(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ユーザから提示されるクレジットカードに応じて取引を行う加盟店において前記ユーザからの電子サインの入力を受付ける電子サイン入力端末と、当該電子サイン入力端末に接続された決済端末と、前記取引に関する問合せを行なう参照端末と前記決済端末とにネットワークを介して接続された伝票情報サーバとを備えた伝票参照システムであって、
前記決済端末は、
前記電子サイン入力端末に入力された前記電子サインと、前記加盟店において前記取引を行った際に前記決済端末による決済処理で得られる情報とは異なる情報を含む情報を印刷して前記ユーザに発行するレシートに記載された情報と同様の情報であるレシート情報とが含まれる伝票情報を前記伝票情報サーバに送信する伝票情報送信部を備え、
前記伝票情報サーバは、
前記決済端末から送信される前記伝票情報が記憶される伝票情報記憶部と、
伝票情報参照要求の送信元である参照端末を利用して送信されたユーザアカウントの属性に応じて、参照可能な伝票情報の範囲を制御して、前記印刷して前記ユーザに発行されたレシートに記載された情報のうち、前記決済処理で得られる情報には含まれていないレシート情報に基づく少なくとも1つの情報を含み前記参照端末から送信される伝票情報参照要求に応じて、前記伝票情報記憶部に記憶される前記伝票情報のうちから前記伝票情報参照要求に対応する伝票情報を読み出して前記参照端末に送信して表示させる伝票情報提供部と、を備える
ことを特徴とする伝票参照システム。
前記伝票情報サーバは、前記伝票情報が記憶される伝票情報記憶部を備える第1の伝票情報サーバと、前記伝票情報と同様の内容であって参照用の前記伝票情報が記憶される参照用伝票情報記憶部および前記伝票情報提供部を備える第2の伝票情報サーバとによって構成され、
前記参照端末は、
前記第2の伝票情報サーバに対して前記伝票情報参照要求を送信する
ことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載された伝票参照システム。
ユーザから提示されるクレジットカードに応じて取引を行う加盟店において前記ユーザからの電子サインの入力を受付ける電子サイン入力端末と、当該電子サイン入力端末に接続された決済端末と、当該決済端末にネットワークを介して接続された伝票情報サーバと、前記クレジットカードを取り扱うカード会社のカード会社サーバとを備えた伝票参照システムであって、
前記決済端末は、
前記電子サイン入力端末に入力された前記電子サインと、前記加盟店において前記取引を行った際に前記決済端末による決済処理で得られる情報とは異なる情報を含む情報を印刷して前記ユーザに発行するレシートに記載された情報と同様の情報であるレシート情報とが含まれる伝票情報を前記伝票情報サーバに送信する伝票情報送信部を備え、
前記伝票情報サーバは、
前記決済端末から送信される前記伝票情報が記憶される伝票情報記憶部と、
伝票情報参照要求の送信元である参照端末を利用して送信されたユーザアカウントの属性に応じて、参照可能な伝票情報の範囲を制御して、前記印刷して前記ユーザに発行されたレシートに記載された情報のうち、前記決済処理で得られる情報には含まれていないレシート情報に基づく少なくとも1つの情報を含み前記カード会社サーバから送信される伝票情報参照要求に応じて、前記伝票情報記憶部に記憶される前記伝票情報のうちから前記伝票情報参照要求に対応する伝票情報を読み出して前記カード会社サーバに送信する伝票情報提供部と、を備え、
前記カード会社サーバは、
前記ユーザからの問合せに応じて、前記取引に対応する前記伝票情報参照要求を前記伝票情報サーバに送信し、送信した前記伝票情報参照要求に応じて前記伝票情報サーバから送信される前記伝票情報を受信する問合せ処理部と、
前記問合せ処理部によって受信された前記伝票情報を出力する出力部と、
を備えることを特徴とする伝票参照システム。
ユーザから提示されるクレジットカードに応じて取引を行う加盟店において前記ユーザからの電子サインの入力を受付ける電子サイン入力端末と、当該電子サイン入力端末に接続された決済端末と、前記取引に関する問合せを行なう参照端末と前記決済端末とにネットワークを介して接続され、前記決済端末から送信される伝票情報が記憶される伝票情報記憶部を有する伝票情報サーバとを備えた伝票参照システムの伝票情報参照方法であって、
前記決済端末が、
前記電子サイン入力端末に入力された前記電子サインと、前記加盟店において前記取引を行った際に前記決済端末による決済処理で得られる情報とは異なる情報を含む情報を印刷して前記ユーザに発行するレシートに記載された情報と同様の情報であるレシート情報とが含まれる伝票情報を前記伝票情報サーバに送信するステップと、
前記伝票情報サーバが、
伝票情報参照要求の送信元である参照端末を利用して送信されたユーザアカウントの属性に応じて、参照可能な伝票情報の範囲を制御して、前記印刷して前記ユーザに発行されたレシートに記載された情報のうち、前記決済処理で得られる情報には含まれていないレシート情報に基づく少なくとも1つの情報を含み前記参照端末から送信される伝票情報参照要求に応じて、前記伝票情報記憶部に記憶される前記伝票情報のうちから前記伝票情報参照要求に対応する伝票情報を読み出して前記参照端末に送信して表示させるステップと、
