(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示のいずれかの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、以下の説明に記載されるか、若しくは以下の図面に示される構成の詳細及び構成要素の配置に、その適用が限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実践又は実行することが可能である。また、本明細書で使用する語法及び専門用語は、説明を目的とするものであり、限定するものとして見なすべきでないことを理解されたい。本明細書での、「含む」、「備える」、若しくは「有する」、及びこれらの変化形の使用は、その後に列記される項目及びそれらの均等物、並びに更なる項目を包含することを意味する。特に指定又は限定のない限り、用語「支持される」及び「結合される」、並びにこれらの変化形は、広範に使用され、直接的並びに間接的な支持及び結合の、双方を包含する。更には、「接続される」及び「結合される」とは、物理的又は機械的な接続若しくは結合に制約されるものではない。他の実施形態を利用することが可能であり、本開示の範囲から逸脱することなく、構造的又は論理的な変更を行うことができる点を理解されたい。更には、「前方」、「後方」、「上部」、「底部」などのような用語は、諸要素を、それらが互いに関連するものとして説明するためにのみ使用され、装置の特定の配向を記述すること、装置に必要とされるか若しくは求められる配向を指示又は示唆すること、あるいは本明細書で説明される発明が、使用時にどのように使用、装着、表示、又は配置されるかを指定することを決して意味するものではない。
【0010】
本開示は、全般的には、滅菌インジケーターに関し、詳細には、生物学的滅菌インジケーターに関する。生物学的滅菌インジケーターはまた、「生物学的無菌性インジケーター」、又は単純に、「生物学的インジケーター」と称される場合もある。本開示の生物学的滅菌インジケーターの一部の実施形態は、内蔵型であり、滅菌プロセスの致死性を判定するために使用することができる。本開示は、全般的には、少なくとも以下のうちの1つ以上を可能にする、生物学的滅菌インジケーターの構成に関する:滅菌の間、液体(例えば、水性混合物)を、1つ以上の生物活性の発生源から隔離して収容し、滅菌の後に、その液体と生物活性の発生源との組み合わせを可能にすること;1つ以上の生物活性の発生源が収容される、生物学的滅菌インジケーターの場所(例えば、閉鎖末端部)への、滅菌剤の移動を促進すること;液体を収容する壊れやすい容器(例えば、ガラスアンプルなどの、アンプル)を、滅菌の間、生物学的滅菌インジケーター内の、生物活性の発生源から隔離された場所内に保持すること;生物学的滅菌インジケーターの作動の間に、壊れやすい容器から液体を解放すること(例えば、容器を断裂させることによって);生物活性の発生源が収容される、生物学的滅菌インジケーター内の場所への、作動の間の液体の移動を制御及び/又は促進すること;実質的に一定の、滅菌剤通路を提供すること;断裂した容器の諸部分を、回収及び/又は保持すること(例えば、生物活性の発生源の近位への、断裂部分の移動を阻止するため);生物学的滅菌インジケーターの発生源の場所又は検出領域から離れる方向での、生物活性の発生源及び/又はシグナル若しくは検出可能生成物の拡散を、最小限に抑えること(例えば、検出を増進するため);並びに、生物学的滅菌インジケーター内部の流体の流れを、全般的に制御及び/又は促進すること(例えば、1つ以上の内部通気口を採用することによって)。
【0011】
加圧蒸気、又は他の一般的な滅菌剤を使用して、医療環境内で使用される機器又は供給品を滅菌することができる。生物学的滅菌インジケーターなどの、小型の内蔵型インジケーターを使用して、滅菌プロセスの有効性を検証することができる。これらのインジケーターは、生物学的なものとすることができ、生物活性の発生源を収容することができる。
【0012】
滅菌手順に続いて、生物活性の発生源(例えば、芽胞)に栄養を与えるために使用される、栄養培地は、滅菌手順の全体を通して存在させることができるが、所望されるまでは、生物活性の発生源によってアクセス可能とすることはできない。例えば、壊れやすいパウチ又は容器(例えば、ガラスアンプルなどのアンプル)は、生物活性の発生源から隔離して、培地を「搭載して」収容することができ、所望されるときに(例えば、滅菌プロセスの後に)、容器を断裂させて、生物活性の発生源と培地とを互いに流体連通させることができる。微生物の増殖を促進するための栄養素及び栄養培地は、当該技術分野において既知であり、例えば、CRC Press(Boca Raton,FL)による出版の、Ronald Atlasによる「Handbook of Microbiological Media」に見出すことができる。その全体が参照により本明細書に組み込まれる、Matnerらの米国特許第5,073,488号では、本開示の生物学的滅菌インジケーター内で採用することができる、生物学的滅菌インジケーター内の細菌の芽胞の増殖及び検出のための栄養培地が説明されている。
【0013】
一般的には、特定の滅菌プロセスに耐性を示す、生物活性の発生源(例えば、微生物)が、生物学的滅菌インジケーター内で使用されるために選択される。本開示の生物学的滅菌インジケーターは、1つ以上の既知の生物活性の発生源(例えば、微生物種)の生存可能存続期間、すなわち培養を含む。そのような生物活性の発生源は、微生物芽胞の形態とすることができる。生物学的滅菌インジケーター内の試験発生源は、滅菌サイクルの成功によって死滅するか、又は滅菌サイクルが何らかの理由で不十分である場合には生き残るかの、いずれかである。生物の栄養型ではなく、細菌の芽胞を使用する場合があるが、これは、少なくとも部分的には、栄養型の細菌が、滅菌プロセスによって比較的容易に死滅することが既知であるためである。芽胞はまた、優れた保管特性も有し得、数年にわたり、その休眠状態で維持することができる。結果として、一部の実施形態では、標準化された胞芽株の接種物の滅菌により、滅菌チャンバ内の全ての微生物の不活化が実施されていることの高い信頼度を提供することができる。
【0014】
単なる例として、本開示は、生物学的滅菌インジケーター内で使用される、1つ以上の生物活性の発生源を、「芽胞」であるとして説明するが、しかしながら、生物学的滅菌インジケーターの具体的な実施形態で使用される発生源のタイプ(例えば、芽胞)は、想到される具体的な滅菌プロセスに対して高い耐性を示すことに関して選択されることを理解するべきである。したがって、本開示の種々の実施形態は、その具体的な実施形態が目的とする滅菌プロセスに応じて、種々の生物活性の発生源を使用することができる。用語「芽胞」が、簡略性のために、本開示の全体を通して使用されるが、微生物(例えば、細菌、真菌、ウイルスなど)、芽胞(例えば、細菌の芽胞、真菌の芽胞など)、酵素、酵素活性のための基質、ATP、微生物代謝産物、又はこれらの組み合わせなどの、他の生物活性の発生源を、本開示の生物学的滅菌インジケーター内で、代わりに使用することができる点を理解するべきである。
【0015】
語句「生物活性」は、全般的には、生体細胞に関連する、いずれかの特定の触媒プロセス、又はプロセス群を指す。生物活性の非限定的な例としては、分解酵素活性(例えば、炭水化物発酵経路)、同化酵素活性(例えば、核酸、アミノ酸、又はタンパク質の合成)、共役反応(例えば、代謝経路)、生体分子媒介レドックス反応(例えば、電子伝達系)、及び生物発光反応が挙げられる。「既定の」生物活性とは、本方法が、特定の生物学的プロセス(例えば、酵素反応)、又は生物学的プロセス群(例えば、生化学的経路)の検出に向けて進められることを意味する。特定の既定の生物活性を、特定のタイプの細胞(例えば、癌細胞又は微生物)、又は病理学的プロセスに関連付けることができる点が、当業者には理解されるであろう。
【0016】
同様に、本開示で使用される、「芽胞キャリア」、「芽胞リザーバ」、「芽胞領域」、「芽胞増殖チャンバ」などのような、用語「芽胞」を含む語句は、単に簡略性のために使用されるが、そのような構成要素、要素、又は語句は、他の生物活性の発生源にも等しく適用され、芽胞のみを指すことを意図するものではない点を理解するべきである。例えば、上記の語句はまた、「発生源キャリア」、「発生源領域」、「発生源リザーバ」、「発生源増殖チャンバ」などと称することもできる。
【0017】
芽胞と培地とを一体化させるプロセスは、生物学的滅菌インジケーターの「作動」と称することができる。すなわち用語「作動」及びその変化形は、生物学的滅菌インジケーターに関して使用される場合、全般的には、1つ以上の生物活性の発生源(例えば、芽胞)を、液体又は培地(例えば、対象の芽胞のための栄養培地)と流体連通させることを指すことができる。例えば、培地を収容する、生物学的滅菌インジケーター内部の壊れやすい容器が、少なくとも部分的に、断裂、穿刺、貫通、粉砕、亀裂などを被ることにより、その培地が、生物活性の発生源と流体連通されている場合、この生物学的滅菌インジケーターは、「作動」されているとして説明することができる。換言すれば、生物学的滅菌インジケーターは、生物活性の発生源が、従前は生物活性の発生源から隔離して収容されていた培地に晒されている場合、作動されている。
【0018】
一部の既存の滅菌インジケーター、具体的には、生物学的滅菌インジケーターは、単一のチャンバを内部に画定するハウジングを含み、その単一のチャンバの中に、様々な構成要素(生物学的滅菌インジケーター内の所望の場所(例えば、閉鎖末端部)内に、生物活性の発生源を配置するように適合される、発生源キャリア(例えば、芽胞ストリップ)、及び液体(例えば、栄養培地)を含む容器など)が配置される。しかしながら、本開示は、全般的には、ハウジング内部に形成される2つ以上のチャンバを有する、生物学的滅菌インジケーターを目的とすることにより、容器及び生物活性の発生源を、特に滅菌の間に、互いに隔離して、生物学的滅菌インジケーターの別個の領域内に収容することができる。本開示の生物学的滅菌インジケーターは、2つ以上のチャンバを含み、容器と生物活性の発生源との隔離を提供することができるが、本開示の生物学的滅菌インジケーターは、そのような構成要素間の隔離が、生物学的滅菌インジケーターの他の機能に悪影響を及ぼし得ないように設計されている。例えば、本開示の生物学的滅菌インジケーターはまた、(1)滅菌の間の、生物活性の発生源への滅菌剤の移動、及び/又は(2)所望されるとき(例えば、滅菌の後の生物学的滅菌インジケーターの作動の間)の、生物活性の発生源と接触させる液体の移動を促進することもできる。
【0019】
一部の実施形態では、生物学的滅菌インジケーターを通過する流体の流れ、及び/又は生物学的滅菌インジケーター内部での流体の流れの促進は、1つ以上の内部通気口又は通気チャネルを採用することによって、提供することができる。そのような内部通気口は、生物学的滅菌インジケーター内部に形成される流体通路によって提供することができる。語句「通気口」、「内部通気口」、「通気チャネル」、又はその変化形は、全般的には、生物学的滅菌インジケーターの1つの領域(例えば、チャンバ、リザーバ、容積、部分など)内に存在する気体を、その領域内に別の流体(例えば、液体、気体、又はそれらの組み合わせ)が移動する際に、排出させることを可能にするように配置される、流体通路を指すことができる。具体的には、そのような語句は、全般的には、生物学的滅菌インジケーター内部の1つの領域が、生物学的滅菌インジケーター内部の別の領域へと通気されて(例えば、生物学的滅菌インジケーターが、環境から封止される場合)、生物学的滅菌インジケーターの所望の領域内への流体の移動を促進することを可能にする、内部流体通路を指す。更には、そのような生物学的滅菌インジケーター内部での通気により、生物学的滅菌インジケーターの、より大きい領域から、より小さい領域(例えば、閉鎖末端部)への流体の移動を、特に移動する流体の容積が、より小さい領域の容積よりも大きい場合に、促進することができる。一部の実施形態では、そのような内部の通気により、遠心分離、振盪、叩打などの、実質的な外力又はいずれの外力も使用しない場合であっても、生物学的滅菌インジケーターの内部の流体の流れ、又は生物学的滅菌インジケーターの全体を通過する流体の流れを促進することができる。
【0020】
一部の実施形態では、本開示の生物学的滅菌インジケーターは、第1チャンバと第2チャンバとを流体結合するように配置される、第1流体通路、並びに第2チャンバを、生物学的滅菌インジケーター内部の別のチャンバ(例えば、第1チャンバ)と流体結合するように配置される、第2流体通路を含み得る。第1流体通路は、全般的には、第1チャンバから第2チャンバへ、滅菌剤(すなわち滅菌の間)及び/又は液体(すなわち作動の間)を移動させるために使用することができ、第2流体通路は、全般的には、気体が第2チャンバを抜け出ることを可能にして、第2チャンバ内への滅菌剤及び/又は液体の移動を促進するための、第2チャンバに関する通気口として、使用することができる。そのような実施形態では、第1チャンバを使用して、液体を収容する容器を収納することができ、第2チャンバを使用して、1つ以上の生物活性の発生源を収納することができる。
【0021】
生物学的滅菌インジケーターを、滅菌サイクルに晒した後、滅菌積載物(例えば、滅菌が所望される品目、及び生物学的滅菌インジケーターを含めた)を、滅菌器から取り外すことができる。生物学的滅菌インジケーターを処理する際の、最初の工程のうちの1つは、生物学的滅菌インジケーターを作動させることを含み得る。一部の実施形態では、作動は、生物学的滅菌インジケーターを閉鎖することを含み得、この閉鎖は、生物学的滅菌インジケーターの一部分(例えば、キャップ)を、生物学的滅菌インジケーターの別の部分(例えば、管、基部、管状本体など)に対して移動させることを含み得る。一部の実施形態では、生物学的滅菌インジケーターの内部は、滅菌の間は、環境と流体連通したまま維持されるが、滅菌の後は、環境から遮断することができる。例えば、一部の実施形態では、滅菌の間、生物学的滅菌インジケーターのキャップを、生物学的滅菌インジケーターの内部と環境との間の流体連通を維持する第1の位置で、生物学的滅菌インジケーターの管に結合させることができる。滅菌の後、このキャップを、管に対して更に押し付けて(例えば、生物学的滅菌インジケーターの内部が、もはや環境と流体連通しない、第2の位置へ)、無菌性を維持し、かつ、芽胞の代謝活性及び/又は増殖(すなわち依然として生存可能である場合には)を支援するために使用される培地(例えば、液体)の蒸発率を低減させることができる。この培地は、滅菌の間は収容して、滅菌の後に、生物学的滅菌インジケーターの内部へと解放することができる。例えば、この培地は、滅菌の間は、壊れやすい容器内に芽胞から隔離して収容することができ、この壊れやすい容器は、滅菌の後、作動工程の間に、少なくとも部分的に断裂させて(例えば、生物学的滅菌インジケーターの管又は基部に対する、キャップの移動に応答して)、培地を芽胞と流体連通させ、芽胞の適切な栄養摂取を確実にすることができる。
【0022】
本開示の一部の実施形態では、生物学的滅菌インジケーターの閉鎖(一部分を、別の部分に対して移動させ、内部を封止すること)は、培地を収容する壊れやすい容器の断裂を含むか、又は断裂を引き起こすため、生物学的滅菌インジケーターの閉鎖により、生物学的滅菌インジケーターの作動を引き起こすことができる。
【0023】
本開示の生物学的滅菌インジケーターは、様々な滅菌プロセスと共に使用することができ、それらのプロセスとしては、蒸気(例えば、加圧蒸気)、乾性温熱、気体薬剤若しくは液体薬剤(例えば、エチレンオキシド、過酸化水素、過酢酸、オゾン、又はこれらの組み合わせ)、放射線、又はこれらの組み合わせに対する曝露が挙げられるが、それらに限定されない。少なくとも一部の滅菌プロセスでは、例えば、50℃、100℃、121℃、132℃、134℃などの高温が、プロセスに含まれるか、又は発生する場合がある。更には、例えば、15psi(1×10
5Pa)の高圧及び/又は真空が、発生する場合がある。
【0024】
上述のように、具体的なシステム内で使用される生物活性の発生源は、使用される滅菌プロセスに従って選択される。例えば、蒸気滅菌プロセスに関しては、ゲオバチルス・ステアロサーモフィルス若しくはバチルス・ステアロサーモフィルス、又はこれらの芽胞を使用することができる。別の実施例では、エチレンオキシド滅菌プロセスに関しては、バチルス・アトロファエウス(旧バチルス・サブティリス)、又はその芽胞を使用することができる。一部の実施形態では、滅菌プロセスに耐性を示す芽胞としては、ゲオバチルス・ステアロサーモフィルス、バチルス・ステアロサーモフィルス、バチルス・サブティリス、バチルス・アトロファエウス、バチルス・メガテリウム、バチルス・コアギュランス、クロストリジウム・スポロゲネス、バチルス・プミルスのうちの少なくとも1つ、又はこれらの組み合わせを挙げることができるが、それらに限定されない。
【0025】
本開示の生物学的滅菌インジケーター内での使用に関して好適とすることができる酵素及び基質は、米国特許第5,073,488号(Matnerら)、同第5,418,167号(Matnerら)、及び同第5,223,401号(Foltzら)で特定され、それらが開示する全てに関して、参照により本明細書に組み込まれる。
【0026】
好適な酵素としては、加水分解酵素、並びに/あるいはバチルス・ステアロサーモフィルス及びバチルス・サブティリスなどの芽胞形成微生物由来の酵素を挙げることができる。本開示の生物学的滅菌インジケーター内で有用とすることができる、芽胞形成微生物由来の酵素としては、β−D−グルコシダーゼ、α−D−グルコシダーゼ、アルカリホスファターゼ、酸性ホスファターゼ、ブチラートエステラーゼ、カプリレートエステラーゼリパーゼ、ミリステートリパーゼ、ロイシンアミノペプチダーゼ、バリンアミノペプチダーゼ、キモトリプシン、ホスホヒドロラーゼ、α−D−ガラクトシダーゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、チロシンアミノペプチダーゼ、フェニルアラニンアミノペプチダーゼ、β−D−グルクロニダーゼ、α−L−アラビノフラノシダーゼ、N−アセチル−β−グルコサミノダーゼ、β−D−セロビオシダーゼ、アラニンアミノペプチダーゼ、プロリンアミノペプチダーゼ、及び脂肪酸エステラーゼを挙げることができる。
【0027】
生物学的滅菌インジケーターの一部の実施形態は、酵素と反応して検出可能生成物を形成する、発色基質及び/又は蛍光発生基質を含み得る(参照により本明細書に組み込まれる、M.Rothの、「Methods of Biochemical Analysis」(Vol.17,D.Block,編,Interscience Publishers,New York,1969,p.89);S.Udenfriendの、「Fluorescence Assay in Biology and Medicine」(Academic Press,New York,1962,p.312);並びにD.J.R.Lawrenceの、「Fluorescence Techniques for the Enzymologist,Methods in Enzymology」(Vol.4,S.P.Colowick及びN.O.Kaplan,編,Academic Press,New York,1957,p.174))。これらの基質は、それらが視覚的に検出可能なシグナル又は生成物を作り出す方式に基づいて、2つの群に分類することができる。第1群の基質は、酵素と反応して、それ自体が発色性又は蛍光性である酵素修飾生成物を形成する。第2群の基質は、色又は蛍光シグナルを発生することができる検出可能生成物を作り出すために、追加的化合物と更に反応しなければならない酵素修飾生成物を形成する。
【0028】
結果として、語句「検出可能生成物」は、以下で説明される検出方法又はプロセスのうちのいずれかによって検出することができる、いずれかの分子、化合物、物質、基質など、又はそれらの組み合わせを指すことができる。例えば、そのような検出可能生成物は、生物活性の発生源の生存度の標示とすることができ、そのような生成物の検出により、一般的には、滅菌プロセスの失敗又は不十分性を示すことができる。
【0029】
