(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記実質的に断熱的な遷移部は、前記入力部の出力から、伝播する基底モードを長軸から前記実質的に断熱的な遷移部の軸を離れた外側周辺領域にずらすために十分な曲率半径Rを有するとともに、出力部の入力への前記基底モードの伝播を保持するよう拡大する半径rの光ファイバ部分からなることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバカプラ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
デバイスに沿う伝播損失、および曲げ損失を著しく低減するために、伝播する基底モードを光ファイバの中心からずらした周辺領域に限定するように光ファイバ、およびコイルの直径を選択する方法は、例えば物理的な寸法、モードフィールド径、および伝播定数に関してコイルと通常の入力/出力導波路、あるいはファイバとの間の大きな不整合などに起因する入力信号と光ファイバコイルとの結合、あるいは光信号の抽出に難しさが残っている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
従来技術にいまだに残る必要性が本発明によって対処され、それはコイル巻きされた光ファイバデバイス、より具体的には入力導波路の長軸に沿って伝播する光入力信号を光ファイバコイルに沿って軸を離れた(つまり、「ずらした」)好ましい信号経路へと断熱的変換をもたらすための光カプラに関する。明細書全体を通して用いられるように、「断熱」(あるいは「実質的に断熱」という句)という用語は、伝播するモードが「保持される」(あるいは、実質的に「保持される」)光信号の変換を規定するように意図される。
【0009】
本発明により、光ファイバの切片が(光ファイバ、あるいは導波路に沿って伝播する)標準的な入力光信号とコイル巻きされた光ファイバデバイスとの間の断熱的光カプラとして利用される。入力ファイバ/導波路の長軸に沿って伝播する標準的な基底モードを、関連するコイル巻きされた光ファイバデバイスの領域内にずらされている軸離れした基底モードに変換することを促進するために、光ファイバの切片それ自体がコイルに巻かれる(あるいは、少なくとも曲げられる)。
【0010】
断熱的光カプラそれ自体がコイルに形成される実施例において、コイルのピッチも断熱的変換の工程を促進するためにコントロールされる。
【0011】
好ましい実施例において、断熱的光ファイバカプラは、信号が中心部コア棒、あるいはコイルの個々の巻きと結合することなく、基底モードの低損失伝送を確かなものとするために、(中心部コア棒がコイル巻きされた光ファイバデバイスに含まれるならば、それと同じように)関連するコイル巻きされた光ファイバデバイスの巻きから物理的に離されたままになっている。
【0012】
本発明の他の実施例、および観点が以下の一連の議論の間に、かつ付属する図面の参照によって明らかとなろう。
【0013】
上に説明された本発明の特徴が詳細に理解される方法、上におおまかにまとめられた本発明の実施例のより具体的な説明が付属の図面に図解される実施例を参照することによりなされる。しかし、付属の図面は本発明の範囲内に含まれるいろいろな実施例の典型的なものを単に図解しているだけであり、したがって限定するものではなく、本発明に対して他の同等の効果的な実施例に通じるということが注目されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】米国特許出願第12/587,767号に十分説明される光ファイバをコイル巻きされた光デバイスの例を図解する。
【
図2】本発明により形成された断熱的先細光ファイバカプラの例を図解する。
【
図3】入力光信号経路、断熱的カプラ、および関連する光ファイバコイルとの間の接続を説明する図解である。
【
図4】本発明により形成されたコイル巻きされ、先細にされた断熱的光ファイバカプラの例を図解する。
【
図5】入力光ファイバに関連する
図4のカプラを示す。
【
図6】入力光導波路に関連する
図4のカプラを示す。
【
図7】断熱的変換するために可変ピッチのコイルを用いて一定のファイバ半径、およびコイルの曲率半径を有するように形成される断熱的光ファイバカプラを利用する、本発明の他の実施例を示す。
