特許第5785145号(P5785145)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5785145
(24)【登録日】2015年7月31日
(45)【発行日】2015年9月24日
(54)【発明の名称】跳上げ式机
(51)【国際特許分類】
   A47B 3/08 20060101AFI20150907BHJP
   A47B 91/06 20060101ALI20150907BHJP
【FI】
   A47B3/08 C
   A47B91/06
【請求項の数】14
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2012-225857(P2012-225857)
(22)【出願日】2012年10月11日
(65)【公開番号】特開2014-76186(P2014-76186A)
(43)【公開日】2014年5月1日
【審査請求日】2014年9月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】510274430
【氏名又は名称】コトブキシーティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100101498
【弁理士】
【氏名又は名称】越智 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107401
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 誠一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100120064
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 孝夫
(74)【代理人】
【識別番号】100154162
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 浩輔
(72)【発明者】
【氏名】大野 康
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 宏之
【審査官】 蔵野 いづみ
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−244845(JP,A)
【文献】 特開2003−259918(JP,A)
【文献】 特開平8−103333(JP,A)
【文献】 特開平5−220021(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 1/00−41/06
A47B 91/00−91/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用位置と収納位置とに移動可能である天板本体と、
前記天板本体が前記使用位置にあるときに、支持軸を中心に非移動位置と移動位置とに揺動可能であるカムと、
前記支持軸に接続され、前記天板本体が前記使用位置にあるときに前記天板本体を支持する第1脚と、
前記第1脚に対して移動可能であり、前記天板本体が前記収納位置にあるときに支持面を介して前記天板本体を支持する第2脚とを備え、
前記カムが前記非移動位置にあるときに、前記支持面は前記カムの対向部と対向し、前記カムが前記移動位置にあるときに、前記支持面は前記カムの当接部と当接することを特徴とする跳上げ式机。
【請求項2】
前記支持軸から前記カムの当接部までの距離は、前記支持軸から前記カムの対向部までの距離よりも長いことを特徴とする請求項1に記載の跳上げ式机。
【請求項3】
前記天板本体に接続され、前記天板本体の移動に従って前記第1脚を引き上げる跳上げ用カムをさらに備え、
前記天板本体が前記使用位置にあるときに、前記支持面は前記跳上げ用カムの対向部と対向し、前記天板本体が前記収納位置にあるときに、前記支持面は前記跳上げ用カムの当接部と当接することを特徴とする請求項1又は2に記載の跳上げ式机。
【請求項4】
前記跳ね上げ用カムは、前記支持軸を中心に揺動し、
前記支持軸から前記跳ね上げ用カムの当接部までの距離は、前記支持軸から前記跳ね上げ用カムの対向部までの距離よりも長いことを特徴とする請求項3に記載の跳上げ式机。
【請求項5】
前記跳ね上げ用カムは、跳ね上げ用支持軸を中心に揺動し、
前記跳ね上げ用支持軸から前記跳ね上げ用カムの当接部までの距離は、前記跳ね上げ用支持軸から前記跳ね上げ用カムの対向部までの距離よりも長いことを特徴とする請求項3に記載の跳上げ式机。
【請求項6】
荷物を掛けるための荷物掛部をさらに備え、
前記カムは前記荷物掛部に接続されており、前記荷物掛部は、前記カムを前記非移動位置と前記移動位置とに揺動させることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の跳上げ式机。
【請求項7】
前記荷物掛部及び前記カムは、前記跳上げ式机の両側に設けられており、
前記跳上げ式机の両側に設けられた前記荷物掛部は、連結軸を介して連動することを特徴とする請求項6に記載の跳上げ式机。
【請求項8】
使用位置と収納位置とに移動可能である天板本体と、
前記天板本体が前記使用位置にあるときに、支持軸を中心に非移動位置と移動位置とに揺動可能であるカムと、
前記支持軸に接続され、前記天板本体が前記使用位置にあるときに前記天板本体を支持する第1脚と、
前記第1脚に対して移動可能であり、前記天板本体が前記収納位置にあるときに支持面を介して前記天板本体を支持する第2脚と、
前記カムを揺動させるカム作動具とを備え、
前記カム作動具は、前記天板本体が前記使用位置にあるときに、前記カムを前記支持面と対向する位置と前記支持面と当接する位置とに揺動させることを特徴とする跳上げ式机。
【請求項9】
前記カム作動具は、荷物を掛けるための突出部分を有することを特徴とする請求項8に記載の跳上げ式机。
【請求項10】
前記カム作動具の揺動を規制する規制部材をさらに備えることを特徴とする請求項8に記載の跳上げ式机。
【請求項11】
前記規制部材は前記天板本体に対して固定されており、前記天板本体を前記収納位置に移動させるときに、前記カム作動具を揺動させることを特徴とする請求項10に記載の跳上げ式机。
【請求項12】
前記カムは、前記第2脚の上方に配置されていることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の跳上げ式机。
【請求項13】
前記カムは、キャップにより遮蔽されていることを特徴とする請求項12に記載の跳上げ式机。
【請求項14】
前記第2脚にキャスターが取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の跳上げ式机。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天板を使用位置から収納位置へと収納することが可能な跳上げ式机に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、使用位置と収納位置とに移動可能である天板本体と、天板本体に接続され、支持軸を中心に天板本体の移動に従って揺動可能であるカムと、支持軸に接続され、天板本体が使用位置にある時に天板本体を支持する第1脚と、第1脚に対して移動可能であり、天板本体が収納位置にある時に支持面を介して天板本体を支持する第2脚とを備え、天板本体を使用位置から収納位置へと移動させることが可能な跳上げ式机が知られていた(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−244845号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の跳上げ式机においては、天板を跳ね上げたときに、天板がインナー脚及びキャスターによって支持されるように構成されている。これにより、キャスターを利用して、跳上げ式机を容易に移動させることができる。しかし、天板本体が使用位置にあるときには、天板が脚フレームによって支持されている。そのため、跳上げ式机を移動するときは天板を跳ね上げる必要があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明の一例としての跳上げ式机は、使用位置と収納位置とに移動可能である天板本体と、前記天板本体が前記使用位置にあるときに、支持軸を中心に非移動位置と移動位置とに揺動可能であるカムと、前記支持軸に接続され、前記天板本体が前記使用位置にあるときに前記天板本体を支持する第1脚と、前記第1脚に対して移動可能であり、前記天板本体が前記収納位置にあるときに支持面を介して前記天板本体を支持する第2脚とを備え、前記カムが前記非移動位置にあるときに、前記支持面は前記カムの対向部と対向し、前記カムが前記移動位置にあるときに、前記支持面は前記カムの当接部と当接することを特徴とする。
