュール６０６の選択により、いつでも実行できる。

【0233】

プリントヘッド２００の印刷面からのインクおよび他の流体の除去は、流体のワイパローラ６４０への吐き出し（ｗｉｃｋｉｎｇ）を促進させるように、印刷面に対して圧縮される多孔質吐き出し材材料のワイパローラ６４０の形成によって促進され、印刷面からの残滓の除去は、ワイパローラの回転によって促進される。

【0234】

図２６の図示された実施形態では、ワイパローラ６４０は、シャフト６４２に装着された圧縮可能コア６４０ａおよびコア６４０ａ上に提供された多孔質材料６４０ｂを有する。例示的な実施形態では、コア６４０ａは、押し出し独立気泡シリコンまたはポリウレタン発泡体で形成され、多孔質材料６４０ｂは、不織布マイクロファイバーで形成される。マイクロファイバーの使用により、印刷面の擦り傷を防ぎ、一方で、不織布材料の使用により、ワイパローラからおよびプリントヘッドのノズルへの材料鎖（ｓｔｒａｎｄｓ）の脱落を防ぐ。不織布マイクロファイバーは、マイクロファイバーの少なくとも２つのレイヤーがレイヤーの間を接着剤で、コアを中心にして存在するように、スパイラル技術によってコアを中心にして巻き付けられる。２つ以上のレイヤーの使用は、流体吸収を補助する、十分な流体吸収およびコアからの多孔質材料の圧縮率を提供し、一方で、スパイラルによって、ワイパローラの高速回転時にコアから多孔質材料がほどかれる可能性が低減される。

【0235】

図示される実施形態において、ワイパローラの外径は約１２ミリメートルであり、プリントヘッド上に行われる圧迫接触に起因する圧縮可能ワイパローラのたわみ量は、約０．５ミリメートルである。この構成は、ワイパローラ６４０の吸収材料６４０ｂ内に、飽和状態で、約４〜５ミリメートルの吸収容量を提供する。本出願人は、プリントヘッドの約２０回の拭き取り動作は、ワイパローラ内に約３ミリメートルのインクを蓄積することを発見している。

【0236】

本出願人は、マイクロファイバーの回転時にプリントヘッドの印刷面に対して圧縮されるマイクロファイバーの使用により、毛管作用によってノズルからマイクロファイバーへインクが導かれることを発見している。ノズルから導かれるインク量は、ノズルの乾燥が生じるほどではないが、ノズルから乾燥インクを除去するのには十分である。

【0237】

そうでなければワイパローラ６４０が過飽和になり得て、吸収された流体がプリントヘッド２００に戻ることになる、マイクロファイバー内に収集された流体をコアが吸収することを防止するために、疎水性フィルム６４０ｃが、コア６４０ａと多孔質材料６４０ｂとの間に配置される。例示的実施形態では、フィルム６４０ｃは、感圧接着剤で形成される。「疎水性」という用語の使用は、水だけではなく、任意の液体が、「疎水性」と言われる材料によって跳ね返されることを意味すると理解されたい。

【0238】

ワイパローラ６４０の表面上に集められた流体および残滓は、スクレーパー要素６３８によって印刷面に戻ることがさらに防止される。スクレーパー要素６３８は、ワイパローラ６４０からの残滓の粒子を振り払うように、ワイパローラ６４０の長手方向長さに沿って、ワイパローラ６４０の外面多孔質材料６４０ｂに接触する、長尺状スクレーパー６７６を有する。

【0239】

スクレーパー６７６は、クリップフレーム６７８によって、ワイパモジュール６０６の本体６３４に離脱可能に装着される。クリップフレーム６７８は、フレーム６７８を本体６３４に固定するために、図２１および２７に図示されるように、本体６３４の細部６３４ａによって受容される。クリップフレーム６７８は、スクレーパー６７６内の穴６７６ａを通って離脱可能に受容され、それによって、スクレーパー６７６をフレーム６７８にクリップする、クリップ６７８ａを有する。

【0240】

このクリップアセンブリは、プリントヘッド２００の印刷面に接触するワイパローラの上部円周領域の下方でワイパローラの縦方向円周領域上のワイパローラ６４０に接触するように、スクレーパー６７６を配置する。スクレーパー６７６は、傾斜したスクレーパー６７６が、ワイパローラ６４０の円周の接線でワイパローラ６４０に接触するように、固定されたフレーム６７８によってワイパローラ６４０に対して傾斜した角度で配置される。

【0241】

具体的には、スクレーパー６７６は、図２７に図示されるように、ワイパローラ６４０内に向かって傾斜し、図２７に図示される矢印Ａの回転方向において、ワイパローラ６４０の上部外周領域に回転して戻っている、ワイパローラ６４０の領域内の圧縮可能ワイパローラ６４０上に接触圧力をかける。つまり、スクレーパー６７６は、ワイパローラ６４０の回転拭き取り方向の上流に配置される。この位置配置により、ワイパローラ６４０の部分がプリントヘッド２００に再度接触する前に、粒子がこれらの部分からスクレーパー６７６によって取り除かれることを確実にする。さらに、接触圧力配置は、図４７、５０Ａおよび５０Ｂに図示され、以下に詳細を記載するように、多孔質材料６４０ｂの圧縮を通じて、多孔質材料６４０ｂによって吸収される過剰流体が、ワイパローラ６４０から、滑動部６０２のベース６１８内の排出領域６７９へ排出されることを支援する。

【0242】

スクレーパー要素６３８のこれらの機能は、接触圧力を提供する、弾性的可撓性スクレーパー６７６を採用することによって、支援される。好ましい実施形態において、スクレーパー６７６は、約０．２ミリメートルの厚さを有するマイラーの弾性的可撓性シートであるが、インクおよび他の印刷流体に対して不活性である異なる厚さの他の材料を使用することができる。スクレーパー６７６をワイパモジュール本体６３４にクリップしたアセンブリによって、清掃、または薄い可撓性シートの反りが発生した場合の交換のために、スクレーパー６７６を離脱することが可能になる。

【0243】

図２８〜３１は、キャッパーモジュール６０８の多様な例示的な態様を図示する。キャッパーモジュール６０８は、本体６８０、キャッパー要素６８２、および吐き出し要素６８４のアセンブリである。本体６８０は、吐き出し要素６８４が少なくとも媒体幅の長さに延在するように、プリントヘッド２００の媒体幅よりも長い長さに沿って延在するように長尺状である。キャッパーモジュール６０８は、図８に図示されるように、プラテンモジュール６０４に隣接するように、滑動部６０２の長尺状フレーム６１４内に収容される。

