特許第5784862号(P5784862)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5784862
(24)【登録日】2015年7月31日
(45)【発行日】2015年9月24日
(54)【発明の名称】洗浄補助具
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20150907BHJP
   A61B 1/12 20060101ALI20150907BHJP
【FI】
   A61B1/00 332A
   A61B1/12
【請求項の数】11
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2015-514272(P2015-514272)
(86)(22)【出願日】2014年10月23日
(86)【国際出願番号】JP2014078222
【審査請求日】2015年3月17日
(31)【優先権主張番号】特願2014-30897(P2014-30897)
(32)【優先日】2014年2月20日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076233
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 進
(74)【代理人】
【識別番号】100101661
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100135932
【弁理士】
【氏名又は名称】篠浦 治
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 友和
【審査官】 野田 洋平
(56)【参考文献】
【文献】 特表2012−505032(JP,A)
【文献】 特開2000−70218(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00 −1/32
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
有底筒の形状を有し、内視鏡内に挿通された第1管路からの流体が導入される第1開口、前記第1管路へ流体が導出する第2開口、前記内視鏡内において前記第1管路に併走している第2管路からの流体が導入される第3開口、及び前記第2管路へ流体が導出する第4開口を有する前記有底筒内に挿入される洗浄補助具であって、
前記有底筒の開口を塞ぐ蓋部と、
第1の端部が前記蓋部に接続され、第2の端部が前記有底筒内に延びている軸部と、
前記軸部の前記第2の端部側に設けられ、前記第1開口及び前記第2開口と、前記第3開口及び前記第4開口との間に位置し、前記有底筒の内壁から所定距離だけ離間した隙間を有する状態で、前記第1管路側と前記第2管路側とを仕切る仕切り部と、
前記仕切り部の外周側に配置され、前記有底筒内において前記第1管路側と前記第2管路側との内圧が拮抗している場合には、前記有底筒の内壁から所定の距離だけ離間し、前記第1管路側の内圧が前記第2管路側の内圧よりも高くなった場合に、前記第1管路側の内圧を受けて変形して前記有底筒の内壁に密着し、前記第2管路側の内圧が前記第1管路側の内圧よりも高くなった場合に、前記第2管路側の内圧を受けて変形して前記有底筒の内壁に密着する密着部と、
を含むことを特徴とする洗浄補助具。
【請求項2】
前記仕切り部は、
前記軸部に固定された第1板部材と、
前記軸部に固定され、前記第1板部材よりも、前記第1管路側に配置された第2板部材と、
前記軸部の外径よりも大きな内径を有する円環状を有し、前記軸部が前記円環の中央部の孔に通された状態で前記第1板部材と前記第2板部材の間に配置され、前記第1管路と前記第2管路のうち内圧が低い方へ前記軸部に沿って移動する第3板部材と、
を含み、
前記密着部は、変形可能な材料からなる第1変形部と、変形可能な材料からなる第2変形部とからなり、
前記第1変形部は、前記第3板部材の前記第2管路側の外周に沿って設けられ、前記第1板部材と前記第3板部材とにより押圧されることにより潰れて外径が広がり、前記有底筒の内壁に密着し、
前記第2変形部は、前記第3板部材の前記第1管路側の外周に沿って設けられ、前記第2板部材と前記第3板部材とにより押圧されることにより潰れて外径が広がり、前記有底筒の内壁に密着する、
ことを特徴とする請求項1に記載の洗浄補助具。
【請求項3】
前記第1変形部と前記第2変形部の少なくとも1つは、円環形状を有し、前記円環の中心に向かって厚さが小さくなる傾斜面を有することを特徴とする請求項2に記載の洗浄補助具。
【請求項4】
前記仕切り部は、
前記密着部としてのバルーン部材と、
前記バルーン部材の前記第1管路側に設けられた第1弁と、
前記バルーン部材の前記第2管路側に設けられた第2弁と、
を有し、
前記バルーン部材の外周部は、前記有底筒内において前記第1管路側と前記第2管路側との内圧が拮抗している場合には、前記有底筒の内壁から前記所定の距離だけ離間し、前記第1管路側の内圧が前記第2管路側の内圧よりも高くなった場合に、前記第1弁が開いて前記第1管路側の内圧を受けて変形して前記有底筒の内壁に密着し、前記第2管路側の内圧が前記第1管路側の内圧よりも高くなった場合に、前記第2弁が開いて前記第2管路側の内圧を受けて変形して前記有底筒の内壁に密着することを特徴とする請求項1に記載の洗浄補助具。
【請求項5】
前記洗浄補助具を前記有底筒に固定するための固定部材を有することを特徴とする請求項1に記載の洗浄補助具。
【請求項6】
一端が開口し他端が塞がっている有底筒の形状を有し、内視鏡内に挿通された第1管路からの流体が導入される第1開口、前記第1管路へ流体が導出する第2開口、前記内視鏡内において前記第1管路に併走している第2管路からの流体が導入される第3開口、及び前記第2管路へ流体が導出する第4開口を有する前記有底筒内に挿入される洗浄補助具であって、
前記有底筒の開口を塞ぐ蓋部と、
第1の端部が前記蓋部に接続され、第2の端部が前記有底筒内に延びている軸部と、
前記軸部の前記第2の端部側に設けられ、前記第1開口及び前記第2開口と、前記第3開口及び前記第4開口との間に位置し、前記有底筒の内壁に密着した状態で、前記第1管路側と前記第2管路側とを仕切り、前記第1管路側の内圧が前記第2管路側の内圧よりも高くなった場合に、前記第1管路側の内圧を受けて前記軸部の前記第2の端部側へ移動し、前記第2管路側の内圧が前記第1管路側の内圧よりも高くなった場合に、前記第2管路側の内圧を受けて前記軸部の前記第1の端部側へ移動する仕切り部と、
を含むことを特徴とする洗浄補助具。
【請求項7】
前記軸部に固定された第1板部材と、
前記軸部に固定され、前記第1板部材よりも、前記第1管路側に配置された第2板部材と、
を有し、
前記仕切り部は、前記第1板部材と前記第2板部材の間に配置されていることを特徴とする請求項6に記載の洗浄補助具。
【請求項8】
前記仕切り部は、第3板部材と、前記第3板部材の外周部に設けられたシール部材とを有することを特徴とする請求項6に記載の洗浄補助具。
【請求項9】
前記洗浄補助具を前記有底筒に固定するための固定部材を有することを特徴とする請求項1に記載の洗浄補助具。
【請求項10】