【0006】
本発明の他の例としての跳上げ式机は、使用位置と収納位置とに移動可能である天板本体と、前記天板本体が前記使用位置にあるときに、支持軸を中心に非移動位置と移動位置とに揺動可能であるカムと、前記支持軸に接続され、前記天板本体が前記使用位置にあるときに前記天板本体を支持する第1脚と、前記第1脚に対して移動可能であり、前記天板本体が前記収納位置にあるときに支持面を介して前記天板本体を支持する第2脚と、前記カムを揺動させるカム作動具とを備え、前記カム作動具は、前記天板本体が前記使用位置にあるときに、前記カムを前記支持面と対向する位置と前記支持面と当接する位置とに揺動させることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る跳上げ式机によれば、天板を跳ね上げない場合でも、机を移動させることができ、利便性に資する。
【0008】
本発明のさらなる特徴は、添付図面を参照して例示的に示した以下の実施例の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】跳上げ式机の上面及び背面を示す概略図である。
図2】使用時及び収納時の跳上げ式机の概略側面図である。
図3】天板の概略側面図である。
図4】第1実施形態に係るカム部を説明する概略断面図である。
図5】脚の概略側面図である。
図6】第2脚を説明する概略側面図である。
図7】第1実施形態に係る跳上げ式机の動作を説明する概略図である。
図8】第2実施形態に係るカム部を説明する概略断面図である。
図9】第2実施形態に係る跳上げ式机の動作を説明する概略図である。
図10】変形形態に係るカム部を説明する概略断面図である。
図11】第3実施形態に係るカム部を説明する概略断面図である。
図12】第3実施形態に係る跳上げ式机を説明する概略斜視図である。
図13】第3実施形態に係る移動用レバーを説明する概略図である。
図14】第3実施形態に係る跳上げ式机を第1実施形態に係る跳上げ式机と比較して説明する概略図である。
図15】第3実施形態に係る跳上げ式机の動作を説明する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための例示的な実施例を、図面を参照して詳細に説明する。ただし、以下の実施例で説明する寸法、材料、形状、構成要素の相対的な位置等は任意であり、本発明が適用される装置の構成又は様々な条件に応じて変更できる。また、特別な記載がない限り、本発明の範囲は、以下に具体的に記載された実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0011】
図1に示すように、跳上げ式机は、天板1と、天板1を支持するための一対の脚2とを備えている。この天板1は、一対の脚2に対して移動可能に支持されている。そして、天板1は、使用位置と収納位置とに移動可能である天板本体11を備えている。使用時には、天板本体11は接地面3に対して略水平に支持される。また、収容時には、天板本体11は接地面3から跳上げ式机に向かって延ばした垂線に対して数度傾いた状態で支持される。
【0012】
一対の脚2はそれぞれ第1脚としての脚フレーム21を備えており、脚フレーム21は後述する支持軸19に接続され、天板本体11が使用位置にあるときに当該天板本体11を支持する。そして、一対の脚フレーム21同士は、貫材22により連結されている。また、図1には図示されていないが、脚フレーム21の内側には、脚フレーム21に対して移動可能である第2脚として、インナー脚23が収容されている(図5)。インナー脚23は、天板本体11が収納位置にあるときに、後述する支持面239を介して天板本体11を支持する。
【0013】
天板本体11には幕板12が取り付けられている。さらに、天板本体11には天板フレーム13が取り付けられており、この天板フレーム13は、一対の天板アーム17(図2)に溶接されている。つまり、一対の天板アーム17は、天板フレーム13により連結されている。そして、一対の天板アーム17のそれぞれには、第1のカム作動具(跳ね上げ用レバー)として、天板1をロックするため又は天板1のロックを解除するためのロックレバー14が揺動可能に取り付けられている。この一対のロックレバー14は、レバー軸15により連結されている。そのため、一方のロックレバー14をレバー軸15を中心に揺動させると、他方のロックレバー14も連動してレバー軸15を中心に揺動する。さらに、跳上げ式机には、第2のカム作動具としての移動用レバー301が取り付けられており、移動用レバー301は、跳上げ式机を移動させるために第2のカム部300を揺動させる。
【0014】
図2は、跳上げ式机の概略側面図である。図2Aは、天板本体11が使用位置にある状態、すなわち使用時の跳上げ式机を示している。また、図2Bは、天板本体11が収納位置にある状態、すなわち収納時の跳上げ式机を示している。なお、跳上げ式机は左右対称であるので、一方の側面のみを示し他方の側面は図示を省略している。
【0015】
天板本体11には、天板1と脚2とを接続する接続部として天板アーム17が螺止されている。そして、天板アーム17には、ロックレバー14が取り付けられている。このロックレバー14を天板1に向かって矢印50で示す方向に揺動させると、ロックが解除される。使用位置にある天板本体11は、接地面3に対して略水平に支持される。そして、天板1のロックを解除することにより、天板1を図2Bに示す収納位置まで回動させることができる。また、幕板12は、リンク18を介して脚フレーム21に連結されていると共に、不図示のリンクを介して天板1に連結されている。そのため、天板1を使用位置と収納位置との間で回動させると、幕板12も天板1の回動に伴い移動する。
【0016】
使用時の天板1は、脚フレーム21により支持されている。そのため、図2Aに示すように、脚フレーム21のベースフレーム213に取り付けられたベースキャップ24と、ベースフレーム213に螺止されたアジャスター25とが接地面3に接地している。そして、天板1を収納位置に移動させると、天板1は脚フレーム21に収容されたインナー脚23を支えとして接地面3から離れる方向に移動する。この時、脚フレーム21も天板1に従って移動するので、ベースキャップ24とアジャスター25も接地面3から離れる方向に移動する。これにより、収納時の天板1は、インナー脚23により支持される。そのため、図2Bに示す収納位置においては、インナー脚23に取り付けられた一対のキャスター26のみが接地面3に接地している。
【0017】
脚フレーム21の先端にはガイドキャップ27が嵌め込まれている。このガイドキャップ27により、後述する第1のカム部172及び第2のカム部300が外部から遮蔽されている。これにより、天板アーム17と脚フレーム21の隙間等に使用者が誤って指等を挟むことを防止できる。また、ガイドキャップ27には、荷物を掛けるための荷物掛部としてフック28が形成されている。なお、荷物を掛ける必要がなければ、このフック28を形成しなくとも良い。
【0018】
図3は、跳上げ式机の天板1の概略側面図を示している。なお、図3においては、説明の便宜のため、幕板12及び移動用レバー301の図示が省略されている。また、天板1は左右対称の構成を備えるため、図3においては天板1の一方の側面のみを示している。
【0019】
