特許第5785232号(P5785232)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5785232ディジタル・テレビジョン信号のリアルタイムの信号強度の測定および表示
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5785232
(24)【登録日】2015年7月31日
(45)【発行日】2015年9月24日
(54)【発明の名称】ディジタル・テレビジョン信号のリアルタイムの信号強度の測定および表示
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/485 20110101AFI20150907BHJP
   H04N 21/426 20110101ALI20150907BHJP
   H04N 21/431 20110101ALI20150907BHJP
【FI】
   H04N21/485
   H04N21/426
   H04N21/431
【請求項の数】5
【外国語出願】
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-182246(P2013-182246)
(22)【出願日】2013年9月3日
(62)【分割の表示】特願2011-264380(P2011-264380)の分割
【原出願日】2000年6月8日
(65)【公開番号】特開2013-240118(P2013-240118A)
(43)【公開日】2013年11月28日
【審査請求日】2013年9月3日
(31)【優先権主張番号】60/139,467
(32)【優先日】1999年6月16日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】60/143,341
(32)【優先日】1999年7月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】501263810
【氏名又は名称】トムソン ライセンシング
【氏名又は名称原語表記】Thomson Licensing
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】クロプフエンスタイン,スコツト エドワード
(72)【発明者】
【氏名】デインウイデイー,アーロン ハル
(72)【発明者】
【氏名】シユナイデウエンド,ダニエル リチヤード
【審査官】 矢野 光治
(56)【参考文献】
【文献】 実開平03−105042(JP,U)
【文献】 特開昭63−179670(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00−21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビデオ処理装置であって:
オーディオ情報成分およびビデオ情報成分を有する複数の信号を受信し、受信された前記複数の信号から信号を選択する手段と、
当該ビデオ処理装置に結合された表示装置上に選択された信号のビデオ情報成分を表示する手段と、
前記の受信された前記複数の信号のそれぞれの信号強度を判別する手段と、
前記選択された信号のオーディオおよびビデオがアクティブである間、受信された前記複数の信号のうち前記選択された信号の信号強度を表示する手段と、
を有するビデオ処理装置。
【請求項2】
信号強度を表示する前記手段が、前記選択された信号のオーディオおよびビデオがアクティブである間、受信された前記複数の信号の信号強度をグリッド・フォーマットにおいて表示する手段を含む、請求項1記載のビデオ処理装置。
【請求項3】
信号強度を表示する前記手段が、受信された前記複数の信号のそれぞれがディジタルであるかアナログであるかを表示する手段を含む、請求項1記載のビデオ処理装置。
【請求項4】
前記選択された信号の信号強度をリアルタイムで更新する手段を更に有する、請求項2記載のビデオ処理装置。
【請求項5】
信号強度が所定の閾値レベルを超えるとき、受信された信号に対応するチャンネル番号をメモリ内に記憶する手段を更に有する、請求項1記載のビデオ処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
この出願は、1999年6月16日に出願され、出願番号が60/139467である同時係属中の仮特許出願と、1999年7月12日に出願され、出願番号が60/143341である同時係属中の仮特許出願とに基づく非仮特許出願である。