有底筒の形状を有し、内視鏡内に挿通された第1管路からの流体が導入される第1開口、前記第1管路へ流体が導出する第2開口、前記第1管路から導入された流体が、前記内視鏡内において前記第1管路の途中位置から併走している第2管路へ導出する第4開口を有する前記有底筒内に挿入される洗浄補助具であって、
前記有底筒の開口を塞ぐ蓋部と、
前記蓋部を貫通し、管状を有し、第1の端部が前記有底筒の外で開口し、第2の端部が前記有底筒の中で開口している軸部と、
前記軸部に設けられ、前記第1開口及び前記第2開口と、前記第4開口との間に位置し、前記有底筒の内壁から所定距離だけ離間した隙間を有する状態で、前記第1管路側と前記第2管路側とを仕切る仕切り部と、
前記仕切り部の外周側に配置され、前記有底筒内において前記第1管路側と前記第2管路側との内圧が拮抗している場合には、前記有底筒の内壁から所定の距離だけ離間し、前記第1管路側の内圧が前記第2管路側の内圧よりも高くなった場合に、前記第1管路側の内圧を受けて変形して前記有底筒の内壁に密着し、前記第2管路側の内圧が前記第1管路側の内圧よりも高くなった場合に、前記第2管路側の内圧を受けて変形して前記有底筒の内壁に密着する密着部と、
を含むことを特徴とする洗浄補助具。
【請求項11】
前記軸部のうち、前記蓋部と前記第1の端部との間に前記軸部を流れる液体の流量を測定する流量センサを備えることを特徴とする請求項10に記載の洗浄補助具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡の洗浄消毒時に使用される洗浄補助具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、内視鏡は、使用後、洗浄消毒装置により洗浄及び消毒される。内視鏡の挿入部内には、送気管路及び送水管路が挿通されており、洗浄消毒装置では、送気管路及び送水管路内の洗浄及び消毒も行われる。
【0003】
内視鏡の操作部には、送気送水用シリンダが配設され、送気送水用シリンダ(以下、単にシリンダともいう)は、開口と底部を有する凹部として形成されている。シリンダの内壁には、送気管路用の2つの開口と、送水管路用の2つの開口が形成されており、シリンダの内部で、送気管路と送水管路とは連通している。シリンダには、送気及び送水のためのボタン(以下、送気送水ボタンという)が嵌合し、術者は、送気送水ボタンを操作することにより、内視鏡の挿入部への送気及び送水を行うことができる。
内視鏡の洗浄消毒時、送気送水ボタンがシリンダから取り外され、シリンダに洗浄用アダプタが装着されてから、内視鏡は洗浄消毒される。
【0004】
また、送気管路あるいは送水管路内に異物が紛れ込んでこれらの管路が詰まっていると、送気管路あるいは送水管路内の洗浄性及び消毒性が担保できない。そのため、洗浄及び消毒処理時に、送気管路及び送水管路のそれぞれに設けられた流量センサを利用して管路の詰まりを検知する機能を有する洗浄消毒装置も提案されている。
【0005】
送気管路及び送水管路に流れる液体がシリンダ内において合流する場合、送気管路及び送水管路の一方に詰まりがあっても、流量センサがその詰まりを検知できないため、特表2012−505032号公報に開示されるように、シリンダ内において、送気管路と送水管路を互いに分離するセパレータも提案されている。セパレータは、シリンダ内において送気管路の流路と送水管路の流路を仕切ることにより、送気管路及び送水管路のそれぞれの管路の詰まりを検知できるようにするものである。
【0006】
しかし、その提案に係るシリンダに装着されたセパレータは、シリンダ内をOリングなどのシール部材で仕切るため、シール部材が密着するシリンダ内壁の部分は、洗浄液及び消毒液が触れないため、洗浄消毒されないという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、洗浄消毒時に例えば送気管路及び送水管路といった複数の管路のそれぞれの管路の詰まりを検知できると共に、シリンダ内壁を確実に洗浄消毒できる洗浄補助具を提供することを目的とする。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様の洗浄補助具は、有底筒の形状を有し、内視鏡内に挿通された第1管路からの流体が導入される第1開口、前記第1管路へ流体が導出する第2開口、前記内視鏡内において前記第1管路に併走している第2管路からの流体が導入される第3開口、及び前記第2管路へ流体が導出する第4開口を有する前記有底筒内に挿入される洗浄補助具であって、前記有底筒の開口を塞ぐ蓋部と、第1の端部が前記蓋部に接続され、第2の端部が前記有底筒内に延びている軸部と、前記軸部の前記第2の端部側に設けられ、前記第1開口及び前記第2開口と、前記第3開口及び前記第4開口との間に位置し、前記有底筒の内壁から所定距離だけ離間した隙間を有する状態で、前記第1管路側と前記第2管路側とを仕切る仕切り部と、前記仕切り部の外周側に配置され、前記有底筒内において前記第1管路側と前記第2管路側との内圧が拮抗している場合には、前記有底筒の内壁から所定の距離だけ離間し、前記第1管路側の内圧が前記第2管路側の内圧よりも高くなった場合に、前記第1管路側の内圧を受けて変形して前記有底筒の内壁に密着し、前記第2管路側の内圧が前記第1管路側の内圧よりも高くなった場合に、前記第2管路側の内圧を受けて変形して前記有底筒の内壁に密着する密着部と、を含む。
【0009】
本発明の一態様の洗浄補助具は、一端が開口し他端が塞がっている有底筒の形状を有し、内視鏡内に挿通された第1管路からの流体が導入される第1開口、前記第1管路へ流体が導出する第2開口、前記内視鏡内において前記第1管路に併走している第2管路からの流体が導入される第3開口、及び前記第2管路へ流体が導出する第4開口を有する前記有底筒内に挿入される洗浄補助具であって、前記有底筒の開口を塞ぐ蓋部と、第1の端部が前記蓋部に接続され、第2の端部が前記有底筒内に延びている軸部と、前記軸部の前記第2の端部側に設けられ、前記第1開口及び前記第2開口と、前記第3開口及び前記第4開口との間に位置し、前記有底筒の内壁に密着した状態で、前記第1管路側と前記第2管路側とを仕切り、前記第1管路側の内圧が前記第2管路側の内圧よりも高くなった場合に、前記第1管路側の内圧を受けて前記軸部の前記第2の端部側へ移動し、前記第2管路側の内圧が前記第1管路側の内圧よりも高くなった場合に、前記第2管路側の内圧を受けて前記軸部の前記第1の端部側へ移動する仕切り部と、を含む。
【0010】
本発明の一態様の洗浄補助具は、有底筒の形状を有し、内視鏡内に挿通された第1管路からの流体が導入される第1開口、前記第1管路へ流体が導出する第2開口、前記第1管路から導入された流体が、前記内視鏡内において前記第1管路の途中位置から併走している第2管路へ導出する第4開口を有する前記有底筒内に挿入される洗浄補助具であって、前記有底筒の開口を塞ぐ蓋部と、前記蓋部を貫通し、管状を有し、第1の端部が前記有底筒の外で開口し、第2の端部が前記有底筒の中で開口している軸部と、前記軸部に設けられ、前記第1開口及び前記第2開口と、前記第4開口との間に位置し、前記有底筒の内壁から所定距離だけ離間した隙間を有する状態で、前記第1管路側と前記第2管路側とを仕切る仕切り部と、前記仕切り部の外周側に配置され、前記有底筒内において前記第1管路側と前記第2管路側との内圧が拮抗している場合には、前記有底筒の内壁から所定の距離だけ離間し、前記第1管路側の内圧が前記第2管路側の内圧よりも高くなった場合に、前記第1管路側の内圧を受けて変形して前記有底筒の内壁に密着し、前記第2管路側の内圧が前記第1管路側の内圧よりも高くなった場合に、前記第2管路側の内圧を受けて変形して前記有底筒の内壁に密着する密着部と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1の実施の形態に関わる内視鏡内の管路を説明するための内視鏡の模式的構成図である。