【0244】

フレーム６１４の側壁６２０内のノッチ６２０ａは、キャッパーモジュール６０８の本体６８６の長手方向端で、リテーナ要素６８６を離脱可能に受容する。ノッチおよびリテーナのこの係合によって、キャッパーモジュール６０８は、固定されないが、制約された様式において、フレーム６１４によって保持されることが可能になる。すなわち、キャッパーモジュールは、滑動部内部で事実上「浮遊」し、滑動部に対するキャッパーモジュールの変位を促進する。キャッパーモジュール６０８は、キャッパーモジュール６０８がその動作位置にある時にキャッパー要素６８２がプリントヘッド２００に面するように、フレーム６１４内に組み立てられる。

【0245】

キャッパーモジュール６０８は、プリントヘッドが脱水しないように、印刷サイクル後、または非印刷相中、すなわち、印刷が発生していない時に、プリントヘッド２００のノズルを密封するために使用される。これを達成するために、キャッパーモジュール６０８は、キャッパー要素６８２がプリントヘッド２００の印刷面に対して圧縮されるように、上昇される。キャッパー要素６８２は、リップがプリントヘッドＩＣ２０４を包囲するように、プリントヘッド２００に沿って、プリントヘッド２０４の組み立てられた長さよりも長い長さを有する、長尺状弾性リップとして形成される。キャッパー要素６８２の材料は好ましくはゴムであり、さらに好ましくは、ブチルゴムで、インクに不活性でありながら、低い通気性および低い水蒸気透過度を提供する。

【0246】

キャッパー要素リップの側壁は、図３０に図示されるような波形輪郭を有し、密封のための、キャッパー要素６８２の外面の印刷面上への圧縮を促進する。具体的には、キャッパー要素リップの側壁の下部セクションの波形輪郭は、本体６８０のリッジ６８０ａ上に保たれるように構成された溝６８２ａを画定する。組み立て中、キャッパー要素６８２のこの下部セクションの可撓性材料は、リッジ６８０ａ上に伸張され、次いで、維持されるように、リッジ６８０ａ上に接触することが可能になる。この配置によって、そうでなければ、キャッパー要素６８２のプリントヘッド２００への付着を生じ得る、キャッパー要素６８２を本体６８０に接着する必要性を排除する。

【0247】

キャッパー要素６８２および本体６８０の適切な相対的構成によって、キャッパー要素６８２の可撓性材料は、本体６８０に対して圧縮され、それによって、その間に気密密封部を提供する。密封部に対する「気密」という用語は、密封部が流体密封と考えられ、したがって気体および液体を含む流体が「気密」とされている密封部を通じて移行することを防止する。

【0248】

キャッパー要素リップの側壁の上部セクションの波形輪郭は、自由外面６８２ｃで終了するカンチレバービーム６８２ｂを画定する。外面６８２ｃがプリントヘッド２００の印刷面に対して圧迫されると、キャッパー要素６８２のカンチレバービーム６８２ｂによって、キャッパー要素６８２は、図３１に図示される形となってもよい、印刷面の表面地形上を気密密封することが可能になる。図３１において、破線は、印刷面上の異なるレベルを移動すると理解することができる、キャッパー要素６８２によって提供される密封部のおよその位置を図示する。これらの異なるレベルは、印刷面の多様な特徴のプリントヘッド２０４に対して、典型的にマイナスのｚ軸の高さの値を用いて図面に画定され、ｚ軸は示されるように印刷面に垂直である。

【0249】

キャッパー要素６８２のカンチレバーセクション６８２ｂの可撓性はまた、キャッパー要素６８２のプリントヘッド２００との円滑な係合および係脱を支援する。円滑な係合および係脱を提供することによって、キャップ止めおよびキャップ外し中にプリントヘッド２００にぶつかることに起因して、プリントヘッド２００のノズル内のインクメニスカスに支障をきたす可能性を削減する。

【0250】

キャッパーモジュール６０８の本体６８０、ならびにプラテンモジュール６０４の本体６１０およびワイパモジュール６０６の本体６３４は、プリントヘッド２００の印刷面の熱膨張特徴に類似した熱膨張特性を有するプラスチック材料から成型されることが好ましい。かかる材料は、Ｎｏｒｙｌ７３２のように、ポリフェニレン・エーテルおよびポリスチレンの１０％ガラス繊維強化複合材料である。これによって、プリンタの全ての動作状態中、選択したモジュールのプリントヘッド２００との位置合わせを提供する。

【0251】

キャッパーモジュール６０８の場合、キャッパー要素６８２の密封たわみに起因して、そのキャップ位置にあるキャッパーモジュール６０８上に下向きに作用する均一に分散された力は、長尺状キャッパーモジュール６０８のプラスチック材料のたるみを生じることができ、これは、キャッパー要素６８２の密封部を損なう可能性がある。これを防止するために、長尺状強化フレーム６８８が本体６８０上にクリップされる。強化フレーム６８８は、長尺状キャッパーモジュール６０８が、たるみを防止し、その長さに沿ってキャッパーモジュール６０８の直線性を維持することを支援する、剛性のＵ形状チャネル部材である。これによって、キャッパーモジュールおよびプリントヘッドの相対的位置が、キャップ止め中に実質的に一定のままであることを確実にする。

【0252】

強化フレーム６８８は、好ましくはシートメタルで形成される。したがって、本体６８０と強化フレーム６８８との間で熱膨張の不一致が発生する場合があり、それによって、本体６８０上の追加の応力がかかり、強化フレーム６８８の歪み矯正機能を迂回する可能性がある。この熱不一致は、強化フレーム６８８に、その長手方向長さにそってある程度の自由度を提供することによって、対応される。具体的には、本体６８０の側部上にタブ６９０をクリップする、強化フレーム６８８によって形成されるチャネルの両側壁上のスロット６８８ａは、タブ６９０より大きく、それによって、強化フレーム６８８に対して、本体６８０の長手方向長さに沿って移動することを可能にするように、形成される。

【0253】

溝６８２ａおよびリッジ６８０ａ周囲に本体６８０上のキャッパー要素６８２を固定して保持することは、図３０に図示されるように、係合された溝６８２ａおよびリッジ６８０ａに圧力をかける、強化フレーム６８８によっても向上される。

