(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
以上のように、エンドトキシン、βグルカン、ペプチドグリカン等の微生物夾雑物の検出において、高感度でかつ簡便・迅速な測定技術が求められている。このような現状に鑑み、本発明は、エンドトキシン等の微生物夾雑物の検出をより高感度でかつ簡便・迅速に行うことができる技術を提供することを目的とする。さらに、所定量の液体試料を量り取るための液体試料計量槽を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
関連の発明は、所定量の液体試料を量り取るための液体試料計量槽であって、所定の容積を有し、試薬設置槽と隔壁を介して連結されており、隔壁を破ることにより前記試薬設置槽と連通し、所定量の液体試料を前記試薬設置槽内に導入可能であることを特徴とする液体試料計量槽である。
【0012】
関連の発明は、軟質材料からなる蓋部材を有し、蓋部材に注射針を突き刺して液体試料を液体試料計量槽に導入可能であることを特徴とする
上記の液体試料計量槽である。
【0013】
請求項
1に記載の発明は、
所定量の液体試料を量り取るための液体試料計量槽であって、所定の容積を有し、試薬設置槽と隔壁を介して連結されており、隔壁を破ることにより前記試薬設置槽と連通し、所定量の液体試料を前記試薬設置槽内に導入可能であり、軟質材料からなる蓋部材を有し、蓋部材に注射針を突き刺して液体試料を液体試料計量槽に導入可能であり、蓋部材の上面に立設された堰壁により、蓋部材の上面は試料導入エリアと試料排出エリアに仕切られており、試料排出エリアには逆止弁が設けられ、試料導入エリアに注射針を突き刺して液体試料計量槽の容積を超える量の液体試料を液体試料計量槽内部に導入して前記逆止弁から液体試料を排出することにより、前記容積と等しい量の液体試料を量り取ることができることを特徴とす
る液体試料計量槽である。
【0014】
関連の発明は、容器内で液体試料を血球溶解物又は昆虫の体液由来成分に接触させて、液体試料中の微生物夾雑物と血球溶解物又は昆虫の体液由来成分とを反応させ、液体試料中における微生物夾雑物の存在又は量を決定するための微生物夾雑物検出容器であり、容器本体と発光検出槽とを備え、血球溶解物又は昆虫の体液由来成分を少なくとも含有する血球溶解物等含有試薬と、所定の基質と反応して生物発光又は化学発光を発生させる発光用試薬とを内蔵しており、液体試料を容器本体内に導入可能であり、導入された液体試料が前記血球溶解物等含有試薬と前記発光用試薬を溶解し、当該溶解物が発する生物発光又は化学発光を前記発光検出槽にて検出可能であることを特徴とする微生物夾雑物検出容器である。
【0015】
この発明は、液体試料中における微生物夾雑物の存在又は量を決定するための微生物夾雑物検出容器に関するものである。この発明の微生物夾雑物検出容器は、血球溶解物又は昆虫の体液由来成分(以下、「血球溶解物等」と称することがある。)を少なくとも含有する「血球溶解物等含有試薬」と、所定の基質と反応して生物発光又は化学発光を発生させる「発光用試薬」とを内蔵している。またこの発明の微生物夾雑物検出容器は、容器本体と発光検出槽とを備えており、液体試料を容器本体内に導入可能である。そして、導入された液体試料が血球溶解物等含有試薬と発光用試薬を溶解し、当該溶解物が発する生物発光又は化学発光を前記発光検出槽にて検出可能である。この発明の微生物夾雑物検出容器によれば、エンドトキシン、βグルカン、ペプチドグリカン等の微生物夾雑物の生物発光又は化学発光による高感度検出を、簡便かつ迅速に行うことができる。
【0016】
血球溶解物等含有試薬と発光用試薬は、容器内の同一の場所に配置されてもよく、異なる場所に配置されてもよい。同一の場所に配置する場合には、両試薬を混合した状態で配置することもできる。
【0017】
「血球溶解物」と「昆虫の体液由来成分」には、本来の生物由来のものの他に、化学合成や遺伝子組換え技術により作製された、血球溶解物あるいは昆虫の体液由来成分の「同等物」も含まれる。
【0018】
関連の発明は、容器本体と発光検出槽とが隔壁を介して連結されており、隔壁を破ることにより容器本体と発光検出槽とが連通することを特徴とする上記の微生物夾雑物検出容器である。
【0019】
かかる構成により、液体試料を容器本体内に一旦収容し、その後、隔壁を破ることにより液体試料を発光検出槽に導入することが可能となる。
【0020】
上記の微生物夾雑物検出容器において、血球溶解物等含有試薬は、容器本体に配置されていることが好ましい。
【0021】
関連の発明は、発光用試薬は、発光検出槽に配置されていることを特徴とする上記の微生物夾雑物検出容器である。
