(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5784713
(24)【登録日】2015年7月31日
(45)【発行日】2015年9月24日
(54)【発明の名称】容器内のストレーナのための排液装置
(51)【国際特許分類】
A01J 25/11 20060101AFI20150907BHJP
A23C 9/12 20060101ALI20150907BHJP
【FI】
A01J25/11
A23C9/12
【請求項の数】16
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-510624(P2013-510624)
(86)(22)【出願日】2011年5月18日
(65)【公表番号】特表2013-526285(P2013-526285A)
(43)【公表日】2013年6月24日
(86)【国際出願番号】EP2011058088
(87)【国際公開番号】WO2011144678
(87)【国際公開日】20111124
【審査請求日】2014年5月8日
(31)【優先権主張番号】11305486.0
(32)【優先日】2011年4月22日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】1053848
(32)【優先日】2010年5月18日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】594034072
【氏名又は名称】セブ ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャン−ポール アステーニョ
(72)【発明者】
【氏名】パトリック チャールズ
(72)【発明者】
【氏名】マチュー ペリエ
【審査官】
大久保 智之
(56)【参考文献】
【文献】
特開平10−201648(JP,A)
【文献】
特開2002−345659(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3159309(JP,U)
【文献】
特開2011−078699(JP,A)
【文献】
特開昭50−100259(JP,A)
【文献】
米国特許第5373779(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01J 25/00
A23C 9/00
A47J 43/00
A47J 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロマージュ・ブランまたはヨーグルトの調製のための排液装置であって、
穴付き内側容器(2;2’;52)を収容する外側容器(1;1’;51)を備え、前記外側容器(1;1’;51)は、低位置および高位置において前記穴付き内側容器(2;2’;52)を支持可能であり、前記穴付き内側容器(2;2’;52)が少なくとも二つの外側側方突起(22;22’;72)を有し、前記穴付き内側容器(2;2’;52)が高位置にあるとき、前記少なくとも二つの外側側方突起(22;22’;72)が、前記外側容器(1;1’;51)の支持部材(16;16’;66)上に着座可能であり、前記外側容器(1;1’;51)が上部開口(17;17’;67)を有し、前記上部開口(17;17’;67)が、前記外側容器(1;1’;51)の内側且つ前記支持部材(16;16’;66)の間に、少なくとも二つの側方窪み(12;12’;62)を提供し、前記穴付き内側容器(2;2’;52)が低位置にあるとき、前記側方窪み(12;12’;62)が、前記外側側方突起(22;22’;72)を少なくとも部分的に収容するよう設計され、前記穴付き内側容器(2;2’;52)が前記外側容器(1;1’;51)の内側の低位置から外側に、および逆方向に、移動されるとき、前記側方窪み(12;12’;62)が、前記外側側方突起(22;22’;72)のための通路を提供し、前記側方窪み(12;12’;62)が、前記外側容器(1;1’;51)の側壁(11;11’;61)の上部の上部リップ(13)の上に位置されることを特徴とする排液装置。
【請求項2】
前記外側容器(51)の前記支持部材(66)が、前記外側容器(51)の上部リム(65)からなることを特徴とする請求項1に記載の排液装置。
【請求項3】
前記外側側方突起(22;72)が、互いに反対側に位置された第1の外側側方突起(22a;72a)と第2の外側側方突起(22b;72b)を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の排液装置。
