特許第5785961号(P5785961)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5785961薬剤登録装置、プログラムおよび薬剤登録方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5785961
(24)【登録日】2015年7月31日
(45)【発行日】2015年9月30日
(54)【発明の名称】薬剤登録装置、プログラムおよび薬剤登録方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/24 20120101AFI20150910BHJP
【FI】
   G06Q50/24 130
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-2963(P2013-2963)
(22)【出願日】2013年1月10日
(65)【公開番号】特開2014-134977(P2014-134977A)
(43)【公開日】2014年7月24日
【審査請求日】2014年9月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】大熊 裕美子
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 真紀
(72)【発明者】
【氏名】松井 潮美
【審査官】 塩田 徳彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−115495(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/086209(WO,A1)
【文献】 特開2007−079960(JP,A)
【文献】 特開2007−200175(JP,A)
【文献】 米国特許第5995938(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 50/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
患者の識別情報を読み取る読取手段と、
患者に対し使用される薬剤を登録する登録手段と、
読み取られた患者の識別情報に対応付けてサーバに登録されている患者情報および手術名を透かし文字で前記表示部に表示するとともに、前記表示部に表示される透かし文字の上に重ねて、前記登録手段によって登録された前記薬剤に係る薬剤情報をリスト表示する表示制御手段と、
を備えることを特徴とする薬剤登録装置。
【請求項2】
前記読取手段は、使用される薬剤に付されたコードシンボルのコード情報または使用される薬剤の外面情報を画像から読み取り、
前記登録手段は、前記読取手段による読み取り結果として得られた情報に基づいて当該薬剤を識別し、識別された前記薬剤を記憶部に登録する、
ことを特徴とする請求項記載の薬剤登録装置。
【請求項3】
前記表示制御手段が表示する薬剤情報は、薬剤の名称および薬剤の量を含む、
ことを特徴とする請求項1または2記載の薬剤登録装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、患者のアレルギー情報を含む注意項目を前記患者情報として透かし文字で表示する、
ことを特徴とする請求項1ないし3の何れか一記載の薬剤登録装置。
【請求項5】
コンピュータを、
患者の識別情報を読み取る読取手段と、
患者に対し使用される薬剤を登録する登録手段と、
読み取られた患者の識別情報に対応付けてサーバに登録されている患者情報および手術名を透かし文字で表示部に表示するとともに、前記表示部に表示される透かし文字の上に重ねて、前記登録手段によって登録された前記薬剤に係る薬剤情報をリスト表示する表示制御手段と、
として機能させるためのプログラム。
【請求項6】
患者に対し使用される薬剤を登録する薬剤登録装置における薬剤登録方法であって、
前記薬剤登録装置は、表示部と記憶部とを備えており、
患者の識別情報を読み取る工程と、
患者に対し使用される薬剤を前記記憶部に登録する工程と、
読み取られた患者の識別情報に対応付けてサーバに登録されている患者情報および手術名を透かし文字で表示部に表示するとともに、前記表示部に表示される透かし文字の上に重ねて、登録された前記薬剤に係る薬剤情報をリスト表示する工程と、