【
図8】
図8(a)は、曲がった光ファイバを真っ直ぐな光ファイバへの等角変換を示し、
図8(b)は、一組の異なる遷移長さに対する数値シミュレーションの結果を示す。
【
図9】
図9(a)は、コイル巻きされた光ファイバを真っ直ぐな光ファイバへの等角変換を示し、
図9(b)は、第一の先細長さに対する基底モードの伝播を示し、
図9(c)は、第二のより長い先細長さに対する基底モードの伝播を示す。
【
図10】
図10(a)は、二つの分離した光ファイバコイルデバイスをいっしょに結合するための従来技術による構成を示し、
図10(b)は、本発明により一対の光ファイバコイルを相互に連結するための結合構成を図解する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
ここに用いる表題は単に組織化の目的のためであり、説明、あるいは請求項の範囲を限定するために用いられることを意図していない。この出願全体を通して用いられるように、用語「してもよい」は、強制的な意味合い(つまり、「ねばならない」の意味)よりもむしろ、許容するという意味合い(つまり、「潜在的な可能性を有する」の意味)で使われる。同様に、用語「含む」は、「含むが、しかし...に限定されない」を意味すると考えられる。理解を容易にするために、可能な場合は、図面間で共通の同様の構成要素を表すために同じ参照番号が使われる。
【0016】
図1(a)は、本出願人が出願中の同時係属特許出願に開示される光ファイバコイル1の例を図解する。伝播する基底モードは、コイルに沿う光ファイバのそれぞれの巻き2の極めて外側の周辺領域に限定されるように
図1(b)に示される。伝播モードをこの領域に限定することにより、隣接する巻きの間の結合が、巻きと中心部コア棒3との間と同様に、顕著に低減され、ほとんど、あるいはまったく散乱、および/あるいは曲げ損失なしに伝播することを可能にする。
【0017】
この構成は他の形式の光遅延デバイスに比べて著しい改善であると考えられるが、ファイバコイルの所望する極めて外側の周辺領域内に、あるいはその外に伝播する信号を結合させる可能性には問題が残っている。適切な結合構成は、コイル1を形成するために微少ファイバを使用するとき、標準の入力/出力導波路、あるいはファイバと光微少ファイバの「微少」寸法との間の物理的な寸法の違いに対処することも必要である。
【0018】
本発明は、断熱的先太光ファイバコイル10の例を示す
図2によって、これらの関心事に対処する。以下に詳細に議論されるように、カプラ10は最初に伝播する光信号をシングルモード導波路、あるいはファイバから光微少ファイバの「真っ直ぐな」部分に結合する。本発明の実施例において、光微少ファイバがカプラ10を形成するために使われ、例えば、5−100μmのオーダーの直径を有するファイバとして規定され、「コア」領域と「クラッド」領域の材質、あるいは特性の間に明らかな差がなくてもよい。こうして伝播する光信号は、シングルモード入力信号経路から光微少ファイバの直線部分へ移行しながら長軸に沿って伝播し続ける。それ以降の微少ファイバは、それから外側方向に先太にされ、かつ曲げられて(多分、コイルに巻かれ)、伝播する信号を微少ファイバコイルの著しい周辺領域にずらされ、限定される軸離れ信号に断熱的に遷移させる。本発明の理論はコイル巻きされたデバイスの形成に標準的なファイバを用いる構成に同様に適用可能であるため、光微少ファイバを利用するこの具体的な構成は単に例として考えられる。
【0019】
図2の実施例において特定の部品を参照すると、断熱的カプラ10は光ファイバの入力部分12を含むとして示され、それは入力導波路、あるいはファイバの終端点に結合されている。この点において、入力部12は(この具体的な実施例においては)約1ミクロンの直径を有るとして示され、その長軸に沿って伝播する光信号の基底モードを支持する。本発明により、断熱的カプラ10は光ファイバの曲がった部分で形成される断熱的遷移部14をさらに含む。この例においては、断熱的遷移領域14は50ミクロンのオーダーの曲率半径Rを有するとして示される。さらに示されるように、断熱的遷移領域14は、この場合、入力部12との境界における値1ミクロンから幅5ミクロンまで外側に広がるファイバ直径dの増加をさらに示す。光ファイバの他の部分からなる出力結合部16は断熱的遷移部分14を過ぎたところに配されるとして示される。この実施例においては、出力結合部16は基本的に一定の直径の光ファイバからなる。
