特許第5785616号(P5785616)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5785616
(24)【登録日】2015年7月31日
(45)【発行日】2015年9月30日
(54)【発明の名称】調光可能な照明デバイス
(51)【国際特許分類】
   H05B 37/02 20060101AFI20150910BHJP
   H01L 33/00 20100101ALI20150910BHJP
【FI】
   H05B37/02 L
   H05B37/02 J
   H01L33/00 J
【請求項の数】15
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-517604(P2013-517604)
(86)(22)【出願日】2011年6月10日
(65)【公表番号】特表2013-534702(P2013-534702A)
(43)【公表日】2013年9月5日
(86)【国際出願番号】IB2011052538
(87)【国際公開番号】WO2012001561
(87)【国際公開日】20120105
【審査請求日】2014年6月9日
(31)【優先権主張番号】10167956.1
(32)【優先日】2010年6月30日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
(74)【代理人】
【識別番号】100087789
【弁理士】
【氏名又は名称】津軽 進
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163810
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 広和
(72)【発明者】
【氏名】ラデルマヒェル ハラルト
【審査官】 三島木 英宏
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2009/048956(WO,A1)
【文献】 特開2004−192001(JP,A)
【文献】 特開2006−261160(JP,A)
【文献】 特開平11−162660(JP,A)
【文献】 特開2008−262823(JP,A)
【文献】 特開2000−260582(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/146811(WO,A1)
【文献】 特開2002−009343(JP,A)
【文献】 特開2005−310997(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 37/02
H01L 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の状態において、第1の強度を有する最終的な光を生成し、第2の状態において、前記第1の強度より高い第2の強度を有する最終的な光を生成し、前記最終的な光が、第1の色温度を有する第1の光と前記第1の色温度より高い第2の色温度を有する第2の光とを有する照明デバイスであって、
少なくとも1つの第1の発光ダイオードを有する、前記第1の光を生成するための第1の回路と、
少なくとも1つの第2の発光ダイオードを有する、前記第2の光を生成するための第2の回路と、
前記第1の状態において、第1の温度に達し、前記第2の状態において、前記第1の温度より高い第2の温度に達するための第3の回路と、
前記第3の回路に熱的に結合される第4の回路とを有し、
記第4の回路は、前記第2の強度の最終的な光が前記第1の強度の最終的な光の第1の最終的な色温度と異なる第2の最終的な色温度を有するように、前記第2の回路に供給される第2の電力に対する前記第1の回路に供給される第1の電力の比率を適応させるための温度依存性回路を有する、照明デバイス。
【請求項2】
前記第2の最終的な色温度は、前記第1の最終的な色温度より高い、請求項1に記載の照明デバイス。
【請求項3】
前記の第1、第2及び第3の回路が直列に接続され、前記第4の回路が前記の第1及び第2の回路のうちの1つと並列に接続される、請求項2に記載の照明デバイス。
【請求項4】
前記第3の回路は、抵抗及び/又はダイオード及び/又はゼナーダイオードを有し、温度依存性回路は、温度係数抵抗を有する、請求項3に記載の照明デバイス。
【請求項5】
前記温度係数抵抗は、前記第1の回路と並列に接続された負温度係数抵抗である、請求項4に記載の照明デバイス。
【請求項6】
前記温度係数抵抗は、前記第2の回路と並列に接続された正温度係数抵抗である、請求項4に記載の照明デバイス。
【請求項7】
