(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
機体下部に設けた走行部と、走行部上に回転自在に載置した旋回体と、旋回体先端に連設したブームと、旋回体に配置した運転部と、運転部の運転席下部から後方にかけて配設したエンジンルームとよりなる旋回作業機において、運転席はエンジンルームを形成するケース状のシートマウント上に載置され、ケース状のシートマウント前壁には、エンジンルーム点検用のルーム開放口を形成し、ルーム開放口には点検用扉を着脱自在に設けると共に、点検用扉の一部は奥側に凹状として、同凹状部をマニュアル収納部とし、しかも、点検用扉の扉前面にはマニュアル収納部を前面より閉塞する開閉自在の開閉カバーを点検用扉と一体に重ねて設け、点検用扉をシートマウント前壁に着脱自在に設けるための取付ボルトは、点検用扉に一体に重ねた開閉カバーにより被覆されていることを特徴とする旋回作業機の運転部におけるマニュアル収納部構造。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述したボンネット(特許文献1)では、例えばエンジンの点検等のためにボンネットがある旋回作業機の後方で点検作業等をした後に再び運転部に戻り、エンジンを始動させて旋回作業機の操作等を行いながら点検や調整等の結果を確認したり、不充分であればエンジンを停止させ再び旋回作業機の後方で点検等の作業をする場合がある。特に、繰り返し調整等を行う必要が生じた場合等には、ボンネット部分が運転部から離れているため頻繁に往復を繰り返さなければならず、煩雑であり思わしくなかった。
【0010】
更に、旋回作業機の後方からボンネットを開蓋しても、エンジン構成部品等の全てを旋回作業機の後方に配設させることはできないため、エンジンルーム内に配設したスタータ、オルタネータ、その他の部品等がエンジンルームの下方にあったり、エンジンルームの前方に配設されていたりした場合には、所望の部位に手が届き難い、若しくは届かなかったり、暗所で視認が困難であったりしてメンテナンス性が悪く、更に、点検等が不要な部位にまで手が触れることもあり、安全性の面でも思わしくなかった。
【0011】
他方、上述したマニュアル収納部(特許文献2)では、収納するマニュアルをカバー等で被覆しない構造の場合、雨や埃等にマニュアルが直接さらされ、激しく劣化して使用できなくなる。
【0012】
また、収納するマニュアルをカバー等で被覆して施錠できる構造の場合でも、例えばエンジンの点検のために座席シート背面のマニュアル収納部からマニュアルを取出して、ボンネットがある旋回作業機の後方(特許文献1)で点検作業をした後に再び運転部に戻り、運転席背面のマニュアル収納部にマニュアルを収納したとしても、繰り返し調整等を行う必要が生じた場合等には、面倒となり、カバー等を施錠しないでマニュアルを収納するといった管理上の不備が生じやすい。
【0013】
これは、運転席の座席シート背面にマニュアル収納部が設けられていることにより施錠の有無を視認し難く、従って意識的に確認しなければ施錠忘れが発生しやすいといった側面も有している。このような場合、及びカバー等で被覆しない構造の場合はもちろん、第三者がマニュアルを勝手に持ち出せる状況となり、屋外で使用される旋回作業機においては特に思わしくなかった。
【0014】
本発明は、上述したような課題に鑑みてなされたものであり、エンジン周辺のメンテナンス性の向上とマニュアルの容易な取扱いを可能とする旋回作業機の運転部におけるマニュアル収納部構造を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
以上のような目的を達成するために、本発明は、以下のようなものを提供する。
【0016】
請求項1に係る本発明では、機体下部に設けた走行部と、走行部上に回転自在に載置した旋回体と、旋回体先端に連設したブームと、旋回体に配置した運転部と、運転部の運転席下部から後方にかけて配設したエンジンルームとよりなる旋回作業機において、運転席はエンジンルームを形成するケース状のシートマウント上に載置され、ケース状のシートマウント前壁には、エンジンルーム点検用のルーム開放口を形成し、ルーム開放口には点検用扉を着脱自在に設けると共に、点検用扉の一部は奥側に凹状として、同凹状部をマニュアル収納部とし、しかも、点検用扉の扉前面にはマニュアル収納部を前面より閉塞する開閉自在の開閉カバーを点検用扉と一体に重ねて設け
、点検用扉をシートマウント前壁に着脱自在に設けるための取付ボルトは、点検用扉に一体に重ねた開閉カバーにより被覆されていることを特徴とする旋回作業機の運転部におけるマニュアル収納部構造。
【0018】
請求項
2に係る本発明では、点検用扉の前面と開閉カバー周縁部との当接部に位置するように、点検用扉の前面に周縁突条を形成したことを特徴とする請求項
1に記載したマニュアル収納部構造。
【0019】
請求項
3に係る本発明では、点検用扉のマニュアル収納部横側方には電装部品点検用の点検窓を形成したことを特徴とする請求項1
または請求項2に記載したマニュアル収納部構造。
【発明の効果】
【0020】