【0022】
かかる構成により、生物発光又は化学発光の発光寿命が短い場合であっても、高感度かつ正確に生物発光又は化学発光を検出できる。
【0023】
関連の発明は、容器本体は隔壁を介して少なくとも2つの槽に仕切られており、隔壁を破ることにより隣接する槽同士が連通することを特徴とする上記の微生物夾雑物検出容器である。
【0024】
この発明の微生物夾雑物検出容器では、容器本体が隔壁を介して少なくとも2つの槽に仕切られている。そのため、容器本体に導入された液体試料を各槽に収容し待機させることができる。さらに、隔壁を破ることにより、待機中の液体試料を隣接する槽に送ることができる。各槽においては、例えば、収容した液体試料と血球溶解物等含有試薬とを接触させ、反応を行うことができる。
【0025】
関連の発明は、容器本体の1つの槽に、血球溶解物等含有試薬が配置され、容器本体の別の槽に、発光基質を遊離する発光合成基質が配置され、発光検出槽に、発光用試薬が配置され、発光用試薬には前記発光基質と反応する発光酵素が含まれていることを特徴とする上記の微生物夾雑物検出容器である。
【0026】
かかる構成により、液体試料と血球溶解物等含有試薬との反応、発光基質の遊離反応、及び発光酵素による発光反応を、隔壁を順次破ることにより連続的に行うことができる。
【0027】
上記の微生物夾雑物検出容器において、血球溶解物等含有試薬には発光基質を遊離する発光合成基質が混合されており、発光用試薬には前記発光基質と反応する発光酵素が含まれている構成が好ましい。
【0028】
上記の微生物夾雑物検出容器において、発光合成基質はルシフェリン又はその誘導体を遊離可能なものであり、発光酵素はルシフェラーゼである構成が好ましい。ここで「ルシフェリンの誘導体」とは、ルシフェリンと同様に、ルシフェラーゼと反応することにより生物発光を発するルシフェリンと構造類似の化合物をいう。
【0029】
上記の微生物夾雑物検出容器において、容器本体内に連通する試薬収容槽がさらに設けられており、当該試薬収容槽に血球溶解物等含有試薬が配置されていてもよい。
【0030】
上記の微生物夾雑物検出容器において、試薬収容槽は、容器本体内に設けられていてもよい。
【0031】
上記の微生物夾雑物検出容器において、容器本体は円筒状であり、その軸線方向における一方の端部に発光検出槽が連結されている構成が好ましい。
【0032】
関連の発明は、所定の容積を有する液体試料計量槽をさらに備え、所定量の液体試料を液体試料計量槽から容器本体内に導入可能であることを特徴とする上記の微生物夾雑物検出容器である。
【0033】
この発明の微生物夾雑物検出容器は、所定の容積を有する液体試料計量槽を備えている。かかる構成により、液体試料の計量を容易に行える。
【0034】
上記の微生物夾雑物検出容器において、液体試料計量槽と容器本体とが隔壁を介して連結されており、隔壁を破ることにより液体試料計量槽と容器本体とが連通する構成が好ましい。
【0035】
微生物夾雑物は、エンドトキシン、βグルカン、又はペプチドグリカンである構成が好ましい。
【0036】
血球溶解物は、カブトガニの血球抽出成分である構成が好ましい。
【0037】
昆虫の体液由来成分は、カイコの体液抽出成分である構成が好ましい。
【0038】
関連の発明は、上記の微生物夾雑物検出容器と、発光検出器を備えたことを特徴とする微生物夾雑物検出システムである。
【0039】
この発明は微生物夾雑物検出システムに係るものであり、上記の微生物夾雑物検出容器と、発光検出器を備えている。この発明は微生物夾雑物検出システムによれば、液体試料中の微生物夾雑物を、より簡便かつ迅速に検出することができる。
【0040】
関連の発明は、上記の微生物夾雑物検出容器を用いて液体試料中の微生物夾雑物の存在又は量を決定することを特徴とする微生物夾雑物の検出方法である。
【0041】
この発明は微生物夾雑物の検出方法に係るものであり、上記の微生物夾雑物検出容器を用いるものである。この発明によれば、液体試料中の微生物夾雑物を、正確かつ簡便・迅速に検出することができる。
【発明の効果】
【0042】
本発明の液体試料計量槽によれば、液体試料の計量を容易に行える。
【0043】
関連の発明の微生物夾雑物検出容器によれば、エンドトキシン、βグルカン、ペプチドグリカン等の微生物夾雑物を高感度かつ簡便・迅速に検出することができる。
【0044】
関連の発明の微生物夾雑物検出システムについても同様であり、エンドトキシン、βグルカン、ペプチドグリカン等の微生物夾雑物を高感度かつ簡便・迅速に検出することができる。
【0045】