前記第4の回路は、前記温度係数抵抗に接続された抵抗及び/又はダイオード及び/又はゼナーダイオードを更に有する、請求項4に記載の照明デバイス。
【請求項8】
前記の第1及び第2の最終的な色温度は、色度空間の黒体線上又はその比較的近くに配置される、請求項1に記載の照明デバイス。
【請求項9】
前記第1の色温度は、暖白色若しくは赤若しくは黄色又は比較的これらに類似する色に対応し、第2の色温度は、冷白色若しくは青若しくは緑又は比較的これらに類似する色に対応する、請求項1に記載の照明デバイス。
【請求項10】
前記の第1及び第2の回路の1つ以上のヒートシンクに熱的に結合される第5の回路を更に有し、前記第5の回路は、前記最終的な光を安定させるための他の温度依存性回路を有する、請求項1に記載の照明デバイス。
【請求項11】
前記他の温度依存性回路は、温度係数抵抗を有する、請求項10に記載の照明デバイス。
【請求項12】
前記温度係数抵抗は、前記第1の回路と並列に及び/又は前記第2の回路と並列に接続された正温度係数抵抗である、請求項11に記載の照明デバイス。
【請求項13】
請求項1に記載の照明デバイスを有し、前記照明デバイスを駆動するためのドライバを更に有する、システム。
【請求項14】
前記ドライバは、可変振幅直流ドライバ又はパルス幅変調調光直流ドライバ又は整流交流ドライバを有する、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
第1の状態において、第1の強度を有する最終的な光を生成し、第2の状態において、前記第1の強度より高い第2の強度を有する最終的な光を生成し、前記最終的な光が、第1の色温度を有する第1の光と前記第1の色温度より高い第2の色温度を有する第2の光とを有する、方法であって、
当該方法は、
少なくとも1つの第1の発光ダイオードを有する第1の回路を介して、前記第1の光を生成し、
少なくとも1つの第2の発光ダイオードを有する第2の回路を介して、前記第2の光を生成し、
第3の回路を介して、第1の状態において、第1の温度に達し、第2の状態において、前記第1の温度より高い第2の温度に達し、
前記第3の回路に熱的に結合された第4の回路を介して、前記第4の回路は、前記第2の強度の最終的な光が前記第1の強度の最終的な光の第1の最終的な色温度と異なる第2の最終的な色温度を有するように、前記第2の回路に供給される第2の電力に対する前記第1の回路に供給される第1の電力の比率を適応させる、温度依存性回路を有する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1の状態において、第1の強度を有する最終的な光を生成し、第2の状態において、第1の強度より高い第2の強度を有する最終的な光を生成し、最終的な光が、第1の色温度を有する第1の光と第1の色温度より高い第2の色温度を有する第2の光とを有する、照明デバイスに関する。
【0002】
本発明は、更に、照明デバイス有するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
第1の状態において、第1の強度を有する最終的な光を生成し、第2の状態において、第1の強度より高い第2の強度を有する最終的な光を生成するための照明デバイスは、一般的に知られている。第1の状態は低強度状態(調光状態)であり、第2の状態はより高い強度状態(他の調光状態又は非調光状態)である。最終的な光を生成するために、第1の暖かい色の第1の光及び第2の冷たい色の第2の光は、混合される。その場合、前記最終的な光は、第1の色温度を有する第1の光と第1の色温度より高い第2の色温度を有する第2の光とを有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、最終的な光を生成するための改良された照明デバイスを提供することにある。更なる目的は、システム及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様によれば、第1の状態において、第1の強度を有する最終的な光を生成し、第2の状態において、前記第1の強度より高い第2の強度を有する最終的な光を生成し、前記最終的な光が、第1の色温度を有する第1の光と前記第1の色温度より高い第2の色温度を有する第2の光とを有する照明デバイスであって、少なくとも1つの第1の発光ダイオードを有する、前記第1の光を生成するための第1の回路と、少なくとも1つの第2の発光ダイオードを有する、前記第2の光を生成するための第2の回路と、前記第1の状態において、第1の温度に達し、前記第2の状態において、前記第1の温度より高い第2の温度に達するための第3の回路と、前記第3の回路に熱的に結合される第4の回路とを有し、前記第4の回路は、前記第2の強度の最終的な光が前記第1の強度の最終的な光の第1の最終的な色温度と異なる第2の最終的な色温度を有するように、前記第2の回路に供給される第2の電力に対する前記第1の回路に供給される第1の電力の比率を適応させるための温度依存性回路を有する、照明デバイスが提供される。