請求項1記載の本発明では、ケース状のシートマウント内をエンジンルームとして形成し、その上に運転席を載置しているので、運転席とエンジンルームとを重ねた簡素な構造での上下位置の取合いが可能である。また、運転席をシートマウント上に載置するため、運転席の支持部材を別途設ける必要がなく、簡便な構造でありながら運転席の支持強度を増すことができる。
【0021】
また、シートマウントの前壁にルーム開放口を設けたことで、点検用扉を取外すことにより、ルーム開放口がエンジンルーム前側に開口することになるため、運転席側からエンジンルーム内を開放して点検を行うことが可能となる。更に、従来はエンジンルームの後部のボンネットを開放してもエンジンルームの前部に収納されたエンジン機材の点検等の際は、手が届かなかったり暗所で視認が困難だったが、特にエンジンルームの前部のルーム開放口から、集合したエンジン用関連機材の点検を容易に行うことが可能となる。
【0022】
また、ルーム開放口に点検用扉を着脱自在に設け、一部に設けた凹状部をマニュアル収納部としたことで、特別にマニュアル収納のための空間をわざわざ形成する必要がないため、構造を簡略化できる。更に、マニュアル収納部を運転席下方の点検用扉に形成したことで、運転席からのマニュアルの出入が容易で必要時に運転席に着座したままマニュアルの点検、取扱いができる。また、凹状部による反対側の凸部がエンジンルーム内に配設されることになるため、マニュアル収納のための空間が運転部において他の機材と干渉することなく簡易な構造の運転部を構成できると共に、運転部への出入りも容易にできる。
【0023】
また、点検用扉に重複して、その前面に開閉カバーを開閉自在に設けたので、マニュアルを点検用扉のマニュアル収納部に収納しても、マニュアル収納部を閉塞した開閉カバーをロック機構等の手段で固定している限り、マニュアルの盗難等を防ぐことができる。更に、開閉カバーが運転席の座席下方にあるシートマウント前壁を略全面的に塞ぐので、通常はエンジンルームを運転席下方において閉塞してエンジンルーム前方のケーシングを簡易に行うことができることになる。
【0024】
更に、マニュアル収納部やルーム開放口を運転席下方に設けたので、これらを略全面的に塞ぐ開閉カバーの施錠の有無を確認しやすく、運転部への出入りの際にも視認しやすいので、施錠忘れという管理上の不備を防止できる。
【0025】
また、点検用扉に設けた取付ボルトは、その上面に重設した開閉カバーで被覆されているので、開閉カバーをロック機構等により閉蓋固定する限り点検用扉の取付ボルトは外部に露出しないことになり、取付ボルトが外部から取り外されたり、点検用扉が除去されたりすることがなく安全である。
【0026】
また、取付ボルトが開閉カバーで被覆されているので、取付ボルトに泥やごみが付着することがなく、錆付きも可及的に防止でき、点検用扉の点検やメンテナンス等が容易となる。
【0027】
請求項
2記載の本発明では、点検用扉の前面に周縁突条を形成したので、開閉カバーと一体に重複して閉蓋状態とした場合に、開閉カバーと点検用扉との密着当接が正確に行え、かつ、シール機能を果たしてマニュアル収納部や、その他の点検窓にごみや泥が浸入すると共に、エンジンルームからの騒音が運転部に伝播することを可及的に防止することができる。
【0028】
更に、開閉カバーの閉蓋時に点検用扉前面に強く当接しても、周縁突条が間に介在しているために該突条がクッションの役目を果たして、当接時の衝撃を可及的に和らげ、点検用扉等の損傷を減少させることができる。
【0029】
また、周縁突条がシール機能を充分に果すことができるので、別途、開閉カバーと点検用扉との間にシール部材を設ける必要がなく、その分構成部品を少なくすることができ、価格的にも有利である。
【0030】
請求項
3記載の本発明では、点検用扉には電装部品を点検するための点検窓を形成したので、開閉カバーを開蓋すれば点検用扉を閉蓋したまま点検窓からエンジンルーム内の電装品関係の点検が行え、わざわざ点検用扉の開蓋操作をしなくても、エンジンルーム内の前部に集約配置した電装BOX内の点検が容易に行える。
【発明を実施するための形態】
【0032】
次に、本発明の実施の形態を説明する。
【0033】
この発明は、機体の下部に設けた走行部4と、走行部4上に回転自在に載置した旋回体6と、旋回体6先端に連設したブーム11と、旋回体6に配置した運転部7と、運転部7の運転席202下部から後方にかけて配設したエンジンルーム9とよりなる旋回作業機(掘削作業車A)において、運転席202はエンジンルーム9を形成するケース状のシートマウント201上に載置され、ケース状のシートマウント201前壁には、エンジンルーム9点検用のルーム開放口207を形成し、ルーム開放口には点検用扉209を着脱自在に設けると共に、点検用扉209の一部は奥側に凹状として、同凹状部をマニュアル収納部211とし、しかも、点検用扉209の扉前面にはマニュアル収納部211を前面より閉塞する開閉自在の開閉カバー220を点検用扉209と一体に重ねて設けたことを特徴とする旋回作業機(掘削作業車A)の運転部7におけるマニュアル収納部211構造を提供せんとするものである。
【0034】
また、本発明は、点検用扉209をシートマウント201前壁に着脱自在に設けるための取付ボルト210は、点検用扉209に一体に重ねた開閉カバー220により被覆されていることを特徴とする。
