特許第5785320号(P5785320)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5785320通信システム及びその輻輳回避方法、並びにこの通信システムを用いた検針システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5785320
(24)【登録日】2015年7月31日
(45)【発行日】2015年9月30日
(54)【発明の名称】通信システム及びその輻輳回避方法、並びにこの通信システムを用いた検針システム
(51)【国際特許分類】
   H04W 28/02 20090101AFI20150910BHJP
   H04W 4/04 20090101ALI20150910BHJP
   H04W 48/06 20090101ALI20150910BHJP
   H04W 84/22 20090101ALI20150910BHJP
【FI】
   H04W28/02
   H04W4/04 190
   H04W48/06
   H04W84/22
【請求項の数】6
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-503827(P2014-503827)
(86)(22)【出願日】2013年3月4日
(86)【国際出願番号】JP2013055783
(87)【国際公開番号】WO2013133191
(87)【国際公開日】20130912
【審査請求日】2014年9月24日
(31)【優先権主張番号】特願2012-53868(P2012-53868)
(32)【優先日】2012年3月9日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003687
【氏名又は名称】東京電力株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094617
【弁理士】
【氏名又は名称】神崎 正浩
(72)【発明者】
【氏名】安岡 充昭
(72)【発明者】
【氏名】上村 育朗
(72)【発明者】
【氏名】小林 克己
(72)【発明者】
【氏名】川角 浩亮
(72)【発明者】
【氏名】玉井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】川上 敬史
(72)【発明者】
【氏名】竹内 一也
(72)【発明者】
【氏名】松原 茂正
(72)【発明者】
【氏名】大久保 晃
(72)【発明者】
【氏名】宮内 直人
【審査官】 石川 雄太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−066993(JP,A)
【文献】 特開2008−042451(JP,A)
【文献】 特開2009−130780(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の無線子局が、無線親局と直接または他の無線子局を経由して無線通信を行い、無線親局を介して収集制御装置と通信を行う通信システムにおいて、
前記収集制御装置は、各無線親局に収容している無線子局の収容台数を管理する第1の記憶手段と、無線親局に収容する無線子局の収容台数を決定する第1乃至第4の閾値を記憶した第2の記憶手段とを備え、
無線子局から特定の無線親局配下への接続要求を受信したときに、当該無線親局配下の無線子局接続数が第1の閾値以上に達した場合、当該無線親局を経由して周囲の無線子局に接続抑止通知を広告し、前記第1の閾値よりも高い第2の閾値以上第3の閾値未満に達した場合、当該無線子局に対して高頻度の特定通信停止通知を送信し、前記第2の閾値よりも高い第3の閾値以上に達した場合、当該無線子局に対して収容拒否通知を送信し、前記接続抑止通知の広告後に前記第1の閾値と等しいか、または前記第1の閾値よりも低い第4の閾値を下回った場合、当該無線親局を経由して周囲の無線子局に接続抑止解除通知を広告するように構成されていることを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記収集制御装置から送信される前記接続抑止通知を受信した接続先が未定の無線子局は、他の無線親局を選択できない場合は前記特定の無線親局へ接続要求を送信し、他の無線親局を選択できる場合は他の無線親局へ接続要求を送信し、
前記高頻度の特定通信停止通知を受信した当該無線子局は、高頻度の特定通信を停止し、低頻度の特定通信及び前記収集制御装置からの下り通信への応答は継続して行い、
前記収容拒否通知を受信した当該無線子局は、低頻度の特定通信を停止し、前記収集制御装置からの下り通信への応答は継続して行い、
前記接続抑止解除通知を受信した無線子局は、当該無線親局への接続要求の送信制約を解除する請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記第1、第2の記憶手段はそれぞれ書き換え可能である請求項1に記載の通信システム。
【請求項4】