一部の実施形態では、活性酵素源は、(1)精製され、単離される、適切な微生物由来の酵素、(2)その酵素が常在するか、又は遺伝子工学によって付加される微生物、及び/又は(3)芽胞形成若しくは増殖の間に、その酵素が付加されていることにより、その酵素が取り込まれるか、又は関連付けられる微生物(例えば、芽胞形成の間に、芽胞に付加される酵素は、その芽胞の内部に取り込まれる)とすることができる。一部の実施形態では、酵素源として利用することができる微生物としては、芽胞若しくは栄養型のいずれかの状態の細菌又は真菌が挙げられる。一部の実施形態では、酵素源としては、バチルス、クロストリジウム、ニューロスポラ、カンジダ、又はそのような微生物種の組み合わせが挙げられる。
【0030】
α−D−グルコシダーゼ酵素は、American Type Culture Collection(Rockville,Md)より、「ATCC 8005」及び「ATCC 7953」として市販されるものなどのバチルス・ステアロサーモフィルスの芽胞内に特定されている。β−D−グルコシダーゼ酵素は、B.サブティリス(例えば、American Type Culture Collectionより「ATCC 9372」として市販)内に見出されている。
【0031】
単離酵素が利用されるか、又は酵素源として使用される微生物が、天然汚染物質よりも滅菌条件に対して耐性を示さない場合には、滅菌条件を監視するために通常使用される別の微生物を、その酵素源と共に、滅菌サイクルに晒すことができる。そのような場合には、本開示の方法は、滅菌サイクル後に残存するいずれかの生存微生物を、水性栄養培地でインキュベートして、滅菌の有効性を確認する工程を含み得る。
【0032】
全般的には、滅菌プロセスの有効性を監視することは、本開示の生物学的滅菌インジケーターを、滅菌器内に定置することを含み得る。一部の実施形態では、滅菌器は、滅菌チャンバを含み、この滅菌チャンバは、滅菌される複数個の物品を収容するようにサイズ決定することができ、チャンバから空気及び/若しくは他の気体を排気する手段、並びにチャンバに滅菌剤を添加するための手段を装備することができる。本開示の生物学的滅菌インジケーターは、最も滅菌が困難である、滅菌器の区域内(例えば、排出管の上方)に配置することができる。あるいは、本開示の生物学的滅菌インジケーターは、滅菌チャンバ内に生物学的滅菌インジケーターを配置する際に、滅菌される物品に隣接して(又は、概して近位に)配置することもできる。更には、生物学的滅菌インジケーターは、滅菌器内で使用することができるプロセスチャレンジデバイス内に配置することができる。
【0033】
滅菌プロセスは、滅菌される物品及び生物学的滅菌インジケーターを、滅菌剤に晒すことを更に含み得る。一部の実施形態では、滅菌剤は、チャンバ内に存在する、あらゆる空気又は他の気体の少なくとも一部分を、チャンバから排気した後に、滅菌チャンバに添加することができる。あるいは、滅菌剤は、チャンバを排気することなく、チャンバに添加することもできる。一連の排気行程を使用することにより、滅菌剤を、チャンバ内部の全ての所望の区域に到達させ、生物学的滅菌インジケーターを含めた、滅菌される全ての所望の物品と接触させることを確実にすることができる。
【0034】
全般的には、生物学的滅菌インジケーターを、滅菌サイクルに晒した後に、液体(例えば、増殖培地、固体増殖培地と混合することができる水など、又はそれらの組み合わせ)を、芽胞に導入することができる。上述のように、芽胞に液体を導入する工程は、「作動工程」と称することができる。芽胞が滅菌サイクルを生き残った場合には、液体は、その芽胞の代謝活性及び/又は増殖を促進することになり、そのような活性及び/又は増殖を調査することができる。増殖が観察される場合には、その滅菌サイクルは、一般に無効であると判断される。
【0035】
図1〜7は、本開示の一実施形態による、生物学的滅菌インジケーター100を示す。生物学的滅菌インジケーターの他の好適な実施形態は、同時係属のPCT国際公開第2011/011189号、表題「Biological Sterilization Indicator and Method of Using Same」;米国特許出願第61/409,042号、表題「Biological Sterilization Indicator System and Method」;同第61/408,997号、表題「Biological Sterilization Indicator System and Method」;及び同第61/408,977号、表題「Biological Sterilization Indicator」で説明され、これらのそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0036】
生物学的滅菌インジケーター100は、ハウジング102を含み得、このハウジング102は、一体に結合されて、内蔵型の生物学的滅菌インジケーターを提供するように適合される、第1部分104及び第2部分106(例えば、キャップ)を含み得る。一部の実施形態では、第1部分104及び第2部分106は、同じ材料で形成することができ、一部の実施形態では、第1部分104及び第2部分106は、異なる材料で形成することができる。ハウジング102は、生物学的滅菌インジケーター100のリザーバ103を画定することができ、このリザーバ103内に、他の構成要素を配置することができ、滅菌プロセスの間、滅菌剤を注ぎ込むことができる。
【0037】
ハウジング102は、第1部分104の壁部108、及び/又は第2部分106の壁部110などの、少なくとも1つの液体不透過性の壁部によって、画定することができる。一部品の一体型ハウジング102もまた採用することができ、又は第1部分104及び第2部分106は、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の形状、寸法、若しくは相対的構造を取ることができる点を理解するべきである。ハウジング102(例えば、壁部108及び壁部110)に関して好適な材料としては、ガラス、金属(例えば、箔)、ポリマー(例えば、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリフェニレン(PPE)、ポリエチレン、ポリスチレン(PS)、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET))、ポリメタクリル酸メチル(PMMA又はアクリル樹脂)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、シクロオレフィンポリマー(COP)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、ポリスルホン(PSU)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリブチレンテレフタレート(PBT))、セラミック、磁器、又はこれらの組み合わせを挙げることができるが、それらに限定されない。
【0038】
一部の実施形態では、生物学的滅菌インジケーター100は、液体(例えば、水性混合物)122を収容し、かつ生物学的滅菌インジケーター100の内部、例えば、ハウジング102の少なくとも一部分の内部(例えば、少なくとも、ハウジング102の第1部分104の内部)に受容されるように寸法決めされる、壊れやすい容器120を更に含み得る。壊れやすい容器120は、様々な材料で形成することができ、それらの材料としては、金属(例えば箔)、ポリマー(例えば、ハウジング102に関して上記に列挙されるポリマーのうちのいずれか)、ガラス(例えば、ガラスアンプル)、及びこれらの組み合わせのうちの1つ以上が挙げられるが、それらに限定されない。一部の実施形態では、容器120の一部分のみが壊れやすく、例えば、容器120は、壊れやすい部分又はカバー(例えば、壊れやすい障壁、フィルム、膜など)を含み得る。壊れやすい容器120は、容器120が無損傷であり、かつ液体122が中に収容される第1の状態、及び容器120の少なくとも一部分が断裂する第2の状態を有し得る容器120の第2の状態では、液体122は、例えば容器120が生物学的滅菌インジケーター100内に配置される場合、生物学的滅菌インジケーター100のリザーバ103と流体連通することができる。
【0039】
例示の実施形態に示すように、容器120は、以下でより詳細に説明される、挿入部材130によって、生物学的滅菌インジケーター100内部で定位置に保持し、かつ/又は断裂させることができる。
【0040】
ハウジング102の第1部分104は、生物学的滅菌インジケーター100の構成要素の大半を収容するように適合させることができ、「管」、「管状本体」、「基部」などと称することができる。ハウジング102は、ハウジング102の第1部分104及び第2部分106の一方若しくは双方によって画定することができる、リザーバ103を含み得る。生物学的滅菌インジケーター100は、リザーバ103と流体連通して配置される、芽胞又は別の生物活性の発生源115(又は芽胞の所在部位)を更に含み得る。
図1〜3に示すように、ハウジング102の第2部分106は、1つ以上の開口107を含み、ハウジング102の内部(例えば、リザーバ103)と環境との間の流体連通を提供することができる。例えば、1つ以上の開口107は、滅菌プロセスの間、芽胞115と環境との間の流体連通を提供することができ、生物学的滅菌インジケーター100内への入口としての、かつ滅菌剤通路164(以下でより詳細に説明する)の入口としての役割を果たすことができる。一部の実施形態では、ハウジング102の第2部分106を、ハウジング102の第1部分104の第1(例えば、開放)末端部101に結合することができ、芽胞115を、ハウジング102の第1部分104の、第1末端部101とは反対側の第2(例えば、閉鎖)末端部105に配置することができる。
【0041】
一部の実施形態では、障壁又はフィルター(例えば、無菌障壁、図示せず)を、滅菌剤通路164内に(例えば、開口107によって形成される入口に)配置して、汚染性若しくは異質の生物、物体、又は材料が、生物学的滅菌インジケーター100に入り込むことを阻止することができる。そのような障壁は、気体透過性、微生物不透過性の材料を含み得、様々な結合手段によって、ハウジング102に結合することができ、それらの手段としては、接着剤、熱融着、超音波溶接などが挙げられるが、これらに限定されない。あるいは、この障壁は、ハウジング102の第1部分104に結合される(例えば、スナップ嵌め係合、ねじ込み係合、圧入係合、又はこれらの組み合わせで)支持構造(第2部分106など)を介して、滅菌剤通路164に結合することができる。滅菌剤への曝露の間、滅菌剤は、この障壁を通過して、滅菌剤通路164に入り、芽胞115と接触することができる。
【0042】
一部の実施形態では、例示の実施形態に示すように、ハウジング102は、内側壁部(又は部分的壁部)118、棚部、隔壁、フランジなどによって少なくとも部分的に隔離することができる下方部分114及び上方部分116を含み得、この内側壁部118内には、下方部分114と上方部分116との間の流体連通を提供する、開口部117を形成することができる。一部の実施形態では、ハウジング102の第1部分104の下方部分114(単純に「下方部分114」又は「ハウジング102の下方部分114」と称される場合もある)は、芽胞115又は芽胞の所在部位を収容するように適合させることができる。一部の実施形態では、下方部分114は、ハウジング102の「検出部分」又は「検出領域」と称することができるが、これは、下方部分114の少なくとも一部分を、芽胞の増殖の標示に関して検査することができるためである。更には、一部の実施形態では、ハウジング102の第1部分104の上方部分116(簡略性のために、「上方部分116」又は「ハウジング102の上方部分116」と称される場合もある)は、特に作動の前に、壊れやすい容器120の少なくとも一部分を収容するように適合させることができる。
【0043】
一部の実施形態では、ハウジング102の上方部分116によって少なくとも部分的に画定される、リザーバ103の部分は、第1チャンバ(又はリザーバ、区画、領域、又は容積)109と称することができ、ハウジング102の下方部分114によって少なくとも部分的に画定される、リザーバ103の部分は、第2チャンバ(又はリザーバ、区画、領域、又は容積)111と称することができる。一部の実施形態では、第2チャンバ111は、「芽胞増殖チャンバ」又は「検出チャンバ」と称することができ、滅菌プロセスの有効性を判定するために、芽胞の生存度に関して検査される容積を含み得る。
【0044】
第1チャンバ109及び第2チャンバ111は、滅菌剤及び液体122が、第1チャンバ109から(すなわち第1チャンバ109を通過して)第2チャンバ111に移動することを可能にするように、互いに流体連通して配置することができる。一部の実施形態では、第1チャンバ109と第2チャンバ111との間の流体接続の程度(例えば、第1チャンバ109と第2チャンバ111とを接続する、開口部117などの、開口部のサイズ)は、作動工程(すなわち液体122が容器120から解放されること)の後に、作動工程と同時に、及び/又は作動工程に応答して、増大させることができる。一部の実施形態では、第1チャンバ109(例えば、上方部分116内の)と第2チャンバ111(例えば、下方部分114内の)との間の流体連通(又は流体接続の度合)の制御は、挿入部材130の少なくとも一部分によって提供することができる。
【0045】
容器120は、滅菌の間、及び容器120が第1の断裂していない状態にあるとき、第1チャンバ109内に配置して、保持することができる。芽胞115は、容器120が第1の状態にあるとき、第2チャンバ111内に環境と流体連通して収容することができる。第1チャンバ109及び第2チャンバ111は、容器120が、第2チャンバ111内に存在しないように、具体的には、容器120が、第1の断裂していない状態にあるときに、第2チャンバ111内に存在しないように構成することができる。滅菌剤は、滅菌の間に、第2チャンバ111内に移動することができ(例えば、第1チャンバ109を介して)、液体122は、作動の間に、容器120が断裂して、液体122がハウジング102の内部へと解放されると、第2チャンバ111内に移動することができる(例えば、第1チャンバ109から)。
【0046】
結果として、容器120が第1の状態にあるとき、第1チャンバ109及び第2チャンバ111は、互いに、また環境と(例えば、滅菌の間)、流体連通することができる。例えば、第1チャンバ109及び第2チャンバ111は、1つ以上の開口107を介して、環境と流体連通することができる。一部の実施形態では、第1チャンバ109及び第2チャンバ111は、滅菌剤が生物学的滅菌インジケーター100に入る際に、第1チャンバ109が、第2チャンバ111の上流に配置されるような方式で、環境と流体連通することができる。すなわち第1チャンバ109は、滅菌剤の入口(例えば、1つ以上の開口107)と第2チャンバ111との間に配置することができ、滅菌剤の入口は、第1チャンバ109の、第2チャンバ111とは反対の側に、配置することができる。
【0047】
図4及び
図6に示すように、一部の実施形態では、第1チャンバ109は、特に容器120が第1の状態にある場合、第1部分104及び第2部分106の一方若しくは双方によって画定することができる。更には、一部の実施形態では、第1チャンバ109は、ハウジング102の第1部分104の開放末端部101に隣接し、ハウジング102の第2部分106に隣接して配置され、かつ/又は第2部分106によって少なくとも部分的に画定される、第1末端部112を含み得る。第1チャンバ109は、第2チャンバ111に隣接し、かつ第2チャンバ111と流体連通して配置され、ハウジング102の閉鎖末端部105に向けて配置される、第2末端部113を更に含み得る。第1チャンバ109の第1末端部112は、ハウジング102の第1部分104及び/又は第2部分106によって、画定することができる。
【0048】
図4及び
図6に更に示すように、一部の実施形態では、第2チャンバ111は、第1チャンバ109に隣接し、かつ第1チャンバ109と流体連通して配置され、ハウジング102の開放末端部101に向けて配置される、第1末端部124と、ハウジング102の閉鎖末端部105によって少なくとも部分的に画定されるか、閉鎖末端部105を含むか、又は閉鎖末端部105に隣接して配置される、第2末端部125とを含み得る。
【0049】
換言すれば、
図4及び
図6に示すように、生物学的滅菌インジケーター100は、長手方向D
Lを含み得、一部の実施形態では、第1チャンバ109は、第2チャンバ111の長手方向上方に、配置することができる。
【0050】
一部の実施形態では、第2チャンバ111は、生物学的滅菌インジケーター100の閉鎖末端部105によって、少なくとも部分的に画定することができるか、閉鎖末端部105を含み得るか、又は閉鎖末端部105に隣接して配置することができる。更には、一部の実施形態では、第2チャンバ111は、第1チャンバ109、及び生物学的滅菌インジケーター100が作動される際に解放される、容器120内の液体122の容積のうちの少なくとも一方よりも小さく(例えば、容積及び/又は断面積で)することができる。結果として、そのような実施形態では、第2チャンバ111は、第2チャンバ111内に存在する気体(例えば、空気)が、第2チャンバ111内への流体の移動を阻止する恐れがある、空気閉塞効果を呈し得る。一部の実施形態では、以下でより詳細に説明するように、第2チャンバ111が、生物学的滅菌インジケーター100の別の部分に通気することを可能にする、流体通路により、第2チャンバ111内への流体の移動を促進することができる。
【0051】
一部の実施形態では、壁部118(「分割壁」と称される場合もある)は、角度を付けるか、又は傾斜させて、例えば、ハウジング102の長手方向D
Lに対して、非ゼロの角度かつ非直角の方向に(例えば、長手方向D
Lが、ハウジング102の長さに沿って延びる場合)配置することができる。壁部118の、そのような角度付け又は傾斜により、滅菌の後に、容器120が破砕されて、液体122を解放した後の、上方部分116から下方部分114への、液体122の移動を促進することができる。
【0052】
図1〜3に示すように、一部の実施形態では、壁部118は、ハウジング102の内法寸法の変化によって、少なくとも部分的に形成することができる。例えば、図示のように、壁部118は、第1チャンバ109内の第1の長手方向位置から、第2チャンバ111内の第2の長手方向位置への、断面積の減少によって形成することができる。更には、単なる例として、ハウジング102の内部断面形状を、第1チャンバ109から第2チャンバ111への移行部で、第1チャンバ109内の実質的に丸い形(例えば、周長の50%未満を構成する、1つの平坦面を有する)から、第2チャンバ111内の実質的な平行六面体(例えば、実質的な正方形)へと、変化させることができる。
【0053】
更には、一部の実施形態では、壁部118はまた、ハウジング102の外法寸法の変化によって、少なくとも部分的に形成することもできる。
図1〜3に示すように、一部の実施形態では、ハウジング102は、壁部118と一致して角度付けされ(壁部118が角度付けされる場合には)、かつハウジング102の外側形状及び外法寸法の変化を含む、段差部(又は、棚部、張り出し部、移行部など)123を含む。しかしながら、一部の実施形態では、ハウジング102の内法寸法が変化して、第1チャンバ109とは異なる断面形状又は寸法を有する、第2チャンバ111を作り出す場合であっても、ハウジング102の外側形状及び外法寸法を変化させる必要はないこと、又は内側形状及び/又は内法寸法の変化と一致して変化させる必要はないことを理解するべきである。例えば、一部の実施形態では、段差部123は、長手方向D
Lに対して、実質的に垂直に配向することができる。
【0054】
一部の実施形態では、リザーバ103は、少なくとも約0.5ミリリットル(mL)の容積を有し、一部の実施形態では、少なくとも約1mL、一部の実施形態では、少なくとも約1.5mLの容積を有する。一部の実施形態では、リザーバ103は、約5mL以下の容積を有し、一部の実施形態では、約3mL以下、一部の実施形態では、約2mL以下の容積を有する。
【0055】
一部の実施形態では、壊れやすい容器120は、少なくとも約0.25mLの容積を有し、一部の実施形態では、少なくとも約0.5mL、一部の実施形態では、少なくとも約1mLの容積を有する。一部の実施形態では、壊れやすい容器120は、約5mL以下の容積を有し、一部の実施形態では、約3mL以下、一部の実施形態では、約2mL以下の容積を有する。
