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特許5785341ゲームシステムの制御方法、ゲームシステム及びコンピュータ・プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5785341
(24)【登録日】2015年7月31日
(45)【発行日】2015年9月30日
(54)【発明の名称】ゲームシステムの制御方法、ゲームシステム及びコンピュータ・プログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/79 20140101AFI20150910BHJP
   A63F 13/35 20140101ALI20150910BHJP
【FI】
   A63F13/79
   A63F13/35
【請求項の数】9
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-28372(P2015-28372)
(22)【出願日】2015年2月17日
【審査請求日】2015年3月30日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成26年8月17日にURL http://plicy.net/で公開
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513099533
【氏名又は名称】浮田建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108958
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 英一
(72)【発明者】
【氏名】浮田 匡俊
【審査官】 鈴木 崇雅
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−124504(JP,A)
【文献】 「初音ミク Project DIVA Arcade♪ Version B」,月刊アルカディア,株式会社エンターブレイン,2012年 6月30日,第13巻 第8号,第70頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00−98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームモジュールを有するゲームサーバと、操作入力部及び表示部を備えたゲーム利用者端末とがネットワークを介して接続されており、
前記操作入力部から入力されるゲーム利用者の操作指示により前記ゲームモジュールを作動させてゲームを進行させるとともに、その進行中のゲームのゲーム映像を前記表示部に表示させるように構成されているゲームシステムの制御方法であって、
前記ゲームに関して前記ゲーム利用者が想起し得る複数種類の感想情報にそれぞれ対応付けられた複数のコメントボタンを前記ゲーム映像の外周部に表示するコメントボタン表示処理過程と、
前記操作入力部により、いずれかの前記コメントボタンを指定する操作を受け付けると、前記ゲーム利用者を識別する利用者識別情報に対応付けて、前記ゲームモジュールを識別するゲーム識別情報、及び指定された前記コメントボタンに対応付けられた前記感想情報を含むコメント情報を生成するコメント生成処理過程とを含み、
前記コメント生成処理過程は、前記コメントボタンを指定する操作を受け付けたときの前記ゲーム映像を取り込んでスクリーンショットを生成し、該スクリーンショットを含むコメント情報を生成するように構成されており、
前記各処理過程のすべてをコンピュータが実行することにより行う、ゲームシステムの制御方法。
【請求項2】
前記コメントボタンは、対応づけられた感想に対応した顔の表情が表された画像が表示されている、請求項1記載のゲームシステムの制御方法。
【請求項3】
前記コメントボタンは、対応づけられた感想が表された文字列が表示されている、請求項1又は2記載のゲームシステムの制御方法。
【請求項4】
前記感想情報は、感想の種類を識別する感想識別情報を含んでいる、請求項1〜3のいずれか一項に記載のゲームシステムの制御方法。
【請求項5】
前記感想情報は、感想に対応した顔の表情が表された画像情報を含んでいる、請求項1〜4のいずれか一項に記載のゲームシステムの制御方法。