前記複数の無線子局はそれぞれ、収容される無線親局の識別情報を記憶する第3の記憶手段を備え、無線親局から定期的に送信される経路構築情報、および収容されている無線親局を介して前記収集制御装置から供給される無線親局ステータス情報に基づいて、当該無線親局の識別情報が書き込まれる請求項1または2に記載の通信システム。
【請求項5】
複数の無線子局が、無線親局と直接または他の無線子局を経由して無線通信を行い、無線親局を介して収集制御装置と通信を行う通信システムの輻輳回避方法において、
無線子局から特定の無線親局配下への接続要求を受信したときに、当該無線親局配下の無線子局接続数が第1の閾値以上に達した場合、前記収集制御装置から当該無線親局を経由して、周囲の無線子局に接続抑止通知を広告するステップと、
前記接続抑止通知を受信した接続先が未定の無線子局は、他の無線親局を選択できない場合は前記無線親局へ接続要求を送信し、他の無線親局を選択できる場合は他の無線親局へ接続要求を送信するステップと、
無線子局から特定の無線親局配下への接続要求を受信したときに、当該無線親局配下への無線子局接続数が前記第1の閾値よりも高い第2の閾値以上第3の閾値未満に達した場合、前記収集制御装置から当該無線子局に対して、高頻度の特定通信停止通知を送信するステップと、
前記高頻度の特定通信停止通知を受信した当該無線子局における高頻度の特定通信を停止し、低頻度の特定通信及び前記収集制御装置からの下り通信への応答は継続して行うステップと、
無線子局からの特定の無線親局配下への接続要求を受信したときに、当該無線親局配下の無線子局接続数が前記第2の閾値よりも高い第3の閾値以上に達した場合、前記収集制御装置から当該無線子局に対して、収容拒否通知を送信するステップと、
前記収容拒否通知を受信した無線子局における低頻度の特定通信を停止させ、前記収集制御装置からの下り通信への応答は継続して行うステップと、
特定の無線親局配下への無線子局収容数が前記接続抑止通知の広告後に前記第1の閾値と等しいか、または前記第1の閾値よりも低い第4の閾値を下回った場合、前記収集制御装置から当該無線親局を経由して、周囲の無線子局に接続抑止解除通知を広告するステップと、
前記接続抑止解除通知を受信した無線子局から当該無線親局への接続要求の送信制約を解除するステップとを具備することを特徴とする通信システムの輻輳回避方法。
【請求項6】
複数の測定装置と、これらの測定装置にそれぞれ設けられ、測定値を無線で送信する無線子局と、複数の無線子局を収容する無線親局を介して測定値を収集し、前記複数の無線親局を選択的に介して前記複数の無線子局を制御する収集制御装置とを備え、前記複数の無線子局が、無線親局と直接または他の無線子局を経由して無線通信を行い、無線親局を介して収集制御装置と通信を行う検針システムにおいて、
前記収集制御装置は、各無線親局に収容している無線子局の収容台数を管理する第1の記憶手段と、無線親局に収容する無線子局の収容台数を決定する第1乃至第4の閾値を記憶した第2の記憶手段とを備え、無線子局から特定の無線親局配下への接続要求を受信したときに、当該無線親局配下の無線子局接続数が第1の閾値以上に達した場合、当該無線親局を経由して周囲の無線子局に接続抑止通知を広告し、前記第1の閾値よりも高い第2の閾値以上第3の閾値未満に達した場合、当該無線子局に対して高頻度の特定通信停止通知を送信し、前記第2の閾値よりも高い第3の閾値以上に達した場合、当該無線子局に対して収容拒否通知を送信し、前記接続抑止通知の広告後に前記第1の閾値と等しいか、または前記第1の閾値よりも低い第4の閾値を下回った場合、当該無線親局を経由して周囲の無線子局に接続抑止解除通知を広告するように構成され、
前記接続抑止通知を受信した接続先が未定の無線子局は、他の無線親局を選択できない場合は前記無線親局へ接続要求を送信し、他の無線親局を選択できる場合は他の無線親局へ接続要求を送信し、
前記高頻度の特定通信停止通知を受信した無線子局は、高頻度の特定通信を停止し、低頻度の特定通信及び前記収集制御装置からの下り通信への応答は継続して行い、
前記収容拒否通知を受信した無線子局は、低頻度の特定通信を停止し、前記収集制御装置からの下り通信への応答は継続して行い、
前記接続抑止解除通知を受信した無線子局は、当該無線親局への接続要求の送信制約を解除することを特徴とする検針システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の無線子局が、無線親局と直接または他の無線子局を経由して無線通信を行い、無線親局からは有線等の手段により収集制御装置まで通信を行う通信システム及びその輻輳回避方法、並びにこの通信システムを用いた検針システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電力、水道、ガス等の使用量を測定する測定機の検針を、通信ネットワークを介して行うテレメトリングシステムが知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1記載のテレメトリングシステムでは、無線子局である通信端局が無線親局である中継機の識別情報(CSID;Cell Station ID)の登録を自動的に行うことで、通信端局の設置作業や在庫管理等にかかる手間を抑えるとともに、通信端局の設置作業にかかるミスの発生も抑えている。
