(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
乗車希望のユーザ(乗客)が所持し、通話機能とネットワークアクセス機能と位置情報通知機能とを備えた携帯電話端末と、この携帯電話端末とネットワークを介して通話または通信可能に接続されるセンターサーバと、同じくネットワークを介してセンターサーバと接続される、ネットワークアクセス機能と位置情報通知機能とを備えた、タクシーの乗務員端末とからなり、
前記センターサーバが、ユーザの携帯電話端末からの配車依頼を通話機能またはデータ通信によるメッセージ機能で受信すると、
前記センターサーバは、前記携帯電話端末から配車希望地点情報の登録を受け付け、
前記配車希望地点情報に基づいてタクシーデーベースを参照して配車タクシーを決定し、
前記ユーザの携帯電話端末及び前記配車タクシーの乗務員端末に対して、少なくともその時点での両端末の位置から配車希望地点までをカバーする地図情報を、両端末の位置情報とともに配信するとともに、
前記地図情報を配信した後は、前記携帯電話端末と前記配車タクシーの乗務員端末との通話回線またはデータ通信回線の回線パスを設定して端末間通信を可能にさせ、
前記ユーザの携帯電話端末は、前記端末間距離が一定以下となったときに、その表示ディスプレを、その状態に発光している表示ディスプレを前記配車タクシーの運転手に目視で探させるための特定の発光状態に制御する
ネットワークを介したエコタクシー配車支援システム。
前記タクシーは、前記センターサーバと通信インターフェースを介して接続された集中制御装置(CCU)と該集中制御装置(CCU)に接続された環境配慮運転表示灯とを備えており、
該集中制御装置(CCU)は、前記タクシーが有する車両走行状態検出手段に基づいて前記タクシーの環境配慮運転率を計算し、計算した環境配慮運転率に応じて前記環境配慮運転表示灯を制御する
ことを特徴とする請求項1記載のネットワークを介したエコタクシー配車支援システム。
前記乗客からの配車依頼は、前記携帯電話端末に換えてネットワーク接続可能な情報処理装置を用いることを特徴とする請求項1または2記載のネットワークを介したエコタク
シー配車支援システム。
乗車希望のユーザ(乗客)が所持し、通話機能とネットワークアクセス機能と位置情報通知機能とを備えた携帯電話端末と、この携帯電話端末とネットワークを介して通話または通信可能に接続されるセンターサーバと、同じくネットワークを介してセンターサーバと接続される、ネットワークアクセス機能と位置情報通知機能とを備えた、タクシーの乗務員端末とからなり、
前記センターサーバが、ユーザの携帯電話端末からの配車依頼を通話機能またはデータ通信によるメッセージ機能で受信すると、
前記センターサーバは、前記携帯電話端末から配車希望地点情報の登録を受け付け、
前記配車希望地点情報に基づいてタクシーデーベースを参照して配車タクシーを決定し、前記ユーザの携帯電話端末及び前記配車タクシーの乗務員端末に対して、少なくともその時点での両端末の位置から配車希望地点までをカバーする地図情報を、両端末の位置情報とともに配信するとともに、
前記地図情報を配信した後は、前記携帯電話端末と前記配車タクシーの乗務員端末との通話回線またはデータ通信回線の回線パスを設定して両端末に第1の所定間隔毎のポーリング通信による端末間通信を開始させ、
前記ユーザの携帯電話端末と前記配車タクシーの乗務員端末とは、前記端末間距離が一定以下となったときに、前記第1の所定間隔よりも短い第2の所定間隔のポーリング通信による端末間通信を行う
ネットワークを介したエコタクシー配車支援システム。
【背景技術】
【0002】
タクシーの乗車を希望する場合には、乗車希望者(乗客)は、電話でタクシー会社のオペレータに迎車を要請し、当該オペレータから無線通話を使用して、待機中あるいは空状態のタクシーに呼びかけて、最適な配車を指示するのが一般的であった。
このようなシステムをIT技術を用いて効率化するために、特開2008-269347
号公報(特許文献1)がある。
【0003】