【請求項6】
前記感想情報は、感想が表された文字列情報を含んでいる、請求項1〜5のいずれか一項に記載のゲームシステムの制御方法。
【請求項7】
前記コメント生成処理過程は、前記スクリーンショットに対して前記感想情報を視認可能に埋め込むように画像合成し、前記感想情報に代えて、又は、該感想情報とともに、該感想情報が埋め込まれたスクリーンショットを含むコメント情報を生成するように構成されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載のゲームシステムの制御方法。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の発明の方法の前記各処理過程を行うのに適合された手段を備えている、ゲームシステム。
【請求項9】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の発明の方法の前記各処理過程を行う命令を備えているものであって、コンピュータで実行されるものである、コンピュータ・プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームモジュールを有するゲームサーバと、操作入力部及び表示部を備えたゲーム利用者端末とがネットワークを介して接続されており、前記操作入力部から入力されるゲーム利用者の操作指示により前記ゲームモジュールを作動させてゲームを進行させるとともに、その進行中のゲームのゲーム映像を前記表示部に表示させるように構成されているゲームシステムの制御方法、ゲームシステム及びコンピュータ・プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
背景技術としては、特許文献1又は2に記載された情報提供システムを例示する。これらの情報提供システムとしての読本提供サイトは、インターネットを介して小説などのコンテンツ情報を読者端末に提供する。読本提供サイトはまた、配信済みのコンテンツ情報に対するコメント情報を配信先から受け付ける電子掲示板を提供する。読者は読者端末を介して電子掲示板にアクセスし、前回配信された所定単位のコンテンツ情報(例えば、前章)に対するコメント情報(意見や感想)を投稿する。読本提供サイトは、電子掲示板に投稿されたコメント情報を分析するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−169830号公報
【特許文献2】特開2002−197289号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ゲームモジュールをゲーム利用者に配信し、そのゲームモジュールを作動させたときのゲームについての感想のコメントを、前記背景技術と同様にゲーム利用者に投稿してもらおうとすると、次のような理由からコメントが集まりにくいという課題がある。
(1)ゲームの最中に感想のコメントを作成しようとすると、ゲームを一時中断しなければならない。しかし、ゲームの最中に(特に盛り上がっているときに)、ゲームを一時中断してまで感想のコメントを作成しようとするゲーム利用者はほとんどいない。
(2)また、ゲームを一時中断せずに感想のコメントを作成すると、リアルタイム性の高いゲームへの操作が遅れてしまい、ゲームを楽しむことに支障をきたすことがある。
(3)さらに、ゲーム終了後は、ゲームの操作に疲れ果ててしまい、感想のコメントを作成する気分にならないゲーム利用者が多い。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために、第1の発明のゲームシステムの制御方法は、
ゲームモジュールを有するゲームサーバと、操作入力部及び表示部を備えたゲーム利用者端末とがネットワークを介して接続されており、
前記操作入力部から入力されるゲーム利用者の操作指示により前記ゲームモジュールを作動させてゲームを進行させるとともに、その進行中のゲームのゲーム映像を前記表示部に表示させるように構成されているゲームシステムの制御方法であって、
前記ゲームに関して前記ゲーム利用者が想起し得る複数種類の感想情報にそれぞれ対応付けられた複数のコメントボタンを前記ゲーム映像の外周部に表示するコメントボタン表示処理過程と、