【0003】
一般に、通信システムにおいては、特定の無線親局配下への無線子局の接続数が増えると、無線親局の周囲の無線トラフィックが増大して通信品質が低下する。無線親局の収容数の閾値超過が発生するケースとしては、例えば、無線親局が光ネットワークに接続されている状況で、光ネットワークの障害等の原因により、複数の無線親局が同時に停止状態となる場合が挙げられる。複数の無線親局が停止すると、既存の無線子局がこれら停止状態にある無線親局を迂回することで、特定の無線親局への接続が集中し、無線親局の収容数の閾値を超えてしまう虞がある。
【0004】
また、多数の無線子局が近接して設置された場所に無線親局を新設すると、新設した無線親局に対して無線子局の接続が集中し、新設した無線親局周囲の無線通信の輻輳が発生することもある。
【0005】
特許文献1のテレメトリングシステムには、無線親局の配下への無線子局の収容数がある閾値に達すると、新たな無線子局の接続を拒否して規定台数以下に抑えることで、無線親局周辺のトラフィック増加による通信品質の低下を防ぐ構成が記載されている。通常、無線子局は、無線親局への新規接続時や接続変更時に、当該無線親局への接続要求を、当該無線親局を経由して収集制御装置へ送信することから、特許文献1記載の発明では、収集制御装置で特定の無線親局へ接続する無線子局数を監視することで、閾値を超える新たな無線子局の接続台数を制限している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4757749号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した従来技術においては、収集制御装置は接続要求を送信してきた無線子局を先着順に収容しており、無線子局には登録できる二つの無線親局の情報が記憶されているものの、収集制御装置側が無線子局が持つ無線親局情報をリアルタイムで処理するのは現実的でなく、当該無線子局が他の無線親局を接続先として選択可能か否かの判断は困難である。そのため、無線子局の配置や新たに設置される順序等の状況によっては、他の無線親局を選択可能な無線子局が特定の無線親局に先に接続され、当該無線親局しか選択できない無線子局が当該無線親局に接続できないことにより、いずれの無線親局とも接続できない、という収容効率が悪い状態が発生する。
【0008】
また、特定の無線親局への無線子局の登録台数が規定の台数に達すると、無線通信のトラフィックを抑制するために、当該無線親局に新たに接続要求を送信した無線子局には接続許可が与えられないことから、当該無線子局は通信を開始できない。すなわち、規定の登録台数を超えた後に、新たに接続要求を送信した無線子局に対してはシステムが提供する機能を全て停止させている。この結果、低頻度の定期通信や不定期の下り通信等の低トラフィック通信も一括で止めてしまうことになり非効率である。
【0009】
本発明は上記のような事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、無線子局の無線親局への収容効率を高め、トラフィックを抑制しつつ効率的に利用できる通信システム及びその輻輳回避方法、並びにこの通信システムを用いた検針システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明による通信システムは、複数の無線子局が、無線親局と直接または他の無線子局を経由して無線通信を行い、無線親局を介して収集制御装置と通信を行う通信システムにおいて、前記収集制御装置は、各無線親局に収容している無線子局の収容台数を管理する第1の記憶手段と、無線親局に収容する無線子局の収容台数を決定する第1乃至第4の閾値を記憶した第2の記憶手段とを備え、無線子局から特定の無線親局配下への接続要求を受信したときに、当該無線親局配下の無線子局接続数が第1の閾値以上に達した場合、当該無線親局を経由して周囲の無線子局に接続抑止通知を広告し、前記第1の閾値よりも高い第2の閾値以上第3の閾値未満に達した場合、当該無線子局に対して高頻度の特定通信停止通知を送信し、前記第2の閾値よりも高い第3の閾値以上に達した場合、当該無線子局に対して収容拒否通知を送信し、前記接続抑止通知の広告後に前記第1の閾値と等しいか、または前記第1の閾値よりも低い第4の閾値を下回った場合、当該無線親局を経由して周囲の無線子局に接続抑止解除通知を広告するように構成されている、ことを特徴とする。
【0011】
また、前記収集制御装置から送信される前記接続抑止通知を受信した接続先が未定の無線子局は、他の無線親局を選択できない場合は前記特定の無線親局へ接続要求を送信し、他の無線親局を選択できる場合は他の無線親局へ接続要求を送信し、前記高頻度の特定通信停止通知を受信した当該無線子局は、高頻度の特定通信を停止し、低頻度の特定通信及び前記収集制御装置からの下り通信への応答は継続して行い、前記収容拒否通知を受信した当該無線子局は、低頻度の特定通信を停止し、前記収集制御装置からの下り通信への応答は継続して行い、前記接続抑止解除通知を受信した無線子局は、当該無線親局への接続要求の送信制約を解除する、ことを特徴とする。