【0006】
第1の回路は、第1の色温度を有する第1の光を生成し、第2の回路は、第1の色温度より高い第2の色温度を有する第2の光を生成する。第3の回路は、第1の状態において、第1の温度に達し、第2の状態において、第1の温度より高い第2の温度に達する。比率は、前記第2の回路に供給される第2の電力に対する前記第1の回路に供給される第1の電力の比率に等しくなるように規定される。第4の回路は、第3の回路に熱的に結合され、第2の強度の最終的な光が第1の強度の最終的な光の第1の最終的な色温度と異なる第2の最終的な色温度を有するように前記比率を適応させるための温度依存性回路を有する。その結果、第1及び第2の最終的な色温度が異なることにより、より低い強度の第1の最終的な色温度を有するとともに、より高い強度の第2の最終的な色温度を有する最終的な光を生成するための、改良された照明デバイスが提供された。これは、例えば最終的な色温度が最終的な光の強度に依存しなければならない環境において、大きな利点である。
【0007】
照明デバイスは、低コストである点で更なる利点である。照明デバイスは、第3の回路及び第4の回路の双方並びにこれらの回路間の熱カップリングが設計の自由度に各々寄与するという事実のために、設計の大きな自由度を示すという点で更に有利である。
【0008】
照明デバイスによって生成される光が「最終的な」光と呼ばれる理由は、第1の色温度を有する第1の光と第1の色温度より高い第2の色温度を有する第2の光との混同を回避するためである。前記最終的な光は、この第1及び第2の光を有する。同様に、最終的な光の色温度が「最終的な」色温度と呼ばれる理由は、第1の色温度と第2の色温度との混同を回避するためである。
【0009】
当然、前記最終的な光は、3つ以上の異なる強度のうちの1つを示してもよく、及び/又は、異なる色温度の3つ以上の異なる種類の光を有してもよく、及び/又は、3つ以上の異なる最終的な色温度のうちの1つを有してもよい。
【0010】
照明デバイスの一実施形態は、第2の最終的な色温度が第1の最終的な色温度より高いことよって規定される。その結果、より低い強度の比較的暖かい色を有するとともにより高い強度の比較的冷たい色を有する最終的な光を生成するための改良された照明デバイスが提供された。これは、例えば家庭環境/事務所等を照らすための照明デバイスにおいて、大きな利点である。
【0011】
照明デバイスの一実施形態は、第1、第2及び第3の回路が直列に接続され、第4の回路が第1及び第2の回路のうちの1つと並列に接続されることによって規定される。この実施形態は、設計のより大きな自由度を提供するという点で有利である。代わりに、第4の回路が例えば第1及び第2の回路のうちの1つに直列に接続されることにより、第1及び第2の回路が例えば並列に接続されてもよいが、並列回路における2本の分岐のそれぞれの間で同じ電位差が存在するという事実のために、設計の自由度はあまりないだろう。これは、分岐当たりの発光ダイオードの数の自由な選択を制限するか又は分岐のうちの1本への他の要素の追加を必要とする。
【0012】
照明デバイスの一実施形態は、第3の回路が抵抗及び/又はダイオード及び/又はゼナーダイオードを有し、温度依存性回路が温度係数抵抗を有することによって規定される。この実施形態は、極めて低コストである点で有利である。代わりに、温度依存性回路は、第3の回路の温度を、スイッチ(例えばトランジスタ)を制御するための制御信号に変換するためのコンバータを有し、各スイッチが、例えば第1又は第2の回路の発光ダイオードのグループのうち1つの発光ダイオードを短絡させるために制御されてもよいが、これは照明デバイスをより高価にするだろう。
【0013】
照明デバイスの一実施形態は、温度係数抵抗が第1の回路と並列に接続された負温度係数抵抗であることによって規定される。より高い強度では、第3の回路がより暖かくなり、負温度係数抵抗又はNTC抵抗は低い抵抗を示すだろう。結果として、第1の回路はより高い範囲にバイパスされ、第1の光は僅かに減らされた強度を示し、最終的な光はより高い最終的な色温度を得るだろう。
【0014】
照明デバイスの一実施形態は、温度係数抵抗が第2の回路と並列に接続された正温度係数抵抗であることによって規定される。より高い強度では、第3の回路はより暖かくなり、正温度係数抵抗又はPTC抵抗はより高い抵抗を示すだろう。結果として、第2の回路はより低い範囲にバイパスされ、第2の光は僅かに増加した強度を示し、最終的な光はより高い最終的な色温度を得るだろう。