【0056】
一部の実施形態では、壊れやすい容器120内に収容される液体122の容積は、少なくとも約50マイクロリットル、一部の実施形態では、少なくとも約75マイクロリットル、一部の実施形態では、少なくとも約100マイクロリットルである。一部の実施形態では、壊れやすい容器120内に収容される液体122の容積は、約5mL以下、一部の実施形態では、約3mL以下、一部の実施形態では、約2mL以下である。
【0057】
一部の実施形態では、第1チャンバ109(すなわちハウジング102の第1部分104の上方部分116によって形成される)は、少なくとも約500マイクロリットル(又は立方ミリメートル)の容積を有し、一部の実施形態では、少なくとも約1000マイクロリットル、一部の実施形態では、少なくとも約2000マイクロリットル、一部の実施形態では、少なくとも約2500マイクロリットルの容積を有する。一部の実施形態では、第1チャンバ109は、約5000マイクロリットル以下の容積を有し、一部の実施形態では、約4000マイクロリットル以下、一部の実施形態では、約3000マイクロリットル以下の容積を有する。一部の実施形態では、第1チャンバ109は、約2790マイクロリットル、又は2800マイクロリットルの容積を有する。
【0058】
一部の実施形態では、第2チャンバ111(すなわちハウジング102の第1部分104の下方部分114によって形成される)は、少なくとも約5マイクロリットルの容積を有し、一部の実施形態では、少なくとも約20マイクロリットル、一部の実施形態では、少なくとも約35マイクロリットルの容積を有する。一部の実施形態では、第2チャンバ111は、約250マイクロリットル以下の容積を有し、一部の実施形態では、約200マイクロリットル以下、一部の実施形態では、約175マイクロリットル以下、一部の実施形態では、約100マイクロリットル以下の容積を有する。一部の実施形態では、第2チャンバ111は、約208マイクロリットル、又は210マイクロリットルの容積を有する。
【0059】
一部の実施形態では、第2チャンバ111の容積は、第1チャンバ109の容積の少なくとも約5%であり、一部の実施形態では、少なくとも約7%である。一部の実施形態では、第2チャンバ111の容積は、第1チャンバ109の容積の約20%以下であり、一部の実施形態では、約15%以下、一部の実施形態では、約12%以下、一部の実施形態では、約10%以下である。一部の実施形態では、第2チャンバ111の容積は、第1チャンバ109の容積の約7.5%である。
【0060】
一部の実施形態では、第2チャンバ111の容積は、容器120内に収容される液体122の容積の約60%以下であり、一部の実施形態では、約50%以下、一部の実施形態では、約25%以下である。一部の実施形態では、容器120内に収容される液体122の容積よりも実質的に少ない容積を有するように、第2チャンバ111を設計することにより、その追加的な液体容積が、意図せざる蒸発を補償し得ることを確実にすることができる。
【0061】
一部の実施形態では、第1チャンバ109(すなわちハウジング102の第1部分104の上方部分116によって形成される)は、第1チャンバ109と第2チャンバ111との間の移行部で、又は第2チャンバ111に隣接する位置で、少なくとも約25mm
2の断面積(又は、平均断面積)を有し、一部の実施形態では、少なくとも約30mm
2、一部の実施形態では、少なくとも約40mm
2の断面積を有する。一部の実施形態では、第1チャンバ109は、第1チャンバ109と第2チャンバ111との間の移行部で、又は第2チャンバ111に隣接する位置で、約100mm
2以下の断面積を有し、一部の実施形態では、約75mm
2以下、一部の実施形態では、約50mm
2以下の断面積を有する。
【0062】
一部の実施形態では、第2チャンバ111(すなわちハウジング102の第1部分104の下方部分114によって形成される)は、第1チャンバ109と第2チャンバ111との間の移行部で、又は第1チャンバ109に隣接する位置で、少なくとも約5mm
2の断面積を有し、一部の実施形態では、少なくとも約10mm
2、一部の実施形態では、少なくとも約15mm
2の断面積を有する。一部の実施形態では、第2チャンバ111は、約30mm
2以下の断面積(又は、平均断面積)を有し、一部の実施形態では、約25mm
2以下、一部の実施形態では、約mm
2以下の断面積を有する。
【0063】
一部の実施形態では、第1チャンバ109と第2チャンバ111との間の移行部での、第2チャンバ111の断面積は、その移行部での第1チャンバ109の断面積の、約60%以下、一部の実施形態では、約50%以下、一部の実施形態では、約40%以下、一部の実施形態では、約30%以下とすることができる。
【0064】
一部の実施形態では、生物学的滅菌インジケーター100は、基材119を更に含み得る。一部の実施形態では、
図1〜4、及び
図6に示すように、基材119は、壁部118に隣接して、具体的には、壁部118の上に安置されるように、配置することができる。基材119は、生物学的滅菌インジケーター100の上方部分116(すなわち第1チャンバ109)と下方部分114(すなわち第2チャンバ111)との間に配置することができ、一部の実施形態では、第1チャンバ109及び第2チャンバ111を、少なくとも部分的に画定することができる。それゆえ、一部の実施形態では、基材119は、容器120と芽胞115との間に配置することができる。一部の実施形態では、基材119は、基材119が第2チャンバ111内に配置されないように、第1チャンバ109内に、すなわち壁部118の第1チャンバ側上に配置することができる。
【0065】
更には、基材119は、第2チャンバ111から外への、検定シグナル(例えば、蛍光)の拡散を、最小限に抑えるように配置することができる。一部の実施形態では、基材119の材料構成に応じて、基材119はまた、生物学的滅菌インジケーター100からのシグナルの正確な読み取りを阻害する恐れのある、染料、指示試薬、又は溶液からの他の材料(すなわち「阻害物質」)を吸収することもできる。一部の実施形態では、
図1〜4、6、及び
図7に示すように、基材119は、1つ以上の開口121を含み得、この開口121は、生物学的滅菌インジケーター100の第1チャンバ109と第2チャンバ111との間の、流体の移動を制御する(すなわち数、サイズ、形状、及び/又は場所に応じて、促進並びに/あるいは制限する)ように構成することができ、具体的には、容器120が断裂される際、芽胞115への液体122の移動を促進することができる。単なる例として、図示のように、開口121を、基材119の中心の前方(又は「の前部」)に配置した場合、具体的な利益又は有利点が認められた。
図1〜7に示す実施形態では、生物学的滅菌インジケーター100又は内部構成要素の「前方」とは、全般的には、平坦面126に向かうものとして説明することができる。全般的には、生物学的滅菌インジケーター100の「前方」は、読み取り装置によって検査される、生物学的滅菌インジケーター100の部分を指すことができる。
【0066】
更には、単なる例として、開口121は、円形又は丸い形であるとして示されるが、しかしながら、他の断面開口形状も可能であり、本開示の範囲内にある。更には、単なる例として、また
図3に示すように、基材119は、第1チャンバ109と第2チャンバ111との間の移行部で、第1チャンバの断面積を実質的に充填するように成形される。しかしながら、基材119の他の形状も可能であり、生物学的滅菌インジケーター100の、ハウジング102、第1チャンバ109、第2チャンバ111、壁部118、又は別の部分に対応するように適合させることができる。
【0067】
上述のように、第2チャンバ111は、検査される容積を含み得る。そのような容積を、芽胞の生存度に関して検定し、滅菌手順の致死性又は有効性を判定することができる。一部の実施形態では、この検査される容積は、第2チャンバ111の全て、又は一部分とすることができる。一部の実施形態では、基材119は、検査される容積の外側に配置することができ、このことにより、その容積内の、検定プロセスを妨害する恐れがある構造の数を、最小限に抑えることができる。例えば、一部の実施形態では、基材119が、芽胞115、芽胞キャリア135、及び芽胞リザーバ136のうちの少なくとも1つと直接接触しないように、基材119を配置することができる。一部の実施形態では、基材119が、検出システム(例えば、蛍光励起源及び発光検出器などの、光学検出システム)と、芽胞115、芽胞キャリア135、及び芽胞リザーバ136のうちの少なくとも1つとの間に位置しないように、基材119を配置することができる。基材119は、容器120が第1の状態及び/又は第2の状態にあるとき、特に、容器120が第2の状態にあるとき、上記の位置を有し得る。
【0068】
更には、基材119は、容器120が第1の状態にあるとき、基材119が容器120と直接接触しないように、生物学的滅菌インジケーター100内に配置することができる。例えば、一部の実施形態では、基材119は、第1チャンバ109内に(例えば、第1チャンバ109の底部末端部(例えば、第2末端部113)に隣接して)配置することができるが、そのような実施形態であっても、基材119が容器120に接触しないように、基材119を配置することができる。例えば、
図1、2、及び
図4〜6に示すように、一部の実施形態では、容器120が第1の状態にあるとき、挿入部材130を、容器120と基材119との間に配置することができ、それにより、挿入部材130が、容器120を第1の状態に保持する。挿入部材130、又はその一部分は、基材119に隣接して配置することができる。例えば、例示の実施形態に示すように、基材119は、挿入部材130と壁部118との間に(例えば、間に挟み込んで)配置することができる。それゆえ、一部の実施形態では、基材119は、挿入部材130と第2チャンバ111との間に配置することができる。一部の実施形態では、容器120が第2の状態にあるとき、容器120の断裂部分、すなわち破片が、基材119と接触する場合があるが、一部の実施形態では、容器120の断裂部分は、基材119と接触することがない。
【0069】
上述のように、一部の実施形態では、基材119は、生物学的滅菌インジケーター100内の、流体の流れを制御するか、若しくは流体の流れに影響を及ぼすように、具体的には、第1チャンバ109と第2チャンバ111との間の流体の流れを制御するように、配置及び構成することができる。例えば、一部の実施形態では、基材119は、滅菌剤が第2チャンバ111に(及び芽胞115に)送達される速度を制御するように構成する(例えば、サイズ決定する、成形する、配向する、かつ/又は特定の材料で構築する)ことができ、それによって、芽胞115の「殺傷率」を制御することができる。例えば、滅菌剤の送達速度は、基材119が、第1チャンバ109と第2チャンバ111との間に存在しない場合には、そうではない場合よりも小さくなる可能性がある。すなわち一部の実施形態では、基材119は、芽胞115を選択的に防護することによって、殺傷率を制御することができる。一部の実施形態では、基材119は、生物学的滅菌インジケーター100内での、流体の流れを制御するための、具体的には、滅菌剤の送達を制御するための、「弁」としての役割を果たし得る。更には、一部の実施形態では、基材119は、例えば、芽胞115が滅菌プロセスを生き残った場合には、芽胞115によって生成される反応を、増進又は調節する特性を有し得る。
【0070】
更には、一部の実施形態では、基材119は、検査される容積から外へと検出可能生成物が拡散する速度を制御するように構成する(例えば、サイズ決定する、成形する、配置する、配向する、かつ/又は特定の材料で構築する)ことができる。一部の実施形態では、検出可能生成物は、芽胞の生存度を示すシグナル(例えば、蛍光シグナル)を含み得、一部の実施形態では、検出可能生成物は、芽胞115自体とすることができる。検査される容積から外への、検出可能生成物の拡散を制御することは、液体122の容積が、第2チャンバ111の(又は検査される容積の)容積よりも大きい実施形態で、特に有用とすることができるが、これは容器120が、その第2の断裂した状態にあるとき、そのような実施形態での液体122が、生物学的滅菌インジケーター100内で、第2チャンバ111(又は検査される容積)よりも高いレベルまで、延在し得るためである。そのような実施形態では、検出可能生成物は、液体122の容積の全体にわたって(すなわち検査される容積の、外側の容積にまで)、自由に移動することができるが、ただし、基材119などの、そのような拡散を制御するための何らかの障壁又は手段が存在する場合は、その限りではない。例えば、一部の実施形態では、基材119を、検査される容積の直上の(すなわち液体122のレベルよりも低い)レベルに配置して、基材119の上方に位置する液体122の部分への、検出可能生成物の移動を阻止することができる。
【0071】
一部の実施形態では、基材119は、滅菌剤及び/又は検出可能生成物に対する、物理的障壁若しくは遮断物を提供することによって、滅菌剤の送達速度(例えば、第2チャンバ111内への)及び/又は検出可能生成物の拡散速度(例えば、第2チャンバ111から外への)を制御することができる。そのような物理的障壁はまた、容器120が、第2の断裂した状態にあるとき、容器120の破砕部分を回収する機能も果たし、その破砕部分が、検出プロセス(例えば、光学検出プロセス)を遮断、屈折、反射、又は他の方法で妨害する恐れがある、検査される容積内への破砕部分の移動を阻止することができる。
【0072】
更には、一部の実施形態では、液体122は、芽胞115と接触する前、又は接触した後に、正確な検定若しくは検出プロセスを妨害する恐れがある、1種以上の阻害物質又は他の構成成分を含み得る。一部の実施形態では、阻害物質の例としては、染料、指示試薬、芽胞の生存度の検出のために不可欠な反応(例えば、酵素反応)を阻害する恐れがある他の材料若しくは物質(例えば、塩類など)、検出プロセスを妨害する恐れがある他の材料若しくは物質のうちの少なくとも1つ、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。そのような実施形態では、基材119は、液体122からの、又は少なくとも、検査される液体122の容積からの1種以上の阻害物質を、吸収及び/又は選択的に濃縮するように構成することができる。
【0073】
例えば、一部の実施形態では、芽胞115と接触する前に、又は芽胞115との接触の結果として、2種以上の指示試薬が液体122中に存在し得る。そのような実施形態では、第1の指示試薬(例えば、蛍光検出に関して使用される)は、芽胞の生存度の検出のために不可欠とすることができるが、その一方で、第2の指示試薬(例えば、pH指示薬)が、実際に、第1の指示試薬の検出に干渉する場合がある。単なる例として、第2の指示試薬がpH指示薬(例えば、以下で説明されるpH指示薬のうちの1つ以上)である実施形態では、pH指示薬は、例えばそのpH指示薬が、第1の指示試薬の蛍光のスペクトルバンドと類似する波長で、電磁放射線を放出する(例えば、pH指示薬が色の推移を呈する際に)実施形態では、第1の指示試薬の蛍光読み取りに抵触又は干渉する場合がある。そのような実施形態では、基材119は、液体122と接触して配置される際に、第2の指示試薬を吸収及び/又は選択的に濃縮して、液体122中の、又は少なくとも検査される液体122の容積中の、第2の指示試薬の濃度を低減するように構成する(例えば、適切な材料で形成する)ことができる。
【0074】
更には、一部の実施形態では(例えば、壁部118が傾斜しており、基材119が、壁部118に隣接して配置される実施形態では)、基材119は、角度を付けるか、又は傾斜させて、例えば、ハウジング102の長手方向D
Lに対して、非ゼロの角度かつ非直角の方向に配置することができる。基材119の、そのような角度付け又は傾斜により、滅菌の後に、容器120が破砕されて、液体122を解放した後の、第1チャンバ109から第2チャンバ111への、液体122の移動を促進することができる。
【0075】
一部の実施形態では、基材119は、上記の機能のうちの1つ以上を達成するために、様々な材料で形成することができる。基材材料の例としては、綿、グラスウール、布、不織ポリプロピレン、不織レーヨン、不織ポリプロピレン/レーヨン配合物、不織ナイロン、不織ガラス繊維若しくは他の不織繊維、濾紙、微多孔性の疎水性及び親水性フィルム、ガラス繊維、連続気泡ポリマーフォーム、及び半透過性プラスチックフィルム(例えば、粒子充填フィルム、熱誘起相分離(TIPS)膜など)、並びにこれらの組み合わせを挙げることができるが、それらに限定されない。例えば、基材119を使用して、1種以上の指示試薬(例えば、ブロモクレゾールパープル(BCP))を選択的に濃縮することができる実施形態では、基材119は、荷電ナイロン(GE Water & Process Technologies(Trevose,PA)より、商品名「MAGNAPROBE」(例えば、0.45マイクロメートルの孔径、30cm×3mのロール、カタログ番号NP0HY00010、材料番号1226566)で入手可能な、リプローブ可能な荷電転写膜など)で形成することができる。
【0076】
基材119は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、同時係属の米国特許出願第61/408,977号で、より詳細に説明される。基材119を採用することができる方法及びシステムの実施例はまた、同時係属の米国特許出願第61/408,887号、表題「Method of Detecting a Biological Activity」、及び同第61/408,966号、表題「Method of Detecting a Biological Activity」に記載され、これらのそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0077】
一部の実施形態では、挿入部材130、壁部118、及び/又は基材119若しくはその中の開口部のうちの1つ以上の、少なくとも一部分は、第1チャンバ109(例えば、上方部分116内の)と第2チャンバ111(例えば、下方部分114内の)との間の流体連通を提供することができ、かつ/あるいは、第1チャンバ109と第2チャンバ111との間の流体連通を制御することができる(例えば、第1チャンバ109と第2チャンバ111との間の流体接続の度合を制御することによって)。
【0078】
生物学的滅菌インジケーター100は、第1チャンバ109と第2チャンバ111とを流体結合するように配置することができる、第1流体通路160を含み得、この第1流体通路160は、滅菌剤(例えば、滅菌の間の、容器120が、第1の断裂していない状態にあるとき)及び/又は液体122(例えば、滅菌の後の作動の間に、容器120が、第2の断裂した状態にあるとき)が、芽胞115に到達することを可能にすることができる。図示の実施形態では、第1流体通路160は、全般的には、以下のうちの1つ以上によって、画定することができる:(1)挿入部材130、例えば、以下で説明する開口177、挿入部材130内に形成される開口部、及び/又は挿入部材130(例えば、その前方部分)とハウジング102との間などの、挿入部材130の周囲のいずれかの開放空間を介して;(2)壁部118、例えば、壁部118によって画定される開口117;(3)基材119、例えば、その中に形成される開口121、又は基材119(例えば、その前方部分)とハウジング102との間などの、基材119の周囲のいずれかの開放空間;(4)ハウジング102、例えば、その中に形成される、いずれかの開口部又は空間;及びこれらの組み合わせ。結果として、第1流体通路160は、全般的には、図示の実施形態では、
図4及び
図7の矢印によって表される。
【0079】
生物学的滅菌インジケーター100は、第2チャンバ111を、第1チャンバ109などの、生物学的滅菌インジケーター100の別のチャンバ若しくは別の部分と流体結合するように配置される、第2流体通路162を更に含み得る。第2流体通路162は、例えば、滅菌剤及び/又は液体122が、第2チャンバ111内に移動される際、第2チャンバ111内に従前に存在していた気体が排出されて、第2チャンバ111から抜け出ることを可能にするように、更に配置することができる。それゆえ、以下でより詳細に説明される、第2流体通路162は、生物学的滅菌インジケーター100内の内部通気口としての役割を果たし得る。
【0080】
