【文献】
Panasonic,Extension carrier and PDCCH-less operation[online], 3GPP TSG-RAN WG1#58b R1-093939,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_58b/Docs/R1-093939.zip>,2009年10月 5日
【文献】
Samsung,Additional Carrier Types for Rel.11[online], 3GPP TSG-RAN WG1#66 R1-112504,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_66/Docs/R1-112504.zip>,2011年 8月16日
【文献】
Ericsson, ST-Ericsson,Discussion on design principles for additional carrier types[online], 3GPP TSG-RAN WG1#66 R1-112082,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_66/Docs/R1-112082.zip>,2011年 8月16日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記設定部は、前記第1のキャリアタイプのサブフレームと前記第2のキャリアタイプのサブフレームとを、前記基本キャリアに設定することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
前記設定部は、前記第1のキャリアタイプのサブフレームだけを受信可能な移動端末装置に、前記第2のキャリアタイプのサブフレームを割り当てることを禁止することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の通信システム。
前記通知部は、前記移動端末装置に参照信号を測定させるサブフレームを示すビットマップ情報を用いて前記各サブフレームのキャリアタイプを通知することを特徴とする請求項4に記載の通信システム。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、LTE−Aで定められた階層型帯域幅構成を示す図である。
図1に示す例は、複数の基本周波数ブロック(以下、コンポーネントキャリアとする)で構成される第1システム帯域を持つLTE−Aシステムと、1コンポーネントキャリアで構成される第2システム帯域を持つLTEシステムとが併存する場合の階層型帯域幅構成である。LTE−Aシステムにおいては、例えば、100MHz以下の可変システム帯域幅で無線通信し、LTEシステムでは、20MHz以下の可変システム帯域幅で無線通信する。LTE−Aシステムのシステム帯域は、LTEシステムのシステム帯域を1単位とする少なくとも1つのコンポーネントキャリアとなっている。このように、複数のコンポーネントキャリアを集めて広帯域化することをキャリアアグリゲーションという。
【0011】
例えば、
図1においては、LTE−Aシステムのシステム帯域は、LTEシステムのシステム帯域(ベース帯域:20MHz)を1つのコンポーネントキャリアとする5つのコンポーネントキャリアの帯域を含むシステム帯域(20MHz×5=100MHz)となっている。
図1においては、移動端末装置UE(User Equipment)#1は、LTE−Aシステム対応(LTEシステムにも対応)の移動端末装置であり、100MHzまでのシステム帯域に対応可能である。UE#2は、LTE−Aシステム対応(LTEシステムにも対応)の移動端末装置であり、40MHz(20MHz×2=40MHz)までのシステム帯域に対応可能である。UE#3は、LTEシステム対応(LTE−Aシステムには対応せず)の移動端末装置であり、20MHz(ベース帯域)までのシステム帯域に対応可能である。
【0012】
将来(Rel-11以降)のシステムでは、Hetnetに特化したキャリアアグリゲーションの拡張が想定される。この場合、既存のキャリアアグリゲーションのコンポーネントキャリアとの互換性を有さないキャリアの導入が有効である。既存のコンポーネントキャリアとの互換性を有さないキャリアとは、既存の移動端末装置の機種(能力)でサポートされていない追加キャリアタイプ(Additional carrier type)が設定されたキャリアである。
【0013】
図2は、キャリアタイプの説明図である。
図2において紙面左側には、既存キャリアタイプ(第1のキャリアタイプ)、紙面中央には、Zero−CRSキャリアタイプ、紙面右側には、追加キャリアタイプ(第2のキャリアタイプ)をそれぞれ示す。なお、
図2においては、説明の便宜上、CRS(Cell-specific Reference Signal)、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)、PDSCH(Physical Downlink Shared Channel)のみ図示している。
【0014】
図2に示すように、既存キャリアタイプ(Legacy carrier type)には、LTEで規定される1リソースブロックの先頭から3シンボルにPDCCHが設定されている。また、既存キャリアタイプには、1リソースブロックにおいてユーザデータやDM−RS(Demodulation − Reference Signal)等の他の参照信号と重ならないようにCRSが設定されている。このCRSは、ユーザデータの復調に用いられる他、スケジューリングや適応制御のための下りリンクのチャネル品質(CQI:Channel Quality Indicator)測定、並びに、セルサーチやハンドオーバのための下りの平均的な伝搬路状態の測定(モビリティ測定)に用いられる。既存キャリアタイプは、既存(Rel-10以前)及び新規(Rel-11以降)の移動端末装置UEにサポートされる。
【0015】
