(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記比較部は、前記発光許可期間が前記基本周期より長いとの比較結果を得た場合に、1回分の前記発光許可期間における前記発光部の発光回数を1回までに制限させるための前記発光制限信号を生成して前記発光制御部へ出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像システム。
前記比較部は、前記基本周期が前記発光許可期間以上の長さであるとの比較結果を得た場合に、前記画像の取得に係るフレームレートを前記所定のフレームレートから半減させるための前記フレームレート制限信号を生成して前記撮像制御部へ出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像システム。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明を行う。
【0011】
(第1の実施例)
図1及び
図2は、本発明の第1の実施例に係るものである。
図1は、第1の実施例に係る撮像システムの要部の構成を示す図である。
【0012】
撮像システム101は、
図1に示すように、内視鏡等の撮像装置に設けられ、被写体を撮像して画像を取得するように構成された撮像部1と、当該画像に基づいて映像信号を生成するように構成された信号処理部2と、当該映像信号に応じた画像等を表示するように構成された表示部3と、を有している。
【0013】
撮像部1は、撮像制御部4(後述)から出力される撮像制御信号に基づいてローリングシャッタ方式の撮像動作(露光及び読出)を行うとともに、当該撮像動作に応じた画像を取得して信号処理部2へ出力するCMOSイメージセンサ(以下、CMOSセンサと略記する)1Aと、CMOSセンサ1Aの撮像動作に係るタイミングに同期する同期信号を生成して信号処理部2及び発光期間制御部5へ出力する同期信号生成部1Bと、を有して構成されている。
【0014】
信号処理部2は、撮像部1から出力される画像及び同期信号に基づき、当該画像に対して所定の処理を施して映像信号を生成するとともに、当該生成した映像信号を当該同期信号に応じたタイミングで表示部3へ出力する。
【0015】
一方、撮像システム101は、撮像制御部4と、発光期間制御部5と、音検出部6と、基本周期検出部7と、発光信号生成部8と、発光制御部9と、発光部10と、を有している。
【0016】
撮像制御部4は、CMOSセンサ1Aの撮像動作に係る動作速度を制御することにより、所定のフレームレートFRA(例えばFRA=60fps)で画像を取得させるための撮像制御信号を生成して撮像部1へ出力する。また、撮像制御部4は、CMOSセンサ1Aに所定のフレームレートFRAで画像を取得させる場合において、1回分の発光許可期間(後述)を0.5/FRA秒以上とするように、CMOSセンサ1Aの撮像動作(露光及び読出)に係る動作速度を制御する。具体的には、撮像制御部4は、例えば、CMOSセンサ1Aに60fpsで画像を取得させる場合において、1回分の発光許可期間(後述)を1/120秒以上とするように、CMOSセンサ1Aの撮像動作(露光及び読出)に係る動作速度を制御する。
【0017】
発光期間制御部5は、撮像部1から出力される同期信号に基づき、CMOSセンサ1Aの露光状態を検出する。また、発光期間制御部5は、CMOSセンサ1Aの露光状態の検出結果に基づき、CMOSセンサ1Aの各ラインにおいて同一のフレームの画像を得るための露光が行われている期間を、発光部10の発光を許可する期間(以下、発光許可期間とも称する)として設定する。CMOSセンサ1Aの各ラインにおいて異なるフレームの画像を得るための露光が行われている期間を、発光部10の発光を許可しない期間(以下、発光不許可期間とも称する)として設定する。そして、発光期間制御部5は、前述のように設定した発光許可期間及び発光不許可期間をそれぞれ識別可能な発光期間制御信号を生成して発光制御部9へ出力する。
【0018】
音検出部6は、例えば、マイクまたは骨伝導デバイス等の集音装置を具備し、声帯等の周期的な動作を行っている(周期的に振動している)被写体から発せられる音を検出するとともに、当該検出した音の強さに応じた信号レベルを具備する音信号を生成して出力する。
【0019】
基本周期検出部7は、音検出部6から出力される音信号の基本波に応じた基本周期(及び基本周波数)を検出するとともに、当該検出した基本周期を特定可能な基本周期信号を生成して発光信号生成部8へ出力する。