一部の実施形態では、基材119は、以下のうちの少なくとも1つを可能にし得る、第1チャンバ109と第2チャンバ111との間の物理的障壁又は遮断物を提供することができる:滅菌剤が第2チャンバ111内に送達される際の、滅菌剤の送達速度/殺傷率の制御;第2チャンバ111から外への、芽胞115及び/又は検出可能生成物の拡散の制御;容器120が第2の断裂した状態にあるときの、第2チャンバ111への(及び芽胞115への)液体122の送達速度の制御;又はこれらの組み合わせ。
【0081】
一部の実施形態では、基材119は、作動の間(すなわち容器120が第2の状態にあるとき)、第2チャンバ111への液体122の送達に対する物理的障壁を提供することができるため、基材119内の開口121、及び/又は基材119の角度を制御することにより、所望の液体送達速度を生じさせることができる。更には、又は代替的には、第2流体通路162は、第2チャンバ111内に閉じ込められた、あらゆる気体又は空気に関する通気口を提供して、所望されるときの、基材119を通過するか又は基材119を越えて第2チャンバ111内へ入る、液体122の移動を促進することができる。
【0082】
更には、又は代替的には、ハウジング102を、所望されるときの、第2チャンバ111への液体122の移動を促進するように構成する(例えば、適切な材料で形成し、かつ/又は微細構造の溝、若しくは他の物理的な表面改変で構成する)ことができる。
【0083】
一部の実施形態では、液体122は、生き残った芽胞の発芽を助長する発芽培地などの、芽胞のための栄養培地を含み得る。一部の実施形態では、液体122は、栄養素と組み合わせて栄養培地を形成することができる、水(又は、別の溶媒)を含み得る。好適な栄養素は、生き残った芽胞の発芽及び/又は増殖を助長するために必要な栄養素を含み得、リザーバ103内に、例えば、生物学的滅菌インジケーター100の、芽胞115の近傍の領域内に、乾燥形態(例えば、ビーズ又は他のキャリア内に封入される、粉末形態、錠剤形態、カプレット形態、カプセル形態、フィルム若しくはコーティング、別の好適な形状又は構成、あるいはこれらの組み合わせ)で、提供することができる。
【0084】
栄養培地は、全般的には、芽胞が生存可能である場合には、芽胞の発芽及び初期増殖を誘導するように選択することができる。栄養培地は、1種以上の糖を含み得、それらの糖としては、グルコース、フルクトース、セロビオースなど、又はこれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。栄養培地はまた、塩も含み得、それらの塩としては、塩化カリウム、塩化カルシウムなど、又はこれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。一部の実施形態では、栄養素は、少なくとも1種のアミノ酸を更に含み得、それらのアミノ酸としては、メチオニン、フェニルアラニン、及びトリプトファンのうちの、少なくとも1つが挙げられるが、これらに限定されない。
【0085】
一部の実施形態では、栄養培地は、指示薬分子又は指示試薬、例えば、芽胞の発芽又は増殖に応答して変化する光学特性を有する、指示薬分子を含み得る。好適な指示薬分子又は指示試薬としては、pH指示薬分子(例えば、ブロモクレゾールパープル(BCP)、ブロモクレゾールグリーン(BCG)、クロロフェノールレッド(CPR)、ブロモチモールブルー(BTB)、ブロモフェノールブルー、(BPB)、他のスルホンフタレイン染料、メチルレッド、又はこれらの組み合わせ)、酵素基質(例えば、4−メチルウンベリフェリル−α−D−グルコシド)、DNA結合色素、RNA結合色素、他の好適な指示薬分子、又はこれらの組み合わせを挙げることができるが、それらに限定されない。一部の実施形態では、ブロモクレゾールパープルと4−メチルウンベリフェリル−α−D−グルコシドとの組み合わせは、共に使用することができる指示試薬のペアの、一実施例を表す。この組み合わせを使用して、例えば、炭水化物の酸最終生成物への発酵などの、第1の生物活性、及びα−D−グルコシダーゼ酵素活性などの、第2の生物活性を検出することができる。これらの活性は、例えば、滅菌プロセスに生物学的滅菌インジケーターを晒した後の、生存芽胞の有無を示し得る。ブロモクレゾールパープルは、例えば、水性混合物中、約0.03g/Lの濃度で使用することができる。4−メチルウンベリフェリル−α−D−グルコシドは、例えば、水性混合物中、例えば、約0.05〜約0.5g/L(例えば、約0.05g/L、約0.06g/L、約0.07g/L、約0.08g/L、約0.09g/L、約0.1g/L、約0.15g/L、約0.2g/L、約0.25g/L、約0.3g/L、約0.35g/L、約0.4g/L、約0.45g/L、約0.5g/L)の濃度で使用することができる。
【0086】
図1〜7に示すように、生物学的滅菌インジケーター100は、挿入部材130を更に含み得る。一部の実施形態では、挿入部材130は、容器120が、滅菌の間に、芽胞115から隔離された場所内に無損傷で保持されるように、容器120を保持又は支持するように適合させることができる。すなわち一部の実施形態では、挿入部材130は、特に、容器120が、作動工程(すなわち滅菌プロセスの後に実施することができる、液体122を、容器120から解放して、芽胞115に導入する工程)の間に破砕される前の、容器120のためのキャリア132(
図3を参照)を含み得る(又はキャリア132として機能することができる)。一部の実施形態では、挿入部材130は、容器120が、ハウジング102内で、例えばハウジング102に対して長手方向に、少なくとも多少は移動することを可能にするように、更に適合させることができる。図示の実施形態の挿入部材130は、以下でより詳細に説明される。他の好適な挿入部材の実施例は、同時係属の米国特許出願第61/226,937号(代理人整理番号65578US002)で説明されている。
【0087】
一部の実施形態では、生物学的滅菌インジケーター100は、
図1〜4、及び
図6に示すように、芽胞キャリア135を更に含み得る。しかしながら、一部の実施形態では、芽胞115を収容するように適合された部分を含むように、挿入部材130を改変することができる。例えば、一部の実施形態では、挿入部材130及び芽胞キャリア135は、容器120を保持し、かつ最終的には、所望されるときに断裂させるように適合される、第1部分と、滅菌の間(すなわち断裂の前に)、芽胞115を、生物学的滅菌インジケーター100の、容器120から隔離された領域内に収容するように適合される、第2部分とを含む、1つの挿入部材として、一体的に形成することができる。
【0088】
図1〜4及び
図6に示すように、芽胞キャリア135は、芽胞115を、直接的に又は基材上に配置することができる、芽胞リザーバ136(凹部、ディボット、ウェル、陥凹などと称することもできる)を含み得る。液体122が容器120から解放される際に、液体122と混合されるように配置される、栄養培地を採用する実施形態では、その栄養培地は、芽胞リザーバ136の近傍、又は芽胞リザーバ136内に配置することができ、栄養培地は、容器120から水が解放される際に、その水と混合する(例えば、その水中に溶解する)ことができる。単なる例として、栄養培地が、乾燥形態で提供される実施形態では、この乾燥形態は、リザーバ103の内部に、芽胞リザーバ136の内部に、芽胞用の基材上に、又はこれらの組み合わせで存在することができる。一部の実施形態では、液体と乾燥栄養培地との組み合わせを、採用することができる。
【0089】
一部の実施形態では、芽胞リザーバ136は、少なくとも約1マイクロリットルの容積を有し、一部の実施形態では、少なくとも約5マイクロリットル、一部の実施形態では、少なくとも約10マイクロリットルの容積を有する。一部の実施形態では、芽胞リザーバ136は、約250マイクロリットル以下の容積を有し、一部の実施形態では、約175マイクロリットル以下、一部の実施形態では、約100マイクロリットル以下の容積を有する。
【0090】
図4及び
図6に示すように、一部の実施形態では、生物学的滅菌インジケーター100は、ハウジング102の壁部108に結合させるか、若しくは一体的に形成することができる、リブ又は突出部165を更に含み得、このリブ又は突出部165は、芽胞キャリア135を、ハウジング102内の所望の場所内に、かつ/又は読み取り装置12の検出システム(例えば、光学検出システム)に対して所望の角度若しくは配向で維持するように、配置することができる。
【0091】
図1〜4、及び
図6に示すように、ハウジング102の第2部分106は、第1部分104に結合するように適合させることができる。例えば、図示のように、第2部分106は、ハウジング102の第1部分104の上方部分116(例えば、第1末端部101)に結合するように適合させることができる。一部の実施形態では、
図1〜4に示すように、第2部分106は、ハウジング102の第1部分104の少なくとも一部分を受容するように寸法決めすることができる、キャップの形態とすることができる。
【0092】
図1、2、及び
図4〜5に示すように、滅菌の間、及び作動の前には、第2部分106は、第1部分104に対して、第1の「非作動」位置148にあることが可能であり、容器120は、第1の無損傷状態にあることが可能である。
図6に示すように、ハウジング102の第2部分106は、第1部分104に対して、第2の「作動」位置150(例えば、第2部分106が、完全に押し下げられる場所)へと移動させることができ、容器120は、第2の断裂した状態にあることが可能である。例えば、滅菌の後に、第2部分106を、第1の位置148から第2の位置150へと(すなわち十分な量)移動させて、容器120の断裂を引き起こし、容器120から液体122を解放して、液体122が、芽胞115と流体連通することを可能にすることによって、生物学的滅菌インジケーター100を作動させることができる。生物学的滅菌インジケーター100は、読み取り装置のウェル内に、生物学的滅菌インジケーター100を配置する前に、ウェル内に生物学的滅菌インジケーター100を配置した後に、又はウェル内に生物学的滅菌インジケーター100を配置すると同時に、作動させることができる(すなわち生物学的滅菌インジケーター100を、読み取り装置内の定位置へと滑り込ませることができ、第2部分106を、その第2の位置150に至るまで、例えば、ウェルの底部が、第2部分106を、その第2の位置150へと移動させるために十分な抵抗力を提供するまで、押し付け続けることができる)。第2の位置150は、第1の位置148よりも、生物学的滅菌インジケーター100の第1部分104の閉鎖末端部105に近接させて位置決めすることができる。
【0093】
例示の実施形態に示すように、一部の実施形態では、ハウジング102の第1部分104は、段差部、張り出し部、又は平坦から丸い形への移行部152を含み得る。段差部152は、第2部分106が、その第1の位置148にあるとき、露出しているように示され、第2部分106が、その第2の位置150にあるとき、隠されているか、又は覆われているように示される。それゆえ、段差部152を探知することにより、第2部分106が、第1の位置148にある(すなわち生物学的滅菌インジケーター100が非作動である)か、又は第2の位置150にあるか(すなわち生物学的滅菌インジケーター100が作動している)を判定することができる。生物学的滅菌インジケーター100のそのような機構を使用して、生物学的滅菌インジケーター100の状態を判定し、例えば、生物学的滅菌インジケーター100が作動しているか否かを確認することは、同時係属の米国特許出願第61/409,042号で、より詳細に説明されている。段差部152の長手方向位置は、単なる例として示されるが、しかしながら、段差部152は、その代わりに、異なる長手方向位置に(例えば、生物学的滅菌インジケーター100の閉鎖末端部105に、より近接させて)配置することができ、又は一部の実施形態では、丸い形の部分から平坦面への移行部は、段階的、テーパー形状、又は傾斜状とすることができる点を理解するべきである。
【0094】
ハウジング102の第1部分104と第2部分106との間に、様々な結合手段を採用することにより、第1部分104及び第2部分106が、互いに取り外し可能に結合されることを可能にすることができ、それらの結合手段としては、重力(例えば、1つの構成要素を、別の構成要素の上に、又はその接合部分に設置することができる)、ねじ山、圧入係合(「摩擦嵌め係合」又は「締まり嵌め係合」と称される場合もある)、スナップ嵌め係合、磁石、接着剤、熱封止、他の好適な取り外し可能結合手段、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。一部の実施形態では、生物学的滅菌インジケーター100は、再び開放する必要はなく、第1部分104及び第2部分106を、互いに取り外し可能に結合させる必要はないが、むしろ、互いに恒久的に、又は半恒久的に結合させることができる。そのような恒久的又は半恒久的結合手段としては、接着剤、縫合、ステープル、ネジ、クギ、リベット、無頭釘、クリンプ、溶接(例えば、音波(例えば、超音波)溶接)、任意の熱接着技術(例えば、結合させる構成要素の一方若しくは双方に適用される、熱及び/又は圧力)、スナップ嵌め係合、圧入係合、熱封止、他の好適な恒久的若しくは半恒久的結合手段、及びこれらの組み合わせを挙げることができるが、それらに限定されない。恒久的又は半恒久的結合手段の一部はまた、取り外し可能であるように適合させることも、またその逆も可能であり、単なる例として、この方式で分類されることが、当業者には理解されるであろう。
【0095】
図4及び
図6に示すように、第2部分106は、第1部分104に対する第1の長手方向位置148と、第1部分104に対する第2の長手方向位置150との間で、移動可能とすることができるが、しかしながら、生物学的滅菌インジケーター100は、その代わりに、第1の位置148及び第2の位置150が、必ずしも、ハウジング102の第1部分104及び第2部分106の一方若しくは双方に対する、長手方向位置であるとは限らないような、異なる構成とすることが可能である点を理解するべきである。
【0096】
第2部分106は、第2部分106が第2の位置150へと移動され、液体122が容器120から開放された後(すなわち容器120が、第2の断裂した状態にあるとき)に、第1部分104の第1末端部101、具体的には、第1部分104の開放上方末端部157に接触して、生物学的滅菌インジケーター100を閉鎖又は封止する(例えば、気密封止する)ように配置することができる、封止部156(例えば、突起部、突出部、フラップ、フランジ、oリングなど、又はこれらの組み合わせ)を更に含み得る。すなわち芽胞115は、容器120が第2の状態にあるとき、環境から封止することができる。封止部156は、様々な形態を取ることができ、
図4及び
図6では、例として、第2部分106の壁部110と共に、ハウジング102の第1部分104の上方末端部157を受容して、生物学的滅菌インジケーター100を封止するように寸法決めされる、内側リング又は空洞部を形成するものとして示される。
【0097】
一部の実施形態では、封止部156及び上方末端部157の一方若しくは双方は、ハウジング102の第2部分106を、ハウジング102の第1部分104に結合するために、それぞれ、封止部156及び上方末端部157の他方に係合するように構成される構造(例えば、突出部)を更に含み得る。
【0098】
更には、一部の実施形態では、ハウジング102の第2部分106を、ハウジング102の第1部分104に結合して、作動の後に、生物学的滅菌インジケーター100を環境から封止することができる。そのような封止は、液体122が容器120から解放された後の、液体122の汚染、蒸発、若しくは溢流を阻止することができ、かつ/又は生物学的滅菌インジケーター100の内部の汚染を阻止することができる。
【0099】
封止部156は、種々の程度又はレベルの閉鎖に対応するための、生物学的滅菌インジケーター100の長手方向D
Lでの長さを有するように構成することができる。すなわち一部の実施形態では、ハウジング102の第2部分106の「第2の位置」150は、封止部156の少なくとも一部分が、ハウジング102の第1部分104の一部分(例えば、上方末端部157)に係合していることにより、生物学的滅菌インジケーター100の内部が環境から封止される、いずれかの位置とすることができる。生物学的滅菌インジケーター100及び生物学的滅菌インジケーターシステム10は、第2部分106が第2の位置150に移動したことを、読み取り装置12が検出した場合には、封止部156が係合していることを、ユーザーが知るように、対応して構成することができる。
【0100】
ここで、挿入部材130を、より詳細に説明する。
【0101】
図1、2、及び
図4に示すように、滅菌の間、及び作動の前には、第2部分106は、第1部分104に対して、第1の位置148にあることが可能である。第1の位置148では、容器120は、下方部分114、第2チャンバ111、又は芽胞115から隔離された場所内に、無損傷で保持することができ、液体122を、容器120内部に収容することができる。
【0102】
図6に示すように、滅菌の後に、生物学的滅菌インジケーター100を作動させて、容器120から液体122を解放し、第2チャンバ111へと、液体122を移動させることができる。すなわちハウジング102の第2部分106を、第1部分104に対して、第2の位置150に移動させることができる。第2部分106が、第1の位置148から第2の位置150に移動されると、ハウジング102の第2部分106の封止部156が、第1部分104の上方末端部157に係合して、生物学的滅菌インジケーター100のリザーバ103を、環境から封止することができる。そのような実施形態では、第2部分106は、第2の位置150で、第1部分104に可逆的に係合することができ、一部の実施形態では、第2部分106は、第1部分104に不可逆的に係合することができる。しかしながら、第1部分104及び第2部分106に関する構造並びに結合手段は、図示の実施形態では、単なる例として示されるものであり、上述の結合手段のいずれもが、その代わりに、ハウジング102の第1部分104と第2部分106との間で採用することができる点を理解するべきである。
【0103】
挿入部材130は、容器120が、滅菌の間に、芽胞115から隔離された場所内に無損傷で保持されるように、容器120を保持又は支持するように適合させることができる。すなわち上述のように、一部の実施形態では、挿入部材130は、特に、容器120が、作動工程(すなわち典型的には滅菌プロセスの後に実施される、液体122を、容器120から解放して、芽胞115に導入する工程)の間に破砕される前の、容器120のためのキャリア132を含み得る(又はキャリア132として機能することができる)。
【0104】
更には、挿入部材130は、容器120とハウジング102との間、及び/又は容器120とハウジング102内の他のあらゆる構成要素若しくは構造(例えば、キャリア132などの、挿入部材130の少なくとも一部分など)との間に、少なくとも最小限の空隙部(例えば、最小限の断面積の空間)を維持する、ハウジング102内の位置に、容器120を保持して、例えば、生物学的滅菌インジケーター100内に、実質的に一定の滅菌剤通路164を維持するように適合させることができる。一部の実施形態では、挿入部材130は、ハウジング102内の実質的に一定の場所内に、容器120を保持するように適合させることができる。
【0105】
一部の実施形態では、
図3に示すように、ハウジング102の少なくとも一部分は、ハウジング102(例えば、壁部108及び/又はその内側表面)が、ハウジング102の長手方向D
Lで概して先細になる、テーパー形状部分146を含み得る。結果として、ハウジング102内の断面積は、長手方向D
Lに沿って、概して減少し得る。
【0106】
一部の場合には、容器120の周囲(例えば、容器120と周囲を取り囲む構造との間)に少なくとも最小限の空隙部を維持するための手段が提供されない場合、容器120が、滅菌剤通路164を閉塞又は遮断する方式で、ハウジング102内に(例えば、テーパー形状部分146内に)配置され得る可能性が、存在し得る。しかしながら、本開示の生物学的滅菌インジケーター100は、このことが発生することを阻止するように設計される。例えば、図示の実施形態では、挿入部材130(具体的には、キャリア132)は、ハウジング102のテーパー形状部分146の外に、容器120を保持するように構成することができるため、作動の前の生物学的滅菌インジケーター100がいずれの配向にあっても、少なくとも最小限の断面積が、容器120の周囲に維持される。例えば、
