(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5785100
(24)【登録日】2015年7月31日
(45)【発行日】2015年9月24日
(54)【発明の名称】プレス工具
(51)【国際特許分類】
B30B 11/00 20060101AFI20150907BHJP
B22F 3/035 20060101ALI20150907BHJP
B30B 11/02 20060101ALI20150907BHJP
【FI】
B30B11/00 G
B22F3/035 D
B30B11/02 F
B30B11/02 H
【請求項の数】11
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2011-552409(P2011-552409)
(86)(22)【出願日】2010年3月2日
(65)【公表番号】特表2012-519080(P2012-519080A)
(43)【公表日】2012年8月23日
(86)【国際出願番号】EP2010052580
(87)【国際公開番号】WO2010100123
(87)【国際公開日】20100910
【審査請求日】2013年2月19日
(31)【優先権主張番号】0951360
(32)【優先日】2009年3月4日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】509248165
【氏名又は名称】コミサリア ア レネルジ アトミ−ク エ オ エネルジー アルテルナティヴ
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100134005
【弁理士】
【氏名又は名称】澤田 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100160772
【弁理士】
【氏名又は名称】大串 賢
(72)【発明者】
【氏名】ジャン フィリップ ベイル
(72)【発明者】
【氏名】フレデリック ジョリオン
(72)【発明者】
【氏名】ジェラール デリット
【審査官】
水野 治彦
(56)【参考文献】
【文献】
特開2000−135598(JP,A)
【文献】
特開2006−334630(JP,A)
【文献】
特開平08−192295(JP,A)
【文献】
特表2008−534283(JP,A)
【文献】
特開平01−100206(JP,A)
【文献】
実開昭55−125311(JP,U)
【文献】
特開2001−003104(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B30B 11/00
B22F 3/035
B30B 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一個の可動式のパンチ(2,3)を具えるプレス工具(4)であって、該工具は、隙間によって離隔されるが相互に接触した状態になることができる複数個のセクター(23,40)で構成されて、前記パンチが進入するダイ(5)と、ダイを取り囲むラック(24)と、ダイに対してパンチの可動方向にラックを移動させる手段とを具え、ダイは、円錐状表面(34)を介して摺動可能にラック上に支持され、
ダイ(5)は、セクター(23,40)が強固に取り付けられて単一の要素を形成する単一ユニット要素(21,43)を有し、
セクターは、内面にインサータ(46)を有し、
複数個のセクターが相互に離隔し、ダイが開く際に、セクター(23,40)と単一ユニット要素(21,43)との間の連結部に、弾性屈曲応力が生じ、当該弾性屈曲応力は、ダイの再接近を促進させることを特徴とするプレス工具。
【請求項2】
前記単一ユニット要素(21)が、複数個のセクターよりも細い中空シリンダー状であることを特徴とする請求項1に記載の工具。
【請求項3】
前記単一ユニット要素(43)が中実であることを特徴とする請求項1に記載の工具。
【請求項4】
前記インサータが、ダイよりも硬質の材料で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の工具。
【請求項5】
インサータ(46)が炭素鋼で形成され、ダイ(5)がチタニウムで形成されていることを特徴とする請求項4に記載の工具。
【請求項6】