を備えることを特徴とする伝票参照方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、カード会社が購入者に支払請求を行う際、例えば購入者に身に覚えの無い請求項目が請求書に記載されているなどの不明点があれば、カード会社に問合せを行うことがある。この場合、カード会社において問合せを受けたオペレータは、大量の紙媒体であるカード会社控えから、問合せに対応するカード会社控えを探してサインや取引条件等を確認する。あるいは、カード会社控えが加盟店に保管されていれば、カード会社のオペレータは加盟店に問合せを行う。加盟店の店員は、大量に保管された紙媒体のカード会社控えから問合せに対応する伝票を探し、ファクシミリなどによりカード会社に伝票を送信する。この場合、問合せの度に、カード会社のオペレータまたは加盟店の店員が伝票を探すための相応の手間が必要となる。さらに、購入者から問合せを受けたカード会社が、問合せに対応する伝票を探し出すまでに相応の時間が必要とされるため、購入者に即座に回答を行うことはできない。ここで、このような問合せに対する回答は、できるだけ早く、加盟店の店員やカード会社のオペレータの手間を低減して効率よく行われることが望ましい。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、クレジットカード決済の取引に関する購入者からカード会社への問合せに対する回答を、より効率よく行うことを可能とする伝票参照システム、伝票参照方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明は、ユーザから提示されるクレジットカードに応じて取引を行う加盟店においてユーザからの電子サインの入力を受付ける電子サイン入力端末と、電子サイン入力端末に接続された決済端末と、取引に関する問合せを行なう参照端末と決済端末とにネットワークを介して接続された伝票情報サーバとを備えた伝票参照システムであって、決済端末は、電子サイン入力端末に入力された電子サインが含まれる伝票情報を伝票情報サーバに送信する伝票情報送信部を備え、伝票情報サーバは、決済端末から送信される伝票情報が記憶される伝票情報記憶部と、参照端末から送信される伝票情報参照要求に応じて、伝票情報記憶部に記憶される伝票情報を読み出して参照端末に送信して表示させる伝票情報提供部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、決済端末が、サイン入力端末に入力された電子サインを表示する表示部を備え、伝票情報送信部は、表示部に表示された電子サインが加盟店の店員によって確認されたことを示す確認情報の入力を受付けると、伝票情報を伝票情報サーバに送信することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、電子サイン入力端末が、決済端末から、取引に応じた金額と支払方法とが含まれる取引条件を受信する受信部と、受信部によって受信された取引条件を表示する表示部と、を備え、決済端末は、取引条件が入力される入力部と、電子サイン入力端末に表示された取引条件がユーザによって確認されたことを示す確認情報の入力を受付けた後に、クレジットカードを取り扱うカード会社のカード会社サーバに対して取引に関するオーソリゼーション要求を送信するオンライン処理部と、を備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、伝票情報サーバの伝票情報記憶部に記憶された伝票情報には、加盟店の店舗名が含まれるレシート情報が含まれ、伝票情報サーバの伝票情報提供部は、ユーザのユーザ端末から送信される、取引に応じたレシート情報の参照要求に応じて、レシート情報を送信することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、伝票情報サーバが、伝票情報が記憶される伝票情報記憶部を備える第1の伝票情報サーバと、伝票情報と同様の内容であって参照用の伝票情報が記憶される参照用伝票情報記憶部および伝票情報提供部を備える第2の伝票情報サーバとによって構成され、参照端末は、第2の伝票情報サーバに対して伝票情報参照要求を送信することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、ユーザから提示されるクレジットカードに応じて取引を行う加盟店においてユーザからの電子サインの入力を受付ける電子サイン入力端末と、電子サイン入力端末に接続された決済端末と、決済端末にネットワークを介して接続された伝票情報サーバと、クレジットカードを取り扱うカード会社のカード会社サーバとを備えた伝票参照システムであって、決済端末は、電子サイン入力端末に入力された電子サインが含まれる伝票情報を伝票情報サーバに送信する伝票情報送信部を備え、伝票情報サーバは、決済端末から送信される伝票情報が記憶される伝票情報記憶部と、カード会社サーバから送信される伝票情報参照要求に応じて、伝票情報記憶部に記憶される伝票情報を読み出してカード会社サーバに送信する伝票情報提供部と、を備え、カード会社サーバは、ユーザからの問合せに応じて、取引に対応する伝票情報参照要求を伝票情報サーバに送信し、送信した伝票情報参照要求に応じて伝票情報サーバから送信される伝票情報を受信する問合せ処理部と、問合せ処理部によって受信された伝票情報を出力する出力部と、を備えることを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、決済端末が、サイン入力端末に入力された電子サインを表示する表示部を備え、伝票情報送信部は、表示部に表示された電子サインが加盟店の店員によって確認されたことを示す確認情報の入力を受付けると、伝票情報を伝票情報サーバに送信することを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、電子サイン入力端末が、決済端末から、取引に応じた金額と支払方法とが含まれる取引条件を受信する受