図1〜5に示す実施形態では、生物学的滅菌インジケーター100が、上下を逆転される場合であっても、容器120は、挿入部材130との接触から脱落する可能性はあるが、いずれの配向であっても、容器120は、生物学的滅菌インジケーター100の作動まで、テーパー形状部分146又は芽胞115に、より近接して移動されることはない。更には、作動までは、容器120とハウジング102及び/又は挿入部材130との間の、少なくとも最小限の空隙部(具体的には、その空隙部の断面積)を維持して、例えば、実質的に一定の滅菌剤通路164を、容器120の周囲から、第1流体通路160を通じて、第2チャンバ111内へと提供することができる。
【0107】
一部の実施形態では、生物学的滅菌インジケーター100の構成要素の、相対的なサイズ設定及び配置は、作動の前に、容器120が、生物学的滅菌インジケーター100内の実質的に一定の場所内に、無損傷で保持されるように構成することができる。そのような構成により、実質的に一定の滅菌剤通路164を提供することができ、作動の前に、生物学的滅菌インジケーター100内で、容器120が移動することが、仮にあるとしても、実質的に不可能であるような位置に、容器120を維持することができる。
【0108】
一部の実施形態では、挿入部材130の少なくとも一部分は、容器120が、ハウジング102内で、例えば、容器120が無損傷である第1の(長手方向)位置と、容器120の少なくとも一部分が断裂される第2の(長手方向)位置との間で、ハウジング102に対して長手方向で移動することを可能にするように適合させることができる。単なる例として、挿入部材130は、作動の前に、容器120を保持及び支持するように適合され、かつ作動の間に、例えば、第2部分106が、ハウジング102の第1部分104に対して移動されるときに、容器120がハウジング102内で移動することを可能にするように適合される、1つ以上の突起部又はアーム158(容器120の周りで離間する2つの突起部158を、単なる例として示す)を含み得る。突起部158はまた、生物学的滅菌インジケーターが作動されるときに、容器120を所望の方式で断裂させるように適合させる(例えば、成形及び/又は配置する)こともできる。結果として、挿入部材130は、場合によって、作動の前に、容器120を保持するよう機能することができ、作動の間に、容器120を破砕するように機能することができる。結果として、挿入部材130、又はその一部分は、場合によって、「キャリア」(例えば、キャリア132)及び/又は「破砕装置」と称することができる。
【0109】
単なる例として、突起部158は、
図1、及び
図3〜7では、分割壁118に当接するように適合された基部又は支持部127に、結合されるものとして示される。例えば、基部127は、リザーバ103内に受容されるように寸法決めすることができ、かつ分割壁118の上に設置されるか、分割壁118に当接するか、又は他の方法で分割壁118と協働若しくは結合するように、寸法決めすることができる。生物学的滅菌インジケーター100の内部構造との、そのような結合により、所望されるときに容器120を破砕するために必要な、抵抗及び力を提供することができる。しかしながら、一部の実施形態では、挿入部材130は基部127を含まず、突起部158は、ハウジング102の一部分に結合されるか、又はハウジング102の一部分を形成することができる。一部の実施形態では、挿入部材130は、ハウジング102と一体的に形成されるか、又はハウジング102によって提供される。
【0110】
図示のように、挿入部材130は、突起部158を連結し、かつハウジング102の内側表面及び/又は容器120の外側表面に対応するように成形される、側壁部131を更に含み得る。そのような側壁部131は、突起部158に支持及び剛性を提供して、容器120を、一貫した方式で確実に破砕することを援助することができる。側壁部131はまた、作動の間に、容器120がハウジング102内を移動する際、容器120を所望の方式で誘導して、例えば、突起部158に所望の方式で接触させ、容器120を確実に断裂させるように、成形及び寸法決めすることもできる。側壁部131、及び/又はハウジング102の壁部108(又はその内側表面)はまた、例えば、挿入部材130の外側表面と、ハウジング102の内側表面との間に、生物学的滅菌インジケーター100の第2流体通路162の少なくとも一部分を画定するように、成形することもできる。例えば、一部の実施形態では、
図1、2、5、及び
図7に示すように、挿入部材130の側壁部131は、第2流体通路162の少なくとも一部分を形成するように構成される、チャネル(又は溝、陥凹など)169を含み得る。
【0111】
第2流体通路162は、生物学的滅菌インジケーター100内部の「内部通気口」又は「通気チャネル」として機能することにより、気体(例えば、第2チャンバ111内に(例えば、生物学的滅菌インジケーター100の閉鎖末端部105付近に)閉じ込められていた空気などの、排出される気体)が、生物学的滅菌インジケーター100の第2チャンバ111から抜け出ることを可能にすることができる。一部の実施形態では、第2流体通路162は、作動の間に、第2チャンバ111内に存在する気体のための逃げ道、すなわち内部通気口を提供することにより、液体122が容器120から解放される際に、第1チャンバ109から第2チャンバ111内への液体122の移動を促進することができる。更には、又は代替として、一部の実施形態では、第2流体通路162は、滅菌の間に、第2チャンバ111内に存在する気体のための逃げ道、すなわち内部通気口を提供することにより、生物学的滅菌インジケーター100の第2チャンバ111内への、及び芽胞115への、滅菌剤の移動を促進して、第2チャンバ111内への、より効率的な滅菌剤の浸入を可能にする。
【0112】
単なる例として、
図2及び
図7に示すように、第2流体通路162は、挿入部材130の一部分(例えば、チャネル169)、及びハウジング102の壁部108内(例えば、壁部108の内側表面内)に形成されるチャネル(又は溝、陥凹など)163の双方によって、少なくとも部分的に画定することができる。しかしながら、一部の実施形態では、第2流体通路162が、第2チャンバ111と、生物学的滅菌インジケーター100の別の内部部分若しくは領域との間に、流体連通を提供するように、第2流体通路162を、完全にハウジング102で形成することができ、又は、生物学的滅菌インジケーター100の他の構成要素の、様々な組み合わせで形成することができる点を理解するべきである。例えば、第2流体通路162は、ハウジング102及び挿入部材130の双方によって形成する必要はなく、これらの構成要素の一方、又は他の構成要素によって、形成することができる。更には、
図2及び
図7に示すように、第2流体通路162の少なくとも一部分を画定する、チャネル163は、チャネル163が、ハウジング102の内側及び外側上で可視であるように、ハウジング102の外側表面及び内側表面内に成形される。しかしながら、ハウジング102の外側表面は、そのような形状を含む必要はなく、むしろ、一部の実施形態では、ハウジング102の外側表面は、実質的に均一又は無変化のまま維持することができ、ハウジング102(例えば、ハウジング102の壁部108)の内側表面が、チャネル163を含み得る。
【0113】
更には、一部の実施形態では、挿入部材130又はハウジング102のいずれもが、それぞれ、チャネル169又はチャネル163を含むのではなく、むしろ、挿入部材130とハウジング102との間に、第2チャンバ111と流体連通する空間又は間隙が提供されるように、挿入部材130並びにハウジング102が成形及び寸法決めされ、そのような空間又は間隙が、第2流体通路162として機能する。
【0114】
図4及び
図6に更に示すように、一部の実施形態では、第1流体通路160及び/又は第2流体通路162は、壁部118、基材119、挿入部材130、及びハウジング102のうちの1つ以上によって、少なくとも部分的に画定することができる。更には、第1流体通路160及び第2流体通路162の少なくとも一方は、芽胞キャリア135、又はその一部分によって、少なくとも部分的に画定することができる。
【0115】
一部の実施形態では、生物学的滅菌インジケーター100は、容器120が、第1の断裂していない状態にあるとき、以下の順序で配置構成される、以下の構成要素を含み得る:生物学的滅菌インジケーター100のハウジング102の閉鎖末端部105、第2チャンバ111、基材119、挿入部材130、第1チャンバ109、容器120、ハウジング102(又はハウジング102の第2部分106)の開放末端部101。
【0116】
例示の実施形態に示すように、第2流体通路162は、第2チャンバ111が、第1チャンバ109などの、生物学的滅菌インジケーター100の別の部分に通気することを可能にし得る。一部の実施形態では、特に、第2流体通路162が、第2チャンバ111を、第1チャンバ109へ戻して通気する実施形態では、第2流体通路162は、第1流体通路160が第2チャンバ111に入る位置よりも上方(例えば、垂直上方)に配置される位置で、第2チャンバ111から出ることができる。換言すれば、一部の実施形態では、第2流体通路162は、第2チャンバ111から、第1流体通路160が第2チャンバ111に入る位置(例えば、以下で説明する、第1のレベルL
1又は第2のレベルL
2)よりも上方にある、生物学的滅菌インジケーター100内の位置(例えば、以下で説明する、第4のレベルL
4)まで、延在することができる。更には、一部の実施形態では、第2流体通路162が第1チャンバ109に入る位置は、第1流体通路160が第2チャンバ111に入る位置よりも上方(例えば、垂直上方)に配置することができる。
【0117】
一部の実施形態では、第1流体通路160は、第2チャンバ111を、生物学的滅菌インジケーター100の近位部分(例えば、第2チャンバ111に近接又は隣接して、例えば、第1のレベルL
1及び/又は第2のレベルL
2に配置される、第1チャンバ109の一部分)と流体結合するように配置することができ、第2流体通路162は、第2チャンバ111を、生物学的滅菌インジケーター100の遠位部分(すなわち第2チャンバ111からより遠くに、例えば、以下で説明する第3のレベルL
3、及び/又は第4のレベルL
4に配置される、第1チャンバ109の一部分)と流体結合するように配置することができる。結果として、第2流体通路162が第1チャンバ109に入る位置は、第1流体通路160が第2チャンバ111に入る位置よりも、第2チャンバ111から遠くに配置することができる。
【0118】
より具体的には、また単なる例として、
図4及び
図6を参照すると、一部の実施形態では、流体は、挿入部材130、基材119、ハウジング102、及び/又は第2チャンバ111の前方に概して配置される、第1のレベル、高さ、若しくは位置(例えば、長手方向位置)L
1、並びに基材119内の開口121のレベルに概ね配置される、第2のレベル、高さ、又は位置(例えば、長手方向位置)L
2などの、様々な場所で、第2チャンバ111に入ることができる。上述のように、流体が第2チャンバ111内に移動することを可能にする、第1チャンバ109と第2チャンバ111との間の様々な開口部及び空間を、第1流体通路160と総称することができる点を理解するべきである。
図4に更に示すように、一部の実施形態では、気体(例えば、排出される気体)は、第2流体通路162を介して(すなわち流体が、第1流体通路160を介して第2チャンバ111内に移動する際に)、挿入部材130、基材119、ハウジング102、及び/又は第2チャンバ111の後方に概して配置される、第3のレベル、高さ、若しくは位置(例えば、長手方向位置)L
3で、第2チャンバ111から抜け出ることができる。
【0119】
図4及び
図6に示す、生物学的滅菌インジケーター100の垂直的な直立配向では、第3のレベルL
3は、第1のレベルL
1及び第2のレベルL
2の双方以上に位置する。更には、一部の実施形態では、第3のレベルL
3は、生物学的滅菌インジケーター100の動作中(例えば、読み取り装置のウェル内に設置されるとき、滅菌の間、及び/又は作動の間)、依然として、第1のレベルL
1及び第2のレベルL
2の双方以上に位置することができる。すなわち一部の実施形態では、生物学的滅菌インジケーター100は、動作中に傾斜させることができる(例えば、
図4若しくは
図6の左手側に向けて、
図4若しくは
図6の右手側に向けて、
図4若しくは
図6の奥へ、及び/又は
図4若しくは
図6の手前に)。
【0120】
第1のレベルL
1、第2のレベルL
2、及び第3のレベルL
3は、単なる例として示されるが、しかしながら、第1流体通路160が第2チャンバ111に入る正確な場所、及び/又は第2流体通路162が第2チャンバ111から出る正確な場所は、
図4及び
図6に示すものとは異なるものにすることができる点を理解するべきである。
【0121】
図4及び
図6に示すように、第2流体通路162は、挿入部材130のチャネル169及び/又はハウジング102のチャネル163によって、少なくとも部分的に画定され、これらは、全般的に、以下の論考では単純に「チャネル」と称され、図示の実施形態のチャネル169及び/又はチャネル163の、少なくとも一部分を指すように、解釈することができる図示の実施形態では、チャネルは、第2チャンバ111内の任意の地点、又は第3のレベルL
3に位置しているとして説明することができる、入口と、第4のレベル、高さ、又は位置(例えば、長手方向位置)L
4に概して配置される、出口とを有する。
図4及び
図6に示すように、例えば、生物学的滅菌インジケーター100の動作中には、チャネルの出口位置(すなわち第4のレベルL
4)は、第1流体通路160が第2チャンバ111と接続する位置(すなわち第1のレベルL
1及び/又は第2のレベルL
2)よりも上方に、概して配置される。
【0122】
換言すれば、第1流体通路160は、第1チャンバ109の第2(下方)末端部113を、第2チャンバ111の第1(上方)末端部124に、流体結合するように配置することができる。その一方で、第2流体通路162は、第2チャンバ111(例えば、第2チャンバ111の第1(上方)末端部124)を、第1チャンバ109の上方部分(例えば、第1(上方)末端部112)に、流体結合するように配置することができる。
【0123】
更には、一部の実施形態では、第2流体通路162(又はチャネル)が第2チャンバ111と接続する位置又はレベルは、容器120が、その第2の断裂した状態にあるときに、液体122で最後に充填される、第2チャンバ111の部分に位置しているとして、説明することができる。
【0124】
一部の実施形態では、容器120が、第2の断裂した状態にあり、第2チャンバ111が、液体122で少なくとも部分的に充填される場合、液体122は、あるレベル、高さ、又は位置(例えば、長手方向位置)Lを有し得、第2流体通路162は、そのレベルLよりも下方の位置と、レベルLよりも上方の位置との間に延在し得る。結果として、容器が第2の状態にあるとき、第2チャンバ111が、液体122で充填される際、第2チャンバ111は、第2流体通路162によって、継続的に通気することができる。
【0125】
一部の実施形態では、第1流体通路160は、第1チャンバ109と第2チャンバ111との間の、主要又は一次的な流体連通路として機能することができ、第2流体通路162は、第2チャンバ111と第1チャンバ109との間の、補助的又は二次的な流体連通路としての役割を果たすことができる(例えば、第2流体通路162が、第1チャンバ109内に抜け出るものであって、生物学的滅菌インジケーター100の別の部分に抜け出るものではない場合)。そのような実施形態では、第2流体通路162の総合的な空間、容積、及び/又は面積は、第1流体通路160のものよりも実質的に小さいものとすることができる。一部の実施形態では、第1流体通路160及び第2流体通路162の少なくとも一部分は、実質的に互いに離隔しているものとして、又は実質的に平行で交差しないものとして、説明することができる。一部の実施形態では、第1流体通路160及び第2流体通路162は、それぞれ、第1チャンバ109と第2チャンバ111との間で、実質的に長手方向に(例えば、長手方向D
Lに実質的に平行に)延在することができる。
【0126】
すなわち全般的には、(1)第1チャンバ109から第2チャンバ111への流体の移動の、少なくとも大半に対応するように構成される、第1流体通路160などの第1流体通路と、(2)第2チャンバ111からの気体を通気するように構成される、第2流体通路162などの第2流体通路とを含む、生物学的滅菌インジケーター100は、1つのみの内部チャンバを含んでいたか、あるいは流体が第2チャンバ111に入る通路と同じ流体通路を介して、気体が第2チャンバ111から抜け出なければならないような、第1チャンバ109及び第2チャンバ111を接続する、1つのみの流体通路を含んでいた、生物学的滅菌インジケーター100に勝る有利点を有する。
【0127】
例示の実施形態に示すように、第1流体通路160及び第2流体通路162を構成することによって、一部の実施形態では、生物学的滅菌インジケーター100は、第2チャンバ111内に、滅菌剤及び/又は液体122を移動させる試みの結果として生じる恐れがある、あらゆる空気閉塞効果を、少なくとも部分的に排除することができる。更には、一部の実施形態では、第2流体通路162は、生物学的滅菌インジケーター100が作動して、液体122が、重力により第2チャンバ111内に移動することを可能にする一方で、生物学的滅菌インジケーター100は、液体122を第2チャンバ111内に移動させるために、生物学的滅菌インジケーター100の上下を逆転させるか、又は他の方法で再配向することを必要とせずに、同じ配向(例えば、
図1、2、4、及び
図6に示すような、実質的に垂直的な直立配向)で維持される。
【0128】
挿入部材130を引き続き参照すると、挿入部材130の突起部158は、比較的、剛性であり、固定されているものとして示される。すなわち一部の実施形態では、突起部158は、容器120がハウジング102内で移動する際に、容器120に対して、実質的に屈曲、歪曲、変形、又は他の方法で対処するように適合させることができない。むしろ、一部の実施形態では、
図1〜4、及び
図6に示すように、突起部158は、作動の前に、容器120を上に配置して無損傷で保持することができる、上方末端部159を有するように、それぞれ構成することができる。
図1、2、及び
図4に示すように、一部の実施形態では、突起部158は、例えば、楕円形又はカプセル形状の容器120が採用される場合、容器120を、その半曲末端部で断裂させるように配置することができる。
【0129】
突起部158に、キャリア132の少なくとも一部分を形成させることの潜在的な1つの有利点は、容器120が断裂する際に、容器120の底部を非拘束的にすることができるため、比較的容易かつ確実に、液体122を、容器120から解放して、芽胞115に向けて移動させることができる点である。
【0130】
そのような実施形態では、例えば、楕円形又はカプセル形状の容器120が採用される場合、挿入部材130を使用して、容器120の平坦面に実質的に垂直の方向で、容器120を断裂させることができる。そのような実施形態では、容器120を、その側面に沿って断裂させることは、容器120の下方末端部の周囲に、幾分の開放空間を維持することと共に達成されるため、容器120が断裂する際の、容器120から芽胞115の近位への液体122の移動を促進することができる。
【0131】
上述のように、突起部158は、例えばハウジング102の第2部分106が、ハウジング102の第1部分104に対して移動する(例えば、第1の位置148から第2の位置150へと)ことに応答して、容器120がハウジング102に対して移動する(例えば、長手方向D
Lに沿って)際に、容器120を断裂させるように適合させることができる。
【0132】
一部の実施形態では、突起部158は、1つ以上の縁端部(例えば、テーパー形状の縁端部)若しくは尖端部を含むか、又は他の方法で、粉砕力を集中させるように構成して、突起部158に隣接する領域内での、容器120に対する圧力を増大させ、容器120を、より容易に、かつ1つ以上の所望の領域内で断裂させることを促進することができる。一部の実施形態では、そのような力の集中により、第2部分106を第1部分104に対して移動させて、容器120(又は、その一部分)を断裂させるために必要とされる、全体的な労力又は力を低減することができる。