関連の発明の微生物夾雑物の検出方法についても同様であり、エンドトキシン、βグルカン、ペプチドグリカン等の微生物夾雑物を高感度かつ簡便・迅速に検出することができる。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する微生物夾雑物検出容器1は、通常、正面視(
図1)における上下方向が鉛直方向となる姿勢(基本姿勢)で使用される。以下の記載において、上下方向は基本姿勢における方向を基準とする。また発明の理解を容易にするために、各図面において、各部材の大きさや厚みについては一部誇張して描かれており、実際の大きさや比率等とは必ずしも一致しないことがある。
【0048】
本発明の第一実施形態に係る微生物夾雑物検出容器1は、液体試料中のエンドトキシン(微生物夾雑物)を検出するためのものである。微生物夾雑物検出容器1は、
図1〜
図4に示すように、外観が細長い棒状である。微生物夾雑物検出容器1は、容器本体2と発光検出槽3とを有する。
【0049】
容器本体2は細長い円筒状の部材からなる。容器本体2の全長は100mm〜200mm程度、内径は5mm〜20mm程度、肉厚は0.2〜1mm程度である。容器本体1はポリプロピレン等の樹脂製であり、透明又は半透明である。
【0050】
発光検出槽3は、円筒状の部材の一方の端部が閉塞された細長いカップ状の部材からなる。発光検出槽3の外径は容器本体2の内径と略等しい。そのため、発光検出槽3は隙間なく容器本体2に挿入できる。そして、発光検出槽3は、その開放端側の一部が容器本体2の一方の端部に挿入され、密封処理されている(
図4)。発光検出槽3の全長は20mm〜50mm程度、肉厚は0.2〜1mm程度である。発光検出槽3は、容器本体1と同様にポリプロピレン等の樹脂製であり、透明又は半透明である。
発光検出槽3は、光学セルとして機能する。すなわち、発光検出槽3内で生じた生物発光又は化学発光は、外部の発光検出器によって検出することができる。
【0051】
容器本体2の長手方向の略中央には、中間部仕切り部材(隔壁)5が設けられている。中間部仕切り部材5は薄い円盤状であり、その外径は容器本体2の内径と略同じである。中間部仕切り部材5は、容器本体2の内部を閉塞して上下2つの空間に仕切っている。中間部仕切り部材5は、ある程度の強度を有するが、針や棒を押し付けることで容易に突き破ることができる。中間部仕切り部材5は、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、塩化ビニル等の樹脂膜、アルミ箔、ゴム、などの耐水性の材料からなる。
【0052】
容器本体2と発光検出槽3の境界部分には、発光検出槽側仕切り部材(隔壁)6が設けられている。発光検出槽側仕切り部材6は、中間部仕切り部材5と同様の薄い円盤状であり、その外径は容器本体2の内径と略同じである。発光検出槽側仕切り部材6は、容器本体2と発光検出槽3との間を閉塞して両者を仕切っている。発光検出槽側仕切り部材6は、中間部仕切り部材5と同様に、ある程度の強度を有するが、針や棒を押し付けることで容易に突き破ることができる。発光検出槽側仕切り部材6は、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、塩化ビニル等の樹脂膜、アルミ箔、ゴム、などの耐水性の材料からなる。
【0053】
容器本体2における発光検出槽3と反対側の端部は、蓋部材7で閉塞されている。蓋部材7はゴム等の柔軟材料からなり、注射針等を容易に貫通させることができるものである。
【0054】
容器本体2は、中間部仕切り部材5によって上下2つの空間に仕切られている。これらの空間により、密閉された2つの槽、すなわち第一試薬設置槽10と第二試薬設置槽11が形成されている。
第一試薬設置槽10は、蓋部材7と中間部仕切り部材5で仕切られた空間(上側の空間)により形成されている。
図5に示すように、第一試薬設置槽10には、血球溶解物等含有試薬15が設置されている。基本姿勢において、血球溶解物等含有試薬15は中間部仕切り部材5の上にある。
一方、第二試薬設置槽11は、中間部仕切り部材5と発光検出槽側仕切り部材6で仕切られた空間(下側の空間)により形成されている。
図5に示すように、第二試薬設置槽11には、発光合成基質16が設置されている。基本姿勢において、発光合成基質16は発光検出槽側仕切り部材6の上にある。
【0055】
また
図5に示すように、発光検出槽3には、発光用試薬17が設置されている。基本姿勢において、発光用試薬17は発光検出槽3の底部にある。
【0056】
なお
図4では血球溶解物等含有試薬15と発光用試薬17の図示を省略している。
【0057】
本実施形態において、血球溶解物等含有試薬15はカブトガニの血球抽出物(LAL)の凍結乾燥物である。