前記操作入力部により、いずれかの前記コメントボタンを指定する操作を受け付けると、前記ゲーム利用者を識別する利用者識別情報に対応付けて、前記ゲームモジュールを識別するゲーム識別情報、及び指定された前記コメントボタンに対応付けられた前記感想情報を含むコメント情報を生成するコメント生成処理過程とを含み、
前記コメント生成処理過程は、前記コメントボタンを指定する操作を受け付けたときの前記ゲーム映像を取り込んでスクリーンショットを生成し、該スクリーンショットを含むコメント情報を生成するように構成されており、
前記各処理過程のすべてをコンピュータが実行することにより行う。
【0006】
ここで、前記ゲームモジュールとは、ゲームプログラム及びデータの集合体をいう。また、前記感想情報としては、特に限定されないが、「楽しんでいる」、「怒っている」、「悲しんでいる」、「驚いている」、「困っている」、「無感情」等の、前記ゲームに関して前記ゲーム利用者が想起し得る感想に関するものをいう。
【0007】
「前記操作入力部から入力されるゲーム利用者の操作指示により前記ゲームモジュールを作動させてゲームを進行させるとともに、その進行中のゲームのゲーム映像を前記表示部に表示させる」とは、特に限定されないが、次の態様を例示する。
(1)前記ゲーム利用者端末の前記操作入力部からの操作指示により前記ゲームサーバ上で前記ゲームモジュールを作動させゲームを進行させるとともに、その作動中のゲーム映像をストリーミングにより前記ゲーム利用者端末に配信し、前記ゲーム利用者端末で該ゲーム映像を前記表示部に表示させる態様(ストリーミング配信する態様)。
(2)前記ゲームモジュールを、前記ゲームサーバから前記ゲーム利用者端末にダウンロードさせ、それを前記ゲーム利用者端末の前記操作入力部からの操作指示により該ゲーム利用者端末上で作動させるとともに、その作動中のゲーム映像を前記表示部に表示させる態様(ダウンロード配信する態様)。
【0008】
前記コメントボタン表示処理過程又は/及び前記コメント生成処理過程は、前記ゲームサーバ又は前記ゲーム利用者端末のどちらで行うようにしてもよい。前記コメントボタン表示処理過程を前記ゲームサーバで行う場合は、前記ゲーム映像の外周にコメントボタンが表示された映像をストリーミング配信で前記利用者端末に配信する態様を例示する。
【0009】
この構成によれば、いずれかの前記コメントボタンを指定する操作を行うだけで前記ゲーム利用者が素早くかつ簡単にコメントを作成することができる。このため、例えば、ゲーム利用者がゲームの最中であったり、ゲーム終了後にゲームの操作に疲れ果てていたりしても、コメントを作成することができるので、ゲーム利用者が感想のコメントを作成する障壁を低くし、コメントが集まり易くすることができる。
また、前記コメント情報は前記スクリーンショットを含んでいるので、前記ゲーム利用者の感想が前記ゲームのどのような場面に対するものであるのかが、言語に関わりなく万国共通に一目で分かるようにすることができる。
【0010】
第2の発明のゲームシステムの制御方法としては、前記第1の発明において、
前記コメントボタンは、対応づけられた感想に対応した顔の表情が表された画像が表示されている態様を例示する。
【0011】
この構成によれば、前記感想が前記画像で表されているので、前記感想と前記コメントボタンとの対応を、言語に関わりなく万国共通に一目で分かりやすくすることができる。
【0012】
第3の発明のゲームシステムの制御方法としては、前記第1又は2の発明において、
前記コメントボタンは、対応づけられた感想が表された文字列が表示されている態様を例示する。
【0013】
前記文字列としては、単語、文又は文章のほかに、文字や記号を組み合わせて顔の表情を表現した顔文字や、特殊な文字コードやタグで表されている絵文字も含む。前記文字列は、1文字の文字や1文字の記号からなるものをも含む。
【0014】
この構成によれば、前記感想が前記文字列で表されているので、簡単な構成で実現できる。また、前記感想を前記文字情報としての顔文字や絵文字により表すようにすれば、前記感想と前記コメントボタンとの対応を、言語に関わりなく万国共通に一目で分かりやすくすることができる。
【0015】
第4の発明のゲームシステムの制御方法としては、前記第1〜3のいずれかの発明において、
前記感想情報は、感想の種類を識別する感想識別情報を含んでいる態様を例示する。
【0016】