【0254】

図面に図示されるように、本体６８０内でチャネル６９２と共にキャッパー要素６８２によって形成されたリップは、キャッパーモジュール６８０内の空洞空間を提供する。チャネル６９２によって形成されたこの空洞空間は、キャッパーモジュール６０８がその動作位置にある時に、プリントヘッド２００のプリントヘッドＩＣ２０４と整列されるように構成され、キャッパーモジュール６０８のさらなる機能のための手段を提供する。

【0255】

プリントヘッド２００のキャップ止め中、プリントヘッド２００のプライムおよび湿状態保存吐き出し動作が実行されてもよい。プライム手順のさらなる詳細は、本出願人の米国仮特許出願第６１／３４５５５２号（生理番号ＫＰＦ００１ＰＵＳ）の組み入れられた記載を参照されたい。したがって、キャッパーモジュール６０８のチャネル６９２は、これらのプライムおよび質状態保存動作中に、プリントヘッドノズルによって射出された流体を捕獲するために使用される。

【0256】

実施される多様なプライム手順は、２秒間に１０ミリメートルまで、短時間に比較的大量のインクを射出させる。したがって、キャッパーモジュールの内容量は、捕獲されたインクのレベル（キャッパー要素の内側周辺周囲で発生する任意のインク毛管作用を含む）がプリントヘッドの印刷面に到達しないことを確実にする一方、この大量のインクに対応するように寸法決めされる。湿状態保存吐き出しおよびプライム手順中に射出されたインクまたは他の印刷流体の捕獲および抽出は、チャネル６９２内部に配置される吐き出し要素６８４によって支援される。図示される実施形態において、吐き出し要素は、この高い流速で約６〜８ミリメートル吐き出し、キャッパーモジュール本体は、吐き出し要素の周囲に約８ミリメートルの流路を提供する。捕獲された流体はまた、後述するように、キャッパーモジュールから迅速に排出される。

【0257】

吐き出し要素６８４は、成型可能で、プリントヘッドから排出される上記の多量のインクかつ上記の速度でインクの吸収を可能にする気泡空隙寸法を備える気効率を有する親水性多孔質材料で形成される。例えば、親水性ポリエチレンが好まれ、その最終形状に共に成型される、焼結と類似のプロセスによって、吐き出し要素６８４を作製するために使用することができる。

【0258】

図３２〜３３に図示されるように、吐き出し要素６８４は細長く、キャッパーモジュール６０８の長さに沿って延在するように、本体６８０のチャネル６９２内に収まるような形状である。リブ６９４は、吐き出し要素６８４の下部表面６８４ａがその上で支持される、本体６８０のベース６８０ｂ上に提供される。吐き出し要素６８４は、チャネル６９２の対応側上のリブ６９４内のノッチ６９４ａと係合する、その１つの長尺状側に沿って画定されたノッチ６８４ｂを有する。このノッチの係合は、吐き出し要素６８４の運動を本体６８０の長さに沿って制約し、プリントヘッド２００のプリントヘッドＩＣ２０４の組み合わされた長さに沿って吐き出し要素６８４の正確な整列を保守する。

【0259】

図示される実施形態において、吐き出し要素６８４は、スクリューによって本体６８０内に保たれるが、しかしながら、吐き出し要素６８４の上面６８４ｃが、図２８および３０に図示されるように、プリントヘッド２００に対してキャッパー要素６８２を越えて突出しないが、流体「ブリッジ」がインクのための自然の流路として、ノズルと吐き出し要素６８４との間に形成されるように、プリントヘッド２００のノズルに十分近い限り、クリップ等の他の配置が可能である。

【0260】

具体的には、ノズルから吐き出し要素６８４の上面６８４ｃまでの距離は、キャッパーモジュール６０８がそのキャップ位置にある時、上面６８４ｃが、流路が解消する前に最大量のインクを吐き出し、インクが、流体ブリッジが残らないように、プライム後にノズルからのインクの解消を誘導する、十分な隙間を有するように、インクの液滴に十分接触するように設定される。図示される実施形態では、吐き出し要素６８４とプリントヘッドＩＣ２０４との間の距離は約１．１ミリメートルである。この距離が設定される様式は以下に詳細を記載する。

【0261】

ノズルと吐き出し要素との間のこの吐き出し効果は、プライムが完了した後もなお継続する。したがって、制御電子機器８０２は、プライム手順の終了とキャップ外し動作との間に一定の滞留時間を可能にするように構成される。約１０〜３０秒の滞留時間が多様なプライム手順で十分であることが見出された。この滞留時間によって、吐き出し要素とノズルとの間のインクブリッジが自然に排出し、自然に解消することが可能になる。このプロセスが、例えば、キャッパーモジュールをキャップ位置から早めに低下させることによって、時期尚早に中断された場合、プリントヘッドＩＣおよび局部の周辺部は、部分的にインクで浸水する可能性がある。さらに、吐き出し効果および許可された滞留時間によって、吐き出しモジュール６０６が印刷後に清掃する、プリントヘッド２００上に最小量のインクが残される。これによって、ワイパローラ６４０を迅速に飽和させることになる、プリントヘッド２００上に残されるインクの大きい液滴を防止する。

【0262】

吐き出し要素６８４が捕獲されたインクで飽和状態になると、インクは、滑動部６０２内のキャッパーモジュール６０８の組み立てられた配置に対して、重力下の毛管作用を通じて、吐き出し要素６８４を通じて自然に排出しやすくなる。吐き出し要素の多孔質本体を通じて毛管作用で排出されたインクは、リブ６９２が吐き出し要素６８４とベース６８０ｂとの間に空間を提供するので、吐き出し要素６８４の下部表面から、本体６８０の基底ベース６８０ｂへ排出されることが可能になる。

【0263】

この排出およびオフセットエアロゾル捕獲の両方は、プラテンモジュールに関して前述したように、図３０および３２に図示されるように、吐き出し要素６８４の外面を媒体移動方向で傾斜するように形成し、プリントヘッドＩＣから吐き出し要素６８４の上部表面６８４ｂをオフセットすることによっても支援される。このように、射出された流体は、その傾斜領域において吐き出し要素にあたり、それによって、捕獲された流体が印刷面から遠くへ、吐き出し要素を通って引き出されることを促進する。これによって、流体が乾燥する可能性があり、吐き出し要素の効率を削減させる、吐き出し要素の本体内部の停滞面積を削減する。

