(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、安息香酸、乳酸、グリコール酸、アスコルビン酸、没食子酸、グルコン酸、及びマレイン酸からなる群から選択される少なくとも1つの有機酸を更に含む、請求項1に記載のアレルゲン不活性化剤。
【背景技術】
【0002】
統計によると、アメリカ国民の約20%がアレルギーに悩まされている。アレルギーは、生物が暴露される異物(例えば、抗原を含む)に対する生物の免疫防御システムの反応である。即ち、異物への暴露によって生成される抗原に対する免疫システムの一般に望ましくない反応である。一般に、抗原を含有する異物が最初に生物に提示されると、生物は、抗原に特異的な抗体及びリンパ球を生成し、その後、再度生物に同じ異物が後に提示されると、生物は、自己防衛のための防御システムとして、抗原に対する様々な免疫応答を生成し、この抗原に対する免疫応答がアレルギー反応を引き起こす。アレルギー反応の症状は、命にかかわらないもの(例えば、涙目、くしゃみ、及び掻痒)から、生命にかかわる恐れのあるもの(例えば、呼吸困難又はアナフィラキシーショック)まで様々であり得、又は更には死に致る場合もある。
【0003】
アレルゲンは、アレルギー反応を引き起こす可能性がある任意の物質であり、例えば、イエダニ、花粉、動物の毛、皮膚の壊死組織片、薬物、植物繊維、細菌、食物、毛髪染剤、薬品などが挙げられる。これら一般的なアレルゲンの中でも、チリダニは、それらの排泄物が呼吸又は直接的な皮膚接触によって人体に暴露されるとアレルギー反応を誘発すると考えられている。動物(例えば、ペット)の毛及び皮膚の壊死組織片もまた、アレルゲンとして作用し得る。しかしながら、花粉は、最も一般的なアレルゲンであると考えられている。空気中の花粉が目、鼻、肺、又は皮膚を介して身体に暴露されると、アレルギー反応が誘発される。特に、鼻又は口を通して花粉を吸入すると、花粉アレルギーと呼ばれる季節性アレルギー性鼻炎の一種を誘発し得る。
【0004】
動物又は人におけるアレルギーの発症は、アレルゲンへの初期暴露の時点から2年以上を要する場合があり、現れる症状及びアレルギー発作の期間は、アレルゲンに暴露されるたびに次第に悪化する。場合によっては、アレルギー症状は、アレルゲン(例えば、動物由来のアレルゲンへ)の初期暴露の後、6ヵ月又は更にはそれより長い期間にわたって現れることが知られている。
【0005】
場合によっては、アレルゲンを分解すること又は空気流からアレルゲンを除去することが可能であり得る。例えば、PCT国際特許公開WO 2005/047414は、金属フタロシアニン誘導体を有効成分として含むアレルゲン分解剤、及びそのアレルゲン分解性を開示している。同様に、PCT国際特許公開WO 2006/011541は、イチョウの葉から抽出された天然成分を含むエアフィルタを開示している。しかしながら、かかるエアフィルタは、屋外で使用すると、熱又は光で容易に破壊され得る。一般に、一般的なエアフィルタ又は除塵フィルタを使用して空気中のアレルゲンを除去するのは困難である。
【0006】
最近、Mitsubushi Motors Corp.により、抗アレルギー作用を特許請求したエアフィルタが開発された。このメーカーは、酵素及び尿素を使用するかかるフィルタは、チリダニ、花粉等のアレルゲンを効果的に弱毒化及び不活性化することができると主張する。Nissan Motors Corp.もまた、ブドウの種に見られる天然ポリフェノールの特許請求された抗アレルギー効果を用いたフィルタを最近発表した。更に、Toyota Motors Corp.は、最近、チリダニの除去に有用であるとして特許請求された自動車座席用布を開発し、このメーカーによると、この新しい布製シートは、自動車の座席の表面に存在するチリダニアレルゲンの約98%超に効くアレルゲン不活性化剤を含むことが報告されている。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示では、次の式1の化合物が、抗アレルギー効果を得るための有効成分である。
【0013】
式中、Rは、C
1〜C
30直鎖又は分枝鎖アルキル基であり、Xは、H、Na、K、Mg、又はCaである。
【0014】
式1において、Rは、1〜30個の炭素原子、好ましくは10〜25個の炭素原子を有する。更に、Rは、直鎖又は分枝鎖アルキル基、好ましくは直鎖アルキル基である。