天板1の天板本体11の下面、すなわち脚2側の面には、鋼板から形成された天板アーム17が螺止されている。この天板アーム17は、天板本体11を支持する支持部171と、跳ね上げ用カムとしての第1のカム部172と、支持部171及び第1のカム部172の間の中央部173とからなる断面コ字形状を有している。そして、天板アーム17は、中央部173に形成されたねじ穴に挿入されたねじにより天板本体11に螺止されている。また、支持部171には、天板フレーム13が溶接されている。
【0020】
第1のカム部172には、インナー脚23の支持面239に当接する当接部175と、インナー脚23の支持面239と対向する対向部176とが形成されている。そして、天板本体11が使用位置にあるときに、支持面239は第1のカム部172の対向部176と対向し、天板本体11が収納位置にあるときに、支持面239は第1のカム部172の当接部175と当接する。
【0021】
また、第1のカム部172は、支持軸19を中心に揺動する。そして、支持軸19の中心から当接部175までの距離は、支持軸19の中心から対向部176までの距離よりも長い。そのため、天板本体11の回動によって、当接部175がインナー脚23の支持面に当接して乗り上げると、支持軸19が接地面から離れる方向に移動する。これにより、天板本体11に接続された第1のカム部172は、天板本体11の移動に従って脚フレーム21を引き上げることになる。その結果、第1のカム部172を有する天板アーム17が、接地面3から離れる方向に移動する。
【0022】
さらに、支持部171及び第1のカム部172には、天板1を支持する支持軸19が挿入されている。そして、移動用カムとしての第2のカム部300は、支持軸19の回動と連動して当該支持軸19を中心に揺動するように、ボルト177によって支持軸19の端面に固定されている。そのため、第2のカム部300は支持軸19を中心に揺動可能であり、天板本体11が使用位置にある状態で、跳上げ式机が移動可能となる移動位置と跳上げ式机が移動不能となる非移動位置とに揺動することができる。
【0023】
また、天板アーム17には、ロックレバー14が取り付けられている。ロックレバー14はレバー軸15を中心に揺動可能であり、ロックレバー14の内側にはロックプレート141が取り付けられている。そして、ロックプレート141は、天板1が使用位置で支持される際に、脚フレーム21の貫材フレーム219の第1係止溝41(図5)に当接する。また、天板アーム17の支持部171と第1のカム部172とは、ストッパー174により連結されている。このストッパー174は、天板1が使用位置で支持されている際に、貫材フレーム219の第2係止溝42(図5)に当接する。
【0024】
ロックプレート141は、ロックレバー14の揺動に従って揺動する。また、ロックレバー14のスプリング受け部には、不図示のロックスプリングが嵌っている。このロックスプリングの一端は天板アーム17の中央部173に当接し、他端はロックレバー14のストッパーに当接する。これにより、ロックスプリングは、ロックレバー14を天板本体11から離れる方向に付勢している。さらに、ロックレバー14及びロックプレート141には、レバー軸15が挿入されている。そして、レバー軸15は、天板アーム17の第1のカム部172及び支持部171の穴にも挿入されている。そのため、ロックレバー14は、レバー軸15を中心に揺動させることができる。使用者がロックを解除する場合は、ロックスプリングの付勢力に抗してロックレバー14を揺動させることになる。
【0025】
図4Aは、図2AのC−C断面を拡大して示している。図4Aにおいては、移動用レバー301の非動作状態における天板1及び脚2の接続部分を示しており、第2のカム部300は非移動位置にある。また、図4Bは、第2のカム部300を拡大して示している。図4Aにおいて、脚フレーム21のフレーム本体212には、貫材22が溶接された貫材フレーム219が接続されている。また、天板1を跳ね上げるための回転軸(支持軸19)は、天板アーム17の支持部171及び第1のカム部172の穴に挿入されている。これにより、支持部171及び第1のカム部172は、支持軸19を介して貫材フレーム219に接続されている。つまり、天板1は、支持部171及び第1のカム部172を介してフレーム本体212を有する脚2に対して接続されている。
【0026】
支持軸19には、第1のカム部172の他に、もう一個の独立した移動用カムである第2のカム部300が取り付けられている。そして、支持軸19には、移動用レバー301が固定されている。これにより、支持軸19は、移動用レバー301用のレバー軸としても機能する。また、支持軸19の端面には、ボルト177によって第2のカム部300が固定されている。そのため、支持軸19を中心に移動用レバー301を揺動させると、第2のカム部300も支持軸19を中心に揺動する。
【0027】
図4Bに拡大して示すように、第2のカム部300には穴377が形成されており、ボルト177は当該穴377に挿入される。また、第2のカム部300には、移動用レバー301の非動作時に、すなわち第2のカム部300が非移動位置にあるときに脚2(インナーエンド231)の支持面239と対向する対向部376が形成されている。さらに、第2のカム部300には、移動用レバー301の動作時に、すなわち第2のカム部300が移動位置にあるときにインナー脚23の支持面239に当接する当接部375が形成されている。なお、移動用レバー301の動作については後述する。
【0028】
また、移動用レバー301には、スプリング344が取り付けられている。そして、スプリング344は、移動用レバー301を天板本体11から離れる方向に付勢している。そのため、使用者が移動用レバー301を作動させる場合、すなわち机を移動させる場合は、スプリング344の付勢力に抗して移動用レバー301を天板本体11に向かって揺動させることになる。一方、机を移動させた後は、使用者が移動用レバー301を離すと、スプリング344の付勢力によって移動用レバー301が自動的に非動作位置まで揺動する。
【0029】
図5Aは、天板1が使用位置にある状態の脚2を示す概略側面図である。また、図5Bは、図5AのB−B断面を拡大して示している。なお、一対の脚2はいずれも対称の構成を備えるため、図5Aにおいては片方の脚2のみを示し、他方の脚2の説明は省略している。また、第1実施形態の脚2はフック28(図2)を有しているが、説明を簡略化するためにフック28の図示は省略している。
【0030】
脚2の脚フレーム21は、ベースフレーム213とフレーム本体212とを有している。このフレーム本体212は、ベースフレーム213に対して傾いた状態で溶接されている。また、脚フレーム21には、天板1と脚2とを接続するための支持部材として、鋼板から形成された貫材フレーム219が螺止されている。この貫材フレーム219には第1係止溝41及び第2係止溝42が形成されている。そして、第1係止溝41及び第2係止溝42には、ロックレバー14に接続されたロックプレート141の係止突起40(図3)が係止される。すなわち、この貫材フレーム219の第1係止溝41及び第2係止溝42と、ロックプレート141の係止突起40とにより、跳上げ式机のロック機構が構成されている。
【0031】
また、貫材フレーム219には貫材22が溶接されており、この貫材22を介して他方の脚の貫材フレーム219と連結されている。さらに、貫材フレーム219には、天板1を支持する支持軸19の一端が挿入される穴214が形成されている。そして、支持軸19の他端は天板アーム17の穴に挿入される。これにより、天板1が脚2に接続され且つ支持される。
【0032】
脚フレーム21内にはキャスター26が取り付けられたインナー脚23が収容されている。そして、脚フレーム21の先端には、インナー脚23の移動を制限するガイドキャップ27が差し込まれている。そのため、インナー脚23が脚フレーム21の内側を天板1方向に移動した場合は、インナー脚23がガイドキャップ27の一部に突き当たる。これにより、脚2の組み立て時にインナー脚23が脚フレーム21から抜け落ちることを防止できる。また、ガイドキャップ27は、脚フレーム21内に差し込まれるガイド部271を有している。そして、インナー脚23の取り付け時には、ガイド部271の内側にインナー脚23のインナーエンド231が挿入される。これにより、脚フレーム21内部でインナー脚23が動いたとしても、ガイド部271とインナーエンド231とが当接してインナー脚23の動きを規制する。そのため、跳上げ式机の移動時等に、インナー脚23が脚フレーム21の内面に接触して異音を発生させることを防止できる。