【0264】

キャッパーモジュール６０８が滑動部６０２内のそのキャップなしまたはホーム位置に戻ると、キャッパーモジュール６０８内に収集された流体は、図３４〜３６に図示されるように、キャッパーモジュール６０８から、ベース６８０ｂを通って、ポート６９５を介して、基底の滑動部６０２へ排出することが可能になる。この排出を支援するために、ベース６８０ｂは、図３５、３６および４９に図示されるように、ポート６９５に向かって傾斜する。ポート６９５は、図４７および４９に図示され、以下に詳細を記載するように、滑動部６０２のベース６１８内の排出細部６９６と整列する。弁６９８は、ポート６９５内に配置される。弁６９８は、キャッパーモジュールがキャップ位置である間およびキャッパーモジュールが滑動部６０２内の非キャップ位置へおよびそこから移動中、すなわち、リテーナ要素６８６がフレーム６１４のノッチ６２０ａ内に完全に受容される時に完全に気密密封されるように正常に閉じられる。

【0265】

図示される実施形態において、弁６９８は、弾性的に可撓性ウィング６９８ｂに接続されたボール浮遊６９８ａを有する、ボール浮遊弁である。可撓性ウィング６９８ｂは、ウィング６９８ｂが鬼６９５ａの周囲で屈曲することが可能で、それによって、ポート６９５に対してボール浮遊６９８ａを移動するように、ポート６９５の鬼６９５ａに接続される。弁６９８の正常に閉じられた位置は、図３６に示され、その時点で、ウィング６９８ｂは未屈曲で、ボール浮遊６９８ａは、ポート６９８に対して保持され、密封される。弁６９８は、ウィング６９８ｂを曲げるように弁６９８と接触するようになり、圧縮する滑動部６０２のベース６１８上の弁アクチュエータまたは突出６９９によって、キャッパーモジュール６０８が滑動部６０２に戻ると、開かれ、ボール浮遊６９８ａをポート６９５から移動させる（図４９を参照）。

【0266】

上述の実施形態において、吐き出し要素およびキャッパーモジュールによって捕獲された流体は、重力下で吐き出しおよびキャッパーモジュールを通ってそこから外部へ排出されることが可能になる。代替の実施形態は、管を通って、キャッパーモジュールに接続された吸引ポンプによる吸引を採用することができる。

【0267】

図３７〜４１は、モジュール式の滑動部６０２の変位機構７００の種々の例示的な態様を示す。変位機構７００は、プリントヘッドと保守モジュールの各々を選択的に整列させるプリンタ１００のハウジング１０２およびプリントヘッド２００に対する滑動部６０２の選択的な変位を提供するために使用される。

【0268】

図示される実施形態では、変位機構７００は、滑動部６０２がプリンタ１００内に設置される場合に媒体移動方向に整列される、滑動部６０２のいずれかの長手方向端にラック７０２、および媒体幅方向に整列される、シャフト７０６のいずれかの端にピニオンギヤ７０４を有する、二重ラックピニオン機構である。滑動部６０２は、ハウジング１０２の側壁１０２ａ上に装着される線形ブッシング７１０との滑動部６０２上のレール７０８の滑動係合を通じて、ラック端でプリンタ１００のハウジング１０２に装着される。具体的には、図３９および４０に図示されるように、レール７０８は、ブッシング７１０のそれぞれ上部および下部セクション７１０ａと７１０ｂとの間に受容される。

【0269】

シャフト７０６は、ブッシング７１０の下部セクション７１０ｂ内の開口部７１２を通っていずれかの端でプリンタ１００のハウジング１０２に回転可能に装着される。シャフト７０６の一方の端は、ブッシング７１０のうちの１つを通過し、ハウジング１０２のもう一方の側上に駆動ギヤ７１４を有する。駆動ギヤ７１４は、ギヤトレイン７１８を介して、モータ７１６に連結される。モータ７１６は、結合されたギヤを介してシャフト７０６の回転を駆動させ、これにより線形ブッシング７１０に沿って滑動部６０２を滑動するように、制御電子機器８０２によって制御される。プリントヘッドにモジュールを整列させるための滑動部６０２の選択的な位置決めは、制御電子機器と通信する位置センサを提供することによって実現される。当業者は、かかる位置センサの可能な構成を理解しているため、これらは、本明細書において詳細に記載されない。

【0270】

プリントヘッドに対して滑動部を平行移動させるための二重ラックピニオン機構の使用は、プリントヘッドによるモジュールの真の整列を促進する、滑動部の偏心しておらず精密な変位を提供する。しかしながら、滑動部の偏心しておらず精密な変位が提供される限り、他の構成も可能である。例えば、滑動部の変位のためにベルト駆動システムを採用することができる。

【0271】

モジュールの選択されたものがプリントヘッドと整列されると、整列されたモジュールは、滑動部からそのそれぞれの上述の動作位置へ上昇される。モジュールの上昇は、リフト機構７２０によって実施され、その多様な例示的態様は、図４２Ａ〜４６に例示される。

【0272】

リフト機構７２０は、旋回点７２４にハウジング１０２のいずれかの側壁１０２ａに旋回可能に装着されるロッカーアーム７２２を有する。各ロッカーアーム７２２は、それぞれの旋回点７２６の対向側上に画定されるアーム部分７２８およびカムフォロワー部分７２４を有する。

【0273】

リフト機構７２０はまた、媒体幅方向と整列されるように、側壁１０２ａの間に回転可能に装着されるカムシャフト７２８も有する。カムシャフト７２８は、そのそれぞれの端にカムホイール７３０および７３２を有する。カムシャフト７２８は、各それぞれのカムホイール７３０、７３２の偏心カム表面７３０ａ、７３２ａがロッカーアーム７２２のそれぞれ１つのカムフォロワー部分と接触するように、配置される。偏心カム７３０、７３２の偏心カム表面７３０ａ、７３２ａは、カムシャフト７２８の回転が、カムフォロワー７２８に対する偏心カム表面７３０ａ、７３２ａの回転された接触を通じてロッカーアーム７２２の同時かつ等しい旋回を生じるように、互いに一致している。

【0274】

ロッカーアーム７２２のこの旋回は、偏心カム表面７３０ａ、７３２ａの輪郭によって、および各ロッカーアーム７２２とプリンタハウジング１０２のベース１０２ｂとの間に装着されるばね７３４によって、制約される。図示される実施形態では、図４２Ａ、４３Ａおよび４４Ａに図示されるように、ロッカーアーム７２２がそれらの最も低い配向へ旋回すると、ばね７３４が圧縮され、図４２Ｂ、４３Ｂおよび４４Ｂに図示されるように、ロッカーアーム７２２がそれらの最も高い配向へ旋回すると、ばね７３４がそれらの休止位置になるように、ばね７３４は圧縮ばねである。

