特許第5785203号(P5785203)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5785203ヒートシンクを含む冷却構造部を備えるサーボアンプ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5785203
(24)【登録日】2015年7月31日
(45)【発行日】2015年9月24日
(54)【発明の名称】ヒートシンクを含む冷却構造部を備えるサーボアンプ
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/20 20060101AFI20150907BHJP
【FI】
   H05K7/20 B
【請求項の数】8
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-35565(P2013-35565)
(22)【出願日】2013年2月26日
(65)【公開番号】特開2014-165360(P2014-165360A)
(43)【公開日】2014年9月8日
【審査請求日】2014年3月26日
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390008235
【氏名又は名称】ファナック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100159684
【弁理士】
【氏名又は名称】田原 正宏
(74)【代理人】
【識別番号】100112357
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 繁樹
(74)【代理人】
【識別番号】100157211
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 一夫
(72)【発明者】
【氏名】奥秋 兼一
【審査官】 中田 誠二郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−145637(JP,A)
【文献】 特開2009−164351(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体内に配置される発熱源と、
前記筐体内に配置されていて前記発熱源に熱的に接続されるヒートシンクを含む放熱構造部と、
を備えるサーボアンプであって、
前記発熱源はプリント基板に設けられており、前記プリント基板は、前記筐体の内表面に設けられた突起を介して前記筐体に取付けられており、
前記ヒートシンクは、前記発熱源に熱的に接続される前記ヒートシンクの第2の接続面以外の表面の少なくとも一部から延在する複数の放熱フィンを有しており、
前記ヒートシンクの、前記第2の接続面とは異なる第1の接続面と、前記筐体の内表面との間が熱的に接続されており、
前記複数の放熱フィンのうち、前記第1の接続面を有する放熱フィンの肉厚は、他の放熱フィンの肉厚よりも大きくなるようにした、サーボアンプ。
【請求項2】
前記筐体に熱的に接続される前記ヒートシンクの前記第1の接続面が、前記筐体の内表面に対向する前記放熱フィンの表面によって形成されるとともに、前記発熱源に熱的に接続される前記ヒートシンクの前記第2の接続面に対して垂直に延在する、請求項1に記載のサーボアンプ。
【請求項3】
前記ヒートシンクの前記第1の接続面と、前記筐体の前記内表面とが互いに平行に延在する、請求項2に記載のサーボアンプ。
【請求項4】
前記筐体に熱的に接続される前記ヒートシンクの前記第1の接続面が、前記筐体の内表面に対向する前記放熱フィンの表面によって形成されるとともに、前記発熱源に熱的に接続される前記ヒートシンクの前記第2の接続面に対して平行に延在する、請求項1に記載のサーボアンプ。
【請求項5】
前記ヒートシンクが、前記第1の接続面に対して垂直に延在する第3の接続面を有しており、
前記筐体が、前記ヒートシンクの前記第1の接続面及び前記第3の接続面のそれぞれに対して熱的に接続される、請求項4に記載のサーボアンプ。
【請求項6】