【0012】
また、前記第1、第2の記憶手段はそれぞれ書き換え可能である、ことを特徴とする。
【0013】
また、前記複数の無線子局はそれぞれ、収容される無線親局の識別情報を記憶する第3の記憶手段を備え、無線親局から定期的に送信される経路構築情報、および収容されている無線親局を介して前記収集制御装置から供給される無線親局ステータス情報に基づいて、当該無線親局の識別情報が書き込まれる、ことを特徴とする。
【0014】
本発明による通信システムの輻輳回避方法は、複数の無線子局が、無線親局と直接または他の無線子局を経由して無線通信を行い、無線親局を介して収集制御装置と通信を行う通信システムの輻輳回避方法において、無線子局から特定の無線親局配下への接続要求を受信したときに、当該無線親局配下の無線子局接続数が第1の閾値以上に達した場合、前記収集制御装置から当該無線親局を経由して、周囲の無線子局に接続抑止通知を広告するステップと、前記接続抑止通知を受信した接続先が未定の無線子局は、他の無線親局を選択できない場合は前記無線親局へ接続要求を送信し、他の無線親局を選択できる場合は他の無線親局へ接続要求を送信するステップと、当該無線子局から特定の無線親局配下への接続要求を受信したときに、当該無線親局配下への無線子局接続数が前記第1の閾値よりも高い第2の閾値以上第3の閾値未満に達した場合、前記収集制御装置から当該無線子局に対して、高頻度の特定通信停止通知を送信するステップと、前記高頻度の特定通信停止通知を受信した当該無線子局における高頻度の特定通信を停止し、低頻度の特定通信及び前記収集制御装置からの下り通信への応答は継続して行うステップと、当該無線子局からの特定の無線親局配下への接続要求を受信したときに、当該無線親局配下の無線子局接続数が前記第2の閾値よりも高い第3の閾値以上に達した場合、前記収集制御装置から当該無線子局に対して、収容拒否通知を送信するステップと、前記収容拒否通知を受信した当該無線子局における低頻度の特定通信を停止させ、前記収集制御装置からの下り通信への応答は継続して行うステップと、特定の無線親局配下への無線子局収容数が前記接続抑止通知の広告後に前記第1の閾値と等しいか、または前記第1の閾値よりも低い第4の閾値を下回った場合、前記収集制御装置から当該無線親局を経由して、周囲の無線子局に接続抑止解除通知を広告するステップと、前記接続抑止解除通知を受信した無線子局から当該無線親局への接続要求の送信制約を解除するステップとを具備する、ことを特徴とする。
【0015】
また、本発明の検針システムは、複数の測定装置と、これらの測定装置にそれぞれ設けられ、測定値を無線で送信する無線子局と、複数の無線子局を収容する無線親局を介して測定値を収集し、前記複数の無線親局を選択的に介して前記複数の無線子局を制御する収集制御装置とを備え、前記複数の無線子局が、無線親局と直接または他の無線子局を経由して無線通信を行い、無線親局を介して収集制御装置と通信を行う検針システムにおいて、前記収集制御装置は、各無線親局に収容している無線子局の収容台数を管理する第1の記憶手段と、無線親局に収容する無線子局の収容台数を決定する第1乃至第4の閾値を記憶した第2の記憶手段とを備え、無線子局から特定の無線親局配下への接続要求を受信したときに、当該無線親局配下の無線子局接続数が第1の閾値以上に達した場合、当該無線親局を経由して周囲の無線子局に接続抑止通知を広告し、前記第1の閾値よりも高い第2の閾値以上第3の閾値未満に達した場合、当該無線子局に対して高頻度の特定通信停止通知を送信し、前記第2の閾値よりも高い第3の閾値以上に達した場合、当該無線子局に対して収容拒否通知を送信し、前記接続抑止通知の広告後に前記第1の閾値と等しいか、または前記第1の閾値よりも低い第4の閾値を下回った場合、当該無線親局を経由して周囲の無線子局に接続抑止解除通知を広告するように構成され、前記接続抑止通知を受信した接続先が未定の無線子局は、他の無線親局を選択できない場合は前記無線親局へ接続要求を送信し、他の無線親局を選択できる場合は他の無線親局へ接続要求を送信し、前記高頻度の特定通信停止通知を受信した当該無線子局は、高頻度の特定通信を停止し、低頻度の特定通信及び前記収集制御装置からの下り通信への応答は継続して行い、前記収容拒否通知を受信した当該無線子局は、低頻度の特定通信を停止し、前記収集制御装置からの下り通信への応答は継続して行い、前記接続抑止解除通知を受信した無線子局は、当該無線親局への接続要求の送信制約を解除する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明では、収集制御装置が、特定の無線親局配下への無線子局の接続数超過を事前に検知し、無線子局へ通知することにより、他の無線親局を選択可能な無線子局は、他の無線親局へ接続要求の送信先を変更するため、収容効率を高めることができる。また、特定の無線親局配下への無線子局の接続数に応じて、接続抑止通知、高頻度の特定通信停止通知、収容拒否通知と段階を経た機能抑制を行うことで、トラフィックを抑制しつつシステム容量を効率的に利用できる。