を含む薬剤登録方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、薬剤登録装置、プログラムおよび薬剤登録方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、調剤過誤の発生を極力無くすために調剤作業を支援する幾つかのシステムが提案されている。例えば、特許文献1記載のシステムにおいては、処方薬とその数量をデータ記憶部に記憶して表示部に表示させ、患者別の各回の処方用に取揃えた複数の薬品の容器に表示されたバーコードを読取る毎に、そのバーコードが示す薬品情報と、データ記憶部に記憶している複数の処方薬の情報に基づいて、その薬品が処方薬であるか否かチェックすることができるものが提案されている。
【0003】
一方、手術室においては、看護師が、手術中に使用された薬剤の空瓶を集め、使用薬剤についての集計結果を伝票に手作業で記入した後、伝票を医事課へ提出する作業を行っていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術においては、手術中に使用された薬剤、あるいは救急の場などにおいて緊急的に発生した薬剤の使用についての記録及び集計は看護師や薬剤師等に任されることとなり、必ずしも確実に管理できるものではなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の薬剤登録装置は、表示部と、患者の識別情報を読み取る読取手段と、患者に対し使用される薬剤を登録する登録手段と、読み取られた患者の識別情報に対応付けてサーバに登録されている患者情報および手術名を透かし文字で前記表示部に表示するとともに、前記表示部に表示される透かし文字の上に重ねて、前記登録手段によって登録された前記薬剤に係る薬剤情報をリスト表示する表示制御手段と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、実施形態にかかる薬剤管理システムの概要構成を示すブロック図である。
図2図2は、薬剤登録装置の外観を示す正面図である。
図3図3は、薬剤登録装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4図4は、薬剤登録装置の機能構成を示すブロック図である。
図5図5は、薬剤登録装置における使用薬剤登録処理の流れを示すフローチャートである。
図6図6は、ログイン画面の一例を示す説明図である。
図7図7は、患者登録画面の一例を示す説明図である。
図8図8は、薬剤登録画面の一例を示す説明図である。
図9図9は、薬剤登録画面の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1は、実施形態にかかる薬剤管理システム10の概要構成を示すブロック図である。図1に示すように、薬剤管理システム10は、電子カルテサーバ11と、医師用の情報処理端末装置12と、看護師用の情報処理端末装置13と、薬剤監査装置14と、無線基地局15及び公衆通信ネットワーク16を介して通信ネットワーク17に接続された医師用の携帯情報処理端末装置18と、薬剤部サーバ19と、薬剤登録装置20と、を備えている。
【0008】
電子カルテサーバ11は、電子カルテを管理し、記憶するための装置である。医師用の情報処理端末装置12は、電子カルテの記入などを行うための装置である。看護師用の情報処理端末装置13は、電子カルテサーバ11が管理する電子カルテの参照及び確認を行うための装置である。薬剤監査装置14は、電子カルテに含まれる指示書情報(例えば、処方箋情報)に基づいて薬剤の取揃え等の支援および監査を行うための装置である。薬剤部サーバ19は、薬剤部に配置され薬剤払出等を管理するための装置である。また、薬剤部サーバ19は、薬剤のコード情報または薬剤の外面情報(薬剤のラベルを表す特徴量、薬剤の色合いや表面の凹凸状況等の表面の状態を表す特徴量など)に対応付けて薬剤に係る薬剤情報(名称、量など)を登録している。薬剤登録装置20は、手術室に配置され、看護師によって手術中に使用された薬剤、あるいは救急の場などにおいて看護師や薬剤師等によって緊急的に使用された薬剤の登録支援を行うための装置である。本実施形態においては、薬剤登録装置20は、手術室に配置されるものであって、看護師によって手術中に使用された薬剤の登録支援に用いられることを想定する。
【0009】
上記構成において、電子カルテサーバ11、情報処理端末装置12、情報処理端末装置13、薬剤監査装置14、薬剤部サーバ19及び薬剤登録装置20は、通信ネットワーク17に接続されている。
【0010】