この特許文献1では、ユーザの携帯電話端末からタクシーの配車依頼があると、タクシー配車装置は、携帯電話端末の現在位置を表す位置データをタクシー端末装置に送信するようになっている。そして、タクシー端末装置が搭載されたタクシーの運転手は、その時点でのタクシーの乗車状態(空車、賃走、迎車、回送、支払等)を参考にして配車可能かを判断し、その判断結果をタクシー配車装置に返信する。これに基づいて、タクシー配車装置は、タクシー端末装置からの返信に応じて配車するタクシーを決定して、その旨を該当するタクシーのタクシー端末装置および配車依頼のあったユーザの携帯電話端末に通知するというものであった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前記特許文献1に記載された技術では、単にユーザ(乗客)の位置と、タクシーの位置とをGPSや基地局によって認識し、タクシー配車装置(サーバ)で配車を指示するだけのシステムであった。
【0006】
ところで、タクシー配車にとって事業上重要なのは、配車されたタクシーが確実に予約した乗客を認識して乗車させることや、繰り返し乗車する常連客、いわゆるリピーターを増加させることであるが、このような点にまで配慮された従来技術はなかった。つまり、上記技術を用いて、配車(迎車)が決定なされたとしてもタクシー運転手はタクシー配車装置から通知された住所や建物を目印に、地図や搭載されたカーナビゲーション装置に基づいて乗客が待つ場所まで赴かなければならず、乗車予定場所に近づいたとしても誰が予約した乗客なのかを口頭で確認する以外に方法がなく、乗客を確実に乗車させることができない等のミスも生じていた。
【0007】
一方、自動車社会において、二酸化炭素の排出が地球環境を破壊していることが指摘され、ハイブリッドカーやアイドリングストップ車等が注目されているが、圧倒的に台数が多いのはタクシー等の商用車であり、その殆どがガソリン車が中心であった。
【0008】
これらのタクシーでも、法廷速度の遵守や、急加速の抑制等、環境配慮運転(エコドラ
イブ)が励行されており、運転手も努力はするものの、乗客や周囲の車の運転手の理解が
得られないと煽られたりクラクションを鳴らされることも多かった。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、環境配慮運転を励行しつつ、配車依頼の発生から配車決定、乗車に至るまでに、段階的に最適なメディアを用いた乗客とタクシー運転手との相互通信・通話・目視確認を実現し、予約した乗客を確実に配車されたタクシーに乗車させることのできる技術を実現することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、前記課題を解決するために、以下の手段を採用した。
【0010】
本発明の請求項1は、乗車希望のユーザ(乗客)が所持し、通話機能とネットワークアクセス機能と位置情報通知機能とを備えた携帯電話端末と、この携帯電話端末とネットワークを介して通話または通信可能に接続されるセンターサーバと、同じくネットワークを介してセンターサーバと接続され
る、ネットワークアクセス機能と位置情報通知機能とを備えた
、タクシーの乗務員端末とからなり、前記センターサーバが、ユーザの携帯電話端末からの配車依頼を通話機能またはデータ通信によるメッセージ機能で受信すると、前記センターサーバは、前記携帯電話端末から配車希望地点情報の登録を受け付け、前記配車希望地点情報に基づいてタクシーデーベースを参照して配車タクシーを決定し、
前記ユーザの携帯電話端末及び前記配車タクシーの乗務員端末に対して、少なくともその時点での両端末の位置から配車希望地点までをカバーする地図情報を、両端末の位置情報とともに配信するとともに、前記地図情報を配信した後は、前記携帯電話端末と
前記配車タクシーの乗務員端末との通話回線またはデータ通信回線の回線パスを設定して端末間通信を可能にさせ、前記ユーザの携帯電話端末は、前記端末間距離が一定以下となったときに、その表示ディスプレを
、その状態に発光している表示ディスプレを前記配車タクシーの運転手に目視で探させるための特定の発光状態に制御
する、ネットワークを介したエコタクシーの配車支援システムである。
【0011】
これによれば、配車依頼から乗車に至るまで、段階的に乗客とタクシー乗務員とのコミュニケーションを変化させるため、柔軟性のあるタクシー配車支援が可能となる。
【0012】
また、本発明の請求項2は、
前記タクシー
は、前記センターサーバと通信インターフェースを介して接続された集中制御装置(CCU)と
該集中制御装置(CCU)に接続された環境配慮運転表示灯とを備えており、該集中制御装置(CCU)は、