図2】本発明の第1の実施の形態に関わるセパレータユニット21の正面図である。
図3】本発明の第1の実施の形態に関わるセパレータユニット21の斜視図である。
図4】本発明の第1の実施の形態に関わる、軸部の軸方向に沿った、操作部3のシリンダ14に装着されたセパレータユニット21の断面図である。
図5】本発明の第1の実施の形態に関わる、シリンダ14の斜視図である。
図6】本発明の第1の実施の形態に関わる、操作部3に固定されたシリンダ14の状態を示す断面図である。
図7】本発明の第1の実施の形態に関わる軸部23の先端部の斜視図である。
図8】本発明の第1の実施の形態に関わる軸部23の先端部の分解組み立て図である。
図9】本発明の第1の実施の形態に関わる、仕切り板27の軸部23の軸方向に沿った断面斜視図である。
図10】本発明の第1の実施の形態に関わる仕切り板27の分解組み立て図である。
図11】本発明の第1の実施の形態に関わる、送気管路11と送水管路12に液体を同時に流したときに、各管路に詰まりがないときの状態を説明するための、軸部23の軸方向に沿った軸部23の先端部の断面図である。
図12】本発明の第1の実施の形態に関わる、シリンダ14の開口14bと位置P1との間で、送気管路11に詰まりがあるときの状態を説明するための、軸部23の軸方向に沿った軸部23の先端部の断面図である。
図13】本発明の第1の実施の形態に関わる、シリンダ14の開口14dと位置P1との間で、送水管路12に詰まりがあるときの状態を説明するための、軸部23の軸方向に沿った軸部23の先端部の断面図である。
図14】本発明の第1の実施の形態の変形例1に関わる弾性部材32bbと32ddのシリンダ14の軸方向に沿った断面図である。
図15】本発明の第1の実施の形態の変形例2に関わる弾性体のバルーンを有する軸部23の先端部の断面図である。
図16】第2の実施の形態に関わる、軸部23の軸方向に沿った軸部23の先端部の断面図である。
図17】第2の実施の形態に関わる仕切り板27Aの斜視図である。
図18】第2の実施の形態に関わる、軸部23の軸方向に沿った仕切り板27Aの断面斜視図である。
図19】第2の実施の形態に関わる仕切り板27の分解組み立て図である。
図20】第2の実施の形態に関わる、送気管路11と送水管路12へ洗浄液などの液体を送り出す2つの送液ポンプの制御状態を示すタイムチャートである。
図21】第2の実施の形態に関わる、ポンプ71がオンでポンプ72がオフのときの、軸部23の軸方向に沿った軸部23の先端部の断面図である。
図22】第2の実施の形態に関わる、ポンプ71がオフでポンプ72がオンのときの、軸部23の軸方向に沿った軸部23の先端部の断面図である。
図23】本発明の第1の実施の形態の変形例3に関わる、第1管路11および第2管路12に加えて第3管路100にも繋がっているシリンダに適用される洗浄補助具の例示を説明するための模式図である。
図24】第3の実施の形態に関わる、第1管路11の中途位置から第2管路12が併走し、第1の実施の実施形態にはあった第3開口14cが形成されていない内視鏡シリンダに適用される洗浄補助具の構成を説明するための模式図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
なお、以下の説明に用いる各図においては、各構成要素を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、構成要素毎に縮尺を異ならせてあるものであり、本発明は、これらの図に記載された構成要素の数量、構成要素の形状、構成要素の大きさの比率、及び各構成要素の相対的な位置関係のみに限定されるものではない。
【0013】
(第1の実施の形態)
(内視鏡の構成)
図1は、内視鏡内の管路を説明するための内視鏡の模式的構成図である。
【0014】
内視鏡1は周知のものであるため、特に構成が限定されるものではなく、詳細な構成の説明は省略するものとする。内視鏡1は、被検体内に挿入される挿入部2と、挿入部2の基端側に設けられた操作部3と、操作部3から延出するユニバーサルコード4と、ユニバーサルコード4に設けられたコネクタ部5を具備して主に構成されている。コネクタ部5は、ビデオプロセッサ、送水タンク、または吸引装置等の外部装置に接続される。
【0015】
内視鏡1の挿入部2内には、3つの管路、すなわち送気管路11、送水管路12及び吸引チャンネル13が挿通されている。操作部3の先端側には、鉗子挿入口2bが設けられており、鉗子挿入口2bは、鉗子チャンネルでもある吸引チャンネル13と連通している。
【0016】
第1管路である送気管路11の先端部は、挿入部2の先端部に設けられたノズル2aに接続されている。送気管路11の基端部は、コネクタ部5の接続部5aに接続されている。第2管路である送水管路12の先端部は、送気管路11の途中の位置P1に接続され、送水管路12と送気管路11とは連通するように合流している。ノズル2aは、合流管路と接続されている。送水管路12の基端部は、コネクタ部5の接続部5bに接続されている。吸引チャンネル13の先端部は、挿入部2の先端部に設けられた鉗子口でもある吸引口2cに接続され、吸引チャンネル13の基端部は、コネクタ部5の接続部5cに接続されている。
【0017】
内視鏡1が使用されるときは、エアボンベなどの送気装置または送気ポンプを備えた光源装置に接続され、接続部5bは、送液タンクなどの送液装置に接続される。接続部5cは、吸引ポンプなどの吸引装置に接続される。
【0018】
操作部3には、送気送水ボタン6(2点鎖線で示す)が取り付けられる送気送水用シリンダ14と、吸引ボタン7(2点鎖線で示す)が取り付けられる吸引用シリンダ15が設けられている。送気送水用シリンダ14と吸引用シリンダ15は、操作部3の外装部材の表面において一端が開口を有し、他端が塞がっている有底筒形状を有する。
【0019】
シリンダ14は、送気管路11と送水管路12の途中に設けられている。吸引用シリンダ15は、吸引管路でもある吸引チャンネル13の途中に設けられている。
具体的には、シリンダ14は、送気管路11と送水管路12の途中に配置されて、シリンダ14の内部空間が送気管路11及び送水管路12のそれぞれの内部と連通するように、送気管路11及び送水管路12に接続されている。よって、シリンダ14には、送気管路11と連通する第1開口14a、および第2開口14bと、送水管路12と連通する第3開口14c、および第4開口14dと、が形成されている。
【0020】