Zero−CRSキャリアタイプには、PDCCH及びCRS用のリソースにブランクが設定される。ブランクリソースは、例えば、送信電力を0にして設定される。このZero−CRSキャリアタイプは、新規(Rel-11以降)の移動端末装置UEだけでなく、Rel−10の移動端末装置UEの機能を用いても実現可能である。しかしながら、Rel−10の移動端末装置UEは、複数のキャリアが周波数方向に離れたアグリゲーション(inter-band CA)において同期を捕らえられないから、Zero−CRSキャリアタイプを用いたキャリアアグリゲーションへの対応は困難であると考えられる。よって、Zero−CRSキャリアタイプは、周波数方向に離間したキャリアに用いられる場合には、Rel−10で未対応の追加キャリアタイプに含まれる。また、Zero−CRSキャリアタイプでは、PDCCHのシンボル数を固定することで、既存キャリアタイプとレートマッチングを同じにすることができる。
【0016】
一方、追加キャリアタイプには、PDCCH及びCRS用のリソースにユーザデータが割り当てられる。この追加キャリアタイプは、既存(Rel-10以前)の移動端末装置にはサポートされず、新規(Rel-11以降)の移動端末装置UEにのみサポートされる。また、追加キャリアタイプは、下り制御チャネル(PHICH、PCFICH)の無送信、報知情報(PBCH、Rel-8 SIB、Paging)の無送信とすることもできる。この場合、追加キャリアタイプは、制御チャネル及び報知情報用のリソースにユーザデータを割り当てることもできる。また、追加キャリアタイプでは、制御情報やCRS用のリソースにもユーザデータが割り当てられるため、既存キャリアタイプとレートマッチングを一致させることはできない。また、追加キャリアタイプは、主にSCell(Secondary Cell)で使用されることが想定されている。
【0017】
追加キャリアタイプは、CRSを無送信とするため、例えば、データ復調にはDM−RSが用いられ、CSI測定にはCSI−RS(Channel State Information − Reference Signal)が用いられる。また、追加キャリアタイプは、PDCCHを無送信とする場合には、FDM型PDCCHを送信してもよい。FDM型PDCCHは、下りデータ信号用のPDSCH領域の所定の周波数帯域を拡張PDCCH領域として使用する。この拡張PDCCH領域に割り当てられたFDM型PDCCHは、DM−RSを用いて復調される。なお、拡張PDCCHは、UE−PDCCHと呼ばれてもよい。
【0018】
追加キャリアタイプは、PDCCHを無送信とする場合には、クロスキャリアスケジューリング(Cross-carrier scheduling)を利用することもできる。クロスキャリアスケジューリングとは、自キャリアの下り制御チャネルを別キャリアで送信する方法である。例えば、追加キャリアタイプのキャリアで下り制御チャネルを送信する代わりに、既存キャリアタイプのキャリアで下り制御チャネルを送信するようにする。
【0019】
追加キャリアタイプは、PHICH(Physical Hybrid-ARQ Indicator Channel)を無送信とする場合には、下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)で再送制御してもよい。追加キャリアタイプは、PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)を無送信とする場合には、上位レイヤ・シグナリングによりPDCCHに用いるOFDMシンボル数を通知してもよい。追加キャリアタイプは、報知情報を無送信とする場合には、既存キャリアタイプのキャリアから報知情報を送信してもよい。
【0020】
なお、本実施の形態における追加キャリアタイプとして、CRS、下り制御チャネル、報知情報の無送信を例示したが、この構成に限定されない。追加キャリアタイプは、新規(Rel-11以降)の移動端末装置UEと互換性があり、既存(Rel-10以前)の移動端末装置UEと互換性がなければよい。例えば、追加キャリアタイプとしては、CRS、下り制御チャネル、報知情報の少なくとも1つを無送信とする構成としてもよい。また、追加キャリアタイプの帯域幅は、LTEシステムのシステム帯域(ベース帯域:20MHz)を1単位とする必要はなく、適宜変更可能である。
【0021】
図3は、追加キャリアタイプを利用したシステム構成について説明する。
図3は、追加キャリアタイプを利用したシステム構成の一例を示す図である。なお、
図3の移動端末装置は、新規(Rel-11以降)の機種である。
【0022】
図3Aに示すシステムは、マクロ基地局装置M(Macro eNodeB)とピコ基地局装置P(Pico eNodeB)及び小型基地局装置RRH(Remote Radio Head)とにより階層的に構成されている。マクロ基地局装置Mのセル内には、ピコ基地局装置P及び小型基地局装置RRHにより局所的に小型セルが形成されている。マクロ基地局装置Mには移動端末装置UE#1が接続され、ピコ基地局装置Pには移動端末装置UE#2が接続されている。マクロ基地局装置M及び小型基地局装置RRHには、移動端末装置UE#3が接続されている。移動端末装置UE#1−#3は、それぞれ基地局装置とキャリアアグリゲーションにより通信している。
【0023】
移動端末装置UE#2は、ピコ基地局装置Pのセル内に位置しており、マクロ基地局装置Mからの受信電力よりもピコ基地局装置Pからの受信電力が大きい。このため、移動端末装置UE#2では、ピコ基地局装置Pの下りデータに対して、マクロ基地局装置Mの下りデータによる干渉は問題とならない。しかしながら、マクロ基地局装置Mからは、マクロ基地局装置Mのセル全体にCRSが送信されており、ピコ基地局装置Pの下りデータに対してこのCRSによる干渉が問題となる。
【0024】
本システムでは、
図3Bに示すように、マクロ基地局装置Mが既存キャリアタイプと追加キャリアタイプを用いたキャリアアグリゲーションを行うことでCRSによる干渉が低減されている。すなわち、追加キャリアタイプではCRSが無送信であるため、ピコ基地局装置Pの下りデータに対するCRSの与干渉が抑えられて伝送品質が改善される。なお、追加キャリアタイプとしては、CRSを無送信とするキャリアタイプであればよい。また、CRS及びPDCCHのリソースに下りデータを送信する構成とすれば、周波数利用効率を改善できる。
【0025】
移動端末装置UE#3は、マクロからの追加キャリアタイプの送信電力を小さくする、あるいは停めることにより、マクロ基地局Mにつながったまま小型基地局装置RRHとの間で追加キャリアタイプを用いたキャリアアグリゲーションを行うことができる。
【0026】
例えば、