【請求項4】
フロマージュ・ブランまたはヨーグルトの調製のための排液装置であって、
穴付き内側容器(2’;102)を収容する外側容器(1’;101)を備え、前記外側容器(1’;101)は、低位置および高位置において前記穴付き内側容器(2’;102)を支持可能であり、前記穴付き内側容器(2’;102)が三つの外側側方突起(22’;122)を有し、前記穴付き内側容器(2’;102)が高位置にあるとき、前記三つの外側側方突起(22’;122)が、前記外側容器(1’;101)の三つの内側側方突起(16’a,16’b,16’c;116a,116b,116c)上にそれぞれ着座可能であり、前記外側容器(1’;101)が上部開口(17’;117)を有し、
前記外側容器(1’;101)の互いに対向する二つの側壁のうちの一方が、第1の側方窪み(12’a;112a)の両側方に位置する第1の内側側方突起(16’a;116a)と第2の内側側方突起(16’b;116b)を備え、前記二つの側壁のうちの他方が、第3の内側側方突起(16’c;116c)の両側方に位置する第2の側方窪み(12’b;112b)と第3の側方窪み(12’c;112c)を備え、
前記内側容器(1’;101)の互いに対向する二つの側壁のうちの一方が、第1の側方窪み(127c)の両側方に位置する第1の外側側方突起(22’a;122a)と第2の外側側方突起(22’b;122b)を備え、前記二つの側壁のうちの他方が、第3の外側側方突起(22’c;122c)の両側方に位置する第2の側方窪み(127a)と第3の側方窪み(127b)を備え、
前記穴付き内側容器(2’;102)が低位置にあるとき、前記内側容器(1’;101)の第1の外側側方突起(22’a;122a)と第2の外側側方突起(22’b;122b)が前記外側容器(1’;101)の第2の側方窪み(12’b;112b)と第3の側方窪み(12’c;112c)に挿入され、前記内側容器(1’;101)の第3の外側側方突起(22’c;122c)が前記外側容器(1’;101)の第1の側方窪み(12’a;112a)に挿入され、
前記穴付き内側容器(2’;102)の位置を高位置と低位置の間で変更するため、前記穴付き内側容器(2’;102)が1/2回転される
ことを特徴とする排液装置。
【請求項5】
前記外側容器(101)の三つの前記内側側方突起(116a,116b,116c)が、前記外側容器(101)の底部(110)から上方に延びて上部リム(115)から離れた位置で終端することを特徴とする請求項4に記載の排液装置。
【請求項6】
前記低位置にある前記穴付き内側容器(2;2’;52;102)が、前記外側容器(1;1’;51;101)の底部(10;10’;60;110)上に着座することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の排液装置。
【請求項7】
前記外側容器(1;1’;101)の前記支持部材(16;16’;116)が内側側方突起(14;14’;114)からなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の排液装置。
【請求項8】
前記内側側方突起(14;14’)が前記外側容器(1;1’)の上部リム(15;15’)から延びることを特徴とする請求項7に記載の排液装置。
【請求項9】
前記外側容器(1;1’;51;101)と前記穴付き内側容器(2;2’;52;102)が非円形形状を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の排液装置。
【請求項10】
前記外側容器(1;1’;51;101)と前記穴付き内側容器(2;2’;52;102)が多角形形状を有することを特徴とする請求項9に記載の排液装置。
【請求項11】
前記穴付き内側容器(2;2’;52;102)が、穴付きの側壁または壁(21;21’;71;121、121’)を備えることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の排液装置。
【請求項12】
前記穴付き内側容器(2;52;102)が少なくとも一つの把持部材(24;74;124)を備えることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の排液装置。
【請求項13】
前記少なくとも一つの把持部材(24;74;124)が、前記穴付き内側容器(2;52;102)の上部リップ(23;73;125)から延びることを特徴とする請求項12に記載の排液装置。