吸引用シリンダ15は、吸引管路である吸引チャンネル13の途中に配置されて、吸引用シリンダ15の内部空間が吸引チャンネル13の内部と連通するように、吸引チャンネル13に接続されている。よって、吸引用シリンダ15には、吸引チャンネル13と連通する2つの開口15a、15bとが形成されている。
【0021】
術者は、シリンダ14に装着された送気送水ボタン6を操作することにより、挿入部2の先端部に設けられたノズル2aからの送気及び送水を行うことができ、吸引用シリンダ15に装着された吸引ボタン7を操作することにより、挿入部2の先端部に設けられた吸引口2cからの吸引を行うことができる。
【0022】
内視鏡1が使用後に洗浄消毒されるとき、送気送水ボタン6、吸引ボタン7が取り外されたシリンダ14と15には、それぞれ洗浄補助具が装着され、内視鏡1は、洗浄消毒装置により洗浄消毒される。消毒液の導出側に流量センサを備え、流量の変化で管路の詰まりを検知するタイプの洗浄消毒装置があるが、送気管路11と送水管路12がシリンダ14内で繋がっていると、片方の管路が詰まったとしても他方の管路に消毒液が逃げてしまい流量が変化しないので、管路詰まりを検知し難い。このため、シリンダ14内で送気管路11の流路と送水管路12の流路を仕切る機構を有するセパレータユニットが、洗浄補助具として用いられる。
【0023】
(セパレータユニットの構成)
図2は、本実施の形態に関わるセパレータユニット21の正面図である。図3は、本実施の形態に関わるセパレータユニット21の斜視図である。図4は、軸部の軸方向に沿った、操作部3のシリンダ14に装着されたセパレータユニット21の断面図である。
【0024】
セパレータユニット21は、固定部材22と、軸部23とを有して構成され洗浄補助具である。
固定部材22は、図2に示すように、断面がH型形状を有する。固定部材22は、弾性を有し、材質は特に限定されないが例えば樹脂製である。より具体的には耐薬品性に優れるポリアセタールが挙げられる。固定部材22は、中央部22aの両側にアーム部22bと22cを有する。アーム部22bと22cの先端部には、それぞれ、互いに近づくように延出した延出部22b1と22c1を有する。固定部材22は、弾性を有するため、アーム部22bと22cの基端部を互いに近づけると、図4において、2点鎖線で示すように、アーム部22bと22cの先端部の延出部22b1と22c1は、互いに離間する。
【0025】
図4に示すように、固定部材22の中央部22aには、アーム部22bと22cの軸方向と平行に形成された孔22a1を有している。軸部23は、その孔22a1に挿通されている。軸部23の基端部には、周溝23aが形成されている。軸部23の抜け止め用のEリング24が、中央部22aの基端側において、周溝23aに嵌合するように固定されている。
【0026】
中央部22aの先端側には、凹部22a2が形成されている。軸部23は、中央部に外向フランジ23bを有する。コイルバネ25が、軸部23の外周部を巻回するように設けられている。コイルバネ25の一端が凹部22a2に入りこみ、コイルバネ25の他端が外向フランジ23bの基端側面を押圧するように、コイルバネ25は、軸部23の外向フランジ23bと凹部22a2の間で圧縮された状態で、設けられている。
【0027】
外向フランジ23bの先端側面には、円環状のシール部材26が接着されて設けられている。軸部23の材質は特に限定されないが例えば、耐薬品性に優れるステンレスなどの金属製の円柱状部材であり、円環状のシール部材26の中央の孔に通されている。
【0028】
ここで、セパレータユニット21が装着されるシリンダ14の構成について説明する。図5は、シリンダ14の斜視図である。図6は、操作部3に固定されたシリンダ14の状態を示す断面図である。
【0029】
シリンダ14は、図4及び図6に示すように、操作部3の外装部材3aに固定されている。シリンダ14は、一端が開口し他端が塞がっている有底筒の形状を有する。
シリンダ14の基端部には、セパレータユニット21が装着されて固定される口金14Aを有している。口金14Aの先端側には、外向フランジ14Bが形成されており、外向フランジ14Bが操作部3の外装部材3aに埋め込まれるようにして、シリンダ14は、操作部3に固定されている。
【0030】
図5に示すように、第1開口14a、第2開口14bは、シリンダ14の開口側の側壁に形成されている。第3開口14c、第4開口14dは、シリンダ14の底部側の側壁に形成されている。図6に示すように、第1開口14a、第2開口14b、第3開口14c及び第4開口14dには、それぞれ接続部14a1、14b1、14c1及び14d1が設けられており、接続部14a1と14b1には、送気管路11が接続され、接続部14c1と14d1には、送水管路12が接続されている。
【0031】
第1開口14aは、送気装置に接続されて気体が導入される上流側の開口である送気管路側流体導入口である。第2開口14bは、気体が導出される下流側の開口である送気管路側流体導出口である。第3開口14cは、送水装置に接続されて液体が導入される上流側の開口である送水管路側流体導入口である。第4開口14dは、液体が導出される下流側の開口である送水管路側流体導出口である。すなわち、シリンダ14は、内視鏡1内に挿通された送気管路11からの流体が導入される第1開口14a、送気管路11へ流体が導出する第2開口14b、内視鏡1内において送気管路11に併走している送水管路12からの流体が導入される第3開口14c、及び送水管路12へ流体が導出する第4開口14dを有する有底筒体である。
【0032】
上述したように、アーム部22bと22cの基端部を互いに近づけ、延出部22b1と22c1を互いに離間するようにした状態で(図4の2点鎖線で示す)、軸部23の外向フランジ23bを、口金14Aに押し付けながら、互いに近づけているアーム部22bと22cの基端部を離間させると、延出部22b1と22c1は口金14Aの下側に入り込む。その結果、コイルバネ25が外向フランジ23bを先端側に押圧しながら、シール部材26によって外向フランジ23bと口金14Aとの間をシールした状態で、セパレータユニット21は、口金14Aに装着される。
【0033】
よって、外向フランジ23bは、有底筒であるシリンダ14の開口を塞ぐ蓋部を構成する。そして、軸部23は、一端が外向フランジ23bに接続され、他端がシリンダ14内に延びている。
【0034】
次に、セパレータユニット21の軸部23の先端部の構成について説明する。図7は、軸部23の先端部の斜視図である。図8は、軸部23の先端部の分解組み立て図である。
【0035】
軸部23の先端部には、2つの外向フランジ23cと23dが設けられている。外向フランジ23dは、軸部23とは別部材により形成されている。円環状の仕切り板27は、軸部23が仕切り板27の中央部の孔に遊嵌状態で挿通されるようにして、外向フランジ23cと23dの間に設けられている可動部材である。
【0036】
外向フランジ23cは、軸部23の先端よりもやや基端側に形成されており、軸部23は、外向フランジ23cよりも先端側に延出した延出部分23eを有する。延出部分23eの先端部には、雄螺子部23e1が形成されている。外向フランジ23dとなる円環状の部材の内周面に形成された雌螺子部23d1が、延出部分23eの雄螺子部23e1に螺合することにより、外向フランジ23dが軸部23の先端部に形成される。なお、外向フランジ23cも、軸部23とは別部材で構成し、軸部23に固定するようにしてもよい。