【0015】
照明デバイスの一実施形態は、第4の回路が温度係数抵抗に接続された抵抗及び/又はダイオード及び/又はゼナーダイオードを更に有することによって規定される。この実施形態は、僅かに高いコストに対して設計のより大きな自由度を提供する点で有利である。
【0016】
照明デバイスの一実施形態は、第1及び第2の最終的な色温度が、色度空間の黒体線上又はその比較的近くに配置されることによって規定される。これは、黒体線調光(black line dimming)としても、知られている。
【0017】
照明デバイスの一実施形態は、第1の色温度が暖白色若しくは赤若しくは黄色又は比較的これらに類似する色に対応し、第2の色温度が、冷白色若しくは青若しくは緑又は比較的これらに類似する色に対応することによって規定される。赤及び黄色は、比較的低い色温度を有し、比較的暖色であり、青及び緑は、比較的高い色温度を有し、比較的冷色である。
【0018】
照明デバイスの一実施形態は、第1及び第2の回路の1つ以上のヒートシンクに熱的に結合される第5の回路を更に有し、第5の回路が最終的な光を安定させるための他の温度依存性回路を有することによって規定される。
【0019】
ヒートシンクが比較的遅い熱反応を有するという事実のために、ヒートシンクは薄暗い環境における異なる強度のための異なる最終的な色温度を制御するためにはあまり適していないが、これは安定化目的に非常にかなり適している。
【0020】
照明デバイスの一実施形態は、他の温度依存性回路が温度係数抵抗を有することによって規定される。この実施形態は、極めて低コストであるという点で有利である。
【0021】
照明デバイスの一実施形態は、温度係数抵抗が第1の回路と並列に及び/又は第2の回路と並列に接続された正温度係数抵抗であることによって規定される。ゆっくり上昇するヒートシンク温度では、第1の回路及び/又は第2の回路は、ゆっくり増加する電流を得るだろう。このように、第1の及び/又は第2の光の強度が、補償なしで、ゆっくり上昇するヒートシンク温度に対してゆっくり減少する場合には、最終的な光は安定する。
【0022】
第2の態様によれば、請求項1の照明デバイスを有し、照明デバイスを駆動するためのドライバを更に有するシステムが提供される。
【0023】
ドライバは、例えば電流信号を照明デバイスに供給し、電流信号は、例えば第1の状態(より低い強度状態)における第1のより低い二乗平均平方根値及び/又は第1のより小さい振幅を有し、例えば第2の状態(より高い強度状態)における第2のより高い二乗平均平方根値及び/又は第2のより大きい振幅を有する。代わりに、ドライバは、電圧信号を照明デバイスに供給してもよく、電圧信号は、斯様な電流信号等をもたらす。
【0024】
システムの一実施形態は、ドライバが可変振幅直流ドライバ又はパルス幅変調調光直流ドライバ又は整流交流ドライバを有することによって規定される。
【0025】
システムの重要な特徴は、ドライバが異なる駆動信号の供給を達成する手段が最終的な光の供給に影響しないということである。
【0026】
第3の態様によれば、第1の状態において、第1の強度を有する最終的な光を生成し、第2の状態において、前記第1の強度より高い第2の強度を有する最終的な光を生成し、前記最終的な光が、第1の色温度を有する第1の光と前記第1の色温度より高い第2の色温度を有する第2の光とを有する、方法であって、当該方法は、少なくとも1つの第1の発光ダイオードを有する第1の回路を介して、前記第1の光を生成し、少なくとも1つの第2の発光ダイオードを有する第2の回路を介して、前記第2の光を生成し、第3の回路を介して、第1の状態において、第1の温度に達し、第2の状態において、前記第1の温度より高い第2の温度に達し、前記第3の回路に熱的に結合された第4の回路を介して、前記第4の回路は、前記第2の強度の最終的な光が前記第1の強度の最終的な光の第1の最終的な色温度と異なる第2の最終的な色温度を有するように、前記第2の回路に供給される第2の電力に対する前記第1の回路に供給される第1の電力の比率を適応させる、温度依存性回路を有する、方法が提供される。
【0027】
洞察は、最終的な光が異なる強度のための同じ最終的な色温度を必ずしも有する必要はないことであり得る。
【0028】
基本的な考えは、第3の回路が温度指示を介して強度指示を提供するために用いられることにあり、第3の回路に熱的に結合される第4の回路が、より高い強度の最終的な光に、より低い強度の最終的な光とは異なる最終的な色温度を与えるために用いられることにある。
【0029】