前記ヒートシンク及び前記筐体とは別個の伝熱部材が、前記ヒートシンクと前記筐体との間に介在する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のサーボアンプ。
【請求項7】
前記ヒートシンクと前記筐体とが互いに直接接続されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載のサーボアンプ。
【請求項8】
前記ヒートシンク及び前記筐体のうちの少なくとも一方が、前記ヒートシンク及び前記筐体の他方に向かって突出する突出部を有しており、該突出部を介して前記ヒートシンク及び前記筐体が熱的に接続される、請求項1〜7のいずれか1項に記載のサーボアンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒートシンクを含む冷却構造部を備えるサーボアンプに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なサーボアンプは、サーボアンプの筐体内に存在する発熱源を冷却するための冷却手段、例えばヒートシンク、ファンモータを備えている。そして、冷却作用を向上させるために、ヒートシンクの表面積又は体積を増大させること、ファンモータの回転数を増大させること、又は伝熱部材を使用して発熱源から離間した位置に設けられた冷却構造体に熱を移動させることが行われている。
【0003】
特許文献1には、発熱源と、電子機器を収容する金属製のキャビネットとの間に伝熱部材を介在させることによって、電子機器を冷却する冷却方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−111310号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ヒートシンクの表面積又は体積を増大させるためには、発熱源の周囲に十分なスペースがあることが要求される。しかしながら、サーボアンプの筐体内のスペースは予め制限されていることが多く、ヒートシンクの設計変更による放熱効果の改善は限定的である。ファンモータの回転数を増大して放熱効果を向上させる場合、回転数が大きくなるのに従ってファンモータの寿命が短くなる傾向がある。
また、特許文献1に開示されるように、伝熱部材を利用して発熱源から離間した冷却構造部に熱を移動させる技術を、発熱量が大きいパワー半導体を含むサーボアンプ等に適用した場合、発熱源とキャビネットとの間の距離が比較的大きいので、十分な冷却効果が得られないことがある。その場合、伝熱部材をヒートパイプ等の高価な冷却手段によって形成する必要があり、サーボアンプのコスト増大につながる。
したがって、安価でありながら効率的な放熱作用を有する冷却構造部を備えるサーボアンプが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る1番目の発明によれば、筐体と、前記筐体内に配置される発熱源と、前記筐体内に配置されていて前記発熱源に熱的に接続されるヒートシンクを含む放熱構造部と、を備えるサーボアンプであって、前記発熱源はプリント基板に設けられており、前記プリント基板は、前記筐体の内表面に設けられた突起を介して前記筐体に取付けられており、前記ヒートシンクは、前記発熱源に熱的に接続される前記ヒートシンクの第2の接続面以外の表面の少なくとも一部から延在する複数の放熱フィンを有しており、前記ヒートシンクの、前記第2の接続面とは異なる第1の接続面と、前記筐体の内表面との間が熱的に接続されており、前記複数の放熱フィンのうち、前記第1の接続面を有する放熱フィンの肉厚は、他の放熱フィンの肉厚よりも大きくなるようにした、サーボアンプが提供される。
本願に係る2番目の発明によれば、1番目の発明のサーボアンプにおいて、前記筐体に熱的に接続される前記ヒートシンクの前記第1の接続面が、前記筐体の内表面に対向する前記放熱フィンの表面によって形成されるとともに、前記発熱源に熱的に接続される前記ヒートシンクの前記第2の接続面に対して垂直に延在する。
本願に係る3番目の発明によれば、2番目の発明のサーボアンプにおいて、前記ヒートシンクの前記第1の接続面と、前記筐体の前記内表面とが互いに平行に延在する。
