(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記通路は導電性構造体を収容するように構成され、前記導電性構造体が前記通路に挿入されたときに、前記複数の配線の各々は前記導電性構造体と電気的に接続するように構成されている、請求項1に記載の電気接点。
高分子材料またはエラストマ材料の少なくともいずれかから形成され、内面を有する管状本体と、少なくとも1つの配線の少なくとも一部が前記管状本体の前記内面で露出するように、前記管状本体内に一部が埋め込まれた少なくとも1つの配線と、を備えている電気接点と、
前記電気接点の前記少なくとも1つの配線に取り付けられた導電性部と、別の電気コネクタの導電性構造体を収容し、前記別の電気コネクタと前記電気接点とを電気的に接続するように構成されている間隙と、を備えている末端装置であって、前記電気接点と電気的に接続するように構成されている端末装置と、を備え、
前記管状本体の前記内面の少なくとも一部と、前記少なくとも1つの配線の少なくとも露出した部分とが通路を形成する、電気コネクタ。
複数の空洞を含むハウジングをさらに備え、前記電気接点は、複数の電気接点の1つであり、前記複数の電気接点の1つは前記ハウジングの前記空洞の各々に備えられている、請求項11に記載の電気コネクタ。
高分子材料またはエラストマ材料の少なくともいずれかから形成され、内面を有する管状本体と、少なくとも1つの配線の少なくとも一部が前記管状本体の前記内面で露出するように、前記管状本体内に一部が埋め込まれた少なくとも1つの配線とを備えている電気接点であって、
前記管状本体の前記内面の少なくとも一部と、前記少なくとも1つの配線の少なくとも露出した部分とが通路を形成し、前記電気接点の前記通路は導電性構造体を収容するように構成され、前記導電性構造体が前記電気接点の前記通路に収容されたときに、前記少なくとも1つの配線は前記導電性構造体と電気的に接続するように構成されている電気接点と、
少なくとも1つの空洞を含むハウジングであって、前記電気接点が前記ハウジングの前記少なくとも1つの空洞に一部が備えられ、前記ハウジング内の前記少なくとも1つの空洞はレセプタクル部と接続するハウジングと、
前記レセプタクル部および前記少なくとも1つの空洞内の少なくとも一部に挿入されたガスケットであって、前記導電性構造体の少なくとも一部を前記ガスケットに挿入し、前記導電性構造体と前記ハウジングとの間の密閉部材を形成するガスケットと、
を備えている、電気コネクタ。
電気接点を形成するように、管状本体内に一部が埋め込まれた少なくとも1つの配線を形成する工程であって、前記管状本体は可撓性の絶縁材料から形成され、前記少なくとも1つの配線は導電体から形成され、前記管状本体は内面を含み、前記少なくとも1つの配線の少なくとも一部は前記管状本体の前記内面で露出し、前記管状本体の前記内面の少なくとも一部と、前記少なくとも1つの配線の少なくとも前記露出した部分とが通路を形成する工程と、
末端装置を前記電気接点と電気的に接続するように、前記少なくとも1つの配線に前記末端装置の導電性部を取り付ける工程と、
別の電気コネクタと前記電気接点とを電気的に接続するように、前記末端装置の空洞に前記別の電気コネクタの導電性構造体を挿入する工程と、
を含む、電気コネクタを形成する方法。
前記管状本体内に一部が埋め込まれた少なくとも1つの配線を形成する工程は、前記管状本体に一部が埋め込まれた前記少なくとも1つの配線と共に、連続する長さの前記管状本体を形成する工程を含む、請求項17に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0014】
ここで添付図面を用いて例示の実施形態に関する詳細を説明する。可能な限り、類似または同一の部材には、図面全体を通じて同じ参照番号が用いられる。
【0015】
図1および
図2は例示の実施形態に従う電気コネクタ10を示す。例示の実施形態では、電気コネクタ10は、レセプタクルコネクタ(不図示)に接触して接続するように構成されたプラグ(または、ソケット)コネクタである。電気コネクタ10は1つ以上の電気接点(または、ソケット)20を含む。
図3〜
図5に示すように、各電気接点20は、より詳細に以下に説明するように、ピンその他の導電性構造体(例えば、
図31に示すピン80)を収容(receive)する通路22を含み得る。用語「通路」は、図に示す開口もしくは通行路(passage)などの、電気接点20を貫通する任意の種類の開口もしくは通行路、またはピンその他の導電性構造体の挿入が可能な任意の他の開口または通行路を意味する。電気接点20の長さは用途に応じて異なり得る。
【0016】
図1および
図2に示すように、電気コネクタ10は電気接点20を収容するためのハウジング30その他の搬送装置(carrier device)をさらに含み得る。ハウジング30その他の搬送装置は、電気接点20の端部に接続され得る。例えば、ハウジング30その他の搬送装置は、以下に説明するように、電気接点20から取り外し可能または取り外せないように取り付けて、別の構成要素(例えば、ピンその他の導電性構造体(例えば、
図31に示すピン80)を含む構成要素)に電気的に接続してもよい。ハウジング30はポリエーテルイミド(PEI)、液晶高分子(LCP)、他のポリマ、または他の類似の材料から構成され得る。ある実施形態では、ハウジング30は一部または全体が金属その他の導電体から形成され得る。
【0017】
ハウジング30はその軸方向における全長を貫通し、ハウジング30の表面(face)36に開口34を形成する1つ以上の空洞32を含み得る。用語「空洞」は図に示す開口もしくは通行路などの、ハウジング30を貫通する任意の種類の開口もしくは通行路、または電気接点20の挿入が可能な任意の他の開口または通行路を意味する。