図3Cに示すように、移動端末装置UE#3は、既存キャリアタイプのコンポーネントキャリアCC1によって、マクロ基地局装置Mから下りデータと共にPDCCHやCRSを受信する。また、移動端末装置UE#3は、追加キャリアタイプのコンポーネントキャリアCC2によって、小型基地局装置RRHから下りデータを受信する。なお、追加キャリアタイプとして、CRS及びPDCCHのリソースに下りデータを送信する構成とすれば、周波数利用効率を改善できる。
【0027】
このように規定された追加キャリアタイプは、上記したように既存キャリアタイプにのみ対応した既存(Rel-10以前)の移動端末装置とは互換性が得られない。よって、基本キャリアに拡張キャリアを追加してキャリアアグリゲーションが行われる場合、Rel−10の移動端末装置は、追加キャリアタイプの拡張キャリアをSCellとして使用できない。特に、基本キャリアと拡張キャリアとが周波数方向に離れたキャリアアグリゲーション(inter-band CA)では同期がとれないので、追加キャリアタイプのキャリアをSCellに使用することが困難である。
【0028】
このため、追加キャリアタイプに未対応の移動端末装置が中心にシステム運用されている場合には、追加キャリアタイプの導入が困難である。すなわち、システム内に既存(Rel-10以前)の移動端末装置が多い状況だと、追加キャリアタイプを設定した拡張キャリアが有効活用されない。そこで、本発明者らは、システム内に能力が異なる複数の移動端末装置が混在する場合であっても、周波数リソースを有効活用するために、本発明に至った。すなわち、本発明の骨子は、基本キャリアに追加して割り当てられる拡張キャリアに、既存キャリアタイプのサブフレームと追加キャリアタイプのサブフレームを設定することである。これにより、拡張キャリアを既存の移動端末装置に利用させることができ、周波数リソースを有効活用できる。
【0029】
図4を参照して、本実施の形態におけるサブフレーム構成について説明する。
図4は、本実施の形態に係るサブフレーム構成の説明図である。
【0030】
図4Aに示すように、基本キャリアには既存キャリアタイプのサブフレームが設定され、拡張キャリアには既存キャリアタイプ及び追加キャリアタイプのサブフレームが設定されている。拡張キャリアには、追加キャリアタイプのサブフレームだけでなく、既存キャリアタイプのサブフレームも部分的に設定されるため、Rel−10の移動端末装置に拡張キャリアをキャリアアグリゲーションのSCellとして使用させることができる。また、拡張キャリアに対してCRS測定可能な既存キャリアタイプのサブフレームが設定されるため、拡張キャリアをキャリアアグリゲーションのPCellとして使用させることもできる。
【0031】
具体的には、基本キャリア及び拡張キャリアが既存キャリアタイプに設定されたサブフレーム#0、#2、#4では、Rel−10の移動端末装置及び新規(Rel-11以降)の移動端末装置がキャリアアグリゲーションを用いた通信が可能である。拡張キャリアが追加キャリアタイプに設定されたサブフレーム#1、#3では、追加キャリアタイプをサポートする新規の移動端末装置がキャリアアグリゲーションを用いて通信可能である。なお、サブフレーム#1、#3では、Rel−10の移動端末装置でもキャリアアグリゲーションを用いない通信が可能である。この場合、後述するスケジューリング部が、Rel−10の移動端末装置に対してサブフレーム#1、#3にキャリアアグリゲーションを割り当てないように制御する。
【0032】
このように、本実施の形態に係るサブフレーム構成では、既存の移動端末装置に対しても拡張キャリアをキャリアアグリゲーションのSCellとして使用させることができる。この場合、スケジューリング部は、追加キャリアタイプのサブフレームには既存の移動端末装置を割り当てないようにする。この構成により、システム内に既存の移動端末装置が多い状況であっても、拡張キャリアの周波数リソースを有効活用することができ、システム内に追加キャリアタイプを導入することができる。
【0033】
また、
図4Bに示すように、基本キャリアに対しても既存キャリアタイプ及び追加キャリアタイプのサブフレームが設定されてもよい。この場合、基本キャリア及び拡張キャリアに既存キャリアタイプのサブフレームが設定されることで、Rel−10の移動端末装置に拡張キャリアをキャリアアグリゲーションのSCellとして使用させることができる。また、拡張キャリアに対して既存キャリアタイプのサブフレームが設定されるため、拡張キャリアをキャリアアグリゲーションのPCellとして使用させることもできる。
【0034】
具体的には、基本キャリア及び拡張キャリアが既存キャリアタイプに設定されたサブフレーム#0、#4では、Rel−10の移動端末装置及び新規(Rel-11以降)の移動端末装置がキャリアアグリゲーションを用いた通信が可能である。拡張キャリアが追加キャリアタイプに設定されたサブフレーム#1では、追加キャリアタイプをサポートする新規の移動端末装置がキャリアアグリゲーションを用いた通信可能である。なお、サブフレーム#1では、Rel−10の移動端末装置でもキャリアアグリゲーションを用いない通信が可能である。この場合、スケジューリング部が、Rel−10の移動端末装置に対してサブフレーム#1にキャリアアグリゲーションを割り当てないように制御する。
【0035】
基本キャリアに追加キャリアタイプが設定されたサブフレーム#2、#3では、新規の移動端末装置の通信が確立された状況でキャリアアグリゲーションを用いた通信可能である。この場合、新規の移動端末装置は、報知情報が無送信の追加キャリアタイプのサブフレームでは通信が確立しないため、例えば、前段のサブフレームによって基地局装置との通信を確立する。これにより、新規の移動端末装置は、基本キャリア(PCell)に追加キャリアタイプのサブフレームが設定される場合であっても、キャリアアグリゲーションを用いた通信が可能である。
【0036】
ところで、追加キャリアタイプでは、既存キャリアタイプと異なり下り制御チャネルやCRSのリソースにユーザデータが送信されることから、サブフレームのキャリアタイプを移動端末装置に対して通知する必要がある。これは、基地局装置が既存キャリアタイプと追加キャリアタイプとを区別してレートマッチングするため、移動端末装置がキャリアタイプを認識してデレートマッチングする必要があるためである。移動端末装置がキャリアタイプを認識しないと、適切なリソースに復調処理が行われないため、復調精度が劣化する。
【0037】
ここで、各サブフレームのキャリアタイプのシグナリング方法について説明する。