前記タクシーが有する車両走行状態検出手段に基づいて前記タクシーの環境配慮運転率を計算し
、計算した環境配慮運転率に応じて前記環境配慮運転表示灯を
制御することを特徴とする請求項1記
載のネットワークを介したエコタクシー配車支援システムである。
【0013】
このように、タクシーの外部に対して、環境配慮運転を表示できるようにしたことにより、追従走行する車両の運転手に対して、環境配慮運転状況を通知することができるため、環境配慮運転への理解を広く認知させることが可能となる。
【0014】
本発明の請求項3は、前記乗客からの配車依頼は、前記携帯電話端末に換えてネットワーク接続可能な情報処理装置を用いることを特徴とする請求項1または2記載のネットワークを介したタクシーの配車システムである。
【0015】
このように、携帯電話端末だけでなく、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置からでもタクシーの配車支援システムの利用が可能である。この場合、乗客は情報処理端末から、希望の乗車地、乗車時間、注文台数等を入力する。この場合、後述するお気に入り乗務員やお気に入りルートを指定することもできる。配車が確定した場合は、その情報はタクシークラウドデータサーバ(TCDS)で配車依頼ヘッダテーブルおよび配車依頼明細
テーブルにデータが書き込まれ、その情報を照会するURLが乗客の携帯端末用メールアドレスに自動的に送信される。乗客は、屋外に出てからも、携帯端末からこのURLをクリックすることで、配車中車両の位置、到着予想時間等を確認することができる。
【0020】
本発明の請求項
4は、乗車希望のユーザ(乗客)が所持し、通話機能とネットワークアクセス機能と位置情報通知機能とを備えた携帯電話端末と、この携帯電話端末とネットワークを介して通話または通信可能に接続されるセンターサーバと、同じくネットワークを介してセンターサーバと接続される、ネットワークアクセス機能と位置情報通知機能とを備えた、タクシーの乗務員端末とからなり、前記センターサーバが、ユーザの携帯電話端末からの配車依頼を通話機能またはデータ通信によるメッセージ機能で受信すると、前記センターサーバは、前記携帯電話端末から配車希望地点情報の登録を受け付け、前記配車希望地点情報に基づいてタクシーデーベースを参照して配車タクシーを決定し、前記ユーザの携帯電話端末及び前記配車タクシーの乗務員端末に対して、少なくともその時点での両端末の位置から配車希望地点までをカバーする地図情報を、両端末の位置情報とともに配信するとともに、前記地図情報を配信した後は、前記携帯電話端末と乗務員端末との通話回線またはデータ通信回線の回線パスを設定して両端末に第1の所定間隔毎のポーリング通信による端末間通信を開始させ、前記ユーザの携帯電話端末と前記配車タクシーの乗務員端末とは、前記端末間距離が一定以下となったときに、前記第1の所定間隔よりも短い第2の所定間隔のポーリング通信による端末間通信を行うネットワークを介したエコタクシーの配車支援システムである。
【0021】
これによれば、たとえば第1のポーリング通信は10秒間隔で行い、第2のポーリング通信は5秒間隔で行うというように、ユーザと乗務員が接近するにつれてポーリング間隔を短くすることによって、より頻繁な両者間のデータ通信・通話を可能にしてタクシー乗車を確実に実現することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、配車依頼の発生から配車決定、乗車に至るまでに、段階的に最適なメディアを用いた乗客とタクシー運転手との相互通信・通話・目視確認を実現し、予約した乗客を確実に配車されたタクシーに乗車させることができるとともに、環境配慮運転(エコドライブ)を促進させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本実施形態は
図1に示すように、乗客(ユーザ)が所持する携帯電話端末(GPS付き携帯・スマートフォン、Quertyキーボードを備えた汎用のネットワーク通信可能な小型パーソナルコンピュータでも可)と、各タクシーに配備された乗務員端末と、該タクシーの後部座席から閲覧可能な乗客用端末(乗客用タブレット)と、これらの各端末と無線ネットワークで接続されたタクシークラウドデータサーバ(TCDS)とからなる。