【0035】
また、本発明は、点検用扉209の前面と開閉カバー周縁部との当接部に位置するように、点検用扉209の前面に周縁突条216を形成したことを特徴とする。
【0036】
また、本発明は、点検用扉209のマニュアル収納部211横側方には電装部品点検用の点検窓214を形成したことを特徴とする。
【0037】
次に、本発明の具体的な実施形態を図面に基づき詳説する。
図1〜
図7に示すAは、本発明に係る旋回作業機としての掘削作業車である。
【0038】
[掘削作業車の全体の説明]
掘削作業車Aは、
図1〜
図7、
図9に示すように、自走可能な走行機体1と、走行機体1に取り付けた作業部としての掘削部2と排土部3とから構成している。本実施形態では作業部の先端部に作業用アタッチメントとして掘削用のバケット13を装着して掘削部2となしている。
【0039】
走行機体1は、左右一対のクローラ式の走行部4,4にそれぞれ油圧モータ(図示せず)を設けて、各油圧モータをそれぞれ正逆回転駆動させることで、前後方向に直進走行することも、また、前後左右方向に旋回走行することも、また、左右走行部4,4を相互に反対方向に回転駆動させて急旋回させることも可能となしている。走行部4,4間には基台5を介設し、基台5上に旋回体6を旋回自在に載設して、旋回モータ(図示せず)により左右いずれの方向にも旋回作動可能となしている。旋回体6は走行部4,4の左右側幅(左側走行部4の外側端縁部と右側走行部4の外側端縁部との間隔)内で旋回可能な平面視略円板状に形成している。旋回体6上には、前半部に運転部7とタンク部8を配設する一方、後半部にエンジンルーム9を配設している。旋回体6の前端部の一側寄り(本実施形態では右側寄り)位置にはブーム用ブラケット10を前方へ突設して、ブーム用ブラケット10に掘削部2の基端部を枢支して取り付けている。基台5には、左右一対の走行部4,4間において、排土部3を取り付けている。
【0040】
掘削部2は、ブーム11とアーム12とバケット13とこれらを回動作動させるスイングシリンダ14とブームシリンダ15とアームシリンダ16とバケットシリンダ17を備えている。
【0041】
旋回体6の前端部の右側寄り位置に突設したブーム用ブラケット10には、枢支体19を上下方向に軸芯線を向けた枢軸18により枢支して、枢軸18を中心にして枢支体19を左右揺動自在に取り付けている。旋回体6の右側中途部と枢支体19の右側前部との間には前後方向に伸縮作動するスイングシリンダ14を介設して、スイングシリンダ14の伸縮作動に連動して枢支体19がスイング(左右揺動)作動するようにしている。
【0042】
枢支体19には、側面視「へ」の字状に屈曲して上下方向に伸延するブーム11の基端部を左右方向に軸芯線を向けた第1枢軸20により枢支して、第1枢軸20を中心にしてブーム11を上下回動自在に取り付けている。枢支体19の前端部とブーム11の前面中途部との間には上下方向に伸縮作動するブームシリンダ15を介設して、ブームシリンダ15の伸縮作動に連動してブーム11が上下回動作動するようにしている。
【0043】
ブーム11の先端部には、上下方向に伸延するアーム12の基端部を、左右方向に軸芯線を向けた第2枢軸21により枢支して、第2枢軸21を中心にしてアーム12を前後回動自在(上下回動自在)に取り付けている。ブーム11の上面中途部に取り付けた第1シリンダ取付台23と、アーム12の基端部に取り付けた第2シリンダ取付台24との間には前後方向に伸縮作動するアームシリンダ16を介設して、アームシリンダ16の伸縮作動に連動してアーム12が前後回動作動するようにしている。
【0044】
アーム12の先端部には、バケット13の基部を左右方向に軸芯線を向けた第3枢軸22により枢支して、第3枢軸22を中心にしてバケット13を前後回動自在(上下回動自在)に取り付けている。アーム12の先端部とバケット13の基部との間にはバケットリンク25を介設して、バケットリンク25とアーム12の第2シリンダ取付台24との間には上下方向に伸縮作動するバケットシリンダ17を介設して、バケットシリンダ17の伸縮作動に連動してバケット13が前後回動(上下回動)作動するようにしている。
【0045】
排土部3は、左右一対の走行部4間において、基台5に前後方向に伸延する左右一対の排土アーム26,26の基端部を昇降可能に取り付け、両排土アーム26,26の先端部間に左右方向に伸延する排土板(ブレード)27を架設して構成している。28は排土板昇降シリンダである。かかる排土板昇降シリンダ28は、後述する運転部に設けた排土板操作レバー53によって作動操作されるよう構成されている。また、排土板27は走行部4,4の左右側幅と略同一幅に形成している。
【0046】
このように構成して、走行機体1は、運転部7で走行部4を操作することで前後直進走行並びに左右旋回走行が適宜行えるようにしている。そして、運転部7で掘削部2を操作することで掘削作業が行えるようにしている。また、運転部7で排土部3を操作することで排土作業が行えるようにしている
【0047】
[旋回体の説明]
旋回体6は、
図7〜