【0017】
また、第1、第2の記憶手段がそれぞれ書き換え可能であることで、各無線親局に収容している無線子局の収容台数と第1乃至第4の閾値を自由に設定できる。
【0018】
更に、無線子局の第3の記憶手段に、収容される無線親局を記憶することで、収容先の無線親局の変更に容易に対応できる。
【0019】
従って、無線子局の無線親局への収容効率を高めることができ、トラフィックを抑制しつつ効率的に利用できる通信システム及びその輻輳回避方法、並びにこの通信システムを用いた検針システムが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施の形態に係る通信システム及びその輻輳回避方法について説明する図である。
図2図1に示した通信システムにおける収集制御装置の動作を示すフローチャートである。
図3】本発明の実施例に係る電力使用量の検針システムを示す図である。
図4】本発明の実施例に係る検針システムの輻輳回避方法において、無線親局に広告(無線子局数閾値超過)を送信要求する機能について説明する図である。
図5】本発明の実施例に係る検針システムの輻輳回避方法において、収容登録要求に対し、30分値停止指示を応答する機能について説明する図である。
図6】本発明の実施例に係る検針システムの輻輳回避方法において、収容登録要求に対し、収容拒否を応答する機能について説明する図である。
図7】本発明の実施例に係る検針システムの輻輳回避方法において、無線親局の無線子局数閾値超過解除を受けて、無線子局が収容登録する機能について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0022】
図1は、本発明の実施の形態に係る通信システム及びその輻輳回避方法について説明する図である。図1において、1−1および1−2は無線親局、○印は無線親局と通信可能な無線子局、3は収集制御装置である。図1において、○印で示された無線子局は、相互に通信可能であり、各無線子局間で通信を行うメッシュ型ネットワークを形成している。各無線子局は、隣接する無線子局または無線親局から受信する経路構築情報等に基づいて、隣接するどの無線子局または無線親局を通じて情報を送るかを判断し、自律的に通信経路を選択する。
【0023】
無線子局は、無線親局1−1、および、無線親局1−2からのホップ数、あるいは通信状況等により、通信可能な無線親局が変化し、無線親局1−1のみと通信可能な無線子局2−1、2−2、2−3、…、無線親局1−1および無線親局1−2の双方と通信可能な無線子局2−11、2−12、2−13、…、および、無線親局1−2のみと通信可能な無線子局2−21、2−22、2−23、…、を代表的に示す。無線親局1−1、および、無線親局1−2は有線通信等の手段により収集制御装置3と通信を行う。
【0024】
図1において○印で示された無線子局はそれぞれ、情報を送るべき無線親局に関する識別情報を主/副の形で順位づけて保持している。例えば、無線子局2−1、2−2、2−3は、無線親局1−1の識別情報を、無線子局2−11、2−12、2−13は、無線親局1−1および無線親局1−2の識別情報を、無線子局2−21、2−22、2−23は、無線親局1−2の識別情報を半導体メモリやハードディスク等の書き換え可能な記憶装置(第3の記憶手段)に記憶しており、主の無線親局へデータを送信する。上記識別情報は、無線親局1−1、1−2から定期的に送信される経路構築情報、および収容されている無線親局を介して、収集制御装置3から収集される無線親局ステータス情報に基づいて、無線子局が通信可能な無線親局を判断し、記憶装置に書き込まれる。
【0025】
更に、上記無線親局1−1、1−2は、例えば1台が数百台の無線子局2−1、2−2、2−3、…、2−11、2−12、2−13、…、2−21、2−22、2−23、…をそれぞれ収容しており、これら無線子局2−1、2−2、2−3、…、2−11、2−12、2−13、…、2−21、2−22、2−23、…の集約地点になっている。無線親局1−1、1−2と無線子局2−1、2−2、2−3、…、2−11、2−12、2−13、…、2−21、2−22、2−23、…は、無線の通信品質の良いところに収容されやすく、各々の無線子局は当該無線子局周辺の無線子局または無線親局との間の無線の通信品質に応じて送信する経路を判断し、無線子局から無線子局へホップして最終的に無線親局に集約されることになる。
【0026】
一方、上記収集制御装置3は、無線親局1−1、1−2を介して無線子局2−1、2−2、2−3、…、2−11、2−12、2−13、…、2−21、2−22、2−23、…の数を管理・監視しており、特定の無線親局配下への無線子局の接続数超過を事前に検知し、無線子局2−1、2−2、2−3、…、2−11、2−12、2−13、…、2−21、2−22、2−23、…へ通知する。これにより、他の無線親局を選択可能な無線子局2−11、2−12、2−13、…に、他の無線親局へ接続要求の送信先を変更させる。また、無線親局配下の無線子局数に応じて、「接続抑止通知」、「高頻度の特定通信停止通知」、「収容拒否通知」と段階を経た機能抑制を行う。