信部と、受信部によって受信された取引条件を表示する表示部と、を備え、決済端末は、取引条件が入力される入力部と、電子サイン入力端末に表示された取引条件がユーザによって確認されたことを示す確認情報の入力を受付けた後に、カード会社サーバに対して取引に関するオーソリゼーション要求を送信するオンライン処理部と、を備えることを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、伝票情報サーバの伝票情報記憶部に記憶された伝票情報には、加盟店の店舗名が含まれるレシート情報が含まれ、伝票情報サーバの伝票情報提供部は、ユーザのユーザ端末から送信される、取引に応じたレシート情報の参照要求に応じて、レシート情報を送信することを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、ユーザから提示されるクレジットカードに応じて取引を行う加盟店においてユーザからの電子サインの入力を受付ける電子サイン入力端末と、電子サイン入力端末に接続された決済端末と、取引に関する問合せを行なう参照端末と決済端末とにネットワークを介して接続され、決済端末から送信される伝票情報が記憶される伝票情報記憶部を有する伝票情報サーバとを備えた伝票参照システムの伝票情報参照方法であって、決済端末が、電子サイン入力端末に入力された電子サインが含まれる伝票情報を伝票情報サーバに送信するステップと、伝票情報サーバが、参照端末から送信される伝票情報参照要求に応じて、伝票情報記憶部に記憶される伝票情報を読み出して参照端末に送信して表示させるステップと、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように、本発明によれば、決済端末が、電子サイン入力端末に入力された電子サインが含まれる伝票情報を伝票情報サーバに送信し、伝票情報サーバが、決済端末から送信される伝票情報を記憶し、参照端末から送信される伝票情報参照要求に応じた伝票情報を読み出して参照端末に送信するようにしたので、参照端末は、ユーザからの問合せに応じて、ユーザによって入力された電子サインを含む伝票を瞬時に検索して出力することができる。これにより、例えば、カード会社サーバのオペレータは、ユーザからの問合せに応じた伝票の内容を、参照端末を用いて瞬時に把握することができ、クレジットカード決済の取引に関するユーザからの問合せに対する回答を効率よく行うことが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態による伝票参照システム1の構成を示すブロック図である。伝票参照システム1は、電子サイン入力端末10と、決済端末20と、伝票情報サーバ30と、伝票情報参照サーバ40と、カード会社サーバ50と、参照端末60とのコンピュータ装置を備えている。電子サイン入力端末10と決済端末20とは、購入者から提示されるクレジットカードに応じて取引を行う加盟店に設置される。ここでは、電子サイン入力端末10と決済端末20とは一台ずつを図示して説明するが、それぞれのコンピュータ装置はひとつの加盟店に複数台設置されて良いし、クレジットカードによる取引を行う複数の加盟店に設置されて良い。また、電子サイン入力端末10が備える各機能部と決済端末20が備える各機能部とを1台のコンピュータ装置が備えるように構成しても良い。カード会社サーバ50はクレジットカードを取り扱うカード会社のコンピュータ装置であり、ここでは一台のカード会社サーバ50を図示するが、伝票参照システム1には複数のカード会社の複数のカード会社サーバ50が接続されて良い。また、ここでは1台の参照端末60を図示するが、カード会社、加盟店、購入者などにより利用される複数台の参照端末60が接続されて良い。このように、伝票情報サーバ30は、ネットワークを介して複数の決済端末20に接続され、伝票情報参照サーバ40は、ネットワークを介して複数の参照端末60に接続される。また、複数の決済端末20は複数のカード会社サーバ50に接続される。
【0020】
電子サイン入力端末10は、加盟店における購入者からの電子サインの入力を受付ける。電子サイン入力端末10は、液晶サインタブレット、液晶ペンタブレットや電子サインパッドなどと呼ばれるコンピュータ装置である。電子サイン入力端末10は、電子サイン入力部11と、表示部12とを備えている。
電子サイン入力部11は、購入者からの電子サインの入力を受付ける。電子サイン入力部11は、表示部12であるタブレットの上を動くペンの位置座標を読み取って、電子サイン入力部11上の筆跡に応じた電子サインのデータを生成する。
【0021】
表示部12は、電子サイン入力部11に入力されるペンの位置座標に応じて筆跡を表示するディスプレイである。表示部12には、例えば液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等が適用できる。ここで、表示部12には、電子サイン入力部11の機能を兼ねるタッチパネルを適用しても良い。これにより、購入者はディスプレイに直接記載するように直感的にサインを入力することができる。また、表示部12は、決済端末20から送信される取引条件等の情報を表示する。例えば、電子サイン入力端末10は、決済端末20から取引に応じた金額と支払方法とが含まれる取引条件を受信し、表示部12に表示させる。
【0022】