【0275】

カムシャフト７２８の回転は、プリンタ１００のハウジング１０２に装着されるモータ７３６によって提供される。具体的には、モータ７３６は、モータ７３６のウォームスクリュー７３８がプリンタハウジング１０２の側壁１０２ａに平行であるように、プリンタハウジング１０２に装着されることになる（またはその一体部分である）、プレート７３７上に装着される。ウォームスクリュー７３８は、図４５に図示されるように、外部周方向表面７３０ｂに沿ってリッジ７３０ｃと噛合するように、ワームスクリュー７３８のねじ山が、ワームギヤとして働く、カムホイール７３０の外部周方向表面７３０ｂと接触する。ウォームスクリュー７３８のねじ山はらせん形で、好ましくは、５°の配向およびインボリュート輪郭を有する右回りであることが好ましい。同様に、リッジ７３０ｃはらせん形で、好ましくは、５°の配向およびインボリュート輪郭を有する右回りである。したがって、制御電子機器８０２の制御下でモータ７３６の動作を通じてウォームスクリュー７３８が回転すると、カムホイール７３０を回転させ、これが、カムシャフト７２８を回転させる。

【0276】

偏心カム表面７３０ａ、７３２ａの回転した位置は、他のカムホイール７３２に隣接して、プリンタハウジング１０２の側壁１０２ａ上に装着された光学式遮断センサによって決定される。光学式遮断センサ７３９は、当業者によってよく理解される様式において、図４６に図示されるように、カムホイール７３２の傾斜外部周方向表面７３２と調整する。

【0277】

滑動部６０２がモジュールのうちの１つを選択するために変位機構７００によって平行移動されている間、カムは、ロッカーアーム７２２がそれらの最も低い位置になるように制御される。この最も低い位置において、滑動部６０２に向けて突出するロッカーアーム７２２のアーム部分７２６の突起７４０は、滑動部６０２の変位が抑制されないように、モジュールのリテーナ要素内の凹部を通過することができる。選択されたモジュールが配置されると、カムは、ロッカーアーム７２２がそれらの最も高い位置に移動するように制御される。ロッカーアーム７２２の最も低い位置から最も高い位置へのこの移行中、突起７４０は、リテーナ要素６２２、６３９、６４１、６８６の上昇面７４２に係合する。この係合によって、選択されたモジュールは、ロッカーアーム７２２を用いて上昇させられる。上昇面７４２は、滑動部６０２のベース６１８に平行で、実質的に平坦である。すなわち、図示される実施形態において、平坦な上昇面は水平である。

【0278】

プラテンおよびキャッパーモジュール６０４、６０８に関して、これらのモジュールがさらに高く上昇すると、上昇面７４２から垂直（例えば、縦方向）に突出する、それぞれのリテーナ６２２、６８６のタブ７４４は、プリンタハウジング１０２の側壁１０２ａに装着された整列ブロック７４８のチャネル７４６に入る。

【0279】

図示されるように、チャネル７４６は、タブ７４４と平行に配向され、漏斗状開放端７４６ａを有する。図示される実施形態において、漏斗状開放端７４６ａは、対応するチャネル７４６の残りから約２０°の角度にある。この漏斗状開放端７４６ａ、整列ブロック７４８およびプリントヘッド２００の相対的装着位置、ならびに滑動部フレーム６１４の側壁６２０内のノッチ６２０ａの寸法によって、タブ７４４を正常の整列に送り込むことによって、プリントヘッドに対して、上昇したモジュールの不整列の修正を可能にする。この整列修正中にプラテンおよびキャッパーモジュールを正常な配向（すなわち、プリントヘッドの印刷面に平行）に保守するために、ロッカーアーム７２２の突出７４０は、ロッカーアーム７２２に対してモジュールの円滑な推移を可能にする、リテーナ要素の実質的に平坦な上昇面７４２と接触する曲線輪郭を有する。

【0280】

ワイパモジュール６０６に関して、ワイパローラ６４０およびプリントヘッド２００の相対的整列は重要度が低いため、リテーナ要素６３９、６４１には、タブが提供されず、その理由は後述する。しかしながら、リテーナ要素６３９、６４１は、ロッカーアーム７２２の突起７４０が上昇面７４２に接触する、強化要素７４９を有する。強化要素７４９は、リテーナ要素、特にリテーナ要素６３９に増加した剛性を提供し、ワイパモジュール６０８の上昇および下降全体で、スイングアーム６４８の効果的なスイングを確実にする。

【0281】

ロッカーアーム７２２の最高位置で、ばね７３４は、完全に拡張するように構成される。ばね７２２のこの完全拡張時に、カムフォロワー７２８は、偏心カム表面７３０ａ、７３２ａとの接触を離れる。すなわち、ロッカーアームは、上昇した位置へ付勢され、カムは、ロッカーアームを低下させるためにこの付勢を妨害し、かつロッカーアームが上昇することを可能にするためにこの付勢を妨害しないように、回転する。このように、モジュールによってプリントヘッド２００に対して印加される接触力は、ばね７３４の構成のみに依存する。図示される実施形態では、ばねは、モジュールのそれぞれの機能を促進する、約２０ニュートンの接触力を提供するように構成される。

【0282】

プラテンモジュール６０４に関して、ロッカーアーム７２２の最高位置で、プラテンモジュール６０４の本体６１０のいずれかの長手方向端上の基準７５０は、媒体１０４が、係合したプリントヘッド２００とプラテンモジュールとの間を通過することが可能であるように、印刷面の媒体幅を超えてプリントヘッド２００の印刷面に接触するように位置する。基準７５０の寸法は、リブ６２６、６２８の基準面６２４ｂとプリントヘッドＩＣ２０４との間の前述の距離を設定する。したがって、プラテンとプリントヘッドとの間の媒体の間隔は、プラテンをプリントヘッドから「基準する」ことによって設定される。

【0283】

ワイパモジュール６０６に対して、ロッカーアーム７２２の最高位置で、ワイパローラ６４０は、印刷面に対して圧縮される。キャッパーモジュール６０８に対して、ロッカーアーム７２２の最高位置で、キャッパー要素６８２は、吐き出し要素６８４とプリントヘッドＩＣ２０４との間の前述の距離を設定しながら、印刷面の表面地形上を気密密封する。