【請求項14】
前記穴付き内側容器(2)が、互いに反対側に位置する二つの内側把持部材(24)を備えることを特徴とする請求項12または13に記載の排液装置。
【請求項15】
前記互いに反対側に位置する二つの内側把持部材(24)が、二つの外側側方突起(22)の間に位置されることを特徴とする請求項14に記載の排液装置。
【請求項16】
前記外側容器(1;1’;101)が、前記低位置にある前記穴付き内側容器(2;2’;102)を完全に収容することを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載の排液装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穴付き内側容器を収容する外側容器を備えた排液装置の技術分野に関する。これにおいて、外側容器は、低位置および高位置で穴付き内側容器を支持することができ、高位置は、穴付き内側容器の内容物を外側容器内へとろ過することを可能にする。
【0002】
本発明は、特に、乳清の排出が望ましいフロマージュ・ブラン(新鮮で柔らかく白い雌牛の乳のチーズ)の調製に関する。
【背景技術】
【0003】
特許文献1は前述のタイプのストレーナを開示し、これにおいて、穴付き内側容器は側方突起を備え、突起は、穴付き内側容器が高位置にあるとき、外側容器の支持部材上に着座可能である。しかしながら、これらの外側側方突起はタブからなり、低位置から高位置への変更および逆の変更は、タブが弾性的に変形することを要求する。必要な挿入力または引き抜き力がこの装置の使用を困難にする。
【0004】
本発明の目的は、極めて容易な操作を可能にする排液装置を提案することにある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】仏国特許出願公開第2423977号明細書
【発明の概要】
【0006】
上記目的は、穴付き内側容器を収容する外側容器を備え、前記外側容器は、低位置および高位置において前記穴付き内側容器を支持可能であり、前記穴付き内側容器が少なくとも二つの外側側方突起を有し、前記穴付き内側容器が高位置にあるとき、前記少なくとも二つの外側側方突起が、前記外側容器の支持部材上に着座可能であり、前記外側容器が上部開口を有し、前記上部開口が、前記外側容器の内側且つ前記支持部材の間に、少なくとも二つの側方窪みを提供し、前記穴付き内側容器が低位置にあるとき、前記側方窪みが、前記外側側方突起を収容するよう設けられる、排液装置によって達成される。
【0007】
この装置は、単に穴付き内側容器を外側容器の上方に持ち上げ、外側側方突起を側方窪みまたは支持部材に重ねて配置するよう穴付き内側容器を外側容器に対し回転させ、穴付き内側容器を外側容器内に戻し降ろすことによって、穴付き内側容器を高位置から低位置に、もしくはその逆に、動かすことを可能にする。
【0008】
上部開口内に延びる側方窪みは、穴付き内側容器の単純な移動により、穴付き内側容器を引き抜くこと、および穴付き内側容器を外側容器内に配置することを可能にする。
【0009】
一実施形態によれば、前記低位置にある前記穴付き内側容器が、前記外側容器の底部上に着座する。この装置は、穴付き内側容器を取り囲むスペースを制限することを可能にし、ストレーナにおける乳清の有利な保持を可能にする。
【0010】
一実施形態によれば、前記外側容器の前記支持部材が内側側方突起からなる。この装置は、外側容器の側方容積を最適化することを可能にする。
【0011】
そして有利には、前記内側側方突起が前記外側容器の上部リムから延びる。この装置は、外側容器の高さを最適化することを可能にする。
【0012】
他の実施形態によれば、前記外側容器の前記支持部材が、前記外側容器の上部リム(65)からなる。そして側方窪みは、外側容器の側壁によって構成されることができる。
【0013】
一実施形態によれば、前記外側容器と前記穴付き内側容器が非円形形状を有する。
【0014】
特に、前記外側容器と前記穴付き内側容器は多角形形状を有することができる。
【0015】
一実施形態によれば、前記穴付き内側容器が、穴付きの側壁または壁を備える。代替的にもしくは補足的に、前記穴付き内側容器が、穴付きの底部を備えることができる。
【0016】
四角形形状を有する排液装置に特に適するが、円形形状もしくは六角形形状を有する排液装置にも適する一実施形態によれば、前記外側側方突起が、互いに反対側に位置された第1の外側側方突起と第2の外側側方突起を含む。
【0017】