【0015】
式1の化合物は、優れた洗浄性及び乳化性を示すアニオン性界面活性剤の1つであり、極めて低い臨界ミセル濃度(CMC)を有する。いかなる特定の理論に拘束されることを望むものではないが、現在のところ、式1の化合物は、アレルギー反応を誘発するタンパク質を吸収又は吸着し、これを変性させることにより、アレルゲンを不活性化することができると考えられる。
【0016】
本開示の例示的なアレルゲン不活性化剤の実施形態では、アレルゲン不活性化物質における式1の化合物の含有量は特に限定されないが、好ましくは、本開示のアレルゲン不活性化剤は、式1の化合物を、アレルゲン不活性化剤組成物の重量を基準として、0.5〜50重量%の量、より好ましくは5〜20重量%の量で含有する。
【0017】
いくつかの例示的な実施形態では、高い有効量のアレルゲン不活性化剤を長時間にわたって維持するために、式1の化合物の含有量を、0.5重量%超、例えば、5重量%、10重量%、15重量%、20重量%超、又は更には25重量%以上に維持することが好ましい場合がある。他の例示的な実施形態では、アレルゲン不活性化剤の粘度を低減するため、又は気泡形成を抑制するために、式1の化合物の含有量を、50重量%未満、例えば、45重量%、40重量%、35重量%、30重量%未満、又は更には25重量%以下に維持することが好ましい場合がある。
【0018】
本開示のいくつかの例示的な実施形態において、有機酸は、抗アレルギー効果を高めるための補助剤として役立つ。いかなる特定の理論に拘束されることを望むものではないが、現在のところ、本開示の有機酸はpHを下げるのを助け、それにより、式1の化合物によるアレルゲン不活性化を促進するのを助けると考えられる。換言すれば、現在のところ、有機酸は、酸性pH条件下で式1の化合物の作用を受けやすいチリダニアレルゲンの変性を促進すると考えられる。
【0019】
好適な有機酸は、クエン酸、リンゴ酸、スズ酸、安息香酸、乳酸、グリコール酸、アスコルビン酸、没食子酸、グルコン酸(aluconic acids)、安息香酸、及びマレイン酸から選択される1つ以上の有機酸である。いくつかの例示的な実施形態では、クエン酸を補助剤として使用するのが好ましい。
【0020】
本開示のアレルゲン不活性化剤における有機酸の含有量は限定されないが、アレルゲン不活性化剤組成物の重量を基準として、0.5〜50重量%、より好ましくは5〜20重量%の量で有機酸を含有するのが好ましい。いくつかの例示的な実施形態では、pHを十分に低いレベル(例えば、6.9以下、6以下、5以下、4以下、3以下、又は更にはより低いpH)に維持するために、有機酸の含有量を、0.5重量%超、例えば、5重量%、10重量%、15重量%、20重量%超、又は更には25重量%以上に維持することが好ましい場合がある。他の例示的な実施形態では、pHが皮膚への刺激を引き起こす程に過度に低く(例えば、3以上、4以上、5以上又は更には6以上のpH、最高でpH6.9)ならないように、有機酸の含有量を、50重量%未満、例えば、45重量%、40重量%、35重量%、30重量%未満、又は更には25重量%以下に維持することが好ましい場合がある。
【0021】
本開示に記載される式1の化合物のアレルゲン不活性化効果を高めるために、本開示では、別の補助剤であるエチレンジアミン四酢酸(EDTA)の四ナトリウム塩(EDTA四ナトリウム)をキレート剤として使用した。本開示のアレルゲン不活性化剤におけるEDTA四ナトリウムの含有量は特に限定されないが、アレルゲン不活性化剤組成物の重量を基準として、0.2重量%〜2重量%、より好ましくは0.5重量%〜1重量%の量でEDTA四ナトリウムを含むのが好ましい。
【0022】
EDTA四ナトリウムの含有量が0.2重量%以上である場合、キレート剤としての阻害効果において有益である。いくつかの例示的な実施形態では、アレルゲン不活性化剤組成物で有効な量のEDTA四ナトリウムを維持するために、アレルゲン不活性化剤組成物におけるEDTA四ナトリウムの含有量を、アレルゲン不活性化剤組成物の0.2重量%超、例えば、0.5重量%、1.0重量%、2.0重量%、2.5重量%超、又は更には3重量%以上に維持することが好ましい場合がある。他の例示的な実施形態では、酸性pH範囲におけるEDTA四ナトリウムの水溶性が低下するので、有機酸と混合する際に含めることができるEDTA四ナトリウムの含有量が制限されるという問題を避けるために、有機酸の含有量を、10重量%未満、例えば、9重量%、8重量%、7重量%、6重量%%未満、又は更には5重量%以下に維持することが好ましい場合がある。