この構成によれば、前記感想識別情報により前記ゲーム利用者に指定された感想の種類を識別できるので、該感想識別情報に基づいて、前記ゲームサーバ側で前記コメント情報に対し、前記ゲーム利用者に指定された感想に対応した画像や文字を後から付加することが可能になる。
【0017】
第5の発明のゲームシステムの制御方法としては、前記第1〜4のいずれかの発明において、
前記感想情報は、感想に対応した顔の表情が表された画像情報を含んでいる態様を例示する。
【0018】
この構成によれば、前記ゲーム利用者の感想を前記画像情報により表すようにしているので、言語に関わりなく万国共通に一目で分かりやすくすることができる。
【0019】
第6の発明のゲームシステムの制御方法としては、前記第1〜5のいずれかの発明において、
前記感想情報は、感想が表された文字列情報を含んでいる態様を例示する。
【0020】
前記文字列情報としては、前記文字列に関する情報をいう。
【0021】
この構成によれば、前記ゲーム利用者の感想を前記文字列情報により表すようにしているので、簡単な構成で実現できる。また、前記ゲーム利用者の感想を前記文字列情報としての顔文字や絵文字により表すようにすれば、言語に関わりなく万国共通に一目で分かりやすくすることができる。
【0024】
第7の発明のゲームシステムの制御方法としては、前記第1〜6のいずれかの発明において、
前記コメント生成処理過程は、前記スクリーンショットに対して前記感想情報を視認可能に埋め込むように画像合成し、前記感想情報に代えて、又は、該感想情報とともに、該感想情報が埋め込まれたスクリーンショットを含むコメント情報を生成するように構成されている態様を例示する。
【0025】
この構成によれば、前記ゲーム利用者の感想と、その感想が前記ゲームのどのような場面に対するものであるのかとが、言語に関わりなく万国共通に一目で分かるようにすることができる。また、前記コメント情報をコンパクトにすることができる。
【0026】
また、本発明のゲームシステムは、
前記第1〜7のいずれかの発明の方法の前記各処理過程を行うのに適合された手段を備えている。
【0027】
この構成によっても、前記第1〜7のいずれかの発明と同様の効果が得られる。
【0028】
また、本発明のコンピュータ・プログラムは、
前記第1〜7のいずれかの発明の方法の前記各処理過程を行う命令を備えているものであって、コンピュータで実行されるものである。
【0029】
この構成によっても、前記第1〜7のいずれかの発明と同様の効果が得られる。
【発明の効果】
【0030】
本発明に係るゲームシステムの制御方法、ゲームシステム及びコンピュータ・プログラムによれば、ゲーム利用者が感想のコメントを作成する障壁を低くし、コメントが集まり易くすることができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明を具体化した一実施形態に係るゲームシステムの全体構成、すなわち、ゲームサーバ、ゲーム作者端末及びゲーム利用者端末がインターネットを介して接続されている構成を示すブロック図である。
図2】同ゲームサーバの構成を示すブロック図である。
図3】同ゲーム利用者端末の構成を示すブロック図である。
図4】同ゲーム利用者端末で実行されるコメントボタン表示処理の流れを示すフローチャートである。
図5】同ゲーム利用者端末に表示されるコメントボタンを示す図である。
図6】同ゲーム利用者端末で実行されるコメント情報表示処理の流れを示すフローチャートである。
図7】同ゲーム利用者端末で実行されるコメントボタン押下処理の流れを示すフローチャートである。
図8】同ゲーム利用者端末におけるゲーム進行中の画面表示を示す図である。
図9】同ゲーム利用者端末におけるコメントボタン押下時の画面表示を示す図である。
図10】同ゲーム利用者端末におけるコメント情報の画面表示を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明のゲームシステムを具体化した実施形態について、同システムで実行されるコンピュータ・プログラム、及び、同システムで実施する制御方法とともに、図1図10を参照して説明する。
【0033】