図2は、薬剤登録装置20の外観を示す正面図である。図2に示すように、薬剤登録装置20は、大別すると、薬剤登録装置20の制御主体となる装置本体部24と、スキャナ22と、各種情報をプリントアウトするためのプリンタ23とを備えている。
【0011】
装置本体部24は、オペレータとなる看護師が各種操作を行うとともに、手術中に使用された薬剤のリスト等の各種情報を表示可能なタッチパネルディスプレイ21を備えている。
【0012】
スキャナ22は、カラーCCDイメージセンサやカラーCMOSイメージセンサ等のイメージセンサ(図示せず)とLEDなどの光源(図示せず)とを有している。スキャナ22は、看護師IDのコードシンボル、患者IDのコードシンボル、薬剤のコードシンボル、薬剤の画像などの撮像を行う。スキャナ22が所定のフレームレートで順次撮像したフレーム画像(撮像画像)は、後述するRAM(Random Access Memory)33(図3参照)に保存される。
【0013】
なお、スキャナ22は、図2に示すようなテーブル上に載置する形状に限るものではなく、床上に立設させるスタンド形状であっても良い。
【0014】
また、薬剤登録装置20は、薬剤の重量を測定する秤や、薬剤に付されたRFIDとの間でデータの読取り/書込みを行うRFIDリーダライタ等を備えていても良い。
【0015】
図3は、薬剤登録装置20のハードウェア構成を示すブロック図である。図3に示すように、薬剤登録装置20は、装置全体を制御するMPU(Micro Processing Unit)31と、ROM(Read Only Memory)32と、RAM33と、外部記憶装置34と、通信インタフェース動作を行う通信インタフェース(I/F)38とを装置本体部24に備えている。ROM32は、制御プログラムを含む各種データを不揮発的に記憶する。RAM33は、ワークエリアとして機能するとともに、各種データを一時的に記憶する。外部記憶装置34は、データベース等の大容量データや制御プログラムを記憶可能なハードディスクドライブ、SSD(Solid State Drive)によって構成されている。
【0016】
ここで、タッチパネルディスプレイ21、スキャナ22、プリンタ23及び通信インタフェース38は、入出力I/O39を介してバス40に接続されている。このバス40には、MPU31、ROM32、RAM33及び外部記憶装置34が接続されている。
【0017】
なお、タッチパネルディスプレイ21は、表示部であるディスプレイ35及びタッチパネル36を主体に構成されている。
【0018】
また、外部記憶装置34は、手術中に使用された薬剤についての集計結果を記憶する使用薬剤記憶テーブルTを備えている。
【0019】
このような構成により、薬剤登録装置20のMPU31は、ROM32や外部記憶装置34に記憶された制御プログラムに従って動作することで、手術中に使用された薬剤の登録支援を行う。
【0020】
次に、実施形態にかかる薬剤登録装置20が有する特徴的な機能について説明する。図4は、薬剤登録装置20の機能構成を示すブロック図である。MPU31は、ROM32や外部記憶装置34に記憶された制御プログラムに従って動作することで、図4に示すように、登録手段311と、表示制御手段312と、読取手段313と、識別手段314と、として機能する。
【0021】
読取手段313は、スキャナ22がスキャンした撮像画像から、手術に使用される薬剤に付されたコードシンボルのコード情報または手術に使用される薬剤の全部または一部の外面情報(薬剤のラベルを表す特徴量、薬剤の色合いや表面の凹凸状況等の表面の状態を表す特徴量など)を読み取る。バーコードや二次元コードなどのコードシンボルからコード情報を検出する処理については、従来からある技術なのでここでの説明は省略する。
【0022】
識別手段314は、読取手段313による読み取り結果として得られた情報(コード情報または外面情報)に基づいて薬剤を識別する。コード情報に基づいて薬剤を識別する方法は、予めコード情報に対応付けて薬剤の薬剤情報(名称、量など)をテーブルとして記憶しておき、コード情報に基づく薬剤の薬剤情報をテーブルから抽出するようにすれば良い。また、外面情報(薬剤のラベルを表す特徴量、薬剤の色合いや表面の凹凸状況等の表面の状態を表す特徴量など)に基づいて薬剤を識別する方法は、予めコード情報に対応付けて薬剤の外面情報をテーブルとして記憶しておき、外面情報に基づく薬剤の薬剤情報をテーブルから抽出するようにすれば良い。
【0023】
登録手段311は、識別手段314で識別された手術に使用される薬剤を、記憶部として機能する外部記憶装置34の使用薬剤記憶テーブルTに登録する。
【0024】