【0023】
本開示のいくつかの例示的な実施形態では、アレルゲン不活性化剤をコーティング又はスプレーの形態で使用して基材(例えば、フィルタの表面又は不織布)を処理する際に、アレルゲン不活性化剤を迅速に乾燥させるのを助けるために、1つ以上のC
1〜C
6アルコールを補助剤として使用してもよい。特定の例示的な実施形態では、安全を考慮すると、エタノールがC
1〜C
6アルコールとして好ましい。
【0024】
本開示のアレルゲン不活性化剤におけるC
1〜C
6アルコールの含有量は特に限定されないが、1種以上のC
1〜C
6アルコールを、アレルゲン不活性化剤組成物の重量を基準として、1〜20重量%、より好ましくは4〜10重量%の量で含むのが好ましい。
【0025】
いくつかの例示的な実施形態では、アレルゲン不活性化剤組成物の効果的で迅速な乾燥速度を維持するために、アレルゲン不活性化剤組成物中のC
1〜C
6アルコールの含有量を、アレルゲン不活性化剤組成物の約1重量%超、例えば、5重量%、10重量%、15重量%、又は更には20重量%以上超に維持することが好ましい場合がある。他の例示的な実施形態では、アレルゲン不活性化剤組成物のあらゆる可燃性又は燃焼性の問題を回避するために、C
1〜C
6アルコールの含有量を、20重量%未満、例えば、15重量%、10重量%、7.5重量%未満、又は更には5重量%以下に維持することが好ましい場合がある。
【0026】
本開示では、典型的には水を溶媒として使用する。本開示のアレルゲン不活性化剤における水の含有量は限定されないが、典型的には、アレルゲン不活性化剤組成物中の有効成分(例えば、式1の化合物及び任意の添加補助剤)の量を特定した後に、100%のアレルゲン不活性化剤組成物を得るのに必要なだけの量の水を使用する。しかしながら、他の水溶性又は水混和性成分(例えば、水溶性又は水混和性の有機及び/又は無機化合物)がアレルゲン不活性化剤組成物に含まれてもよいことは理解される。
【0027】
本開示によるアレルゲン不活性化剤組成物は、充填剤、布地、不織布材料、繊維等の中又はこれらの上で使用され得る。いくつかの例示的な実施形態では、アレルゲン不活性化剤を実質的にあらゆる表面、例えば、暖房・換気及び空調(HVAC)フィルタ(例えば、エアフィルタ又は炉フィルタの表面)、乗物の室内エアフィルタ(例えば、自動車、航空機、船舶、潜水艦等などの運搬用車両の客室に入る空気をろ過するためのエアフィルタ)、又は個人向けエアフィルタ(例えば、呼吸用マスク)に適用することができるように、アレルゲン不活性化剤組成物はスプレーの形態で用いられてもよく、それにより、少なくともいくらかのアレルゲンの不活性化、変性、又は分解を促進することにより、表面に抗アレルギー効果を付与することができる。
【0028】
本開示の代表的な実施形態を上述し、そして更に実施例として以下にも例示しているが、これらは、本発明の範囲を多少なりとも限定する意図はない。逆に、言うまでもなく明らかであるが、本明細書中の説明を読むことによって、本開示の趣旨及び/又は添付の請求項の範囲を逸脱することなく当業者に示唆され得る様々な他の実施形態、修正、及びそれらの均等物を採用することができる。
【実施例】
【0029】
サンプル及び反応剤の調製、並びに本開示の以下の実施例で用いられる試験結果の測定方法は、以下の通りである。本開示は、特定のアレルゲンに対する種々のアレルゲン不活性化剤組成物の不活性化能力を測定する方法として、ELISA(酵素免疫吸着アッセイ)試験を用いた。この方法は、抗原抗体反応に起因する色の変化をモニタリングすることにより、アレルゲン濃度を測定することができる。ここでは、各実施例及び比較例において、異なる種類の特定有効成分及びアレルゲン、並びにそれらの異なるコーティング量を用いて試験を実施した。
【0030】
1.試料調製
有効成分として式1の化合物を10重量%、クエン酸無水物を4.5重量%、EDTA塩を0.5重量%、エタノールを5重量%、及び水を80重量%含むアレルゲン不活性化剤を調製した。スパンボンド式不織布(重量:80g/sqm)をフィルタとして使用した。ドーピング工程及び乾燥工程によりアレルゲン不活性化剤をフィルタにコーティングして試験用サンプルを得た。この試験で使用したサンプルの寸法は5mm×5mmであった。
