【実施例】
【0031】
次に、本発明について以下の実施例に基づいてさらに詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されない。また、以下の説明において「%」は、「重量%」を意味する。
【0032】
〔抗菌性試験〕
粉末化粧料の試料30gに菌液を接種後、混釈法により菌数の変化を調べた。なお、接種菌はかび、酵母及びバクテリアを用いて、4週間経過時までの菌数変化により抗菌力を評価し、得られた結果を下記の4段階の基準で評価した。なお、以下の評価のうち◎又は○を合格と判定した。
【0033】
◎:早急に効果が認められる
○:徐々に効果が認められる
△:ほとんど効果が認められない
×:全く効果が認められない
【0034】
下記の表1に示した処方のパウダーファンデーションの
参考例及び比較例について上記の抗菌性試験を行い、その結果を記載した。なお、このパウダーファンデーションの製造方法は一般的に用いられている方法に従った。
【0035】
(表1)パウダーファンデーション
※1 サビライズ アルファ:SABINSA JAPAN CORPORATION社製
【0036】
上記の表1において、塩化ナトリウムと精油混合物とを併用した系において、それぞれ単独で用いるよりも、少量で抗菌作用を示すことが明らかである。また、塩化ナトリウム又は精油混合物の配合量を増加するにつれて抗菌効果の増強が認められた。
【0037】
下記の表2に示した処方のおしろいの
参考例及び比較例について上記の抗菌性試験を行い、その結果を記載した。なお、このおしろいの製造方法は、一般的に用いられている方法に従った。
【0038】
(表2)粉おしろい
※1 サビライズ アルファ:SABINSA JAPAN CORPORATION社製
【0039】
上記の表2においても、塩化ナトリウムと精油混合物とを併用することによって相乗的な抗菌効果が認められた。
【0040】
下記の表3に示した処方のパウダーファンデーションの
参考例、実施例及び比較例について上記の抗菌性試験を行い、その結果を記載した。なお、このパウダーファンデーションの製造方法は、一般的に用いられている方法に従った。
【0041】
(表3)パウダーファンデーション
※1 サビライズ アルファ:SABINSA JAPAN CORPORATION社製
【0042】
上記の表3において、有機系紫外線吸収剤であるt−ブチルメトキシジベンゾイルメタン、及びパラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシルを含有する系では、パラオキシ安息香酸エステルの抗菌活性が著しく低下することが示された。一方で、上記有機系紫外線吸収剤を含有する
パウダーファンデーションにおいて0.01重量%の塩化ナトリウムと0.1重量%の精油混合物とを併用した系(実施例1)、及び0.1重量%の塩化ナトリウムと0.3重量%の精油混合物とを併用した系(実施例2)では抗菌活性は低下することなく、良好な抗菌効果を示した。また、以下に示した
実施例3、及び実施例4においても良好な抗菌効果を得た。
【0043】
参考例14(粉おしろい)
成分名 配合量(%)
(1)タルク 76.8
(2)マイカ 10.0
(3)セリサイト 10.0
(4)二酸化チタン 3.0
(5)塩化ナトリウム(平均粒子径3μm) 0.1
(6)精油混合物(サビライズ アルファ) 0.1
計100.0
(製法)
成分(1)〜(5)をヘンシェルミキサーにて攪拌混合した。混合物に加熱溶解した成分(6)を添加した後、さらに混合し均一にした。これをアトマイザーで処理し、ふるいを通して粉おしろいを得た。
【0044】
参考例15(固型おしろい)
成分名 配合量(%)
(1)タルク 71.899
(2)マイカ 10.0
(3)セリサイト 10.0
(4)二酸化チタン 3.0
(5)スクワラン 5.0
(6)塩化ナトリウム(平均粒子径5μm) 0.1
(7)精油混合物(サビライズ アルファ) 0.001
計100.0
(製法)
成分(1)〜(4)、(6)をヘンシェルミキサーにて攪拌混合した。混合物に成分(5)、(7)の加熱溶解物を添加した後、さらに混合し均一にした。これをアトマイザーで処理し、ふるいを通した後、金皿中に圧縮成型して固型おしろいを得た。
【0045】
参考例16(ベビーパウダー)
成分名 配合量(%)
(1)タルク 96.75
(2)酸化亜鉛 3.0
(3)塩化ナトリウム(平均粒子径1μm) 0.05
(4)精油混合物(サビライズ アルファ) 0.2
計100.0
(製法)
成分(1)〜(3)をヘンシェルミキサーにて攪拌混合した。混合物に加熱溶解した成分(4)を添加した後、さらに混合し均一にした。これをアトマイザーで処理し、ふるいを通してベビーパウダーを得た。