ダイが、オリフィスからアンダーカットされたハウジングを有し、可動式のパンチが、前記オリフィスを介して内側に案内されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の工具。
【請求項7】
二個の可動式のパンチを具える工具であって、ダイが両側で空洞化されるとともに、支持体が、一方のパンチの通路のためのキャビティを含み、
ダイが、相互に反対側を向くオリフィスから二重にアンダーカットされたハウジングを有し、該オリフィスを介して、可動式のパンチのそれぞれが、その中に進入することを特徴とする請求項6に記載の工具。
【請求項8】
前記インサータは、セクターから取り外し可能で、交換することができることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の工具。
【請求項9】
ダイに対してラックを移動させる手段が、起伏のある一の表面上で、ラック(24)が複数個のローラ(31)上に配置されるクラウン(15)と、クラウンに対してラックをプレスするための手段(29)と、クラウン(15)およびダイ(5)の支持体と、クラウンを回転駆動させるモータ(20)とを有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の工具。
【請求項10】
前記支持体(12)が、クラウン(15)を収納する円形のキャビティ(14)を有し、クラウンが、前記キャビティから突出する歯部(17)を有し、モータ(20)により駆動されるピニオン(19)が、支持体(12)上に取り付けられて、前記歯部(17)に噛合することを特徴とする請求項9に記載の工具。
【請求項11】
前記インサータの内面が、傾斜面に機械加工されており、該傾斜面が、その高さを超えて、プレスにより製造される要素の、形状およびサイズの不具合に応じて変更することができるテーパ形状を有することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、プレス工具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
小型のプリフォームを生産するために、焼結に先立って粉末をプレスすることによる機械部品の製作には、粉末が投入されるハウジング内のダイと、粉末の圧縮を行うための、ハウジング内に嵌め込むパンチ、または、ハウジングの、相互に反対方向を向く両端部に、相互に対向する二方向から嵌め込む一対のパンチとを有する一軸圧縮機を用いることがある。そのようなプレスは、比較的速いサイクルで行われる。その用途には、金属もしくはセラミックの機械要素、たとえば、ギア、マグネット、燃料ペレット等がある。
【0003】
しかしながら、この種の方法にはいくつかの欠点がある。最も重大なものの一つは、圧縮要素を、軸方向にスラスト移動させてハウジングから徐々に取り出すことによって、圧縮要素を回収するときに現れる。圧縮により、要素内に半径方向の応力が生じ、そのような応力は、ハウジングから出る際に解放されることになる。亀裂や破壊による要素への損傷のおそれは、ハウジングのオリフィスの、未だに圧力が作用する部分と、突如として解放される部分との間で頻繁に生じる。他に観測される欠点は、取り出しに抵抗する要素が、半径方向の寸法に顕著なばらつきを有することにある。実際には、圧縮は均一には行われず、それどころか一個もしくは複数個のパンチに近づくに従って大きくなり、その結果として、要素の密度は、それらの位置で大きくなる。焼結が行われるとき、要素の取り出しは、密度が大きくなるほど重要ではなくなるので、出来上がった要素は、単一のパンチを用いた場合は僅かに円錐状となり、または、二個のパンチを用いた場合は中央で湾曲して、ボビン形状の双円錐状となる傾向にある。サイズもしくは形状の欠陥により、大量の要素が廃棄されることになる。
【0004】
要素の品質を改善するため、様々な方法が用いられてきた。それらの方法としては、粉末への、潤滑添加物もしくは結合添加物の使用または、パンチによる特定の圧縮順序の選択が挙げられるが、添加物は揮発性物質であって汚染をもたらすことから、添加物は焼結に悪影響を与えるものであり、また、後者の方法は、製造サイクルを大幅に遅くする。一方、これらの二群の方法は、圧縮後の材料の不十分な結合等の、他の欠点を多少解決する。
【0005】