図10に示すように、平面視略円板状に形成したターンテーブル29の略前半部の上方に運転部フロア31を張設して形成している。ターンテーブル29上には、左右二列の機体フレーム30を縦板状に配設し、機体フレーム30の先端をブーム用ブラケット10としている。ターンテーブル29の略前半部には、スペーサー片32を介して、機体フレーム30上に運転部フロア31を張設している。機体フレーム30上で運転部フロア31の後方には略ケース状のシートマウント201を配設し、ターンテーブル29とシートマウント201との間の空間はエンジンルーム9としている。シートマウント201の上面には、運転席202を載置固定している。なお、運転部7については後述する。
【0048】
旋回体6の周面には、
図1〜
図4に示すように、ブーム用ブラケット10の左側部から平面視で反時計廻りに、順次、ランプカバー体36、コントロールバルブカバー体37、操作パターン切替弁カバー体38、工具等収容部カバー体39、カウンターウエイト40、及び、第1・第2タンクカバー体41,42を取り付けて、旋回体6の周面を閉塞している。そして、各カバー体36〜39,41,42は旋回体6の周壁の一部を形成しており、各カバー体36〜39,41,42により外側方を閉塞している。コントロールバルブカバー体37、操作パターン切替弁カバー体38、工具等収容部カバー体39、カウンターウエイト40、及び、第1・第2タンクカバー体41,42は、旋回体6の周端縁に沿わせて平面視円弧状に湾曲させて形成している。コントロールバルブカバー体37と操作パターン切替弁カバー体38と工具等収容部カバー体39は、旋回体6の周縁方向に伸延する横長四角形板状に形成するとともに、平面視円弧状に形成して、旋回体6に前後端部のいずれか一方の端部(本実施形態では前端部)を上下方向の軸線廻りに枢支して、その枢支部を中心に他方の端部(本実施形態では後端部)を横方向(本実施形態では前方側)に開閉自在となしている。
【0049】
[タンク部の説明]
タンク部8は、
図4、
図7〜
図9に示すように、エンジン56を駆動するための燃料を収容する燃料タンク57と、作動油を収容する作動油タンク58を前後に隣接させて配設している。これらのタンク57,58は、ターンテーブル29の右側部から立設した前端壁34と、ターンテーブル29の右側周縁部に配設した第1・第2タンクカバー体41,42と、これらの前端壁34及び第1・第2タンクカバー体41,42の上端縁部上に配設した上面カバー体35とにより閉塞している。
【0050】
[運転部の説明]
図1、
図8に示すように、運転部7には上方にキャノピ61又はキャビンが配設されている。その内部では
図10に示すように、エンジンルーム9をケーシングする状態で略ケース状のシートマウント201が配設されており、シートマウント201上の中央部に運転席202を載設している。シートマウント201上の運転席202の左側には左レバー支持ケース45を配設する一方、運転席202の右側には右レバー支持ケース46を配設している。左レバー支持ケース45内には左パイロット弁43a(形状は図示せず)を配設し、左レバー支持ケース45の前上部から左作業部操作レバー43を上方へ突設するとともに、左作業部操作レバー43を前後方向と左右方向に傾倒操作可能としている。
【0051】
そして、左レバー支持ケース45は略水平な使用位置と、後部を中心に後上方へ跳ね上げた不使用位置との間で位置変更自在となしている。47は左レバー支持ケース45の前端壁から前方へ突設したロックレバーであり、ロックレバー47は、左レバー支持ケース45が使用位置に配置された場合には、油圧ロック機構(図示せず)が作動解除されて油圧作動部がロック解除され、作業者の運転部7への乗降が阻害されるようにしている。一方、左レバー支持ケース45が不使用位置に配置された場合には、油圧ロック機構が作動されて油圧作動部がロックされ、作業者の運転部7への乗降が阻害されないようにしている。ここで、油圧ロック機構は油圧作動部である掘削部2と排土部3と走行部4と旋回体6の作動が全てロック(油路が切断されて停止状態に固定)されるように構成している。
【0052】
右レバー支持ケース46内には右パイロット弁44a(形状は図示せず)を配設し、右レバー支持ケース46の前上部から右作業部操作レバー44を上方へ突設するとともに、右作業部操作レバー44を前後方向と左右方向に傾倒操作可能としている。
【0053】
運転席202の直前方には、
図8に示すように、運転部フロア31の前中央部に形成したレバー孔を通して上下方向に伸延する左・右走行レバー48,49を立設しており、各走行レバー48,49は前後方向に傾倒操作可能としている。各走行レバー48,49には走行制御弁(図示せず)を介して走行部4,4の油圧モータを油圧接続して、各走行レバー48,49の前後方向の傾倒動作に油圧モータの正逆転動作を連動させて、走行部4,4を走行操作可能としている。50は左側走行レバー48の左側近傍に位置させて運転部フロア31上に設けた増速ペダルであり、増速ペダル50を踏み込み操作することで車速が増速されるようにしている。
【0054】