【0133】
図1〜4、及び
図6に示すように、突起部158は、挿入部材130の基部127と一体的に形成されるが、しかしながら、突起部158は、その代わりに、ハウジング102の壁部108と一体的に形成することができる点を理解するべきである。更には、一部の実施形態では、突起部158は、ハウジング102に結合することができ、あるいは突起部158及び基部127は、別個の挿入部材によって提供することができる。そのような実施形態では、突起部158は、それぞれ、別個の挿入部材とすることができ、又は複数の突起部158を、1つ以上の挿入部材によって提供することができる。更には、挿入部材130は、壁部118に当接して、芽胞115の近位(例えば、ハウジング102の下方部分114)内への、第1部分の挿入部材130の移動を阻止するように構成することができる。
【0134】
更には、一部の実施形態では、
図1〜4、及び
図6に示すように、突起部158は、長手方向D
Lに沿って延在することができ、突起部158の長さ及び/又は厚さ(例えば、厚さは、長さに沿って変化し得る)を調整して、ハウジング102内の所望の位置、及び所望の方式での、容器120の断裂を制御することができる。突起部158の構成を、単なる例として、
図1〜7に示す。
【0135】
全般的には、突起部158のそれぞれは、単なる例として、芽胞115に向けて、長手方向D
Lに沿って厚さが増大する(例えば、容器120、又はハウジング102の中心に向けて、内側方向に)ものとして示される。そのような構成により、例えば、第2部分106が、第2の位置150に移動することに応答して、容器120が、芽胞115に向けて移動するにつれて、容器120に利用可能な断面積を減少させることができる。
【0136】
更には、生物学的滅菌インジケーター100は、単なる例として、2つの突起部158、及び側壁部131を含むものとして
図1〜7に示されるが、1つの突起部158、若しくは構造的に可能な限り多くの突起部158、及び他の構成を採用することができる点を理解するべきである。更には、突起部158は、ハウジング102の形状及び寸法、容器120の形状及び寸法、挿入部材130の形状及び寸法、並びに/あるいは容器120を断裂させるために所望される方式及び位置に応じて、所望されるように成形及び寸法決めすることができる。
【0137】
上述のように、一部の実施形態では、ハウジング102の少なくとも一部分は、テーパー形状とすることができる(例えば、
図3のテーパー形状部分146を参照)。結果として、ハウジング102内の断面積は、長手方向D
Lに沿って、概して減少し得る。しかしながら、ハウジング102の内法寸法は、ハウジング102の外法寸法を変化させることなく、テーパー形状部分で、長手方向D
Lに沿って概して減少し得ることを理解するべきである。一部の実施形態では、ハウジング102の内側部分が、その長さに沿って先細となる場合であっても、ハウジング102の外法寸法は、その長さに沿って均一とすることができる。一部の実施形態では、1つ以上の突起部158のみが、長手方向D
Lに沿って、厚さが変化し得る(すなわち容器120に向けて、例えば、半径方向で)ことにより、ハウジング102の寸法が変化しない場合であっても(例えば、ハウジング102が、内部又は外部のいずれにも、いずれのテーパー形状部分146を含まない場合であっても)、容器120が、作動の間にハウジング102内で移動するにつれて、容器120に利用可能な断面積は概して減少する。
【0138】
図1〜7に示すように、突起部158のそれぞれの、上方末端部159は、丸形、湾曲、又は弓状の表面を含み、この表面により、突起部158の上方末端部159の上方に、容器120が少なくとも部分的に設置される、第1の位置148から、突起部158の間(又はハウジング102の壁部108と1つ以上の突起部158との間)の、より小さい断面積の領域内に、容器120が少なくとも部分的に押し込められる位置への、容器120の移動を促進することができる。更には、丸形の上方末端部159は、容器120の時期尚早の破砕を阻止することができ、このことにより、生物学的滅菌インジケーター100の時期尚早の作動(すなわち液体122の時期尚早の解放)を阻止することができる。
【0139】
一部の実施形態では、
図3に示すように、挿入部材130は、容器120を、突起部158の上方に、かつ1つ以上の突起部158の、内側方向を向く表面の、いずれかの部分に隣接する領域から離れて保持することにより、生物学的滅菌インジケーター100の偶発的又は時期尚早の作動を阻止することが可能になるように、サイズ決定及び成形することができる。そのような構成はまた、衝撃又は材料の膨張(例えば、滅菌プロセスの間の熱曝露による)による、不用意な破砕も阻止することができる。
【0140】
突起部158の上方末端部159によって、少なくとも部分的に形成することができる、キャリア132は、容器120の底部部分を保持するように構成することができ、突起部158は、容器120がハウジング102内に配置される際、容器120の底部付近の場所で、容器120を断裂させるように、配置することができる。そのような構成により、容器120が、その底部付近で破砕されることを可能にすることができ、容器120からの液体122の除去を促進することができ、このことにより、芽胞115への液体122の利用可能性を増進することができ、液体122を、芽胞115と(例えば、芽胞リザーバ136と)流体連通するように解放することの確実性を増進することができる。そのような構成は、単なる例として示されるが、しかしながら、突起部158は、任意の所望の方式で容器120を断裂させるように構成及び配置することができる点を理解するべきである。
【0141】
本開示の一部の実施形態は、比較的小さい力を使用する、壊れやすい容器120の最適かつ安全な破砕を提供する一方で、生物学的滅菌インジケーター100の芽胞領域(例えば、ハウジング102の第2チャンバ111)への液体122の移動を増進し、かつ/又は生物学的滅菌インジケーター100の芽胞領域内での、液体122の封じ込めを増進する。更には、本開示の一部の実施形態は、生物学的滅菌インジケーター100の検出チャンバ(例えば、第2チャンバ111)などの、生物学的滅菌インジケーター100の特定領域に、液体を推進するように動作する。
【0142】
図1〜7に示す実施形態では、挿入部材130は、容器120の周りで、かつ/又は側壁部131の周りで、ほぼ等しく離間する、2つの突起部158を含むものとして示される。しかしながら、一部の実施形態では、側壁部131は、側壁部131から半径方向内側に延在する、1つの中実の(例えば、実質的に環状、又は半環状の)突起部158を含み得る。更には、一部の実施形態では、側壁部131は、ハウジング102の内側表面の周囲で、図示されるものよりも更に延在し得る。しかしながら、
図1〜7に示すもののような、より狭い(例えば、角度寸法で)1つ以上の突起部158を採用することにより、実質的に一定又は実質的に非閉塞の滅菌剤通路164を、容器120の周囲に提供することができる。
【0143】
挿入部材130が、1つ以上の突起部158を含む場合であれ、又は側壁部131を含む場合であれ、挿入部材130は、ハウジング102内の一定の場所内に、容器120を保持して、滅菌の間、実質的に一定の滅菌剤通路164を提供するように構成することができる。例えば、容器120が、作動の前に(例えば、滅菌の間に)、ハウジング102内で、移動又は回転する(例えば、半径方向及び/又は長手方向に)ことを可能にするのではなく、挿入部材130は、実質的に一定の位置に、容器120を保持することができ、このことにより、不用意な遮断の機会が殆ど又は全く伴わない、容器120の外側表面とハウジング102の内側表面との間の、滅菌剤の実質的に一定かつ比較的非閉塞の通路を可能にすることができる。
【0144】
例示の実施形態に示すように、挿入部材130は、実質的に水平に、又は生物学的滅菌インジケーターの長手方向D
Lに対して垂直に配置される(例えば、挿入部材130が、生物学的滅菌インジケーター内に配置される場合)、1つ以上の突起部161を更に含み得る。突起部161は、「第2突起部」又は「水平突起部」と称することができ、その一方で、容器120を保持及び/又は破砕するために使用される突起部158は、「第1突起部」又は「垂直突起部」と称することができる。第2突起部161は、基部127のように下向きに角度付けされない。結果として、第2突起部161は、様々な目的に関して使用することができる。例えば、第2突起部161は、容器120を断裂させる力の下で、挿入部材130を安定させる(例えば、生物学的滅菌インジケーター100のハウジング102内の所望の位置に、挿入部材130を保持することを援助する)ことができる。更には、第2突起部161は、容器120が断裂した後に、容器120の断裂部分を保持及び/又は回収することにより、芽胞の増殖、及び/又は芽胞の増殖の検出に悪影響を及ぼす恐れがある、生物学的滅菌インジケーター内の芽胞の近位への、そのような部分の移動を阻止するように、機能することができる。芽胞115に至る固体の移動を阻止しつつ、芽胞115に至る流体の移動を依然として可能にする、第2突起部161の他の形状及び構成を採用することができる。
【0145】
一部の実施形態では、挿入部材130(例えば、基部127)は、ハウジング102の第2チャンバ111(すなわち下方部分114)内への流体の移動(例えば、液体122の移動)を促進又は可能にすること;ハウジング102の第2チャンバ111内への、断裂した容器120の断片又は諸部分(例えば、固体)の移動を最小限に抑えること、すなわち断裂した容器120の諸部分を回収及び/又は保持すること;並びに/あるいは、ハウジング102の第2チャンバ111から外への、芽胞115及び/又はシグナルの拡散を最小限に抑えることのうちの、1つ以上に関して適合させることができる。例えば、一部の実施形態では、基部127は、格子又はフィルターとして機能するように構成することができる。一部の実施形態では、芽胞の増殖は、蛍光指示薬/分子(例えば、蛍光色素分子)又は他のマーカーによって判定される。一部の実施形態では、生物学的滅菌インジケーター100内での、作動の後の液体のレベルが、芽胞115の場所よりも上方である場合には、そのような分子若しくはマーカー、又は芽胞115自体が、芽胞リザーバ136から離れる方向に、若しくは芽胞リザーバ136から外へ、かつ潜在的には、ハウジング102の第2チャンバ111から外へ、移動又は拡散する恐れがある。結果として、生物学的滅菌インジケーター100の諸部分(例えば、挿入部材130)は、生物学的滅菌インジケーター100の第2チャンバ111から外への、様々な指示薬、分子、及び/又はマーカーの望ましくない拡散を阻止するように構成することができる。一部の実施形態では、上述のように、基材119もまた、そのような望ましくない拡散を阻止することができる。
【0146】
図1〜4に示す実施形態では、挿入部材130の基部127は、概してU字形又は馬蹄形であり、滅菌の間の芽胞115に向けた滅菌剤の移動、及び作動の間の芽胞115に向けた液体122の移動を促進する、中心開口177(
図3を参照)を含む。基部127の馬蹄形は、ハウジング102の上方部分116(すなわち第1チャンバ109)と下方部分114(すなわち第2チャンバ111)との間の開口部を増大させることができるが、しかしながら、この形状は、単なる例として示すものであり、他の形状を採用することもできる。
【0147】
一部の実施形態では、挿入部材130は、下向きに延出する1つ以上の突起部127を含むものとして説明することができ、この突起部127は、壁部118、又は生物学的滅菌インジケーター100の別の内部構造に当接するか、若しくは他の方法で結合して、挿入部材130のための基部若しくは支持部を提供し、作動の前のハウジング102に対する挿入部材130及び容器120の移動を阻止し、かつ/又は作動の間の容器120の破砕を援助するように適合される。結果として、一部の実施形態では、基部127は、その代わりに、「第3突起部」127と称することができる。
【0148】
例示の実施形態に示すように、一部の実施形態では、挿入部材130は、生物学的滅菌インジケーター100の第1チャンバ109内に、完全に存在するように構成することができるため、挿入部材130が、検査又は検出プロセスを潜在的に妨害する可能性がある、第2チャンバ111内へと、延在することがない。更には、挿入部材130は、第2チャンバ111内への、生物学的滅菌インジケーター100の他の部分(例えば、断裂した容器120)の移動を阻止するように構成することができる。
【0149】
図示の実施形態の挿入部材130は、中心の長手方向対称軸に関して、概して対称であることにより、2つの同一の第1突起部158、2つの同一の第2突起部161、及び2つの同一の第3突起部127が存在する。しかしながら、挿入部材130は、いずれの対称軸も含む必要はなく、第1突起部158は、互いに同じである必要はなく、第2突起部161は、互いに同じである必要はなく、第3突起部127は、互いに同じである必要はない。挿入部材130、並びに様々な突起部158、161、及び突起部127は、滅菌剤通路164を制御して、例えば、生物学的滅菌インジケーター100の殺傷/生存率を調整し、容器120の不用意な断裂を阻止し、ハウジング102内での容器120の移動を促進し、ハウジング102と接合若しくは係合し、かつ/又は容器120の破砕を制御するように、サイズ決定及び配置することができる。
【0150】
単なる例として、図示の挿入部材130は、少なくとも以下を含む一体型デバイスであるとして示される:作動の前に容器120を保持するための手段、作動の間に容器120を断裂させるための手段;ハウジング102内での容器120の移動を可能にするための手段;実質的に均一な滅菌剤通路164を提供するための手段、作動の後の断裂した容器120の諸部分を回収及び/又は保持する(又はハウジング102の第2チャンバ111内への、断裂した容器120の諸部分の移動を、少なくとも部分的に阻止する)ための手段;並びに/あるいは作動後の、ハウジング102の第2チャンバ111から第1チャンバ109への、芽胞115及び/又はシグナルの拡散を最小限に抑えるための手段。しかしながら、一部の実施形態では、挿入部材130は、単一の一体型デバイスの一部とすることができない、複数の部分を含み得、それらの部分のそれぞれを、上記の機能のうちの1つ以上を行なうように適合させることができる点を理解するべきである。
【0151】
挿入部材130が「挿入部材」と称される理由は、図示の実施形態では、上記の機能を実行するデバイスが、ハウジング102のリザーバ103(具体的には、第1チャンバ109)内に挿入することができるデバイスであるためである。しかしながら、挿入部材130は、その代わりに、ハウジング102自体、又は生物学的滅菌インジケーター100の別の構成要素によって提供することができ、必ずしもハウジング102内に挿入される必要がないことを理解するべきである。用語「挿入部材」が、簡略性のために、本開示の全体を通して説明されるが、そのような用語は限定することを意図するものではないことを理解するべきであり、上記の機能のうちの1つ以上を実行する他の等価の構造を、挿入可能な挿入部材130の変わりに、又は挿入可能な挿入部材130と組み合わせて使用することができる点を理解するべきである。更には、図示の実施形態では、挿入部材130は、ハウジング102内に、具体的にはハウジング102の第1部分104(及び第1チャンバ109)内に挿入可能であり、かつ、そこから取り外し可能である。しかしながら、挿入部材130がハウジング102内に挿入可能な場合であっても、挿入部材130は、ハウジング102から取り外し可能である必要はなく、むしろ、挿入部材130を所望の場所内に配置した後は、ハウジング102からの挿入部材130の取り外しを阻止する方式で、ハウジング102に固定結合させることができる点を理解するべきである。
【0152】
一部の実施形態では、ハウジング102の少なくとも一部分、例えば、ハウジング102の下方部分114は、電磁放射線の波長、又は様々な波長に対して透過的(例えば、可視光線光学検出方法が採用される場合、可視光線に対して透過的)とすることができ、このことにより、芽胞の増殖の検出を促進することができる。すなわち一部の実施形態では、
図3、4及び
図6に示すように、ハウジング102の少なくとも一部分は、検出窓167を含むか、又は検出窓167を形成することができる。
【0153】
更には、一部の実施形態では、
図3に示すように、ハウジング102の少なくとも一部分、例えば、下方部分114は、1つ以上の平面壁部168を含み得る。そのような平面壁部168により、芽胞の増殖の検出(例えば、光学検出)を促進することができる。更には、上記で示し、かつ説明されるように、ハウジング102の第1部分104の壁部108は、段差部152、段差部123、及びテーパー形状壁部、すなわち段差部170などの、1つ以上の段差状若しくはテーパー形状領域を含み得る。テーパー形状壁部170は、ハウジング102の下方部分、すなわち検出部分114の、全体的な厚さ及びサイズを低減するように機能し得ることにより、ハウジング102の外法寸法が、内法寸法に加えて低減される。生物学的滅菌インジケーター100の下方部分114の、そのようなサイズ及び/又は厚さの低減により、検出を促進することができる。更には、段差部及び/又はテーパー形状壁部123、152、170などの、1つ以上の機構を有することは、生物学的滅菌インジケーター100が、読み取り又は検出デバイスに、1つの配向のみで結合されることを可能にし得るため、生物学的滅菌インジケーター100が、読み取り装置に対して「キー止め」され、このことにより、ユーザーのエラーを最小限に抑え、検出プロセスの確実性を増進することができる。一部の実施形態では、生物学的滅菌インジケーター100の1つ以上の部分を、読み取り装置に対してキー止めすることができる。
【0154】
本開示の生物学的滅菌インジケーターは、全般的には、滅菌の間、液体122及び芽胞115を、隔離させながらも比較的接近させて維持する(例えば、内蔵型の生物学的滅菌インジケーター100の内部で)ことにより、滅菌プロセスに晒した後に、液体122と芽胞115とを容易に組み合わせることができる。液体122及び芽胞115は、検出プロセスの間、インキュベートすることができ(例えば、読み取り装置12は、生物学的滅菌インジケーター100をインキュベートすることができる)、又は生物学的滅菌インジケーター100は、検出プロセスの前にインキュベートすることができる。一部の実施形態では、液体122を使用して芽胞をインキュベートする場合、室温よりも高いインキュベーション温度を使用することができる。例えば、一部の実施形態では、インキュベーション温度は、少なくとも約37℃であり、一部の実施形態では、インキュベーション温度は、少なくとも約50℃(例えば、56℃)であり、一部の実施形態では、少なくとも約60℃である。一部の実施形態では、インキュベーション温度は、約60℃以下であり、一部の実施形態では、約50℃以下、一部の実施形態では、約40℃以下である。
【0155】
検出プロセスは、芽胞115からの(例えば、芽胞リザーバ136内部からの)、又は芽胞115の周囲を取り囲む液体122からの、検出可能な変化を検出するように適合させることができる。すなわち検出プロセスは、様々な特性を検出するように適合させることができ、それらの特性としては、電磁放射線(例えば、紫外バンド、可視バンド、及び/又は赤外バンドでの)、蛍光、発光、光散乱、電子的特性(例えば、コンダクタンス、インピーダンスなど、又はこれらの組み合わせ)、濁度、吸収度、ラマン分光光度、偏光度など、又はこれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。そのような特性の検出は、蛍光計、分光光度計、比色計などのうちの1つ以上、又はこれらの組み合わせによって実施することができる。蛍光、可視光線などを測定する実施形態などの、一部の実施形態では、検出可能な変化は、特定波長で検出することによって測定される。
【0156】
芽胞及び/又は液体122は、芽胞の生存度の標示である生化学反応の結果として、上記の特性のうちの1つ以上を生じさせるように適合させる(例えば標識する)ことができる。結果として、検出可能な変化が存在しない(例えば、ベースライン又はバックグラウンドの読み取り値と比較して)ことは、有効な滅菌プロセスを意味し得るが、その一方で、検出可能な変化は、無効な滅菌プロセスを意味し得る。一部の実施形態では、検出可能な変化は、上記の特性のうちの1つ以上が変化する(例えば、蛍光の増大、濁度の減少など)際の速度を含み得る。