【0002】
(発明の背景)
1.産業上の利用分野
この発明は、ディジタル・テレビジョン信号に関し、より詳しくは、オフエア(off−air)ディジタル・テレビジョン信号の受信および測定に関する。
【背景技術】
【0003】
2.関連技術の説明
高精細度テレビジョン(HDTV)装置、および、その他のディジタルのセット・トップ・ボックスは、ディジタル信号、例えば、地上波テレビジョン信号を受信できなければならない。地上波ディジタル・テレビジョン信号は、典型的には他の供給源からのディジタル・テレビジョン信号に加えて、テレビジョン装置によって受信される。上記他の供給源、例えば、ケーブル放送や衛星放送(即ち、DBS:Direct Broadcast Satellite)が提供するテレビジョン信号の標準信号強度は、一般に、テレビジョン受像機がその入来ディジタル・テレビジョン信号を処理して使用するのに十分な信号強度である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
アナログおよびディジタルのオフエア・テレビジョン信号の場合、アンテナをテレビジョン装置に接続する必要がある。仮に幾つかのディジタル・チャンネルが利用可能である場合、ユーザは、全ての利用可能チャンネルから可能な限り最良の受信を得るために、アンテナを手動で調節しなければならないことがある。様々なアンテナ入力について現在利用可能なチャンネルの全ての個別サンプル或いは「スナップショット」を得るチャンネル・サーチのルーチンを行うことが知られている。このチャンネル・サーチのルーチンは、サーチ中に検出したチャンネルをメモリ(例えば、EEPROM)に記憶し、前に記憶されて現在利用できないチャンネルは全て削除する。装置の電源投入時、EEPROM内のチャンネルがチャンネル・リストになる。仮にユーザがアンテナを調節或いは移動しようとする場合、幾つかのディジタル信号(チャンネル)の信号強度が低すぎてチューニング(或いは、受信)できなくなることがある。従って、電源投入時、或いは、ユーザがチャンネル・サーチを実行する場合、様々なチャンネルが削除される可能性がある。更に、ユーザが別の放送領域(オフエア、ケーブル、或いは、衛星放送)に移る場合を考慮して、弱いチャンネルが取り除かれる。
【0005】
幾つかのディジタル・テレビジョン信号がユーザに利用可能だが、実際に利用できるのは様々なチャンネルについて可能な限り最良の受信を達成するためにアンテナを手動で調節したときのみという場合がある。最良のアンテナ配置を効率的に達成するためには、ユーザは、様々なディジタル・テレビジョン・チャンネルの信号強度を知る必要がある。また、回転子(ロータ)および制御電子機器を使用して、各ディジタル・テレビジョン・チャンネルの信号強度が判っていれば、各ディジタル・テレビジョン・チャンネルに対するアンテナの最良の位置を決定し、記憶し、利用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
現在、ディジタル衛星放送(Digital Broadcast Satellite:DBS)製品ににおいてディッシュ方向画面(dish pointing screen)(画面上表示、即ち、On‐Screen Display:OSD)が使用されている。このディッシュ方向画面はディッシュの向きを示すものであるが、オーディオ/ビデオ信号の表示および/または再生や、オフエア・ディジタル・テレビジョン・チャンネルの信号強度の表示と同時に行われるものではない。本発明の1つの側面によれば、現在チューニングされているチャンネルが背景に表示されることができ、そのエントリ項目が強調表示される。もし有効なチャンネルが表示されない場合、リスト中の最初のチャンネルが強調表示される。
【0007】
本発明の別の側面によれば、オフエア・ディジタル・テレビジョン信号のリアルタイムの信号強度を表示する方法および装置が提供される。好ましくはグラフィカル・ユーザ・インタフェースを利用したアンテナ情報プログラム/ルーチンが、任意のアンテナ入力について、受信チャンネルのリストを集積〔コンパイル〕し、受信ディジタル・チャンネルの全て或いは任意のものに関する信号強度をリアルタイムで表示し、任意の特定チャンネルのオーディオおよびビデオを再生するよう適応される。信号強度がリアルタイムで表示されている間もオーディオおよびビデオは進行している(即ち、アクティブ(active)である)ため、ユーザは、オーディオおよびビデオの品質の許容可能なレベルを与える最低信号強度、即ち、カットオフ閾値を見つけることができる。このカットオフ閾値を見つけることは、ディジタル放送が異なる方向から到来し、地上波アンテナを両方の方向に向けることができない場合に特に有用である。