最終的な光を生成するための改良された照明デバイスを提供する課題は解決された。改良は、この最終的な光が、第1及び第2の最終的な色温度が異なることにより、より低い強度の第1の最終的な色温度を有するとともに、より高い強度の第2の最終的な色温度を有するという事実にある。
【0030】
更なる利点は、照明デバイスが低コストであり、設計の大きな自由度を示すことにある。
【0031】
本発明のこれらの及び他の態様は、後述される実施形態から明らかになり、これらを参照して説明されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】照明デバイスの第1の実施形態を示す。
図2】照明デバイスの第2の実施形態を示す。
図3】照明デバイスの第3の実施形態を示す。
図4】照明デバイスを有するシステムを示す。
図5】第1の実施形態の実現のスケッチを示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1において、照明デバイス100の第1の実施形態が示されている。照明デバイス100は、第1の色温度を有する第1の光を生成するための第1の回路1を有する。第1の回路1は、2つの第1の発光ダイオード11及び12を有する。代わりに、これは、1つだけの第1の発光ダイオード又は接続がどうであれ3つ以上の第1の発光ダイオードを有してもよい。照明デバイス100は、第1の色温度より高い第2の色温度を有する第2の光を生成するための第2の回路2を更に有する。第2の回路2は、2つの第2の発光ダイオード21及び22を有する。代わりに、これは、1つだけの第2の発光ダイオード又は接続がどうであれ3つ以上の第2の発光ダイオードを有してもよい。この第1の実施形態は、直流供給信号又はDC供給信号を受信するように設計されている。
【0034】
照明デバイス100は、第1の状態において、第1の強度を有する最終的な光を生成し、第2の状態において、第1の強度より高い第2の強度を有する最終的な光を生成する。この最終的な光は、第1の色温度を有する第1の光と第2の色温度を有する第2の光とを有する。第1の色温度は、例えば、暖白色又は赤又は黄色又は比較的これらに類似する色に対応する。第2の色温度は、例えば、冷白色又は青又は緑又は比較的これらに類似する色に対応する。第1の(第2の)回路1(2)は、第1の(第2の)色の第1の(第2の)光を一緒にもたらす異なる色の光を生成する異なる発光ダイオード(11、12、21、22)を有してもよい。各回路の範囲内のいくつかの色の選択を経て、回路当たりの結果として生じる色及び結果として生じる色温度が設定され得る。
【0035】
照明デバイス100は、第1の状態において、第1の温度に達し、第2の状態において、第1の温度より高い第2の温度に達する第3の回路3を更に有する。照明デバイス100は、第3の回路3に熱的に結合される第4の回路4を更に有する。換言すれば、熱カップリング49が、第3の回路3と第4の回路4の間にある。比率は、第2の回路2によって消費される又は第2の回路2に供給される第2の電力に対する、第1の回路1によって消費される又はこれに供給される第1の電力の比率に等しいように規定される。代わりに、他の比率が、第2の回路2を流れる第2の電流に対する、第1の回路1を流れる第1の電流の比率に等しくなるように規定されてもよい。第4の回路4は、第2の強度の最終的な光が例えば第1の強度の最終的な光より低いか又はより高い最終的な色温度を有するように、前記比率を適応させるための温度依存性回路を有する。
【0036】
図1において、第1、第2及び第3の回路1、2及び3は、直列に接続され、第4の回路4は、第1の回路1と並列に接続される。第3の回路3は、抵抗31を有し、温度依存性回路は、負温度係数抵抗41を有する。
【0037】
より高い強度(即ち、第1及び第2の回路1及び2を流れるより大きい電流をもたらす、第1及び第2の回路1及び2に供給されるより多くの電力)では、第3の回路3はより暖かくなり、負温度係数抵抗41又はNTC抵抗41はより低い抵抗を示すだろう。結果として、第1の回路1は、より高い範囲にバイパスされ、第1の光は、僅かに減少した強度を示し、最終的な光は、第2の光が最終的な光に以前より寄与するという事実のため高い最終的な色温度を有するだろう。
【0038】