図1および
図2に示す実施形態では、ハウジング30は6個の空洞32を含むが、用途に応じてこの空洞は6個より少なくても、多くてもよい。
【0018】
電気接点20は少なくとも一部が空洞32内に挿入され得る。
図2に示すように、電気接点20は空洞32の実質的な全長を通って延在する。電気接点20は、粘着性物質(adhesive)を用いるなどの種々の方法により、各空洞32の内面に取り外せないように取り付けられてもよい。 代替的に、電気接点20は取り外し可能なように、例えば、ネジ接続(threaded connection)などのケーブルコネクタまたはケーブルグランド(cable gland)を用いて、各空洞32の内面に取り付けられてもよい。
【0019】
レセプタクルコネクタ(不図示)が電気プラグコネクタ10に接続されると、レセプタクルコネクタ内のピン(例えば、
図31に示すピン80)は、ハウジング30の表面36における開口34から挿入され、ハウジング30の空洞32内に配置された電気接点20内の通路22に収容され得る。詳細に以下に説明するように、ピンが電気接点20内の通路22内に挿入されると、レセプタクルコネクタのピンと電気接点20とが電気的に接続し得る。
【0020】
図3〜
図5は例示の実施形態に従う電気接点20を示す。電気接点20は略管状本体24を含む。管状本体24はゴム、プラスチック、熱可塑性物質、ポリウレタン、他の弾性重合体、または類似のポリマおよび/またはエラストマ材料などの可撓性の絶縁材料から形成され得る。管状本体24が絶縁材料から形成され得るため、前述のように、ハウジング30は一部または全体が導電体から形成されてもよい。管状本体24は略円筒状でもよく、例えば、長方形、正方形、楕円形などの他の形状の管状断面を有してもよい。実施形態では、管状本体24の外径は約0.61ミリメートル(0.024インチ)でもよく、内径は約0.25ミリメートル(0.010インチ)でもよい。
【0021】
1つ以上の導線26が管状本体24の面(surface)に埋め込まれて、配線26の露出した部分とそれらの間の管状本体24の内面とが通路22を形成し得る。例えば、
図4および
図9に示すように、配線26(または、326)の露出した部分が管状本体24の内面から半径方向に内側に突き出るように、配線26(または、326)の露出した部分の内径(または、他の寸法)は、管状本体24の内径(または、他の寸法)よりも小さく形成されてもよい。代替的に、配線26(または、326)の内径(または、他の寸法)は管状本体24の内径(または、他の寸法)と略等しく形成されてもよい。
【0022】
通路22は管状本体24および配線26の露出した部分により形成された構造の少なくとも一部を通って延在し得る。例えば、
図3および
図5に示すように、通路22は、通常、管状本体24の両方の端部の間を、管状本体24の実質的な縦方向(軸方向)に延在し得る。配線26は、通常、管状本体24の両方の端部の間を、管状本体24の表面に沿って実質的な縦方向(軸方向)に延在し得る。配線26は金めっき(例えば、ベリリウム銅に金めっき)され、かつ/またはこれらに限定されないが、真鍮、ベリリウム、銅、および/または電気コネクタに用いられる従来の任意の導電体を含む種々の材料から形成され得る。使用可能な種類の導電体には、例えば、組み込み可能な(implantable)用途の比較的小さい導電率(例えば、チタン、ステンレス鋼など)から比較的大きい導電率を有する材料が含まれ得る。配線26は略円形、楕円形、正方形、または他の形状の断面を有し得る。実施形態では、配線26の直径は約0.069ミリメートル(0.0027インチ)でもよい。配線26は種々の形状で配置され得る。例示の実施形態では、
図1〜
図5に示すように、略円形断面を有する8本の配線26が備えられ、各配線26は渦巻きまたはらせん構造に形成される。代替的に、8本よりも少ない、または多い配線26が備えられてもよく、また配線26は他の形状または構造でもよい。例えば、電気接点20は3本、5本以上の配線26を含んでもよい。
【0023】
数および構造が異なる配線を有する代替的な例示の電気接点を
図6〜
図10に示す。
図6は
図1〜
図5に示す電気接点20よりも少ない配線126を含む例示の電気接点120を示す。
図6に示すように、電気接点120はらせん構造に構成された2本の配線126を含み、この配線126は略リボン状であり、比較的平坦な断面を有する。例示の実施形態では、
図6に示すように、2本のらせん状の配線126は互いに平行に、管状本体24の全長に沿って延在する。また、例示の実施形態では、
図6に示すように、2本のらせん状の配線126は互いの面と面との角度が約180度である。代替的に、十字構造(例えば、1つ以上の位置で互いに接触する)または網状構造の複数のらせん状の配線が備えられてもよい。別の代替例として、電気接点は(例えば、らせんまたはメッシュ構造などの)単一配線または他の実質的に連続的な配線構造を含んでもよい。
【0024】
図7は
図1〜
図5に示す電気接点20よりも多い配線226を含む例示の電気接点220を示す。
図7に示すように、電気接点220は、略縦方向(軸方向)に比較的直線に、 互いに縦軸と略平行に延在する複数の配線226を含む。
【0025】
図8〜
図10は網状または十字構造の配線326を含む例示の電気接点320を示す。配線326は共に取り付けまたは接合(attached or joined together)(例えば、粘着性物質で接合または連続的に形成)してよく、または配線326が交差する位置で共に編んで(braided together)もよい。