表示制御手段312は、表示部であるディスプレイ35に、登録手段311によって登録された薬剤に係る薬剤情報をリスト表示するとともに、当該薬剤が使用される手術室の状況に関する内容を表示する。また、表示制御手段312は、薬剤が使用される手術室の状況に関する内容を、登録手段311によって登録された薬剤に係る薬剤情報のリスト表示の色に比べて薄い色で表した透かし文字でディスプレイ35に表示する。
【0025】
次に、上述した実施形態にかかる薬剤登録装置20のMPU31が制御プログラムに従って実行する使用薬剤登録処理について説明する。実施形態にかかる薬剤登録装置20は、手術中に使用された薬剤のコードシンボルや薬剤の画像などをスキャンし、手術後の使用薬剤登録処理を実行する。
【0026】
図5は、薬剤登録装置20のMPU31が制御プログラムに従って実行する使用薬剤登録処理の流れを示すフローチャートである。図5に示すように、薬剤登録装置20のMPU31は、初期状態として、ディスプレイ35にログイン画面を表示する(ステップS1)。薬剤登録装置20の操作が許可されている各オペレータ(看護師)は、IDカードを有し、IDカードの認証により薬剤登録装置20の操作が可能になるものとする。
【0027】
図6は、ログイン画面G1の一例を示す説明図である。ログイン画面G1には、図6に示すように、「IDカードを読み取らせてください。」というガイドコメント並びにIDカードに付されている看護師IDのコードシンボルをスキャナ22に読み込ませることを促すガイド画像が表示されている。
【0028】
したがって、オペレータ(看護師)は、ログイン処理を行うために、自己のIDカードに付された看護師IDのコードシンボルをスキャナ22の前にかざして、看護師IDを読み込ませる。
【0029】
薬剤登録装置20のMPU31は、ログイン処理により看護師IDを認証すると(ステップS2のYes)、ディスプレイ35の表示画面に患者登録画面を表示する(ステップS3)。なお、薬剤登録装置20のMPU31は、看護師IDが認証できない場合(ステップS2のNo)、ステップS1に戻り、ログイン画面G1を再度表示する。
【0030】
図7は、患者登録画面G2の一例を示す説明図である。患者登録画面G2には、図7に示すように、「患者IDを読み取らせてください。」というガイドコメント並びに患者のリストバンドに付されている患者IDのコードシンボルをスキャナ22に読み込ませることを促すガイド画像が表示されている。
【0031】
したがって、オペレータ(看護師)は、患者登録処理を行うために、患者のリストバンドに付されている患者IDのコードシンボルをスキャナ22の前にかざして、患者IDを読み込ませる。
【0032】
薬剤登録装置20のMPU31は、患者登録処理により患者IDを登録すると(ステップS4のYes)、ディスプレイ35の表示画面に手術中に追加使用された薬剤を登録するための薬剤登録画面G3を表示する(ステップS5:表示制御手段312)。なお、薬剤登録装置20のMPU31は、患者IDが登録できない場合(ステップS4のNo)、ステップS3に戻り、患者登録画面G2を再度表示する。
【0033】
図8は、薬剤登録画面G3の一例を示す説明図である。薬剤登録画面G3には、図8に示すように、初期状態では、「薬剤を登録して下さい。」というガイドコメントとともに透かし文字(ウォーターマーク)を背景に表示した登録表示部Aが表示されている。登録表示部Aは、手術中に追加使用された薬剤を表示するエリアである。透かし文字は、手術中に追加使用された薬剤の表示の邪魔にならないように、薬剤の表示の色に比べて薄い色で表示される。
【0034】
登録表示部Aの透かし文字の内容は、例えば手術室の状況に関する内容(手術名、患者情報(体重、血液型、注意項目など))である。このような手術室の状況に関する内容(手術名、患者情報(体重、血液型、注意項目など))は、例えば患者IDに対応付けて電子カルテサーバ11に登録されている。すなわち、透かし文字で表示する内容は、登録表示部Aに表示する薬剤との関係がある、意味のある表示である。
・手術名(術式):使用薬剤が決まっているので、重ねて表示することに意味がある。
・患者の体重:薬の投与量との関係があるため、重ねて表示することに意味がある。
・血液型:輸血ミスにつながるので、重ねて表示することに意味がある。
・注意項目:例えばアレルギー情報(ラテックスアレルギーなど)は、手術用具(ゴム製手袋、カテーテル、麻酔器具)にも関係するので、重ねて表示することに意味がある。
【0035】