本発明のゲームシステムは、図1図3に示すように、ネットワークとしてのインターネット4を介して接続されてゲームサーバ1、ゲーム作者端末2及びゲーム利用者端末3を含んでいる。本例のゲームシステムでは、ゲームモジュール21を含むWEBアプリケーション20を、ゲームサーバ1からゲーム利用者端末3にダウンロードさせ、それをゲーム利用者端末3からの操作指示により該ゲーム利用者端末3上で作動させるとともに、その作動中のゲーム映像をゲーム利用者端末3に表示させる態様(ダウンロード配信する態様)となっている。
【0034】
本発明のゲームサーバ1は、図2に示すように、個々のゲーム作者により種々のゲーム制作ソフトウェアで作られたゲームモジュール21(多くの場合、ゲーム制作ソフトウェアごとにモジュール形式が異なっており、それぞれのモジュール形式に対応した仮想マシンモジュール22のもとで実行可能になっている。)を、所定の仮想マシンモジュール22のもとで実行可能な形式に変換し、該変換後のゲームモジュール21及び所定の仮想マシンモジュール22をゲーム利用者に利用させるようになっている。前記仮想マシンモジュール22とは、変換後のゲームモジュール21を実行するための仮想マシンプログラム及びデータの集合体をいう。このため、本発明のゲームサーバ1によれば、ゲーム利用者は、種々のゲーム制作ソフトウェアを意識することなく、ゲームを楽しむことができる。本例では、ゲームサーバ1が、インターネット4を介して作動するWEBサーバ装置として構成されており、ゲーム作者端末2及びゲーム利用者端末3がゲームサーバ1にインターネット4を介して接続されるWEBクライアント装置として構成されている。
【0035】
本例のゲームサーバ1は、具体的には、CPU(中央処理装置)、ROM(読取り専用記憶装置)、RAM(読取り書込み記憶装置)等(いずれも図示略)が互いにバスを介して接続されてなる公知の構成を備えたコンピュータとなっており、図2に示す記憶手段7に記憶されたコンピュータ・プログラムやデータを前記RAMに読み込むとともに、それらの内容に従って作動するように構成されている。ゲーム作者端末2及び後述するゲーム利用者端末3も、具体的には、このゲームサーバ1と同様に構成されている。
【0036】
記憶手段7は、例えば、ハードディスク装置、リムーバルディスク装置(フレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW等のリムーバルな記録媒体の読書装置)、ICメモリ等の記憶装置からなっている。このハードディスク装置や、リムーバルな記録媒体やICメモリ等は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、この記録媒体には、図2に示すように、コンピュータを、通信手段19、WEBサーバ手段17、ゲーム記憶手段11、仮想マシンモジュール記憶手段12、コメント記憶手段15、ゲーム投稿制御処理手段13、ゲーム利用制御処理手段14及びコメント投稿制御処理手段16として機能させるためのコンピュータ・プログラムが記録されるようになっている。
【0037】
ゲーム記憶手段11は、ゲームモジュール21と、それに関する属性情報とを含んだゲームモジュール情報が記憶されるものであり、本例ではデータベースとして構成されている。この属性情報としては、特に限定されないが、ゲームモジュール21を識別するためのゲームモジュールID、ゲームのタイトル、ゲームを制作したゲーム制作ソフトウェアの種類、ゲームの紹介文、ゲーム公開時にタイトル画面を表示するか否か、ゲーム公開時に作者名を公開するか否か、ゲームのジャンル(ロールプレイング、シューティング等)、ゲーム公開時に背景画像を利用するか否か、ゲーム作動中の画面データ等を例示する。
【0038】
仮想マシンモジュール記憶手段12には、仮想マシンモジュール22を始め、WEBアプリケーション20(後述)におけるゲームモジュール21以外の要素(コメントボタン表示処理23、コメント情報表示処理24、コメントボタン押下処理25等。いずれも後述)が記憶されている。
【0039】
コメント記憶手段15は、コメント情報33(図10参照)が記憶されるものであり、本例ではデータベースとして構成されている。コメント情報33としては、特に限定されないが、前記ゲーム利用者を識別する利用者識別情報、前記ゲームモジュール21を識別するゲーム識別情報、コメントが投稿された日時を表す投稿日時情報及び指定された前記感想ボタンに対応付けられた感想を表す前記感想情報等を例示する。
【0040】
WEBサーバ手段17は、WEBクライアント装置としてのゲーム作者端末2及びゲーム利用者端末3との間でデータを送受信するように構成されている。
