(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5785016
(24)【登録日】2015年7月31日
(45)【発行日】2015年9月24日
(54)【発明の名称】リニアアクチュエータ
(51)【国際特許分類】
F16H 25/20 20060101AFI20150907BHJP
H02K 7/06 20060101ALI20150907BHJP
H02K 5/04 20060101ALI20150907BHJP
H02K 37/24 20060101ALI20150907BHJP
【FI】
F16H25/20 E
H02K7/06 A
H02K5/04
H02K37/24 Q
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2011-161588(P2011-161588)
(22)【出願日】2011年7月25日
(65)【公開番号】特開2013-24360(P2013-24360A)
(43)【公開日】2013年2月4日
【審査請求日】2014年6月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000114215
【氏名又は名称】ミネベア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096884
【弁理士】
【氏名又は名称】末成 幹生
(72)【発明者】
【氏名】村松 和夫
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 克敏
【審査官】
瀬川 裕
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−298069(JP,A)
【文献】
特開2004−260950(JP,A)
【文献】
特開昭59−194658(JP,A)
【文献】
特開平09−107652(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 25/20
H02K 5/04
H02K 7/06
H02K 37/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステータユニットと、
該ステータユニットの内側に配置されて回転可能に支持されたロータユニットと、
該ロータユニットの内側に設けられた雌螺子部と、
該雌螺子部と螺合する雄螺子部を備え、前記ロータユニットの回転運動が直線運動に変換されて直線運動する出力軸と、
前記出力軸に設けられた突出部と、
前記ステータユニットを保持すると共に前記出力軸を収容するハウジングと、
該ハウジングに固定され、前記突出部と接触することで前記出力軸の軸方向における移動を規制し、前記出力軸の位置の原点を決める規制部材と
を備え、
前記規制部材は、前記ハウジングを構成する材料よりも大きな硬度を有した材料により構成されていることを特徴とするリニアアクチュエータ。
【請求項2】
前記規制部材は、平たいリング形状の金属材料により構成されていることを特徴とする請求項1に記載のリニアアクチュエータ。
【請求項3】
前記ハウジングは、樹脂により構成され、
前記規制部材は、前記ハウジングと一体成形されていることを特徴とする請求項1または2に記載のリニアアクチュエータ。
【請求項4】
前記ハウジングは、ガラスフィラ入りの樹脂であることを特徴とする請求項3に記載のリニアアクチュエータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、出力軸の位置決め精度を向上させたリニアアクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、出力軸の位置決めに係る技術ではないが、リニアアクチュエータの出力軸の移動範囲を規制する技術に関して記載されている。ところで、従来のリニアアクチュエータのハウジングは、複雑な構造及びコストパフォーマンスにすぐれた材質を選択する上で、樹脂によるモールド成形により構成されていた。今までは、出力軸の原点位置を出力軸の露出した部分に取り付けられたヘッド部をハウジング部に押し当てた位置を基準とし、そこより数パルスだけロータを回転させ、軸が前進したところを原点としていた。