【0033】
さらに、インナー脚23は、キャスター26が取り付けられた基部232と、基部232に連結されたインナー脚本体233とを備える。インナー脚本体233は内部が空洞の筒状であり、インナー脚23と脚フレーム21との間にはインナーガイド234が取り付けられている。より詳細には、インナーガイド234は、インナー脚本体233の外側であってフレーム本体212の内側に取り付けられている。そして、インナー脚23は、インナーガイド234が取り付けられた状態で脚フレーム21内に収容されている。
【0034】
インナーガイド234について、図5Bを用いてより詳細に説明する。このインナーガイド234は係合突起235を有しており、係合突起235はインナー脚本体233の係合穴236と係合する。また、インナーガイド234の外面には、フレーム本体212の内面に当接するように複数の突部237が形成されている。これにより、脚フレーム21内のインナー脚23に力が加わっても、複数の突部237がフレーム本体212の内面に当接し、インナー脚23の移動が規制される。
【0035】
インナーガイド234の内側のサイズは、インナー脚本体233の外面に当接するように設定されている。また、インナーガイド234は、インナー脚23の先端から嵌め込み、インナー脚本体233の係合穴236までスライドさせることができる。そして、インナーガイド234の係合突起235を係合穴236と係合させる位置までスライドさせることで、インナーガイド234を取り付けることができる。なお、インナー脚23は脚フレーム21内を接地面3方向及び天板1方向へ移動することができる。
【0036】
また、脚フレーム21のベースフレーム213の後側の高さは、前側の高さよりも低く形成されている。つまり、ベースフレーム213の使用者側の高さは、幕板12側の高さよりも低く形成されている。そして、ベースフレーム213の内側に配置されているインナー脚23の基部232も、後側の高さが前側の高さよりも低く形成されている。これにより、跳上げ式机の使用者側のスペースに使用者が出入りする際に、ベースフレーム213に足が引っ掛かることを防止できる。そのため、使用者は、容易に出入りすることができる。
【0037】
続いて、図6を用いてインナー脚23をより詳細に説明する。インナー脚23のインナー脚本体233及び基部232は鋼板から形成されており、インナー脚本体233は基部232に溶接されている。そして、基部232の一部にはインナー脚本体233に向かって突出する溶接しろが形成されている。また、基部232の前側には、段差部238が形成されている。なお、基部232とインナー脚本体233とは、一つの鋼板から一体的に形成することもできる。
【0038】
基部232にはキャスター26が螺止されており、キャスター26はねじを中心に首ふり動作が可能である。そのため、跳上げ式机を移動する際には、キャスター26の向きを進行方向へと変えることができる。なお、キャスター26を螺止するためのねじ穴は2つには限られない。3つ以上のねじ穴を形成することにより、キャスター26の位置を可変とすることもできる。
【0039】
インナー脚23のインナー脚本体233の先端、つまり、天板1側の端部には、樹脂製のインナーエンド231が嵌め込まれている。このインナーエンド231には、第1のカム部172の対向部176に対して傾いた支持面239が形成されている。そして、支持面239は、天板1が収納位置にある時に、第1のカム部172の当接部175と当接する。これにより、天板1が、インナーエンド231、インナー脚本体233、基部232及びキャスター26を介して支持されることになる。
【0040】
このようなインナー脚23を備える脚2を組み立てる場合、まず、インナー脚23の基部232にキャスター26が螺止される。次いで、インナーガイド234がインナー脚本体233に嵌め込まれる。この時、インナーガイド234は、係合突起235がインナー脚本体233の係合穴236と係合するまでスライドされる。その後、インナーエンド231が、インナー脚本体233の先端に嵌め込まれる。
【0041】
組み立てられたインナー脚23は、脚フレーム21に内に挿入される。そして、貫材フレーム219及び内側プレート215が脚フレーム21に螺止される。最後に、ガイドキャップ27が脚フレーム21の先端に嵌め込まれ、脚フレーム21に螺止される。なお、組み立てられた脚2の貫材フレーム219は、支持軸19により天板1の天板アーム17と接続される。
【0042】
続いて、第1のカム部172の動作と、それに伴う跳上げ式机の動作について説明する。使用時の跳上げ式机においては、天板アーム17の第1のカム部172の対向部176とインナーエンド231の支持面239との間には隙間が存在する。そして、天板1は、天板アーム17の支持部171、支持軸19、貫材フレーム219、フレーム本体212、ベースフレーム213、ベースキャップ24及びアジャスター25を介して支持されている。
【0043】
そのため、使用時においては、ベースフレーム213のベースキャップ24及びアジャスター25が、接地面3と当接している。つまり、使用時においては、天板1が脚フレーム21によって支持されている。また、使用時においては、インナー脚23が自重によって脚フレーム21内を接地面3方向へ移動している。そのため、インナー脚23のキャスター26も、接地面3と当接している。
【0044】
ここで使用者が天板1のロックを解除し天板1を跳ね上げると、天板1の回動に従い第1のカム部172も揺動する。つまり、支持軸19を中心に揺動可能である第1のカム部172は、天板アーム17の一部として天板本体11に接続されている。そのため、第1のカム部172が天板本体11の回動に従って揺動する。その結果、第1のカム部172の当接部175がインナーエンド231の支持面239と当接する。
【0045】
天板1を回動させるにつれて、当接部175は支持面239上を上るように支持面239の上方へと移動する。換言すると、当接部175は、支持面239上に乗り上げ接地面3から離れる方向に向かって移動する。これにより、当接部175は、インナーエンド231のより先端と当接するようになる。その結果、天板1を回動させるにつれて、支持軸19から接地面3までの距離が長くなる。つまり、支持軸19が接地面3から離れる方向に移動する。
【0046】
この支持軸19は、天板アーム17の支持部171を介して天板本体11に接続されると共に、貫材フレーム219を介して脚フレーム21のフレーム本体212に接続されている。そのため、支持軸19が接地面3から離れる方向に移動すると、天板本体11及び脚フレーム21も接地面3から離れる方向に移動する。そして、脚フレーム21が接地面3から離れると、天板1は第1のカム部172を介して、接地面3に当接するキャスター26及びインナー脚23に支持されることになる。
【0047】
さらに天板1を回動させ、天板1を収納位置へと移動させると、当接部175は支持面239のより上方の位置で支持面239と当接する。そのため、支持軸19が接地面3からより離れる方向に移動し、天板本体11及び脚フレーム21も接地面3からより離れる方向に移動する。その結果、天板1を収納位置まで回動させると、接地面3とアジャスター25及びベースキャップ24とのクリアランスは最大となる。そして、天机1は、キャスター26を介してインナー脚23によって支持されるため、跳上げ式机を移動させることができる。
【0048】
続いて、図7A乃至図7Cを参照して、支持軸19に取り付けられた第2のカム部(移動用カム)300の動作について説明する。図7Aにおいては、移動用レバー301が非動作状態であり、第2のカム部300が非移動位置にある。また、図7Bにおいては、移動用レバー301が動作状態であり、第2のカム部300が非移動位置と移動位置の途中の位置にある。そして、図7Cにおいては、移動用レバー301が動作状態であり、第2のカム部300が移動位置にある。