【0008】
この発明の更に別の特徴に従えば、ユーザは、アンテナ情報ルーチンがアクティブな間に、別のアンテナ入力に切り替えることができる。これを行うことによって、その新しいアンテナ入力で利用可能なチャンネルを表すよう、チャンネル・リストを新たにすることができる。ある期間に亘るチャンネル・サーチによって得られたチャンネル全ては、アンテナ情報ルーチンに使用されるアンテナ情報リストに保持される。従って、アンテナ情報は、チャンネル・サーチによってチャンネル・リストに加えられたことがあるあらゆるチャンネルのリストに成り得る。チャンネル・リスト中のあらゆるチャンネルについて、アンテナ情報ルーチンは、チューナ(或いはセレクタ)に、様々なチャンネル周波数の信号に接続させようとする。チューナが使用可能なテレビジョン信号をうまく受信できた場合、そのチャンネルはチャンネル・リストに保持される。そのテレビジョン信号がディジタルであれば、その信号の強度が少なくとも測定され、可能性としては表示される。
【0009】
アンテナ情報の値は、アンテナの位置を変えながらディジタル・チャンネルの信号強度をチェックするためのものである。アンテナ情報は、通常、両方のアンテナを同時に含むのではなく、現在のアンテナのみを含む。
【0010】
本発明のある側面によれば、ユーザは、現在チャンネル・リスト中に在るチャンネルのリストをスクロール(scroll)していくことができる。何らかの具体的なチャンネルが選択されると、チューナはそのチャンネルに対するオーディオおよびビデオを再生し、一方、リアルタイムの信号強度が画面上で更新される(ディジタル・チャンネルのみ)。現在利用可能なチャンネルのリストには、アナログとディジタルの両方のチャンネルが含まれる。これは、アナログとディジタルの両方のチャンネルに対するアンテナ調節の効果を容易に見て取ることができる統合チャンネル画面をユーザに提供するためである。
個々の図面を通じて、対応する参照番号および参照符号は対応する部分を表す。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】ディジタル・テレビジョン信号を受信し利用するように構成されたマルチメディア・システムを示す図である。
図2】本発明のある側面に基づく、チャンネル・サーチの期間中に呼び出されるサーチ・ルーチンのプログラム・フローチャートを示す図である。
図3】本発明のある側面に基づく、個別数字の入力の結果として、チャンネルをチャンネル・リストとアンテナ情報リストとに加えるサーチ・ルーチンのプログラム・フローチャートを示す図である。
図4】本発明のある側面に基づく、電源投入ルーチンのプログラム・フローチャートを示す図である。
図5】本発明のある側面に基づく、アンテナ情報サーチの期間中に呼び出されるサーチ・ルーチンのプログラム・フローチャートを示す図である。
図6】本発明のある側面に基づく、特にアンテナ情報の結果を示す、表示装置上に表示可能なプログラム画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1には、マルチメディア・システム10の概略化した機能ブロック図が示されている。マルチメディア・システム10には、例えば、TV(或いはモニタ)12と、衛星放送および/またはセット・トップ・ボックス受信機14とが設けられている。この衛星放送および/またはセット・トップ・ボックス受信機14は、当業者に既知のように、通信線16を介してTV12と通信を行う。衛星放送(Direct Broadcast Satellite:DBS)受信機14は、当業者に既知のように、通信線20を介してディッシュ(パラボラ・アンテナ)18と通信を行う。ディッシュ18は、ディジタル・マルチメディア信号および/またはデータ信号、例えば、テレビジョン信号、ミュージック信号、および/または、インターネット信号(以下これらの信号を集合的に「テレビジョン信号」という)を受信する。これらのテレビジョン信号は、フィードホーン/LNA(Low Noise Amplifier:ロー・ノイズ増幅器)ユニット22にフォーカスされて受信される。フィードホーン/LNAユニット22は、典型的には、受信したテレビジョン信号を僅かに増幅して、増幅されたテレビジョン信号を処理のために衛星放送受信機14に送る。また、衛星放送ユニット14は、ケーブル入力線24を介してCATV或いはケーブル・システム(図示せず)に結合されている。TV12は、例えば、通信線28を介してアンテナ或いは空中線26に結合されている。アンテナ26は、オフエア放送の、即ち、非衛星放送のディジタル或いはアナログのテレビジョン信号を受信するように設計されている。従って、一般に、アンテナ26は、手動か自動で調節できるようになっている。オフエア・テレビジョン信号は、チューナ30に入力される。チューナ30は、当業者に既知のように、様々なチャンネルを弁別、即ち、チューニングして、データ信号があればそれを受信する。