図8は例示の目的のみで切り開かれた電気接点320を示す。網状構造では、そのある部分または配線326は、管状本体24内に埋め込まれても、埋め込まれなくてもよい。管状本体24に埋め込まれない部分または配線326は、共に網状または十字構造を形成する管状本体24に埋め込まれた部分または配線326により、管状本体24に接続され得る。代替的に、メッシュなどの他の構造の配線が用いられてもよい。配線26,126,226,326の構造は、通路22内に挿入されたピンその他の導電性構造体に接触し得る所望の露出表面積などの種々の要因に基づいて選択され得る。
【0026】
以下の開示は
図1〜
図5に示す例示の電気接点20、または
図8〜
図10に示す電気接点320について言及するが、本明細書に記述する任意の電気接点が、以下の記述における電気接点20,320の代わりになることが理解される。任意の実施形態で説明した任意の態様が、本明細書に説明する任意の他の実施形態にも用いられ得る。
【0027】
図1〜
図5に示す電気接点20を再び参照すると、配線26の少なくとも一部が管状本体24に埋め込まれ得る。この結果、(例えば、レセプタクルコネクタにおける)ピンその他の導電性構造体が通路22内に挿入、かつ/またはそれから取り外されても、配線26は管状本体24に対する位置を維持し得る。また、配線26が通路22を実質的には詰まらせないため、(例えば、レセプタクルコネクタにおける)ピンその他の導電性構造体が通路22に挿入され得る。例示の実施形態では、各配線26(例えば、その容積または表面積)の少なくとも大部分(例えば、50%、75%、95%超)が、
図3〜
図5に示すように管状本体24に埋め込まれ得る。代替的に、より少ない部分(例えば、50%未満)の各配線26(例えば、その容積または表面積)が、管状本体24に埋め込まれてもよい。各配線26の残りの部分(または、その表面)は通路22内で露出する。この結果、ピンその他の導電性構造体が通路22に挿入されると、配線26の露出した部分に接触し電気的に接続し得る。
【0028】
管状本体24は、その外面と配線26とを電気的に絶縁するのに十分な厚さを有する。この結果、各電気接点20は、配線26と各電気接点20内の通路22に挿入されたピンその他の導電性構造体との別々の電気的接続を提供し得る。
【0029】
通路22の寸法(例えば、配線26の内径)は、ピンその他の導電性構造体の寸法(例えば、配線26に接触するように構成された外径)よりもわずかに小さく形成され得る。それ故、ピンその他の導電性構造体が通路22に挿入されると、管状本体24のポリマおよび/またはエラストマ材料は膨張し得る。ピンその他の導電性構造体が通路22に挿入されると、管状本体24のポリマおよび/またはエラストマ材料はさらに、配線26がピンその他の導電性構造体との接触を維持するのに十分な半径方向の圧力または力を加え得る(例えば、この力はピンその他の導電性構造体が通路22から偶然に外に出ることを防ぎ、さらに低抵抗の連続(uninterrupted)接続を確実にするのに十分な垂直力を加える)。管状本体24の寸法(例えば、管状本体24の内径、管状本体24の厚さなど)および/またはピンその他の導電性構造体の寸法(例えば、配線26に接触するように構成された外径)、配線26の構造(例えば、らせん、網状、直線など)および/または寸法(例えば、通路22を形成する露出した部分の断面の厚さ、サイズなど)、並びに/または管状本体24の形成に用いられるポリマおよび/またはエラストマ材料(例えば、材料の可撓性)は、通路22に挿入されたときに、ピンその他の導電性構造体に十分な半径方向の圧力が確実に加えられるように選択され得る。この結果、各構成要素を製造する際に、管状本体24の可撓性のため、狭い許容範囲内のサイズで電気接点20の構成要素および/またはピンその他の導電性構造体を形成する必要はない。前述の構造では、配線26は、半径方向内側に予め付勢されていることにより、ピンその他の導電性構造体が挿入されたときにそれと接触する表面積が増大し得る。これはまた、電気接点20とピンとの電気的接続を改善し得る。さらに、複数のこのような配線26を有することにより、ピンに接触する表面積が増大し得る。
【0030】
管状本体24および配線26は種々の方法で形成され得る。例示の実施形態では、管状本体24および配線26は途切れなく連続的に形成され得る。管状本体24は連続的な管で一定の断面を有してもよい。配線26はその断面に沿う切れ目が全く無く、管状本体24の全長(または、軸)に沿って連続的に延在し得る。
【0031】
例示の実施形態では、配線26は網状、巻状(wound)でもよく、さもなければ円筒部材などの配線の芯(不図示)を覆うように配置され得る。配線の芯に配置された、配線26により構成された部分組立品(subassembly)を押出機に通して、
図1〜
図5に示すように配線26を管状本体24に埋め込むように配線26を覆う管状本体24を形成し得る。その後、配線の芯が取り外され、複数の個々の電気接点20に分離または分けられ、そしてそれに埋め込まれた配線26と共に連続的な途切れのない管状本体24の全長が形成され得る。そして、個々の電気接点20が連続的に途切れなく形成され得る。代替的に、複数の電気接点20を形成する際には、(各配線の芯に配置された配線26を含む)複数の部分組立品を形成し、それらをまとめて単一の押出機に通して各管状本体24を同時に形成してもよい。これにより、複数の個々の電気接点20がひと塊でまとめて押し出し成形され得る。
【0032】
別の例示の実施形態では、配線26は網状、巻状でもよく、さもなければ配線の芯を覆うように配置され、そして管状本体24を構成する材料(例えば、加熱により軟化するポリマもしくは他の材料、または他の類似の材料)から形成された管は、配線の芯に配置された配線26により構成された部分組立品を滑るように覆い(slip over)得る。圧縮管(不図示)がポリマ管を滑るように覆い得る。圧縮管、ポリマ管、配線26、および配線の芯を含む組立体は加熱され、これにより、圧縮管は縮み、ポリマ管の軟化時にそれに半径方向の圧力を加え得る。続いて、圧縮管および配線の芯が取り外されて、それに埋め込まれた配線26を含む管状本体24の連続的な途切れのない全長が形成され、これは複数の個々の電気接点20に分離または分けられ得る。その結果、個々の電気接点20は連続的な途切れのないものになり得る。