【0027】
また、上記収集制御装置3は、システムまたは無線親局単位のパラメータとして半導体メモリやハードディスク等の書き換え可能な記憶装置(第2の記憶手段)に複数の閾値を記憶しており、以下のような段階的な通信抑制を行う。ここで、図1では、第1の閾値をa、第2の閾値をb、第3の閾値をc、第4の閾値をdとし、これらの閾値はd<a<b≦cの関係を有する。そして、閾値bと閾値cが等しい場合には、閾値cに対する処理を優先する。
【0028】
上記収集制御装置3の動作を図2のフローチャートに示す。収集制御装置3が無線親局からの収容登録要求を受信すると(S1)、収集制御装置3に記憶されている端末収容台数、換言すれば無線親局配下の無線子局接続数の更新(S2)が行われる。そして、正常状態から抑止状態へ遷移するか否か(S3)、抑止状態から正常状態へ遷移するか否か(S6)、および無線子局収容数の判定が行われる(S4)。図2においては、正常状態から抑止状態への遷移判定(S3)または抑止状態から正常状態への遷移判定(S6)の後に無線子局収容数の判定(S4)が行われるフローを示しているが、端末収容台数更新(S2)の後であれば、S4は、S3またはS6の前、あるいは、独立に行ってもよい。
【0029】
現在の状態が正常状態の場合には、正常状態から抑止状態へ遷移するか否かの判定(S3)は、端末収容台数が閾値a未満から閾値a以上に遷移したかどうかで判定される。端末収容台数が閾値a以上の場合には、当該無線親局の配下の無線子局に「接続抑止通知」がブロードキャストで一斉に送信される(S5)。この「接続抑止通知」は、無線親局を経由して配下の無線子局に広告される。ここで、広告とは、ブロードキャストで一斉に通知される情報を意味する。なお、一度抑止状態に遷移すると、閾値a以上であっても接続抑止通知は出さない。また、一度閾値aを超えて抑制状態になると、閾値d未満にならないと正常状態に戻らないため、抑止状態から閾値d以上閾値a未満の状態になり、そこから再度閾値a以上になっても抑止に遷移することはない。
【0030】
現在の状態が抑止状態の場合には、抑止状態から正常状態へ遷移するか否かの判定(S6)は、端末収容台数が閾値d以上から閾値d未満に遷移したかどうかで判定される。端末収容台数が閾値d未満であれば当該無線親局の配下の無線子局に「接続抑止解除通知」がブロードキャストで一斉に送信される(S7)。「接続抑止解除通知」を受信した無線子局は、当該無線親局への接続要求を送信可能となる。また、「接続抑止解除通知」は、無線親局の正常を示す信号の広告でも実現可能である。閾値d以上の場合には、接続抑止状態が維持される。
【0031】
一方、ステップS4で端末収容台数が閾値bより小さい場合には収容可能と判定され、収容登録応答(正常)が送信され(S8)、当該接続先が未定の無線子局から収容登録要求を受けた無線親局を介して当該無線子局に通知される。このステップS4で閾値b以上であると、高頻度通信停止判定が行われる。この判定では、閾値がb以上で且つc未満の場合に、収容登録応答(高頻度の特定通信停止通知)が送信される(S9)。この収容登録応答(高頻度の特定通信停止通知)を受信した当該無線子局は、高頻度の特定通信を停止し、低頻度の特定通信及び収集制御装置3からの下り通信への応答は継続して行う。
【0032】
ステップS4で端末収容台数が閾値c以上であれば収容登録応答(収容拒否通知)が送信される(S10)。収容登録応答(収容拒否通知)を受信した当該無線子局は、低頻度の特定通信も停止するが、収集制御装置3からの下り通信への応答は継続して行う。そして、上記ステップS8、S9、S10の終了後は、次の処理に移る。
【0033】
下表1は、本実施の形態に係る輻輳回避方法における収容数の具体例であり、収容数増減に伴う動作概要を示している。ここでは、閾値a=800、b=1000、c=5000、d=700としている。この閾値(収容数)は、システム構成や必要に応じて自由に設定でき、収容数以外のパラメータで設定しても良い。
【表1】
【0034】
上記のような通信システム及びその輻輳回避方法では、収集制御装置3が、特定の無線親局1−1または1−2配下への無線子局2−1、2−2、2−3、…、2−11、2−12、2−13、…、2−21、2−22、2−23、…の接続数増加を事前に検知し、無線子局2−1、2−2、2−3、…、2−11、2−12、2−13、…、2−21、2−22、2−23、…へ通知することにより、他の無線親局を選択可能な無線子局2−11、2−12、2−13、…は、他の無線親局へ接続要求の送信先を変更するため、収容効率を高めることができる。
【0035】
また、無線子局の収容台数に応じて「接続抑止通知」、「高頻度の特定通信停止通知」、「収容拒否通知」と段階を経た機能抑制を行うことで、トラフィック抑制という目的を満たしつつ、効率的なシステム機能の提供が可能となる。
【0036】