しかしながら、用途によっては、出力軸が外部に露出した部分を利用しての原点の設定ができない場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001―95192号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した出力軸の露出部分を利用した原点の位置決めが行えない場合、リニアアクチュエータの筐体であるハウジングの内部の構造を利用して出力軸の移動範囲の原点を決める仕組みが必要とされる。この場合、主力軸がそれ以上移動しない位置を基準として原点を決める構造が採用される。しかしながら、ハウジングを樹脂のモールド成型品で構成している場合、樹脂の変形や弾性により、出力軸がそれ以上移動できない位置が明確とならず、原点の位置の精度の追求には限界があった。
【0005】
このような背景において、本発明は、出力軸の移動に付随して動く部分をハウジング内部の特定の部分に接触させ、その状態を基準として出力軸の位置の原点を高い精度で決めることができるリニアアクチュエータを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、ステータユニットと、該ステータユニットの内側に配置されて回転可能に支持されたロータユニットと、該ロータユニットの内側に設けられた雌螺子部と、該雌螺子部と螺合する雄螺子部を備え、前記ロータユニットの回転運動が直線運動に変換されて直線運動する出力軸と、前記出力軸に設けられた突出部と、前記ステータユニットを保持すると共に前記出力軸を収容するハウジングと、該ハウジングに固定され、前記突出部と接触することで前記出力軸の軸方向における移動を規制し、前記出力軸の位置の原点を決める規制部材とを備え
、前記規制部材は、前記ハウジングを構成する材料よりも大きな硬度を有した材料により構成されていることを特徴とするリニアアクチュエータである。請求項1に記載の発明によれば、規制部材により出力軸の位置の原点が決められるので、出力軸の位置決め精度を高くできる。
【0007】
また、請求項
1に記載の発明によれば、ハウジングの変形に起因する出力軸の位置決め精度の低下が抑えられる。
【0008】
請求項
2に記載の発明は、請求項
1に記載の発明において、前記規制部材は、平たいリング形状の金属材料により構成されていることを特徴とする。請求項
2に記載の発明によれば、まず規制部材が平たいリング形状であるので、規制部材を介してハウジングに伝わる圧力が分散され、出力軸の突出部が規制部材に接触することによるハウジングの変形が抑えられる。また、規制部材を硬度の大きい金属により構成することで、上記の規制部材によってハウジングに加わる圧力が分散される作用をより効果的に得ることができる。
【0009】
請求項
3に記載の発明は、請求項
1または
2に記載の発明において、前記ハウジングは、樹脂により構成され、前記規制部材は、前記ハウジングと一体成形されていることを特徴とする。請求項
3に記載の発明によれば、規制部材が樹脂性のハウジングと一体成形されるので、規制部材の位置精度を高くできる。そして、規制部材の位置の精度を確保することで、規制部材の位置によって決まる出力軸の位置精度を高くできる。
【0010】
請求項
4に記載の発明は、請求項
3に記載の発明において、前記ハウジングは、ガラスフィラ入りの樹脂であることを特徴とする。請求項
4に記載の発明によれば、ガラスフィラを混入することよって樹脂の熱膨張および熱収縮が抑えられ、熱による変形が少ないハウジングが得られる。ハウジングの熱変化による変形を抑えることで、ハウジングに固定される規制部材の位置精度を高くでき、規制部材の位置によって決まる出力軸の位置を高い精度で決めることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、出力軸の移動に付随して動く部分をハウジング内部の特定の部分に接触させ、その状態を基準として出力軸の位置の原点を高い精度で決めることができるリニアアクチュエータを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施形態のリニアアクチュエータの断面図である。
【
図2】
図1のA−A’の線で切断した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(構成)