【0041】
ゲーム投稿制御処理手段13は、ゲーム作者端末2からのゲームモジュール21の投稿を処理する。
【0042】
ゲーム利用制御処理手段14は、ゲームモジュール21、仮想マシンモジュール22等を含むWEBアプリケーション20(後述)をゲーム利用者端末3に配信する処理をする。
【0043】
コメント投稿制御処理手段16は、ゲーム利用者端末3から送信されたコメントをコメント記憶手段15に記憶させたり、ゲーム利用者端末3からの要求に応じてコメント記憶手段15に記憶されたコメントを読み出して、ゲーム利用者端末3に送信したりするように構成されている。
【0044】
ゲーム利用者端末3は、図3に示すように、インターネット4に対応した通信手段19を備えた端末であれば、特に限定されないが、パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistance)、タブレットコンピュータ、携帯電話、スマートホン等を例示する。本例のゲーム利用者端末3は、図3にそれぞれ示すように、インターネット4に対応した通信手段19と、WEBサーバ装置としてのゲームサーバ1との間でインターネット4を介して相互に情報を送受信するためのWEBクライアント手段18とを備えており、ゲームサーバ1からゲームモジュール21、仮想マシンモジュール22、コメントボタン表示処理23、コメント情報表示処理24及びコメントボタン押下処理25等を含むWEBアプリケーション20をダウンロードして実行可能に構成されている。また、ゲーム利用者端末3は、液晶ディスプレイ装置、ブラウン管ディスプレイ装置等の画面出力手段としての表示部5と、キーボード、テンキー、マウス、トラックボール等の入力手段としての操作入力部6とを備えている。
【0045】
コメントボタン表示処理23は、ゲーム映像30の初期化時に呼び出され、図4に示すように、感想情報が関連づけられた複数(本例では6個)のコメントボタン31A〜31Fを生成し(ステップS51)、それらのコメントボタン31A〜31Fをゲーム映像30(図8及び図9参照。)の外周部(本例では下部)に表示する(ステップS52)。このステップS51〜S52がコメントボタン表示処理過程である。各コメントボタン31A〜31Fの表面には、それぞれに対しどのような感想に対応づけられているかが視認可能に、該感想に対応した顔の表情が表された画像が表示されている。コメントボタン31A〜31Fの表面には、この顔の表情が表された画像に代えて又は該画像とともに、感想が表された文字が表示されるようにしてもよい。本例では、図5に示すように、コメントボタン31A〜31Fは、左から、「楽しんでいる」、「怒っている」、「悲しんでいる」、「驚いている」、「困っている」、「無感情」という感想情報にそれぞれ対応付けられている。また、本例では、コメントボタン31A〜31Fは、互いの識別が容易になるように、互いに異なる色で着色されて表示部に出力されるようになっている。
【0046】
コメント情報表示処理24では、表示部5にコメント情報33を表示するときに呼び出され、図6に示すように、コメント情報33をゲームサーバ1に要求し(ステップS61)、その要求に対する回答としてゲームサーバ1からコメント情報33を受信し(ステップS62)、そのコメント情報33をコメント情報表示エリア32(図10参照)に表示する(ステップS63)。
【0047】
コメントボタン押下処理25は、ゲームの開始後にコメントボタン31A〜31Fのいずれかが指定される操作、則ち、押下される操作がなされると呼び出され、次のとおり処理する。すなわち、図7に示すように、まず、ゲーム映像30のスクリーンショット(静止画像)を生成する(ステップS71)。次いで、そのスクリーンショットに対し、押下された前記コメントボタンに関連づけられた感想情報としての表情画像を画像合成する(ステップS72)。本例の表情画像は、前記コメントボタンの表面に表示されている画像と同一の画像となっている。また、スクリーンショットに対する表情画像の合成は、表情画像を半透明にして合成するようにしてもよい。次いで、押下された前記コメントボタンに関連づけられた感想情報としての顔文字を生成する(ステップS73)。本例では、顔文字は、感想の種類ごとに、複数パターンが用意されており、その中からランダムに選択されたパターンが採用されるようになっている。