本願に係る4番目の発明によれば、1番目の発明のサーボアンプにおいて、前記筐体に熱的に接続される前記ヒートシンクの前記第1の接続面が、前記筐体の内表面に対向する前記放熱フィンの表面によって形成されるとともに、前記発熱源に熱的に接続される前記ヒートシンクの前記第2の接続面に対して平行に延在する。
本願に係る5番目の発明によれば、4番目の発明のサーボアンプにおいて、前記ヒートシンクが、前記第1の接続面に対して垂直に延在する第3の接続面を有しており、前記筐体が、前記ヒートシンクの前記第1の接続面及び前記第3の接続面のそれぞれに対して熱的に接続される。
本願に係る6番目の発明によれば、1番目から5番目のいずれかの発明のサーボアンプにおいて、前記ヒートシンク及び前記筐体とは別個の伝熱部材が、前記ヒートシンクと前記筐体との間に介在する。
本願に係る7番目の発明によれば、1番目から5番目のいずれかの発明のサーボアンプにおいて、前記ヒートシンクと前記筐体とが互いに直接接続される。
本願に係る8番目の発明によれば、1番目から7番目のいずれかの発明のサーボアンプにおいて、前記ヒートシンク及び前記筐体のうちの少なくとも一方が、前記ヒートシンク及び前記筐体の他方に向かって突出する突出部を有しており、該突出部を介して前記ヒートシンク及び前記筐体が熱的に接続される。
【発明の効果】
【0007】
上記構成を採用するサーボアンプによれば、発熱源から発生される熱が、発熱源の近傍に設けられるフィンを備えるヒートシンクによって散逸されるとともに、ヒートシンクを介してサーボアンプの筐体に伝達され、該筐体の表面からも散逸されるようになる。それにより、安価で効率的な放熱作用を有する冷却構造部を備えるサーボアンプが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係るサーボアンプの基本構成を示す斜視図である。
図2A】本発明の第1の実施形態に係るサーボアンプを示す斜視図である。
図2B図2Aに示されるサーボアンプを示す正面図である。
図2C図2Aに示されるサーボアンプを示す断面図である。
図3A】本発明の第2の実施形態に係るサーボアンプを示す斜視図である。
図3B図3Aに示されるサーボアンプを示す正面図である。
図3C図3Aに示されるサーボアンプを示す断面図である。
図4】本発明の第3の実施形態に係るサーボアンプを示す断面図である。
図5A】本発明の第4の実施形態に係るサーボアンプを示す斜視図である。
図5B図5Aに示されるサーボアンプを示す正面図である。
図5C図5Aに示されるサーボアンプを示す断面図である。
図6A】本発明の第5の実施形態に係るサーボアンプを示す斜視図である。
図6B図6Aに示されるサーボアンプを示す正面図である。
図6C図6Aに示されるサーボアンプを示す底面図である。
図7A】本発明に係るサーボアンプを実装した強電盤を示す斜視図である。
図7B図7Aに示される強電盤を示す側面図である。
図8】本発明に係るサーボアンプの変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図示される実施形態の構成要素は、本発明の理解を助けるためにそれらの縮尺が実用的な形態から適宜変更されている。
【0010】
図1は、本発明に係るサーボアンプ10の基本構成を示す斜視図である。サーボアンプ10は、第1の筐体部品12及び第2の筐体部品14から形成される筐体と、該筐体内に収容される図示されない発熱源、例えばパワー半導体と、を備えている。第1の筐体部品12は中空の直方体形状を有しており、第2の筐体部品14に対向する表面において開口している。第2の筐体部品14は板状部材であり、第1の筐体部品12の開口部を被覆するように第1の筐体部品12に取付けられる。第2の筐体部品14は、第1の筐体部品12の開口部よりも大きく形成されていて、サーボアンプ10を支持構造体(図示せず)に取付ける際にねじ留め用の取付面としても利用される。しかしながら、筐体の形状及び構造は本明細書に開示される具体例に限定されない。例えばサーボアンプの筐体が第1の筐体部品12及び第2の筐体部品14から形成される実施形態を例として以下に説明するものの、一体的に形成される筐体を使用してもよい。
【0011】