図5は、各サブフレームのキャリアタイプのシグナリング方法の説明図である。なお、以下の説明では、拡張キャリアを例示して説明するが、基本キャリアについても同様である。また、基本キャリアに既存キャリアタイプのサブフレームのみが設定される場合にはキャリアタイプのシグナリングは不要である。
【0038】
図5Aを参照して、第1のシグナリング方法について説明する。第1のシグナリグ方法は、subframe restriction用のシグナリングを利用して参照信号の測定位置と各サブフレームのキャリアタイプとを重畳して通知する方法である。subframe restrictionとは、一部のサブフレームに限定して参照信号を測定する方法である。Rel−10では、PCellにしか定義されていない。このシグナリングがRel−11でSCellにおいても規定された場合、この第1のシグナリング方法では、既存キャリアタイプのサブフレームを参照信号の測定位置とし、各サブフレームのキャリアタイプの通知によって参照信号の測定位置を移動端末装置に認識させる。例えば、各サブフレームのキャリアタイプとして、subframe restriction用のシグナリングによりサブフレーム#0−#7に対応させて8ビットのビットマップ情報[11010010]が通知される。これにより、既存キャリアタイプのサブフレーム#0、#1、#3、#6で参照信号が測定される。このように、参照信号の測定位置と各サブフレームのキャリアタイプとを重畳して通知することで、シグナリング量を低減できる。
【0039】
図5Bを参照して、第2のシグナリング方法について説明する。第2のシグナリング方法は、subframe restriction用のシグナリングにより参照信号の測定位置を通知し、これとは別に、上位レイヤ・シグナリング(RRCシグナリング)により各サブフレームのキャリアタイプを通知する方法である。例えば、参照信号の測定位置として、subframe restriction用のシグナリングによりサブフレーム#0−#7に対応させて8ビットのビットマップ情報[10000010]が通知される。また、各サブフレームのキャリアタイプとして、上位レイヤ・シグナリングによりサブフレーム#0−#7に対応させて8ビットのビットマップ情報[11010010]が通知される。このように、上位レイヤ・シグナリングを用いることで、各サブフレームのキャリアタイプを容易に通知できる。
【0040】
第1及び第2のシグナリング方法による各サブフレームのキャリアタイプの通知により、移動端末装置がキャリアタイプを認識して復調処理を行うため、下りデータの復調精度が劣化することがない。なお、
図5においては、2種類のシグナリング方法について説明したが、このシグナリング方法に限定されるものではない。シグナリング方法は、各サブフレームのキャリアタイプを通知可能であればどのような方法でもよい。
【0041】
ここで、本実施の形態に係る無線通信システムについて詳細に説明する。
図6は、本実施の形態に係る無線通信システムのシステム構成の説明図である。なお、
図6に示す無線通信システムは、例えば、LTEシステム或いは、その後継システムが包含されるシステムである。この無線通信システムでは、LTEシステムのシステム帯域を1単位とする複数の基本周波数ブロックを一体としたキャリアアグリゲーションが用いられている。また、この無線通信システムは、IMT−Advancedと呼ばれても良いし、4Gと呼ばれても良い。
【0042】
図6に示すように、無線通信システム1は、HetNetであり、マクロセルC1とピコセルC2とにより、階層型ネットワークが構築されている。マクロセルC1の基地局装置20Aには、移動端末装置10Aが接続されている。ピコセルC2の基地局装置20Bには、移動端末装置10Bが接続されている。また、基地局装置20A、20Bは、それぞれ不図示の上位局装置に接続され、上位局装置を介してコアネットワーク40と接続される。上位局装置には、例えば、アクセスゲートウェイ装置、無線ネットワークコントローラ(RNC)、モビリティマネジメントエンティティ(MME)等が含まれるが、これに限定されない。
【0043】
また、基地局装置20A、20Bについてはハードウエアの主要部構成が同一であるため、以下の説明では基地局装置20として説明する。同様に、移動端末装置20A、20Bについてはハードウエアの主要部構成が同一であるため、以下の説明では移動端末装置10として説明する。各移動端末装置10は、既存(Rel-10以前)の移動端末装置及び新規(Rel-11以降)の移動端末装置を含むが、以下においては、特段の断りがない限り移動端末装置として説明を進める。また、説明の便宜上、基地局装置20と無線通信するのは各移動端末装置10であるものとして説明するが、より一般的には移動端末装置も固定端末装置も含むユーザ装置(UE:User Equipment)でよい。
【0044】
無線通信システム1においては、無線アクセス方式として、下りリンクについてはOFDMA(直交周波数分割多元接続)が、上りリンクについてはSC−FDMA(シングルキャリア−周波数分割多元接続)が適用されるが、上りリンクの無線アクセス方式はこれに限定されない。OFDMAは、周波数帯域を複数の狭い周波数帯域(サブキャリア)に分割し、各サブキャリアにデータをマッピングして通信を行うマルチキャリア伝送方式である。SC−FDMAは、システム帯域を端末毎に1つ又は連続したリソースブロックからなる帯域に分割し、複数の端末が互いに異なる帯域を用いることで、端末間の干渉を低減するシングルキャリア伝送方式である。
【0045】
ここで、通信チャネルについて説明する。下りリンクの通信チャネルは、各移動端末装置10で共有されるPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)と、下りL1/L2制御チャネル(PDCCH、PCFICH、PHICH)とが用いられる。PDSCHにより、ユーザデータ及び上位制御情報が伝送される。PDCCH(Physical Downlink Control Channel)により、PDSCHおよびPUSCHのスケジューリング情報等が伝送される。PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)により、PDCCHに用いるOFDMシンボル数が伝送される。PHICH(Physical Hybrid-ARQ Indicator Channel)により、PUSCHに対するHARQのACK/NACKが伝送される。