【0033】
個々の電気接点20の全長は、対象とする用途に応じて決定され得る。例えば、ある用途では、電気接点20の全長は約12ミリメートル(0.5インチ)〜約305ミリメートル(12インチ)の範囲でもよい。電気接点20がそれに埋め込まれた配線26を含む管状本体24の連続的な途切れのない全長から分離または分けられるため、電気接点20の製造および組み立ては、より容易かつ安価になり得る。
【0034】
したがって、電気接点20の寸法は比較的容易に拡大または縮小され得る。電気接点20は比較的安価に製造でき、必要な組立は最小限でよい。電気接点20の形成に必要な工作機械(例えば、押し出しダイス)は最小限でよい。
【0035】
図1および
図2に示すハウジング30は無くともよく、接触組立体および/または電気コネクタを形成するために、電気接点20の1つ以上の端部に取り付けられる他の搬送装置と差し替えまたは置換されてもよい。電気接点20,320によって提供される種々の例示の電気的接続をここで説明する。
【0036】
ある実施形態では、電気接点20と、電気接点20に少なくとも一部が挿入される絶縁導体40(例えば、絶縁配線)または他の末端装置(termination device)とを接続することにより、電気的接続が形成され得る。
図11〜15に示すように、導体40は導電性内側部42、および内側部42の全長の少なくとも一部に沿ってそれを囲む絶縁外側部44を含み得る。内側部42の端部は外側部44から外側に延在する。内側部42は配線26を構成する前述の任意の材料などの導電性材料から形成され得る。外側部44は絶縁性材料でもよい。代替的に、導体40全体が導電体から形成されてもよい。以下に説明するように、内側部42は電気接点20の配線26と電気的に接続され得る。実施形態では、(例えば、レセプタクルコネクタの)ピンその他の導電性構造体(例えば、
図31に示すピン80) その他の末端装置が電気接点20の通路22に挿入され、内側部42と電気的に接続することにより、導体40と電気接点20とを電気的に接続し得る。
【0037】
図11は例示の実施形態に従う導体40と電気接点20とのはんだづけにより構成された接触組立体410を示す。導体40と電気接点20とのはんだづけの前に、まず電気接点20が用意され得る。例えば、
図11に示すように、電気接点20が水平配置されている場合には、電気接点20の一部が切り取られて、電気接点20の端部にはんだカップ28が形成され得る。導体40の内側部42の露出した端部は、はんだカップ28内の通路22の一部に収容される大きさに形成され得る。はんだカップ28内に内側部42の露出した端部を挿入した後に、はんだカップ28にはんだを供給して、はんだカップ28内の配線26が内側部42の露出した端部にはんだづけされ得る。この結果、内側部42は電気接点20の配線26と電気的に接続され得る。導体40と電気接点20(例えば、はんだカップ28)との接続を保護および支持するために、圧縮管または継ぎ手46(
図14および
図15)が備えられ得る。これにより、導体40と電気接点20とが電気的に接続し得る。
【0038】
図12〜
図15は例示の実施形態に従う電気接点20と導体40とのはんだづけまたは圧着により形成された接触組立体412を示す。導体40と電気接点20とをはんだづけまたは圧着する前に、まず電気接点20が用意され得る。例えば、
図12に示すように、電気接点20の管状本体24の一部が、例えば、配線を剥ぎ取る工具を用いて切り取られて、配線26の端部27が露出し得る。
図13に示すように、導体40の内側部42の露出した端部は、配線26の露出した端部27間に位置し得る。配線26の露出した端部27は導体40の内側部42の露出した端部にはんだづけされ得る。
図14および
図15に示すように、導体40と電気接点20との接続を保護および支持するために、圧縮管または継ぎ手46(例えば、圧着継ぎ手)が備えられ得る。代替的に、配線26の露出した端部27は継ぎ手46(例えば、圧着継ぎ手)により、導体40の内側部42の露出した端部に圧着されてもよい。この結果、内側部42は電気接点20の配線26に電気的に接続し得る。代替的に、配線26の端部27を露出するために管状本体24の一部を剥ぎ取る代わりに、電気接点20の端部(配線26および管状本体24を含む)が、圧着継ぎ手46により、導体40の内側部42の露出した端部に圧着されてもよい。これにより、導体40と電気接点20とが電気的に接続し得る。
【0039】
別の実施形態に従い、エンドキャップ50などの別の種類の末端装置と、電気接点20とを接続することにより接触組立体が形成され得る。例えば、
図16および
図17は例示の実施形態に従うエンドキャップ50と電気接点20とを接続して形成された接触組立体510を示す。エンドキャップ50の少なくとも一部は、配線26を構成する前述の任意の材料などの導電性材料から形成され得る。エンドキャップ50は電気接点20と接続する第1の端部52を含み得る。第1の端部52は環状間隙54により形成された突起53を含み得る。
図17に示すように、環状間隙54は電気接点20の端部を収容する大きさに形成され、突起53は電気接点20の通路22に挿入される大きさに形成され得る。電気接点20の端部はエンドキャップ50の環状間隙54に圧入され、これにより、エンドキャップ50と電気接点20との接続が簡単になり得る。そして、エンドキャップ50と電気接点20とを電気的に接続する接触組立体510が構成され得る。