【0031】
2.アレルゲンの調製
ELIZA試験で使用したアレルゲンは、
1)イエダニの残留物:Der p 1、Der f 1、Der p 2、及びDer f 2
2)花粉:Bet v 1(即ち、樺の木花粉)
3)ペットの残留物:Can f 1(即ち、ペットのふけ)
各抗原ごとにELISA試験キット(Inbio GmbH(Julich、Germany))を使用し、各抗原をPBSに溶解させて、250ng/mLの試験用アレルゲン溶液を準備した。ELISAキット製造業者の説明書に従って他の試薬を調製した。
【0032】
3.アレルゲン不活性化剤が適用されたサンプルを用いた各抗原の試験
各サンプルを5mm×5mmの寸法に切断した後、25℃のアレルゲン溶液(250ng/mL)300uLに1時間にわたって浸漬させた。1時間浸漬させた後、溶液(上澄み)100uLを、抗体でコーティングされた96ウェルマイクロプレートに注ぎ込んだ。マイクロプレートリーダーを使用してマイクロプレートの吸光度を405nmで測定した後、各サンプル中のアレルゲン濃度を測定した。
【0033】
4.試験結果の測定
アレルゲン不活性化の効率を算出するため、マイクロプレートリーダーを405nmで使用して、サンプルの入った反応液中の各抗原の濃度を測定した。
【0034】
効率(%)=(250−各サンプルごとに測定したアレルゲン濃度)/250
実施例1〜6及び比較例1〜5:有効成分としての様々な種類の界面活性剤の試験
式1の様々な化合物をアレルゲン不活性化剤の有効成分として含むサンプル(実施例1〜6)、界面活性剤を有さないサンプル(比較例1)、及び式1の化合物の代わりに他の界面活性剤を含むサンプル(比較例2〜5)を使用して、Der p 1の除去効率を測定した。ここでは、サンプル中の有効成分のコーティング量は、1g/m
2であった。
【0035】
結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
実施例7〜10:様々な種類の有機酸及びEDTA塩の試験
Der f 1を試験アレルゲンとし、次の成分を含むアレルゲン不活性化剤を使用して、アレルゲン不活性化効果を測定した。結果を表2に示す。
【0038】
【表2】
【0039】
実施例11〜16及び比較例6:イエダニ残留物の試験
4種類のイエダニ(Der p 1、Der f 、Der p 2、及びDer f 2)、及びヘキサデシルジフェニルオキシド二スルホン酸二ナトリウムを有効成分として含むアレルゲン不活性化剤を使用して除去効率を測定し、試験は、サンプル中の全有効成分のコーティング量を変化させて(即ち、0.5、1、2、3、4、及び8g/m
2)行った。結果を表3に示す。
【0040】
【表3】
【0041】
試験の結果、未処理サンプルと比べて、本開示のアレルゲン不活性化剤は、Der p 1、Der f 1、Der p 2、及びDer f 2に対して優れたアレルゲン不活性化効果を示すことが見出された。
【0042】
実施例17〜22及び比較例7:花粉及びペットのふけの試験
Bet v 1及びCan f 1をタンパク質濃度250ng/mLで試験アレルゲンとして使用し、ヘキサデシルジフェニルオキシド二スルホン酸二ナトリウムを有効成分として含むアレルゲン不活性化剤を使用して除去効率を測定し、試験は、サンプル中の有効成分のコーティング量を変化させて(即ち、0.5、1、2、3、4、及び8g/m
2)行った。結果を表4に示す。
【0043】
【表4】
【0044】
試験の結果、未処理サンプルと比べて、本開示のアレルゲン不活性化剤は、Bet v 1及びCan f 1に対して優れたアレルゲン不活性化効果を示すことが見出された。
【0045】
実施例23及び比較例8:耐久性試験
サンプルシートを供給フィルタ(feefilter)に取り付けた後、RAP(空気清浄器)ユニットに取り付けた。空気清浄器を作動させた後、1g/m
2の有効成分で処理した不織布シートを使用して、耐久性試験を1ヵ月にわたって実施した(実施例23)。Der p 1、Can f 1及びBet v 1を試験アレルゲンとして使用した。未処理サンプルに対しても同じ試験を行った。
【0046】
試験結果を表5に示す。
【0047】