本通信システムは、基本的には多数の無線子局2−1、2−2、2−3、…、2−11、2−12、2−13、…、2−21、2−22、2−23、…から無線親局1−1、1−2へ上っていくトラフィックが大半を占めており、無線親局1−1、1−2から無線子局2−1、2−2、2−3、…、2−11、2−12、2−13、…、2−21、2−22、2−23、…へ下っていくトラフィックが少ないものへの適用が好ましい。例えば、無線子局2−1、2−2、2−3、…、2−11、2−12、2−13、…、2−21、2−22、2−23、…から無線親局1−1、1−2へ各種センサの測定値等のデータを高頻度に送り、無線親局1−1、1−2から無線子局2−1、2−2、2−3、…、2−11、2−12、2−13、…、2−21、2−22、2−23、…へ制御情報等のデータを低頻度に送って制御を行うシステムが好適である。
【実施例】
【0037】
次に、上述した実施の形態に係る通信システム及びその輻輳回避方法の具体的な実施例として、電力の使用量を測定する検針システムを例に取り詳しく説明する。
【0038】
図3は、本発明の実施例に係る電力使用量の検針システムを示す図である。電力使用量を測定する測定装置4−1、4−2、4−3、…、4−11、4−12、…、4−21、4−22、4−23、…、4−31、4−32、4−33、…にはそれぞれ、無線子局(通信ユニット)2−1、2−2、2−3、…、2−11、2−12、…、2−21、2−22、2−23、…、2−31、2−32、2−33、…が設けられている。これらの無線子局2−1、2−2、2−3、…、2−11、2−12、…、2−21、2−22、2−23、…、2−31、2−32、2−33、…は相互通信可能に構成されており、電柱等に設置された無線親局1−1、1−2、1−3の配下になっている。これらの無線親局1−1、1−2、1−3は、光ファイバ等によるネットワーク5を介して収集制御装置3に接続される。
【0039】
上記検針システムは、輻輳を回避するために、収集制御装置3による無線子局数監視機能を有している。
【0040】
上記収集制御装置3による無線子局数監視機能は、収集制御装置3で無線親局毎の無線子局の収容台数を管理することにより、無線親局毎の無線子局の収容台数あるいは、無線子局の通信動作を制限して輻輳が発生しないようにするものである。
【0041】
次に、上記収集制御装置3による無線子局数監視機能について説明する。
(1)無線親局1−1、1−2、1−3に、広告(無線子局数閾値超過)を送信要求する機能
収集制御装置3は、無線子局数を管理・監視し、無線子局数閾値超過通知要求(開始)を用いて、無線親局1−1、1−2、1−3に広告(無線子局数閾値超過)を送信要求する。無線親局1−1、1−2、1−3は応答を収集制御装置3に返し、無線子局の収容台数が閾値を超過したことを通知する広告(無線子局数閾値超過)を定期送信する。
【0042】
広告(無線子局数閾値超過)を受信した無線子局2−1、2−2、2−3、…、2−11、2−12、…、2−21、2−22、2−23、…、2−31、2−32、2−33、…は、広告の送信元である無線親局1−1、1−2または1−3を新たに収容先として選択しない。他に選択する無線親局が存在しない場合は選択可能である。また、広告を受信する前から当該無線親局を既に収容先として選択している無線子局は継続して選択することが可能である。
【0043】
図4は、無線親局1−1が異常となり、多くの無線子局が無線親局1−2を主局として選択した結果
(a)収集制御装置3が無線子局数閾値超過を検出
(b)無線親局1−2に対し無線子局数閾値超過通知要求(開始)メッセージを送信
(c)無線親局1−2がブロードキャスト送信で、広告(無線子局数閾値超過)を定期送信
(d)無線子局2−12は、無線親局1−2を主局として選択せず、無線親局1−3を主局として選択し、収容登録要求を送信
している動作を表している。
【0044】
すなわち、無線親局1−1が異常であることが配下の各無線子局に知らされると、無線子局2−1は別の無線親局1−2に対して収容登録要求を送信し、この無線親局1−2から収集制御装置3に収容登録要求が出される。これに対し、収集制御装置3は、無線親局1−2に収容登録応答を送信し、無線親局1−2から無線子局2−1に収容登録応答が出される。
【0045】
また、収集制御装置3から、無線親局1−2に無線子局数閾値超過通知要求(開始)が送信され、無線親局1−2から無線子局数閾値超過通知応答が収集制御装置3に送信される。そして、無線親局1−2の配下の無線子局数が増加して閾値を超過すると、収集制御装置3の制御により、この無線親局1−2の配下の各無線子局に広告が出される。これを受けて、無線子局2−2は無線親局1−3に対して収容登録要求を送信し、この無線親局1−3から収集制御装置3に収容登録要求が出される。これに対し、収集制御装置3は、無線親局1−3に収容登録応答を送信し、無線親局1−3から無線子局2−2に収容登録応答が出され、無線子局2−2が無線親局1−3に登録される。
【0046】
無線子局2−1、2−2からはそれぞれ、30分検針の計測値(以降、30分値と記載)が無線親局1−2、1−3を介して収集制御装置3に送信される。
【0047】
(2)収容登録要求に対し、30分値停止指示を応答する機能