乗客の携帯電話端末は、ネットワークアクセス機能を備えたものであり、たとえばNTTドコモ社のiモード(NTTドコモ社の登録商標)等がこれに該当する。また、汎用のインターネット接続可能なiPhone(アップル社が許諾を受けたアイフォーン社の登録商標)、Android(米国グーグル社の商標)等のスマートフォンであってもよい。
また、これらの端末にはGPSが搭載されており、位置情報を定期的に取得してタクシークラウドデータサーバ(TCDS)に送信するようになっている。
【0026】
乗務員端末(乗務員用タブレット)は、タクシーに搭載された集中制御装置(CCU)を介してタクシークラウドデータサーバ(TCDS)と通信可能な端末であり、前述のようなスマートフォンまたはタブレット端末(画面上を指先で操作可能な端末)である。この乗務員端末は、連動器(コネクタ)を介してタクシーメーターやデジタルタコグラフと接続されており、タクシークラウドデータサーバ(TCDS)にこれらのデータが乗務員端末を介して送信され、該サーバにおいてタクシー毎、乗務員毎の走行管理が可能となっている。この乗務員端末は
図2に示すように、タクシークラウドデータサーバから受信し
た各種の情報、たとえば配車ステータス(状態)、ナビゲーション画面、自車の状態が表示されるようになっている。
【0027】
また、集中制御装置(CCU)は、デジタルタコグラフやタクシーメーターからの情報に基づいて、環境配慮運転率(エコドライブ率)を計算するようになっている。ここで環境配慮配慮運転率(エコドライブ率)とは、たとえば、平均巡行速度(一般に時速70キロメートル以下であるか否か)、走行中の燃費、ハイブリッド車両の場合にガソリン運転とモーター運転との比率等から総合的に算出した3段階程度の値を出力できればよい。たとえば環境配慮配慮運転率が最も高い値のときにはタクシーの屋根灯を緑色で高速で点滅させ、次に高い値のときには緑色で緩やかに点滅させ、さらに次の段階の値のときには緑色で点灯状態を維持するようにしている。
【0028】
このように、集中制御装置(CCU)で環境配慮運転率を計算し、屋根灯を段階的に点滅・点灯表示させることにより、そのタクシーが環境配慮運転をしていることが後続車の運転手に視覚的に認識させることが可能となる。
【0029】
なお、上記の説明では、集中制御装置(CCU)で算出された環境配慮運転率(エコドライブ率)については、タクシーの屋根灯を緑色に点滅・点灯させる場合で説明したが、これに限らずたとえばタクシーのバックガラスや電光表示板に直接「エコドライブ中」等のような文字、図形、記号等を表示させてもよい。
【0030】
さらに、タクシー内には、前記乗務員端末の他に、後部座席に搭乗した乗客に情報を表示可能な乗客用タブレット端末も配置されている。この乗客用タブレット端末も前記無線ルータを介してタクシークラウドデータサーバ(TCDS)と通信可能になっている。
なお、集中制御装置(CCU)は、無線ルータ機能(モバイルWi-Fiルータ)を備えてお
り、搭乗した乗客のパーソナルコンピュータ、スマートフォン等も接続可能となっている。
【0031】
タクシークラウドデータサーバ(TCDS)は、汎用のネットワークサーバであり、図示しない中央処理装置(CPU)を中心にメインメモリ(MM)、バス(BUS)で接続された大規模記憶装置(HD)を有している。この大規模記憶装置(HD)には、オペレーティングシステム(OS)とともに、マッチングプログラム(PRG)および各種テーブルが登録されている。すなわち、マッチングプログラム(PRG)をバス(BUS)およびメインメモリ(MM)を介して中央処理装置(CPU)が読み込んで実行処理することによって、同図で図示した「配車マッチング・エンジン」の機能が実現されることになる。
【0032】
各種テーブルの例を示したのが
図5である。以下に説明する。同図に示すように、テーブル類は、トランザクションテーブルと、マスタテーブルとから構成されている。これらのテーブルの中から主要なもののみ説明する。
【0033】
(配車リクエストテーブル)
トランザクションテーブルの一つであり、乗客からの配車依頼毎に生成されるテーブルであり、配車依頼によってその都度生成される配車依頼番号とともに、配車依頼を行ったユーザIDと、乗車地情報と、到着地情報と、少なくとも配車中か配車済か示す配車ステータスとが関連付けられて登録されている。
【0034】
(配車実績テーブル)