【0046】
上りリンクの通信チャネルは、各移動端末装置で共有される上りデータチャネルとしてのPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)と、上りリンクの制御チャネルであるPUCCH(Physical Uplink Control Channel)とが用いられる。このPUSCHにより、ユーザデータや上位制御情報が伝送される。また、PUCCHにより、下りリンクの無線品質情報(CQI:Channel Quality Indicator)、ACK/NACK等が伝送される。
【0047】
図7を参照しながら、本実施の形態に係る基地局装置の全体構成について説明する。基地局装置20は、MIMO伝送のための送受信アンテナ201と、アンプ部202と、送受信部(送信部)203と、ベースバンド信号処理部204と、呼処理部205と、伝送路インターフェース206とを備えている。
【0048】
下りリンクにより基地局装置20から移動端末装置10に送信されるユーザデータは、基地局装置20の上位に位置する上位局装置から伝送路インターフェース206を介してベースバンド信号処理部204に入力される。
【0049】
ベースバンド信号処理部204において、PDCPレイヤの処理、ユーザデータの分割・結合、RLC(Radio Link Control)再送制御の送信処理などのRLCレイヤの送信処理、MAC(Medium Access Control)再送制御、例えば、HARQの送信処理、スケジューリング、伝送フォーマット選択、チャネル符号化、逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)処理、プリコーディング処理が行われる。また、下りリンクの制御チャネルの信号に関しても、チャネル符号化や逆高速フーリエ変換等の送信処理が行われて、送受信部203に転送される。
【0050】
また、ベースバンド信号処理部204は、報知チャネルにより、同一セルに接続する移動端末装置10に対して、各移動端末装置10が基地局装置20との無線通信するための制御情報を通知する。当該セルにおける通信のための情報には、例えば、上りリンク又は下りリンクにおけるシステム帯域幅や、PRACH(Physical Random Access Channel)におけるランダムアクセスプリアンブルの信号を生成するためのルート系列の識別情報(Root Sequence Index)等が含まれる。
【0051】
送受信部203においては、ベースバンド信号処理部204から出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換する周波数変換処理が施され、その後、アンプ部202で増幅されて送受信アンテナ201により送信される。
【0052】
一方、上りリンクにより移動端末装置10から基地局装置20に送信されるデータについては、送受信アンテナ201で受信された無線周波数信号がアンプ部202で増幅され、送受信部203で周波数変換されてベースバンド信号に変換され、ベースバンド信号処理部204に入力される。
【0053】
ベースバンド信号処理部204においては、入力されたベースバンド信号に含まれるユーザデータに対して、FFT処理、IDFT処理、誤り訂正復号、MAC再送制御の受信処理、RLCレイヤ、PDCPレイヤの受信処理がなされる。ベースバンド信号は伝送路インターフェース206を介して上位局装置に転送される。
【0054】
呼処理部205は、通信チャネルの設定や解放等の呼処理や、基地局装置20の状態管理や、無線リソースの管理を行う。
【0055】
次に、
図8を参照しながら、本実施の形態に係る移動端末装置の全体構成について説明する。移動端末装置10は、送受信アンテナ101と、アンプ部102と、送受信部103(受信部)と、ベースバンド信号処理部104と、アプリケーション部105とを備えている。
【0056】
下りリンクのデータについては、送受信アンテナ101で受信された無線周波数信号がアンプ部102で増幅され、送受信部103で周波数変換されてベースバンド信号に変換される。このベースバンド信号は、ベースバンド信号処理部104でFFT処理や、誤り訂正復号、再送制御の受信処理等がなされる。この下りリンクのデータの内、下りリンクのユーザデータは、アプリケーション部105に転送される。アプリケーション部105は、物理レイヤやMACレイヤより上位のレイヤに関する処理等を行う。また、下りリンクのデータの内、報知情報もアプリケーション部105に転送される。
【0057】
一方、上りリンクのユーザデータについては、アプリケーション部105からベースバンド信号処理部104に入力される。ベースバンド信号処理部104においては、再送制御(H−ARQ (Hybrid ARQ))の送信処理や、チャネル符号化、プリコーディング、DFT処理、IFFT処理等が行われて送受信部103に転送される。送受信部103においては、ベースバンド信号処理部104から出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換する周波数変換処理が施され、その後、アンプ部102で増幅されて送受信アンテナ101より送信される。
【0058】
図9は、本実施の形態に係る基地局装置20が有するベースバンド信号処理部204及び一部の上位レイヤの機能ブロック図であり、主にベースバンド信号処理部204の送信処理の機能ブロックを示している。基地局装置20の配下となる移動端末装置10に対する送信データが上位局装置から基地局装置20に対して転送される。
【0059】
制御情報生成部300は、上位レイヤ・シグナリング(例えばRRCシグナリング)する上位制御情報をユーザ単位で生成する。上位制御情報は、各サブフレームのキャリアタイプを通知するためのシグナリングを含むことができる。
【0060】
データ生成部301は、上位局装置から転送された送信データをユーザ別にユーザデータとして出力する。コンポーネントキャリア選択部302は、移動端末装置10との無線通信に使用されるコンポーネントキャリアをユーザ毎に選択する。
図9には、最大M個(CC#0−CC#M)のコンポーネントキャリア数に対応可能な基地局構成が例示されている。コンポーネントキャリアCC#0−CC#Mには、基本キャリアと基本キャリアに追加して割り当てられる拡張キャリアとが含まれる。
【0061】