【0020】
発光信号生成部8は、基本周期検出部7から出力される基本周期信号に基づき、音検出部6から出力される音信号の基本周期を特定する。そして、発光信号生成部8は、前述のように特定した基本周期に基づき、所定の発光期間及び所定の光量により発光部10をストロボ発光させるためのストロボ発光信号を生成して発光制御部9へ出力する。
【0021】
発光制御部9は、発光期間制御部5から出力される発光期間制御信号により示される発光許可期間に、発光信号生成部8からのストロボ発光信号が入力された場合には、当該ストロボ発光信号に応じて発光部10を発光させるための制御を行う。また、発光制御部9は、発光期間制御部5から出力される発光期間制御信号により示される発光不許可期間に、発光信号生成部8からのストロボ発光信号が入力された場合には、発光部10を発光させないようにするための制御を行う。
【0022】
発光部10は、例えば、LED等のストロボ発光可能な光源を具備し、発光制御部9の制御に応じて被写体を照明するための光を発するように構成されている。
【0023】
続いて、撮像システム101において行われる動作について、声帯を被写体として撮像する場合を例に挙げつつ説明する。
図2は、第1の実施例に係る撮像システムにおいて行われる動作の一例を説明するための図である。
【0024】
なお、以降においては、簡単のため、CMOSセンサ1Aの一のラインにおける露光が完了するタイミングと、当該一のラインに属する各画素に蓄積された電荷の読出が行われるタイミングと、当該一のラインにおける露光が再開されるタイミングと、が略同時であるとして説明を行う。また、以降においては、CMOSセンサ1AがラインL1〜LNのN個のラインを具備しているとともに、ラインL1〜LNがそれぞれP個の画素を具備して構成されているものとして説明を行う。
【0025】
ユーザーは、周期的に動作している(振動している)最中の声帯の近傍に撮像部1及び音検出部6を配置することにより、当該声帯をCMOSセンサ1Aにより撮像させるとともに、当該声帯から発せられる音を音検出部6により検出させる。
【0026】
一方、同期信号生成部1Bは、CMOSセンサ1Aの撮像動作に係るタイミングに同期する同期信号を生成して(信号処理部2及び)発光期間制御部5へ出力する。また、基本周期検出部7は、音検出部6から出力される音信号の基本波に応じた基本周期を検出し、当該検出した基本周期に応じた基本周期信号を生成して発光信号生成部8へ出力する。
【0027】
発光期間制御部5は、撮像部1の同期信号生成部1Bから出力される同期信号に基づいてCMOSセンサ1Aの露光状態を検出し、さらに、当該検出したCMOSセンサ1Aの露光状態に基づいて発光期間制御信号を生成する。
【0028】
ところで、
図2に模式的に示すように、ローリングシャッタ方式の撮像動作においては、例えば、ラインL1の一端に位置する1個目の画素が時刻T1のタイミングで露光され、ラインL1の中途に位置する2個目〜(P−1)個目の画素が時刻T1以後の期間内で順次露光され、ラインL1の他端に位置するP個目の画素が時刻T3のタイミングで露光される。そして、時刻T3のタイミングにおいて、ラインL1に属する各画素に蓄積された電荷の読出が行われるとともに、ラインL1における(1個目の画素からの)露光が再開される。
【0029】
一方、
図2に模式的に示すように、ローリングシャッタ方式の撮像動作においては、例えば、ラインLNの一端に位置する1個目の画素が時刻T1から所定時間だけ後の時刻T2のタイミングで露光され、ラインLNの中途に位置する2個目〜(P−1)個目の画素が時刻T2以後の期間内で順次露光され、ラインLNの他端に位置するP個目の画素が時刻T3から前記所定時間だけ後の時刻T4のタイミングで露光される。そして、時刻T4のタイミングにおいて、ラインLNに属する各画素に蓄積された電荷の読出が行われるとともに、ラインLNにおける(1個目の画素からの)露光が再開される。
【0030】
すなわち、以上に述べたようなローリングシャッタ方式の撮像動作によれば、時刻T2から時刻T3までの期間を、CMOSセンサ1AのラインL1〜LNにおいて同一のフレームの画像を得るための露光が行われている期間として扱うことができる。一方、以上に述べたようなローリングシャッタ方式の撮像動作によれば、時刻T1以後から時刻T2以前までの期間、及び、時刻T3以後から時刻T4以前までの期間を、CMOSセンサ1AのラインL1〜LNにおいて異なるフレームの画像を得るための露光が行われている期間として扱うことができる。