【0049】
第2のカム部300を操作する移動用レバー301は、ロックを解除するロックレバー14とは別に専用で設けられている。また、移動用レバー301は、支持軸19及び貫材フレーム219を介して脚フレーム21のフレーム本体212に接続されている。そして移動用レバー301は、第2のカム部300を非移動位置と移動位置とに揺動させる。
【0050】
図7Aに示すように、移動用レバー301の非動作状態においては、第2のカム部300が非移動位置にあり、第2のカム部300の対向部376とインナーエンド231の支持面239との間には矢印aで示す隙間が存在する。そのため、ベースフレーム213のベースキャップ24及びアジャスター25が、矢印bで示すように接地面3と当接している。そして、天板1は、脚フレーム21によって支持されている。なお、非動作時においては、インナー脚23が自重によって脚フレーム21内を接地面3方向へ移動している。そのため、インナー脚23のキャスター26も、接地面3と当接している。
【0051】
図7Aでは、支持軸19から第2のカム部300の当接部375までの距離を矢印gで示している。また、支持軸19から第2のカム部300の対向部376までの距離を矢印hで示している。そして、矢印gで示す距離は、矢印hで示す距離より長い。つまり、支持軸19から第2のカム部300の当接部375までの距離は、支持軸19から第2のカム部300の対向部376までの距離よりも長い。
【0052】
跳上げ式机を移動させる場合、使用者は移動用レバー301を動作させ、矢印51に示す方向に揺動させる。すると、移動用レバー301は支持軸19を中心に揺動する。そして、移動用レバー301の揺動に従い第2のカム部300も揺動する。その結果、図7Bの矢印cで示すように、第2のカム部300の当接部375がインナー脚23の支持面239と当接する。
【0053】
その後、移動用レバー301を揺動させるにつれて、第2のカム部300の当接部375は支持面239上を上るように支持面239の上方へと移動する。換言すると、第2のカム部300の当接部375は、支持面239上に乗り上げ接地面3から離れる方向に向かって移動する。これにより、第2のカム部300の当接部375は、インナーエンド231のより先端と当接するようになる。その結果、移動用レバー301を揺動させるにつれて、支持軸19から接地面3までの距離が長くなる。つまり、支持軸19が接地面3から離れる方向に移動する。
【0054】
この支持軸19は、移動用レバー301に接続されると共に、貫材フレーム219を介して脚フレーム21のフレーム本体212に接続されている。そのため、支持軸19が接地面3から離れる方向に移動すると、脚フレーム21も接地面3から離れる方向に移動する。そして、脚フレーム21が接地面3から離れると、天板1は支持軸19及び第2のカム部300を介してインナー脚23に支持されることになる。
【0055】
すなわち、移動用レバー301をある程度揺動させると、図7Bの矢印dで示すように、アジャスター25及びベースキャップ24が接地面3から離れることになる。そのため、天板1は、接地面3に当接するキャスター26を介して、インナー脚23によって支持される。
【0056】
さらに移動用レバー301を揺動させ、図7Cに示す移動位置にまで第2のカム部300を揺動すると、当接部375と支持面239とが当接する位置は矢印eで示すように支持面239のより上方へと移動する。そのため、支持軸19が接地面3からより離れる方向に移動し、脚フレーム21も接地面3からより離れる方向に移動する。その結果、図7Cの矢印fで示すように、接地面3とアジャスター25及びベースキャップ24とのクリアランスは最大となる。
【0057】
このように、第2のカム部300が非移動位置にあるときに、支持面239は第2のカム部300の対向部376と対向する。また、第2のカム部300が移動位置にあるときに、支持面239は第2のカム部300の当接部375と当接する。そして、移動用レバー301を揺動させて移動位置に第2のカム部300を揺動させても、天机1は使用位置にあるままである。さらに、この状態の天机1は、キャスター26を介してインナー脚23によって支持されている。これにより、天机1が使用位置にある状態で、跳上げ式机を移動させることができる。すなわち、天机1を跳ね上げずに跳上げ式机を移動させることができる。なお、跳上げ式机を移動した後は、移動用レバー301が非動作状態に戻るように逆方向へと揺動することにより、第2のカム部300が移動位置から非移動位置へと揺動する。これにより、再び天机1は脚フレーム21によって支持されることになる。
【0058】
このような第1実施形態によれば、天机1を跳ね上げない場合でも机を移動させることができ利便性に資する。また、第2のカム部300は、インナー脚23の上方且つ天板本体11の下方における空いているスペースに配置されている。そのため、第2のカム部300を設けるスペースを別途設ける必要が無いので、省スペースが実現できる。さらに、跳上げ機構の一部を構成するインナー脚23の支持面239を利用できるので、第2のカム部300及び移動用レバー301等を追加するのみで机の移動が可能となる。
【0059】
なお、第1実施形態においては、移動用レバー301にスプリング344が取り付けられていた。しかし、スプリング344は、省略することもできる。この場合、机を移動させた後は、使用者が手動で移動用レバー301を非動作位置に揺動させる。また、移動用レバー301は、天板本体11の端部まで延在させることができる。これにより、使用者は、移動用レバー301を操作しながら天板本体11を押して移動させることができる。
【0060】
[第2実施形態]
以下、図8及び図9を参照して第2実施形態について説明する。 なお、第2実施形態の説明においては、第1実施形態との相違点について説明し、第1実施形態で説明した構成要素については同じ参照番号を付し、その説明を省略する。特に説明した場合を除き、同じ参照符号を付した構成要素は略同一の動作及び機能を奏し、その作用効果も略同一である。
【0061】
第1実施形態と同様に、第2のカム部302は、第1のカム作動具であるロックレバー14による動作とは別に動作する。一方、第1実施形態とは異なり、第2実施形態においては、第2のカム作動具としての回転ノブ303が荷物を掛けるための荷物掛部を兼用する。そして、第2のカム部302は回転ノブ303に接続されている。そのため、第2のカム部302は、回転ノブ303により、跳上げ式机が移動可能となる移動位置と跳上げ式机が移動不能となる非移動位置とに揺動することができる。
【0062】
図8Aにおいては、回転ノブ303の非動作状態における天板1及び脚2の接続部分を示しており、第2のカム部302が非移動位置にある。また、図8Bは、回転ノブ303を側方から見た場合の概略側面図を示す。
【0063】
脚フレーム21のフレーム本体212には、貫材22が溶接された貫材フレーム219が接続されている。また、天板1を跳ね上げるための回転軸(跳ね上げ用支持軸)319は、天板アーム17の支持部171及び第1のカム部172の穴に挿入されている。これにより、支持部171及び第1のカム部172は、支持軸319を介して貫材フレーム219に接続されている。つまり、天板1は、支持部171及び第1のカム部172を介してフレーム本体212を有する脚2に対して接続されている。
【0064】
回転ノブ303は、荷物を掛けるため外部に突出したフランジ状の突出部分304を有する。これにより、回転ノブ303は、荷物を掛けるための荷物掛部として兼用されている。また、回転ノブ303は、移動用支持軸419の一方の端面にボルト477によって固定されている。そして、支持軸419は、回転ノブ303のレバー軸として機能する。また、支持軸419の他方の端面には、ボルト477によって第2のカム部302が固定されている。そのため、支持軸419を中心に回転ノブ303を回動させると、第2のカム部302も支持軸419を中心に揺動する。また、回転ノブ303と第2のカム部302との間には、脚フレーム21のフレーム本体212に螺止され且つ固定されたガイドキャップ27が配置されている。そして、支持軸419及びボルト477は、ガイドキャップ27を貫通している。