【0037】
軸部23に固定された板部材である外向フランジ23dと、軸部23に設けられ、外向フランジ23dよりも、送気管路11側に配置された板部材である外向フランジ23cと、軸部23の外径よりも大きな内径を有する円環状を有し、軸部23が円環の中央部の孔に通された状態で外向フランジ23cと23dの間に配置され、送気管路11と送水管路12のうち内圧が低い方へ軸部23に沿って移動する板部材である仕切り板27とにより、仕切り部が構成される。
【0038】
図4に示すように、シリンダ14の先端側部分は、基端側部分よりも、内径は小さい。セパレータユニット21は、シリンダ14の開口側から挿入されるようにして、シリンダ14に装着される。セパレータユニット21がシリンダ14に装着されたときに、外向フランジ23cと23dが、シリンダ14の第1開口14a、および第2開口14bと第3開口14c、および第4開口14dとの間であって、シリンダ14の先端側部分に位置するように、外向フランジ23cと23dは、それぞれ軸部23に形成されかつ設けられている。
【0039】
円環状の外向フランジ23c、23d及び仕切り板27の外径は、シリンダ14の先端側部分の内径よりも小さい。すなわち、外向フランジ23c、23d及び仕切り板27の外周面と、シリンダ14の先端側部分の内壁との間には、狭い隙間gが存在する。
【0040】
外向フランジ23cには、複数の孔23c1が形成されている。同様に、外向フランジ23dにも、複数の孔23d2が形成されている。
延出部分23eが仕切り板27の中央の孔に遊嵌状態で挿入されるようにして、円環状の仕切り板27は、軸部23の外向フランジ23cと23dの間に設けられている。
【0041】
図9は、仕切り板27の軸部23の軸方向に沿った断面斜視図である。図10は、仕切り板27の分解組み立て図である。
仕切り板27は、円環状部材31と、4つの円環状の弾性部材32a、32b、32c、32d(以下、4つの弾性部材を纏めて指すとき、あるいは任意の1つの弾性部材を指すとき、弾性部材32という)とから構成されている。円環状部材31は、樹脂製あるいはステンレスなどの金属製であり、弾性部材32は、ゴム製あるいはシリコーン製である。後述するように、弾性部材32bと32dは、シリンダ14の内壁に密着する密着部であると共に、それぞれ、変形可能な材料からなる変形部を構成する。
【0042】
円環状部材31の先端側面の内側縁部と外側縁部に、それぞれ段差部31aと31bが形成されている。円環状部材31の基端側面の内側縁部と外側縁部にも、それぞれ段差部31cと31dが形成されている。
【0043】
段差部31a、31b、31c及び31dには、それぞれ弾性部材32a、32b、32c、32dが接着剤で接着されて固定されている。弾性部材32bと32dの外径は、円環状部材31の外径と同じである。
【0044】
さらに、段差部31bに固定された弾性部材32bの先端側表面が円環状部材31の先端側表面31eよりも先端側に突出するような厚さd1を、弾性部材32bは有する。同様に、段差部31dに固定された弾性部材32dの基端側表面が円環状部材31の基端側表面31fよりも基端側に突出するような厚さd2を、弾性部材32dは有する。
【0045】
上述したように、外向フランジ23c、23d及び仕切り板27の外周面と、シリンダ14の先端側部分の内壁との間には、送気管路11の断面積S1及び送水管路12の断面積S2に比べて小さい断面積S3を有する隙間g(図11参照)が存在し、外向フランジ23cの基端側の空間と、外向フランジ23dの先端側の空間は、連通している。
【0046】
しかし、後述するように、仕切り板27が、仕切り板27の基端側と先端側の圧力差により、軸部23の軸方向に移動して弾性部材32が外向フランジ23dあるいは23cに押圧されて変形すると、弾性部材32bあるいは32dは、その押圧力により拡径する。弾性部材32bあるいは32dが拡径すると、外向フランジ23cの基端側の空間と、外向フランジ23dの先端側の空間は、弾性部材32bあるいは32dにより連通しなくなり、仕切られた状態となる。すなわち、弾性部材32bあるいは32dが変形して拡径して、シリンダ14の先端側部分の内壁と密着して隙間が閉塞する。よって、弾性部材32bあるいは32dが外向フランジ23dあるいは23cに押圧されると、シリンダ14の先端側部分の内壁に密着するような厚さ、外径及び柔らかさを、弾性部材32b及び32dは有している。
【0047】
以上のように、弾性部材32bは、仕切り板27の送水管路12側の外周に沿って設けられ、外向フランジ23dと仕切り板27とにより押圧されることにより潰れて外径が広がり、シリンダ14の内壁に密着する変形部である。弾性部材32dは、仕切り板27の送気管路11側の外周に沿って設けられ、外向フランジ23cと仕切り板27とにより押圧されることにより潰れて外径が広がり、シリンダ14の内壁に密着する変形部である。
【0048】
内視鏡1の洗浄消毒時、洗浄液などの液体が送気管路11及び送水管路12内を流れる。図4に示すように、送気管路11の上流側には、流量センサ41が接続されており、送気管路11に流れる液体の流量を測定する。送水管路12の上流側には、流量センサ42が接続されており、送水管路12に流れる液体の流量を測定する。
【0049】
ここでいう上流側には、内視鏡に接続された内視鏡洗浄消毒装置も含み、流量センサ41および流量センサ42は内視鏡洗浄消毒装置に配置されていてもよいし、内視鏡と内視鏡洗浄消毒装置との間に洗浄チューブが介在する場合には洗浄チューブに配置されていてもよい。
【0050】
(作用)
(送気管路11と送水管路12のいずれの管路にも詰まりがない場合)
内視鏡1の洗浄消毒時、送気管路11と送水管路12には、洗浄液などの液体が同時に流される。送気管路11と送水管路12の各断面積S1,S2に比べて、シリンダ14の内壁と仕切り板27の外周面の間の、軸部23の軸に直交する断面における隙間gの断面積S3が小さいため、第1開口14aから入った液体は、第2開口14bへ流れ込み、第3開口14cから入った液体は、第4開口14dへ流れ込む。このとき、仕切り板27の基端側と先端側との間の圧力差は少なく、仕切り板27は、軸部23の軸方向には移動しない。
【0051】
図11は、送気管路11と送水管路12に液体を同時に流したときに、各管路に詰まりがないときの状態を説明するための、軸部23の軸方向に沿った軸部23の先端部の断面図である。仕切り板27は、外向フランジ23dと23dのいずれにも押し付けられておらず、送気管路11を流れる液体は、一点鎖線で示すR1に沿って第1開口14aから第2開口14bに向かって流れる。同様に、送水管路12を流れる液体は、一点鎖線で示すR2に沿って第3開口14cから第4開口14dに向かって流れる。よって、シリンダ14の内壁全面に亘って液体が接触して、シリンダ14内は完全に洗浄消毒される。
【0052】
以上のように、外向フランジ23d及び23dと仕切り板27は、軸部23の先端側に設けられ、第1開口14a及び第2開口14bと、第3開口14c及び第4開口14dとの間に位置し、シリンダ14の内壁から所定距離だけ離間した隙間gを有する状態で、送気管路11側と送水管路12側とを仕切る仕切り部を構成する。