図1には、実施形態のリニアアクチュエータ1が示されている。リニアアクチュエータ1は、樹脂を原料としたモールド成型品により構成されたハウジング2、ピンホルダ3およびステータアッシー4を有している。ハウジング2、ピンホルダ3およびステータアッシー4は、結合され一体化された状態でリニアアクチュエータ1の筐体を構成している。
【0014】
ハウジング2、ピンホルダ3およびステータアッシー4は、樹脂を原料としたモールド成形(射出成形)により形成されている。ここで、ハウジング2を構成する樹脂材料として、ガラスフィラ入りのPA6T(6ナイロン)が使用されている。他の部品の材質は、特に限定されないが、ここでは、従来の樹脂(例えばガラスフィラ入りのPBT)が使用されている。この例では、ハウジング2において、繊維長が6〜30μm程度のガラスフィラ(繊維状)を50重量%の割合でPA6T(6ナイロン)の樹脂材料中に分散させて含ませている。ガラスフィラの樹脂中における含有量は、15重量%〜60重量%程度の範囲から選択される。また、ガラスフィラ(繊維状)の代わりにガラスビーズ(粒状)を用いることもできる。ガラスビーズの場合、その粒径は、5〜50μm程度が好ましい。また、ガラスビーズを利用する場合における樹脂中における含有量は、ガラスフィラの場合と同じである。
【0015】
ガラスフィラの繊維長が上記の範囲よりも小さいと、成形品の熱膨張および熱収縮を抑える効果が低くなり、また上記の範囲よりも大きいと、モールド成形時の成形性が悪くなる。また、樹脂中におけるガラスフィラの含有量が上記の範囲よりも小さいと成形品の熱膨張および熱収縮を抑える効果が低くなり、また上記の範囲よりも大きいと、モールド成形時の成形性が悪くなる。
【0016】
ハウジング2、ピンホルダ3およびステータアッシー4により構成される筐体の内側には、ステータユニット10が固定されている。ステータユニット10は、略筒形状を有しており、内側に後述するロータユニット30を回転自在な状態で収めている。ステータユニット10は、ステータヨーク11、ステータヨーク12、ボビン13、コイル(界磁コイル)14、コイルカバー15、ボビン16、コイル(界磁コイル)17およびコイルカバー18から構成されている。
【0017】
ステータヨーク11,12は、クローポール型のステッピングモータのステータヨークであり、軸方向に分離された構造を有している。図からは明らかでないが、ステータヨーク11,12は軸方向に延在した複数の極歯(図示せず)を備え、この極歯同士が隙間を隔てて互い違いに噛み合う構造を有している。符号23は、この隙間の一部である。この隙間の部分にコイル14,17が生成する磁束の磁路が形成される。このステータヨーク11,12の極歯は、周方向で隙間を隔てて隣接するので、この隙間における磁路は、後述するロータユニット30外周の周方向の成分を有したものとなる。
【0018】
ステータヨーク11の内側には、樹脂製のボビン13が配置されている。ボビン13には、界磁コイルとなるコイル14が巻回されている。同様に、ステータヨーク12の内側には、樹脂製のボビン16が配置され、ボビン16には、界磁コイルとなるコイル17が巻回されている。コイルカバー15は、ボビン13に巻回されたコイル14の外側をカバーし、コイルカバー18は、ボビン16に巻回されたコイル17の外側をカバーする。ボビン13には、電極端子19が固定され、ボビン16には、電極端子20が固定されている。電極端子19,20には、コイル14,17を構成する巻線(マグネットワイヤ)の端部が接続され、更に電極端子19.20 は、回路基板21上の配線パターンに接続されている。回路基板21上の配線パターンは、外部接続用電極部22に接続されている。この外部接続用電極部22にリニアアクチュエータ1を駆動する駆動電流(駆動信号)を供給するための配線が接続される。
【0019】
ステータユニット10の内側には、ステータユニット10に対して回転自在な状態を有したロータユニット30が配置されている。ロータユニット30は、ロータマグネット31、ロータマグネット固定部材32、ロータ部材33および雌螺子部34により構成されている。ロータマグネット31は、周方向において極性が交互に反転するように着磁された円筒形状の永久磁石である。ロータマグネット固定部材32は、ロータマグネット31を保持する部材であり、一部がロータ部材33に埋め込まれている。ロータ部材33は、略筒形状を有した樹脂のモールド成形品である。ロータ部材33には、雌螺子部34とロータマグネット固定部材32が埋め込まれている。雌螺子部34は、内側に雌螺子構造が形成されたナットであり、ロータ部材33の内側に固定されている。ロータマグネット31、ロータマグネット固定部材32および雌螺子部34をインサート材としたモールド成形を行うことで、ロータ部材33は、ロータマグネット31、ロータマグネット固定部材32および雌螺子部34と一体物として形成されている。