スケジューリング部310(設定部、通知部)は、システム帯域全体の通信品質に応じて、配下の移動端末装置10に対するコンポーネントキャリアの割当てを制御する。スケジューリング部310は、クロスキャリアスケジューリングを行う場合には、下り制御情報生成部306に対して制御情報の通知に使用するキャリアを指示する。
【0062】
また、スケジューリング部310は、コンポーネントキャリアのキャリアタイプを設定する。スケジューリング部310は、システム内に残存する既存(Rel-10以前)の移動端末装置の数に応じて、拡張キャリアに割り当てるキャリアタイプを設定する。例えば、システム内に既存(Rel-10以前)の移動端末装置10が多い状況では、拡張キャリアに対して追加キャリアタイプのサブフレームよりも既存キャリアタイプのサブフレームを多く設定する。また、システム内に既存の移動端末装置10が少ない状況では、拡張キャリアに対して既存キャリアタイプのサブフレームよりも追加キャリアタイプのサブフレームを多く設定する。
【0063】
この場合、スケジューリング部310は、システム内の移動端末装置10から能力情報(機種情報)を取得して、拡張キャリアに割り当てるキャリアタイプを設定する。なお、スケジューリング部310は、システム内の移動端末装置10から能力情報を取得する代わりに、既存の移動端末装置10の契約数等に応じて定期的にキャリアタイプを設定してもよい。また、スケジューリング部310は、システム内で既存の移動端末装置10が極端に減少した場合には基本キャリアに対しても追加キャリアタイプのサブフレームを設定してもよい。
【0064】
また、スケジューリング部310は、キャリアタイプに応じてシグナリングビットを制御する。例えば、既存キャリアタイプのサブフレームに対しては“1”を設定し、追加キャリアタイプのサブフレームに対しては“0”を設定するように制御する。なお、各キャリアのキャリアタイプのシグナリング情報は、上位制御情報で通知される場合には制御情報生成部300によって生成され、下り制御情報で通知される場合には下り制御情報生成部306(後述する)で生成され、下り共通チャネル用制御情報で通知される場合には下り共通チャネル用制御情報生成部307(後述する)で生成される。
【0065】
スケジューリング部310は、各キャリアにおけるリソースの割り当てを制御しており、既存の移動端末装置10と新規の移動端末装置10を区別してスケジューリングを行う。このとき、スケジューリング部310は、上り/下り共有制御チャネルのリソース割り当てにおいてキャリアタイプを考慮する。すなわち、
図4に示すように、追加キャリアタイプのサブフレームには、既存の移動端末装置10を割り当てないようにする。また、スケジューリング部310は、上位局装置から送信データ及び再送指示が入力されると共に、上りリンクの信号を測定した受信部からチャネル推定値やリソースブロックのCQIが入力される。
【0066】
スケジューリング部310は、入力された再送指示、チャネル推定値及びCQIを参照しながら、上下制御情報及び上下共有チャネル信号のスケジューリングを行う。移動通信における伝搬路は、周波数選択性フェージングにより周波数毎に変動が異なる。そこで、スケジューリング部310は、各移動端末装置10へのユーザデータについて、サブフレーム毎に通信品質の良好なリソースブロック(マッピング位置)を指示する(適応周波数スケジューリングと呼ばれる)。適応周波数スケジューリングでは、各リソースブロックに対して伝搬路品質の良好な移動端末装置10を選択する。そのため、スケジューリング部310は、各移動端末装置10からフィードバックされるリソースブロック毎のCQIを用いてリソースブロック(マッピング位置)を指示する。また、割り当てたリソースブロックで所定のブロック誤り率を満たすMCS(符号化率、変調方式)を決定する。
【0067】
また、スケジューリング部310は、追加キャリアタイプのサブフレームに対しては、PDCCHやCRS用の確保されたリソースにもユーザデータの割り当てを指示することが可能である。また、スケジューリング部310は、FDM型PDCCHにより制御情報を送信する場合には、FDM型PDCCHについて通信品質の良好なリソースブロック(マッピング位置)を指示する。このため、スケジューリング部310は、各移動端末装置10からフィードバックされるリソースブロック毎のCQIを用いてリソースブロック(マッピング位置)を指示する。なお、FDM型PDCCHのマッピング位置は、上記した上位制御情報に含めて移動端末装置10に通知される。
【0068】
ベースバンド信号処理部204は、チャネル符号化部303、変調部304、マッピング部305を備えている。チャネル符号化部303は、データ生成部301から出力されるユーザデータ(一部の上位制御信号を含んでもよい)で構成される下り共有データチャネル(PDSCH)を、ユーザ毎にチャネル符号化する。変調部304は、チャネル符号化されたユーザデータをユーザ毎に変調する。マッピング部305は、変調されたユーザデータを無線リソースにマッピングする。
【0069】
また、ベースバンド信号処理部204は、ユーザ固有の下り制御情報である下り共有データチャネル用制御情報を生成する下り制御情報生成部306と、ユーザ共通の下り制御情報である下り共通制御チャネル用制御情報を生成する下り共通チャネル用制御情報生成部307とを備えている。下り制御情報生成部306は、下り共有データチャネル用制御情報として下り共有データチャネル(PDSCH)を制御するための下り制御情報(DCI)を生成する。下り制御情報生成部306は、移動端末装置10の能力(機種)に応じて制御情報を生成する。
【0070】
下り制御情報生成部306は、追加キャリアタイプのサブフレームに対しては下り制御情報を無送信とすることもできる。この場合、上記したFDM型PDCCHやクロスキャリアスケジューリングを用いて、追加キャリアタイプのサブフレームの制御情報が通知される。クロスキャリアスケジューリングが行われる場合には、基本キャリア(PCell)の下り制御情報にCIF(Carrier Indicator Field)が付加される。これにより、例えば、移動端末装置は、既存キャリアタイプの基本キャリアから追加キャリアタイプの拡張キャリアの下り制御情報を受信することが可能となる。
【0071】