【表5】
【0048】
試験の結果、未処理サンプルと比べて、本開示のアレルゲン不活性化剤は、Der p 1、Can f 1及びBet v 1に対して有意な高耐久性を呈することが見出された。
【0049】
本明細書で特定の代表的実施形態を詳細に説明したが、当然のことながら、当業者は上述の説明を理解した上で、これらの実施形態の代替物、変更物、及び均等物を容易に想起することができるであろう。したがって、本開示は本明細書で以上に述べた例示の実施形態に不当に限定されるべきではないと理解すべきである。
【0050】
様々な代表的実施形態を上で説明した。これら及び他の実施形態は、開示される実施形態の以下の列挙の範囲内である。
以下に、本願発明に関連する発明の実施形態について列挙する。
[実施形態1]
次の式1の化合物、
【化2】
(式中、Rは、C1〜C30の直鎖又は分枝鎖アルキル基を表わし、
Xは、H、Na、K、Mg、又はCaを表す。)を含むアレルゲン不活性化剤。
[実施形態2]
クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、安息香酸、乳酸、グリコール酸、アスコルビン酸、没食子酸、グルコン酸、及びマレイン酸からなる群から選択される少なくとも1つの有機酸を更に含む、実施形態1に記載のアレルゲン不活性化剤。
[実施形態3]
前記有機酸がクエン酸である、実施形態2に記載のアレルゲン不活性化剤。
[実施形態4]
エチレンジアミン四酢酸の四ナトリウム塩(EDTA四ナトリウム)を更に含む、実施形態1に記載のアレルゲン不活性化剤。
[実施形態5]
エチレンジアミン四酢酸の四ナトリウム塩(EDTA四ナトリウム)と、
1つ以上のC1〜C6アルコールと、
水と、
を更に含む、実施形態1又は2に記載のアレルゲン不活性化剤。
[実施形態6]
前記式1の化合物が、ヘキサデシルジフェニルオキシド二スルホン酸ナトリウムである、実施形態1又は2に記載のアレルゲン不活性化剤。
[実施形態7]
前記組成物が、前記組成物100重量%に対して、
0.5〜50重量%の前記式1の化合物と、
0.5〜50重量%の前記有機酸と、
0.2〜2重量%のエチレンジアミン四酢酸の四ナトリウム塩(EDTA四ナトリウム)と、
1〜20重量%の1種以上のC1〜C6アルコールと、
バランス量の水と、
を含む、実施形態2に記載のアレルゲン不活性化剤。
[実施形態8]
前記組成物が、前記組成物100重量%に対して、
5〜20重量%の前記式1の化合物と、
5〜20重量%の前記有機酸と、
0.5〜1重量%のEDTA四ナトリウムと、
4〜10重量%の1種以上のC1〜C6アルコールと、
バランス量の水と、
を含む、実施形態7に記載のアレルゲン不活性化剤。
[実施形態9]
実施形態1〜8のいずれか一項に記載のアレルゲン不活性化剤を使用したフィルタ。
[実施形態10]
実施形態1〜8のいずれか一項に記載のアレルゲン不活性化剤を使用したスプレー。
[実施形態11]
実施形態1〜8のいずれか一項に記載のアレルゲン不活性化剤を使用した布地。
[実施形態12]
実施形態1〜8のいずれか一項に記載のアレルゲン不活性化剤を使用した不織布。
[実施形態13]
実施形態1〜8のいずれか一項に記載のアレルゲン不活性化剤を使用した繊維。
[実施形態14]
実施形態1〜8のいずれか一項に記載のアレルゲン不活性化剤を使用した洗剤。
[実施形態15]
実施形態1〜8のいずれか一項に記載のアレルゲン不活性化剤の使用方法であって、
前記アレルゲン活性化剤を液体形態で準備する工程と、
前記アレルゲン活性化剤を基材の表面に適用する工程と、
を含む、方法。
[実施形態16]
前記基材を乾燥させて前記アレルゲン活性化剤の少なくとも一部を前記基材の表面から除去する工程を更に含む、実施形態15に記載の方法。
[実施形態17]
前記基材を乾燥させて前記アレルゲン活性化剤の少なくとも一部を前記基材の表面から除去する工程が、前記基材を加熱することを含む、実施形態16に記載の方法。
[実施形態18]
前記基材が、充填剤、繊維、布地、不織布物品、及びフィルタから選択される、実施形態15〜17のいずれか一項に記載の方法。
[実施形態19]
前記基材がフィルタである、実施形態18に記載の方法。
[実施形態20]
前記フィルタが、HVACフィルタ、乗物の室内エアフィルタ、又は個人向けエアフィルタ(呼吸用マスク)である、実施形態19に記載の方法。