【0020】
ロータマグネット固定部材32は、軸受47によってステータアッシー4に回転自在な状態で保持され、軸受48によってハウジング2に回転自在な状態で保持されている。軸受47,48により、ロータユニット30がステータユニット10に対して回転可能な状態とされている。
【0021】
雌螺子部34の内側には、雄螺子部41が螺合している。雄螺子部41は、長尺ロッド状の出力軸42の一部であり、外周に雄螺子構造が刻まれた円柱構造を有している。出力軸42は、一部がリニアアクチュエータ1の内部(ハウジング2、ピンホルダ3およびステータアッシー4により構成される筐体の内側)に納まり、他の部分が外部(
図1の左側)に露出している。そして、出力軸42の露出した部分の先端にヘッド51が取り付けられている。
【0022】
図2は、
図1におけるA−A’の線で切断した断面を軸方向(
図1の左側の方向)から見た様子が示されている。
図1および
図2に示すように、ハウジング2は、出力軸42を収容する収容部43を備えている。
図2に示すように、収容部43は、軸方向から見て上下に延在した構造を有している。収容部43の部分において、出力軸42には、収容部43の内側に嵌り、且つ、収容部43の内部を軸方向に摺動可能なストップピン44が設けられている。ストップピン44は、出力軸42の軸から離れる方向に突出した突出部を構成している。ストップピン44は、出力軸42の軸方向における移動可能な範囲を規制し、更に出力軸42がハウジング2に対して回転せず、軸方向にのみに移動することを許容とする。すなわち、
図2に示すように、ストップピン44は、収容部43の形状に合致した形状を有しているので、出力軸42は、軸方方向に移動可能であるが、ハウジング2に対して回転できない。ストップピン44は、出力軸42の一部として設けられていてもよいし、別部材を出力軸42に固定した構造であってもよい。
【0023】
ハウジング2は、主力軸42を摺動可能な状態で保持する保持部45を備えている。保持部45の収容部43の側には、位置決め部材46が配置されている。位置決め部材46は、ストップピン44と接触することで出力軸42の軸方向における移動を規制し、出力軸42の位置の原点を決める規制部材として機能する。位置決め部材46は、ハウジング2を構成する樹脂材料(6ナイロン)よりも大きな硬度を有した材質により構成されている。この例において、位置決め部材46は、金属材料(鉄)により構成され、平たいリング状の形状を有している。位置決め部材46は、モールド成形品であるハウジング2をモールド成形する際に、金型にインサート材として配置され、ハウジング2に埋め込まれた状態でハウジング2と一体化されている。
【0024】
出力軸42の可動範囲は、ヘッド51とストップピン44によって制限されている。すなわち、出力軸42の
図1における左方向への移動の限界は、ストップピン44が位置決め部材46に接触する位置であり、出力軸42の
図1における右方向への移動の限界は、ヘッド51が保持部45の外側の部分に接触する位置となる。出力軸42が、
図1の左方向に移動した状態において、ストップピン44は、平たいリング形状の位置決め部材46の平坦な部分に接触する。
【0025】
(基本動作の一例)
コイル14,17に供給する電流の極性を適当なタイミングで切り替えると、コイル14,17が生成する磁束の向きが周期的に切り替わる。この周期的に向きが切り替わる磁束は、隙間23の部分において周方向の成分を有しているので、ロータマグネット31の磁極に作用する磁気吸引力と磁気反発力が周期的に切り替わり、ロータユニット30が回転する。この回転が生じる原理は、クローポール型のステッピングモータの動作原理と同じである。このロータユニット30の回転量は、コイル14,17に供給されるパルス電流のパルス数に比例する。例えば、1パルス当たりX°回転するといった具合にロータユニット30が回転する。
【0026】