【0065】
第2実施形態においても。第2のカム部302には、回転ノブ303の非動作時に、すなわち第2のカム部302が非移動位置にあるときに脚2(インナーエンド231)の支持面239と対向する対向部376が形成されている。さらに、第2のカム部302には、回転ノブ303の動作時に、すなわち第2のカム部302が移動位置にあるときにインナー脚23の支持面239に当接する当接部375が形成されている。なお、荷物掛部としての回転ノブ303と、第2のカム部302とは、それぞれ跳上げ式机の両側に設けられている。
【0066】
続いて、図9を参照して、第2のカム部302の動作について説明する。図9Aにおいては、回転ノブ303が非動作状態であり、第2のカム部302が非移動位置にある。また、図9Bにおいては、回転ノブ303が動作状態であり、第2のカム部302が非移動位置と移動位置の途中の位置にある。そして、図9Cにおいては、回転ノブ303が動作状態であり、第2のカム部302が移動位置にある。
【0067】
図9Aに示すように、回転ノブ303の非動作状態においては、第2のカム部302の対向部376とインナーエンド231の支持面239との間には矢印aで示す隙間が存在する。そのため、ベースフレーム213のベースキャップ24及びアジャスター25が、矢印bで示すように接地面3と当接している。そして、天板1は、脚フレーム21によって支持されている。さらに、インナー脚23のキャスター26も、接地面3と当接している。また、第1実施形態と同様に、支持軸419から第2のカム部302の当接部375までの距離は、支持軸419から第2のカム部302の対向部376までの距離よりも長い。
【0068】
跳上げ式机を移動させる場合、使用者は回転ノブ303を回動させる。すると、回転ノブ303は支持軸419を中心に回動する。そして、回転ノブ303の回動に従い第2のカム部302も揺動する。その結果、図9Bの矢印cで示すように、第2のカム部302の当接部375がインナー脚23の支持面239と当接する。なお、図9Bの矢印52は、図9Aに示すから図9Bに示す状態までにおける回転ノブ303の移動量を示している。
【0069】
回転ノブ303を回動させるにつれて、第2のカム部302の当接部375は支持面239上を上るように支持面239の上方へと移動する。換言すると、第2のカム部302の当接部375は、支持面239上に乗り上げ接地面3から離れる方向に向かって移動する。これにより、第2のカム部302の当接部375は、インナーエンド231のより先端と当接するようになる。その結果、回転ノブ303を回動させるにつれて、支持軸419から接地面3までの距離が長くなる。つまり、支持軸419が接地面3から離れる方向に移動する。
【0070】
この支持軸419は、第2のカム部302に接続されると共に、ガイドキャップ27を介して脚フレーム21のフレーム本体212に接続されている。そのため、支持軸419が接地面3から離れる方向に移動すると、脚フレーム21も接地面3から離れる方向に移動する。そして、脚フレーム21が接地面3から離れると、天板1は支持軸419及び第2のカム部302を介してインナー脚23に支持される。
【0071】
すなわち、回転ノブ303をある程度回動させると、図9Bの矢印dで示すように、アジャスター25及びベースキャップ24が接地面3から離れることになる。そのため、天板1は、接地面3に当接するキャスター26を介して、インナー脚23によって支持される。
【0072】
使用者が回転ノブ303をさらに回動させ、移動位置にまで第2のカム部302を揺動させると、当接部375と支持面239とが当接する位置は図9Cの矢印eで示すように支持面239のより上方へと移動する。そのため、支持軸419が接地面3からより離れる方向に移動し、脚フレーム21も接地面3からより離れる方向に移動する。その結果、矢印fで示すように、接地面3とアジャスター25及びベースキャップ24とのクリアランスは最大となる。なお、図9Cの矢印53は、図9Aに示すから図9Cに示す状態までにおける回転ノブ303の移動量を示している。
【0073】
このように、第2のカム部302が非移動位置にあるときに、支持面239は第2のカム部302の対向部376と対向する。また、第2のカム部302が移動位置にあるときに、支持面239は第2のカム部302の当接部375と当接する。そして、回転ノブ303を回動させて移動位置に第2のカム部302を揺動させても、天机1は使用位置にあるままである。ここで、天机1は、キャスター26を介してインナー脚23によって支持されている。そのため、天机1が使用位置にある状態で、跳上げ式机を移動させることができる。すなわち、天机1を跳ね上げずに跳上げ式机を移動させることができる。なお、跳上げ式机を移動した後は、回転ノブ303を非動作状態に戻すように逆方向へと回動させることにより、第2のカム部302が移動位置から非移動位置へと揺動する。これにより、再び天机1は脚フレーム21によって支持されることになる。
【0074】
このような第2実施形態によれば、天机1を跳ね上げない場合でも机を移動させることができ利便性に資する。また、第2のカム部302は、インナー脚23の上方且つ天板本体11の下方における空いているスペースに配置されている。そのため、第2のカム部302を設けるスペースを別途設ける必要が無いので、省スペースが実現できる。さらに、跳上げ機構の一部を構成するインナー脚23の支持面239を利用できるので、第2のカム部302及び回転ノブ303等を追加するのみで机の移動が可能となる。
【0075】
なお、第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、回転ノブ303にスプリングを取り付けることができる。すなわち、回転ノブ303が非動作状態となる方向に付勢するスプリングを取り付けることができる。この場合、回転ノブ303を作動させるときには、すなわち机を移動させるときには、使用者はスプリングの付勢力に抗して回転ノブ303を回動させる。一方、机を移動させた後は、使用者が回転ノブ303を離すと、スプリングの付勢力によって回転ノブ303が自動的に非動作位置まで回動する。また、第2実施形態においては、支持軸319及び支持軸419は、共通の1つの支持軸に代えることもできる。
【0076】
[変形形態]
第2実施形態においては、回転ノブ303及び第2のカム部302は、左右の脚フレーム21にそれぞれ独立して設けられている。そのため、机を移動させる場合には、左右の回転ノブ303をそれぞれ回動させる必要がある。これに対して、左右の回転ノブ303が連動する変形形態について、図10を参照して説明する。
【0077】
図10は、第2のカム部302が非移動位置にある状態における跳上げ式机の天板1及び脚2の接続部分を示している。なお、図10においては、第2実施形態との比較のため、連結軸400を点線で図示している。また、説明の便宜のため、跳上げ式机の中央部分の図示は省略されている。
【0078】
本変形形態においても、荷物掛部を兼用する回転ノブ303と第2のカム部302とは、跳上げ式机の両側に設けられている。一方、図10に示すように、本変形形態においては、左右の脚フレーム21に設けられた回転ノブ303が、連結軸400を介して連結されている。より具体的には、左右の回転ノブ303が固定されたそれぞれの支持軸419が、連結軸400を介して連結されている。また、左右の回転ノブ303には、それぞれ下方に延在する略円柱状のハンドル305が設けられている。これにより、ハンドル305を用いて使用者が左右の回転ノブ303の一方を回動させると、他方の回転ノブ303も連動して回動する。すなわち、跳上げ式机の両側に設けられた回転ノブ303は、連結軸400を介して連動している。
【0079】
このような変形形態によれば、いずれか一方の回転ノブ303を回動させるのみで、第2のカム部302を移動位置又は非移動位置へと揺動させることができる。そのため、いずれか一方の回転ノブ303を操作するのみで机を移動させることができ、利便性に資する。
【0080】
[第3実施形態]