【0040】
エンドキャップ50は、他のコネクタまたは構成要素を取り付けるためのインターフェースを備えて構成された第2の端部56をさらに含み得る。これにより、エンドキャップ50において、それらのコネクタまたは構成要素と電気接点20とが電気的に接続し得る。例えば、
図16および
図17に示すエンドキャップ50は、より線その他の導電性構造体などを挿入する大きさに形成された圧着バレル(crimp barrel)57または他の開口もしくは空洞を含み、これにより、エンドキャップ50を通じて、より線と電気接点20とが電気的に接続し得る。代替的に、エンドキャップ50は、はんだカップ、プリント基板(PCB)後部(tail)、または他の従来の取り付け(attachment)構造などの他の種類の取り付け構造を含んでもよい。
【0041】
ある実施形態では、前述の電気接点および/または接触組立体はハウジング(例えば、
図1および
図2に示すハウジング30その他のハウジング)に接続され、電気コネクタを形成し得る。例えば、
図18〜
図22は別の例示の実施形態に従う複数の電気接点320とハウジング60とを接続して形成された電気プラグ(または、ソケット)コネクタ610を示す。ハウジング60は
図1および
図2に示すハウジング30と概ね同じでもよく、以下に説明するように、電気レセプタクルコネクタ700(
図28〜
図30、
図32および
図33)のレセプタクル部72(
図23〜
図30、
図32および
図33)に挿入されるプラグ部64に接続されたベース部62をさらに含み得る。ハウジング60は、
図21に示すように、例えば、ベース部62およびプラグ部64を通ってハウジング60の軸方向における全長を貫通する11個の空洞32を含み得る。
図18〜
図22に示す実施形態では、ハウジング60は11個の空洞32を含み得るが、代替的に、例えば用途に応じて11個よりも少ない、または多い空洞32を含んでもよい。
【0042】
空洞32により、ハウジング60のプラグ部64の表面36に開口634が形成され得る。
図21および
図22に示すように、電気接点320の端部がハウジング60の空洞32に挿入されたときに、表面63に接触するように、開口634は空洞32の残りの部分よりもわずかに狭く形成され得る。また、
図21および
図22に示すように、開口634は表面36に向かって広がる面(chamfers)を含み得る。
【0043】
ハウジング60はポリエーテルイミド(PEI)、他のポリマ、または他の類似の材料から構成され得る。一つの実施形態では、空洞32の直径(開口634を除いて)は約0.68〜0.70ミリメートル(0.027〜0.028インチ)でもよく、開口634の直径は約0.36ミリメートル(0.014インチ)でもよい。ハウジング60の全長は約4.9ミリメートル(0.193インチ)でもよく、プラグ部64の外径は約3.27ミリメートル(0.129インチ)でもよく、ベース部62の外径は約3.89ミリメートル(0.153インチ)でもよい。
【0044】
図21および
図22に示すように、複数の電気接点320がハウジング60の各空洞32を通って挿入され得る。電気接点320は、例えば、粘着性物質を用いて各空洞32の内面に取り外せないように取り付けられ得る。代替的に、電気接点320は取り外し可能なように、例えば、ネジ接続などのケーブルコネクタまたはケーブルグランドを用いて、各空洞32の内面に取り付けられてもよい。
【0045】
図23〜
図27は
図18〜
図22に示すプラグコネクタ610を接続するための、例示の実施形態に従うレセプタクルコネクタ700(
図28〜
図30、
図32および
図33)のハウジング70を示す。ハウジング70は第1の端部における第1のレセプタクル部72、およびその反対側の第2の端部における第2のレセプタクル部74を含み得る。第1のレセプタクル部72および第2のレセプタクル部74は、ハウジング70の中間部76により接合される。中間部76はその軸方向における全長を貫通する1つ以上の空洞732を含む。
【0046】
図28〜
図30は例示の実施形態に従う
図18〜
図22に示すプラグコネクタ610に接続するためのレセプタクルコネクタ700を示す。レセプタクルコネクタ700は、
図23〜
図27に示すハウジング70を含み得る。例示の実施形態では、ハウジング70は11個の空洞732(プラグコネクタ610のハウジング60における11個の空洞32に対応する)を含み得るが、代替的に、例えば用途に応じて11個よりも少ない、または多い数の空洞732を含んでもよい。
【0047】
ハウジング70内の空洞732は、それぞれ、ピン80を収容する大きさに形成され得る。
図31は例示の実施形態に従うピン80を示す。ピン80は、先端(tip)部82、およびフランジまたは段部(shoulder)86を備える後端(tail)部84を含み得る。先端部82は結合導入部として作用する小球突出部(bullet nose)を含み得る。選択的に、ピン80はハウジング70内に圧入されるときに、その保持に役立つ1つ以上の圧入突起(press-fit barbs)83をさらに含んでもよい。
図29および
図30に示すように、後端部84は圧着バレル85を含み、これはより線(不図示)を収容し、圧着されて配線と接続し得る。
図31に示すように、後端部84はめっきを容易にするための穴部87をさらに含んでもよい。
【0048】
ハウジング70内の各空洞732は、対応するピン80の先端部82を収容するように構成された第1の部分734、および対応するピン80の後端部84を収容するように構成された第2の部分736を含み得る。
図29および