他の方法では、ダイのハウジングのオリフィスに、面取りもしくは弧状の隅肉を設けることとし、それにより、要素が、取り出しの間の、圧力がかかる状態と、緩和された状態との間の急激な移行を経験することを防止する。しかし、この方法は、様々な要素のそれぞれに固有の、十分に決定されたオリフィス形状だけにしか有効ではなく、実際には行うことが困難である。
【0006】
さらに他の方法では、取り出しを促進させてその後に犠牲となる、ゴムその他の可撓性材料からなるチューブを、ダイに付け加えることとするが、これもまたコストが嵩む。
【0007】
最後に、たとえば、特許文献1に記載されているような他の種類の方法では、ダイを、圧縮を行う間は組み付けられてその後に離隔させる複数個のセクターに分割することとし、それにより、残余の圧縮応力を、要素の全体にわたって同時に解放することができる。このような方法の具体的な態様は、多くの場合、一度解放されると複数個のダイセクターを保持するための手段を有さず、それ故に自動化には適さない。この方法の自動化を可能にする、セクターの移動を制御する装置を含む方法も複数存在するが、それらは、セクターのためのアクチュエータを使用することが必要となって複雑であり、また、望ましい製造に必要とされる、粉末が投入されたときに複数個のセクターが確実に閉じていることを十分に保証するものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第7128547号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
この発明は、これらの欠点を取り除いて、取り出しを有利に行うために、離隔される複数個のダイセクターの、元の位置への復元の不足に起因することが多いと考えられる、取り出しの間の圧縮要素への損傷ならびに、形状およびサイズの欠陥のリスクを減少させつつ、速いサイクルで、自動的に、信頼性のある要素の圧縮を可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一般的な形態において、この発明は、少なくとも一個の可動式のパンチを具えるプレス工具であって、該工具は、複数個のセクターから構成されて、パンチが進入するダイと、ダイを取り囲むラックと、ラックを、ダイに対してパンチの可動方向に移動させる手段とを具え、ダイは、円錐状表面を介して摺動可能にラック上に支持され、ダイは、セクターが強固に取り付けられる単一ユニット要素を有するとともに、セクターが、それらの内面にインサータを有することを特徴とする。単一部品に強固に取り付けられるセクター内のダイの構成を、中空ではなく、かつ、要素が形成されるダイのハウジングの底部を構成するものとするか、または、下部パンチのプレスを可能にする中空シリンダー状の形状とすることにより、ダイの材料の弾性を利用することができることから、要素の内部応力の発生下で、複数個のセクターの離隔変位を可能にするとともに、その後、要素を取り除いた後のダイの再接近を促進させることができる。セクターの離隔は、要素の初期応力を軽減するに十分な膨張に相当する程度の低いレベルにとどまり、それにより、ダイの再接近や、それに続く製造の品質を害する、材料および、とくに、プレスされて要素を構成する粉末の偶発的な挿入のリスクを軽減することができる。単一ユニット要素内のダイの構成を、単に、分割するセクターの隙間を有するものとし、セクターが、その高さの一部を超えて延びることにより、簡易で頑丈な構造となる。
【0011】
この構成の明らかな欠点には対処しなければならない。最も重要な点は、ダイの連続的な開きおよび再接近を十分に許容する材料の弾性では回避することが一般に不可能な硬度の問題がある。それ故に、セクターの内面上に、ダイそれ自体よりも硬質の材料からなるインサータを設けることで、形成される要素の圧力および摩擦に十分に抵抗させることができる。それらはまた、ダイのセクターから取り外し可能とすることで、工具を、異なる要素に適用するに際し、ダイ全体を分解もしくは解体することが不要になるという利点を有する。
【0012】
従って、好ましい一形態は、チタニウムおよび炭素鋼からなるインサータで構成されるダイの主要部分を有する。
【0013】
また、インサータは、機械加工による形状およびサイズの変更、とくに、プレスによって製造される要素の、形状およびサイズの不具合に応じて、内面を、その高さを超えて可変のテーパ状の傾斜面に機械加工する場合に有効である。このような機械加工は、その後にインサータを交換することで、ダイに何らの損傷をもたらすことなしに、測定されるサイズおよび形状の誤差に応じて、一連の製造に際する要素の改善に寄与する。