矩形形状を有する排液装置に特に適するが、長円形形状もしくは六角形形状を有する排液装置にも適する一実施形態によれば、前記外側容器の上部開口の半分が、第1の側方窪みの側方に位置する第1の支持部材と第2の支持部材を備え、前記外側容器の上部開口の他方の半分が、第3の支持部材の側方に位置する第2の側方窪みと第3の側方窪みを備える。
【0018】
さらに有利には、穴付き内側容器の引き抜きを容易にするため、前記穴付き内側容器が少なくとも一つの把持部材を備える。
【0019】
また有利には、前記少なくとも一つの把持部材が、前記穴付き内側容器の上端縁部から延びる。この装置は、外側容器の容積を制限することにより、穴付き内側容器の容量を最大化することを可能にする。
【0020】
有利な実施形態によれば、前記穴付き内側容器が、互いに反対側に位置する二つの内側把持部材を備える。ユーザーはこれにより、彼の親指と人差し指を交差させて互いに反対側に位置する内側把持部材を持ち上げることにより、一人分の容量を有する穴付き内側容器を引き出すことができる。
【0021】
また有利には、前記互いに反対側に位置する二つの内側把持部材が、二つの外側側方突起の間に位置される。この装置は、穴付き内側容器の上部の変形が支持部材の外側側方突起を広げるのを回避することを可能にする。
【0022】
また有利には、前記外側容器が、前記低位置にある前記穴付き内側容器を完全に収容する。そして容器は蓋により簡単に閉じられることができる。
【0023】
本発明は、いかなる限定目的もなく添付図面に描かれた四つの実施形態を考慮したときにより良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明に係る排液装置の第1実施形態の分解斜視図である。
【
図2】
図1に描かれた排液装置の組立斜視図であり、穴付き内側容器が低位置にある。
【
図3】
図1に描かれた排液装置の組立斜視図であり、穴付き内側容器が高位置にある。
【
図4】本発明に係る排液装置の第2実施形態の分解斜視図である。
【
図5】
図4に描かれた排液装置の組立斜視図であり、穴付き内側容器が高位置にある。
【
図6】
図4に描かれた排液装置の組立斜視図であり、穴付き内側容器が低位置にある。
【
図7】本発明に係る排液装置の第3実施形態の概略分解斜視図である。
【
図8】
図7に描かれた排液装置の概略図であり、穴付き内側容器が低位置にある。
【
図9】
図7に描かれた排液装置の概略図であり、穴付き内側容器が高位置にある。
【
図10】本発明に係る排液装置の第4実施形態の分解斜視図である。
【
図11】
図10に描かれた排液装置の穴付き内側容器を下方から見たときの図である。
【
図12】
図10に描かれた排液装置の外側容器を下方から見たときの図である。
【
図13】
図10に描かれた排液装置の組立部分断面斜視図であり、穴付き内側容器が高位置にある。
【
図14】
図10に描かれた排液装置の組立部分断面斜視図であり、穴付き内側容器が低位置にある。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1〜
図3に描かれる排液装置は、穴付き内側容器2を収容する外側容器1を備え、例えば、一人分用のフロマージュ・ブランを調製するよう設計されている。
【0026】
外側容器1は、
図2に示される低位置と
図3に示される高位置とで、穴付き内側容器2を支持することができ、高位置は排液用である。
【0027】
図1〜
図3に描かれた外側容器1と穴付き内側容器2は非円形形状を有するが、本発明は、円形形状を有する外側容器および/または穴付き内側容器2にも適用可能である。外側容器1と穴付き内側容器2とは、多角形形状、特に四角形形状を有する。
【0028】
外側容器1は、側壁11に接続された底部10を有する。側壁11の上部は、上部リップ13の上に配置された二つの側方窪み12を有する。二つの側方内側突起14が、二つの側方窪み12の間に位置される。内側側方突起14は、外側容器1の上部リム15から延びる。
【0029】
穴付き内側容器2は、穴付きの側壁21に接続された穴なしの底部20を備える。穴付き内側容器は、二つの外側側方突起22を有する。特に、外側側方突起22は、穴付き内側容器2の上部リップ23から延びる。外側側方突起22は、互いに反対側に位置された第1の外側側方突起 22aと第2の外側側方突起22bとを含み、これらはそれぞれ、穴付き内側容器2の一表面上に位置される。
【0030】
穴付き内側容器2は、有利にも、少なくとも一つの把持部材24を備え、把持部材24は好ましくは、穴付き内側容器2の上端縁部23から延びる。