また、下り制御情報生成部306は、追加キャリアタイプのサブフレームに対してはHARQ用のACK/NACKを無送信とすることもできる。この場合、下り制御情報を用いて再送制御を行うようにする。さらに、下り制御情報生成部306は、追加キャリアタイプのサブフレームに対してはPDCCH用のOFDMシンボル数を無送信とすることもできる。この場合、上位レイヤ・シグナリングによりOFDMシンボル数を通知するようにする。
【0072】
ベースバンド信号処理部204は、チャネル符号化部308、変調部309を備えている。チャネル符号化部308は、下り制御情報生成部306及び下り共通チャネル用制御情報生成部307で生成される制御情報をユーザ毎にチャネル符号化する。変調部309は、チャネル符号化された下り制御情報を変調する。
【0073】
また、ベースバンド信号処理部204は、上り制御情報生成部311と、チャネル符号化部312と、変調部313とを備える。上り制御情報生成部311は、上り共有データチャネル(PUSCH)を制御するための上り共有データチャネル用制御情報をユーザ毎に生成する。上り制御情報生成部311は、移動端末装置10の能力(機種)に応じて制御情報を生成する。チャネル符号化部312は、上り共有データチャネル用制御情報をユーザ毎にチャネル符号化する。変調部313は、チャネル符号化した上り共有データチャネル用制御情報をユーザ毎に変調する。
【0074】
上記変調部309、313でユーザ毎に変調された制御情報は制御チャネル多重部314で多重される。PDCCH用の下り制御情報は、サブフレームの先頭3OFDMシンボルに多重され、インタリーブ部315でインタリーブされる。なお、追加キャリアタイプのサブフレームにおいてFDM型PDCCHにより制御情報が送信される場合には、下り制御情報はサブフレームのデータ領域に多重され、マッピング部319でマッピングされる。
【0075】
参照信号生成部318は、チャネル推定、シンボル同期、CQI測定、モビリティ測定等の様々な目的に使用されるCRSを生成する。また、参照信号生成部318は、ユーザ個別の下りリンク復調用参照信号であるDM−RSやCSI測定専用のCSI-RSを生成する。DM−RSは、ユーザデータの復調だけでなく、拡張PDCCHで送信される下り制御情報の復調に用いられる。
【0076】
参照信号生成部318は、追加キャリアタイプのサブフレームに対してはCRSを無送信とすることもできる。この場合、ユーザデータの復調はDM−RSが用いられ、CQI測定はCSI−RSが用いられる。
【0077】
IFFT部316には、インタリーブ部315及びマッピング部319から制御信号が入力され、マッピング部305からユーザデータが入力され、参照信号生成部318から参照信号が入力される。IFFT部316は、下りチャネル信号を逆高速フーリエ変換して周波数領域の信号から時系列の信号に変換する。サイクリックプレフィックス挿入部317は、下りチャネル信号の時系列信号にサイクリックプレフィックスを挿入する。なお、サイクリックプレフィクスは、マルチパス伝搬遅延の差を吸収するためのガードインターバルとして機能する。サイクリックプレフィックスが付加された送信データは、送受信部203に送出される。
【0078】
図10は、移動端末装置10が有するベースバンド信号処理部104の機能ブロック図である。ここでは、Rel−11以降の新規の移動端末装置の機能ブロックについて説明する。まず、移動端末装置10の下りリンク構成について説明する。
【0079】
ベースバンド信号処理部104は、受信処理系の機能ブロックとして、CP除去部401、FFT部402、デマッピング部403、デインタリーブ部404、制御情報復調部405、データ復調部406、チャネル推定部407を備えている。CP除去部401は、送受信部103で受信された受信信号からガードインターバルであるサイクリックプレフィックスを除去する。FFT部402は、サイクリックプレフィックスが除去された受信信号(OFDM信号)を高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)して時間成分の波形から周波数成分の信号に変換する。
【0080】
デマッピング部403は、受信信号をデマッピングし、受信信号から複数の制御情報、ユーザデータ、上位制御情報を取り出す。デインタリーブ部404は、送信側で施されたインタリーブと逆に並び変えて制御情報を元の順番に戻す。なお、FDM型PDCCHで制御情報が通知される場合には、デインタリーブ部404を介さずに制御情報復調部405に入力される。
【0081】
制御情報復調部405は、共通制御チャネル用制御情報を復調する共通制御チャネル用制御情報復調部405aと、上り共有データチャネル用制御情報を復調する上り共有データチャネル用制御情報復調部405bと、下り共有データチャネル用制御情報を復調する下り共有データチャネル用制御情報復調部405cとを備えている。共通制御チャネル用制御情報及び上り共有データチャネル用制御情報は、マッピング部415に入力されて、上り共有データチャネル(PUSCH)の制御に使用される。下り共有データチャネル用制御情報は、下り共有データ復調部406aへ入力されて、下り共有データチャネル(PDSCH)の制御に使用される。
【0082】
データ復調部406は、ユーザデータ及び上位制御信号を復調する下り共有データ復調部406aと、下り共通チャネルデータを復調する下り共通チャネルデータ復調部406bとを備えている。下り共有データ復調部406aは、下り共有データチャネル用制御情報復調部405cから入力された下り共有データチャネル用制御情報に基づいて、ユーザデータや上位制御情報を取得する。この場合、データ復調部406は、各サブフレームのキャリアタイプに応じてレートマッチングパターンを切り替えてデレートマッチングする。これにより、追加キャリアタイプのサブフレームについても、CRSやPDCCH用のリソースに割り当てられたユーザデータを考慮して適切に復調処理が行われる。なお、各サブフレームのキャリアタイプは、例えば、上位制御情報、下り共有データチャネル用制御情報、共通制御チャネル用制御情報で通知される。
【0083】
チャネル推定部407は、ユーザ固有の参照信号(DM−RS)、またはセル固有の参照信号(CRS)を用いてチャネル推定する。既存キャリアタイプのサブフレームを復調する場合には、CRSまたはDM−RSを用いてチャネル推定する。一方、追加キャリアタイプのサブフレームを復調する場合には、DM−RSを用いてチャネル推定する。チャネル推定部407は、推定結果を共通制御チャネル用制御情報復調部405a、上り共有データチャネル用制御情報復調部405b、下り共有データチャネル用制御情報復調部405c及び下り共有データ復調部406aに出力する。これらの復調部においては、推定結果を用いて復調処理を行う。