【0284】

図示される例示的実施形態では、ばね７３４は、ロッカーアームが上昇し位置へ付勢されるように、ロッカーアームとプリンタハウジングのベースとの間に装着される圧縮ばねである。しかしながら、モジュールによってプリントヘッド上に印加される力の量が許容範囲内である限り、類似の付勢を提供するように、ロッカーアームとプリンタハウジングの側壁との間に圧縮ばねを装着する、あるいは類似または異なる付勢を提供するように、リーフまたは拡張ばねを使用する等、他の配置が可能である。

【0285】

前述のように、ワイパモジュールとプリントヘッドの精密な整列が提供されない。これは、プリントヘッドから拭き取ることができる流体および残滓の量を最大にするように、拭き取り中のプリントヘッドに対するワイパモジュールの変位が所望されるためである。つまり、印刷面のより大きい表面領域は、ワイパモジュールを移動させることによって拭き取ることができ、異なるコンポーネントによって提供される印刷面上の異なる地形的レベルのため拭き取るのが困難な領域における拭き取りを実現できる。

【0286】

この平行移動拭き取り動作は、ワイパモジュール６０８がその拭き取り位置にあり、ワイパローラ６４０がプリントヘッド２００に接触し、図４４Ｃの二重矢印Ａによって図示されるように、駆動機構６４４の駆動下で回転する間に、滑動部６０２を変位するように、変位機構７００を動作することによって達成される。図４４Ｂに図示されるように、滑動部フレーム６１４の側壁６２０内のノッチ６２０ａは、拭き取り位置において、ワイパモジュール６０６のリテーナ要素６３９および６４１が、ノッチ６２０ａの制約を離れないように、寸法決めされる。したがって、滑動部６０２が変位すると、ワイパモジュールも、同じ様式で変位する。

【0287】

平行移動拭き取りに可能な変位の量は、駆動ローラ１０６ｂ上のギヤ１０６ａとの接触が拭き取り回転のために保守されなければならないので、スイングアーム６４８のギヤトレイン６４６の長さおよび寸法に依存する。すなわち、ワイパモジュール６０６がプリントヘッド２００に対して媒体移動方向に移動すると、スイングアーム６４８は、ばね６６８の付勢に起因して、その水平配向に向かってスイングする。このスイングの間、ギヤトレイン６４６の駆動端ギヤ、例えば、第２のギヤと、駆動ローラ１０６ｂ上のギヤ１０６ａとの係合が保守され、したがって、ワイパモジュール６０６が駆動ローラ１０６ｂから極端に遠くに移動しない限り、回転拭き取りが発生する。このため、平行移動拭き取りは、回転拭き取りが、プリントヘッド２００にわたるワイパモジュール６０６の変位中に決して生じないように、制御電子機器８０２の制御下で、当業者によって理解されるような適切なセンサによって、監視される。

【0288】

拭き取り手順が完了すると、ワイパモジュール６０６は、プリントヘッド２００から低下され、ワイパローラ６４０の回転は、入力ローラ１０６からの駆動機構の連結解除、ならびにスクレーパー６７６およびワイパローラ６４０の圧縮接触によって提供された摩擦に起因して、ワイパモジュール６０６が滑動部６０２内のその非拭き取りまたはホーム位置にもたらされる前に、停止される。

【0289】

上述のように、プラテン、ワイパ、キャッパーモジュールによって捕獲された流体は、滑動部内に排出する。図４７に図示されるように、滑動部６０２は、ベース６１８内に排出領域６３２、６７９および６９６を有する。排出領域は、そこから排出領域内の流体が滑動部６０２を離れることが可能である、ベース６１８内の穴７５２および７５４への個別経路を提供するために、成型等によって、ベース６１８内に画定される。例えば、滑動部６０２は、ポリカーボネートおよびアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン（ＰＣ／ＡＢＳ）の１０％ガラス繊維強化複合材料等、プラスチック材料から成型されてもよい。個別経路は、滑動部６０２の変位中に、滑動部６０２内の流体を自由運動から制約する排出リブとして働く、壁６１８ａによって画定される。このように、捕獲された流体は、プリントヘッド上に流体が「跳ねる」ことになり得る、滑動部周囲で「跳ね飛ぶ」ことなく、滑動部から排出することが可能である。

【0290】

排出領域６３２は、図４８Ａおよび４８Ｂに図示されるように、プラテンモジュール６０４の吐き出し要素６１２から排出された流体を受容し、その個別経路が受容した流体をベース６１８内の穴７５２へ送るように構成される。同様に、排出領域６９６は、図４７および４９に図示されるように、弁６９８および突出６９９の上述の係合を通じて、キャッパーモジュール６０８から排出された流体を受容し、その個別経路が受容した流体をベース６１８内の穴７５２へ送るように構成される。

【0291】

排出領域６７９は、図５０Ａおよび５０Ｂに図示されるように、ワイパモジュール６０６から排出された流体を受容し、その個別経路が受容した流体をベース６１８内の穴７５４へ送るように構成される。ワイパモジュール６０６のワイパローラ６４０によって吸収された流体の排出を支援するために、排出領域６７９は、成型可能で、インクの吸収を可能にする気泡空隙寸法を備える気効率を有する親水性多孔質材料で形成された吐き出し要素７５６を有する。例えば、親水性ポリエチレンが好まれ、その最終形状に共に成型される、焼結と類似のプロセスによって、吐き出し要素７５６を作製するために使用することができる。

【0292】

吐き出し要素７５６は、パッド７６０から突出するいくつかのタワーまたはバー７５８を有する。パッド７６０は、ワイパモジュール６０６のホーム位置と一致する、滑動部６０２のベース６１８の長手方向長さに沿って画定されたチャネル７５２内に保持される。パッド７６０は、ベース６１８内のチャネル７６６内のパッド７６０から突出する吐き出し７６４を有する。チャネル７６６は、ベース６１８の幅にわたってチャネル７６２に垂直で、穴７５４に至るように、ベース６１８内に画定される。吐き出し７６４は、穴７５４から突出する、屈曲端部分７６４ａを有する。