【0053】
(送気管路11に詰まりがある場合)
シリンダ14の第2開口14bと位置P1との間で、送気管路11に詰まり90があると、送気管路11に流れる液体は、第2開口14bへ流れ込まない。その結果、仕切り板27の基端側のシリンダ14内の液体の圧力が高くなって、液圧により、仕切り板27は、外向フランジ23d側へ押される。仕切り板27が外向フランジ23dに押圧されると、弾性部材32bは、押圧されて軸部23の軸方向に圧縮され、その結果変形して拡径し、弾性部材32bの外周面とシリンダ14の内壁との間の隙間gを閉塞する。
【0054】
図12は、シリンダ14の第2開口14bと位置P1との間で、送気管路11に詰まり90があるときの状態を説明するための、軸部23の軸方向に沿った軸部23の先端部の断面図である。図12において一点鎖線で示すように、仕切り板27は、液体により外向フランジ23d側へ押され、変形して拡径した弾性部材32bにより、仕切り板27の外周面と、シリンダ14の先端側部分の内壁との間の隙間gが閉塞される。その結果、送気管路11を流れる液体の流れは止まるので、流量センサ41の検出する流量は、0(ゼロ)となる。
【0055】
よって、シリンダ14の第2開口14bと位置P1との間で、送気管路11に詰まり90があることを検出することができる。
なお、シリンダ14の第2開口14bと流量センサ41との間で、送気管路11に詰まりがあるときも、流量センサ41の検出する流量も0(ゼロ)となるので、送気管路11に詰まりがあることを検出することができる。
【0056】
(送水管路12に詰まりがある場合)
シリンダ14の第4開口14dと位置P1との間で、送水管路12に詰まり90があると、送水管路12に流れる液体は、第4開口14dへ流れ込まない。その結果、仕切り板27の基端側のシリンダ14内の液体の圧力が高くなって、液圧により、仕切り板27は、外向フランジ23b側へ押される。仕切り板27が外向フランジ23bに押圧されると、弾性部材32dは、押圧されて軸部23の軸方向に圧縮され、その結果変形して拡径し、弾性部材32dの外周面とシリンダ14の内壁との間の隙間gを閉塞する。
【0057】
図13は、シリンダ14の第4開口14dと位置P1との間で、送水管路12に詰まり90があるときの状態を説明するための、軸部23の軸方向に沿った軸部23の先端部の断面図である。図13において一点鎖線で示すように、仕切り板27は、液体により外向フランジ23c側へ押され、拡径した弾性部材32dにより、仕切り板27の外周面と、シリンダ14の先端側部分の内壁との間の隙間gが閉塞される。その結果、送水管路12を流れる液体の流れは止まるので、流量センサ42の検出する流量は、0(ゼロ)となる。よって、シリンダ14の第4開口14dと位置P1との間で、送水管路12に詰まり90があることを検出することができる。
【0058】
なお、シリンダ14の第3開口14cと流量センサ42との間で、送水管路12に詰まりがあるときも、流量センサ42の検出する流量も0(ゼロ)となるので、送水管路12に詰まり90があることを検出することができる。
【0059】
(送気管路11と送水管路12の合流する位置P1よりも、下流側の管路において詰まりがある場合)
図4に示される位置P1よりも下流側の管路、すなわち合流管路、の詰まりがあると、送気管路11と送水管路12に流れる液体は、第2開口14bと14dへ流れ込まない。よって、その場合は、流量センサ41と42の検出する流量は、共に0(ゼロ)となるので、送気管路11と送水管路12の合流する位置P1よりも、下流側において詰まりがあることを検出することができる。
【0060】
以上のように、弾性部材32bと32dは、仕切り板27の外周側に配置され、シリンダ14内において送気管路11側と送水管路12側との内圧が拮抗している場合には、シリンダ14の内壁から所定の距離だけ離間し、送気管路11側の内圧が送水管路12側の内圧よりも高くなった場合に、送気管路11側の内圧を受けて変形してシリンダ14の内壁に密着し、送水管路12側の内圧が送気管路11側の内圧よりも高くなった場合に、送水管路12側の内圧を受けて変形してシリンダ14の内壁に密着する密着部を構成する。
【0061】
よって、本実施の形態によれば、洗浄消毒時に送気管路及び送水管路のそれぞれの管路の詰まりを検知できると共に、シリンダ内壁を洗浄消毒できる洗浄補助具を提供することができる。
【0062】
(変形例1)
上述した実施の形態では、シリンダ14の軸方向に沿った弾性部材32bと32dの断面形状は、矩形であるが、変形例1として、弾性部材32bと32dのシリンダ14の軸方向に沿った断面形状は、矩形でなく、内側に向かって厚さが小さくなるような斜面を有する形状であってもよい。図14は、変形例1に関わる弾性部材32bbと32ddのシリンダ14の軸方向に沿った断面図である。なお、図14では、弾性部材32aと32cは省略し、円環状部材31は、2点鎖線で示している。図14において、点線が変形した弾性部材32bbと32ddを示す。
【0063】
図14に示すように、円環状部材31の先端側面の外側縁部に形成された段差部31bに接着される弾性部材32bbは、円環状の弾性部材32bbの中心に向かって厚さが小さくなる傾斜面32bb1を有する。同様に、円環状部材31の基端側面の外側縁部に形成された段差部31dに接着される弾性部材32ddは、円環状の弾性部材32ddの中心に向かって厚さが小さくなる傾斜面32dd1を有する。
【0064】
このような傾斜面32bb1が弾性部材32bbに設けられているので、弾性部材32bbが外向フランジ23dに押圧されて変形するとき、外径方向に向かって拡径し易い。弾性部材32ddにも傾斜面32dd1が設けられているので、弾性部材32ddが外向フランジ23cに押圧されて変形するとき、外径方向に向かって拡径し易い。
【0065】
なお、円環形状を有する弾性部材32bbと32ddの一方のみが円環の中心に向かって厚さが小さくなる傾斜面を有するようにしてもよい。すなわち、弾性部材32bbと32ddの少なくとも1つが、円環の中心に向かって厚さが小さくなる傾斜面を有するようにしてもよい。
【0066】
(変形例2)
上述した実施の形態では、2つの弾性部材32bと32dが2つの外向フランジ23cと23dの間に設けられ、弾性部材32bと32dは、それぞれ外向フランジ23cと23dに押圧されて変形することによって拡径して各弾性部材32bと32dとシリンダ14の内壁との隙間gを閉塞するが、2つの弁を有する1つの弾性体のバルーンによりシリンダ14の内壁との隙間gを閉塞するようにしてもよい。
【0067】
図15は、変形例2に関わる弾性体のバルーンを有する軸部23の先端部の断面図である。
図15に示すように、バルーン51は、軸部23の先端側に設けられた先端部分23gに固定された円環状部材53と、円環状部材53よりも先端側に設けられ、軸部23の先端部分23gに固定された円環状部材55とを有する。円環状部材53には、弁52が設けられ、円環状部材55には、弁54が設けられている。
【0068】
各弁52、54は、バルーン部材であるバルーン51の内側に配設されており、外部からの圧力がバルーン51の内部の圧力よりも高くなると内側へ開くように、それぞれ軸52aと54aに軸支されて円環状部材53と55に固定されている。図15では、円環状部材53の弁52が開いた状態を、2点鎖線で示している。