【0020】
また、断熱的カプラ10の入力位置A、および出力位置Bにおけるモードフィールドの配置図が
図2に示される。断熱的カプラ10の入力部12の中心部について、円形のモードフィールド配置が入力部分として示される(図形A)。信号が断熱的遷移部14を経て伝播し、出力結合部16に入るときまでに、モードフィールドが(大きな)光ファイバの著しく周辺の部分にずらされ、図形Bに示されるようなモードフィールド配置を示す。このモードフィールド配置を
図1(b)の光ファイバに関するそれと比較すると、本発明の断熱的カプラ10は、あるとしても極くわずかの損失で光ファイバコイルに結合できる入力信号を形成することが可能であることが明らかである。
【0021】
図3は入力光信号経路、断熱的カプラ10、および光ファイバコイル1の間の接続を示す図解である。上に述べられ、さらに以下に議論されるように、入力光信号経路は、
図3に光ファイバ13として示される入力光ファイバ、あるいは
図3に導波路15として示される平面状光導波路、あるいはシングルモードの光信号を伝播する他の適当なモードからなってよい。
図2の図形Bに示されるように、モードが微少ファイバの外側周辺領域にずれるまで、カプラ10は光ファイバコイル1のコア棒3と接触すべきでないということが本発明のカプラ構成の観点である。さもないと、カプラ10とコア棒3との間の接触は伝播する信号の一部がコア棒3の中へ望ましくない結合をするという結果をもたらす。
【0022】
また、断熱的カプラ10の長さ方向に沿って伝播するモードの横方向固有値の展開が
図3に示される。カプラ10の入力部12に関連する図解は光ファイバに沿って支持されている基底モードだけを説明している。暗線は光ファイバの屈折率プロファイルに関して伝播するモードの有効屈折率を表す。当業者にはよく知られているように、プロファイルは光ファイバの導波特性への曲げの影響を表すために傾いている。光ファイバは直径が大きくなってくるので、断熱的遷移部分14に関連する図解に示されるように、さらなるモードが現れる。より大きい直径と共に曲がりが含まれるということが基底モード(図に暗線として示される)が保持されることを可能にする、つまり断熱的(モード保持する)遷移が生じるということである。さらにファイバの直径が増加すると、出力結合部16にさらにモードを導入するが、依然として基底モードの断熱的遷移を保持する。出力結合部16において、暗線により表されるモードは導波路の中心部に関して追い出されるということが注目されるべきである。本発明により、次いで断熱カプラ10の出力結合部16は最終構造を形成するために(例えば、溶融ファイバ技術を用いて)光ファイバコイル1に直接接続される。
【0023】
したがって、本発明により、入射するシングルモード信号は最初に、導波路の長軸の周囲の基底モードの分布を保持するように光ファイバに結合される。それから光ファイバの外側周辺領域にこの信号を軸離れさせるようにずらすために断熱的変換が行なわれる。この変換は信号の基底モードの伝播を保持する断熱的な方法で行なわれる。
【0024】
本発明の概念は「入力」カプラの形でここまで述べられてきたが、同様の理論が「出力」カプラを形成するために適用でき、それは例示的な光ファイバコイル1の出力に接続される。この場合、最初に出力カプラは、基底モードを保持する断熱的遷移領域を経る出力導波路の長軸方向にファイバの外側周辺領域に沿って逆伝播する出力信号を遷移させる。
【0025】
図4は、本発明により形成される別の断熱的カプラ20を説明している。この例において、断熱的カプラ20は、これもまた1ミクロンのオーダーの直径を有する光ファイバ部分からなる入力結合部22を含む。上に議論された例のように、入力結合領域22は伝播する(例えば、光ファイバ、あるいは平型導波路からの)シングルモード光信号をカプラに結合するために使われる。次いで、断熱的遷移部24が、約1ミクロンから約5ミクロンまでの直径で広がる光ファイバの切片(この具体的な例では、光微少ファイバ)で形成され、この場合には光ファイバは、