【0013】
チューナ30はマイクロコントローラ・ユニット(μC)32と通信し、アンテナ26により受信されたディジタル・テレビジョン信号は、当業者に既知のように、マイクロコントローラ・ユニット32によって受信され、処理される。マイクロコントローラ・ユニット32は、その他の既知の機能に加えて、本発明の様々な側面に従って、様々なソフトウェア・プログラム/ルーチンを制御および/または実行し、且つ、様々な構成要素と通信を行う。マイクロコントローラ・ユニット32は、付加メモリ34(例えば、EEPROM、RAM、ROM)およびディスプレイ36と通信を行う。また、TV12には、左右のスピーカ38aおよび38bが設けられ、それぞれ、オーディオ通信線40aおよび40bを介してマイクロコントローラ・ユニット32に結合されて、ユーザにオーディオ出力を提供してもよい。
【0014】
更に、マイクロコントローラ・ユニット32には、OSD情報/データを生成し、処理し、ディスプレイ36に表示する機能が含まれている。このOSD情報/データは、受信テレビジョン信号の一部であってもよいし、内部で生成するものであってもよい。このようなOSD情報には、例えば、チャンネル番号、時間、信号強度、画面上電子番組ガイド(Electronic Program Guide:EPG)、インターネット・データ、ポップアップ・ウィンドウ(Pop‐up Window)、画面上電子プログラミング・メニュー等が含まれている。また、マイクロコントローラ・ユニット32は、当業者に既知のような、そして更に、本稿に開示するような、入来ディジタル信号の処理および/または利用に必要な様々なソフトウェアをも実行する。
【0015】
マイクロコントローラ・ユニット32は、それ自体で、或いは、チューナ30およびメモリ34と共に、本発明を実施できるモジュールを形成している。このモジュールは、完全に独立したもの(個別モジュール)であってもよいし、様々な構成要素の既存の構成を組み込んだもの(バーチャル・モジュール)であってもよい。このようにして、このモジュールは、TV12、衛星放送/セット・トップ受信機14、或いは、ディジタル・テレビジョン信号の受信および/または利用が可能なその他の任意のディジタル・コンポーネントに組み込むことができる。
【0016】
図6には、プログラム画面44を表示するディスプレイ36が示されている。プログラム画面44は、本発明を組み込むことが可能な典型的なプログラミング/メニュー/情報(「プログラム」)画面を表す代表例としての画面である。プログラム画面44には、ユーザが選択でき、また、ユニットが実行できる複数のメニュー項目/プログラム/機能50が含まれている。本発明の一つの側面によれば、そのようなメニュー項目50の一つに、「アンテナ情報」52がある。
【0017】
「アンテナ情報」52は、主画面または補助画面から或いはリモートコントロール〔リモコン〕の個別ボタンを介して、「アンテナ情報」のプログラム、機能、或いは、ルーチンを呼び出すためのメニュー選択項目である。ボタン或いはメニュー選択の何れかで「アンテナ情報」が選択されると、状況依存テキスト・ヘルプ(Context Sensitive Textual Help)がプログラム画面44の一部に表示されて、ユーザを補助するようにしてもよい。
【0018】
「アンテナ情報」の処理によって、受信ディジタル信号(例えば、地上波テレビジョン信号或いは衛星テレビジョン信号)のリアルタイムの信号強度が得られ、また、ユーザが最小信号強度閾値を満たすディジタル・テレビジョン・チャンネルを最大数受信できるよう地上アンテナ(例えば、図1のアンテナ26)を調節するのが助けられる。従って、実際にアナログおよびディジタル両方のチャンネルをテレビジョン受像機或いはセット・トップ・ボックスの現在のチューニング可能なものに追加することと、その現在のチューニング可能なものを表すチャンネル・リストの構築とは、チャンネル・サーチの機能/ルーチンによって行われる。「アンテナ情報」によって行われるサーチは、チャンネル・サーチの機能とは別にして、別のプログラム画面から呼び出すようにしてもよい。信号スキャン或いはチャンネル・スキャンがチャンネル・サーチのルーチンによって行われる場合、或る閾値基準より高い信号強度を持つアナログ・チャンネルおよびディジタル・チャンネルのみが、メモリ(例えば、EEPROM)内に記憶されるチャンネル・リストに追加される。従って、チャンネル・リストは、ユーザによるチャンネル・スキャニング/サーフィン中に表示される、現在利用可能なアナログおよびディジタルのテレビジョン・チャンネルの記憶リストである。