55は右側走行レバー49の右側近傍に位置させて運転部フロア31上に設けたブームスイング操作ペダル55であり、ブームスイング操作ペダル55の左側部を踏み込み操作することでブーム11を左側にスイング作動させることができる一方、ブームスイング操作ペダル55の右側部を踏み込み操作することでブーム11を右側にスイング作動させることができるようにしている。ブームスイング操作ペダル55にはスイング制御弁(図示せず)を介してスイングシリンダ14を油圧接続して、ブームスイング操作ペダル55の左右側部の踏み込み操作にスイングシリンダ14の伸縮動作を連動させて、ブーム11をスイング作動可能としている。
【0055】
右レバー支持ケース46の右側方には、
図11に示すように、前後が長幅で左右幅が短幅に形成の操作パネル部51を隣接させて配設している。操作パネル部51の上面前部には液晶モニター52を設け、中途部から排土板操作レバー53を前後方向に傾倒操作可能に突出させて、後部に各種スイッチ群54を配設している。排土板操作レバー53には排土制御弁(図示せず)を介して排土部3の排土板昇降シリンダ28を油圧接続して、排土板操作レバー53の前後方向の傾倒操作に排土板昇降シリンダ28の伸縮動作を連動させて、排土部3を昇降作動可能としている。
【0056】
本発明の旋回作業機は上述のように構成されており、作業者は運転部7の運転席202に着座して所定の操作レバー48,49等を操作することにより、走行部4の前行進をしながらブーム11、バケット13等の掘削作業装置を操作して掘削作業や排土作業を行っていくものである。
【0057】
本発明の要旨は、かかる旋回作業機において運転部7に設けたケース状のシートマウント201の前壁にルーム開放口207と透視窓208を開口すると共に、これらをマニュアル収納部211を有した点検用扉209と、点検用扉209を閉蓋する開閉カバー220とによって開閉自在としたことにある。すなわち、運転部7に居ながらエンジン56周りのメンテナンスやマニュアルの取出し・収納等の各種作業を容易に行うことが可能となる、旋回作業機の運転部7におけるマニュアル収納部211構造に関するものである。
【0058】
[本実施形態における構造の説明]
次に、本願発明であるマニュアル収納部211構造について詳説する。
【0059】
図8、
図12に示すように本実施形態における旋回作業機としての掘削作業車Aにおいて、運転部7にはエンジンルーム9を形成するケース状のシートマウント201が形成され、その上面には運転席202が載置されている。
【0060】
また、シートマウント201は、板金で構成しており、略箱状のエンジンルームケーシング機能を有するように構成されている。シートマウント201上は略平面となっているので運転席202を支持するための特別な支持台を別途設ける必要がなく運転席202をそのまま載置固定することができるので、エンジンルーム9と運転部7とをこのような簡素な構造で各々の上下位置の取り合いが可能となる。
【0061】
なお、運転席202の座面外底部には運転席取付用ブラケット205を連設しており、該ブラケット205をボルトにてシートマウント201の上面に固設することにより運転席202の固定を行っている。
【0062】
シートマウント201でケーシングされたエンジンルーム9内には、
図9、
図10、
図13に示すように、エンジン56、油圧ポンプ(図示せず)、ラジエータ59、スタータ60、オルタネータ62、ファン33、ファンベルト63、及び電装部品等(後述する電装BOX206内に収納)の駆動系統器材が収納されている。すなわち、エンジンルーム9の略中央部にはエンジン56を配設し、その前方、すなわち運転席202の略下方にはスタータ60、オルタネータ62、電装部品等を配設している。
【0063】
また、
図2、
図6に示すように、掘削作業車Aの後部にはケース状のシートマウント201の後側方を形成するボンネット203を開閉自在に設けている。
【0064】
ボンネット203は、旋回体の周面に沿わせて配設するとともに、ボンネット203の一側端縁部を上下方向の軸線廻りに枢支して、枢支部を中心にボンネット203を横方向に開閉自在となし、ボンネット203の他側縁部には開放操作が可能な把手204を設けている。
【0065】
図13に示すように、エンジンルーム9を囲繞するシートマウント201前壁には略長方形のルーム開放口207を設けている。略長方形のルーム開放口207は、シートマウント201の前壁に形成されて、エンジンルーム9内を、この開放口から透視可能としている。すなわち、ルーム開放口207は、シートマウント201前壁の略3分の2の位置に、周縁に一定のマージンを形成して設けられている。従って、ルーム開放口207からはエンジンルーム9内のエンジン前方の機器を点検可能としている。
【0066】
更には、シートマウント201の前壁におけるルーム開放口207の横側方にはエンジンルーム9内の電装部品を透視するための略正方形の透視窓208を開口している。また、透視窓208の奥のエンジンルーム9内には電装部品であるリレーやコントローラ等を集合させた電装BOX206を配設しており、電装BOX206は、前面開口の矩形状の箱で形成している。また、電装BOX206をシートマウント201の前壁裏側に取付ける際には、電装BOX206の前面開口の周縁フランジを透視窓208裏側にボルトあるいは溶接等で固定し、電装BOX206を透視窓208裏側に配設することにより行う。これにより、透視窓208から電装BOX206にアクセス可能となるため、運転席202の下方でシートマウント201前側から電装部品の点検や交換等のメンテナンス作業が可能となっている。