このように薬剤登録画面G3がディスプレイ35に表示された状態で、オペレータ(看護師)は、手術中に追加使用された薬剤のコードシンボルや薬剤をスキャナ22の前にかざして、薬剤のコードシンボルまたは薬剤の画像を読み込ませる。
【0036】
薬剤登録装置20のMPU31は、スキャナ22がスキャンした撮像画像から得られた薬剤のコード情報または薬剤の外面情報(薬剤のラベルを表す特徴量、薬剤の色合いや表面の凹凸状況等の表面の状態を表す特徴量など)に基づいて手術中に追加使用された薬剤を登録可能である場合には(ステップS6のYes:読取手段313と、識別手段314、登録手段311)、手術中に追加使用された薬剤を外部記憶装置34の使用薬剤記憶テーブルTに患者IDに対応付けて登録し(ステップS7)、ステップS5に戻る。なお、薬剤を登録可能であるか否かの判断は、スキャナ22がスキャンした撮像画像から得られた薬剤のコード情報または薬剤の外面情報に対応付けられた薬剤に係る薬剤情報(名称、量など)が薬剤部サーバ19に登録されているか否かによって判定する。
【0037】
薬剤登録装置20のMPU31は、ステップS5に戻ると、手術中に追加使用された薬剤の登録に従い、登録された薬剤をディスプレイ35に表示された薬剤登録画面G3の登録表示部Aの透かし文字の上に表示する(表示制御手段312)。
【0038】
図9は、薬剤登録画面G3の一例を示す説明図である。薬剤を登録後の薬剤登録画面G3には、図9に示すように、薬剤部サーバ19から取得した登録した薬剤の薬剤情報(名称、量など)が登録表示部Aの透かし文字の上にリスト表示されていく。
【0039】
このように本実施形態の薬剤登録装置20においては、手術室の状況に関する内容(手術名、患者情報(体重、血液型、注意項目など))および手術中に追加使用された薬剤の薬剤情報(名称、量など)を合わせて表示することで、例えば下記のような事項を瞬時に確認することができる。
・手術で使う薬剤と実際に使用して登録した薬剤の関係
・手術を受ける患者と薬剤の相性
・手術を受ける患者の体重に対する薬剤の量との関係
【0040】
なお、薬剤登録装置20のMPU31は、薬剤のコードまたは薬剤の画像に基づいて手術中に追加使用された薬剤を登録可能でないと判断した場合には(ステップS6のNo:読取手段313と、識別手段314、登録手段311)、ステップS5に戻り、薬剤登録画面G3をそのまま再度表示する。
【0041】
このような使用薬剤登録処理は、オペレータ(看護師)による図示しない終了ボタンなどの操作により、終了する。
【0042】
このように、本実施形態の薬剤登録装置20によれば、手術中に使用された薬剤、あるいは救急の場などにおいて緊急的に使用した薬剤について確実に管理することができるとともに、手術室の状況に関する内容を表す透かし文字の上に、手術中に追加使用された薬剤、あるいは救急の場などにおいて緊急的に使用した薬剤の薬剤情報(名称、量など)をリスト表示することで、透かし文字の内容と登録薬剤の内容を同時に確認でき、手術あるいは救急の場における薬剤の投与ミスや分量ミスの早期発見につなげることができる。
【0043】
なお、本実施形態においては、手術中に追加使用された薬剤を登録することについて説明したが、これに限るものではない。例えば、手術前に追加使用される可能性がある薬剤を事前に登録しておくことで、薬剤投与ミスを投与前に発見することも可能である。
【0044】
なお、本実施形態の薬剤登録装置20で実行される制御プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0045】
また、本実施形態の薬剤登録装置20で実行される制御プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の薬剤登録装置20で実行される制御プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0046】
また、本実施形態の薬剤登録装置20で実行される制御プログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0047】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0048】
34 記憶部
35 表示部
311 登録手段
312 表示制御手段
313 読取手段
314 識別手段
【先行技術文献】
【特許文献】
【0049】
【特許文献1】特開2002−163357号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9