また発光合成基質16は、LAL中の活性化凝固酵素の作用によってルシフェリン(又はその誘導体)を遊離することができる合成基質、例えば、ベンゾイルLeu−Arg−Arg−アミノルシフェリンである。ベンゾイルLeu−Arg−Arg−アミノルシフェリンによれば、活性化凝固酵素によってアミノルシフェリンが遊離される。
なお、発光合成基質16の他の例としては、Leu−Gry−Arg−アミノルシフェリン、Ile−Glu−Gly−Arg−アミノルシフェリンが挙げられる。さらに、これらのN末端は保護基で保護されていてもよい。当該保護基としては、N−スクシニル基、tert−ブトキシカルボニル基、ベンゾイル基、p−トルエンスルホニル基、などが挙げられる。
発光用試薬17は、ルシフェリン(発光酵素)とATPとの混合物である。
【0058】
次に、微生物夾雑物検出容器1の使用方法について、
図6を参照しながら説明する。
まず、微生物夾雑物(本実施形態ではエンドトキシン)の検出対象となる液体試料20を注射器21に量り取る。注射針22を蓋部材7に突き刺して、第一試薬設置槽10内に所定量の液体試料20を導入する(
図6(a))。
【0059】
所定量の液体試料20を導入したら、第一試薬設置槽10内で液体試料20に血球溶解物等含有試薬15をよく溶解させる。この状態で、一定時間保持する(
図6(b))。
血球溶解物等含有試薬15が液体試料20に溶解すると、液体試料20中に存在するエンドトキシンが血球溶解物等含有試薬15中のLALとカスケード反応を起こして凝固酵素を活性化する(LAL反応、凝固酵素の活性化反応)。
凝固酵素を確実に活性化するために、必要に応じて、微生物夾雑物検出容器1を所定温度(例えば37±1℃)にインキュベートする。インキュベートは、例えば、微生物夾雑物検出容器1全体を恒温器内に入れて行うことができる。その他、各種ヒーター、温度コントローラー、ペルチェ素子等を用いることもできる。
【0060】
一定時間経過後、中間部仕切り部材5を棒27で突き破る(
図6(c))。これにより、液体試料20(活性化された凝固酵素を含んでいる)が第二試薬設置槽11に導入される。棒27の代わりに針を用いてもよい。
【0061】
液体試料20が導入されたら、第二試薬設置槽11内で液体試料20に発光合成基質16(ベンゾイルLeu−Arg−Arg−アミノルシフェリン)をよく溶解させる。この状態で、一定時間保持する(
図6(d))。
発光合成基質16が液体試料20に溶解すると、活性化された凝固酵素が発光合成基質たるベンゾイル−Leu−Arg−Arg−アミノルシフェリンに作用し、アミノルシフェリンが遊離される(ルシフェリン遊離反応)。
ルシフェリン遊離反応を確実に行うために、必要に応じて、微生物夾雑物検出容器1を所定温度(例えば37±1℃)にインキュベートする。インキュベートは、例えば、微生物夾雑物検出容器1全体を恒温器内に入れて行うことができる。その他、各種ヒーター、温度コントローラー、ペルチェ素子等を用いることもできる。
【0062】
一定時間経過後、発光検出槽側仕切り部材6を、棒27を用いて突き破る(
図6(e))。これにより、液体試料20(遊離アミノルシフェリンを含んでいる)が発光検出槽3に導入される。
【0063】
液体試料20が導入されたら、発光検出槽3内で液体試料20に発光用試薬17をよく溶解させる(
図6(f))。発光用試薬17が液体試料20に溶解すると、液体試料20中に存在する遊離アミノルシフェリンが、発光用試薬17中のルシフェラーゼ(発光酵素)及びATPと反応して生物発光を発する。
【0064】
最後に、発光検出槽3内で生じた生物発光を、発光検出器23によって検出する(
図6(g))。得られた発光強度の値から、液体試料20中のエンドトキシン量を算出する。
【0065】
なお、発光検出槽3からの生物発光を検出する工程(
図6(g))において、
図7に示すような発光検出器23を用いることで、発光測定を容易に行うことができる。発光検出器23はいわゆるルミノメーターであり、円形の挿入口25を備えている。発光測定の際には、微生物夾雑物検出容器1の発光検出槽3部分を挿入口25に挿入する。すると、発光検出槽3から発せられる生物発光は、発光検出器23が備える発光検出系により検出・解析され、結果が表示部26に表示される。
【0066】
また、微生物夾雑物検出容器1と発光検出器23とを組み合わせることにより、微生物夾雑物検出システム28を構築することができる(
図7)。微生物夾雑物検出システム28を用いることにより、微生物夾雑物の検出をより簡便・迅速に行うことができる。
【0067】
次に、他の実施形態について順次説明する。なお、以下の説明において、第一実施形態と共通する部材等については同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