サーボアンプ10は、発熱源から発生される熱を散逸させる放熱機構部を有している。放熱機構部は、ヒートシンク20と、ヒートシンク20と第2の筐体部品14との間に介在する伝熱手段16と、を備えている。図1では省略されているものの、ヒートシンク20は、発熱源に接続される接続面以外の表面の少なくとも一部から延在する放熱フィンをさらに有している。サーボアンプ10の放熱機構部によれば、発熱源から発生される熱は、ヒートシンク20によって散逸されるとともに、ヒートシンク20及び伝熱手段16を介してサーボアンプ10の筐体(第2の筐体部品14)に伝達される。それにより、発熱源近傍においてはヒートシンク20による冷却作用が得られると同時に、発熱源から離間した位置にある筐体による冷却作用が得られるようになっている。
【0012】
図2Aは、本発明の第1の実施形態に係るサーボアンプ10を示す斜視図である。図2Bは、図2Aに示されるサーボアンプ10を示す正面図である。図2Cは、図2Aに示されるサーボアンプ10を示す断面図である。図2A図2B及び図2Cにおいては、第1の筐体部品12の一部が切除されており、サーボアンプ10の内部構成を視認できるようになっている。
【0013】
第1の筐体部品12の内表面にはプリント基板18が取付けられている。筐体には、プリント基板18を取付けるための突起22が設けられている。また、プリント基板18には、パワー半導体24が実装されている(図2C)。
【0014】
図1に関連して述べたように、ヒートシンク20は複数の冷却フィン26を有している。冷却フィン26は、図2Cに示されるように、パワー半導体24に接続されるヒートシンク20の接続面20aに対して垂直に延在している。これら冷却フィン26のうち、図2Cの最も右側、すなわち第2の筐体部品14に対向するように設けられる冷却フィン26aの側面には、伝熱部材30が接続されている。ヒートシンク20は、熱伝導率の高い材料、例えばアルミニウム、銅又はそれらの合金から形成され得る。なお、第2の筐体部品14に対向して設けられる冷却フィン26aは、他の冷却フィン26よりも大きい肉厚を有していてもよい。この場合、パワー半導体24からヒートシンク20を通って第2の筐体部品14に伝達され得る熱量が増大するので、サーボアンプ10の筐体による放熱作用が向上する。
【0015】
パワー半導体24からの伝熱経路として作用するヒートシンク20の接続面20aは、サーボアンプ10の筐体の幅狭の表面に対して垂直に形成されるのが好ましい。図示された実施形態の場合、ヒートシンク20の接続面20aは、第2の筐体部品14の壁面14aに対して垂直に形成されている。換言すると、接続面20aは、第1の筐体部品12の表面に対して平行に延在している。このようにすれば、ヒートシンク20の表面からの十分な放熱作用が得られるように、ヒートシンク20の接続面20aの寸法及び冷却フィン26の厚みを適切に決定できる。他方、接続面20aが筐体の幅狭の表面(すなわち第2の筐体部品14の壁面14a)に対して平行に配置される場合、ヒートシンク20とパワー半導体24との間の接触面積が小さくなるので、フィンの長さを延長するなどの処置が必要になる。そして、フィンの長さは、適切な長さを超えると先端まで熱が伝達されないことがあり、その場合、放熱効率が低下する。
【0016】
伝熱部材30は、冷却フィン26aと第2の筐体部品14との間に設けられている。それにより、伝熱部材30を介して、ヒートシンク20と第2の筐体部品14とは互いに熱的に接続されている。伝熱部材30は、熱伝導率の高い材料、例えばアルミニウム、銅又はそれらの合金から形成され得る。伝熱部材30と、ヒートシンク20及び第2の筐体部品14とは、任意の公知の手段、例えばねじ留めによって接続され得る。各部品間に隙間が形成されないように、伝熱性グリース等を部品間に付与してもよい。
【0017】
前述したような構成を有するサーボアンプによれば、発熱源近傍に設けられるヒートシンクの表面からの第1の放熱作用が得られるとともに、ヒートシンク及び伝熱部材を介して筐体に熱が伝達し、筐体表面からの第2の放熱作用が得られる。したがって、サーボアンプの筐体内のスペースが制限される場合であっても、信頼性が高い効率的な放熱効果が得られる。また、ヒートパイプ等の高価な冷却手段を必要としないので、安価なサーボアンプが提供される。
【0018】