【0293】

図５０Ｂの切り取り部分詳細図に最も明確に図示されるように、タワー７５８は、ワイパモジュール６０６が滑動部６０２内のそのホーム位置にある時に、ワイパモジュール本体６３４の長手方向長さに沿って均一に提供された窓７６５を通って突出するように配置される（図２３および２４も参照）。タワー７５８は、ワイパローラ６４０の吸収材料６４０ｂによって保たれる流体が、多孔質タワー７５８から多孔質パッド７６０へ吐き出され、次いで、吐き出し７６４を介して滑動部６０２の穴７５４から排出されるように、ワイパローラ６４０に接触し、圧迫するに十分な高さおよび剛性を有する。

【0294】

ワイパローラ上のタワーによって提供される接触圧力の寮、提供されるタワーの数（例えば、図示された実施形態には５つのタワーが提供されるが、媒体幅およびワイパローラの容量に依存して、これより多いまたは少ないタワーを提供することができる）、および滑動部吐き出し要素およびワイパローラの外層の材料の気効率は、３ミリメートルの流体がワイパローラによって吸収されると（後述するように約２０回の拭き取り動作後に発生する）、流体が滑動部吐き出し要素へ吐き出すことが可能であるように、選択される。これによって、ワイパローラは、４〜５ミリメートルで飽和しないように保たれることになり（後述する）、それによって、プリントヘッドの一定かつ信頼性が高い吐き出しとなる。

【0295】

滑動部６０２のベース６１８内の穴７５２および７５４は、図５１に図示されるように、ハウジング１０２に対して滑動部６０２の全ての平行移動された位置で、プリントヘッド１００のハウジング１０２内の通気孔１１２と整列するように配置される。通気孔１１２は、滑動部のモジュールから排出された全ての流体を捕獲するように寸法決めされた凹部として画定され、そこから捕獲された流体が排出することが可能である、複数の通気孔穴１１２ａを有する。

【0296】

図６、７、５２および５３に図示されるように、保守システム６００の流体回収器６０３は、排出された流体を保管するために回収するように、通気孔１１２に対して位置する。図示される実施形態において、流体回収器６０３は、流体保管モジュール７６６および７６８のモジュール式アセンブリであり、媒体入力領域１１６および印刷後媒体出力領域１１８との間でプリンタ１００の本体１１４内に離脱可能に配置されるが、しかしながら、滑動部からの流体が、流体回収器に排出し、後で除去するために保管されることが可能である限り、他の配置が可能である。

【0297】

例示的実施形態において、保管モジュール７６６、７６８は、流体が空である場合には実質的に平坦で、そうでない場合には拡大する、拡大可能袋を画定するように、可撓性の、折り畳み可能な材料で形成される。保管モジュール７６６、７６８は、流体を吸収すると材料を拡大させる、吸収材料で充填される。例えば、吸収材料は、乾燥時には粉末状で、湿気を含むと堅いゲル状である、高吸水性樹脂等の高分子であってもよい。

【0298】

保管モジュール７６６は、通気孔１１２から流体が排出することが可能である、プリンタ１００の通気孔１１２と位置を合わせて位置するポート７７０を有する。流体がポート７７０内に入ると、内部材料に接触して、吸収剤を湿らせ、拡張させる。保管モジュール７６６は、保管モジュール間に毛管吐き出し経路を提供する内部吐き出し要素７７２によって、他の保管モジュール７６８に連結される。このように、保管モジュール７６６内の吸収材料が流体で飽和すると、モジュール式の滑動部６０２から排出されたさらなる流体は、保管モジュール７６８内の吸収材料によって吸収され、保管されるように、吐き出し要素７７２を介して他の保管モジュール７６８へ吐き出される。

【0299】

図示される実施形態において、４つの保管モジュール７６６、７６８は、約１リットル等のインクの保管容量を提供するが、しかしながら、これより多いまたは少ないモジュールによって提供される、これより多いまたは少ない保管容量が可能である。保管モジュール７６６、７６８がそれらの最高レベルまで拡大した時を検知するために、適切な検知配置が使用されてもよく、または、剛性な保管モジュールが代替として使用される場合、保管モジュール内の流体レベルを直接感知することが提供されてもよい。検知結果は、保管モジュール７６６、７６８が交換または空にすることができるように、プリンタ１００の使用者に完全な状態の表示を提供してもよい、制御電子機器８０２に提供される。代替として、流体回収器６０３のモジュール性によって、保管モジュールの全てが飽和状態になる前に、保管モジュールの個別のそれぞれを周期的に除去して交換することが可能になる。しかしながら、流体回収器６０３が単一の保管要素を有する、他の配置が可能である。

【0300】

保守システム６００の上述のコンポーネントは、プリントヘッド２００の周囲で、望ましくない、湿ったインクおよび乾燥したインクならびに残滓がない印刷環境を保守することによって、プリントヘッド２００および流体分配システム３００を動作状態に保守する手段を提供する。具体的には、選択可能保守モジュールを備える線形平行移動滑動部は、静止の完全媒体幅プリントヘッドを保守する、簡略かつコンパクトな様式を提供する。流体吸収スピットツーンを備えるキャッパーモジュールを提供することによって、壊れやすい射出ノズルの乾燥を防止する、プリントヘッドの「湿状態」キャップ止めを可能にする。また、流体吸収スピットツーンを備えるプラテンモジュールを提供することによって、プリントヘッドが印刷中に「湿状態」のままであり、特に縁なし印刷用途において、プリントヘッドの近辺で誤配向または霧状になるインクがないことを可能にする。ワイパモジュールの少なくともワイパローラを駆動するように、プリンタの駆動モータを採用することによって、さらなるコンパクト性および簡略性を提供する。しかしながら、米国仮特許第６１／３４５５７２号（整理番号ＬＮＰ００１ＰＵＳ）に記載のような、他のワイパモジュール配置が可能である。

【0301】

保守システム６００の別の態様は、媒体１０４が、それに沿って印刷のためにプリントヘッド２００へ輸送される経路の保守であり、ここで図５４〜６０Ｂを参照して検討する。例示的な実施形態では、２つの媒体経路が提供される。媒体経路のうちの１つは、図５４に図示されるように、媒体入力領域１１６からプリントヘッド２００までであり、曲線媒体経路７７４によって画定される。この曲線経路の適切な形状の詳細は、米国特許出願第１２／３９７，２７４号（出願人整理番号ＲＲＥ０５９ＵＳ）に記載され、その内容を参照により本明細書に組み入れる。他の媒体経路は、手動給紙入力領域１２０からプリントヘッド２００までであり、実質的に直線の媒体経路７７６として画定される。媒体経路７７４、７７６は、媒体幅にわたって延在する、長尺状媒体誘導器７７８によって区分される。