【0068】
上記した第一実施形態では、容器本体2が2つの槽(第一試薬設置槽10と第二試薬設置槽11)に仕切られているが、仕切らない実施形態も可能である。
図8に示す第二実施形態に係る微生物夾雑物検出容器31では、容器本体2が仕切られておらず、容器本体2全体で1つの試薬設置槽32を構成している。試薬設置槽32と発光検出槽3とは、仕切り部材(隔壁)33を介して連結されている。仕切り部材(隔壁)33の構成は、第一実施形態における発光検出槽側仕切り部材(隔壁)6と同じである。
試薬設置槽32には、血球溶解物等含有試薬35が設置されている。第一実施形態とは異なり、血球溶解物等含有試薬35には発光合成基質が混合されている。換言すれば、本実施形態では、血球溶解物等含有試薬35がLALとベンゾイル−Leu−Arg−Arg−アミノルシフェリンとの混合物である。
微生物夾雑物検出容器31の他の構成は、第一実施形態と同じである。例えば、発光検出槽3には、発光用試薬17(ルシフェラーゼとATPの混合物)が設置されている。
本実施形態の微生物夾雑物検出容器31によれば、凝固酵素の活性化とルシフェリン遊離反応とを1つの系で同時に行うことができ、操作を簡略化できる。
【0069】
微生物夾雑物検出容器31の使用方法は、第一実施形態の微生物夾雑物検出容器1の使用方法と基本的に同じである。すなわち、蓋部材7側から注射器等を用いて液体試料20を試薬設置槽32に導入し、必要な反応を行った後、仕切り部材33を破壊すればよい。なお、液体試料20が試薬設置槽32に導入されて、血球溶解物等含有試薬35を溶解すると、試薬設置槽32内でLAL反応(凝固酵素の活性化反応)とルシフェリン遊離反応の両方が起こり、アミノルシフェリンが遊離される。
【0070】
さらに、血球溶解物等含有試薬、発光合成基質、及び発光用試薬の混合物(すなわち、全ての試薬の混合物)を一箇所に設置することもできる。
図9に示す第三実施形態に係る微生物夾雑物検出容器36では、容器本体2と発光検出槽3との間に仕切り部材がなく、最初から連通している。容器本体2は、液体試料20が発光検出槽3へ到達するまでの通路として機能するのみである。そして、発光検出槽3には、血球溶解物等含有試薬35(LAL+発光合成基質)と発光用試薬17(ルシフェラーゼ+ATP)とが予め混合された状態で設置されている。
微生物夾雑物検出容器36の使用方法は、第一実施形態の微生物夾雑物検出容器1の使用方法と基本的に同じである。すなわち、蓋部材7側から注射器等を用いて液体試料20を導入し、発光検出槽3で全ての反応を行えばよい。なお、液体試料20が発光検出槽3に導入されて、血球溶解物等含有試薬35と発光用試薬17を溶解すると、試薬設置槽32内でLAL反応(凝固酵素の活性化反応)とルシフェリン遊離反応が起こり、さらにルシフェラーゼによる発光反応が起こる。
【0071】
図10に示す第四実施形態に係る微生物夾雑物検出容器38では、容器本体2内に試薬収容槽40を備えている。試薬収容槽40は、容器本体2の長手方向における中央付近に設けられている。
図11に示すように、試薬収容槽40は、容器本体2の内壁から張り出して設けられたカップ状の槽であり、蓋部材7に向かって開口する半円状の開口部41と、長方形状の側壁部42と、曲面壁部43と、底部45を有する。曲面壁部43は容器本体2の内壁の一部で構成されており、当該内壁と一体化している。側壁部42と容器本体2の内壁との間には隙間46があり、液体試料20が隙間46を通過可能である。試薬収容槽40の上下方向の長さは容器本体2のそれよりも短く、開口部41と蓋部材7との間ならびに底部45と発光検出槽3との間にも、それぞれ隙間がある。
第三実施形態と同様に、微生物夾雑物検出容器38は仕切り部材を備えておらず、容器本体2と発光検出槽3とが最初から連通している。
【0072】
試薬収容槽40の底部45には血球溶解物等含有試薬15(LAL)が設置されている。
蓋部材7の裏側(容器本体2内)には、発光合成基質16(ベンゾイル−Leu−Arg−Arg−アミノルシフェリン)が設置されている。発光合成基質16は、試薬収容部40の開口部41に対向する位置を外して設けられている。換言すれば、容器本体2の隙間46のちょうど上の位置に設けられている。
発光検出槽3内には発光用試薬17(ルシフェリン+ATP)が設置されている。
試薬収容槽40内に設置された血球溶解物等含有試薬15、蓋部材7の裏側に設置された発光合成基質16、および発光検出槽3に設置された発光用試薬17は、いずれも微生物夾雑物検出容器38を天地逆方向にしても落ちないように(剥がれないように)各設置箇所に固着させてある。
【0073】
微生物夾雑物検出容器38の使用方法について、
図12を参照しながら説明する。微生物夾雑物検出容器38の使用方法は、