図4に示されるような方法でコイルに巻かれる。断熱的遷移部24を形成するコイルの隣接する巻きの間の間隔を減ずることにより、伝播する光信号が光ファイバの所望する外側周辺領域にずらされる(
図2の図形Bを参照)。この構成は、ピッチがコイルの隣接する巻きの間の間隔を規定する可変コイル「ピッチ」を示すとして規定され、その例は
図4のP
1およびP
2である。次いで、伝播する信号を光ファイバコイルに最終的に結合するために(図示されない)関連する光ファイバコイルと同じ寸法を有する出力結合部26が使われる。
【0026】
図5は入力光ファイバ13と共に使われる断熱的カプラ20を示す。また、光ファイバ13と断熱的カプラ20(図形A)の入力結合部22との間の接合点に入射する伝播する信号の円形の基底モードが
図5に示される。出力結合部26に沿って見える、カプラ20からのずらされた出力が
図5の図形Bに示される。
図6は同様の構成であって、この場合は平面状の導波路15を断熱的カプラ20に結合する。
【0027】
図7は本発明のさらに別の実施例を示し、この場合、断熱的カプラ30は、直径が一定の光ファイバの切片からなり、上に議論された実施例における先細ファイバの使用とはことなる。図示のように、カプラ30は光ファイバの入力結合部32を含み、隣接するコイル間のピッチが常に減少していくコイルとして形成される断熱的遷移部がそれに続く。曲げを加えられた断熱的遷移は、出力結合部36に沿って示されるように、伝播する基底モードをファイバの長軸に沿う初期の伝播から軸離れ位置へとずらす。しかし、先細ファイバを使わないことにより、(カプラ20と比較して)より長い光ファイバが断熱的遷移部を形成するために必要となる。しかし、特に微少ファイバで先細の光ファイバの形成が問題となるシステムでは、
図7の実施例が好ましい。
【0028】
これらの実施例のそれぞれにおいて、基底モードは変換に先立ち、光信号経路の長軸に沿って伝播する。このことは本発明の断熱的カプラの重要な観点であると考えられ、その理由はこの信号を軸離れし、位置をずらされた信号に変換することが、最初にシングルモードファイバからの信号を結合する必要がある従来技術による構成よりもよりコンパクトであることによる。本発明の断熱的カプラは、より高い消光、従来技術によるカプラよりも微少ファイバの不要モードへのより少ない結合パワーを備える。さらに、従来の構成は、微少ファイバの中心部の棒、あるいはガラス表面との重なりを低減する(損失を低減する)ために、ずらされたモードの位置を制御する利点を生かしていなかった。
【0029】
例として、一定の半径r、およびz=0における非常に大きな値R
0から下記の式によるコイル半径Rまで変化する曲げ半径R(z)を有するカプラ10のような曲がっている断熱的カプラを考える。
【数1】
ここで、Lは遷移領域の特性長である。曲げは
図8(a)に示されるように、曲がった光ファイバから真っ直ぐな光ファイバへの等角変換を示す局部的な光ファイバ曲率に対応する局部的な有効屈折率変化を導入することにより、ベクトルビーム伝播モデル(BPM)を用いてモデル化される。この例では、ファイバ半径はr=10μmに、最終的なコイル半径はR=1mmに設定される。
図8(b)は遷移長さL=1、2、および6mmに対する数値シミュレーション(表面プロット)の結果を示す。表面プロット1の場合、L=1mmで、真っ直ぐな微少ファイバから出射される基底モードは非断熱的変換であり、それは少なくとも二つのモードの励起、E
00、およびE
01を生じる。これらのモードの干渉がコイル巻きされた微少ファイバの領域で場の振幅の振動となって表れる。これらの振動の周期が以下の式から見出される。
【数2】
この値は
図8(b)の表面プロット1から見出される周期Δz≒245μmと一致する。表面プロット2の場合、L=2mmで、コイル巻きされた光ファイバの領域の場の振動により示されるように、遷移領域はまだ非断熱的である。表面プロット2、Δz≒245μmから見出される振動の周期もまた上記の式による予測と極めてよく一致している。最終的に、遷移長さL=6mmに対応する表面プロット3の場合、場の振動は観察されず、出射される軸方向に対称的な基底モードはコイル巻きされた微少ファイバのずらされた基底モードに断熱的に変換される。この断熱的に曲げられた光フィアバの全長は10mmより小さい、つまり、それは曲率半径1mmの光ファイバコイル2巻きの長さを越えない。