【0157】
一部の実施形態では、芽胞の生存度は、酵素活性を利用することによって、判定することができる。参照により本明細書に組み込まれる、Matnerらの米国特許第5,073,488号、表題「Rapid Method for Determining Efficacy of a Sterilization Cycle and Rapid Read−out Biological Indicator」で説明されるように、特定のタイプの芽胞に関して、滅菌プロセスの有効性を判定するために利用することができる特に有用な特性を有する酵素を、特定することができる。そのような特性としては、(1)酵素が、1×10
6個の試験微生物の集団を、約6の対数で減少させる(すなわち試験微生物の増殖の欠如によって測定される、約0個の集団まで)ために十分な滅菌条件に供される場合に、その酵素に関する基質系との反応によって測定されるような、「バックグラウンド」と等しい残留活性を有すること、及び(2)酵素が、1×10
6個の試験微生物の集団を、少なくとも1の対数で、ただし6の対数未満で減少させるためにのみ十分な滅菌条件に供される場合に、その酵素基質系との反応によって測定されるような、「バックグラウンド」よりも高い酵素活性を有することを、挙げることができる。酵素基質系は、酵素によって反応が引き起こされ、検出可能な変化によって明白であるような、検出可能な酵素修飾生成物を生じさせる物質、あるいは物質の混合物を含み得る。
【0158】
一部の実施形態では、生物学的滅菌インジケーター100は、生物学的滅菌インジケーター100が、例えば芽胞115付近に配置される1つのみの検出窓(例えば、
図3の検出窓167)を含む、片面モードで検定することができる。しかしながら、一部の実施形態では、生物学的滅菌インジケーター100は、2つ以上の検出窓(例えば、ハウジング102の下方部分114の、双方の平行壁部168の、全て又は一部分によって形成される窓)を含み得ることにより、生物学的滅菌インジケーター100は、2つ以上の検出窓を介して検定することができる。複数の検出窓を採用する実施形態では、検出窓を、左右に並べて(片面モードと同様に)配置することができ、又は検出窓を、互いに対して一定の角度(例えば、90度、180度など)で配向することができる。
【0159】
全般的には、芽胞115は、リザーバ103と流体連通する、芽胞リザーバ136の内部に配置される。一部の実施形態では、芽胞リザーバ136は、リザーバ103の一部分(例えば、第2チャンバ111の一部分)を形成する。
図4に示すように、リザーバ103は、滅菌の間、環境と流体連通して(例えば、開口107を介して)、滅菌プロセスの間、滅菌剤がリザーバ103に入り、芽胞115を滅菌することを可能にする。容器120は、滅菌の間、液体122を収容して、液体122が、滅菌の間に、芽胞115、リザーバ103、及び滅菌剤と流体連通することを阻止するように構成することができる。
【0160】
ここで、芽胞115及び/又は芽胞リザーバ136の様々な詳細をより詳細に説明する。
【0161】
一部の実施形態では、芽胞115は、ハウジング102の下方部分114内に直接配置することができ、又は芽胞115は、芽胞リザーバ136(例えば、芽胞キャリア135によって提供される)などの、芽胞リザーバ内に配置することもできる。芽胞115が、ハウジング102の下方部分114内に直接配置される場合であれ、又は芽胞リザーバ内に配置される場合であれ、芽胞115は、様々な方式で提供することができる。一部の実施形態では、芽胞115は、生物学的滅菌インジケーター100内の所望の場所内に配置して、乾燥させることができる、芽胞懸濁液中に存在し得る。一部の実施形態では、芽胞115は、生物学的滅菌インジケーター100内の所望の場所内に配置及び/又は固定することができる、基材(図示せず)上に提供することができる。一部の実施形態は、乾燥形態で提供される芽胞115と基材上に提供される芽胞115との組み合わせを含み得る。
【0162】
一部の実施形態では、この基材は、芽胞115を支持し、かつ/又は、芽胞115を所望の所在部位内に維持することに役立つように、配置することができる。そのような基材としては、様々な材料を挙げることができ、それらの材料としては、紙、ポリマー(例えば、ハウジング102に関して上記に列挙されるポリマーのうちのいずれか)、接着剤(例えば、アクリレート、天然若しくは合成ゴム、シリコーン、シリコーンポリ尿素、イソシアネート、エポキシ、又はこれらの組み合わせ)、織布、不織布、微多孔性材料(例えば、微多孔性ポリマー材料)、反射性材料(例えば、金属箔)、ガラス、磁器、セラミック、ゲル形成材料(例えば、グアーガム)、又はこれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。更には、又は代替的には、そのような基材は、親水性コーティングを含むか、又は親水性コーティングに結合させて、液体122を芽胞115と緊密に接触させることを、促進することができる(例えば、採用される液体122が、水性である場合)。更には、又は代替的には、そのような親水性コーティングは、液体122と芽胞115とを流体結合するように配置される、いずれの流体通路にも適用することができる。一部の実施形態では、親水性コーティングに加えて、又は親水性コーティングの代わりに、液体122が、優先的に移動して芽胞115と接触するように、ハウジング102の他の部分(例えば、ハウジング102の下方部分114)及び/又は芽胞リザーバ136の他の部分に、疎水性コーティングを適用することができる。
【0163】
生物学的滅菌インジケーター100の一部の実施形態は、芽胞キャリア135を含まない。むしろ、芽胞リザーバ136が、ハウジング102の下方部分114自体によって提供され、芽胞115は、下方部分114内に配置することができ、下方部分114の内側表面若しくは壁部に吸着させることができ、又はこれらの組み合わせとすることができる。一部の実施形態では、芽胞115は、ハウジング102の下方部分114内に配置される、基材上に提供することができる。
【0164】
一部の実施形態では、芽胞115は、1つの芽胞の所在部位内に、又は複数個の芽胞の所在部位内に配置することができ、それらの所在部位の全ては、リザーバ103内、ハウジング102の下方部分114内、及び/又は芽胞リザーバ136内のいずれかに配置することができる。一部の実施形態では、複数の芽胞の所在部位を有することにより、滅菌剤及び液体122に対する芽胞の曝露を最大化することができ、製造性を改善することができ(例えば、生物学的滅菌インジケーター100内部の凹部内に、芽胞の所在部位のそれぞれを定置することによって、芽胞の定置を促進することができる)、検出特性を改善することができる(例えば、1つの大きい芽胞の所在部位の中央の芽胞は、それほど容易に検出することができないため)。複数個の芽胞の所在部位を採用する実施形態では、芽胞の各所在部位は、異なる既知数の芽胞を含み得、かつ/又は芽胞の各所在部位は、複数個の芽胞のタイプを試験することができるように、異なる芽胞を含み得る。複数のタイプの芽胞を採用することによって、生物学的滅菌インジケーター100を、様々な滅菌プロセスに関して使用することができ、芽胞の特定の所在部位を、特定の滅菌プロセスに関して分析することができ、又は複数のタイプの芽胞を使用して、滅菌プロセスの有効性若しくは信頼性を、更に試験することができる。
【0165】
更には、一部の実施形態では、生物学的滅菌インジケーター100は、複数個の芽胞リザーバ136を含み得、各芽胞リザーバ136が、1つ以上の芽胞115の所在部位を含み得る。複数個の芽胞リザーバ136を採用する、一部の実施形態では、複数個の芽胞リザーバ136を、リザーバ103と流体連通して配置することができる。
【0166】
一部の実施形態では、芽胞115は、芽胞115及び/又は芽胞リザーバ136に密着するか、若しくは上から装着されるように適合される、カバー(図示せず)で覆うことができる。そのようなカバーは、製造、滅菌、及び/又は使用の間、生物学的滅菌インジケーター100の所望の領域の範囲内に、芽胞を維持することに役立ち得る。このカバーは、採用される場合には、実質的に検出プロセスを妨げることがなく、かつ/又は対象の電磁放射線波長に対して少なくとも部分的に透過性である材料で、形成することができる。更には、カバーの材料構成に応じて、一部の実施形態では、このカバーにより、芽胞115に沿った液体122(例えば、栄養培地)のウィッキングを促進することができる。一部の実施形態では、このカバーはまた、毛管チャネル、親水性の微多孔性線維若しくは膜など、又はこれらの組み合わせなどの、芽胞リザーバ136内への(又は芽胞115への)流体の流れを促進するための機構も含み得る。更には、一部の実施形態では、このカバーは、シグナルを分離するか、又はシグナルを増強することができ、このことにより検出を促進することができる。そのようなカバーは、芽胞115が、芽胞リザーバ136内部に配置される場合であれ、又はハウジング102の下方部分114内に直接配置される場合であれ、採用することができる。更には、そのようなカバーは、複数個の芽胞の所在部位を採用する実施形態で、採用することができる。このカバーとしては、様々な材料を挙げることができ、それらの材料としては、紙、ポリマー(例えば、ハウジング102に関して上記に列挙されるポリマーのうちのいずれか)、接着剤(例えば、アクリレート、天然若しくは合成ゴム、シリコーン、シリコーンポリ尿素、イソシアネート、エポキシ、又はこれらの組み合わせ)、織布、不織布、微多孔性材料(例えば、微多孔性ポリマー材料)、ガラス、磁器、セラミック、ゲル形成材料(例えば、グアーガム)、又はこれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。
【0167】
一部の実施形態では、生物学的滅菌インジケーター100は、反射性表面、白色表面、黒色表面、又は表面の光学特性を最適化するために好適な別の表面改変などの、改変された内側表面を更に含み得る。反射性表面(例えば、金属箔によって提供される)を配置することにより、検定又は検出デバイスから芽胞リザーバ136内へ送られるシグナルを反射し、かつ/あるいは芽胞リザーバ136内部で生成されるあらゆるシグナルを、検定デバイスに向けて反射して戻すことができる。結果として、この反射性表面は、生物学的滅菌インジケーター100からのシグナルを改善する(例えば、その強度を改善する)ように機能することができる。そのような反射性表面は、ハウジング102の内側表面、ハウジング102の内側表面に結合される材料、芽胞リザーバ136の内側表面、芽胞リザーバ136の内側表面に結合される材料などによって提供することができ、又は反射性表面は、芽胞基材の一部分を形成するか、若しくは芽胞基材に結合することができ、あるいはこれらの組み合わせとすることができる。
【0168】
同様に、一部の実施形態では、生物学的滅菌インジケーター100は、検定デバイスから芽胞リザーバ136内へ送られる特定のシグナルを増大及び/又は減少させ、かつ/あるいは芽胞リザーバ136内部で生成される特定のシグナルを増大及び/又は減少させるように配置される、白色表面及び/又は黒色表面を更に含み得る。単なる例として、白色表面を使用して、シグナルを増強することができ、黒色表面を使用して、シグナル(例えば、ノイズ)を低減することができる。
【0169】
一部の実施形態では、芽胞115は、所望の表面上での芽胞115の固定化を助長するために、機能化表面上に配置することができる。例えば、そのような機能化表面は、ハウジング102の内側表面、芽胞リザーバ136の内側表面によって提供することができ、芽胞基材の一部分を形成するか、若しくは芽胞基材に結合することなどが可能であり、又はこれらの組み合わせとすることができる。
【0170】
一部の実施形態では、芽胞115は、微細構造表面又は微細複製表面(例えば、それらの全てが参照により本明細書に組み込まれる、HalversonらのPCT国際公開第2007/070310号、Hanschenらの米国特許出願公開第2003/0235677号、及びGrahamらのPCT国際公開第2004/000569号で開示されるもののような、微細構造表面など)上に配置される(例えば、コーティング又は別の適用方法によって適用される)。例えば、そのような微細構造表面は、ハウジング102の内側表面によって提供することができ、芽胞リザーバ136の内側表面によって提供することができ、芽胞基材の一部分を形成するか、若しくは芽胞基材に結合することなどが可能であり、又はこれらの組み合わせとすることができる。
【0171】
一部の実施形態では、生物学的滅菌インジケーター100は、液体122が容器120から解放される際に、芽胞115及び液体122と組み合わされるように配置される、ゲル形成材料を更に含み得る。例えば、このゲル形成材料は、芽胞115の近傍に(例えば、芽胞リザーバ136内に)、ハウジング102の下方部分114内に、配置することができ、芽胞基材の一部分を形成するか、若しくは芽胞基材に結合することなどが可能であり、又はこれらの組み合わせとすることができる。そのようなゲル形成材料は、液体122が芽胞と接触する際に、芽胞及び栄養素を含む、ゲル(例えば、ヒドロゲル)若しくはマトリクスを形成することができる。ゲル形成材料(例えば、グアーガム)は、水和するとゲルを形成する能力を有し、シグナル(例えば、蛍光)の局在化を援助することができ、芽胞115を定位置に固定することができ、芽胞115及び/又は芽胞リザーバ136からの信号の拡散を、最小限に抑えることを助けることができ、かつ/あるいは検出を増進することができるため、特に有用とすることができる。
【0172】
一部の実施形態では、生物学的滅菌インジケーター100は、吸収材料又はウィッキング材料を更に含み得る。例えば、ウィッキング材料は、芽胞115の近傍に(例えば、芽胞リザーバ136内に)配置することができ、芽胞基材の少なくとも一部分を形成するか、若しくは芽胞基材に結合することなどが可能であり、又はこれらの組み合わせとすることができる。そのようなウィッキング材料としては、液体122を芽胞と緊密に接触させることを促進することができる、多孔質のウィッキングパッド、浸漬パッドなど、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0173】
一部の実施形態では、壊れやすい容器120は、壊れやすい容器120の、所望の方式での断裂を促進するように構成することができる。例えば、一部の実施形態では、壊れやすい容器120の下方部分は、その下方部分が、壊れやすい容器120の別の部分よりも優先的に断裂するように、より薄く、かつ/又はより低い強度の材料で形成することができる。更には、一部の実施形態では、壊れやすい容器120は、壊れやすい容器120の、所望の方式での断裂を促進するように配置される、様々な機構を含み得、それらの機構としては、薄く、かつ/若しくは低い強度の区域、切り込み線、ミシン目など、又はこれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。
【0174】
壊れやすい容器120は、液体122が壊れやすい容器120の内部に収容される、第1の閉鎖状態と、壊れやすい容器120が断裂して、液体122がリザーバ103及び/又は芽胞リザーバ136内に解放され、芽胞115と流体連通する、第2の開放状態とを有し得る。
【0175】
一部の実施形態では、生物学的滅菌インジケーター100は、手動で作動させることができる(例えば、第2部分106を、第2の位置150に移動させることができる)。一部の実施形態では、生物学的滅菌インジケーター100は、読み取り装置によって作動させることができる(例えば、生物学的滅菌インジケーター100が、読み取り装置内に配置される際に)。一部の実施形態では、生物学的滅菌インジケーター100は、そのような読み取り装置とは無関係のデバイス(例えば、作動デバイス)を使用して、例えば、生物学的滅菌インジケーター100を読み取り装置のウェル内に配置する前に、そのデバイス内に生物学的滅菌インジケーター100を配置することによって作動させることができる。一部の実施形態では、生物学的滅菌インジケーター100は、読み取りデバイス、読み取りデバイスとは無関係のデバイス、及び手動による作動のうちの、2つ以上の組み合わせによって作動させることができる。
【0176】
生物学的滅菌インジケーター100、及び読み取り装置などの別のデバイスの、一方若しくは双方は、壊れやすい容器120の時期尚早又は偶発的な断裂を阻止するように、更に構成することができる。例えば、一部の実施形態では、生物学的滅菌インジケーター100、作動デバイス、又は読み取り装置は、ハウジング102の第2部分106が第2の位置150へと移動することを、所望されるまで阻止するように配置される、ロック又はロッキング機構を含み得る。そのような実施形態では、生物学的滅菌インジケーター100は、そのロックが移動するか、取り外されるか、又はロック解除されるまで、作動させることができない。更には、又は代替的には、一部の実施形態では、生物学的滅菌インジケーター100、作動デバイス、及び/又は読み取り装置は、ハウジング102の第2部分106が、作動の後に、第2の位置150から第1の位置148へと移動して戻ることを阻止するように配置される、ロック又はロッキング機構を含み得る。
【0177】
一部の実施形態では、例示の実施形態に示すように、ハウジングの少なくとも一部分を、平坦にすることができ(例えば、平行壁部168)、芽胞リザーバ136に対して実質的に平面的とすることができ、また平行壁部168の一方若しくは双方、又はその一部分(例えば、検出窓167)は、その壁部168(又は検出窓167)の少なくとも1つの寸法が、芽胞リザーバ136及び/又は芽胞115の所在部位の、少なくとも1つの寸法に実質的に一致するように、サイズ決定することができる。換言すれば、壁部168又はその一部分(例えば、検出窓167)は、芽胞リザーバ136及び/又は芽胞115の所在部位の断面積と、実質的に同じサイズである断面積を含み得る。壁部168/検出窓167と、芽胞リザーバ136及び/又は芽胞115の所在部位との、そのようなサイズの一致により、検出又は検定プロセスの間に検出されるシグナルを最大化することができる。あるいは、又は更には、壁部168又は検出窓167は、リザーバ103と一致するようにサイズ決定することができる(例えば、少なくとも1つの寸法又は断面積を、一致するようにサイズ決定することができる)。検出区画間のそのようなサイズの一致により、芽胞の検定及び検出を改善することができる。
【0178】
図1〜7に示す生物学的滅菌インジケーター100は、少なくとも、芽胞115が配置される生物学的滅菌インジケーター100の部分が、比較的薄い(すなわち「z方向寸法」が最小化される)ことにより、芽胞から壁部168(又は検出窓167)までの光路長が最小化され、かつ/又は液体122(又は栄養培地)中の妨害物質のいずれの影響も最小限に抑えられる。
【0179】
使用時には、生物学的滅菌インジケーター100は、滅菌プロセス用の滅菌バッチと共に、定置することができる。滅菌の間、滅菌剤は、リザーバ103(すなわち第1チャンバ109及び第2チャンバ111)、芽胞リザーバ136、及び芽胞115と、主に滅菌剤通路164を介して流体連通することにより、滅菌剤は、芽胞に到達して、滅菌済みの芽胞を作り出すことができる。上述のように、第1流体通路160と第2流体通路162との協働により、第2チャンバ111内への、具体的には生物学的滅菌インジケーター100の閉鎖末端部105内への、滅菌剤の移動を促進することができる。更には、滅菌の間、壊れやすい容器120は閉鎖状態にあり、少なくとも部分的に、挿入部材130のキャリア132によって、無損傷で保持される。壊れやすい容器120が、閉鎖状態にあるとき、液体122は、滅菌剤から防護され、リザーバ103(具体的には、ハウジング102の下方部分114によって少なくとも部分的に形成される、第2チャンバ111)、芽胞リザーバ136、芽胞115、又は滅菌剤通路164とは流体連通しない。
【0180】
滅菌は、容器120が第1の状態にあるとき、第1流体通路160を介して、第1チャンバ109から第2チャンバ111へ滅菌剤を移動させることと、第1チャンバ109から第2チャンバ111への滅菌剤の移動に応答して、又は滅菌剤の移動を促進するために、第2流体通路162を介して、第2チャンバ111から外へ排出気体(例えば、閉じ込められた空気)を移動させることとを更に含み得る。