【0031】
そのため、発光期間制御部5は、撮像部1による声帯の撮像に伴って同期信号生成部1Bから出力される同期信号に基づき、時刻T1から時刻T4までにおけるラインL1〜LNの各ラインの露光状態を(CMOSセンサ1Aの露光状態として)検出する。また、発光期間制御部5は、時刻T2から時刻T3までの期間を発光許可期間として設定するとともに、時刻T1以後から時刻T2以前までの期間、及び、時刻T3以後から時刻T4以前までの期間を発光不許可期間として設定する。そして、発光期間制御部5は、
図2に例示するような、発光許可期間における信号レベルと、発光不許可期間における信号レベルと、をそれぞれ異ならせた発光期間制御信号を生成して発光制御部9へ出力する。
【0032】
一方、発光信号生成部8は、基本周期検出部7から出力される基本周期信号に基づき、音検出部6から出力される音信号の基本周期BC1を特定する。そして、発光信号生成部8は、
図2に例示するような、発光部10を基本周期BC1毎にストロボ発光させるためのストロボ発光信号を生成して発光制御部9へ出力する。
【0033】
発光制御部9は、発光期間制御部5から出力される発光期間制御信号により示される発光許可期間である、時刻T2から時刻T3までの期間に発光信号生成部8からのストロボ発光信号が入力された場合には、当該ストロボ発光信号に応じて発光部10を発光させる。一方、発光制御部9は、発光期間制御部5から出力される発光期間制御信号により示される発光不許可期間である、時刻T1以後から時刻T2以前までの期間、及び、時刻T3以後から時刻T4以前までの期間に発光信号生成部8からのストロボ発光信号が入力された場合には、当該ストロボ発光信号(の入力)を無効化することにより発光部10を発光させないようにする。そして、このような制御が発光制御部9において行われることにより、
図2に例示するような発光状態で発光部10が発光する。
【0034】
以上に述べたように、本実施例の撮像システム101によれば、CMOSセンサ1AのラインL1〜LNにおいて同一のフレームの画像を得るための露光が行われている期間中に、発光部10をストロボ発光させるための制御が行われる一方で、CMOSセンサ1AのラインL1〜LNにおいて異なるフレームの画像を得るための露光が行われている期間中には、発光部10を発光させないようにするための制御が行われる。そのため、本実施例の撮像システム101によれば、例えば、声帯等の周期的に動作する(周期的に振動する)被写体をストロボ撮影することにより、当該被写体を擬似的な静止状態として観察する場合において、同一フレーム内の明るさのムラが抑制された画像を表示部3に表示させることができる。
【0035】
すなわち、本実施例の撮像システム101によれば、周期的に動作する被写体のストロボ撮影を行う際に、ローリングシャッタ方式の撮像動作に起因して発生する画質の劣化を抑制することができる。
【0036】
(第2の実施例)
図3から
図5は、本発明の第2の実施例に係るものである。
図3は、第2の実施例に係る撮像システムの要部の構成を示す図である。
【0037】
なお、本実施例においては、第1の実施例と同様の構成等を有する部分に関する詳細な説明を省略するとともに、第1の実施例と異なる構成等を有する部分に関して主に説明を行う。
【0038】
撮像システム102は、
図3に示すように、撮像部1と、信号処理部2と、表示部3と、撮像制御部4と、発光期間制御部5と、音検出部6と、基本周期検出部7と、発光信号生成部8と、発光制御部9と、発光部10と、比較部11と、を有している。
【0039】
比較部11は、発光期間制御部5から出力される発光期間制御信号に基づいて発光許可期間を特定するとともに、基本周期検出部7から出力される基本周期信号に基づいて音検出部6から出力される音信号の基本周期を特定する。
【0040】
そして、比較部11は、発光許可期間と基本周期とを比較することにより、発光許可期間が基本周期より長いとの比較結果を得た場合に、1回分の発光許可期間における発光部10の発光回数(ストロボ発光回数)を1回までに制限させるための発光制限信号を生成して発光制御部9へ出力する。また、比較部11は、発光許可期間と基本周期とを比較することにより、基本周期が発光許可期間以上の長さであるとの比較結果を得た場合に、CMOSセンサ1Aによる画像の取得に係るフレームレートを所定のフレームレートFRAの半分に低下させるためのフレームレート制限信号を生成して撮像制御部4へ出力する。