図1に示されるように、穴付き内側容器2は、互いに反対側に位置された二つの内側把持部材24を備える。互いに反対側に位置された二つの内側把持部材24は、二つの外側側方突起22の間に位置される。
【0031】
図2に示されるように、側方窪み12は、穴付き内側容器2が外側容器1内において低位置にあるとき、外側側方突起22を収容するよう設計されている。特に、低位置にある穴付き内側容器2は、外側容器1の底部10上に着座する。外側容器1と穴付き内側容器2との間のスペースを最小にするため、外側容器1と穴付き内側容器2との側壁11,21は台形の形を有している。
図2は、外側容器1が、低位置にある穴付き内側容器2を完全に収容することを示す。
【0032】
図3に見られることができるように、穴付き内側容器2が高位置にあるとき、外側側方突起22は外側容器1の支持部材16上に着座することができる。
図1により良く見られることができるように、外側容器1の支持部材16は、内側側方突起14によって構成される。結局、外側容器1は、外側容器1の内側且つ支持部材16間に少なくとも二つの側方窪み12を提供する上部開口17を有する。
【0033】
図1から
図3に示された本発明に係る排液装置は次の方法で使用される。
図2に示される穴付き内側容器2の低位置から、
図3に示される穴付き内側容器2の高位置に、若しくはその逆に、変更するため、ユーザーは、例えば親指と人差し指を交差させることによって、把持部材24により穴付き内側容器2を掴み、穴付き内側容器2を持ち上げ、穴付き内側容器2を外側容器1に対し1/4回転させ、穴付き内側容器2を降ろす。
【0034】
このように、穴付き内側容器2の取り扱いは極めて容易である。
【0035】
図4から
図6に描かれる排液装置は、穴付き内側容器2’を収容する外側容器1’を備え、例えば、ファミリーサイズ用のフロマージュ・ブランの調整のために設計されている。
【0036】
外側容器1’の支持部材16’は、外側容器1’の上部リム15’から延びる内側側方突起14’からなる。穴付き内側容器2’は、穴無しの底部20’と穴付きの側壁21’とを含む。低位置にある穴付き内側容器2’は、外側容器1’の底部10’上に着座する;外側容器1’は、低位置にある穴付き内側容器2’を完全に収容する。
【0037】
図4から
図6に示される排液装置は次の点で
図1から
図3に示される排液装置と相違する:外側容器1’と穴付き内側容器2’は四角形状を有する;外側容器1’の上部開口17’の半分は、第1の側方窪み12’aの側方に位置する(flanking)第1の支持部材16’aおよび第2の支持部材16’bを備える;外側容器1’の上部開口17’の他方の半分は、第3の支持部材16’cの側方に位置する第2の側方窪み12’bおよび第3の側方窪み12’cを備える。
【0038】
穴付き内側容器2’は、これが高位置にあるときに外側容器1’の支持部材16’上に着座することができる三つの外側側方突起22’を有する。外側側方突起22’は、穴付き内側容器2’の上端縁部23’から延びる。外側側方突起22’は、第1の外側側方突起22’aと第2の外側側方突起22’bとを含み、これらは穴付き内側容器2’の一つ且つ同一の側面に位置され、第1の支持部材16’aおよび第2の支持部材16’b上にそれぞれ着座するよう設計される。外側側方突起22’は第3の外側側方突起22’cも含み、これは、穴付き内側容器2’の反対側面に位置され、第3の支持部材16’c上に着座するよう設計される。
図5参照。
【0039】
図5に示される穴付き内側容器2’の高位置から、
図6に示される穴付き内側容器2’の低位置への変更のため、ユーザーは穴付き内側容器2’を持ち上げ、それを外側容器1’に対し1/2回転させ、穴付き内側容器2’を降ろす。すると、第3の支持部材16’cが第1の外側側方突起22’aと第2の外側側方突起22’bの間に挿入され、第3の外側側方突起22’cが第1の支持部材16’aと第2の支持部材16’bの間に挿入される。
図6参照。こうして、第1の外側側方突起22’a、第2の外側側方突起22’bおよび第3の外側側方突起22’cからなる外側側方突起22’は、第1の側方窪み12’a、第2の側方窪み12’bおよび第3の側方窪み12’cからなる側方窪み12’内に挿入される。
【0040】
図7〜
図9に描かれる排液装置は、穴付き内側容器52を収容する外側容器51を備え、例えば、一人分用のフロマージュ・ブランを調製するよう設計されている。
【0041】