【0019】
チャンネル・サーチによって行われる動作は、次の表のように要約できる。
【表1】
この表は、チャンネル・サーチ中に、チャンネル・リストと、このチャンネル・リストとは別に記憶され、且つ、異なる目的で利用されるアンテナ情報リストとに何が起きるかを示している。図2には、チャンネル・サーチのルーチン用のプログラム・フローチャート70が示されている。チャンネル・サーチは、選択されると、ステップ72でスタートし、選定された周波数から始まる次の周波数がステップ74でスキャンされる。もし、次の周波数が存在しなければ、ステップ76でルーチンは終了する。次の周波数が見つかると、ステップ78でその周波数/チャンネルに使用可能な信号が在るか否かが判定される。使用可能か否かの決定は、閾値信号強度を、処理しようとする入来信号、他の1つのパラメータ、或いは、1組のパラメータに対して適用することによって行うことができる。閾値信号強度の要件を満たさない各入来周波数/チャンネルについて、ステップ75でそのチャンネルがチャンネル・リストから削除され、ステップ74で次の周波数が決定される。使用可能なチャンネルの非受信状態が続くと、ループが形成されるが、このループは、次の周波数が無くなるまで続く。各入来周波数/チャンネルが閾値信号強度の要件を満たす場合、ステップ80でそのチャンネルがチャンネル・リストとアンテナ情報リストとに加えられる。この処理は、ステップ74の判定により次の周波数が無くなるまで繰り返される。
【0020】
図3には、チャンネルをチャンネル・リストに自動的に追加するプログラム・フローチャート82が示されている。ユーザが、一般にはリモートコントロールのキーパッド(図示せず)から、特定のチャンネル用の個別数字を入力すると(ステップ84)、このプログラムが開始する。そのチャンネル番号が受信されると、その周波数/チャンネルに使用可能信号が存在するか否かが判定される(ステップ86)。使用可能信号が存在しない場合、プログラムは終了する(ステップ88)。使用可能信号が存在する場合、そのチャンネルがチャンネル・リストとアンテナ情報リストとに追加される(ステップ90)。
【0021】
図4には、チャンネルを、一般にはユーザーに知られることなく、アンテナ情報リストに追加するためのプログラム・フローチャート92が示されている。ユニットに対する電源が投入されると(ステップ94)、EEPROM内の次のチャンネルがスキャンされて、利用可能信号が在るか否かが判定される(ステップ96)。利用可能信号が無い場合、プログラムは終了する(ステップ98)。使用可能信号が存在する(利用できる)場合、その使用可能信号はアンテナ情報リストに追加される(ステップ100)。その後、プログラムは、別のチャンネルが視聴用に利用可能であるか否かを決定する。このように、これらのルーチンによって使用可能なチャンネルがチャンネル・リストおよびアンテナ情報リストに追加される。
【0022】
アンテナ情報サーチによって行われる動作は、次の表のように要約することができる。
【表2】
この表は、アンテナ情報サーチ中に、受信信号の強度が十分な場合(受信信号が使用可能な場合)と不十分な場合(強度が低い、或いは、ゼロの場合)に何が起こるかを表している。
【0023】
図5は、アンテナ情報サーチのルーチン104のフローチャートである。アンテナ情報サーチがスタートすると(ステップ106)、アンテナ情報リスト中の次の周波数/チャンネルがスキャンされ、信号があるかどうかが調べられる(ステップ108)。もし、それ以上周波数/チャンネルが無い場合、および/または、所定のリストの終わりになった場合、このプログラムは終了する(ステップ110)。もし、使用可能な信号がそのチャンネルに存在する場合、それが、アナログ信号であるのか、或いは、ディジタル信号であるのかが判定される(ステップ112)。アナログ信号は、チャンネル・リストに追加される(記入される)(ステップ114)。その後、ユニットは、次の周波数をスキャンできる状態にある(ステップ108)。信号がディジタルである場合、その信号強度がリアルタイムで測定されてアンテナ情報リスト中で更新され、そのチャンネルはチャンネル・リストに追加される(ステップ116)。その後、ユニットは、次の周波数をスキャンできる状態にある(ステップ108)。