図6に示した微生物夾雑物検出容器1の使用手順を基本としつつ、転倒操作がさらに加わるものである。
【0074】
まず、微生物夾雑物(本実施形態ではエンドトキシン)の検出対象となる液体試料20を注射器21に量り取る。次に、蓋部材7における試薬収容槽40の真上の位置に注射針22を突き刺して、試薬収容槽40内に所定量の液体試料20を導入する(
図12(a))。試薬収容槽40内で血球溶解物等含有試薬15を溶解する。この状態で、一定時間保持する(
図12(b)、LAL反応、凝固酵素の活性化反応)。必要に応じて、微生物夾雑物検出容器38を所定温度(例えば37±1℃)に維持する。
【0075】
一定時間経過後、微生物夾雑物検出容器38を天地逆になるように180度転倒させる。ここで、転倒させる際の回転方向は、
図12(b)の矢印に示す方向とする。すなわち、
図12(b)のように蓋部材7が上側にあり且つ試薬収容槽40が右側にある姿勢(基本姿勢)から、時計回りに回転させる。これにより、液体試料20が曲面壁部43を伝って蓋部材7の裏側に到達する(
図12(b)から(c))。
【0076】
微生物夾雑物検出容器38を180度転倒させると、液体試料20(活性化された凝固酵素を含んでいる)が蓋部材7の裏側に設置された発光合成基質16に接触し、発光合成基質16を溶解させる。この状態で、一定時間保持する(
図12(c)、ルシフェリン遊離反応)。必要に応じて、微生物夾雑物検出容器38を所定温度(例えば37±1℃)に維持する。
【0077】
一定時間経過後、再び、微生物夾雑物検出容器38を天地逆になるように180度転倒させ、基本姿勢に戻す。ここで、転倒させる際の回転方向は、
図12(c)の矢印に示す方向とする。すなわち、
図12(c)のように蓋部材7が下側にあり且つ試薬収容槽40が左側にある姿勢(転倒姿勢)から、時計回りに回転させる。これにより、液体試料20が隙間46を通って発光検出槽3に到達する(
図12(c)から(d))。
【0078】
微生物夾雑物検出容器38を基本姿勢に戻すと、液体試料20(遊離アミノルシフェリンを含んでいる)が発光検出槽3に導入される。
【0079】
液体試料20が導入されたら、発光検出槽3内で液体試料20に発光用試薬17をよく溶解させる(
図12(d))。発光用試薬17が液体試料20に溶解すると、液体試料20中に存在する遊離アミノルシフェリンが、発光用試薬17中のルシフェラーゼ(発光酵素)及びATPと反応して生物発光を発する。
【0080】
最後に、発光検出槽3内で生じた生物発光を、発光検出器23によって検出する(
図12(e))。得られた発光強度の値から、液体試料20中のエンドトキシン量を算出する。
【0081】
なお、微生物夾雑物検出容器38の転倒操作は、手動で行ってもよいが、自動で行うことにより操作がより確実となる。
【0082】
図13に示す第五実施形態に係る微生物夾雑物検出容器51は、第四実施形態(
図10)をより簡略化したものである。微生物夾雑物検出容器51は、
図10の微生物夾雑物検出容器38とほぼ同様の構成を備えているが、試薬類の設置の仕方が異なる。すなわち微生物夾雑物検出容器51では、試薬収容槽40に発光合成基質が混合された血球溶解物等含有試薬35(LAL+ベンゾイル−Leu−Arg−Arg−アミノルシフェリン)、蓋部材7の裏側に発光用試薬17(ルシフェリン+ATP)がそれぞれ設置されている。発光検出槽3には試薬類は設置されておらず、空である。
【0083】
微生物夾雑物検出容器51の使用方法について、
図14を参照しながら説明する。微生物夾雑物検出容器51は、
図12に類似した転倒操作を伴う方法により使用することができる。
【0084】
まず、微生物夾雑物(本実施形態ではエンドトキシン)の検出対象となる液体試料20を注射器21に量り取る。次に、蓋部材7における試薬収容槽40の真上の位置に注射針22を突き刺して、試薬収容槽40内に所定量の液体試料20を導入する(
図14(a))。試薬収容槽40内で血球溶解物等含有試薬35を溶解する。この状態で、一定時間保持する(
図12(b)、LAL反応→ルシフェリン遊離反応)。必要に応じて、微生物夾雑物検出容器38を所定温度(例えば37±1℃)に維持する。
【0085】
一定時間経過後、微生物夾雑物検出容器51を天地逆になるように180度転倒させる(
図14(c)、転倒姿勢)。このとき、回転方向については特に制限はない。これにより、液体試料20(遊離アミノルシフェリンを含んでいる)が試薬収容槽40から排出されて蓋部材7の裏側に到達する。そして、蓋部材7の裏側に設置された発光用試薬17に接触し、発光用試薬17を溶解させる。
【0086】