決済端末20は、クレジットカードの加盟店における販売情報を管理するコンピュータ装置である。決済端末20は、例えばPOS端末であり、レジスタの機能、加盟店において販売される商品の商品名称、売価や販売実績などを記憶するデータベース機能、商品に付されるバーコードを読み取って、読み取ったバーコードに対応する商品名称や売価を読み出す機能などを備える。本実施形態の例では、このように決済端末20にPOS端末を適用する例を説明するが、決済機能だけが切り出されたINFOX(登録商標)端末のような決済専用端末を適用しても良い。この場合、例えば決済専用端末とPOS端末とにより決済端末20が構成される。また、決済端末20は、電子サイン入力端末10に接続される。決済端末20は、入力部21と、表示部22と、カード情報読取部23と、オンライン処理部24と、伝票情報生成部25と、伝票印刷部26とを備えている。
【0023】
入力部21は、キーボード、マウス、タッチパネルやバーコードスキャナなどの入力デバイスであり、加盟店の店員からの情報入力を受付ける。例えば、入力部21には購入者によって購入される商品に付されたバーコードが入力され、入力されたバーコードに応じた商品の金額などが検索されて入力される。また、クレジットカードによる取引を行う際には、店員は購入者から申請される支払方法、支払回数などを入力部21に入力する。このように、入力部21には、取引に応じた金額や支払方法などの取引条件が入力される。
【0024】
表示部22は、取引条件等の情報を表示するディスプレイである。表示部22にはタッチパネルを適用して入力部21を兼ねるように構成しても良い。また、表示部22は、決済端末20が、電子サイン入力端末10から電子サインを受信すると、受信した電子サインを表示する。これにより、決済端末20を扱う加盟店の店員は、購入者によって入力された電子サインを、決済端末20の表示部22を見ることで確認することができる。ここで、決済端末20が備える表示部22が、画面が小さい、画像が粗いなどの理由により電子サインを表示できない場合には、例えば購入者控えに電子サインを印字させて出力し、印字された電子サインを加盟店の店員が確認した後に、購入者に購入者控えを手渡すようにしても良い。
【0025】
カード情報読取部23は、購入者から提示されるクレジットカードから、カード番号等の情報を読み取る。例えば、解析部23は、ICカードであるクレジットカードからカード情報を読み取るICカードリーダでも良いし、磁気カードであるクレジットカードからカード情報を読み取る磁気カードリーダでも良い。
【0026】
オンライン処理部24は、ネットワークを介してカード会社サーバ50に接続してオーソリゼーション要求を送信し、カード会社サーバ50から送信されるオーソリゼーション結果を受信するオンライン処理を行う。オーソリゼーション処理は、取引条件やカード情報に基づいてカード会社が取引を承認し、金額を支払うか否かを判定する処理である。オンライン処理部24がカード会社サーバ50に送信するオーソリゼーション要求には、カード情報や取引条件等の情報が含まれる。
【0027】
伝票情報生成部25は、電子サイン入力端末10に入力された電子サインが含まれる伝票情報を生成し、伝票情報サーバ30に送信する。
図2は、伝票情報生成部25が生成して伝票情報サーバ30に送信する伝票情報に含まれるデータ項目の例を示す図である。伝票情報には、加盟店名、加盟店コード、端末番号、ご利用日時、伝票番号、カード番号、有効期限、承認番号、取引内容、商品コード、取扱区分、カード会社名、カード会社コード、支払い区分、分割回数、支払開始月、ボーナス回数、金額、税その他、合計金額、カナ氏名、電子サイン、取引種別、オーソリ結果、紙出力有無、レシート情報などの項目の情報が含まれる。ここで、加盟店名には、カード会社サーバ50に予め登録された名称が適用されるため、購入者が取引を行った店舗名とは異なる場合がある。そのため、伝票情報には、店舗において印刷して購入者に発行するレシートに記載された情報と同様の情報であるレシート情報が含まれるようにする。このようにすれば、後に伝票情報参照サーバ40に記憶される伝票情報を検索して、カード会社サーバ50のオペレータや購入者であるユーザは、購入者が実際に取引された際のレシートを参照することができる。レシート情報は、テキスト情報でも良いし、画像情報でも良い。伝票情報に含まれる電子サインの情報は、いわゆるビットマップなどのイメージデータであるラスター画像でも良いし、ベクトルを用いた座標データであるベクター画像でも良い。ここで、例えば決済端末20を決済専用端末とPOS端末とにより構成することなどにより、レシート情報を生成する機能と伝票情報を生成する機能とが異なる装置に備えられる場合には、伝票情報にはレシート情報が含まれないように構成しても良いし、決済専用端末がPOS端末からレシート情報を読み出し、読み出したレシート情報が含まれる伝票情報を生成するようにしても良い。
【0028】
図1に戻り、伝票印刷部26は、伝票情報生成部25によって生成された伝票を紙媒体に印刷して出力する。ここで、従来は、購入者控えと加盟店控えとカード会社控えとの伝票を出力していたが、本実施形態では、伝票情報は伝票情報参照サーバ40に記憶され、参照端末60からネットワークを介して参照することができるため、伝票印刷部26はカード会社控えを出力しなくて良い。また、加盟店が紙媒体による伝票処理を行っている場合などには、伝票印刷部26は加盟店控えを出力するが、加盟店が電子データによる伝票処理を行う場合には、加盟店控えを出力しないようにしても良い。伝票印刷部26は、少なくとも購入者控えの伝票を出力する。加盟店の店員は、出力した伝票を購入者に渡す。ここで、伝票印刷部26は、伝票情報に含まれる各情報を紙媒体に印刷するが、電子サインやレシート情報などは出力しないようにしても良い。ただし、上述のように、表示部22に電子サインを表示できない場合には、購入者控えに電子サインを印刷するようにしても良い。