【0069】
バルーン51の内部の圧力と外部の圧力が等しいとき、シリンダ14の軸に直交する方向の外径は、シリンダ14の先端側部分の内径よりも小さく、バルーン51の外周面とシリンダ14の内壁の間には、隙間gが存在する。
【0070】
しかし、送気管路11に詰まりがあると、バルーン51の基端側(すなわち送気管路11側)の液圧が高くなる。その結果、弁52が開いて、バルーン51が膨らみ、バルーン51の外径が大きくなり、バルーン51の外周面とシリンダ14の内壁の間の隙間gは閉塞される。図15では、2点鎖線で示すように、バルーン51が拡径して、バルーン51の外周面とシリンダ14の内壁の間の隙間は閉塞していることが示されている。
【0071】
同様に、送水管路12に詰まりがあると、バルーン51の先端側(すなわち送水管路12側)の液圧が高くなる。その結果、弁54が開いて、バルーン51が膨らみ、バルーン51の外径が大きくなり、バルーン51の外周面とシリンダ14の内壁の間の隙間は閉塞される。
【0072】
以上のように、密着部としてのバルーン51と、バルーン51の送気管路11側に設けられた弁52と、バルーン51の送水管路12側に設けられた弁54とにより、仕切り部が構成される。バルーン部材であるバルーン51の外周部は、シリンダ14内において送気管路11側と送水管路12側との内圧が拮抗している場合には、シリンダ14の内壁から所定の距離だけ離間している。送気管路11側の内圧が送水管路12側の内圧よりも高くなった場合に、バルーン51の外周部は、弁52が開いて送気管路11側の内圧を受けて変形してシリンダ14の内壁に密着し、送水管路12側の内圧が送気管路11側の内圧よりも高くなった場合には、弁54が開いて送水管路12側の内圧を受けて変形してシリンダ14の内壁に密着する。
【0073】
これらの変形例によっても、洗浄消毒時に送気管路及び送水管路のそれぞれの管路の詰まりを検知できると共に、シリンダ内壁を確実に洗浄消毒できる洗浄補助具を提供することができる。
【0074】
(変形例3)
上述した実施の形態では、第1管路11と第2管路12とを連通させる内視鏡のシリンダ14に適用される洗浄補助具を例示したが、内視鏡の管路の数は2本に限定されず3本以上が併走および連通しているシリンダであってもよい。
図23は、第1管路11および第2管路12に加えて第3管路100にも繋がっているシリンダ14に適用される洗浄補助具の例示を説明するための模式図である。
【0075】
シリンダ14には第3管路100から液体が導入される第5開口140a、第3管路100に液体を導出する第6開口140bが設けられている。このため、上述した実施の形態の洗浄補助具において、更にシリンダ14の有底筒方向に向けて軸部23が延出しており、第3開口14cと第5開口140aとの間、および第4開口14dと第6開口140bとの間に一対の外向フランジ123dと、一対の外向フランジ123dの間に、軸部23の軸方向に沿って移動可能に配置された仕切り板270が設けられている。仕切り板270は、円環状部材131と、4つの円環状の弾性部材132a、132b、132c、132dとから構成されている。仕切り板270には、仕切り板27の4つの弾性部材32a、32b、32c、32dと同様に、4つの弾性部材132a、132b、132c、132dが固定されている。
【0076】
図23では、第2管路12に詰まり90が生じているため、仕切り板27が第1管路11側に移動し、仕切り板270が第3管路100側に移動し、第2管路12の第3開口からシリンダ14に導入された液体が第1管路11および第3管路100に流れ込まないようになっている。これにより第2管路12に接続した流量センサ42の検出する流量は、0(ゼロ)となるので、詰まりを検知することができる。
【0077】
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、送気管路11と送水管路12に詰まりがないと、仕切り板27は、シリンダ14の内壁との間の隙間gを閉塞しないでシリンダ14の内壁を洗浄液などで洗浄消毒し、送気管路11又は送水管路12に詰まりがあると、仕切り板27はシリンダ14の内壁との間の隙間gを閉塞して、流量センサにより管路の詰まりが検出される。
【0078】
これに対して、第2の実施の形態では、仕切り板は、拡径することなく常にシリンダ14の内壁に接触している。さらに、送気管路11及び送水管路12に交互に液体が流れるように制御して、仕切り板が接触するシリンダ14の内壁部分の位置を変化させる。結果、シリンダ14の内壁に液体に接触しない部分が無いようにしてシリンダ14の内壁を洗浄消毒し、かつ送気管路11又は送水管路12に詰まりがあると、流量センサにより管路の詰まりを検出できるようにしている。
本実施の形態の内視鏡及び洗浄補助具の構成は、第1の実施の形態の内視鏡及び洗浄補助具の構成とほぼ同じであるので、同じ構成要素については、同じ符号を付して説明は、省略し、異なる構成について説明する。
【0079】
図16は、本実施の形態に関わる、軸部23の軸方向に沿った軸部23の先端部の断面図である。図17は、仕切り板27Aの斜視図である。図18は、軸部23の軸方向に沿った仕切り板27Aの断面斜視図である。図19は、仕切り板27の分解組み立て図である。
【0080】
図19に示すように、セパレータユニット21の仕切り板27Aは、円環状部材61と、2つの円環状のシール部材62aと62b(以下、2つのシール部材を纏めて指すとき、あるいは任意の1つのシール部材を指すとき、シール部材62という)とを有して構成されている。円環状部材61は、樹脂製であり、シール部材62は、ゴム製である。
【0081】
円環状部材61の先端側面の内側縁部と外側縁部に、それぞれ段差部61aと61bが形成されている。円環状部材61の基端側面の内側縁部と外側縁部にも、それぞれ段差部61cと61dが形成されている。
【0082】
円環状部材61の内側の段差部61aと61cには、円環状のシール部材62aが、段差部61aと61cを内側から覆うように接着剤で接着されて固定されている。円環状部材61の外側の段差部61bと61dには、円環状のシール部材62bが、段差部61bと61dを外側から覆うように接着剤で接着されて固定されている。シール部材62bの外径は、シリンダ14の内径よりもわずかに大きく、シール部材62bの外周面は、シリンダ14の内壁と接触している。すなわち、仕切り板27Aは、板部材である円環状部材61と、円環状部材61の外周部に設けられたシール部材62bとを有する。
【0083】
シール部材62aの内径は、延出部分23eの外径よりも小さいが、円環状の仕切り板27Aは、軸部23が仕切り板27Aの中央部の孔に通されるようにして、軸部23の軸方向に沿って移動可能に、外向フランジ23cと23dの間に設けられている可動部材である。
【0084】
送気管路11と送水管路12への送液制御について説明する。図20は、送気管路11と送水管路12へ洗浄液などの液体を送り出す2つの送液ポンプの制御状態を示すタイムチャートである。
【0085】