発光用試薬17の溶解後、直ちに微生物夾雑物検出容器51を天地逆になるように180度転倒させ、基本姿勢に戻す(
図14(d))。ここで、転倒させる際の回転方向は、
図14(c)の矢印に示す方向とする。すなわち、
図14(c)のように蓋部材7が下側にあり且つ試薬収容槽40が左側にある姿勢(転倒姿勢)から、時計回りに回転させる。これにより、生物発光を発する液体試料20が発光検出槽3に導入される。
【0087】
最後に、発光検出槽3から発せられる生物発光を、発光検出器23によって検出する(
図14(e))。得られた発光強度の値から、液体試料20中のエンドトキシン量を算出する。
【0088】
上記した実施形態は、注射器等を用いて所定量の液体試料を量り取り、微生物夾雑物検出容器に導入するものであった。一方、以下に説明する第六実施形態から第十実施形態では、所定量の液体試料20を量り取るための液体試料計量槽56を備えている。
【0089】
第六実施形態は、第一実施形態の微生物夾雑物検出容器1に液体試料計量槽56を追加したものである。
図15に示す第六実施形態に係る微生物夾雑物検出容器55では、容器本体2が3つの槽に仕切られている。すなわち、蓋部材57と中間部仕切り部材5との間に上部仕切り部材(隔壁)58がさらに設けられており、蓋部材57と上部仕切り部材(隔壁)58によって液体試料計量槽56が形成されている。
【0090】
蓋部材57は、第一実施形態の蓋部材7と同様にゴム等の軟質材料からなり、注射針等を容易に貫通させることができるものである。蓋部材57には、逆止弁60と堰壁61が設けられている。
図16に示すように、堰壁61は、蓋部材57の上面と容器本体2の内壁とで構成される空間を縦に仕切るものである。堰壁61は長方形状の板体であり、蓋部材57の上面に鉛直方向に立設されている。堰壁61の底辺61aは蓋部材57の上面に接触しており、左右の辺61b,61cは容器本体2の内壁に接触している。
堰壁61によって、蓋部材57の上面は2つのエリア、すなわち試料導入エリア62と試料排出エリア63に分けられている。試料排出エリア63には逆止弁60が設けられている。逆止弁60は、液体試料計量槽56から試料排出エリア63に向かう方向のみに流体を通過させるものである。試料導入エリア62には特に何も設けられておらず、注射針等を容易に貫通させる構成となっている。
【0091】
第六実施形態における上記以外の構成、例えば、中間部仕切り部材5、発光検出槽側仕切り部材6、第1試薬設置槽10、第2試薬設置槽11、発光検出槽3、血球溶解物等含有試薬15、発光合成基質16、発光用試薬17等については、第一実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0092】
微生物夾雑物検出容器55の使用方法について、液体試料計量槽56の使用方法を中心に説明する。
まず、微生物夾雑物の検出対象となる液体試料20を注射器21に量り取る。量り取る量は、液体試料計量槽56の容積を超える量とする。次に、蓋部材57の試料導入エリア62から注射針22を突き刺して、液体試料計量槽56内に液体試料20を導入していく(
図17(a))。
【0093】
導入量が液体試料計量槽56の容量を超えると、余剰分が逆止弁60を通じて試料排出エリア63に溢れ出る(
図17(b))。これにより、液体試料計量槽56が液体試料20で満たされ、液体試料計量槽56の容積に等しい量の液体試料20が量り取られる。
【0094】
次に、上部仕切り部材58を棒27を用いて突き破る(
図17(c))。これにより、液体試料20が第一試薬設置槽10に導入される。第一試薬設置槽10内で液体試料20に血球溶解物等含有試薬15をよく溶解させる(
図17(d))。
以降の操作は
図6(c)〜
図6(g)に示す操作と同じである。
【0095】
図18に示す第七実施形態に係る微生物夾雑物検出容器71は、
図8の微生物夾雑物検出容器31に液体試料計量槽56を追加したものである。
図19に示す第八実施形態に係る微生物夾雑物検出容器72は、
図9の微生物夾雑物検出容器36に液体試料計量槽56を追加したものである。
図20に示す第九実施形態に係る微生物夾雑物検出容器73は、
図10の微生物夾雑物検出容器38に液体試料計量槽56を追加したものである。
図21に示す第十実施形態に係る微生物夾雑物検出容器74は、
図13の微生物夾雑物検出容器51に液体試料計量槽56を追加したものである。
【0096】
上記した実施形態では容器本体2と発光検出槽6が円筒状であったが、他の形状でもよい。例えば、断面が長方形の筒状であってもよい。
【0097】
上記した実施形態において、微生物夾雑物検出容器1,31,36,38,51,55,71,72,73,74のサイズについては、液体試料20の量などによって適宜選択でき、例示したに限定されるものではない。各部材のサイズについても同様である。