【0041】
次に、撮像システム102において、発光許可期間が基本周期より長いとの比較結果が得られた場合に行われる動作について、声帯を被写体として撮像する場合を例に挙げつつ説明する。
図4は、第2の実施例に係る撮像システムにおいて、発光許可期間が基本周期より長いとの比較結果が得られた場合に行われる動作の一例を説明するための図である。
【0042】
ユーザーは、周期的に動作している(振動している)最中の声帯の近傍に撮像部1及び音検出部6を配置することにより、当該声帯をCMOSセンサ1Aにより撮像させるとともに、当該声帯から発せられる音を音検出部6により検出させる。
【0043】
同期信号生成部1Bは、CMOSセンサ1Aの撮像動作に係るタイミングに同期する同期信号を生成して(信号処理部2及び)発光期間制御部5へ出力する。また、基本周期検出部7は、音検出部6から出力される音信号の基本波に応じた基本周期を検出し、当該検出した基本周期に応じた基本周期信号を生成して発光信号生成部8へ出力する。
【0044】
ところで、
図4に模式的に示すように、ローリングシャッタ方式の撮像動作においては、例えば、ラインL1の一端に位置する1個目の画素が時刻T11のタイミングで露光され、ラインL1の中途に位置する2個目〜(P−1)個目の画素が時刻T11以後の期間内で順次露光され、ラインL1の他端に位置するP個目の画素が時刻T13のタイミングで露光される。そして、時刻T13のタイミングにおいて、ラインL1に属する各画素に蓄積された電荷の読出が行われるとともに、ラインL1における(1個目の画素からの)露光が再開される。
【0045】
また、
図4に模式的に示すように、ローリングシャッタ方式の撮像動作においては、例えば、ラインLNの一端に位置する1個目の画素が時刻T11から所定時間だけ後の時刻T12のタイミングで露光され、ラインLNの中途に位置する2個目〜(P−1)個目の画素が時刻T12以後の期間内で順次露光され、ラインLNの他端に位置するP個目の画素が時刻T13から前記所定時間だけ後の時刻T14のタイミングで露光される。そして、時刻T14のタイミングにおいて、ラインLNに属する各画素に蓄積された電荷の読出が行われるとともに、ラインLNにおける(1個目の画素からの)露光が再開される。
【0046】
すなわち、以上に述べたようなローリングシャッタ方式の撮像動作によれば、時刻T12から時刻T13までの期間を、CMOSセンサ1AのラインL1〜LNにおいて同一のフレームの画像を得るための露光が行われている期間として扱うことができる。一方、以上に述べたようなローリングシャッタ方式の撮像動作によれば、時刻T11以後から時刻T12以前までの期間、及び、時刻T13以後から時刻T14以前までの期間を、CMOSセンサ1AのラインL1〜LNにおいて異なるフレームの画像を得るための露光が行われている期間として扱うことができる。
【0047】
発光期間制御部5は、撮像部1による声帯の撮像に伴って同期信号生成部1Bから出力される同期信号に基づき、時刻T11から時刻T14までにおけるラインL1〜LNの各ラインの露光状態を(CMOSセンサ1Aの露光状態として)検出する。また、発光期間制御部5は、時刻T12から時刻T13までの期間を発光許可期間として設定するとともに、時刻T11以後から時刻T12以前までの期間、及び、時刻T13以後から時刻T14以前までの期間を発光不許可期間として設定する。そして、発光期間制御部5は、
図4に例示するような、発光許可期間における信号レベルと、発光不許可期間における信号レベルと、をそれぞれ異ならせた発光期間制御信号を生成して発光制御部9へ出力する。
【0048】
発光信号生成部8は、基本周期検出部7から出力される基本周期信号に基づき、音検出部6から出力される音信号の基本周期BC2を特定する。そして、発光信号生成部8は、
図4に例示するような、発光部10を基本周期BC2毎にストロボ発光させるためのストロボ発光信号を生成して発光制御部9へ出力する。
【0049】