同じくトランザクションテーブルの一つであり、配車の実績を登録するテーブルであり、前記の配車依頼番号毎に、配車決定された車両識別子を示す車両IDと、そのときの乗
務員の識別子を示す乗務員IDとが関連付けられて登録されている。
【0035】
(お客様マスタ)
会員登録したユーザの情報を登録するテーブル(ユーザテーブル)であり、ユーザIDとパスワードと、当該ユーザに関連付けられたそのユーザに関する氏名、住所、性別、年齢等の個人情報とが関連付けられて登録されている。
さらに、当該ユーザテーブルとは別に、過去に乗車して高い評価をした乗務員IDをお気に入り乗務員として登録したり、過去の乗車経路をお気に入りルート(お気に入りルートマスタ)として登録してもよい。
なお、説明は省略したが、各種テーブルには、タクシー会社ID毎に当該タクシー会社の所在地、営業時間、迎車料金、予約料金等の情報を登録するタクシー会社マスタテーブル、車両ID毎に車両登録年月日や車両型式等を登録する車両マスタテーブル等も登録されている。
【0036】
さらに、上記大規模記憶装置(HD)には、以上に説明した各種テーブルの他に、地図情報等のイメージ情報も登録されている。
図3に示すように、乗客が自身の携帯電話端末のネットワーク接続機能を用いてタクシークラウドデータサーバ(TCDS)のURL(Uniform Resource Locatar)にアクセスし、ユーザIDとパスワードを入力してログインすると、当該ユーザの現在地、目的地、迎車希望時間、連絡先、希望車種、指定タクシー会社の入力が促される。この中のいくつかの項目、たとえば連絡先、希望車種、指定タクシー会社等はデフォルトであらかじめ乗客が登録しておいてもよい。
【0037】
これらの項目が入力されると、支払方法の選択が促され、選択が完了し「配車を確定する」というボタン表示を指定して携帯電話端末の決定ボタンを押すと、配車リクエストが携帯電話の3Gネットワークを介してタクシークラウドデータサーバ(TCDS)に送信される(
図1の電子配車依頼)。このとき、支払方法としては、
図3では、「現金/チケット」、「カード」、「携帯/iTunes(アップル社の商標)」が示されているが、この他に「クーポン」があってもよい。このようなクーポンは電子化されてユーザの携帯電話端末に登録されている。電子化されたクーポンはタクシーからの降車の際の乗車運賃の支払に用いることができる。また、電子クーポンのポイント数はタクシー利用毎に新たに追加される。
【0038】
なお、このような配車依頼は、乗客の携帯電話端末から行う他、コールセンターに音声通話で行い、コールセンターのオペレータは電子配車依頼と同じ情報をコールセンターの端末(コールセンタースクリーン)を通じて入力して電子配車依頼データを生成して、タクシークラウドデータサーバ(TCDS)に送信してもよい。また、乗客のオフィスまたは住居に設置されたネットワーク接続可能なパーソナルコンピュータから行ってもよい。さらに状況はIVR(Interactive Voice Response、双方向音声応答)を利用してコールセンターに電話して配車することも可能である。この場合、従来のIVRサービスではユー
ザが利用する電話番号と配車番号は一対であったが、この場合、ユーザテーブルにおいて電話番号と共に複数の乗車地情報を保持することができるため、ひとつの電話番号から複数の乗車地を選択することができる。またIVRにおいて複数の目的地の中から、目的地を
選択することも可能である。
【0039】
タクシークラウドデータサーバ(TCDS)の中央処理装置(CPU)は、前記配車依頼を受信すると、前記乗客の位置情報に基づいて地図上に配車可能な候補タクシーがマッピング表示され、距離や渋滞情報を加味したうえで到着時間が近い順に候補タクシーの乗務員端末に対して、配車打診情報を送信する。この配車打診情報は、迎車地と、目的地、迎車時間と、連絡先と、支払方法と、「了解」および「見送る」ボタンの表示情報で構成
されている。当該表示情報を閲覧した乗務員が、乗務員端末の「了解」ボタンを指定して決定ボタンを入力すると、この応答情報がタクシークラウドデータサーバ(TCDS)に送信される。ここで、「見送る」のボタンが指定入力されたとき、または配車打診情報が表示された状態で数秒(7秒程度、この秒数はタクシー会社毎にタクシークラウドサーバ上で設定が可能)経過したときには、次の順位の候補タクシーが選択されて、当該次候補のタクシーの乗務員端末に対して前記と同様の配車打診情報が送信される。