【0067】
以上のようにシートマウント201の前壁にルーム開放口207と透視窓208を設けることで、従来はエンジンルーム9の後部のボンネット203を開放してもエンジンルーム9の前部に収納されたエンジン機材の点検等の際は、手が届かなかったり暗所で視認が困難だったが、本実施形態に係る本願発明においては、運転席202側からエンジンルーム9の前部に集合したエンジン用関連機材の点検を容易に行うことが可能となる。
【0068】
シートマウント201の前壁には、
図13、
図14に示すように、ルーム開放口207と透視窓208を閉塞するようにシートマウント201の前壁に重複して点検用扉209を設けている。また、点検用扉209はルーム開放口207よりも若干大きい略長方形に構成しており、点検用扉209の周辺部を取付ボルト210によってシートマウント201前壁に着脱自在に取付けている。従って、
図13に示すように取付ボルト210の脱着によって点検用扉209はシートマウント201前壁から取外し自在に構成されている。
【0069】
更には、点検用扉209には、マニュアル収納部211を形成すると共に電装BOX206のメンテナンス用の点検窓214を開口している。点検用扉209においてシートマウント201前壁のルーム開放口207に対応する位置には、奥に向かった凹状部を形成し、この凹状部をマニュアル収納部211とする。
【0070】
マニュアル収納部211は、
図13、
図15中において点検用扉209の略左側半の位置に略正方形状に形成している。また、マニュアル収納部211は点検用扉209前面を奥に向かってプレス加工により形成している。なお、凹状部の奥行きは、マニュアルの厚みを充分に許容できる程度に形成している。
【0071】
このように、ルーム開放口207に点検用扉209を着脱自在に設け、点検用扉209の一部に設けた凹状部をマニュアル収納部211としたことで、特別にマニュアル収納のための空間をわざわざ形成する必要がないため、構造を簡略化できる。
【0072】
また、マニュアル収納部211を運転席202下方の点検用扉209に形成したことで、運転席202からのマニュアルの出入が容易で、必要時に運転席202に着座したままマニュアルの点検、取扱いができる。
【0073】
また、収納したマニュアルが前方に飛び出さないように点検用扉209の凹状部の底面前部には、
図15に示すように略長方形の止板212を立設している。
【0074】
具体的には、収納されたマニュアルが止板212の裏面と凹状部とによって保持され、点検用扉209から前方に飛び出さないようにしている。
【0075】
また、マニュアル収納部211は、裏側の凸部がエンジンルーム9内に突出することになるため、マニュアル収納のための空間が運転部7において他の機材と干渉することなく簡易な構造の運転部7を構成できると共に、運転部7への出入りも容易にできることになる。
【0076】
また、上述したマニュアル収納部211は、後方に凸状にプレス成形した構造以外に、以下のような構成とすることもできる。
【0077】
図16に示すように、上述したマニュアル収納部211におけるマニュアルを出入れする部分と同位置に、略長方形の開口部を設け、前述のプレス加工の凹状部と略同形状の箱状のマニュアル収納BOX213を別途作成し、これを開口部裏側より連設する。具体的には、マニュアル収納BOX213の内側の四隅にナットを溶接して設け、点検用扉209裏側の所定の位置にマニュアル収納BOX213の開口側を当接し、点検用扉209前面からボルト225を締め付けることでマニュアル収納BOX213が固定されることになる。
【0078】
図15、
図16に示すように、マニュアル収納部211の縦壁面には、後述する開閉カバー220をロックするための略U字状の係合フック215が突設されている。係合フック215は後述する開閉カバー220に設けられたグリップ223のロック機構224と係合自在に構成されている。
【0079】
また、点検用扉209のマニュアル収納部211横側方位置には、メンテナンス用の点検窓214が開口されているが、この点検窓214は、シートマウント201の前壁に開口した電装BOX206の透視窓208に対応している。これにより、点検用扉209前面の点検窓214からシートマウント201前壁の透視窓208を介して電装BOX206にアクセス可能となり、点検用扉209を開蓋しなくても電装部品であるリレーやコントローラ等の点検や交換等のメンテナンス作業が可能となっている。
【0080】
図13〜
図16に示すように、点検用扉209前面の周縁部には、周縁突条216を突設している。周縁突条216は、主に、後述する開閉カバー220の裏側と当接して点検用扉209と開閉カバー220との重複部分のシール機能を果たすものである。
【0081】