収集制御装置3は、無線子局2−1、2−2、2−3、…、2−11、2−12、…、2−21、2−22、2−23、…、2−31、2−32、2−33、…から受信した収容登録要求に対して、30分値停止応答を返すことができる。
【0048】
30分値停止応答を受信した無線子局2−1、2−2、2−3、…、2−11、2−12、…、2−21、2−22、2−23、…、2−31、2−32、2−33、…は、広告(正常)を受信するまで、収容登録要求の送信を抑止する。また、収容登録要求を送信し正常応答を受信するまで、30分値の送信を停止する。
【0049】
図5は、無線親局1−1が異常となり、多くの無線子局が無線親局1−2を主局として選択した結果、
(a)収集制御装置3が無線子局数閾値超過を検出
(b)無線親局1−2に対し無線子局数閾値超過通知要求(開始)を送信
(c)無線親局1−2がブロードキャスト送信で、広告(無線子局数閾値超過)を定期送信
(d)無線子局2−2は、無線親局1−1、1−2しか認識できていないため、無線親局1−2を主局として選択し、収容登録要求を送信
(e)収容数が30分値通知許容端末数を超過していたため、収集制御装置3が収容登録応答(30分値停止指示)を送信
している動作を表している。
【0050】
(3)収容登録要求に対し、収容拒否を応答する機能
収集制御装置3は、無線子局2−1、2−2、2−3、…、2−11、2−12、…、2−21、2−22、2−23、…2−31、2−32、2−33、…から受信した収容登録要求に対して、収容登録応答(収容拒否)を返すことができる。
【0051】
収容登録応答(収容拒否)を受信した無線子局は、広告(正常)を受信するまで、収容登録要求の送信を抑止する。広告(正常)を受信した場合、収容登録応答で収容拒否を受信した無線子局は収容登録要求から再開する。また、収容登録要求を送信し正常応答を受信するまで、30分値の送信を停止する。更に、収容登録要求を送信し収容拒否以外の応答を受信するまで、その他の低頻度の上り通信を抑止する。
【0052】
図6は、無線親局1−1が異常となり、多くの無線子局が無線親局1−2を主局として選択した結果、
(a)収集制御装置3が無線子局数閾値超過を検出
(b)無線親局1−2に対し無線子局数閾値超過通知要求(開始)を送信
(c)無線親局1−2がブロードキャスト送信で、広告(無線子局数閾値超過)を定期送信
(d)無線子局2−11は、無線親局1−1、1−2しか認識できていないため、無線親局1−2を主局として選択し、収容登録要求を送信
(e)収容数が収容許容端末数を超過していたため、収集制御装置が収容登録応答(収容拒否)を送信
している動作を表している。
【0053】
(4)無線親局に、広告(正常)を送信要求する機能
収集制御装置3は、無線子局数を管理・監視し、無線子局数閾値超過解除を判断した場合、無線子局数閾値超過通知要求(停止)を用いて、無線親局1−1、1−2、1−3に広告(正常)を送信要求する。無線親局1−1、1−2、1−3は応答を収集制御装置3に返し、広告(正常)を定期送信する。この広告(正常)を受信した無線子局2−1、2−2、2−3、…、2−11、2−12、…、2−21、2−22、2−23、…、2−31、2−32、2−33、…は、他に選択する無線親局が存在する、しないに拘わらず、受信した無線親局を主副局として選択可能とする。
【0054】
図7は、無線親局1−2から他の無線親局に主局を移行した無線子局が多数発生した結果、
(a)収集制御装置3が無線親局1−2の無線子局数閾値超過解除を検出
(b)無線親局1−2に対し無線子局数閾値超過通知要求(停止)メッセージを送信
(c)無線親局1−2がブロードキャスト送信で、広告(正常)を定期送信
(d)無線子局2−2は、無線親局1−2を主局として選択し、収容登録要求を送信
している動作を表している。
【0055】
(d)の無線子局2−2が無線親局1−2を主局として選択し、収容登録要求を送信する動作により、収集制御装置3が無線子局数閾値超過を検出した場合は、図4を参照して説明した動作により広告(無線子局数閾値超過)が送信される。また、この(d)の動作に対して収集制御装置は、30分値停止応答及び収容拒否応答を送信することが可能である。
【0056】
上述したように、本発明によれば、無線子局の無線親局への収容効率を高めることができ、トラフィックを抑制しつつ効率的に利用できる通信システム及びその輻輳回避方法、並びにこの通信システムを用いた検針システムが得られる。
【0057】
なお、上述した実施例では、電力使用量を検針する検針システムを例に取って説明したが、ガスや水道等の使用量を検針するシステムにも同様にして適用可能である。また、例えば携帯電話等の無線端末において、緊急通信用のトラフィックを確保したい場合等にも幅広く適用できる。
【符号の説明】
【0058】
1−1、1−2、1−3 無線親局
2−1、2−2、2−3、…、2−11、2−12、2−13、…、2−21、2−22、2−23、… 無線子局
3 収集制御装置
4−1、4−2、4−3、… 測定装置
5 ネットワーク
a、b、c、d 閾値
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7