以下、図11乃至図15を参照して第3実施形態について説明する。 なお、第3実施形態の説明においては、第1実施形態との相違点について説明し、第1実施形態で説明した構成要素については同じ参照番号を付し、その説明を省略する。特に説明した場合を除き、同じ参照符号を付した構成要素は略同一の動作及び機能を奏し、その作用効果も略同一である。
【0081】
第1実施形態と同様に、第2のカム部(移動用カム)600は、第1のカム作動具であるロックレバー14による動作とは別に動作する。一方、第1実施形態とは異なり、第3実施形態に係る跳上げ式机は、第2のカム作動具としての移動用レバー601の揺動を規制する規制部材として、天板本体11に対して固定された第1の棚パイプ602を備える。これにより、移動用レバー601は、跳上げ式机が移動可能となる動作位置から跳上げ式机が移動不能となる非動作位置へと、跳上げ式机の自重によって戻ることができる。また、跳上げ式机を収納する際に、移動用レバー601が非動作位置に残ることを防止できる。
【0082】
図11Aは、移動用レバー601の非動作状態における天板1及び脚2の接続部分を示しており、第2のカム部600が非移動位置にある。また、図11Bは、第2のカム部600を拡大して示している。図11Aにおいて、脚フレーム21のフレーム本体212には、貫材22が溶接された貫材フレーム219が接続されている。また、支持軸19は、天板アーム17の支持部171及び第1のカム部172の穴に挿入されている。これにより、天板1は、支持部171及び第1のカム部172を介してフレーム本体212を有する脚2に対して接続されている。
【0083】
第2のカム部600は、支持軸19を中心に揺動可能であり、支持軸19には、移動用レバー601が点線で示すボルト605によって固定されている。そして、支持軸19は、移動用レバー601用のレバー軸としても機能する。そのため、支持軸19を中心に移動用レバー601を揺動させると、第2のカム部600も支持軸19を中心に揺動する。これにより、第2のカム部600は、天板本体11が使用位置にある状態で、移動位置と非移動位置とに揺動することができる。また、第3実施形態に係る跳上げ式机は、カム作動具である移動用レバー601の揺動を規制する規制部材として、第1の棚パイプ602をさらに備える。この第1の棚パイプ602は、天板本体11に対して固定されており、天板本体11を収納位置に移動させるときに、移動用レバー601を揺動させる。
【0084】
図11Bに拡大して示すように、第2のカム部600には穴677が形成されており、ボルト177は当該穴677に挿入される。また、第2のカム部600には、移動用レバー601の非動作時に、すなわち第2のカム部600が非移動位置にあるときにインナー脚23の支持面239と対向する対向部676が形成されている。さらに、第2のカム部600には、移動用レバー601の動作時に、すなわち第2のカム部600が移動位置にあるときにインナー脚23の支持面239に当接する当接部675が形成されている。
【0085】
また、第1実施形態と比較して、第3実施形態の第2のカム部600の当接部675側の部分は細長くなっている。すなわち、第1実施形態と比較して、穴677に対して当接部675側にある部分は、幅が狭くなっており且つ長さも長くなっている。そのため、当接部675側の部分は、第1実施形形態よりも急峻に湾曲している。
【0086】
次に、移動用レバー601と、規制部材である第1の棚パイプ602について、図12乃至図14を参照して説明する。図12は、裏側から見た跳上げ式机の概略斜視図であり、天板本体11が収納位置にある状態、すなわち収納時の跳上げ式机を示している。また、図13は移動用レバー601を示しており、図13Aは下方から見た移動用レバー601を示し、図13Bは側方から見た移動用レバー601を示し、図13Cは後端側から見た移動用レバー601を示している。また、図14は、第1実施形態に係る跳上げ式机と、第3実施形態に係る跳上げ式机とを並べて示している。そして、図14Aが第1実施形態に係る跳上げ式机を示し、図14Bが第3実施形態に係る跳上げ式机示している。
【0087】
図12に示すように、第3実施形態の跳上げ式机は、荷物置きとして第1の棚パイプ602及び第2の棚パイプ603とを備える。この第1の棚パイプ602及び第2の棚パイプ603は、互いに並行して延在しており、天板アーム17を介して天板本体11に固定されている。また、跳上げ式机は、第2のカム部600を揺動させる移動用レバー601を備える。そして、第1の棚パイプ602は、天板本体11が使用位置にあるときに、移動用レバー601の下方に延在するように構成されている。一方、第2の棚パイプ603は、移動用レバー601の揺動を妨げないように、移動用レバー601の側方に延在している。
【0088】
また、第1の棚パイプ602は、第2の棚パイプ603よりも奥側、すなわち天板本体11の中央部により近い側に位置している。そして、後述するように、第1の棚パイプ602は、移動用レバー601の揺動範囲を規制し、天板本体11を収納位置に移動する際には、移動用レバー601をレバー収納位置へと揺動させる。また、ロックレバー14は、跳上げ式机の左右両側に設けられており、互いに連結軸640を介して連結されている。そのため、一方のロックレバー14を揺動させると、他方のロックレバー14も連動して揺動する。
【0089】
図13Aに示すように、移動用レバー601は、下方から見て略長方形状の形状を有する。また、図13Bに示すように、移動用レバー601は、支持軸19に固定される部分から先端部分606に向かって湾曲した形状を有する。そのため、天板本体11が使用位置にあるときに、先端部分606は支持軸19よりもより下方側の位置、すなわち接地面3により近い位置に位置する。また、図13Cに点線で示すように、移動用レバー601は、支持軸19が貫通する穴619を有し、当該穴619に挿入された支持軸19に対してボルト605によって固定される。
【0090】
図14に示すように、第3実施形態においては、移動用レバー601の揺動可能な範囲、すなわち点線で示す非動作位置から実線で示す動作位置までの揺動範囲が規制されている。そして、移動用レバー601が揺動可能な範囲は、第1実施形態よりも狭い。具体的には、図14Aに示すように、第1実施形態に係る跳上げ式机においては、移動用レバー301が例えば65°の角度の範囲で揺動可能である。一方、図14Bに示すように、第3実施形態に係る跳上げ式机においては、移動用レバー601の揺動が第1の棚パイプ602によって規制されている。そのため、移動用レバー601は例えば29.5°の角度の範囲で揺動可能である。これにより、移動用レバー601の揺動に伴って揺動する第2のカム部600の揺動範囲も制限されている。そのため、支持面239上における第2のカム部600の当接部675の移動距離が短くなっている。
【0091】
ただし、第3実施形態においても、移動用レバー601を動作位置まで揺動させると、ベースキャップ24とアジャスター25とは、第1実施形態と略同じ距離だけ接地面3から離間する。具体的には、第3実施形態の第2のカム部600においては、支持軸19へ接続するための穴677から当接部675迄の長さが、第1実施形態よりも長い。例えば、第1実施形態においては、穴377から当接部375までの長さが31.5mmであり、第3実施形態においては、穴677から当接部675までの長さが35mmである。そのため、移動用レバー601を動作位置へと揺動させると、脚2の下端となるベースキャップ24とアジャスター25は、接地面3から十分な距離だけ離間する。
【0092】
また、第3実施形態の移動用レバー601の長さは、第1実施形態よりも長くなっている。そして、移動用レバー601の先端部分606は、天板本体11の端部近傍に位置している。そのため、移動用レバー601を操作している状態でも、使用者の手が天板本体11の端部に届くようになる。これにより、使用者は、移動用レバー301を操作しながら天板本体11を押して移動させることができる。
【0093】
続いて、図15を参照して、第2のカム部600の動作について説明する。図15Aにおいては、移動用レバー601が非動作状態であり、第2のカム部600が非移動位置にある。また、図15Bにおいては、移動用レバー601が動作状態であり、第2のカム部600が移動位置にある。そして、図15Cは、天板本体11が収納位置にある状態、すなわち収納時の跳上げ式机を示している。