周縁突条216の突面には、断面略U字状のパッキン217を嵌着している。また、周縁突条216は略長手状の板材を周縁に張りめぐらして形成しており、この板材の上縁に断面略U字状のパッキン217を嵌着して板材を被覆している。また、周縁突条216の高さは、当然に、前述の点検用扉209に取付けられた取付ボルト210よりも高くなるように形成している。なお、パッキン217の材料は、ニトリルゴム、フッ素ゴム、ウレタン等の適度な弾性を有し耐熱性、耐油性、耐候性等を備えたものを使用している。
【0082】
このような構成によって、マニュアル収納部211に収納されたマニュアル、及び電装BOX206内の電装部品に対して周縁突条216が前方に突出して上方を覆う屋根のような機能を果し、雨や埃等の付着を軽減させることができる。なお、周縁突条216による効果の多くは、後述する開閉カバー220との関係において発生するものであるため、その他の効果については後述する
【0083】
点検用扉209の前面所定位置には、
図13〜
図16に示すように、後述する開閉カバー220を閉蓋したときに点検用扉209と開閉カバー220を一体に施錠するための施錠用掛け金218を突設している。施錠用掛け金218はU字状に形成し、U字状の先端半円弧部分に設けた係止用環219が、後述する開閉カバー220の閉蓋時に該カバーの貫通長孔222を挿貫して開閉カバー220前面に突出するように構成している。
【0084】
ここで開閉カバー220について具体的に説明する。すなわち、
図13、
図14に示すように、開閉カバー220は点検用扉209の前面に、開閉自在に重複して設けられているものである。
【0085】
開閉カバー220は、点検用扉209の前面に配設されたマニュアル収納部211と点検窓214と取付ボルト210、及びこれらを囲む周縁突条216、更には周縁突条216の外側近傍の取付ボルト210にわたって閉塞できるように形成しており、下側縁を点検用扉209下縁部にヒンジ221を介して枢着している。また、周縁突条216は高さを有するため、開閉カバー220が平面であれば、閉蓋時に該カバー220の裏側が周縁突条216の意図しない部分と干渉し、閉蓋することができない。従って、開閉カバー220は奥側を開口とする略台形状として干渉を回避し、開閉カバー220の裏側と周縁突条216との正確な密着当接が可能なように形成している。
【0086】
また、上述したように開閉カバー220は、閉蓋時に点検用扉209の取付ボルト210の多くを被覆して隠蔽する。すなわち、取付ボルト210は周縁突条216の内側で被覆されるものと、外側近傍で被覆されるものと、開閉カバー220によっては被覆されないものとがある。従って、被覆されない取付ボルト210のみを取外すだけでは点検用扉209をシートマウント201前壁から除去することができないものである。
【0087】
開閉カバー220には、
図12〜
図16に示すように、貫通長孔222を開口しており、上述した点検用扉209の前面に突設した施錠用掛け金218の係止用環219が、開閉カバー220の閉蓋時に該カバーの前面に突出するように構成している。
【0088】
また、
図12中において、開閉カバー220の貫通長孔222の左側方には、開閉カバー220の開閉操作を可能とするグリップ223(一般的な埋め込み取手)のロック機構224を設けている。また、グリップ223のロック機構224は、上述した略U字状の係合フック215と係合して開閉カバー220を点検用扉209に一体のロック状態となるように構成している。
【0089】
以上のように、開閉カバー220を点検用扉209の前面に重複して設けたことで、開閉カバー220の閉蓋時には、点検用扉209に配設されたマニュアル収納部211に収納されたマニュアルや、点検窓214から透視可能な電装BOX206の電装部品等を被覆でき、開蓋時には、マニュアル収納部211からマニュアルを前方に容易に取出すことができ、更には、点検窓214から電装BOX206の電装部品の点検等、メンテナンスが容易にできることになる。
【0090】
また、開閉カバー220の閉蓋時には、点検用扉209に設けられた周縁突条216が、上述の通り弾性を有することにより、開閉カバー220裏側との密着当接が正確に行え、かつ、周縁突条216がシール機能を果すことにより、開閉カバー220の後方に位置するマニュアル収納部211と電装BOX206、及び施錠用掛け金218の基部が、点検用扉209前面と周縁突条216、及び開閉カバー220後面とにより略密閉状態となり、雨、埃、泥等の汚れ等の浸入による付着からマニュアルや電装部品を保護することができると共に、施錠用掛け金218の基部の腐食劣化を防止して安全性を維持することができる。更に、エンジンルーム9からの騒音が運転部7に伝播することを可及的に防止することができることになる。
【0091】
更に、上述した点検用扉209をシートマウント201前壁に固定するための取付ボルト210の多くが開閉カバー220で被覆されることになるので、取付ボルト210への泥やごみの付着や錆付きも可及的に防止でき、点検やメンテナンス等が容易となる。
【0092】
また、開閉カバー220と点検用扉209との間に周縁突条216を設けたことで、開閉カバー220の閉蓋時における該カバー220の裏側と点検用扉209前面との接触による衝撃を、周縁突条216のパッキン217によって大幅に緩和でき、点検用扉209と開閉カバー220、更には電装部品等の損傷を防止できる。
【0093】