ロータユニット30が回転すると、雌螺子部34も回転する。この際、雌螺子部34には、雄螺子部41が噛み合っており、またストップピン44の機能により、出力軸42(雄螺子部41)は回転できないので、雌螺子部34が回転すると、雌螺子部34に噛み合った雄螺子部41がボールねじを利用した送り機構と同様の原理により、軸方向(
図1の左右の方向)に移動する。つまり、出力軸42の軸方向への移動が生じる。この出力軸42の軸方向における移動量は、上述したコイル14,17に供給されるパルス電流のパルス数に比例する。
【0027】
(位置決め部材の役割)
位置決め部材46は、出力軸42の原点を決める基準として機能する。以下、出力軸42の原点を決める仕組みを説明する。まず、コイル14,17に駆動のためのパルス信号を供給し、出力軸42を
図1の左の方向に移動させる。そして、ストップピン44が位置決め部材46に接触し、出力軸42がそれ以上
図1の左方向に移動できなくなった状態を検出する。この検出は、駆動パルス電流の値を監視することで行われる。次に、出力軸42を逆方向(
図1の右方向)に動かすための駆動パルス信号(例えば数パルス)をコイル14,17に供給し、出力軸42の位置をストップピン44が位置決め部材46に接触した位置から
図1の右方向に所定の距離戻す。そして、この位置を原点として制御回路側で記憶し、以後、この原点から距離が駆動パルス数により管理され、出力軸42の位置が制御される。
【0028】
(優位性)
出力軸42がそれ以上
図1の左方向に移動できなくなった状態において、金属性のリング部材により構成される位置決め部材46により、ストップピン44から受ける圧力が分散され、ストップピン44が接触している付近におけるハウジング2の変形が抑えられる。このハウジング2の変形が抑えられることで、上記の状態におけるストップピン44の位置が不明確になる現象が抑えられ、出力軸の原点の位置精度が向上する。特に、位置決め部材46を平たいリング形状とし、位置決め部材46へのストップピン44の接触が位置決め部材46の平坦な部分(リングの平たい部分)に対して行われるようにすることで、位置決め部材46が受ける圧力が平面で受け止められ、ハウジング2に加わる圧力が分散される作用がより有効に得られる。また、位置決め部材46が、ハウジング2と一体成形されているので、その位置精度を高くでき、この点においても上記原点の位置精度が向上する。
【0029】
また、ハウジング2を構成する材料として、熱膨張係数の低い材質を採用することで、ハウジング2の寸法精度の低下が抑えられ、原点の寸法精度を高くすることができる。例えば、一般的なモールド成形に多用されるPBT(ポリブチレンテレフタレート)の熱膨張係数は、11×10
−5/℃であるが、PA6T(6ナイロン)の熱膨張係数は、8×10
−5/℃である。また、ガラスフィラを樹脂材料
中に含有させることは、熱膨張および熱収縮を抑える効果がある。温度変化によるハウジング2の変形は、出力軸42がそれ以上
図1の左方向に移動できなくなる位置を不明確にするので、出力軸42の原点の位置精度を低下させる。したがって、熱変化によるハウジング2の寸法変化が抑えられる材質を選択することで、出力軸42の原点の位置精度を向上させることができる。
【0030】
(その他)
本発明の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではなく、当業者が想到しうる種々の変形も含むものであり、本発明の効果も上述した内容に限定されない。すなわち、特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明は、リニアアクチュエータに利用することができる。
【符号の説明】
【0032】
1…リニアアクチュエータ、2…ハウジング、3…ピンホルダ、4…ステータアッシー、10…ステータユニット、11…ステータヨーク、12…ステータヨーク、13…ボビン、14…コイル(界磁コイル)、15…コイルカバー、16…ボビン、17…コイル(界磁コイル)、18…コイルカバー、19…電極端子、20…電極端子、21…基板、22…外部接続用電極部、23…隙間、30…ロータユニット、31…ロータマグネット、32…ロータマグネット固定部材、33…ロータ部材、34…雌螺子部(ナット)、41…雄螺子部(ボルト)、42…出力軸、43…収容部、44…ストップピン、45…保持部、46…位置決め部材、47…軸受、48…軸受、51…ヘッド。