【0094】
図15Aに示すように、移動用レバー601の非動作状態においては、第2のカム部600が非移動位置にあり、第2のカム部600の対向部676とインナーエンド231の支持面239との間には矢印aで示す隙間が存在する。そのため、ベースフレーム213のベースキャップ24及びアジャスター25が、矢印bで示すように接地面3と当接している。そして、天板1は、脚フレーム21によって支持されている。ここで、支持軸19から第2のカム部600の当接部675までの距離は、支持軸19から第2のカム部600の対向部676までの距離よりも長い。
【0095】
跳上げ式机を移動させる場合、使用者は手で移動用レバー601を動作させ、天板本体11に向かって矢印54に示す方向に揺動させる。すると、移動用レバー601は支持軸19を中心に揺動する。そして、移動用レバー601の揺動に従い第2のカム部600も揺動する。その結果、移動用レバー601をある程度揺動させると、図15Bの矢印cで示すように、第2のカム部600の当接部675がインナー脚23の支持面239と当接する。そして、矢印dで示すように、アジャスター25及びベースキャップ24が接地面3から離れることになる。これにより、天板1は、接地面3に当接するキャスター26を介して、インナー脚23によって支持される。
【0096】
このように移動用レバー601を揺動させ、図15Bに示す移動位置にまで第2のカム部600を揺動させても、天机1は使用位置にあるままである。さらに、この状態の天机1は、キャスター26を介してインナー脚23によって支持されている。これにより、天机1が使用位置にある状態で、跳上げ式机を移動させることができる。すなわち、天机1を跳ね上げずに跳上げ式机を移動させることができる。
【0097】
第3実施形態では、図15Bに示すように、第2のカム部600の移動位置が、支持面239上において第1実施形態よりも下方に位置している。換言すれば、支持面239上において、当接部675が移動する距離が短い。これは、移動用レバー601の揺動が第1の棚パイプ602によって規制されているため、第2のカム部600の揺動可能範囲が制限されるからである。一方、第2のカム部600の当接部675側の部分の長さは、第1実施形態よりも長い。そのため、揺動可能範囲が制限されても、アジャスター25及びベースキャップ24が接地面3から離れるために十分な距離が確保されている。また、第2のカム部600は、当接部675における支持面239と当接する領域の面積が第1実施形態よりも小さくなるように設定されている。これは、第2のカム部600の当接部675側の部分の幅が狭くなっており且つより急峻に湾曲しているからである。
【0098】
そのため、跳上げ式机を移動した後は、使用者が移動用レバー601から手を離すと、跳上げ式机の自重によって移動用レバー601を非動作状態に戻すことができる。具体的には、跳上げ式机の自重によって、支持軸19に接地面3に向かう方向の力が加わるため、第2のカム部600にも支持軸19を介して力が加わる。これにより、第2のカム部600は、当接部675と支持面239との間の摩擦力に抗して、移動位置から非移動位置へと揺動する。その結果、移動用レバー601が、第2のカム部600の揺動に伴って揺動し、動作位置から非動作位置に戻ることになる。そして、天机1は、再び脚フレーム21によって支持されることになる。
【0099】
さらに、第1の棚パイプ602は、天板本体11を収納位置に移動させるときに、移動用レバー601と当接した状態で該移動用レバー601を揺動させる。すなわち、天板本体11を収納位置に移動させると、天板本体11の回動に伴って移動用レバー601も非動作位置から図15Cに示すレバー収納位置に揺動する。これにより、天板本体11が収納位置にあるときには、移動用レバー601がレバー収納位置に位置する。そして、レバー収納位置にある移動用レバー601は、天板本体11と略平行に延在している。これにより、移動用レバー601が非動作位置に残って接地面3に水平な方向へと突出することを防止できる。そのため、跳上げ式机を収納する際に、前後に並ぶ跳上げ式机同士を密接させて収納することができる。なお、移動用レバー601の揺動に伴い、第2のカム部600の当接部675は、非移動位置から移動位置を経て支持面239のより上方の位置へと移動する。
【0100】
このような第3実施形態によれば、天机1を跳ね上げない場合でも机を移動させることができ利便性に資する。また、第2のカム部600は、インナー脚23の上方且つ天板本体11の下方における空いているスペースに配置されている。そのため、第2のカム部600を設けるスペースを別途設ける必要が無いので、省スペースが実現できる。さらに、跳上げ機構の一部を構成するインナー脚23の支持面239を利用できるので、第2のカム部600及び移動用レバー601等を追加するのみで机の移動が可能となる。
【0101】
また、第3実施形態によれば、自重によって移動用レバー601を非動作位置へと戻すことができるので、そのために別の機構を設ける必要がない。さらに、移動用レバー601が非動作位置に残って接地面3に水平な方向へと突出することも防止できる。なお、移動用レバー301又は移動用レバー601の揺動可能な範囲は上記角度の範囲には制限されず、適宜変更可能である。また、天板本体11が使用位置にあるときに、第1の棚パイプ602を、移動用レバー601から離間した位置に配置することもできる。この場合であっても、天板本体11を収納位置に移動させるときに、第1の棚パイプ602によって移動用レバー601を揺動させることができる。
【0102】
以上、実施例を参照して本発明について説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではない。本発明に反しない範囲で変更された発明、及び本発明と均等な発明も本発明に含まれる。また、上述の各実施形態及び変形例は、本発明に反しない範囲で適宜組み合わせることができる。
【0103】
なお、上記実施例においては、第1のカム部172に代えて天板1を跳ね上げる動作に連動するリンク機構を設けることもできる。このようなリンク機構としては、例えば、フレーム本体212及び天板1に接続されたリンク機構が考えられる。この場合、使用者が天板1を跳ね上げると、天板1の回動に従い、リンク機構がフレーム本体212を引き上げる。これにより、脚フレーム21も接地面3から離れる方向に移動し、天板1はインナー脚23及びキャスター26に支持されることになる。
【符号の説明】
【0104】
1:天板、2:脚、3:接地面、11:天板本体、12:幕板、13:天板フレーム、14:ロックレバー、15:レバー軸、17:天板アーム、18:リンク、19:支持軸、21:脚フレーム、22:貫材、23:インナー脚、24:ベースキャップ、25:アジャスター、26:キャスター、27:ガイドキャップ、28:フック、40:係止突起、41:第1係止溝、42:第2係止溝、141:ロックプレート、171:支持部、172:第1のカム部、173:中央部、174:ストッパー、175:当接部、176:対向部、177:ボルト、212:フレーム本体、213:ベースフレーム、214:穴、215:内側プレート、219:貫材フレーム、231:インナーエンド、232:基部、233:インナー脚本体、234:インナーガイド、235:係合突起、236:係合穴、237:突部、238:段差部、239:支持面、271:ガイド部、300:第2のカム部、301:移動用レバー、302:第2のカム部、303:回転ノブ、304:突出部分、305:ハンドル、319:支持軸、344:スプリング、375:当接部、376:対向部、377:穴、400:連結軸、419:支持軸、477:ボルト、600:第2のカム部、601:移動用レバー、602:第1の棚パイプ、603:第2の棚パイプ、605:ボルト、606:先端部分、619:穴、640:連結軸、675:当接部、676:対向部、677:穴
図1
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