例えば、「楽しんでいる」の感想に対応する顔文字として、「(●⌒∇⌒●)」、「(|ヮ|)」、「( ̄ー ̄)」、「(ノ。・ω・)八(。・ω・。)八(・ω・。)ノ」、「(σ*>∀<)σ」、「○(^-^)o」、「・:*:・(*´∀`*)・:*:・」からなる7パターンが用意されている態様を例示する。これにより、感想が単調になることを防止することができる。次いで、ゲーム利用者を識別する利用者識別情報に対応付けて、前記ゲームモジュール21を識別するゲーム識別情報、感想情報としての画像合成後のスクリーンショット、及び、同じく感想情報としての顔文字を含むコメント情報33を生成する(ステップS74)。次いで、生成したコメント情報33をゲームサーバ1に送信する(ステップS75)。このステップS71〜S75がコメント生成処理過程である。
【0048】
次に、図8図10は、ゲームサーバ1及びゲーム利用者端末3の間でのコメントの投稿時における一連の動作例を示している。まず、ゲーム利用者がゲーム利用者端末3をゲームサーバ1に接続する。すると、ゲームサーバ1は、ゲームモジュール21等を含むWEBアプリケーション20を選択させるための画面(図示略)をゲーム利用者端末3に表示させる。ゲーム利用者がゲーム利用者端末3を介してWEBアプリケーション20を選択すると、それがゲーム利用者端末3に送信される。WEBアプリケーション20を受信すると、ゲーム利用者端末3は、そのWEBアプリケーション20を実行し、コメント情報表示エリア32にコメント情報33を表示するとともに、ゲーム利用者端末3からの操作指示を入力しながらゲームを進行させ、ゲーム映像(図8参照)を表示部に表示する。ゲーム開始後に、コメントボタン31A〜31Fのいずれかが押下されると(図9参照。同図はゲームが終了したときに、「悲しんでいる」という感想に対応したコメントボタン31Cが押された場合。)、コメント情報33を生成し、ゲームサーバ1に送信する。それに対し、ゲームサーバ1では、コメント情報33をコメント記憶手段15に記憶させる。その後、ゲーム利用者端末3からゲームサーバ1に最新のコメント情報33の要求が送信されると、それに対し、ゲームサーバ1では、最新のコメント情報33をゲーム利用者端末3に送信する。ゲーム利用者端末3では、その最新のコメント情報33をコメント情報表示エリア32に表示する(図10参照)。本例のコメント情報33は、合成されたスクリーンショット33a、顔文字33b、ゲーム利用者を識別する利用者識別情報としてのニックネーム33c及びコメントの投稿日時33dを備えている。
【0049】
以上のように構成された本発明によれば、前記コメントボタン表示処理過程及び前記コメント生成処理過程を含んでいるので、いずれかのコメントボタン31A〜31Fを指定する操作を行うだけでゲーム利用者が素早くかつ簡単にコメントを作成することができる。このため、例えば、ゲーム利用者がゲームの最中であったり、ゲーム終了後にゲームの操作に疲れ果てていたりしても、コメントを作成することができるので、ゲーム利用者が感想のコメントを作成する障壁を低くし、コメントが集まり易くすることができる。
【0050】
コメントボタン31A〜31Fは、対応づけられた感想に対応した顔の表情が表された画像が表示されている。この構成によれば、前記感想が前記画像で表されているので、前記感想とコメントボタン31A〜31Fとの対応を、言語に関わりなく万国共通に一目で分かりやすくすることができる。
【0051】
前記感想情報は、感想に対応した顔の表情が表された画像情報を含んでいる。この構成によれば、ゲーム利用者の感想を前記画像情報により表すようにしているので、言語に関わりなく万国共通に一目で分かりやすくすることができる。
【0052】
前記感想情報は、感想が表された文字列情報を含んでいる。この構成によれば、ゲーム利用者の感想を前記文字列情報により表すようにしているので、簡単な構成で実現できる。しかも、ゲーム利用者の感想を前記文字列情報としての顔文字により表すようにしているので、言語に関わりなく万国共通に一目で分かりやすくすることができる。
【0053】
前記コメント生成処理過程は、コメントボタン31A〜31Fを指定する操作を受け付けたときのゲーム映像30を取り込んでスクリーンショットを生成し、該スクリーンショットを含むコメント情報33を生成するように構成されている。この構成によれば、ゲーム利用者の感想がゲームのどのような場面に対するものであるのかが、言語に関わりなく万国共通に一目で分かるようにすることができる。