【0024】
ユーザに入力を促す様々なアンテナ情報画面が表示されると同時に、チャンネル・データ・グリッド54は、全ての地上波アンテナから受信している、或いは、受信したことのあるチャンネルについての情報を、各行64に1チャンネルずつ表示する。即ち、チャンネル番号(列58)、局名(可能な場合、例えばNBC、列60)、チャンネルがディジタルか或いはアナログか(列58)、どのアンテナがそのチャンネルを捕捉しているか(列60)、および、ディジタル・チャンネルの場合だけだが、それらの現在の信号強度(列62)が表示される。様々なチャンネルについて、その他の種類の情報も表示可能である。チャンネル・データ・グリッド54には、画面名56(アンテナ情報)が含まれており、一度に数行が表示され、ここでは64a乃至64eの5行が表示されている。矢印67および68は、グリッドを上下にスクロールすることによって視聴可能なチャンネルが更に存在することを示している。
【0025】
アンテナ情報画面には、過去のアンテナ情報測定処理に於いて前に測定されたが、チャンネル・サーチからチャンネル・リストに追加されるための「信号強度閾値基準/レベル」を超えるには不十分な強度であるチャンネルが保持される。これが望ましい理由は、ユーザはどのようなローカル・チャンネルが利用可能であるかを知らないことがあるが、ひとたびどのチャンネルが利用可能であるかを知れば、ユーザが自らの判断で、幾つかのチャンネルにチャンネル・サーチ・リストに追加されるのに十分な強度を持たせるようアンテナ調節を試みることができるためである。
【0026】
信号強度の測定が完了すると、プログラム画面44中のアンテナ情報結果画面がディスプレイ36上に表示される。ユーザは、チャンネル番号およびそれらの様々な属性、或いは、特性(各行64および列58、60、62)によって画定されるグリッド部分を、ループ式(looping)/循環式(wrap-around)リストを上下にスクロールすることによりナビゲートして、現在のアンテナ位置を使ってどのチャンネルが利用可能であるかを知ることができる。例えば、数字の代わりに「−」を記したディジタル・チャンネルは、信号強度が、そのチャンネルを視聴するにも、そのチャンネルをチャンネル・サーチからチャンネル・リストに追加するにも不十分であることを示している(64d参照)。全てのアナログ・チャンネルは、その強度として「N/A」を表示させ、それらのチャンネルについて信号強度測定が利用できないことを示している(64c参照)。チャンネル・サーチを通じて現在利用不可能なチャンネルは、以前の信号強度測定からリストに現れるようにすることができるし、或いは、ガイドから得られる情報からもしくは本稿に記載される他の仕方でリストに現れるようにすることもできる。
【0027】
ユーザが「アンテナ情報」機能を選択すると、そのチャンネルに対する信号強度が測定および/または更新される。ユーザが種々のチャンネルをスクロールしていく際、チューナは、強調表示/ハイライトされているチャンネルに接続しようと試みる。そのチャンネルが検出されると、信号強度測定が実行および/または更新される。チャンネルは、その信号強度が不十分であるからといって決して自動的に切り捨てられることはない。これは、ユーザが、どのチャンネルが利用可能であるかを知り、いくつかのチャンネルがチャンネル・リストに追加されるのに十分な信号強度を持つようアンテナを調節しようと試みる助けとなる。
【0028】
リストは、最上部に最も小さいチャンネル番号が来て、最下部に最も大きいチャンネル番号が来るような順序にソートできる。アナログ・チャンネルとディジタル・チャンネルが同じバーチャル・チャンネル番号を共有しているチャンネルについては、リスト中に於いては、アナログ・チャンネルとディジタル・チャンネルとは互いに隣り合わせに現れる。
【0029】