発光制御部9は、比較部11から出力される発光制限信号に基づき、時刻T12から時刻T13までの期間においては、1回目のストロボ発光信号(の入力)に応じて発光部10を発光させる一方で、2回目以降のストロボ発光信号(の入力)を無効化することにより発光部10を発光させないようにする。また、発光制御部9は、時刻T11以後から時刻T12以前までの期間、及び、時刻T13以後から時刻T14以前までの期間に発光信号生成部8からのストロボ発光信号が入力された場合には、当該ストロボ発光信号(の入力)を無効化することにより発光部10を発光させないようにする。そして、このような制御が発光制御部9において行われることにより、
図4に例示するような発光状態で発光部10が発光する。
【0050】
なお、以上に述べた撮像システム102の動作によれば、発光許可期間が基本周期の2倍以上大きいとの比較結果が得られた場合、すなわち、1回分の発光許可期間内に常に2回以上のストロボ発光信号が発光信号生成部8から出力される場合において、発光部10の発光回数(ストロボ発光回数)を制限するための制御が発光制御部9により行われるようにする代わりに、発光部10の1回あたりの発光光量(ストロボ発光光量)を基本周期の大きさに応じて低下するための制御が発光制御部9により行われるようにしてもよい。具体的には、例えば、発光許可期間が基本周期の3倍大きいとの比較結果が得られた場合、すなわち、1回分の発光許可期間内に3回のストロボ発光信号が発光信号生成部8から出力されるような場合において、発光部10の1回あたりのストロボ発光光量を3分の1に低下させるための発光制限信号が比較部11から発光制御部9へ出力されるようにすればよい。
【0051】
続いて、撮像システム102において、基本周期が発光許可期間以上の長さであるとの比較結果が得られた場合に行われる動作について、声帯を被写体として撮像する場合を例に挙げつつ説明する。
図5は、第2の実施例に係る撮像システムにおいて、基本周期が発光許可期間以上の長さであるとの比較結果が得られた場合に行われる動作の一例を説明するための図である。
【0052】
ユーザーは、周期的に動作している(振動している)最中の声帯の近傍に撮像部1及び音検出部6を配置することにより、当該声帯をCMOSセンサ1Aにより撮像させるとともに、当該声帯から発せられる音を音検出部6により検出させる。
【0053】
撮像制御部4は、比較部11から出力されるフレームレート制限信号に基づき、CMOSセンサ1Aの露光及び読出に係る動作速度をそれぞれ低下させることにより、所定のフレームレートFRAの半分のフレームレート(例えば30fps)で画像を取得させるための撮像制御信号を生成して撮像部1へ出力する。
【0054】
同期信号生成部1Bは、CMOSセンサ1Aの撮像動作に係るタイミングに同期する同期信号を生成して(信号処理部2及び)発光期間制御部5へ出力する。また、基本周期検出部7は、音検出部6から出力される音信号の基本波に応じた基本周期を検出し、当該検出した基本周期に応じた基本周期信号を生成して発光信号生成部8へ出力する。
【0055】
ところで、
図5に模式的に示すように、ローリングシャッタ方式の撮像動作においては、例えば、ラインL1の一端に位置する1個目の画素が時刻T21のタイミングで露光され、ラインL1の中途に位置する2個目〜(P−1)個目の画素が時刻T21以後の期間内で順次露光され、ラインL1の他端に位置するP個目の画素が時刻T23のタイミングで露光される。そして、時刻T23のタイミングにおいて、ラインL1に属する各画素に蓄積された電荷の読出が行われるとともに、ラインL1における(1個目の画素からの)露光が再開される。
【0056】
また、
図5に模式的に示すように、ローリングシャッタ方式の撮像動作においては、例えば、ラインLNの一端に位置する1個目の画素が時刻T21から所定時間だけ後の時刻T22のタイミングで露光され、ラインLNの中途に位置する2個目〜(P−1)個目の画素が時刻T22以後の期間内で順次露光され、ラインLNの他端に位置するP個目の画素が時刻T23から前記所定時間だけ後の時刻T24のタイミングで露光される。そして、時刻T24のタイミングにおいて、ラインLNに属する各画素に蓄積された電荷の読出が行われるとともに、ラインLNにおける(1個目の画素からの)露光が再開される。
【0057】
すなわち、以上に述べたようなローリングシャッタ方式の撮像動作によれば、時刻T22から時刻T23までの期間を、CMOSセンサ1AのラインL1〜LNにおいて同一のフレームの画像を得るための露光が行われている期間として扱うことができる。一方、以上に述べたようなローリングシャッタ方式の撮像動作によれば、時刻T21以後から時刻T22以前までの期間、及び、時刻T23以後から時刻T24以前までの期間を、CMOSセンサ1AのラインL1〜LNにおいて異なるフレームの画像を得るための露光が行われている期間として扱うことができる。