図3は、伝票印刷部26によって電子サインを含む伝票情報が出力される場合の伝票の例を示す図である。ここでは、伝票の上方に文字データが、下方に電子サインのデータが印刷される。
【0029】
伝票情報サーバ30は、ネットワークを介して決済端末20に接続されたコンピュータ装置である。伝票情報サーバ30は、伝票情報記憶部31を備えている。
伝票情報記憶部31には、決済端末20から送信される伝票情報が記憶される。伝票情報記憶部31に記憶される伝票情報には、上述したように、加盟店の店舗名が含まれるレシート情報が含まれる。伝票情報サーバ30は、決済端末20から送信される伝票情報を受信して、伝票情報記憶部31に記憶させる。
【0030】
伝票情報参照サーバ40は、伝票情報サーバ30の伝票情報記憶部31に記憶された伝票情報と同様の情報が記憶されるコンピュータ装置であり、参照端末60から送信される伝票情報参照要求に応じた伝票情報を送信する。このように、本実施形態では、伝票情報サーバ30と同様の伝票情報が記憶された伝票情報参照サーバ40を設置し、伝票情報参照サーバ40のみが参照端末60等の外部のコンピュータ装置との通信を行うようにして、伝票情報サーバ30を外部のコンピュータ装置から切り離すように構成することで、伝票情報サーバ30に記憶された情報の安全性や独立性を保つ。伝票情報参照サーバ40は、入力部41と、表示部42と、参照用伝票情報記憶部43と、参照用伝票情報提供部44と、参照用アカウント制御部45とを備えている。
【0031】
入力部41は、キーボードやマウスなどの入力デバイスである。
表示部42は、情報を表示するディスプレイである。
参照用伝票情報記憶部43には、伝票情報サーバ30の伝票情報記憶部31に記憶された伝票情報と同様の情報が記憶される。伝票情報参照サーバ40は、例えば定期的に伝票情報サーバ30から送信される伝票情報を受信して、参照用伝票情報記憶部43に記憶させる。
【0032】
参照用伝票情報提供部44は、参照端末60から送信される伝票情報参照要求に応じて、参照用伝票情報記憶部43に記憶されている伝票情報を読み出して参照端末60に送信する伝票情報参照サービスを提供する。
図4は、参照用伝票情報提供部44が、カード会社の参照端末60から受信する伝票情報参照要求に含まれるデータ項目の例を示す図である。伝票情報参照要求には、カード会社コード、加盟店コード、加盟店名、カード番号、カナ氏名、ご利用日時、合計金額のうちいずれかまたは複数の情報が含まれる。参照用伝票情報提供部44は、伝票情報参照要求に含まれるデータ項目の情報に一致する情報が含まれる伝票情報を参照用伝票情報記憶部43から読み出し、参照端末60に送信する。参照用伝票情報提供部44は、伝票情報参照要求に対応する複数の伝票情報を検出した場合には、例えば伝票情報に含まれる加盟店やカナ氏名などの一部のデータ項目のみの結果一覧を参照端末60に送信し、結果一覧のうちから参照端末60によって選択された伝票情報について全てのデータ項目の情報を参照端末60に送信するようにしても良い。
図5は、伝票情報参照サーバ40が参照端末60に送信する伝票情報のデータ項目の例を示す図である。伝票情報参照サーバ40が参照端末60に送信する伝票情報においては、参照用伝票情報記憶部43に記憶されるデータ項目のうち、取引種別やオーソリゼーション結果、紙出力有無、レシート情報などの情報は送信しないようにして良い。
【0033】
また、参照用伝票情報提供部44が参照端末60からの伝票情報参照要求に応じて伝票情報を送信した場合、伝票情報が参照されたカード会社に対して、伝票情報参照要求に応じて伝票情報を送信したことを通知するようにしても良い。例えば、伝票情報を参照した参照端末60のカード会社がいわゆるイシュアである場合には、対応するアクワイヤラであるカード会社に対して、伝票情報参照要求に応じて伝票情報を送信したことを通知するようにしても良い。
【0034】
また、参照用伝票情報提供部44は、購入者のコンピュータ装置である参照端末60から伝票情報参照要求を受信し、受信した伝票情報参照要求に応じた伝票情報を参照端末60に送信するようにしても良い。
図6は、購入者によってログインされる参照端末60から送信される伝票情報参照要求に含まれるデータ項目の例を示す図である。参照用伝票情報提供部44は、伝票情報参照要求に含まれるデータ項目の情報に一致する情報が含まれる伝票情報を参照用伝票情報記憶部43から読み出し、ユーザ端末に送信する。この際、参照用伝票情報提供部44がユーザ端末に送信する伝票情報には、レシート情報が含まれる。このように、参照用伝票情報提供部44が、ユーザ端末から送信される伝票情報参照要求に応じて伝票情報を送信することで、購入者は、例えばカード会社から郵送された請求書に記載された事項に不明点がある場合に、カード会社に問い合わせなくとも、ユーザ端末を用いて取引に対応するレシート情報を参照することが可能となる。
【0035】
参照用アカウント制御部45は、参照用伝票情報提供部44によって提供される伝票情報参照サービスを利用するユーザアカウントを制御する。例えば、参照用アカウント制御部45の記憶領域には、カード会社、加盟店、クレジットカード会員などを識別するために予め作成された属性情報等に対応付けられて、ユーザアカウントとパスワードとの組み合わせが記憶されている。参照用アカウント制御部45は、参照端末60からユーザアカウントとパスワードとが含まれるログイン要求を受信し、受信したログイン要求に一致するユーザアカウントとパスワードとの組み合わせが予め記憶されているか否かを判定する。参照用アカウント制御部45は、受信したログイン要求に一致するユーザアカウントとパスワードとの組み合わせが予め記憶されている場合にはログイン成功と判定し、記憶されていない場合にはログイン失敗と判定する。また、参照用アカウント制御部45は、伝票情報参照要求の送信元である参照端末60に対応するユーザアカウントの属性に応じて、参照可能な伝票情報の範囲を制御するようにしても良い。例えば、特定のカード会社の参照端末60から送信された伝票情報参照要求に対して、他のカード会社における取引の伝票情報を提供しないように制御するようにして良い。