ユーザは、単にアンテナ情報画面中で強調表示を各チャンネルに動かすことによって、そのチャンネルに対する情報を更新することができる(64b参照)。更に、アンテナ情報表示領域の背後のビデオ画面には、オーディオを含む現在のチャンネルが示され、ユーザがアンテナ調節を行うのを支援する。アンテナおよびアンテナ入力を切り替えるには、ユーザは、リモートコントロール上の「アンテナ」ボタンを押すか、或いはメニュー選択によって「アンテナ」を選択する。完全なアンテナ情報サーチが行われる毎に、全てのディジタル・チャンネルに対する信号強度が測定される。グリッド中の強調表示された各チャンネルは、そのチャンネルに対するオーディオおよびビデオがディスプレイ36上のプログラム画面44の背後で再生されている間、その信号強度がリアルタイムで更新される。代替実施例では、各利用可能チャンネルの信号強度を自動的には表示しない。即ち、信号強度は、そのチャンネルが選択されたときに表示されるようにする。
【0030】
信号強度測定処理が完了すると、ダイアログ・ボックス(dialog box)がディスプレイ36上に現れる。この際、ダイアログ・ボックスは、典型的には、スーパーインポーズ(superimpose)されて、或いは、現在の画面内に現れる。ユーザが「続行」を選択すると、アンテナ情報画面中の強調表示は、チャンネル・データ・グリッド54中の第1チャンネル行(64a)に移動する。もしユーザが信号測定処理を途中で打ち切る場合、ダイアログ・ボックスが表示され、チャンネル・データ・グリッド54中の表示されている強度は、測定処理が打ち切られた時までに決定されたものであることをユーザに知らせる。
【0031】
リスト中のチャンネルが強調表示されると(64b)、そのチャンネルについての情報は、連続的に更新される。これが特に有用であるのは、「プログラムおよびシステム情報プロトコル(Program and System Information Protocol:PSIP)」(ATSCドキュメントA/65)ガイドを送信しているディジタル・チャンネルが、チャンネル・ラインアップを変更してそのディジタル・チャンネルと同じ主チャンネル番号(major channel number)を有するアナログ・チャンネルを含ませる場合である。この場合、アンテナ情報リストは、この新しいアナログ・チャンネルを別個のエントリ(行64)としてチャンネル・データ・グリッド54中に含めるよう拡張される。この新しいアナログ・チャンネルは、ディジタル・チャンネルと同じチャンネル番号を持つことになるが、列58で、ディジタル・チャンネルとしてマークされるのではなく、アナログ・チャンネルとしてマークされる。リストのこの更新と拡大は、全く自動的且つリアルタイムで行われる。
【0032】
所与の組のディジタル・チャンネルに対して最良の信号強度を得るよう地上アンテナを調節するためには、ディジタル・テレビジョン信号を受信する各地上波アンテナについてアンテナ情報サーチを数回行うことが必要となる可能性が高い。様々なディジタル・テレビジョン・チャンネルに対する信号強度は、アンテナの位置を調節している間、アンテナの方向と関連してモニタする必要がある。アンテナ情報サーチを何回も行うことによって、最適なアンテナ位置を見つけることができる。そのようにしてアンテナの位置を決めた後、チャンネル・サーチを行ってチャンネルをチャンネル・リストに追加する必要がある。
【0033】
一つの例を用いて上述の原理を例解する。オフエア・ディジタル・テレビジョン信号受信用に適応された新しい地上波アンテナ(図1のアンテナ26)は、受信ユニット(図1のTV12)に結合されている。電源投入後、チャンネル・リストとアンテナ情報リストの両方の初期状態は、空であるとする。チャンネル・サーチは、ユーザによってユニットの最初のセットアップ時に実行されるが、その理由は、前のチャンネル・サーチ後に、幾つかの新しいチャンネルが加えられているためである。最初のチャンネル・サーチは、最小限の受信のための所与の閾値レベルより高い信号を有する2つのチャンネル、即ち、チャンネル「10」と「20」を検出する。この時点で、チャンネル・リストは、チャンネル「10」と「20」を含み、アンテナ情報リストもチャンネル「10」と「20」を含む。次に、ユーザは、アンテナ26を調節して、もう一度チャンネル・サーチを行う。このサーチは、最小限の受信のための所与の閾値レベルより高い信号を有する2つの更なるチャンネル、即ち、チャンネル「30」と「40」を検出するが、アンテナが新しい方向に向いているため、前のチャンネル「10」と「20」は検出しない。この時点で、チャンネル・リストは、チャンネル「30」と「40」を含んでおり、アンテナ情報リストは、チャンネル「10」、「20」、「30」および「40」を含んでいる。ユーザは、4つの利用可能なチャンネルが在ることを知っているため、アンテナ情報サーチは、アンテナの最適位置を決定しようとしてアンテナの位置が僅かに変えられる毎に実行される。