特許第5786004号(P5786004)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5786004
(24)【登録日】2015年7月31日
(45)【発行日】2015年9月30日
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20150910BHJP
   B65G 61/00 20060101ALI20150910BHJP
   G06Q 30/06 20120101ALI20150910BHJP
【FI】
   G06Q30/02 150
   B65G61/00 540
   B65G61/00 210
   G06Q30/02 140
   G06Q30/06 170
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-185717(P2013-185717)
(22)【出願日】2013年9月6日
(65)【公開番号】特開2015-52943(P2015-52943A)
(43)【公開日】2015年3月19日
【審査請求日】2014年10月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】平松 顕也
【審査官】 梅岡 信幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−324175(JP,A)
【文献】 特開2010−176318(JP,A)
【文献】 お取り扱い商品がぐーんと増えて 安さ選びほうだいに!,[online],2013年 8月10日,[平成27年6月25日検索],インターネット<URL:http://web.archive.org/web/20130810094057/http://www.the-seiyu.com/guide/renewal/information.html>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−50/34
B65G 61/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが操作する端末装置から注文を受け付けた注文商品を、当該ユーザが指定した配送便の配送対象に設定する情報処理装置であって、
前記配送便の指定申請を締め切る締切時刻の所定時間前に、当該配送便に前記配送対象の注文商品を積載した際の余りの積載量を示す余剰積載量を算出する算出手段と、
前記余剰積載量が閾値以上の場合に、前記配送便の指定を促すための広告情報を、前記締切時刻の所定時間前迄に注文を受け付けたユーザ以外の他のユーザが操作する前記端末装置に提供する提供手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記ユーザ各々の配送先を記憶したデータテーブルに基づき、前記締切時刻の所定時間前迄に注文を受け付けたユーザと同一のエリアに配送先を有する他のユーザを特定する特定手段を更に備え、
前記提供手段は、前記特定手段が特定した前記他のユーザが操作する前記端末装置に前記広告情報を提供する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記提供手段は、前記他のユーザが操作する前記端末装置に前記広告情報をプル型又はプッシュ型で提供する請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記提供手段は、前記配送便を指定することを条件に所定の特典を付与することを示した前記広告情報を提供する請求項1〜3の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記広告情報を提供した前記他のユーザのうち、前記条件を充足し且つ前記余剰積載量に応じた人数分のユーザに対し、前記特典を付与する特典付与手段を更に備える請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
ユーザが操作する端末装置から注文を受け付けた注文商品を、当該ユーザが指定した配送便の配送対象に設定する情報処理装置のコンピュータを、
前記配送便の指定申請を締め切る締切時刻の所定時間前に、当該配送便に前記配送対象の注文商品を積載した際の余りの積載量を示す余剰積載量を算出する算出手段と、
前記余剰積載量が閾値以上の場合に、前記配送便の指定を促すための広告情報を、前記締切時刻の所定時間前迄に注文を受け付けたユーザ以外の他のユーザが操作する前記端末装置に提供する提供手段と、
して機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年のネットワークの普及により、インターネットを介して商品の販売を行う販売方式(EC:Electronic Commerce)が盛んに行われている。また、スーパーマーケット等の店舗においても、店舗内で販売している商品を、インターネットを介して販売する所謂ネットスーパーと呼ばれる販売方式が行われている。
【0003】
このようなネットスーパーでは、所定の締切時間までに注文を受け付けた商品を店舗内からピックアップし、トラック等を用いた配送便によって顧客宅へと配送している。
【0004】
ところで、上記の従来技術では、締切時間までに受け付けた商品の注文量が、配送便の最大積載量に満たない場合がある。このような場合、配送便は空きスペースを残した状態で配送することになるため非効率的である。そのため、配送便の積載量に応じて、ネットスーパーの利用促進を図ることが可能な技術が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、配送便の積載量に応じて、ネットスーパーの利用促進を図ることが可能な情報処理装置及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の情報処理装置は、ユーザが操作する端末装置から注文を受け付けた注文商品を、当該ユーザが指定した配送便の配送対象に設定する情報処理装置であって、算出手段と、提供手段とを備える。算出手段は、前記配送便の指定申請を締め切る締切時刻の所定時間前に、当該配送便に前記配送対象の注文商品を積載した際の余りの積載量を示す余剰積載量を算出する。提供手段は、前記余剰積載量が閾値以上の場合に、前記配送便の指定を促すための広告情報を、前記締切時刻の所定時間前迄に注文を受け付けたユーザ以外の他のユーザが操作する前記端末装置に提供する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態に係る販売システムの構成を概略的に示す図である。