外側容器51と穴付き内側容器52は、本質的に円形形状を有する。穴付き内側容器52は、穴なしの底部70と、穴付きの側壁71と、上端縁部73から延びる把持部材74とを備える。低位置にある穴付き内側容器52は、外側容器51の底部60上に着座する。穴付き内側容器52の外側側方突起72は、互いに反対側に位置された第1の外側側方突起72aと第2の外側側方突起72bとを含む。
【0042】
図7から
図9に示される排液装置は、
図1から
図3に示される排液装置と次の点で相違する:外側容器51の側方窪み62は側壁61の外側段差62からなり、外側段差62は、外側容器51の上部リム65の残部の形状から外側に拡がる;外側側方突起72は穴付き側壁71の外側段差からなり、外側段差は、上部リム73の残部の形状から外側に拡がる。外側容器51の支持部材66は、外側容器51の上部リム65からなる。
【0043】
図8に見られることができるように、側方窪み62は、穴付き内側容器52が低位置にあるとき、外側側方突起72を部分的に収容する。
【0044】
図10〜
図14に描かれる排液装置は、穴付き内側容器102を収容する外側容器101を備え、例えば、ファミリー用のヨーグルトを調製するよう設計されている。
外側容器101と穴付き内側容器102は四角形の形状を有する。
【0045】
図11からより容易に理解されるように、穴付き内側容器102は三つの外側側方突起122を有し、三つの外側側方突起122は、
図12からより容易に理解されるように、穴付き内側容器102が高位置にあるとき、外側容器101の支持部材116上に着座することができる。
【0046】
外側容器101の上部開口117の半分は、第1の側方窪み112aの側方に位置する第1の支持部材116aと第2の支持部材116bを備え、外側容器101の上部開口117の他方の半分は、第3の支持部材116cの側方に位置する第2の側方窪み112bと第3の側方窪み112cを備える。
【0047】
穴付き内側容器102は、その上端縁部125から延びる把持部材124を備える。
【0048】
図14に見られることができるように、低位置にある穴付き内側容器102は外側容器101の底部110上に着座し;外側容器101は、低位置にある穴付き内側容器102を完全に収容する。
【0049】
外側容器101の支持部材116が内側側方突起114からなり、内側側方突起114が、外側容器101の上部リム115から離れた位置で終端する点で、この排液装置は第2実施形態と異なる。
【0050】
穴付き内側容器102は、穴付き底部120と、二つの穴付き側壁121,121’と、二つの穴なし側壁123,123’とを備える。
【0051】
穴付き底部120と穴付き側壁121,121’とは排液窓126を提供する。フィルターシート128が、それぞれの排液窓126を横切って延びる。穴付き内側容器は、例えば、フィルターシート128上にプラスチック本体を重ねて成形する(overmoulding)ことによって得られる。フィルターシート128は、有利には、ヨーグルトを漉すために500μmより小さい孔、好ましくは50μmと200μmの間の孔を提供し;フロマージュ・ブランを漉すためにより大きい孔、例えば2mmまでの孔を提供することが考えられる。フィルターシート128は、有利には、織った材料(例えばナイロン)から作られる。もし望まれるなら、一つ且つ同一のフィルターシート128が、一つ以上の排液窓126を横切って伸展してもよい。穴付き内側容器102は、一つ以上の排液窓126を有することができる。
【0052】
穴付き内側容器102の外側側方突起122は、穴付き内側容器102の下端縁部129の部分からなる。
【0053】
図11においてより明らかに見えるように、外側側方突起122は、穴なし側壁123から延びる二つの外側側方突起122a,122bと、穴なし側壁123の反対側の他方の穴なし側壁123’から延びる他方の外側側方突起122cとを含む。
【0054】
側方溝127cが、外側側方突起122a,122bの間の穴なし側壁123から立ち上がる。他方の外側側方突起122cは、二つの他方の側方溝127a,127bによって挟まれる(bracketed)。把持部材124が、側方溝127a,127b、127cの上で、穴付き内側容器102の外側に位置される。
【0055】
図13に示される穴付き内側容器の高位置から
図14に示される低位置に変更するため、ユーザーは穴付き内側容器102を持ち上げ、それを外側容器101に対して1/2回転させ、穴付き内側容器102を外側容器101の中に戻し降ろす。
【0056】