チャンネル「10」は、図5のプログラム・フローチャートに従ってチェックされる。今、仮にチャンネル「10」の信号強度が所定の閾値よりも高いとする。従って、チャンネル「10」はチャンネル・リストに追加され、チャンネル・リストの内容は、チャンネル「10」、「30」および「40」になり、一方、アンテナ情報リストは変わらない。もう一度、アンテナの調節とアンテナ情報サーチが行われる。仮に今、チャンネル「20」の信号強度が所定の閾値よりも高いとすると、チャンネル「20」がチャンネル・リストに追加され、チャンネル・リストの内容とアンテナ情報リストの内容は、両方とも、チャンネル「10」、「20」、「30」および「40」になる。
【0034】
以上、本発明を好ましい実施例について説明したが、本発明は、本開示の範囲内で更に変更を加えることができる。従って、この出願は、本発明の原理を使用した本発明の適応形態の如何なる変形および如何なる使用をも対象とすることが意図されている。更に、この出願は、当業者に既知の手法、或いは、慣例的な手法の範囲内で本発明の開示事項から離れた事項をも対象とすることが意図されている。
【0035】
WO00/078039の請求項は次のとおり。
〔請求項1〕テレビジョン信号を受信し、表示装置に供給されて表示可能映像を生成するのに好適な出力信号を発生するビデオ処理装置であって、
複数の受信テレビジョン信号から1つのテレビジョン信号を選択する手段と、
前記ビデオ処理装置を制御する制御手段と、
前記選択されたテレビジョン信号の信号強度を測定する手段と、を具え、
前記制御手段による制御によって、
前記選択されたテレビジョン信号が前記表示映像内に表示されるよう前記出力信号に含まれる第1の動作モードと、
前記信号強度が、前記選択されたテレビジョン信号と同時に前記表示装置上に表示される第2の動作モードのうち、何れか一方のモードで動作する、
ビデオ処理装置。
〔請求項2〕前記信号強度を測定する手段が、前記選択されたテレビジョン信号の前記信号強度を更新する手段を含み、前記第2の動作モードは、信号強度の更新を示することを含む、請求項1記載のビデオ処理装置。
〔請求項3〕前記信号強度を更新する手段が、テレビジョン信号がディジタルとアナログの何れであるかを判定する手段を含み、前記第2の動作モードは、前記テレビジョン信号がディジタルとアナログの何れであるかを表示する手段を含む、請求項2記載のビデオ処理装置。
〔請求項4〕ビデオ処理装置であって、
オーディオ情報成分およびビデオ情報成分を有する複数のテレビジョン信号を受信する手段と、
前記ビデオ処理装置に結合された表示装置上に1つの選択された前記テレビジョン信号のビデオ情報成分を表示する手段と、
前記複数のテレビジョン信号の各1つの信号強度を判別する手段と、
選択されたチャンネルのオーディオおよびビデオがアクティブである間、選択されたテレビジョン信号の信号強度を選択的に表示する手段と、を有するビデオ処理装置。
〔請求項5〕信号強度を選択的に表示する前記手段が、選択されたテレビジョン信号のオーディオおよびビデオがアクティブである間、複数のテレビジョン信号の信号強度をグリッド・フォーマットにおいて選択的に表示する手段を含む、請求項4記載のビデオ処理装置。
〔請求項6〕信号強度を選択的に表示する前記手段が、テレビジョン信号がディジタルとアナログの何れであるかを選択的に表示する手段を含む、請求項4記載のビデオ処理装置。
〔請求項7〕選択されたテレビジョン信号の信号強度をリアルタイムで更新する手段を更に有する、請求項5記載のビデオ処理装置。
〔請求項8〕信号強度が所定の閾値レベルを超えるとき、テレビジョン信号に対応するチャンネル番号をメモリ内に記憶する手段を更に有する、請求項4記載のビデオ処理装置。
〔請求項9〕
a)アンテナの最初の位置を選択する段階と、
b)各受信ディジタル信号の信号強度を表示する段階と、
c)少なくとも1つのチャンネルの測定された信号強度に基づいて、前記アンテナの最終受信位置を選択する段階と、を含む、
ディジタル・テレビジョン信号を受信するアンテナの位置を定める方法。
〔請求項10〕アンテナの最初の位置を選択する前記段階と信号強度を表示する前記段階とは、各受信ディジタル信号の信号強度が最適化されるまで繰り返される、請求項9記載の方法。
〔請求項11〕選択されたチャンネルに対する信号強度がリアルタイムで表示されている間、ディジタル信号が同時に視聴可能である、請求項9記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6