【0030】
カプラ20のようなコイル巻きされた断熱的カプラの基底モードに沿う断熱的伝播は、先細部の特性長、L
t、が断熱的条件L
t>>1/(β
1−β
0)を満たせば指数級数的に小さな損失で行なわれ、ここでβ
1−β
0は基底モードの伝播定数β
0とβ
1の間の最も小さい間隔である。ここでβ
1は導入された変形により励起される
次に高いモードの伝播定数である。伝播定数の間隔が単調に減少するコイル巻きされた先細光ファイバについて、断熱的条件は以下の式から導かれる。
【数3】
【0031】
例として、シングルモード光ファイバの基底モードを、パラメータがR=2.5mm、r=15μm、λ=1.5μm、およびn
f=1.5である光ファイバコイルのずらしモードへ変換することを考える。次いで、上記の関係からL
t>>0.2mmとなる。
図9に示される数値シミュレーションから、要求される変換はL
t〜1mmで損失が小さくなることが確認される。先細の曲げ光ファイバのモデル化はベクトルBPM、および等角変換により実行され、ここで屈折率がn
fである曲げた先細ファイバは、
図9(a)に示されるように、有効屈折率がn
f(1+x/R)である真っ直ぐな先細ファイバにより置き換えられた。先細ファイバの半径変化は、r(0)=r
0、r(∞)=rである
【数4】
の形で選択された。先細ファイバの初期、および最終の半径はそれぞれr
0=1μm、およびr=15μmに設定される。
図9(b)はz
0=0.3mmの先細ファイバに沿うs=0において出射された基底モードの伝播を示す。この先細ファイバは非断熱的であり、いくつかの干渉モードが励起されていることがわかる。
図9(c)はz
0=1mmのより長い先細ファイバに沿う同じモードの伝播を示す。この場合、先細ファイバは初期モードをコイル巻きされた光ファイバのずらされた基底モードに断熱的に変換する。計算の精度内では伝達損失は検出されなかった。
図9(c)に示される断熱的先細ファイバの寸法は例示的な光ファイバコイルデバイスの寸法に比較して無視できる程度であり、その全長はわずかに〜2.5mmである、つまり例示的な微少ファイバコイルデバイスの直径に近い。
【0032】
上に述べられたように、本発明の断熱的光ファイバカプラの観点は、ファイバ自体は好ましいことに光ファイバコイルと空間的に離れた構成のままであるということである。
図10は二つの離れた光ファイバコイルデバイスを相互接続するための構成におけるこの概念を示す。
図10(a)は、一条の光ファイバが第一の光ファイバコイル1−1から延び、その後、第二の光ファイバコイル1−2の周囲にコイル巻きされる従来技術による構成と考えられる。光ファイバは第二の光ファイバコイル1−2まで延びる(
図10(a)に点Xで示される)まで中心部コア棒3−1と接触したままであるので、光ファイバから中心部コア棒3−1へと伝播する光信号の結合が生じる。同様に、点Yにおいて光ファイバが第二の中心部コア棒3−2に接触するので、さらなる損失が生じる。
【0033】
それとは対称的に、かつ本発明と関連して、
図10(b)に示される方法で、断熱的先細光ファイバカプラがコイル1−1、および1−2を相互接続するために使われる。この場合、相互接続するために使われるファイバ部分は、最初に点xにおいて中心部コア棒3−1から離れるように延ばされ、その後、光ファイバは先細にされ、かつ曲げられて、コイルのずらされた周辺位置からシングルモード微少ファイバの長軸に沿って伝播する標準的な光信号に断熱的変換する。ファイバが第二の光ファイバコイル1−2に近づくので、
図10(b)に示されるように光ファイバは両方のコイルからコイルから離れたままである。光ファイバコイル1−2に結合する前に、上に議論された方法により、結合する光ファイバは曲げられ、直径が大きくされて、長軸に沿って伝播する光信号を第二のコイル1−2に関わる周辺領域にずらす。都合のよいことに、断熱的カプラとファイバコイルとの間の間隔を保持することにより、伝播、および結合損失が最小化される。
【0034】
本発明は具体的な実施例を参照して具体的に説明され、かつ示されたが、ここに付属する請求の範囲によって規定されるように、形態、および詳細のいろいろな変更が本発明の精神、および範囲から逸脱することなくなされてよいということが当業者に理解されるべきである。