【0036】
カード会社サーバ50は、クレジットカードを取り扱うカード会社のコンピュータ装置である。カード会社サーバ50は、オンライン処理部51を備えている。
オンライン処理部51は、決済端末20から送信されるオーソリゼーション要求に応じてオーソリゼーション処理を行い、オーソリゼーション結果を決済端末20に送信する。より具体的には、オンライン処理部51は、オーソリゼーション要求に含まれるカード番号や決済要求代金の金額などに応じて、提示されたクレジットカードによる取引を承認するか否かを判定する。例えば、オーソリゼーション処理部34は、カード番号のチェックサムなどにより不正なカードであるか否かを判定するとともに、カードの有効期限、利用限度額などの情報に応じて、決済要求に応じた取引の承認を行なうか否かを判定し、判定結果をオーソリゼーション結果として、オーソリゼーション要求の送信元である決済端末20に送信する。
【0037】
また、カード会社サーバ50は、自身のカード会社が取り扱うクレジットカードの会員向けに、取引の履歴などの情報を閲覧可能に提供するウェブサービスなどの機能を備えるようにしても良い。この場合、カード会社サーバ50は、クレジットカードの会員向けに履歴情報を提供するとともに、伝票情報参照サーバ40から取得する伝票情報を提供するようにしても良い。
【0038】
参照端末60は、ネットワークを介して伝票情報参照サーバ40に接続されたコンピュータ装置である。参照端末60には、いわゆるPC(パーソナルコンピュータ)等が適用できる。参照端末60は、カード会社のオペレータによって利用されるものであっても良いし、加盟店の店員等により利用されるものであっても良いし、クレジットカード会員である購入者によって利用されるものであっても良い。本実施形態では、カード会社のオペレータによって利用されるものとして説明する。参照端末60は、入力部61と、表示部62と、問合せ処理部63とを備えている。
【0039】
入力部61は、キーボードやマウスなどの入力デバイスであり、カード会社のオペレータからの情報の入力を受付ける。入力部61は、例えば、伝票情報参照要求の対象となるデータ項目の情報の入力を受付ける。
表示部62は、情報を出力するディスプレイである。例えば、表示部62は、問合せ処理部63が伝票情報参照サーバ40から受信した伝票情報を出力する。
【0040】
問合せ処理部63は、入力部61に入力される情報に応じて、伝票情報参照要求を伝票情報参照サーバ40に送信する。例えば、問合せ処理部63は、購入者からの問合せに応じてカード会社のオペレータによって入力される情報に応じて、伝票情報参照要求を伝票情報参照サーバ40に送信する。問合せ処理部63が送信する伝票情報参照要求に含まれるデータ項目は、
図4に示した通りである。カード会社のオペレータは、電話等により購入者から取引に関する問合せを受けると、問合せの内容に応じて入力部61に問合条件の情報を入力する。問合せ処理部63は、入力された情報に基づいて伝票情報参照要求を生成して伝票情報参照サーバ40に送信し、送信した伝票情報参照要求に応じて伝票情報参照サーバ40から送信される伝票情報を受信する。また、問合せ処理部63は、伝票情報参照サーバ40から受信した伝票情報を表示部62に表示させる。購入者からの問合せを受けたオペレータは、表示部62に表示される伝票情報をみて、購入者からの問合せに回答する。
【0041】
次に、本実施形態による伝票参照システム1の動作例を説明する。
図7は、加盟店におけるクレジットカード決済の際に、決済端末20が伝票情報を生成する動作例を示すシーケンス図である。
クレジットカードの加盟店において、例えば購入者が購入する商品を決定すると、加盟店の店員は、決済端末20に商品の金額を入力する。決済端末20の入力部21は、店員から入力される金額を受付ける(ステップS1)。購入者は、クレジットカードを店員に提示する。決済端末20のカード情報読取部23は、提示されたクレジットカードからカード情報を読み取る(ステップS2)。店員は、購入者から申請される支払回数などの取引条件を、決済端末20の入力部21に入力する(ステップS3)。
【0042】
決済端末20のオンライン処理部24は、カード情報読取部23が読み取ったカード情報や入力部21に入力された取引条件などが含まれるオーソリゼーション要求をカード会社サーバ50に送信する。カード会社サーバ50のオンライン処理部51は、決済端末20から送信されたオーソリゼーション要求に応じてオーソリゼーション処理を行い、オーソリゼーション結果を決済端末20に送信する。決済端末20のオンライン処理部24は、カード会社サーバ50から送信されたオーソリゼーション結果を受信する(ステップS4)。ここで、オーソリゼーション結果が、取引を承認しないことを示していれば、店員は、再度決済端末20にオーソリゼーション要求を行わせるか、購入者との取引を行わない。
【0043】
ステップS4において送信されたオーソリゼーション結果が、取引を承認することを示していれば、決済端末20は、電子サイン入力端末10に対して、ステップS3において入力された取引条件を送信するとともに、電子サインの入力要求を送信する(ステップS5)。電子サイン入力端末10は、決済端末20から送信される電子サインの入力要求を受信すると、動作を開始する。まず、電子サイン入力端末10は、決済端末20から送信された取引条件を、表示部22に表示させる(ステップS6)。そして、電子サイン入力端末10の電子サイン入力部11は、購入者からの電子サインの入力を受付ける(ステップS7)。