図30に示すように、ピン80のフランジ86がハウジング70の空洞732に挿入されたときに、表面738に接触するように、第2の部分736は第1の部分734よりもわずかに広く形成され得る。この結果、フランジ86はハウジング70内へのピン80の取り付け中にピン80の前方向への停止部材として作用し得る。また、ピン80がハウジング70内の空洞732に挿入されると、
図29および
図30に示すように、ピン80の先端部82はハウジング70の第1のレセプタクル部72内に延在し、ピン80の後端部84はハウジング70の第2のレセプタクル部74内に延在し得る。
【0049】
例示の実施形態では、配線(不図示)が例えば圧着バレル85によりピン80の後端部84に接続された後に、第2のレセプタクル部74を含むハウジング70の端部に埋め込まれる(詰められる)またはオーバーモールドされることにより、ピン80はハウジング70に取り付けられ得る。代替的に、ピン80は、例えば粘着性物質を用いて空洞732の第1の部分734 および/または第2の部分736各々の内面に取り外せないように取り付けられてもよい。別の代替例として、ピン80は取り外し可能なように、例えば、ネジ接続などのケーブルコネクタまたはケーブルグランドを用いて、各空洞732の内面に取り付けられてもよい。
【0050】
図32および
図33は、例示の実施形態に従う、レセプタクルコネクタ700に接続されたプラグコネクタ610を示す。レセプタクルコネクタ700がプラグコネクタ610に接続されると、プラグ部64がレセプタクルコネクタ700のレセプタクル部72内に挿入され、レセプタクルコネクタ700内のピン80が、プラグコネクタ610のハウジング60の表面36における開口634から挿入され得る。ピン80はプラグコネクタ610のハウジング60内の空洞32に配置された電気接点320内の通路22に収容され得る。ピン80が電気接点320内の通路22に挿入されると、電気接点320内の配線326とピン80とが電気的に接続する。
【0051】
図32および
図33に示すように、電気接点320がハウジング60内に挿入された場合に、空洞32内の電気接点320とハウジング60との噛み合い(fit)は、ピン80が電気接点320内に挿入されたときに、電気接点320が半径方向に拡大するための余地がほとんどない。それ故、電気接点320はハウジング60内の空洞32の表面に対して圧縮され、電気接点320内の配線326がピン80との接触を維持するような半径方向の圧力または力をピン80に加え得る(例えば、この力はピン80が通路22から偶然に外に出ることを防ぎ、さらに低抵抗の連続接続を確実にするのに十分な垂直力を加える)。
【0052】
実施形態では、空洞732の第1の部分734の直径は、約0.48ミリメートル(0.0189インチ)でもよく、その全長は約1.87ミリメートル(0.074インチ)でもよい。空洞732の第2の部分736の直径は、約0.66ミリメートル(0.026インチ)でもよく、空洞732の全長は約3.00ミリメートル(0.118インチ)でもよい。ハウジング70の外径は約3.89ミリメートル(0.153インチ)でもよく、その全長は約7.00ミリメートル(0.276インチ)でもよい。第1のレセプタクル部72の内径は約3.33ミリメートル(0.131インチ)でもよく、その全長は約2.50ミリメートル(0.098インチ)でもよく、第2のレセプタクル部74の内径は約3.33ミリメートル(0.131インチ)でもよい。ハウジング70はポリエーテルイミド(PEI)、他のポリマ、または他の類似の材料から形成され得る。
【0053】
電気接点20と接続するための種々の種類の末端装置、ハウジング、搬送装置、および他の構成要素は、例えば、接触組立体および/または電気コネクタを形成するための前述のハウジング30,60、導体40、エンドキャップ50、ピン80などである。末端装置、ハウジング、搬送装置、および他の構成要素は置換可能に備えられ得る。末端装置、ハウジング、搬送装置、または他の構成要素の一種類が、1つ以上の電気接点20の一方の端部に取り付けられ、末端装置、ハウジング、搬送装置、または他の構成要素の別の種類が、1つ以上の電気接点20の他方の端部に取り付けられ得る。
【0054】
図34は、例えば、個々の末端装置、ハウジング、搬送装置、または他の構成要素を含まず、
図31に示す2本のピン80を直接接続する電気接点20を示す。各ピン80が電気接点20の両方の端部において通路22に収容されて、接触組立体を形成し得る。この結果、電気接点20はピン80のための可撓性ソケットとして機能し得る。ピン80は1つ以上の配線26および/または通路22を構成する管状本体24の内径(または、他の寸法)よりも大きい外径(または、他の寸法)を有し得る。電気接点20(例えば、管状本体24および/または1つ以上の配線26)の弾性により、ピン80が電気接点20に挿入されたときに、電気接点20の半径方向への広がりが制限され得る。それ故、電気接点20内の1つ以上の配線26がピン80との接触を維持するような半径方向の圧縮圧力または力を電気接点20はピン80に加え得る(例えば、この力はピン80が通路22から偶然に外に出ることを防ぎ、さらに低抵抗の連続接続を確実にするのに十分な垂直力を加える)。代替的に、電気接点20の端部はピン80以外の他の種類の導電性構造体を収容して、電気接点20と導電性構造体とが電気的に接続してもよい。
【0055】
電気接点20は種々の形状に形成され得る。例えば、電気接点20は複数のルーメンを有する構造に形成されるように2以上の通路22を含んでもよい。
図35に示す電気接点420は、管状本体424を通って実質的な縦方向に延在する複数の通路22が形成され、それに埋め込まれた配線26を備えた途切れのない連続的な管状本体424を含む。