図2において、照明デバイス100の第2の実施形態が示される。この照明デバイス100は、第2の実施形態が交流供給信号又はAC供給信号を受信するように設計されているという点で、図1に示されたものと異なる。このために、第1及び第2の回路1及び2は、各々双方向性構造を有する。第1の回路1は、第1及び第2の逆並列分岐を有する。第1の分岐は、2つの直列に接続された第1の発光ダイオード11及び12を有する。第2の分岐は、2つの直列に接続された第1の発光ダイオード13及び14を有する。第2の回路2は、第3及び第4の逆並列分岐を有する。第3の分岐は、2つの直列に接続された第2の発光ダイオード21及び22を有する。第4の分岐は、2つの直列に接続された第2の発光ダイオード23及び24を有する。この照明デバイス100は、第4の回路4が第2の回路2と並列に接続される点、第3の回路3が双方向性構造における2つの逆並列ダイオード32及び34を有する点、及び、温度依存性回路が正温度係数抵抗42を有する点で、図1において示されたものと更に異なる。結果として、照明デバイス100を通る電流の流れの方向がどちらであっても、逆並列分岐の各対のいずれの1つでも光を発するだろう。
【0039】
好ましくは、逆並列ダイオード32及び34は、第4の回路4との熱的に連通しなければならない。これは、例えば第3の回路3の2つの部分の間に第4の回路4を配置することによって実現され得る。各分岐は、1つだけ又は接続がどうであれ3つ以上の発光ダイオードを代わりに有してもよく、回路当たりのより多くの分岐は除外されるべきではない。
【0040】
より高い強度(即ち、より多くの電力が第1及び第2の回路1及び2に供給され、第1及び第2の回路1及び2を流れるより大きい電流をもたらす)では、第3の回路3はより暖かくなり、正温度係数抵抗42又はPTC抵抗42はより高い抵抗を示すだろう。結果として、第2の回路2はより小さい範囲にバイパスされ、第2の光は僅かに増加した強度を示し、最終的な光は第2の光が最終的な光に以前より寄与するという事実のために高い最終的な色温度を有するだろう。
【0041】
このように、図1及び2に関して、第1及び第2の強度の最終的な光の最終的な色温度は、色度空間(黒体線調光)の黒体線上又はこれの比較的近くに配置され得る。
【0042】
図3において、照明デバイス100の第3の実施形態が示されている。この照明デバイス100は、第4の回路4が第2の回路2と並列に接続される点、温度依存性回路が正温度係数抵抗42を有する点、第3の回路3がゼナーダイオード33を有するという点、照明デバイス100が第1の回路1と並列に接続された第5の回路5を更に有する点で、図1において示されるものと異なる。
【0043】
第5の回路5は、第1の回路1のヒートシンクに、熱的に結合され、換言すれば、熱カップリング59が、第1の回路1のヒートシンクと第5の回路5の間にある。代わりに、第5の回路5は、第2の回路2のヒートシンクに、又は、第1及び第2の回路1及び2の双方のヒートシンクに、又は、第1及び第2の回路1及び2の相互のヒートシンクに熱的に結合されてもよい。第5の回路5は、最終的な光を安定させるための他の温度依存性回路を有する。この他の温度依存性回路は、例えば、温度係数抵抗、この場合においては正温度係数抵抗51を有する。
【0044】
ゆっくり上昇するヒートシンク温度では、第1の回路1は、ゆっくり増加する電流を得るだろう。このように、第1の光の強度が、補償なしで、ゆっくり上昇するヒートシンク温度に対してゆっくり減少する場合には、最終的な光は安定する。代わりに及び/又は加えて、温度係数抵抗は、第2の回路2と並列に接続される正温度係数抵抗であってもよい。ゆっくり上昇するヒートシンク温度では、第2の回路2は、ゆっくり増加する電流を得るだろう。このように、第2の光の強度が、補償なしで、ゆっくり上昇するヒートシンク温度に対してゆっくり減少する場合には、最終的な光は安定する。代わりに、それぞれの他の温度依存性回路は、例えば、発光ダイオードが他の温度安定化及び/又は他の温度補償を必要とする場合には、他の温度係数抵抗を有してもよい。
【0045】
図4において、照明デバイス100を有し、照明デバイス100を駆動するためのドライバ200を更に有する、システム300が示されている。ドライバ200は、ソース400に結合されてもよい。ドライバ200は、例えば、可変振幅直流ドライバ又はパルス幅変調調光直流ドライバ又は整流交流ドライバを有してもよい。
【0046】
図5において、第1の実施形態の実現のスケッチが示されている。照明デバイス100は、キャリア61に載置された発光ダイオード11、12、21及び22を有する。このキャリア61は、電気接続のために、部品を機械的に支持するために、及び、熱カップリングをヒートシンク(図示せず)に設けることによって発光ダイオード11、12、21及び22を冷やすために、役立つ。図1に示すように、第1、第2及び第3の回路1―3は、直列に接続される。第4の回路4の負温度係数抵抗41は、熱カップリング49が第3の回路3と第4の回路4の間にあるように、第3の回路3の抵抗31と密に接触している。これは、第3の回路3及び第4の回路4が、互いに密に接触しており、それ故に熱的に連通している一方で、好ましくはキャリア61又は他の部品と密に接触しないことに留意する点で興味深い。