更に、開閉カバー220と点検用扉209との間を封止するために必要なシール部材を別途設ける必要がないので、価格的にも有利である。
【0094】
また、開閉カバー220は、通常は閉蓋しているので、運転席202の下方にあるシートマウント201前壁を略全面的に塞ぐことになり、エンジンルーム9を運転席202下方において閉塞して、エンジンルーム9前方のケーシングを簡易に行うことが可能となる。
【0095】
また、上述したように、開閉カバー220を閉蓋すると施錠用掛け金218の係止用環219が開閉カバー220前面に突出するように構成したことで、突出した係止用環219に、例えば南京錠等の掛け金を係合させて施錠すれば外部から勝手に開閉カバー220を解錠できなくなる。
【0096】
更に、この場合、点検用扉209をシートマウント201前壁から取外すための取付ボルト210が開閉カバー220で被覆され隠蔽されるので、開閉カバー220の上述の施錠により点検用扉209の取付ボルト210を取外すことができず、従って、点検用扉209も一体として施錠されることになる。これにより第三者が勝手に開閉カバー220と点検用扉209を開蓋できなくなるので、マニュアルや各種部品等の盗難、エンジン56や周辺部品等の破壊行為等から保護することが可能となる。
【0097】
また、開閉カバー220を運転席202の下方に設けたため、開閉カバー220の施錠の有無を確認しやすく、運転部7への出入りの際にも視認しやすいので、施錠忘れという管理上の不備を防止できる。
【0098】
本発明は以上のように構成されており、使用に際しては以下のような操作を行うことになる。
【0099】
[エンジンルームの点検等を行う場合]
エンジンルーム9の点検等を行う場合は、まず、開閉カバー220前面の南京錠等の鍵を外し、開閉カバー220のグリップ223を手前に引くことでグリップ223のロック機構224と略U字状の係合フック215との係合が外れ、
図14のように開閉カバー220を開放する。開放すると点検用扉209をシートマウント201に固定するための取付ボルト210が露見するので、この取付ボルト210を取り外して、点検用扉209と一体に設けられた開閉カバー220と共に、シートマウント201前側から除去する。点検用扉209等の除去により、
図13のようにシートマウント201前壁に設けられたルーム開放口207が露見するので、ルーム開放口207からエンジンルーム9内を透視しながらエンジン56、スタータ60、オルタネータ62、ファンベルト63等の点検や交換等のメンテナンス作業が可能となる。
【0100】
また、エンジンルーム9の点検等が終了したら、点検用扉209と一体に設けられた開閉カバー220と共に、シートマウント201前壁の所定の位置に合わせて、取付ボルト210で固定する。次に、開閉カバー220のグリップ223を持ちながら上方に移動させ、グリップ223のロック機構224と略U字状の係合フック215との係合によって開閉カバー220が上方で固定され閉蓋される。最後に、開閉カバー220を南京錠等で施錠すれば外部から勝手に開閉カバー220を解錠できなくなり、
図12のように一連の作業が終了する。
【0101】
[電装BOXの点検等を行う場合]
電装BOX206の点検等を行う場合は、まず、開閉カバー220前面の南京錠等の鍵を外し、開閉カバー220のグリップ223を手前に引くことでグリップ223のロック機構224と略U字状の係合フック215との係合が外れ、
図14のように開閉カバー220を開放する。開放すると、点検用扉209前面に配設された点検窓214が露見するので、点検窓214から電装BOX206内を透視しながら電装部品であるリレーやコントローラ等の点検や交換等のメンテナンス作業が可能となる。
【0102】
また、電装BOX206の点検等が終了したら、開閉カバー220のグリップ223を持ちながら上方に移動させ、グリップ223のロック機構224と略U字状の係合フック215との係合によって開閉カバー220が上方で固定され閉蓋される。最後に、開閉カバー220を南京錠等で施錠すれば外部から勝手に開閉カバー220を解錠できなくなり、
図12のように一連の作業が終了する。
【0103】
[マニュアルの取出しと収納を行う場合]
マニュアルをマニュアル収納部211から取出す場合は、まず、開閉カバー220前面の南京錠等の鍵を外し、開閉カバー220のグリップ223を手前に引くことでグリップ223のロック機構224と略U字状の係合フック215との係合が外れ、
図14のように開閉カバー220を開放する。開放すると、点検用扉209前面に配設されたマニュアル収納部211が露見するので、マニュアル収納部211からマニュアルを取出すことで旋回作業機(掘削作業車A)の操作方法や点検方法等について調べることが可能となる。
【0104】
マニュアルの確認等が終了したら、マニュアル収納部211へマニュアルを収納し、開閉カバー220のグリップ223を持ちながら上方に移動させ、グリップ223のロック機構224と略U字状の係合フック215との係合によって開閉カバー220が上方で固定され閉蓋される。最後に、開閉カバー220を南京錠等で施錠すれば外部から勝手に開閉カバー220を解錠できなくなり、
図12のように一連の作業が終了する。