【0054】
前記コメント生成処理過程は、前記スクリーンショットに対して前記感想情報を視認可能に埋め込むように画像合成し、前記感想情報に代えて、該感想情報が埋め込まれたスクリーンショット33aを含むコメント情報33を生成するように構成されている。この構成によれば、ゲーム利用者の感想と、その感想がゲームのどのような場面に対するものであるのかとが、言語に関わりなく万国共通に一目で分かるようにすることができる。また、コメント情報33をコンパクトにすることができる。
【0055】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のように、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。
(1)本発明のプログラムが2台以上のコンピュータを含むコンピュータシステムで実行されるように構成すること。
(2)本発明のゲームシステムが2台以上のコンピュータを含むコンピュータシステムで構成されるようにすること。
(3)本発明のゲームシステムを次のように構成すること。すなわち、ゲーム利用者端末3の操作入力部6からの操作指示によりゲームサーバ1上でゲームモジュール21を作動させゲームを進行させるとともに、その作動中のゲーム映像をストリーミングによりゲーム利用者端末3に配信し、ゲーム利用者端末3で該ゲーム映像を表示部5に表示させる態様(ストリーミング配信する態様)に構成する。
(4)ゲーム利用者端末3側では、スクリーンショットに対する表情画像の合成を行わず、表情画像が合成されたスクリーンショットに代えて、未処理のスクリーンショットと、感想の種類を識別する感想識別情報とを含むコメント情報33をゲームサーバ1に送信し、ゲームサーバ1では、感想識別情報に基づいて、ゲームサーバ1側に用意しておいた表情画像をスクリーンショットに合成し、その合成後のスクリーンショットをコメント情報33に付加するようにすること。
(5)ゲーム利用者端末3側では、コメント情報33に顔文字を付加せず、顔文字に代えて感想の種類を識別する感想情報を含んだコメント情報33をゲームサーバ1に送信し、ゲームサーバ1では、感想識別情報に基づいて、ゲームサーバ1側に用意しておいた顔文字をコメント情報33に付加するようにすること。
【符号の説明】
【0056】
1 ゲームサーバ
2 ゲーム作者端末
3 ゲーム利用者端末
4 インターネット
5 表示部
6 操作入力部
7 記憶手段
11 ゲーム記憶手段
12 仮想マシンモジュール記憶手段
13 ゲーム投稿制御処理手段
14 ゲーム利用制御処理手段
15 コメント記憶手段
16 コメント投稿制御処理手段
17 WEBサーバ手段
18 WEBクライアント手段
19 通信手段
20 WEBアプリケーション
21 ゲームモジュール
22 仮想マシンモジュール
23 コメントボタン表示処理
24 コメント情報表示処理
25 コメントボタン押下処理
30 ゲーム映像
31A〜F コメントボタン
32 コメント情報表示エリア
33 コメント情報
33a スクリーンショット
33b 顔文字
33c ニックネーム
33d 投稿日時
【要約】
【課題】 ゲーム利用者がコメントを作成する障壁を低くしコメントが集まり易くする。
【解決手段】 本ゲームシステムの制御方法は、ゲームサーバと、操作入力部6及び表示部5を備えたゲーム利用者端末3とがインターネット4を介して接続されており、操作入力部6から入力されるゲーム利用者の操作指示によりゲームモジュール21を作動させ、そのゲーム映像を表示部5に表示させる。そして、複数種類の感想情報に各々対応付けられた複数のコメントボタンを前記ゲーム映像の外周部に表示する処理23と、操作入力部6により、前記コメントボタンを指定する操作を受け付けると、前記ゲーム利用者を識別する利用者識別情報に対応付けて、ゲームモジュール21を識別するゲーム識別情報、及び指定された前記コメントボタンに対応付けられた前記感想情報を含むコメント情報を生成する処理25とを含み、前記各処理のすべてをコンピュータが実行することにより行う。
【選択図】 図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10