【0044】
電子サイン入力端末10は、ステップS7において入力された電子サインを、決済端末20に送信する(ステップS8)。決済端末20は、電子サイン入力端末10から送信された電子サインを表示部22に表示させる(ステップS9)。加盟店の店員は、決済端末20の表示部22に表示された電子サインと、クレジットカードに記載されたサインとが同一であることを確認すると、決済端末20の入力部21に含まれる確認ボタンを押下する(ステップS10)。決済端末20は、電子サインが確認されたことを示す情報を電子サイン入力端末10に送信する(ステップS11)。決済端末20の伝票情報生成部25は、ステップS2において入力されたカード情報とステップS3において入力された取引条件とに基づいて伝票情報を生成する。伝票印刷部26は、伝票情報生成部25によって生成された伝票情報を印刷して出力する(ステップS12)。加盟店の店員は、出力された伝票を、購入者控えとして購入者に渡す。このように、電子サインが店員によって確認されたことを示す確認ボタンが押下された場合に、伝票情報を印刷して出力することで、購入者により入力された電子サインが店員により確認されたことを示す証跡を、決済端末20に残すことが可能となる。
【0045】
図8は、決済端末20によって生成された伝票情報が伝票情報参照サーバ40に記憶され、参照端末60によって参照される動作例を示すシーケンス図である。
決済端末20は、生成した伝票情報を伝票情報サーバ30に送信する(ステップS13)。伝票情報サーバ30は、決済端末20から送信される伝票情報を受信すると、一定期間内に決済端末20から送信された伝票情報の件数をカウントする(ステップS14)。また、伝票情報サーバ30は、決済端末20から受信した伝票情報のフォーマットが、予め定められたフォーマットに一致するものであるか否かを判定する。例えば、伝票情報サーバ30は、伝票情報に含まれる情報の文字数や、データ項目数などを確認する(ステップS15)。ここで、フォーマットが一致しないと判定すれば、伝票情報サーバ30はエラー情報を決済端末20に送信する。また、伝票情報サーバ30は、ステップS4においてカード会社サーバ50に送信されたオーソリゼーション要求に基づくオーソリゼーション結果を受信する。ここでは、伝票情報サーバ30は、カード会社サーバ50からオーソリゼーション結果を受信しても良いし、例えば決済端末20とカード会社サーバ50との間の中継装置に記憶された、オーソリゼーション処理の際の取引ログからオーソリゼーション結果を抽出するようにしても良い。伝票情報サーバ30は、決済端末20から送信される伝票情報と、オーソリゼーション結果との取引内容が一致するか否かを判定する(ステップS16)。ここで、伝票情報とオーソリゼーション結果との取引内容が一致しないと判定すれば、伝票情報サーバ30はエラー情報を決済端末20に送信する。
【0046】
伝票情報サーバ30は、決済端末20から送信された伝票情報の確認結果を決済端末20に送信し、伝票情報を伝票情報記憶部31に記憶させる(ステップS18)。また、伝票情報サーバ30は、伝票情報記憶部31に記憶された伝票情報を、参照用伝票情報として伝票情報参照サーバ40に送信する(ステップS19)。伝票情報参照サーバ40は、伝票情報サーバ30から送信された伝票情報を受信すると、参照用伝票情報記憶部43に記憶させる(ステップS20)。
【0047】
一方、参照端末60は、カード会社サーバのオペレータから、予め発行されたアカウントやパスワードなどの入力を受付けて、伝票情報参照サーバ40にログイン要求を送信する。伝票情報参照サーバ40の参照用アカウント制御部45は、参照端末60から送信されたログイン要求に基づいて参照端末60のログインを許可するか否かを判定する。参照端末60によるログインが成功すると、カード会社のオペレータは、クレジットカードを用いて取引を行った購入者からの問合せを、電話等で受付ける。参照端末60の入力部61は、カード会社のオペレータから入力される問合せ条件の入力を受付ける(ステップS22)。参照端末60の問合せ処理部63は、ステップS22において入力された問合せ条件に応じたデータ項目が含まれる伝票情報参照要求を、伝票情報参照サーバ40に送信する(ステップS23)。伝票情報参照サーバ40の参照用伝票情報提供部44は、参照端末60から送信された伝票情報参照要求に応じた伝票情報を、参照用伝票情報記憶部43から読み出す(ステップS24)。伝票情報参照サーバ40は、読み出した伝票情報を、参照端末60に送信する。参照端末60の問合せ処理部63は、伝票情報参照サーバ40から送信される伝票情報を表示部62に表示させる。カード会社のオペレータは、参照端末60の表示部62に表示された伝票情報をみて、購入者からの問合せに回答する。このようにすれば、カード会社のオペレータは、クレジットカード決済の取引に関する購入者からの問合せに対する回答を、効率よく行うことが可能となる。
【0048】
なお、上述の実施形態において参照端末60が備える各機能部は、カード会社サーバ50が備えるように構成しても良い。
図9は、このように構成された他の実施形態における伝票参照システム1の構成を示す図である。この実施形態では、カード会社サーバ50によってオーソリゼーション処理が行われるとともに、伝票情報参照サーバ40への問合せ処理が行われる。この場合、参照端末60は存在しなくとも良く、カード会社サーバ50が参照端末60の各機能部を備える。
【0049】