【0046】
実施例3(パウダーファンデーション)
成分名 配合量(%)
(1) タルク 14.89
(2) マイカ 30.0
(3) セリサイト 17.2
(4) ナイロンパウダー 10.0
(5) 二酸化チタン 16.0
(6) ベンガラ 0.5
(7) 黄酸化鉄 1.0
(8) 黒酸化鉄 0.2
(9) スクワラン 5.0
(10)ラノリン 1.0
(11)ミリスチン酸オクチルドデシル 2.0
(12)モノオレイン酸ソルビタン 1.0
(13)t−ブチルメトキシジベンゾイルメタン 1.0
(14)塩化ナトリウム(平均粒子径3μm) 0.01
(15)精油混合物(サビライズ アルファ) 0.2
計100.0
(製法)
成分(1)〜(8)、(14)をヘンシェルミキサーにて攪拌混合した。混合物に成分(9)〜(13)、(15)の加熱溶解物を添加した後、さらに混合し均一にした。これをアトマイザーで処理し、ふるいを通した後、金皿中に圧縮成型してパウダーファンデーションを得た。
【0047】
実施例4(両用ファンデーション)
成分名 配合量(%)
(1) シリコーン処理タルク 22.0
(2) シリコーン処理マイカ 41.69
(3) ナイロンパウダー 5.0
(4) シリコーン処理微粒子二酸化チタン 5.0
(5) シリコーン処理二酸化チタン 10.0
(6) シリコーン処理ベンガラ 0.5
(7) シリコーン処理黄酸化鉄 1.0
(8) シリコーン処理黒酸化鉄 0.2
(9) スクワラン 3.0
(10)固形パラフィン 0.5
(11)ジメチルポリシロキサン 3.0
(12)パラメトキシケイ皮酸エチルヘキシル 6.0
(13)t−ブチルメトキシジベンゾイルメタン 2.0
(14)塩化ナトリウム(平均粒子径10μm) 0.01
(15)精油混合物(サビライズ アルファ) 0.1
計100.0
(製法)
成分(1)〜(8)、(14)をヘンシェルミキサーにて攪拌混合した。混合物に成分(9)〜(13)、(15)の加熱溶解物を添加した後、さらに混合し均一にした。これをアトマイザーで処理し、ふるいを通した後、金皿中に圧縮成型してパウダーファンデーションを得た。
【0048】
参考例17(ケーキファンデーション)
成分名 配合量(%)
(1) タルク 27.569
(2) マイカ 24.43
(3) セリサイト 10.0
(4) 二酸化チタン 10.0
(5) 酸化亜鉛 5.0
(6) ベンガラ 0.5
(7) 黄酸化鉄 1.0
(8) 黒酸化鉄 0.2
(9) スクワラン 10.0
(10)イソステアリン酸 3.0
(11)ミリスチン酸オクチルドデシル 4.0
(12)モノオレイン酸ソルビタン 3.0
(13)パラメトキシケイ皮酸エチルヘキシル 1.0
(14)塩化ナトリウム(平均粒子径3μm) 0.001
(15)精油混合物(サビライズ アルファ) 0.3
計100.0
(製法)
成分(1)〜(8)、(14)をヘンシェルミキサーにて攪拌混合した。混合物に成分(9)〜(13)、(15)の加熱溶解物を添加した後、さらに混合し均一にした。これをアトマイザーで処理し、ふるいを通した後、金皿中に圧縮成型してケーキファンデーションを得た。
【0049】
参考例18(頬紅)
成分名 配合量(%)
(1)マイカ 23.0
(2)セリサイト 71.6
(3)ベンガラ 0.05
(4)黒酸化鉄 0.05
(5)赤色223号 0.1
(6)流動パラフィン 5.0
(7)塩化ナトリウム(平均粒子径5μm) 0.1
(8)精油混合物(サビライズ アルファ) 0.1
計100.0
(製法)
成分(1)〜(5)、(7)をヘンシェルミキサーにて攪拌混合した。混合物に成分(6)、(8)の加熱溶解物を添加した後、さらに混合し均一にした。これをアトマイザーで処理し、ふるいを通した後、金皿中に圧縮成型して頬紅を得た。
【0050】
参考例19(アイシャドウ)
成分名 配合量(%)
(1) マイカ 34.245
(2) セリサイト 46.9
(3) 群青 2.0
(4) 二酸化チタン 0.05
(5) 黒酸化鉄 0.5
(6) 雲母チタン 10.0
(7) 流動パラフィン 5.0
(8) セスキオレイン酸ソルビタン 1.0
(9) 塩化ナトリウム(平均粒子径10μm) 0.005
(10)精油混合物(サビライズ アルファ) 0.3
計100.0
(製法)
成分(1)〜(6)、(9)をヘンシェルミキサーにて攪拌混合した。混合物に成分(7)〜(8)、(10)の加熱溶解物を添加した後、さらに混合し均一にした。これをアトマイザーで処理し、ふるいを通した後、金皿中に圧縮成型してアイシャドウを得た。