図14に示される穴付き内側容器の低位置において、穴付き内側容器102の外壁と外側容器101の内壁との間のスペースを最小にすることは、穴付き内側容器102の外側にある乳と発酵体の量を最小にすることを可能にする。
【0057】
このように、本発明によれば、穴付き内側容器2;2’;52;102が少なくとも二つの外側側方突起22;22’;72;122を有し、穴付き内側容器2;2’;52;102が高位置にあるとき、少なくとも二つの外側側方突起22;22’;72;122が、外側容器1;1’;51;101の支持部材16;16’;66;116上に着座可能であり、外側容器1;1’;51;101が上部開口17;17’;67;117を有し、上部開口17;17’;67;117が、外側容器1;1’;51;101の内側且つ前記支持部材16;16’;66;116の間に、少なくとも二つの側方窪み12;12’;62;112を提供し、穴付き内側容器2;2’;52;102が低位置にあるとき、前記側方窪み12;12’;62;112が、前記外側側方突起22;22’;72;122を少なくとも部分的に収容するよう設計される。
【0058】
穴付き内側容器2;2’;52は、それ故、穴付き内側容器2;2’;52を持ち上げ、それを何分の1回転か回転させ、それを外側容器1;1’;51内に戻し降ろすことからなる簡単な操作によって、フロマージュ・ブランのろ過を可能にするストレーナを構成する。穴付き内側容器102と外側容器101は、ヨーグルトを漉すためとフロマージュ・ブランを漉すための類似の操作を可能にする。
【0059】
上部開口17;17’;67;117によって外側容器1;1’;51;101に設けられた側方窪み12;12’;62;112は、外側側方突起22;22’;72;122を側方窪み12;12’;62;112から取り外すことを可能にする。
【0060】
外側容器1;1’;51;101内で最初に低位置にある穴付き内側容器2;2’;52;102は、それ故、穴付き内側容器2;2’;52;102または外側容器1;1’;51;101の如何なる変形をも要求することなく、外側容器1;1’;51;101から引き出されることができる。
【0061】
穴付き内側容器2;2’;52;102は、穴付き内側容器2;2’;52;102または外側容器1;1’;51;101の如何なる変形をも要求することなく、外側容器1;1’;51;101内の低位置に再配置されることもできる。
【0062】
換言すれば、側方窪み12;12’;62;112は、穴付き内側容器2;2’;52;102が外側容器1;1’;51;101の内側の低位置から外側に向けて、およびその逆に向けて、移動されるとき、外側側方突起22;22’;72;122のための通路を提供する。
【0063】
穴付き内側容器2;2’;52;102は、側方窪み12;12’;62;112を外側側方突起22;22’;72;122内に挿入することによって、外側容器1;1’;51;101の内側の低位置に配置することができる。
【0064】
穴付き内側容器2;2’;52;102は、外側側方突起22;22’;72;122を支持部材16;16’;66;116上に置くことによって、外側容器1;1’;51;101の内側の高位置に配置することができる。
【0065】
第1、第2および第3実施形態において、側方窪み12;12’;62は、外側容器1;1’;51の内側に、且つ外側容器1;1’;51の上部リム15;15’;65の位置に設けられる。
【0066】
第4実施形態において、側方窪み112は、外側容器101の内側に、且つ外側容器101の上部リム115の下方の位置に設けられる。
【0067】
第4実施形態の変形例として、フィルターシート(単数もしくは複数)128は、必ずしも織った材料から作られていなくてもよく、例えば織ってない材料、または電気放電機械加工によって得られる穴付きメタルから作られることができる。フィルターシート(単数もしくは複数)128によって提供される孔の形状は、必ずしも円形または四角形でなくてもよい。
【0068】
長孔を有するフィルターシート(単数もしくは複数)128が使用されてもよい。ろ過のための関連する寸法パラメータは、孔の幅であり、長さは、ろ過性能に影響を及ぼすことなくより大きくすることができる。
【0069】
変形例として、外側側方突起と支持部材は必ずしも対称的に配置されていなくてもよい;低位置から高位置にもしくはその逆に変更するため、穴付き内側容器の外側容器に対する回転は、必ずしも1/4回転または1/2回転でなくてもよい。
【0070】
本発明は、記述された実施形態とその変形例に決して限定されず、特許請求の範囲の思想内にある数々の形態を包含する。