【0058】
発光期間制御部5は、撮像部1による声帯の撮像に伴って同期信号生成部1Bから出力される同期信号に基づき、時刻T21から時刻T24までにおけるラインL1〜LNの各ラインの露光状態を(CMOSセンサ1Aの露光状態として)検出する。また、発光期間制御部5は、時刻T22から時刻T23までの期間を発光許可期間として設定するとともに、時刻T21以後から時刻T22以前までの期間、及び、時刻T23以後から時刻T24以前までの期間を発光不許可期間として設定する。そして、発光期間制御部5は、
図5に例示するような、発光許可期間における信号レベルと、発光不許可期間における信号レベルと、をそれぞれ異ならせた発光期間制御信号を生成して発光制御部9へ出力する。
【0059】
発光信号生成部8は、基本周期検出部7から出力される基本周期信号に基づき、音検出部6から出力される音信号の基本周期BC3を特定する。そして、発光信号生成部8は、
図5に例示するような、発光部10を基本周期BC3毎にストロボ発光させるためのストロボ発光信号を生成して発光制御部9へ出力する。
【0060】
発光制御部9は、時刻T22から時刻T23までの期間に発光信号生成部8からのストロボ発光信号が入力された場合には、当該ストロボ発光信号に応じて発光部10を発光させる。また、発光制御部9は、時刻T21以後から時刻T22以前までの期間、及び、時刻T23以後から時刻T24以前までの期間に発光信号生成部8からのストロボ発光信号が入力された場合には、当該ストロボ発光信号(の入力)を無効化することにより発光部10を発光させないようにする。そして、このような制御が発光制御部9において行われることにより、
図5に例示するような発光状態で発光部10が発光する。
【0061】
以上に述べたように、本実施例の撮像システム102によれば、CMOSセンサ1AのラインL1〜LNにおいて同一のフレームの画像を得るための露光が行われている期間中に、発光部10をストロボ発光させるための制御が行われる一方で、CMOSセンサ1AのラインL1〜LNにおいて異なるフレームの画像を得るための露光が行われている期間中には、発光部10を発光させないようにするための制御が行われる。そのため、本実施例の撮像システム102によれば、例えば、声帯等の周期的に動作する(周期的に振動する)被写体をストロボ撮影することにより、当該被写体を擬似的な静止状態として観察するような場合において、同一フレーム内の明るさのムラが抑制された画像を表示部3に表示させることができる。
【0062】
一方、本実施例の撮像システム102によれば、発光許可期間が基本周期より長いとの比較結果が比較部11により得られた場合に、発光部10のストロボ発光回数またはストロボ発光光量を制限することにより、露光過剰な状態で画像が生成されることを極力防止することができる。また、本実施例の撮像システム102によれば、基本周期が発光許可期間以上の長さであるとの比較結果が比較部11により得られた場合に、画像の取得に係るフレームレートを所定のフレームレートFRAから低下させることにより、露光不足な状態で画像が生成されることを極力防止することができる。そのため、本実施例の撮像システム102によれば、例えば、声帯等の周期的に動作する(周期的に振動する)被写体をストロボ撮影することにより、当該被写体を擬似的な静止状態として観察するような場合において、各フレーム間の明るさのムラが抑制された画像を表示部3に表示させることができる。
【0063】
すなわち、本実施例の撮像システム102によれば、周期的に動作する被写体のストロボ撮影を行う際に、ローリングシャッタ方式の撮像動作に起因して発生する画質の劣化を抑制することができる。
【0064】
(第3の実施例)
図6及び
図7は、本発明の第3の実施例に係るものである。
図6は、第3の実施例に係る撮像システムの要部の構成を示す図である。
【0065】
なお、本実施例においては、第1及び第2の実施例の少なくともいずれか一方と同様の構成等を有する部分に関する詳細な説明を省略するとともに、第1及び第2の実施例のいずれともと異なる構成等を有する部分に関して主に説明を行う。
【0066】
撮像システム103は、