【0302】

印刷中、媒体詰まりは、媒体経路、特に曲線媒体経路７７４に沿って発生する場合がある。かかる詰まりを取り除くために、プリンタ１００の本体１１４は、媒体経路７７４の媒体幅全体を露呈するように開くことができる、ヒンジドア１２２を有する。

【0303】

媒体誘導器７７８は、ドア１２２がその閉位置にある時、ドア１２２および誘導器７７８が、媒体経路７７４、７７６両方の誘導部分を画定するように、ドア１２２に装着される（図５６を参照）。誘導器７７８は、誘導器７７８が媒体詰まりの除去を妨害しないように、ドア１２２を開くと、誘導器７７８が邪魔にならないように旋回してもよいように、ドア１２２に旋回可能に装着される。誘導器をドアの運動と共に自動的に旋回させることは、使用者が誘導器を手動で移動させる必要性を省略し、利点であるが、本出願人は、詰まり除去後にドアを再び閉じる際、誘導器は、その旋回軸周囲で反転する可能性が高く、それによって、誘導器の自動的再配置を可能にせず、結局、使用者の介在を必要とするということを発見した。

【0304】

誘導器のかかる反転の発生を防止するために、保守システム６００は、図５５に図示されるように誘導器７７８のために、変位機構７８０を提供し、これは、ドア１２２の開運動と共に誘導器を自動的に後退させるだけでなく、使用者の介在なく、ドア１２２の閉運動と共に、媒体誘導のために誘導器を自動的に再配置する。

【0305】

誘導器変位機構７８０は、図５７Ａおよび５７Ｂに図示されるように、ドア１２２のいずれかの端にある側壁１２２ａ内にスロット７８２、および誘導器７７８のいずれかの端にあるアーム７７８ｂ上に追跡ピン７７８ｂを有する。スロット７８２は、２つの湾曲点７８２ａおよび７８２ｂを有する蛇行形状であり、媒体経路に向かって配向される湾曲点７８２ａは、媒体経路７７２に沿って媒体移動方向に対して、媒体経路７７４から遠くに配向される湾曲点７８２ｂの上流にある。図示される実施形態において、蛇行形状はジグザグであるが、曲線形状が可能である。

【0306】

追跡ピン７７８ａは、誘導器７７８をドア１２２に接続する、それぞれのスロット７８２と係合する。追跡ピン７７８ａは、ドア１２２が移動すると、スロット７８２内を滑動し、スロット７８２の蛇行形状に沿って追跡する。この追跡によって、誘導器７７８は、ドア１２２に対して旋回することが可能になる。旋回ピン７８４は、スロット７８２の各々の下流湾曲点の外側で、側壁１２２ａの各々から突出する。アーム７７８ｂの各々の自由端は、誘導器７７８がスロット７８２に沿って追跡すると、それぞれの旋回ピン７８４と係合する、ノッチまたはヨーク７７８ｃを有する。誘導器変位機構７８０によって提供されるこの係合は、以下のように、誘導器７７８の未制御の反転を防止するヨーク機構として働く。

【0307】

ドア１２２が図５６に図示される閉位置にある場合、追跡ピン７７８ａは、誘導器７７８がそのホーム位置にあり、媒体入力領域１１６または手動給紙入力領域１２０のいずれかから入って来る媒体１０４を受動的に誘導するように、スロット７８２の上流湾曲点７８２ａにある。ドア１２２が図５８Ａに図示される矢印Ｂの方向に部分的に開くと、誘導器７７８の追跡ピン７７８ａは、スロット７８２内を滑動し、誘導器７７８を媒体経路７７４から遠ざけて、部分的に後退配向に移動させる。

【0308】

ドア１２２がさらに開くと、図５８Ｂに図示されるように、誘導器７７８のヨーク７７８ｃは、旋回ピン７８４に接触し、その上で旋回し、この時点で誘導器７７８は、その完全に後退配向にある。係合されたヨーク７７８ｃおよび旋回ピン７８４は、ドア１２２が完全に開くまで、誘導器が完全後退配向から移動することを防止し、その時点で、誘導器７７８の追跡ピン７７８ａは、図５９に図示されるように、スロット７８２の下流湾曲点７８２ｂを越えて、スロット７８２の端まで滑動し、誘導器７７８をその完全後退配向に後退させる。

【0309】

ドア１２２が図６０Ａに図示される矢印Ｃの方向に部分的に閉じられると、誘導器７７８の追跡ピン７７８ａは、スロット７８２に沿って滑動して戻り、ヨーク７７８ｃが旋回ピン７８４に係合すると、誘導器７８８の移動は、そうでなければ発生するであろう反転なく、誘導器７８８が完全後退配向のままであるように制御される。

【0310】

ドア１２２がさらに閉じられると、図６０Ｂに図示されるように、追跡ピン７７８ａは、上流湾曲点７８２ａに向かって、スロット７８２の下流湾曲点７８２ｂを越えて滑動し、誘導器７８８を部分的後退配向に戻らせるので、ドア１２２が完全に閉じられると、図５６に図示されるように、誘導器７７８は、媒体経路７７４、７７６内のそのホーム位置に戻ることが可能である。

【0311】

本発明は、その例示的な実施形態を参照して図示および記載されているが、種々の修正が明らかであり、本発明の範囲および精神から逸脱しない限り、当業者によって容易に実施されてもよい。したがって、本明細書に記載されているように、請求項の範囲が、記載によって制限されることが意図されているわけではなく、請求項は幅広く解釈されるべきである。

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17A】

【図17B】

【図17C】

【図17D】

【図17E】

【図17F】

【図18】

【図19】

【図20】

【図21】

【図22A】

【図22B】

【図23】

【図24】

【図25】

【図26】

【図27】

【図28】

【図29】

【図30】

【図31】

【図32】

【図33】

【図34】

【図35】

【図36】

【図37】

【図38】

【図39】

【図40】

【図41】

【図42A】

【図42B】

【図42C】

【図43A】

【図43B】

【図43C】

【図44A】

【図44B】

【図44C】

【図45】

【図46】

【図47】

【図48A】

【図48B】

【図49】

【図50A】

【図50B】

【図51】

【図52】

【図53】

【図54】

【図55】

【図56】

【図57A】

【図57B】

【図58A】

【図58B】

【図59】

【図60A】

【図60B】