特に第1の実施形態においては、プリント基板の配置及び発熱源の配置に制限があるなどの要因により、ヒートシンクを筐体の壁面近傍に設置できない場合であっても、ヒートシンク及び筐体とは別個の伝熱部材を介して、ヒートシンクと筐体との間において熱が伝達される。このような別個の伝熱部材は、周囲の部品に合わせて形状を変更するのが容易であり、安価に製造され得る。また、ヒートシンク及び筐体にそれぞれ接続する工程が容易になるように伝熱部材の形状を容易に変更することができる。
【0019】
続いて、前述した実施形態とは異なる本発明の他の実施形態について説明する。以下の説明において、既に述べた内容と重複する事項については説明を適宜省略する。また、同一又は対応する構成要素には同一の参照符号が使用される。
【0020】
図3Aは、本発明の第2の実施形態に係るサーボアンプ50を示す斜視図である。図3Bは、図3Aに示されるサーボアンプ50を示す正面図である。図3Cは、図3Aに示されるサーボアンプ50を示す断面図である。本実施形態においては、サーボアンプ50のヒートシンク20は、第2の筐体部品14の壁面14aに直接接続されている。したがって、第2の筐体部品14に対向するように延在する冷却フィン26aの側面が、ヒートシンク20の第2の筐体部品14との接続面20bとして作用する。このような構成によれば、第1の実施形態における別個の伝熱部材を省略できるので、伝熱部材を組付けるのに必要な工程が省略され、製造コストを削減できる。
【0021】
図4は、本発明の第3の実施形態に係るサーボアンプ60を示す断面図である。本実施形態のサーボアンプ60の斜視図及び正面図は、それぞれ図2A及び図2Bと同様であるので省略する。本実施形態においては、第2の筐体部品14の壁面14aからヒートシンク20に向かって突出する突出部62が形成されている。そして、この突出部62とヒートシンク20の接続面20bとが互いに接続されている。ヒートシンク20と突出部62との間の接続は、例えばねじ留めによって行われる。このような構成によれば、第1の実施形態における伝熱部材などの追加の部材を使用しなくても、パワー半導体24から発生される熱を、ヒートシンク20を通って第2の筐体部品14まで伝達できる。したがって、伝熱部材を組付ける工程が不要になり、製造コストが削減される。
【0022】
図5Aは、本発明の第4の実施形態に係るサーボアンプ70を示す斜視図である。図5Bは、図5Aに示されるサーボアンプ70を示す正面図である。図5Cは、図5Aに示されるサーボアンプ70を示す断面図である。本実施形態においては、ヒートシンク20が、第2の筐体部品14に対向する冷却フィン26aの側面の一部から第2の筐体部品14に向かって突出する突出部72を有している。そして、突出部72の、第2の筐体部品14に対向する面が、ヒートシンク20と第2の筐体部品14とを接続する接続面20bとして作用する。このような構成によっても、第1の実施形態における伝熱部材が必要ないので、組立工程が簡略化され、製造コストが削減される。
【0023】
図6Aは、本発明の第5の実施形態に係るサーボアンプ80を示す斜視図である。図6Bは、図6Aに示されるサーボアンプ80を示す正面図である。図6Cは、図6Aに示されるサーボアンプ80を示す底面図である。本実施形態においては、ヒートシンク20と、第2の筐体部品14とが、ヒートパイプ82によって熱的に接続されている。より詳細には第2の筐体部品14の壁面14aには、受熱ブロック84を介してヒートパイプ82が取付けられていて、それにより、パワー半導体24から発生される熱が、ヒートパイプ82を通って第2の筐体部品14まで伝達されるようになっている。
【0024】
このように、筐体による放熱効果を向上させる必要がある場合、ヒートシンクと筐体とを熱的に接続する伝熱部材としてヒートパイプを使用してもよい。また、ヒートパイプの代わりに銅よりも熱伝導率の高い炭素繊維製の伝熱部材を使用してもよい。
【0025】