【0084】
ベースバンド信号処理部104は、送信処理系の機能ブロックとして、データ生成部411、チャネル符号化部412、変調部413、DFT部414、マッピング部415、IFFT部416、CP挿入部417を備えている。データ生成部411は、アプリケーション部105から入力されるビットデータから送信データを生成する。チャネル符号化部412は、送信データに対して誤り訂正等のチャネル符号化処理を施し、変調部413はチャネル符号化された送信データをQPSK等で変調する。
【0085】
DFT部414は、変調された送信データを離散フーリエ変換する。マッピング部415は、DFT後のデータシンボルの各周波数成分を、基地局装置20に指示されたサブキャリア位置へマッピングする。IFFT部416は、システム帯域に相当する入力データを逆高速フーリエ変換して時系列データに変換し、CP挿入部417は時系列データに対してデータ区切りでサイクリックプレフィックスを挿入する。
【0086】
次に、基地局装置20での拡張キャリアに対する追加キャリアタイプのサブフレームの割り当て及び各キャリアタイプのシグナリングについて説明する。ここでは、基本キャリアには既存キャリアタイプのサブフレーム、拡張キャリアには既存キャリアタイプと追加キャリアタイプのサブフレームが割り当てられた一例について説明する。また、Rel−10とRel−11の移動端末装置が混在しているものとする。
【0087】
基地局装置20は、システム内の移動端末装置から能力情報を取得する。スケジューリング部310は、システム内に残存するRel−10の移動端末装置10の数に応じて拡張キャリアに割り当てるキャリアタイプを設定する。スケジューリング部310は、Rel−10の移動端末装置10の数が多い場合には、既存キャリアタイプのサブフレームの割合を追加キャリアタイプのサブフレームの割合よりも多くする。また、スケジューリング部310は、Rel−10の移動端末装置10の数が少ない場合には、既存キャリアタイプのサブフレームの割合を追加キャリアタイプのサブフレームの割合よりも多くする。
【0088】
また、スケジューリング部310は、サブフレーム毎に決定したキャリアタイプを移動端末装置10に通知するために、キャリアタイプのシグナリングを制御する。キャリアタイプのシグナリング情報は、
図5に示すような8ビットのビットマップ情報であり、例えば、制御情報生成部300、下り制御情報生成部306、下り共通チャネル用制御情報生成部307で生成される。スケジューリング部310は、拡張キャリアに対しては、既存キャリアタイプのサブフレームにRel−10及びRel−11の移動端末装置10を割り当て、追加キャリアタイプのサブフレームにRel−11の移動端末装置10を割り当てる。
【0089】
基本キャリアの下り制御情報生成部306は、ユーザ毎に下り制御情報(DCI)を生成する。拡張キャリアの下り制御情報生成部306は、スケジューリング部310で設定されたサブフレーム毎のキャリアタイプに応じて処理を切り替える。すなわち、下り制御情報生成部306は、既存キャリアタイプのサブフレームではユーザ毎に下り制御情報を生成し、追加キャリアタイプのサブフレームでは下り制御情報を生成しない。この場合、FDM型PDCCHやクロスキャリアスケジューリングを用いて、追加キャリアタイプのサブフレームの下り制御情報が通知される。
【0090】
基本キャリアの参照信号生成部318は、CRS、DM−RS、CSI−RSを生成する。拡張キャリアの参照信号生成部318は、スケジューリング部310で設定されたサブフレーム毎のキャリアタイプに応じて処理を切り替える。すなわち、参照信号生成部318は、既存キャリアタイプのサブフレームではCRSを生成し、追加キャリアタイプのサブフレームではCRSを生成しない。この場合、移動端末装置10ではDM−RSやCSI−RSにより復調やCQI測定が行われる。
【0091】
Rel−11の移動端末装置10は、基地局装置20からのキャリアタイプのシグナリングに応じて、拡張キャリアの各サブフレームのキャリアタイプを認識する。移動端末装置10のデータ復調部406は、基本キャリアについては、既存キャリアタイプのレートマッチングパターンに応じてデレートマッチングする。データ復調部406は、拡張キャリアについては、キャリアタイプに応じてレートマッチングパターンを切り替えてデレートマッチングする。これにより、追加キャリアタイプのサブフレームについてもCRSやPDCCH用のリソースに割り当てられたユーザデータを考慮して適切に復調処理が行われる。
【0092】
以上のように、本実施の形態に係る通信システムによれば、拡張キャリアに対してRel−11以降の移動端末装置10でサポートされる追加キャリアタイプのサブフレームだけでなく、Rel−10の移動端末装置10にサポートされる既存キャリアタイプのサブフレームも設定される。よって、Rel−10の移動端末装置10に拡張キャリアを利用させることができ、能力が異なる数種類の移動端末装置10が混在する状況に関わらず、周波数リソースを有効活用できる。
【0093】
本発明は上記実施の形態に限定されず、様々変更して実施することが可能である。例えば、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、上記説明におけるキャリア数、キャリアの帯域幅、シグナリング方法、追加キャリアタイプの種類、処理部の数、処理手順については適宜変更して実施することが可能である。その他、本発明の範囲を逸脱しないで適宜変更して実施することが可能である。
【0094】
また、本実施の形態では、新規(Rel-11以降)の移動端末装置と既存(Rel-10以前)の移動端末装置を例示して説明したが、この構成に限定されない。例えば、新規(Rel-11以降)の移動端末装置であっても、追加キャリアタイプをサポートしない移動端末装置と追加キャリアタイプをサポートする移動端末装置とであれば、本システムが適用される。この場合、既存キャリアタイプは、上記内容に限定されず、Rel−11以降の複数機種の移動端末装置でサポートされるキャリアタイプであればよい。また、追加キャリアタイプも、上記内容に限定されず、Rel−11以降の一部の移動端末装置のみでサポートされるキャリアタイプであればよい。