図20に示すように、送気管路11へ液体を送出するポンプ71は、オンとオフが交互に切り替わるように、駆動される。他方、送水管路12へ液体を送出するポンプ72も、オンとオフが交互に切り替わるように、駆動されるが、ポンプ72のオンとオフのタイミングがポンプ71のオンとオフのタイミングと逆になるように、駆動される。
【0086】
図21は、ポンプ71がオンでポンプ72がオフのときの、軸部23の先端部の断面図である。図22は、ポンプ71がオフでポンプ72がオンのときの、軸部23の先端部の断面図である。
【0087】
図21に示すように、ポンプ71がオンでポンプ72がオフであると、仕切り板27Aの基端側の液圧が高くなり、仕切り板27Aの先端側の液圧は高くならないので、仕切り板27Aは、外向フランジ23cの複数の孔23c1を通る液体により、外向フランジ23d側へ移動する。
【0088】
また、図22に示すように、ポンプ71がオフでポンプ72がオンであると、仕切り板27Aの先端側の液圧が高くなり、仕切り板27Aの基端側の液圧は高くならないので、仕切り板27Aは、外向フランジ23dの複数の孔23d2を通る液体により、外向フランジ23c側へ移動する。
【0089】
図20に示すように、ポンプ71と72は、同時にオンになることなく、交互にオンとオフが繰り返されるので、仕切り板27Aは、ポンプ71と72のオンとオフの駆動制御に応じて、軸部23の延出部分23eの軸方向に沿って進退を繰り返す。
【0090】
その結果、仕切り板27Aの外周側のシール部材62bとシリンダ14の内壁の接触する部分が移動するので、シリンダ14の内壁において洗浄液などの液体と接触しない部分はない。よって、シリンダ14の内壁全面に亘って液体が接触して、シリンダ14内は完全に洗浄消毒される。
【0091】
すなわち、仕切り板27Aは、軸部23の先端側に設けられ、第1開口14a及び第2開口14bと、第3開口14c及び第4開口14dとの間に位置し、シリンダ14の内壁に密着した状態で、送気管路11側と送水管路12側とを仕切り、送気管路11側の内圧が送水管路12側の内圧よりも高くなった場合に、送気管路11側の内圧を受けて軸部23の先端側(すなわち送水管路12側)へ移動し、送水管路12側の内圧が送気管路11側の内圧よりも高くなった場合に、送水管路12側の内圧を受けて軸部23の基端側(すなわち送気管路11側)へ移動する仕切り部を構成する。
【0092】
また、送気管路11に詰まりがあると、ポンプ71がオンのときに流量センサ41により検出された流量が0(ゼロ)になるので、洗浄消毒装置は、送気管路11の詰まりを検出することができる。同様に、送水管路12に詰まりがあると、ポンプ72がオンのときに流量センサ42により検出された流量が0(ゼロ)になるので、洗浄消毒装置は、送水管路12の詰まりを検出することができる。
【0093】
よって、本実施の形態によっても、洗浄消毒時に送気管路及び送水管路のそれぞれの管路の詰まりを検知できると共に、シリンダ内壁を確実に洗浄消毒できる洗浄補助具を提供することができる。
【0094】
(第3の実施の形態)
第1の実施の形態及び第2の実施の形態では第1管路11と第2管路12とが併走し、第1開口14a、第2開口14b、第3開口14cおよび第4開口14dの4つの開口が形成されている内視鏡シリンダに適用される洗浄補助具について述べた。
【0095】
これに対し、第3の実施の形態は、第1管路11の中途位置から第2管路12が併走し、第1の実施の実施形態にはあった第3開口14cが形成されていない内視鏡シリンダ14に適用される洗浄補助具である。
【0096】
図24は、第3の実施の形態に関わる、第1管路11の中途位置から第2管路12が併走し、第1の実施の実施形態にはあった第3開口14cが形成されていない内視鏡シリンダに適用される洗浄補助具の構成を説明するための模式図である。図24に示す様に本実施の形態の洗浄補助具が適用されるシリンダ14は、第1管路11につながっている第1開口14a、第2開口14b、第2管路12につながっている第4開口14dを有する。図1に例示される送気送水ボタン6または吸引ボタン7のようなボタンを本実施の形態のシリンダ14に装着した状態では第1管路11からシリンダに導入された液体はボタンを用いた切り替えにより第2開口14bまたは第4開口14dに導入される。
【0097】
軸部23Aに設けられた一対の外向フランジ23cおよび外向フランジ23d、仕切り板27、ならびに弾性部材32bと32dは、第1の実施の形態と同様であり第1の実施の形態と同様の作用を有する。
【0098】
ただし、第1管路11と第2管路12とに等しく液体を流すために、第3の実施の形態では、軸部23Aが管路状となって軸部内管路230が形成されており、軸部23Aを液体供給源に接続することで、軸部23Aの先端の開口140cから液体を吐出することができる。このため、シリンダ14に洗浄補助具を取り付けることにより軸部23Aから第2管路12に液体を流すことができる。
【0099】
軸部23Aまたは軸部23Aに接続された液体供給源には軸部23Aの軸部内管路230内を流れる液体の流量を検知する流量センサを配置することができる。図24に示す様に第2管路12に詰まり90が生じた場合、軸部23Aまたは液体供給源に配置された流量センサ410により、第2管路12の詰まりを検知することができる。ここでいう流体供給源としては、内視鏡洗浄消毒装置を例示することができる。
【0100】
図4に示すように、送気管路11の上流側には、流量センサ41が接続されており、送気管路11に流れる液体の流量を測定する。送水管路12の上流側には、流量センサ42が接続されており、送水管路12に流れる液体の流量を測定する。
【0101】
よって、本実施の形態によっても、洗浄消毒時に送気管路及び送水管路のそれぞれの管路の詰まりを検知できると共に、シリンダ内壁を確実に洗浄消毒できる洗浄補助具を提供することができる。
【0102】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。
【0103】

本出願は、2014年2月20日に日本国に出願された特願2014−30897号を優先権主張の基礎として出願するものであり、上記の開示内容は、本願明細書、請求の範囲に引用されるものとする。
【要約】
セパレータユニット21は、送気送水用シリンダ14内に挿入される洗浄補助具である。セパレータユニット21は、送気送水用シリンダ14内において、送気管路11側と送水管路12側とを仕切り板27と、2つの弾性部材32b、32dを有する。2つの弾性部材32b、32dは、仕切り板27の外周側に配置され、送気送水用シリンダ14内において送気管路12側と送水管路11側との内圧が拮抗している場合には、送気送水用シリンダ14の内壁から所定の距離だけ離間し、送気管路11と送水管路12の一方の内圧が他方の内圧よりも高くなった場合に、その内圧を受けて変形して送気送水用シリンダ14の内壁に密着する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図20
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図22
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図24