図7Aは、本発明に係るサーボアンプ10を実装した強電盤100を示す斜視図である。図7Bは、図7Aに示される強電盤100を示す側面図である。図7Aにおいて破線で示されるサーボアンプ10は、強電盤100の筐体102内に収容されている。サーボアンプ10の第2の筐体部品14は、強電盤100の筐体102の内壁面にねじ留めされている。このような構成によれば、発熱源から発生される熱は、ヒートシンク20、伝熱手段16及び第2の筐体部品14を介して、強電盤100の筐体102に伝達される。それにより、強電盤100の筐体102の表面からも熱が散逸されるようになる。
【0026】
図4及び図5A図5Cに関連して第2の筐体部品及びヒートシンクの一方から他方に向かって突出する突出部を形成する例を説明したが、これら第2の筐体部品及びヒートシンクの両方が他方に向かって突出する突出部を有するようにしてもよい。図8は、この変形例に係るサーボアンプ90を示す断面図である。この場合、第2の筐体部品14から突出する突出部62’と、ヒートシンク20から突出する突出部72’とが、ねじ92等の任意の公知の固定手段を介して互いに接続されている。それにより、ヒートシンク20と第2の筐体部品14とが熱的に接続されるようになっている。具体的には、ヒートシンク20の突出部72’は、パワー半導体24との接続面20aに対して平行に延在する第1の表面94において、第2の筐体部品14の突出部62’の第2の表面96に対して接続される。さらに、ヒートシンク20の突出部72’は、第1の表面94に対して垂直に延在する第3の表面95において、第2の筐体部品14の突出部62’の第4の表面98に対して接続されている。このような構成によれば、ヒートシンク20から第2の筐体部品14に伝達される熱は、第1の表面94と第2の表面96との間の第1の経路と、第3の表面95と第4の表面98との間の第2の経路と、の両方を通ることになり、伝熱作用を向上させられる。なお、第3の表面95と第4の表面98との間に間隙が形成されていて、第2の経路が形成されないようにしてもよい。さらに、代替的な変形例において、前述した2つの突出部62’,72’の間に別個の伝熱部材を介在させてもよい。
【0027】
このように、本発明によれば、発熱源近傍のスペースにヒートシンクを設けることによって、ヒートシンク表面からの第1の放熱作用が得られるとともに、ヒートシンクと筐体とを熱的に接続することによって、サーボアンプの筐体の表面からの第2の放熱作用が得られる。さらに、必要に応じてサーボアンプを支持する支持構造体、例えば前述した強電盤の筐体表面からの第3の放熱作用が得られる。したがって、筐体内のスペースが限られていても信頼性が高く効率の高い放熱作用が得られる。また、ヒートパイプ等の高価な冷却手段を省略できるようになるので、コストを削減できる。
【0028】
本発明においてはファンモータを使用する必要はないものの、仮にファンモータを使用する場合であっても、ファンモータの回転数を低く抑えられる利点がある。したがって、回転数の増大に起因してファンモータの寿命が短くなるのを防止でき、信頼性が向上する。また、発熱源から離間した位置に冷却構造体を設ける必要がなくなるので、サーボアンプを小型化できる。仮に冷却構造体を別個設ける場合であっても、安価な伝熱部材を使用できるので、コストが削減される。
【0029】
以上、本発明の種々の実施形態及び変形例を説明したが、他の実施形態及び変形例によっても本発明の意図される作用効果を奏することができることは当業者に自明である。特に、本発明の範囲を逸脱することなく前述した実施形態及び変形例の構成要素を削除ないし置換することが可能であるし、公知の手段をさらに付加することが可能である。また、本明細書において明示的又は暗示的に開示される複数の実施形態の特徴を任意に組合せることによっても本発明を実施できることは当業者に自明である。
【符号の説明】
【0030】
10 サーボアンプ
12 第1の筐体部品
14 第2の筐体部品
16 伝熱手段
18 プリント基板
20 ヒートシンク
20a (パワー半導体側)接続面
20b (筐体側)接続面
24 パワー半導体
26 冷却フィン
30 伝熱部材
50 サーボアンプ
60 サーボアンプ
62 突出部
62’ 突出部
70 サーボアンプ
72 突出部
72’ 突出部
80 サーボアンプ
82 ヒートパイプ
90 サーボアンプ
100 強電盤
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図8