【0098】
上記した実施形態では、ルシフェリンとルシフェラーゼの組み合わせによる生物発光を利用しているが、他の生物発光・化学発光の系を利用してもよい。例えば、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドとルミノール、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドとイソルミノール、ペルオキシダーゼとルミノール、ペルオキシダーゼとイソルミノール、などの各組み合わせによる生物発光・化学発光を利用することができる。
【0099】
上記した実施形態では、微生物夾雑物としてエンドトキシンを検出する例を示したが、βグルカンやペプチドグリカンの検出も同様の実施形態をもって検出することができる。
【0100】
上記した実施形態では、血球溶解物等含有試薬15,35に含まれる血球溶解物としてカブトガニの血球抽出成分(LAL)を用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、生体由来成分から単離精製されたファクターC等(ファクターC、ファクターG、凝固酵素等)や遺伝子組換え技術によって作製された組換えファクターC等を適宜使用して作製した「LALの同等物」を用いることができる。また、βグルカンあるいはペプチドグリカン測定用として、血球溶解物に代えてカイコの体液抽出成分を使用することができる。カイコの体液抽出成分についても、生体由来成分から単離精製されたフェノール酸化酵素や組換え型のフェノール酸化酵素を用いて作製した「カイコの体液抽出成分の同等物」を用いることができる。
【0101】
以下、実施例をもって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【実施例】
【0102】
図15に示す第六実施形態の微生物夾雑物検出容器55を用いて、以下の実験を行った。
【0103】
リムルス試薬(LAL)、エンドトキシン標準液(大腸菌0111:B4由来エンドトキシン)、およびパイロジェンフリー水は、エンドトキシン測定試薬QCL−1000(ロンザ社)に付属のものを使用した。べンゾイル−Leu−Arg−Arg−アミノルシフェリン(発光合成基質)とルシフェラーゼ(発光酵素)は、Proteasome-Glo
TM Assay(プロメガ社)に付属のものを使用した。
【0104】
血球溶解物等含有試薬15として、100μLのリムルス試薬を用いた。発光合成基質16として、100μLの150μM べンゾイル−Leu−Arg−Arg−アミノルシフェリン溶液(1mM MgClを含む100mM Tris−Cl(pH8.0)に溶解)を用いた。発光用試薬17として、10μM ATPを含むルシフェラーゼ(0.1mM MgClと20mMCaCl
2を含む10mM Tris−Cl(pH7.5)に溶解)混合溶液100μLを用いた。
血球溶解物等含有試薬15を中間部仕切り部材5上に、発光合成基質16を発光検出槽側仕切り部材6上に、発光用試薬27を発光検出槽3の底にそれぞれ置き、凍結乾燥させた。
【0105】
液体試料20として、エンドトキシン標準液をパイロジェンフリー水で希釈して得た0.5EU/mL、0.1EU/mL、または0.05EU/mLのエンドトキシン溶液を用いた。
液体試料計量槽56の容積は0.5mLとした。
【0106】
図17(a)〜
図17(d)に示した操作によって、0.5mLの液体試料20を液体試料計量槽56に量り取り、その後、上部仕切り部材58を突き破って第一試薬設置槽10に導入した。第一試薬設置槽10で液体試料20に血球溶解物等含有試薬15をよく溶解させた。周囲温度を37℃にし、10分間反応させた(
図6(b)、凝固酵素の活性化反応)。
【0107】
その後、
図6(b)〜
図16(g)に示す操作を行った。すなわち、凝固酵素の活性化反応の終了後、中間部仕切り部材5を突き破り、液体試料20を第二試薬設置槽11に導入し、発光合成基質16を溶解させた。周囲温度を37℃にし、10分間反応させた(
図6(d)、ルシフェリン遊離反応)。続いて、発光検出槽側仕切り部材6を突き破り、液体試料20を発光検出槽3に導入し、発光検出槽3内で発光用試薬17を溶解させた(発光反応)。速やかに、生じた生物発光をルミノメーターで検出し、発光強度(相対発光量、RLU)を測定した。
結果を表1に示す。すなわち、エンドトキシン濃度が0〜0.5EU/mLの範囲において、エンドトキシン濃度に応じた発光強度が得られた。また、0.05EU/mLの低濃度でも発光が検出され、エンドトキシンを高感度で検出できることが示された。
【0108】
【表1】