結果として、第3の回路3の温度は、大部分が、この第3の回路3を流れる電流、結果として生じる電圧低下、及び、その電気特性(即ち、回路が抵抗、ダイオード等であるかどうか)に依存する電力消散によって決定される。温度及びそれ故に第4の回路4の抵抗は、第3の回路3の温度によって、次々に影響され、電流/電力が第1の回路1に供給される所望の機能をもたらし、それ故に、前に規定された比率は、照明デバイス100がそのドライバから受ける信号/電力/二乗平均平方根電流/エネルギー等によって制御される。第3及び第4の回路3及び4の部品が比較的小さく、キャリア61から比較的分離される場合には、これらは比較的急速に受信信号/電力/二乗平均平方根電流/エネルギー等の変化に反応するだろう。ここで示されない(ケーブル、センサ、レンズのような光学要素又は反射体のような)更なる構成要素が存在してもよい。
【0047】
代わりに、図1〜3を考慮して、第1及び第2の回路1及び2は、例えば、第4の回路4が例えば第1及び第2の回路1及び2のうちの1つに直列に接続されることにより、並列に接続されてもよいが、並列接続における2本の分岐のそれぞれの間に同じ電位差が存在するという事実のために、設計のより少ない自由度があるだろう。これは、分岐当たりの発光ダイオードの数の自由な選択を制限するか又は分岐のうちの1本への他の要素の追加を必要とする。
【0048】
代わりに、第4の回路4における温度依存性回路は、第3の回路3の温度を、スイッチ(例えばトランジスタ)を制御するための制御信号に変換するためのコンバータを有してもよい。各スイッチは、例えば、第1の(第2の)回路1(2)の一群の発光ダイオード11―12(21―22)の1つの発光ダイオードを短絡させるために制御されるが、これは、照明デバイス100をより高価にするだろう。
【0049】
加えて、第4の回路4は、例えば、設計の自由度を更に増加させるために温度係数抵抗41、42に接続された抵抗及び/又はダイオード及び/又はゼナーダイオードを備えてもよい。概して、要素及びNTC(PTC)抵抗の並列接続は、この要素及びPTC(NTC)抵抗の直列接続と置き換えられてもよく、逆もまた同じである。第3の回路3は、抵抗、ダイオード及びゼナーダイオードのグループの2つ以上を有してもよい。図1―3及びその任意の一部のいずれかにおいて示された任意の実施形態は、図1―3及びその任意の部分の他のものに示された任意の実施形態と組み合わせられてもよい。
【0050】
発光ダイオードのそれぞれ(のグループ)は、無機の発光ダイオード又は有機発光ダイオードを有してもよく、低電圧発光ダイオード又は高電圧発光ダイオードを有してもよく、DC発光ダイオード又はAC発光ダイオードを有してもよい。
【0051】
要約すると、本発明は、比較的暖かい色の第1の光と比較的冷たい色の第2の光とを有する最終的な光を生成するための照明デバイス100に関する。照明デバイス100は、第1及び第2の光を生成するための第1及び第2の回路1、2と、最終的な光の強度状態当たりの温度に達するための第3の回路3と、第3の回路3に熱的に結合され、最終的な光、例えばより低い強度状態で比較的暖かい色を例えばより高い強度状態で比較的冷たい色を与えるための温度依存性回路を有する第4の回路4とを有する。この目的のために、第3の回路3は、抵抗31及び/又はダイオード32及び/又はゼナーダイオード33を有してもよく、温度依存性回路は、第1の回路1と並列に接続された負温度係数抵抗41又は第2の回路2と並列に接続された正温度抵抗42を有してもよい。斯様な照明デバイス100は、黒体線調光を提供してもよい。
【0052】
本発明が図面及び前述の説明において例示され詳述された一方で、斯様な図示及び説明は、例示又は単なる例であるとみなされるべきであり、限定するものではない。本発明は、開示された実施形態に限定されるものではない。開示された実施形態に対する他のバリエーションは、図面、開示及び添付の特許請求の範囲の研究から、当業者によって理解され、実施され得る。請求項において、「有する」という用語は他の要素又はステップを除外するものではなく、単数表記は複数を除外するものではない。特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されるという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有効に用いられ得ないことを示すものではない。請求項の中のいかなる参照符号も、その範囲を限定するものとして考慮されるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5