図6に示すように、撮像部1と、信号処理部2と、表示部3と、撮像制御部4と、発光期間制御部5と、音検出部6と、基本周期検出部7と、発光信号生成部8と、発光制御部9と、発光部10と、ユーザーインターフェース部(以下、ユーザーI/F部と略記する)12と、シフト期間算出部13と、を有している。
【0067】
ユーザーI/F部12は、タッチパネルまたはキーボード等の入力装置を具備し、声帯等の周期的に動作する(周期的に振動する)被写体を擬似的なスローモーション状態として観察する際に、表示部3に表示される当該被写体の動きを毎秒何フレームずつ遷移させるかを示す値である、スローモーション表示レートSDRを設定することができるように構成されている。具体的には、例えば、表示部3に表示される被写体の動きを毎秒2フレームずつ遷移させる場合においては、スローモーション表示レートSDRの値が2として設定される。一方、ユーザーI/F部12は、スローモーション表示レートSDRとして設定された値をシフト期間算出部13へ出力する。
【0068】
シフト期間算出部13は、撮像制御部4から出力される撮像制御信号に基づき、所定のフレームレートFRAで画像の取得が行われていることを検出する。また、シフト期間算出部13は、前述のように検出した所定のフレームレートFRAの逆数と、ユーザーI/F部12から出力されるスローモーション表示レートSDRの逆数と、を乗ずることにより、発光部10の発光間隔をシフトさせる際に用いられるシフト期間βを算出し、当該算出したシフト期間βの値を発光信号生成部8へ出力する。具体的には、例えば、所定のフレームレートFRAが60fpsであるとともに、スローモーション表示レートSDRの値が2である場合には、シフト期間βが1/120秒として算出される。
【0069】
続いて、撮像システム103において行われる動作について、声帯を被写体として撮像する場合を例に挙げつつ説明する。
図7は、第3の実施例に係る撮像システムにおいて行われる動作の一例を説明するための図である。
【0070】
ユーザーは、周期的に動作している(振動している)最中の声帯の近傍に撮像部1及び音検出部6を配置することにより、当該声帯をCMOSセンサ1Aにより撮像させるとともに、当該声帯から発せられる音を音検出部6により検出させる。
【0071】
同期信号生成部1Bは、CMOSセンサ1Aの撮像動作に係るタイミングに同期する同期信号を生成して(信号処理部2及び)発光期間制御部5へ出力する。また、基本周期検出部7は、音検出部6から出力される音信号の基本波に応じた基本周期を検出し、当該検出した基本周期に応じた基本周期信号を生成して発光信号生成部8へ出力する。
【0072】
ところで、
図7に模式的に示すように、ローリングシャッタ方式の撮像動作においては、例えば、ラインL1の一端に位置する1個目の画素が時刻T31のタイミングで露光され、ラインL1の中途に位置する2個目〜(P−1)個目の画素が時刻T31以後の期間内で順次露光され、ラインL1の他端に位置するP個目の画素が時刻T33のタイミングで露光される。そして、時刻T33のタイミングにおいて、ラインL1に属する各画素に蓄積された電荷の読出が行われるとともに、ラインL1における(1個目の画素からの)露光が再開される。
【0073】
また、
図7に模式的に示すように、ローリングシャッタ方式の撮像動作においては、例えば、ラインLNの一端に位置する1個目の画素が時刻T31から所定時間だけ後の時刻T32のタイミングで露光され、ラインLNの中途に位置する2個目〜(P−1)個目の画素が時刻T32以後の期間内で順次露光され、ラインLNの他端に位置するP個目の画素が時刻T33から前記所定時間だけ後の時刻T34のタイミングで露光される。そして、時刻T34のタイミングにおいて、ラインLNに属する各画素に蓄積された電荷の読出が行われるとともに、ラインLNにおける(1個目の画素からの)露光が再開される。
【0074】
すなわち、以上に述べたようなローリングシャッタ方式の撮像動作によれば、時刻T32から時刻T33までの期間を、CMOSセンサ1AのラインL1〜LNにおいて同一のフレームの画像を得るための露光が行われている期間として扱うことができる。一方、以上に述べたようなローリングシャッタ方式の撮像動作によれば、時刻T31以後から時刻T32以前までの期間、及び、時刻T33以後から時刻T34以前までの期間を、CMOSセンサ1AのラインL1〜LNにおいて異なるフレームの画像を得るための露光が行われている期間として扱うことができる。
【0075】