【0040】
候補タクシーの乗務員が応答(「了解」ボタンを指定入力)した場合、応答情報が無線ルータを介してタクシークラウドデータサーバ(TCDS)に送信される。次に当該サーバは、乗客の携帯電話端末に、配車決定したタクシーの情報を送信する。この情報は少なくとも、タクシー会社と、車種と、予想到着時刻と、車体カラーと、ナンバーと、乗務員の名前とを含み、これらの情報が乗客の携帯電話端末に表示されるようになっている。
配車が決定すると、タクシークラウドデータサーバ(TCDS)は、配車依頼テーブルの配車ステータスを配車済にする。
【0041】
次に、該サーバは、配車決定したタクシーの位置と迎車予定位置とを含む地図情報を乗客の携帯電話端末と乗務員端末とに配信する。この地図情報の配信によって、乗客と乗務員はお互いの位置を大まかに把握することができる。
【0042】
タクシークラウドデータサーバ(TCDS)は乗客の携帯電話端末から受信した位置情報と、配車が決定したタクシーから受信した位置情報とから、乗客と配車決定タクシーとの距離を監視しており、一定距離(たとえば1km以内)に接近した段階で、携帯電話端末と乗務員端末との通信・通話パスを設定し、二者間での通話を許可する。
【0043】
このとき、ユーザの携帯電話端末と乗務員端末とのデータ通信は、ポーリングによって実現されており、当該ポーリングはたとえば10秒間隔で行われる。つまり、新たな地図データや両者間のメールによる通信は送信から10秒でお互いに受信できる状態となっている。また、通話回線については、一方から発呼した場合には前記ポーリングタイミングに関わりなく回線を接続する。
【0044】
図6および
図7は、タクシークラウドデータサーバ(TCDS)に接続されたコールセンタースクリーンまたはリアルタイムモニタの表示画面を示している。
図6に示すように、表示画面には配車依頼を行ったユーザの情報、乗車地、目的地の情報、配車の時間情報、その他の指定情報とともに、第1候補〜第4候補の候補タクシーが車両番号、グレード、車体、乗務員等の情報とともに表示され、さらにそれらの候補タクシーの現在位置が地図上に表示されるようになっている。そして、候補タクシーが決定すると、迎車状態が
図7に示すように表示画面上に示されるようになっている。
【0045】
乗務員端末には内臓カメラが装備されており、走行時の前方風景を万が一に事故に備えて録画している。この内臓カメラを利用することで、走行時前方風景を、乗客の携帯電話端末に表示する。乗客は、その映像を確認し、配車中タクシーの走行状況および地点をより具体的に把握することができる。
【0046】
そしてさらに一定距離(たとえば50m以内)に接近した段階で、携帯電話端末のアプリケーションプログラムを起動して、携帯電話端末の表示画面全体を特定の色(たとえばオレンジ色)で断続的に発光(フラッシュ)させる。携帯電話端末の発光にともなって、当該発光色が乗務員端末に通知される。このとき、乗務員端末には当該携帯電話端末の発光色を表示させる。たとえば、乗務員端末の画面には「お客様が近くにいます。お客様の携帯電話はオレンジ色に光っています」等の表示を行う。このときに当該特定の色を画面に表示させてもよい。これによって、タクシー運転中の乗務員は、乗務員端末に表示され
た色と同じ発光している端末を目視で探すことで乗客を容易に発見することができる。
【0047】
なお、このように両者が50m以内に接近した場合には、前記データ通信のポーリングを10秒間隔から5秒間隔に短縮することが望ましい。このように両者のメール等のデータ通信の間隔を両者の接近に合わせて短縮させることによって、非接近状態では通信回線のトラフィックを占有することなく、接近したときには緊密な通信が可能となる。
【0048】
配車決定されたタクシーに乗客が搭乗すると、乗客は乗客用タブレットによって情報を閲覧したり、お気に入りルートの選択、入力、乗務員の評価ポイント等を入力することができる。このようにして入力された情報は、前述の各テーブルに登録される。
【0049】
なお、上記実施形態ではユーザの携帯電話端末の画面遷移を
図3を使って説明したが、
図4に示すような画面遷移を携帯電話端末のアプリケーションプログラムで実現してもよい。この図によれば、タクシー会社の指定を行った後、乗車場所を登録済住所から読み出したり、新規に指定してもよい。新規に指定する場合、地図情報を表示させてポイント登録してもよい。