図35に示す例示の実施形態では、電気接点420は3つの通路22を含むが、代替的に、例えば用途に応じて3よりも少ない、または多い通路22を備えてもよい。電気接点420の形成では、管状本体424は押し出し成形、あるいは他の方法で、複数の通路22の配線26を覆うように同時に形成されてもよい。
【0056】
図36〜
図40は複数の電気接点320をハウジング90内に挿入して形成された電気プラグ(または、ソケット)コネクタ900の別の実施形態を示す。
図36に示すように、ハウジング90はプラグ部94に接続されたベース部92を含み、
図40に示して以下に説明するように、電気レセプタクルコネクタ700(
図23〜
図30、
図32、および
図33)のレセプタクル部72に挿入され得る。
【0057】
ハウジング90は、ハウジング90の軸方向における全長の少なくとも一部、例えば、
図37に示すように、ベース部92の少なくとも一部およびプラグ部94の少なくとも一部、または代替的に、プラグ部94のみの少なくとも一部を貫通する11個の空洞95を含んでもよい。
図36〜
図40に示す実施形態では、11個の空洞95が形成されているが、代替的に、例えば用途に応じて11個よりも少ない、または多い空洞95が形成されてもよい。複数の空洞95は、
図37に示すように、ハウジング90のベース部92の表面(face)からその少なくとも一部を通って延在する開口96に接続する。代替的に、開口96はベース部92の少なくとも一部およびプラグ部94の少なくとも一部を通って延在してもよい。
【0058】
空洞95により、ハウジング90のプラグ部94の表面(face)にプラグ側の開口934が形成され得る。
図37および
図39に示すように、電気接点320の端部がハウジング90の空洞95に挿入されたときに、表面93に接触するように、プラグ側の開口934は空洞95の残りの部分よりもわずかに狭く形成され得る。プラグ側の開口934は、ハウジング90のプラグ部94の表面に向かって広がる面を含み得る。
【0059】
ハウジング90は他のハウジングおよび搬送装置に関して前述した類似の材料から形成され得る。また、ハウジング90、プラグ部94、ベース部92、空洞95、および/または開口934の寸法は、他のハウジングおよび搬送装置の類似の特徴に関して前述した寸法に類似してもよい。
【0060】
図37〜
図40に示すように、複数の電気接点320(例えば、11個の電気接点320)は、開口96からハウジング90の各空洞95内に挿入され得る。電気接点320は、例えば、粘着性物質、ネジ接続などを用いて各空洞95の内面に取り外せないようにまたは取り外し可能に取り付けられ得る。
【0061】
ハウジング90の開口96には、さらにガスケット100が挿入され得る。ガスケット100は、例えば、ゴム、エラストマ材料、または密閉部材(seal)に用いられる他の材料から形成され、例えば、粘着性物質を用いてハウジング90に取り付けられ得る。ガスケット100はベース部102、およびベース部102から延在する複数の突起104(例えば、11個またはハウジング90の空洞95の数に一致する数の突起104)を含み得る。突起104はベース部102に配置され、ガスケット100はハウジング90の開口96から挿入されると、各空洞95内に少なくとも一部が挿入され得る。
図37および
図40に示すように、突起104が延在するガスケット100のベース部102の表面(face)は、開口96を画定するハウジング90の対応する内面に接触して位置し得る。
【0062】
例示の実施形態では、ガスケット100は複数の空洞105(例えば、11個またはハウジング90の空洞95の数に一致する数の空洞105)を含み得る。
図37〜
図40に示すように、ガスケット100の各空洞105は、ピン80(
図31)または他の種類のピンの1つを収容する大きさに形成され得る。各空洞105は対応するピン80の先端部82の一部を収容するように構成された第1の部分106、および対応するピン80の後端部84の少なくとも一部 を収容するように構成された第2の部分107を含み得る。
図37、
図39、および
図40に示すように、ピン80のフランジ86がガスケット100の空洞105に挿入されたときに、表面に接触するように、第2の部分107は第1の部分106よりもわずかに広く形成され得る。この結果、フランジ86はガスケット100へのピン80の取り付け中にピン80の前方向への停止部材として作用し得る。
【0063】
ガスケット100の空洞105にピン80が挿入されると、ピン80の先端部82は、ハウジング90の空洞95内に配置された各電気接点320の通路22内に延在し得る。先端部82は各電気接点320の通路22内に圧入され得る。
【0064】
また、ガスケット100の空洞105にピン80が挿入されると、
図37および
図40に示すように、ピン80の後端部84はハウジング90の開口96に延在し得る。絶縁配線110その他の導電性構造体が、各ピン80の後端部84に接続され得る。
図37および
図40に示すように、絶縁配線110の配線部分は各ピン80の後端部84(例えば、圧着バレル85)に接続し得る。代替的に、ピン80の後端部84は、例えば、PCB末端(termination)または後部などの他の種類の接続構造に接続されもよい。
【0065】