【0014】
他の形態によれば、ダイ(より正確にはそれのインサータ)は、単一のオリフィスからアンダーカットされたハウジングを有するとともに、そのオリフィスを介して、可動式のパンチがそこに案内されるものとするか、または、相互に反対側を向くそれぞれのオリフィスから二重にアンダーカットされたハウジングを有するとともに、それらのオリフィスを介して、可動式のパンチがそれぞれ、その中に進入するものとし、この場合は、工具が、二個の可動式のパンチを有し、ダイの両側を空洞化させ、また、支持体が、一方のパンチの通路のための凹部を含むものとする。
【0015】
改善された工具においては、ダイに対してラックを移動させる手段が、起伏のある一の表面上で、ラックをローラ上に配置するクラウンと、ラックをクラウンに対してプレスする手段と、クラウンおよびダイの支持体とを有し、そして、さらなる改善によれば、支持体が、内部にクラウンが収納される円形のキャビティを有し、クラウンが、キャビティから突出する歯部を有し、モータによって駆動されるピニオンを、支持体上に取付けるとともに歯部に噛合させる。このような制御手段により、クラウンの形状の規則性、周上にわたるローラの分配および、アセンブリの弾性のおかげで、十分に分散されて測定される力を、ラックおよびダイ上に作用させることができる。
【0016】
次に図面を参照してこの発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図4】ダイのクロージングバンドの高さに適合するカムの展開図である。
【
図5】ダイとハウジングの径方向断面の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1に示すところでは、プレス工具は、制御システム1と、上部パンチ2と、下部パンチ3と、ダイ5を含むこの発明に特有の工具4とを具える。上部パンチ2および下部パンチ3は、相互に対向させたロッド6,7を有する。ダイ5は、ロッド6,7と一直線上に配したハウジング8を有し、それらのロッド6,7は、互いに反対側を向くオリフィス9,10の間のハウジング8に進入することができる。下部ピストン3および、それのロッド7は、そこを摺動するニードル37を有し、また、上部ピストン2のロッド6は、ニードル37と向かい合って、それを進入させることのできるハウジング11を有する。この構成によれば、中空の要素を環状に圧縮することができる。この発明は、この態様に限定されるものではなく、ニードルを有さずに単一のパンチを具えたプレスにも関するものであり、その場合は、ハウジングに、単一のオリフィスを設けるとともに、ハウジングが、その反対側に底部を有する。制御システム1は、パンチ2,3およびロッド6のそれぞれの移動を調整するものである。
【0019】
続いて
図2に示す工具4について説明する。この工具は、プレート状をなす支持体12を有し、その上には円形の壁13が起立する。壁13によりキャビティ14を画成し、そして、そのキャビティ14に、クラウン15を支持させる。クラウン15は、キャビティ14の軌道16上を摺動し、壁13の内面の周囲を摺動して回転することができる。クラウン15は、壁13の上方でそれの上部部分に存在し、そこに、外側に向けて突出する歯部17を有する。支持体12は、ピニオン19を回転可能に維持するためのベアリング18(
図3)を保持し、そしてまた、支持体20は、ピニオン19を駆動させるモータ20を保持する。
【0020】
ダイ5は、支持体上に配置した、中空シリンダー状をなす単一の下部部分21および、該部分の上に乗せた上部部分22を有し、それらをもって単一要素を形成するものであり、この上部部分22は、相互に組み付けられた複数個、たとえば三個の円形セクター23で構成されて、それらは、隙間をあけて離隔しているが相互に接触した状態になることができる(
図5)。ハウジング8は、この上部部分22に属する。下部パンチ3の通路を形成するため、下部部分21および支持体12は空洞にする。
【0021】
ラック24は、ダイ5の上部部分を取り囲む。それは、セクター23を取り囲んでそれらの連結を維持するためのリング25および、プレート26を有する。プレート26は、下方に向けて延びて、支持体12に固定したブッシュ28に嵌め込まれるロッド27(反対側に配置される同様の二本のロッドのうちの一本だけを