【0181】
滅菌に続いて、生物学的滅菌インジケーター100を使用して、その滅菌プロセスの有効性を判定することができる。ハウジング102の第2部分106は、従前に第1の位置148にロックされている場合には、ロック解除して、第1の位置148(
図4を参照)から第2の位置150(
図6を参照)に移動させることにより、生物学的滅菌インジケーター100の作動を引き起こすことができる。第2部分106のそのような移動により、壊れやすい容器120を、ハウジング102内で、例えば、長手方向D
Lに沿って、突起部158の上方末端部159の上方の位置から、突起部158の内側の内部の位置まで移動させることができ、このことにより、壊れやすい容器120を断裂させることができる。壊れやすい容器120を断裂させることにより、壊れやすい容器120を、その閉鎖状態から、その開放状態へと変化させ、液体122を、リザーバ103内に解放して、芽胞リザーバ136及び芽胞115と流体連通させることができる。液体122は、芽胞のための栄養培地(例えば、発芽培地)を含み得るか、又は液体122は、乾燥形態(例えば、粉末又は錠剤の形態)の栄養培地に接触して、栄養培地を形成することができるため、滅菌済みの芽胞及び栄養培地を含む、混合物が形成される。次いで、この混合物を、検出若しくは検定プロセスの前に、又はそのプロセスの間、インキュベートすることができ、生物学的滅菌インジケーター100を、芽胞の増殖の標示に関して検査することができる。
【0182】
作動は、容器120が第2の状態にあるとき、第1流体通路160を介して、第1チャンバ109から第2チャンバ111へ液体122を移動させることと、第1流体通路160を介した、第1チャンバ109から第2チャンバ111への液体122の移動に応答して、又は液体122の移動を促進するために、第2流体通路162を介して、第2チャンバ111から外へ排出気体(例えば、閉じ込められた空気)を移動させることとを更に含み得る。
【0183】
芽胞115の検出可能な変化を検出するために、液体122と芽胞115とが組み合わされた直後に、生物学的滅菌インジケーター100を検定して、ベースラインの読み取り値を獲得することができる。その後は、このベースラインの読み取り値からの、あらゆる検出可能な変化を、検出することができる。生物学的滅菌インジケーター100は、継続的若しくは断続的に、監視及び測定することができる。一部の実施形態では、インキュベーション工程の一部分又は全体は、検出可能な変化を測定する前に実施することができる。一部の実施形態では、インキュベーションは、ある1つの温度で(例えば、37℃で、50〜60℃で、など)実施することができ、検出可能な変化の測定は、異なる温度で(例えば、室温で、25℃、又は37℃で)実施することができる。
【0184】
生物学的滅菌インジケーター100の読み出し時間(すなわち滅菌プロセスの有効性を判定するための時間)は、一部の実施形態では、8時間未満とすることができ、一部の実施形態では、1時間未満、一部の実施形態では、30分未満、一部の実施形態では、15分未満、一部の実施形態では、5分未満、一部の実施形態では、1分未満とすることができる。
【0185】
実施形態
実施形態1は、生物学的滅菌インジケーターであって、
ハウジングと、
液体を収容し、かつハウジング内に配置されるように寸法決めされる、容器であって、この容器の少なくとも一部分は、壊れやすく、この容器は、容器が無損傷であり、液体がハウジングの内部と流体連通していない、第1の状態と、容器が断裂して、液体がハウジングの内部と流体連通する、第2の状態とを有する、容器と、
容器が第1の状態にあるとき、容器が中に配置される、ハウジング内の第1チャンバと、
容器が第1の状態にあるとき、容器及び液体が中に配置されず、容器が第1の状態にあるとき、滅菌剤が中に移動し、容器が第2の状態にあるとき、液体が中に移動する、ハウジング内の第2チャンバであって、この第2チャンバは、容器が第1の状態にあるとき、液体と流体連通せず、容器が第2の状態にあるとき、液体と流体連通する、少なくとも1つの生物活性の発生源を含む、第2チャンバと、
第1チャンバと第2チャンバとを流体結合するように配置される、第1流体通路であって、この第1流体通路は、容器が第1の状態にあるとき、滅菌剤が第1チャンバから第2チャンバ内に移動することを可能にし、容器が第2の状態にあるとき、液体が第1チャンバから第2チャンバ内に移動することを可能にするように配置される、第1流体通路と、
第2チャンバと生物学的滅菌インジケーターの別のチャンバとを流体結合するように配置される、第2流体通路であって、この第2流体通路は、滅菌剤又は液体が、第1チャンバから第2チャンバに移動する際に、排出される気体が、第2チャンバから外へ移動することを可能にするように配置される、第2流体通路とを含む、生物学的滅菌インジケーターである。
【0186】
実施形態2は、生物学的滅菌インジケーターを使用するための方法であって、この方法は、
ハウジングと、
液体を含み、かつハウジング内部に配置される容器であって、この容器の少なくとも一部分は、壊れやすく、この容器は、容器が無損傷であり、液体がハウジングの内部と流体連通していない、第1の状態と、容器が断裂して、液体がハウジングの内部と流体連通する、第2の状態とを有する、容器と、
容器が第1の状態にあるとき、容器が中に配置される、ハウジング内部の第1チャンバと、
容器が第1の状態にあるとき、容器及び液体が中に配置されず、容器が第1の状態にあるとき、滅菌剤が中に移動し、容器が第2の状態にあるとき、液体が中に移動する、ハウジング内部の第2チャンバであって、この第2チャンバは、容器が第1の状態にあるとき、液体と流体連通せず、容器が第2の状態にあるとき、液体と流体連通する、少なくとも1つの生物活性の発生源を含む、第2チャンバとを含む、生物学的滅菌インジケーターを提供することと、
(a)容器が第1の状態にあるとき、第1流体通路を介して、第1チャンバから第2チャンバに滅菌剤を移動させ、
滅菌剤が、第1流体通路を介して、第1チャンバから第2チャンバに移動される際に、第2流体通路を介して、排出される気体を、第2チャンバから外へ移動させること、及び
(b)容器が第2の状態にあるとき、第1流体通路を介して、第1チャンバから第2チャンバに液体を移動させ、
液体が、第1流体通路を介して、第1チャンバから第2チャンバに移動される際に、第2流体通路を介して、排出される気体を、第2チャンバから外へ移動させることの、少なくとも一方とを含む。
【0187】
実施形態3は、第2流体通路が、第2チャンバと第1チャンバとを流体結合するように配置され、この第2流体通路は、排出される気体が、第2チャンバから第1チャンバに移動することを可能にするように配置される、実施形態1の生物学的滅菌インジケーター又は実施形態2の方法である。
【0188】
実施形態4は、第1流体通路が、第2チャンバに第1の位置で入り、第2流体通路が、第1チャンバに第2の位置で入り、生物学的滅菌インジケーターの動作中、第2の位置が、第1の位置よりも上方に配置される、実施形態3の生物学的滅菌インジケーター又は方法である。
【0189】
実施形態5は、第1流体通路が、第2チャンバを、第1チャンバの近位部分と流体結合するように配置され、第2流体通路が、第2チャンバを、第1チャンバの遠位部分と流体結合するように配置される、実施形態3若しくは実施形態4の生物学的滅菌インジケーター又は実施形態3若しくは実施形態4の方法である。
【0190】
実施形態6は、容器が第2の状態にあるとき、第2チャンバが、少なくとも部分的に液体で充填され、この液体が、あるレベルを有し、第2流体通路が、その液体のレベルよりも下方の位置と、その液体のレベルよりも上方の位置との間に延在する、実施形態1及び実施形態3〜5のいずれかの生物学的滅菌インジケーターあるいは実施形態2〜5のいずれかの方法である。
【0191】
実施形態7は、第2流体通路が、第2チャンバから、生物学的滅菌インジケーター内の、第1流体通路が第2チャンバに入る位置よりも上方の位置まで延在する、チャネルによって、少なくとも部分的に画定される、実施形態1及び実施形態3〜6のいずれかの生物学的滅菌インジケーターあるいは実施形態2〜6のいずれかの方法である。
【0192】
実施形態8は、第2流体通路が、第2チャンバから、生物学的滅菌インジケーター内の、第1流体通路が第2チャンバに入る位置よりも上方の位置まで延在する、実施形態1及び実施形態3〜7のいずれかの生物学的滅菌インジケーターあるいは実施形態2〜7のいずれかの方法である。
【0193】
実施形態9は、第1流体通路が、第2チャンバに第1の位置で接続し、第2流体通路が、第2チャンバに第2の位置で接続し、生物学的滅菌インジケーターの動作中、第2の位置が、垂直方向で、第1の位置又は第1の位置よりも上方に位置する、実施形態1及び実施形態3〜8のいずれかの生物学的滅菌インジケーターあるいは実施形態2〜8のいずれかの方法である。
【0194】
実施形態10は、第2流体通路が、容器が第2の状態にあるときに液体で最後に充填される、第2チャンバのレベルで、第2チャンバに接続する、実施形態1及び実施形態3〜9のいずれかの生物学的滅菌インジケーターあるいは実施形態2〜9のいずれかの方法である。
【0195】
実施形態11は、容器が第2の状態にあるとき、ハウジングの内部が環境と流体連通しない、実施形態1及び実施形態3〜10のいずれかの生物学的滅菌インジケーターあるいは実施形態2〜10のいずれかの方法である。
【0196】
実施形態12は、第1チャンバ及び第2チャンバが、それぞれ、ある容積を有し、第2チャンバの容積が、第1チャンバの容積の20%以下である、実施形態1及び実施形態3〜11のいずれかの生物学的滅菌インジケーターあるいは実施形態2〜11のいずれかの方法である。
【0197】
実施形態13は、第1チャンバ及び第2チャンバが、それぞれ、ある容積を有し、第2チャンバの容積が、第1チャンバの容積の10%以下である、実施形態1及び実施形態3〜12のいずれかの生物学的滅菌インジケーターあるいは実施形態2〜12のいずれかの方法である。
【0198】
実施形態14は、第1チャンバ及び第2チャンバが、それぞれ、ある平均断面積を有し、第2チャンバの平均断面積が、第1チャンバの平均断面積の50%以下である、実施形態1及び実施形態3〜13のいずれかの生物学的滅菌インジケーターあるいは実施形態2〜13のいずれかの方法である。
【0199】
実施形態15は、第1チャンバ及び第2チャンバが、それぞれ、ある平均断面積を有し、第2チャンバの平均断面積が、第1チャンバの平均断面積の40%以下である、実施形態1及び実施形態3〜14のいずれかの生物学的滅菌インジケーターあるいは実施形態2〜14のいずれかの方法である。
【0200】
実施形態16は、ハウジング内に配置される挿入部材を更に含み、この挿入部材が、容器を無損傷で保持すること、及び容器を断裂させることの、少なくとも一方に関して構成される、実施形態1及び実施形態3〜15のいずれかの生物学的滅菌インジケーターあるいは実施形態2〜15のいずれかの方法である。
【0201】
実施形態17は、挿入部材が、第2流体通路の少なくとも一部分を画定する、実施形態16の生物学的滅菌インジケーター又は方法である。
【0202】
実施形態18は、挿入部材が、第1流体通路の少なくとも一部分を画定する、実施形態16若しくは実施形態17の生物学的滅菌インジケーター又は実施形態16若しくは実施形態17の方法である。
【0203】
実施形態19は、挿入部材が、第1チャンバ内に配置される、実施形態16〜18のいずれかの生物学的滅菌インジケーター又は実施形態16〜18のいずれかの方法である。
【0204】
実施形態20は、第2流体通路が、挿入部材、及びハウジングの内側表面によって画定される、実施形態16〜19のいずれかの生物学的滅菌インジケーター又は実施形態16〜19のいずれかの方法である。
【0205】
実施形態21は、第2流体通路が、ハウジング、挿入部材、第2チャンバ内に少なくとも1つの生物活性の発生源を収容するように配置される発生源キャリア、及び第1チャンバと第2チャンバとの間に配置される基材のうちの少なくとも1つによって、少なくとも部分的に画定される、実施形態16〜20のいずれかの生物学的滅菌インジケーター又は実施形態16〜20のいずれかの方法である。
【0206】
実施形態22は、第1流体通路が、ハウジング、挿入部材、第2チャンバ内に少なくとも1つの生物活性の発生源を収容するように配置される発生源キャリア、及び第1チャンバと第2チャンバとの間に配置される基材のうちの少なくとも1つによって、少なくとも部分的に画定される、実施形態16〜21のいずれかの生物学的滅菌インジケーター又は実施形態16〜21のいずれかの方法である。
【0207】
実施形態23は、挿入部材が、第1チャンバ及び第2チャンバを、少なくとも部分的に画定するように配置される、実施形態16〜22のいずれかの生物学的滅菌インジケーター又は実施形態16〜22のいずれかの方法である。
【0208】
実施形態24は、第2チャンバが、ハウジングの閉鎖末端部によって、少なくとも部分的に画定される、実施形態1及び実施形態3〜23のいずれかの生物学的滅菌インジケーターあるいは実施形態2〜23のいずれかの方法である。
【0209】
実施形態25は、容器が第1の状態にあるとき、第1チャンバ及び第2チャンバが、ハウジング内の少なくとも1つの開口を介して、環境と流体連通し、その少なくとも1つの開口が、第2チャンバからは第1チャンバの反対側に位置する、第1チャンバの末端部に隣接して配置される、実施形態1及び実施形態3〜24のいずれかの生物学的滅菌インジケーターあるいは実施形態2〜24のいずれかの方法である。
【0210】
実施形態26は、第1チャンバが、ハウジングの第1末端部に向けて配置される第1末端部、及びハウジングの第2末端部に向けて配置される第2末端部を含み、第2チャンバが、第1チャンバの第2末端部と流体連通する第1末端部、及びハウジングの第2末端部によって少なくとも部分的に画定される第2末端部を含む、実施形態1及び実施形態3〜25のいずれかの生物学的滅菌インジケーターあるいは実施形態2〜25のいずれかの方法である。
【0211】
実施形態27は、ハウジングが長手方向を含み、第1チャンバが第2チャンバの上方に配置され、第1流体通路及び第2流体通路が、実質的に、第1チャンバと第2チャンバとの間で長手方向に延在する、実施形態1及び実施形態3〜26のいずれかの生物学的滅菌インジケーターあるいは実施形態2〜26のいずれかの方法である。
【0212】
実施形態28は、ハウジングが、第1末端部及び第2末端部を含み、第1チャンバが、第1末端部に隣接して配置され、第2チャンバが、第2末端部に隣接して配置される、実施形態1及び実施形態3〜27のいずれかの生物学的滅菌インジケーターあるいは実施形態2〜27のいずれかの方法である。
【0213】
実施形態29は、第2流体通路の少なくとも一部分が、ハウジングの内側表面によって画定される、実施形態1及び実施形態3〜28のいずれかの生物学的滅菌インジケーターあるいは実施形態2〜28のいずれかの方法である。
【0214】
実施形態30は、ハウジングが、第1部分、及び第1部分に結合するように適合される、第2部分を含み、この第2部分が、第1部分に結合される場合、第1部分に対して、第1の位置と第2の位置との間で移動可能である、実施形態1及び実施形態3〜29のいずれかの生物学的滅菌インジケーターあるいは実施形態2〜29のいずれかの方法である。
【0215】
実施形態31は、ハウジングの第2部分が第1の位置から第2の位置に移動することに応答して、容器が、第1の状態から第2の状態に変化する、実施形態30の生物学的滅菌インジケーター又は方法である。
【0216】
実施形態32は、ハウジングの第2部分が第2の位置にあるとき、ハウジングの内部が、環境から封止される、実施形態30若しくは実施形態31の生物学的滅菌インジケーター又は実施形態30若しくは実施形態31の方法である。
【0217】
実施形態33は、ハウジングの第2部分が第1の位置から第2の位置に移動することに応答して、液体が、第2チャンバ内に移動する、実施形態30〜32のいずれかの生物学的滅菌インジケーター又は実施形態30〜32のいずれかの方法である。
【0218】
実施形態34は、ハウジングの第2部分が第1の位置にあるとき、少なくとも1つの生物活性の発生源が、環境と流体連通する、実施形態30〜33のいずれかの生物学的滅菌インジケーター又は実施形態30〜33のいずれかの方法である。
【0219】
実施形態35は、ハウジングの第2部分が第2の位置にあるとき、少なくとも1つの生物活性の発生源が、環境と流体連通しない、実施形態30〜34のいずれかの生物学的滅菌インジケーター又は実施形態30〜34のいずれかの方法である。
【0220】
実施形態36は、容器が、ガラスアンプルを含む、実施形態1及び実施形態3〜35のいずれかの生物学的滅菌インジケーターあるいは実施形態2〜35のいずれかの方法である。
【0221】
実施形態37は、第2チャンバ内に配置され、かつ少なくとも1つの生物活性の発生源を収容するように構成される、発生源キャリアを更に含む、実施形態1及び実施形態3〜36のいずれかの生物学的滅菌インジケーターあるいは実施形態2〜36のいずれかの方法である。
【0222】
実施形態38は、第1チャンバ及び第2チャンバの少なくとも一方が、部分的壁部によって、少なくとも部分的に画定される、実施形態1及び実施形態3〜37のいずれかの生物学的滅菌インジケーターあるいは実施形態2〜37のいずれかの方法である。
【0223】
実施形態39は、部分的壁部が、生物学的滅菌インジケーターの長手方向に対して、非直角の方向に配置される、実施形態38の生物学的滅菌インジケーター又は方法である。
【0224】
実施形態40は、第1チャンバ及び第2チャンバが、基材によって、少なくとも部分的に画定される、実施形態1及び実施形態3〜39のいずれかの生物学的滅菌インジケーターあるいは実施形態2〜39のいずれかの方法である。
【0225】
実施形態41は、基材が、生物学的滅菌インジケーターの長手方向に対して、非直角の方向に配置される、実施形態40の生物学的滅菌インジケーター又は方法である。
【0226】
実施形態42は、排出される気体を、第2チャンバから外へ移動させることが、排出される気体を、第2チャンバから第1チャンバに移動させることを含む、実施形態2〜41のいずれかの方法である。
【0227】
実施形態43は、ハウジングが、第1部分、及び第1部分に結合するように適合される、第2部分を含み、この第2部分が、第1部分に結合される場合、第1部分に対して、第1の位置と第2の位置との間で移動可能であり、ハウジングの第2部分を、ハウジングの第1部分に対して、第1の位置から第2の位置に移動させることを更に含む、実施形態2〜42のいずれかの方法である。
【0228】
実施形態44は、容器を断裂させて、第1の状態から第2の状態に容器を変化させることを更に含み、容器を断裂させることが、ハウジングの第2部分を、第1の位置から第2の位置に移動させることに応答して実施される、実施形態43の方法である。
【0229】
実施形態45は、容器を断裂させることが、ガラスアンプルを粉砕することを含む、実施形態44の方法である。
【0230】
実施形態46は、第2流体通路を介して、第2チャンバから第1チャンバに、気体を内部通気することによって、滅菌の間の、第1チャンバから第2チャンバへの滅菌剤の流れを促進することを更に含む、実施形態2〜45のいずれかの方法である。
【0231】
実施形態47は、
容器を断裂させて、第1の状態から第2の状態に容器を変化させることと、
容器を断裂させる間、又は断裂させた後に、ハウジングの内部を環境から封止することとを更に含み、
排出される気体を、第2チャンバから外へ移動させることが、第2チャンバを内部通気することを含む、実施形態2〜46のいずれかの方法である。
【0232】
実施形態48は、第1チャンバから第2チャンバに液体を移動させることが、重力によって実施される、実施形態2〜47のいずれかの方法である。
【0233】
上述され、図に示される実施形態は、単なる例として提示されるものであり、本開示の概念及び原理に対する限定を意図するものではない。それゆえ、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、諸要素、並びにその構成及び配置の、様々な変更が可能であることが、当業者には理解されるであろう。本開示の様々な特徴及び態様を、以下の特許請求の範囲に記載する。