電気プラグコネクタ900の組み立ては、ハウジング90の各空洞95内に電気接点320を挿入する工程、続いて、ハウジング90の開口96内にガスケット100を押圧する工程を含み得る。各空洞95に突起104が少なくとも一部が挿入されるまで、ガスケット100は開口96内で押圧されて、電気接点320が表面93に接触するまで、電気接点320が押し込まれ得る。次に、(例えば、絶縁配線110、PCB後部などと分離または接続した)ピン80が、ガスケット100の各空洞105内に押圧され得る。ピン80のフランジ86は、ガスケット100に挿入されたときに、ガスケット100を膨張することにより、ガスケット100に対する適切な位置にピン80を固定し、かつハウジング90に対する適切な位置にガスケット100を固定する保持突起(retention barbs)として機能し得る。ガスケット100の膨張は、ガスケット100のハウジング90への圧入接続を援助する。また、ピン80のガスケット100への圧入接続、およびガスケット100のハウジング90への圧入接続により、ハウジング90に対する適切な位置にピン80およびガスケット100が固定され得る。組み立てられた電気プラグコネクタ900の1つ以上の構成要素の保持、配線110の張力緩和、人間工学的な改善、外観の改善等のために、選択的に、エポキシ化合物(または、他の熱硬化性重合体その他の材料)、埋め込み用樹脂、および/またはオーバーモールドが、組み立てられた構成要素に利用され得る。
【0066】
ガスケット100は、水および他の有害分子がハウジング90の外側から電気接点320に達することを防ぐ密閉部材として機能し得る。例えば、ガスケット100の外周囲面は、ハウジング90の開口96の内面とピン80の外面とを堅く密閉するような寸法に形成され得る。ガスケット100はハウジング90の開口96に挿入されると圧縮され、密閉部材(例えば、ストッパまたはプラグなど)を構成し得る。この結果、ガスケット100はピン80およびハウジング90に対して押圧して、ピン80とハウジング90との間の密閉部材を構成し得る。
【0067】
図36〜
図40に示す実施形態では、電気接点320は比較的短く、ハウジング90内に十分または完全に収容され得る。例示の実施形態では、電気接点320はハウジング90の空洞95に十分または完全に収容されて、ガスケット100はハウジング90の空洞95内に電気接点320を配置および保持し得る。例えば、ガスケット100により、ハウジング90の表面93(
図39)に接触するように、電気接点320がハウジング90の前方に押し込まれることが確実になる。この結果、用途に応じてより安定した、かつ安全な電気的接続が得られる。
【0068】
図40は、例示の実施形態に従う
図23〜
図30、
図32、および
図33に示すレセプタクルコネクタ700に接続されたプラグコネクタ900を示す。レセプタクルコネクタ700がプラグコネクタ900に接続されると、プラグ部94がレセプタクルコネクタ700のレセプタクル部72に挿入され、レセプタクルコネクタ700内のピン80が、プラグコネクタ900のハウジング90の表面における開口934から挿入され得る。レセプタクルコネクタ700内のピン80は、プラグコネクタ900のハウジング90の空洞95内に配置された電気接点320内の通路22に収容され得る。レセプタクルコネクタ700内のピン80が電気接点320内の通路22に挿入されると、電気接点320内の配線326において、プラグコネクタ900内のピン80とレセプタクルコネクタ700内のピン80とが電気的に接続する。この結果さらに、プラグコネクタ900のピン80に接続された絶縁配線110と、レセプタクルコネクタ700のピン80に接続された絶縁配線110とが電気的に接続する。
【0069】
空洞95内での電気接点320とハウジング90との噛み合いは、(プラグコネクタ900および/またはレセプタクルコネクタ700からの)ピン80が電気接点320に挿入されたときに、電気接点320が半径方向に拡大するための余地がほとんどない。それ故、電気接点320はハウジング90の空洞95の表面に対して圧縮され、これにより電気接点320内の配線326がピン80との接触を維持するような半径方向の圧力または力をピン80に加え得る(例えば、この力はピン80が通路22から偶然に外に出ることを防ぎ、さらに低抵抗の連続接続を確実にするのに十分な垂直力を加える)。
【0070】
ある実施形態では、プラグコネクタ900が備えるピン80と、レセプタクルコネクタ700が備えるピン80とは構造および/または寸法が異なり得る。ある実施形態では、プラグコネクタ900が備えるピン80の係合サイクルはより少なくてもよい。例えば、プラグコネクタ900は、ガスケット100および電気接点320にピン80を一度挿入する(一度の係合(engagement)サイクル)だけで形成され得る。それ故、プラグコネクタ900内のピンは、安定した接続を確実に援助するために、レセプタクルコネクタ700が備えるピン80と比較して大きい外のり寸法(例えば、外径)を有し得る。他方で、レセプタクルコネクタ700が備えるピン80は、プラグコネクタ900がレセプタクルコネクタ700に接続されそれから分離される場合に、より頻繁に電気接点320に挿入されそれから取り外されることが意図され得る(より多い数の係合サイクル)。それ故、レセプタクルコネクタ700のピンおよび/または電気接点320の摩耗を軽減するように、レセプタクルコネクタ700が備えるピンは比較的小さい外のり寸法(例えば、外径)を有し得る。
【0071】
開示した電気コネクタは従来の電気コネクタと差し替え可能であり、航空宇宙産業、防衛用、および商業的利用などの種々の用途に用いられ得る。例えば、開示した電気コネクタは双曲面を形成する配線を有する電気コネクタと差し替え可能である。開示した電気コネクタは、例えば、信頼性のある電気的接続をもたらすこのようなコネクタの利点の一部を保持し、さらには、サイズ(例えば、直径)がより小さく、安価であり、かつ/または製造を容易にし得る。
【0072】
本開示の範囲から逸脱することなく、開示したシステムおよびプロセスの種々の変更および変形がなされることが当業者に理解される。すなわち、本明細書を考慮し本開示を実行することにより、他の実施形態が当業者に理解される。本明細書および実施例が例示のためのみに考慮され、その真の範囲は以下の請求項およびそれらの均等物により示されることが意図される。