発光期間制御部5は、撮像部1による声帯の撮像に伴って同期信号生成部1Bから出力される同期信号に基づき、時刻T31から時刻T34までにおけるラインL1〜LNの各ラインの露光状態を(CMOSセンサ1Aの露光状態として)検出する。また、発光期間制御部5は、時刻T32から時刻T33までの期間を発光許可期間として設定するとともに、時刻T31以後から時刻T32以前までの期間、及び、時刻T33以後から時刻T34以前までの期間を発光不許可期間として設定する。そして、発光期間制御部5は、
図7に例示するような、発光許可期間における信号レベルと、発光不許可期間における信号レベルと、をそれぞれ異ならせた発光期間制御信号を生成して発光信号生成部8及び発光制御部9へ出力する。
【0076】
発光信号生成部8は、基本周期検出部7から出力される基本周期信号に基づき、音検出部6から出力される音信号の基本周期BC4を特定する。その後、発光信号生成部8は、前述のように特定した基本周期BC4と、シフト期間算出部13から出力されるシフト期間βと、発光期間制御部5から出力される発光期間制御信号と、に基づき、基本周期BC4及びシフト期間βが経過した直後に相当する一のタイミングが発光許可期間または発光不許可期間のいずれに属するかを判定する。そして、発光信号生成部8は、基本周期BC4及びシフト期間βが経過した直後に相当する一のタイミングが発光許可期間に属するとの判定結果を得た場合には、当該一のタイミングでストロボ発光信号を生成して発光制御部9へ出力する。また、発光信号生成部8は、基本周期BC4及びシフト期間βが経過した直後に相当する一のタイミングが発光不許可期間に属するとの判定結果を得た場合には、当該一のタイミングではなく、基本周期BC4が経過した直後に相当する他のタイミングでストロボ発光信号を生成して発光制御部9へ出力する。
【0077】
発光制御部9は、時刻T32から時刻T33までの期間に発光信号生成部8からのストロボ発光信号が入力された場合には、当該ストロボ発光信号に応じて発光部10を発光させる。また、発光制御部9は、時刻T31以後から時刻T32以前までの期間、及び、時刻T33以後から時刻T34以前までの期間に発光信号生成部8からのストロボ発光信号が入力された場合には、当該ストロボ発光信号(の入力)を無効化することにより発光部10を発光させないようにする。そして、このような制御が発光制御部9において行われることにより、
図7に例示するような発光状態で発光部10が発光する。
【0078】
以上に述べたように、本実施例の撮像システム103によれば、CMOSセンサ1AのラインL1〜LNにおいて同一のフレームの画像を得るための露光が行われている期間中に、発光部10をストロボ発光させるための制御が行われる一方で、CMOSセンサ1AのラインL1〜LNにおいて異なるフレームの画像を得るための露光が行われている期間中には、発光部10を発光させないようにするための制御が行われる。そのため、本実施例の撮像システム103によれば、例えば、声帯等の周期的に動作する(周期的に振動する)被写体をストロボ撮影することにより、当該被写体を擬似的なスローモーション状態として観察するような場合において、同一フレーム内の明るさのムラが抑制された画像を表示部3に表示させることができる。
【0079】
一方、本実施例の撮像システム103によれば、基本周期BC4及びシフト期間βが経過した直後に相当する一のタイミングが発光許可期間である場合に限って発光部10を発光させるような制御が行われる。そのため、本実施例の撮像システム103によれば、例えば、声帯等の周期的に動作する(周期的に振動する)被写体をストロボ撮影することにより、当該被写体を擬似的なスローモーション状態として観察するような場合において、各フレーム間の連続性が確保された画像を表示部3に表示させることができる。
【0080】
すなわち、本実施例の撮像システム103によれば、周期的に動作する被写体のストロボ撮影を行う際に、ローリングシャッタ方式の撮像動作に起因して発生する画質の劣化を抑制することができる。
【0081】
なお、本発明は、上述した各実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更や応用が可能であることは勿論である。
【0082】
本出願は、2013年7月9日に日本国に出願された特願2013−143801号を優先権主張の基礎として出願するものであり、上記の開示内容は、本願明細書、請求の範囲、図面に引用されたものとする。