図3に示す)を支持する。ブッシュ28内に取り付けたスプリング29は、ロッド27を下方に引き寄せる。そして、リング25に、半径方向に向けた三本の軸30を設け、それらのそれぞれは、ベアリング31を保持する。
【0022】
図4には、ベアリング31が、それぞれのベアリング31と同位相の三個の傾斜カム33を含むクラウン15の上面32上に支持されている状態を示す。モータ20を作動させた場合は、ピニオン19がクラウン15を回転駆動させ、カム33がベアリング31の下方で移動して、ベアリングの高さを、リング15のそれとともに変化させる。一方、セクター23の外面およびリング25の内面は傾斜しており、
図6に示す円錐状整合部34を形成する(それらの傾斜面を明確にするため大きく誇張している)。また、セクター23の、ハウジング8を画成する内面もまたシリンダー状ではなく、オリフィス9、10に対しアンダーカットされている。すなわち、この種の技術における通常の構成とは異なり、ハウジング8は、オリフィス9,10から、それぞれの円錐状部分35,36で、中央に向けて僅かに広がっており、このようなアンダーカットの構成は、一般に、要素の取り出しに有利に働く。
【0023】
この機械は以下のように作動する。図示しないシューにより、圧縮させる粉末をハウジング8内に投入し、下部部分3が底部を覆う。シューを除去して、上部部分2を下降させ、粉末を圧縮する。下部パンチ3も移動させることができる。ニードル37を設けた場合は、これもまた移動させる。圧縮が行われるに際し、上部パンチ2を上昇させ、モータ20の回転によって、リング25が移動して下降し、それにより、固定された部分21上に支持されて同じ高さにとどまっていた複数個のセクター23が、円錐状整合部34での表面の摺動によって離隔するとともに、ハウジング8内で圧縮される要素の、半径方向の圧縮応力が解放されるまで、ダイ5を開くことができる。そのような開きは、セクター23の脚部に生じる弾性応力により、それらが固定される下部部分21との連結部において僅かなものに制限される。ダイ5は、所要の弾性を得るため、チタニウムで形成することができる。下部部分21の細さにより十分に屈曲する。
【0024】
この工具は、リング25に拘束されたセクター23が、落下したり分散したりする可能性なしに、リングおよび下部部分21に支持されてガイドされたままであるので、オートメーションに極めて適している。それらは正確に配置される。この装置は簡易で、しかも、単一のモータのみに依存し、繊細なトランスミッションを用いないことから、信頼性の高いものである。円錐状整合部34は、実際には傾斜の程度が様々であり、また、ハウジング8の円錐状部分35,36の傾斜は小さく、単に、圧縮や密度の不規則さによる、焼結のための要素の取り出しにおける差異を相殺するものである。
【0025】
そのような傾斜は、必ずしも、ハウジング8の高さにわたって一定ではない。それらは、最初の一連の圧縮および焼結試験の結果に応じて、設計者が決定しなければならない。そして、それらの結果により、要素の形状およびサイズの欠陥および、それによる、ハウジング8の、それぞれの高さでの半径の補償が実験的に示唆される。その結果、設計者は、セクター23の内面の機械加工を修正する。
【0026】
図7に、若干異なる実施形態を示す。ここでは、セクター23を、内面42に単一のテーパを有する他のセクター40に置き換え、ハウジング41が底部に向けて広がっている。ダイの下部部分43は、中空ではなく、それ故に単一の部材であって、連続的な底部を形成しており、該底部にセクター40が取り付けられている。この構成は、下部パンチを有さず、それにより、上部パンチだけで圧縮を行う機械に極めて適している。
【0027】
さらに、セクター23,40には、それらの内面に固定されるインサータ46を設け、このインサータ46は、機械加工の補正を行うとともに、異なる要素を作製しなければならないときにダイ5を変更することなしに交換することができる。インサータ46は、炭素鋼で形成することができ、それにより、高い硬度を有し、要素のプレスによって生じる摩擦および圧力に抵抗することができる。このことは、ダイ21,43のチタニウムでは不可能である。それらはまた前述の態様をも具える。装置の他の部分に変更はない。