また、決済端末20は、伝票情報を暗号化する暗号処理部を備え、伝票情報を暗号化してから伝票情報サーバ30に送信するようにしても良い。例えば、
図10は、電子サインをイメージデータ(ラスタ画像)により構成する場合の暗号化の概要を示す図である。この場合は、電子透かし技術によりイメージデータに文字データを埋め込み、AESなどの暗号化技術により伝票情報を暗号化する。あるいは、
図11は、電子サインを座標データ(ベクター画像)により構成する場合の暗号化の概要を示す図である。この場合は、文字データとひみつ値とに基づいて生成する電子署名を座標データに付与し、暗号化技術により伝票情報を暗号化する。決済端末20は、暗号化した伝票情報を伝票情報サーバ30に送信する。伝票情報サーバ30の伝票情報記憶部31には、暗号化された伝票情報が記憶される。
【0050】
また、本実施形態では、取引の際に、購入者によって電子サイン入力端末10に電子サインが入力され、入力された電子サインが含まれる伝票情報が生成される例を説明したが、電子サインが含まれない伝票情報が伝票情報サーバ30の伝票情報記憶部31に記憶されるようにしても良い。例えば、サインレス決済の場合に伝票情報生成部25が生成する伝票情報には電子サインが含まれない。サインレス決済は、例えば、加盟店とクレジットカード会社との間で予め契約されている場合や、ICクレジットカード取引におけるPINを用いた本人確認の場合などに行われる。このように、伝票情報サーバ30の伝票情報記憶部31には、電子サインが含まれる伝票情報と、電子サインが含まれる伝票情報とのいずれもが記憶され、参照可能に提供されるようにして良い。
【0051】
また、本実施形態では、決済端末20によって生成される伝票情報が記憶される伝票情報サーバ30と、参照端末60からの伝票情報参照要求に応じて伝票情報を送信する伝票情報参照サーバ40とを異なるコンピュータ装置により構成する例を説明したが、伝票情報サーバ30と伝票情報参照サーバ40とは同一のコンピュータ装置により構成しても良い。例えば、伝票情報参照サーバ40を設けずに、伝票情報サーバ30が伝票情報参照サーバ40の参照用伝票情報提供部44と同様の機能を備えるようにしても良い。ただし、ネットワーク環境や処理負荷に応じて、逆に3台以上のコンピュータ装置により構成しても良い。
【0052】
また、上述のように決済端末20のオンライン処理部24がカード会社サーバ50にオーソリゼーション要求を送信すると、カード会社サーバ50にはオーソリゼーション結果が記憶される。このため、その後に取引条件の訂正などを行う場合には、再度のオーソリゼーション処理を行わなければならない。そこで、決済端末20の入力部21に取引条件が入力された時点で、決済端末20が取引条件を電子サイン入力端末10に送信して表示させ、購入者によって取引条件が確認された後にオーソリゼーション処理を行うようにしても良い。これにより、オーソリゼーション処理の前に購入者が取引条件を確認でき、店員による入力の誤り等があれば、オーソリゼーション処理が行われる前に誤りを訂正できる。この場合、加盟店の店員は、電子サイン入力端末10に取引条件が表示された際に、購入者に取引条件が間違いないかを確認し、確認された場合にはそのことを示す情報を決済端末20に入力する。例えば、確認ボタンを押下する。決済端末20は、取引条件が確認されたことを示す情報が入力されると、カード会社サーバ50にオーソリゼーション要求を送信してオンライン処理を行う。
【0053】
以上説明したように、本実施形態によれば、電子サインが含まれる伝票情報が伝票情報参照サーバ40に記憶され、必要に応じて参照端末60から参照することが可能となるため、カード会社は、紙媒体による大量の伝票を保管する必要がない。また、購入者からの問合せの際に、紙媒体による大量の伝票から、問合せに対応する伝票を探し出す負担を負うこともない。さらに、購入者からの問合せに対する回答速度が早くなることにより、顧客満足度が向上することが期待できる。
【0054】
一方、加盟店にとっても、紙媒体による大量のカード会社控えの伝票を保管する必要がない。また、カード会社からの問合せに応じて、紙媒体による大量の伝票から、問合せに対応する伝票を探し出す負担を負うこともない。また、電子サインが入力され、店員に確認ボタンが押下される工程が伝票情報生成のプロセスに組み込まれているため、クレジットカード決済の際に購入者からサインを貰い忘れたり、サインの確認を忘れたりすることをなくすことが期待できる。また、生成された伝票情報に応じて、伝票情報サーバ30によって取引件数がカウントされるため、伝票枚数の確認などの作業の負担を負うこともない。また、電子サインは決済端末20に記憶されるため、例えば従来のように、紙媒体にサインされたカード会社控えが、購入者に渡されてしまうといったオペレーションミスが起き得ない。
【0055】
また、購入者にとっても、カード会社に問合せを行った際に素早い回答を得ることができるようになる。また、伝票情報が暗号化されて伝票情報サーバ30に記憶されることにより、カード会社控えの紛失による情報漏えいリスクが減り、安心してクレジットカードを利用することが期待できる。このように、本実施形態によれば、カード会社、加盟店、購入者のいずれにとっても、効率よくクレジットカード取引を行うことが可能となる。
【0056】
なお、本発明における処理部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより伝票情報の参照を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0057】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。