図2図2は、図1に示したネットスーパーサーバの構成を示す図である。
図3図3は、図2に示した会員管理ファイルの一例を模式的に示す図である。
図4図4は、図2に示した注文管理ファイルの一例を模式的に示す図である。
図5図5は、図2に示した配送便管理ファイルの一例を模式的に示す図である。
図6図6は、商品購入ページの一例を示す図である。
図7図7は、配送日時指定ページの一例を示す図である。
図8図8は、実施形態のネットスーパーサーバが実行する第1情報処理の流れを示すフローチャートである。
図9図9は、実施形態のネットスーパーサーバが実行する第2情報処理の流れを示すフローチャートである。
図10図10は、広告情報を含む商品購入ページの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、実施形態に係る情報処理装置及びプログラムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0009】
図1は、販売システム1の構成を概略的に示す図である。図1に示すように、販売システム1は、複数台のPOS(Point Of Sales:販売時点管理)端末2及び各POS端末2をLAN3によって接続して集中管理する店舗サーバ4を備えるPOSシステム7と、専用回線8を介して店舗サーバ4を接続する本部サーバ9と、を備えている。
【0010】
POSシステム7及び本部サーバ9について簡単に説明する。店舗サーバ4は、店舗で販売される各種の商品情報を格納する商品マスタファイルを有してPOSシステム7全体の制御を受け持つものであり、キーボード、表示器、プリンタ及びハードディスクドライブ装置等が接続されている(何れも図示せず)。
【0011】
POS端末2は、ユニークなレジナンバーを割り振られて精算場所に配設されており、キャッシャが売上処理を行うための端末である。POS端末2は、キーボード、ドロワ、表示器、カードリーダ/ライタ、コードスキャナ等が接続されている。POS端末2は、コードスキャナによりバーコードや二次元コード等の形態で各商品に付加された商品コードを読み取ると、この商品コードを店舗サーバ4に通知することで商品の問い合わせを行う。店舗サーバ4は、POS端末2からの問い合わせに応じて商品マスタファイルを検索し、該当する商品コードに対応した商品情報を読み出してPOS端末2へ送信する。POS端末2は、店舗サーバ4から対応する商品の単価等を取得する。また、POS端末2は、購入対象となった商品の単価及び販売個数に基づき、これら商品の総額を算出し精算等の処理を行って売上データを生成した後、当該売上データを所定のタイミングで店舗サーバ4に送信する。
【0012】
本部サーバ9は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等で構成されるコンピュータ構成の制御部(図示せず)を備えており、各店舗の店舗サーバ4から送信される売上データを管理したり、各店舗の店舗サーバ4に対して商品マスタファイルを送信したりする。
【0013】
また、販売システム1は、図1に示すようにネットスーパーサーバ6を備えている。ネットスーパーサーバ6は、ネットワーク5を介して顧客端末10から接続可能である。
【0014】
ネットスーパーサーバ6は、POSシステム7が設置された店舗内で販売されている商品を、インターネット等のネットワーク5を介して販売するネットスーパーサービスを提供するためのサーバ装置である。ネットスーパーサーバ6は、例えば図2に示すような電装系を備えている。
【0015】
図2は、ネットスーパーサーバ6の構成を示す図である。図2に示すように、ネットスーパーサーバ6は、CPU、ROM、RAM等で構成されるコンピュータ構成の制御部21と、バス22と、第1通信インタフェース231と、第2通信インタフェース232と、I/O機器制御部24とを備える。
【0016】
制御部21は、第1通信インタフェース231を介して、LAN3に接続された各装置と通信を実行し得るように構成される。また、制御部21は、第2通信インタフェース232を介して、ネットワーク5に接続された顧客端末10と通信を実行し得るように構成される。また、制御部21には、バス22及びI/O機器制御部24を介して、操作入力部25、表示部26、記憶部27が接続されている。
【0017】
記憶部27は、HDDやフラッシュメモリ等の記憶デバイスであって、制御部21が実行する各種プログラム(例えば、Webアプリケーション、データベースプログラム等)や当該プログラムの実行に係る各種設定情報を記憶する。制御部21は、記憶部27に記憶された所定のプログラムとの協働することで、顧客端末10に対しネットスーパーサービスを提供する。また、制御部21は、記憶部27に記憶された所定のプログラムとの協働することで各種の機能部(算出手段211、提供手段212、特定手段213、特典付与手段214等)を実現し、各種の情報処理等を実行する。
【0018】
また、記憶部27は、ネットスーパーサービスを提供するために必要なデータとして、会員管理ファイル271、注文管理ファイル272及び配送便管理ファイル273等を記憶している。
【0019】
会員管理ファイル271は、ネットスーパーの利用者(会員)に関する情報を管理するためのデータテーブルである。図3は、会員管理ファイル271の一例を模式的に示す図である。図3に示すように、会員管理ファイル271には、会員ID、氏名、住所及びメールアドレス等を関連付けたレコードが保持されている。
【0020】
会員IDは、各会員を識別するための識別子であって、会員毎に固有のIDが割り当てられる。氏名は、各会員の氏名である。住所は、各会員が配送先として予め登録した自宅等の住所である。メールアドレスは、各会員の電子メールにおける送信先を示すものである。
【0021】
注文管理ファイル272は、注文が確定した商品のリスト(注文商品リスト)を、制御部21によって管理(保持)するためのデータテーブルである。図4は、注文管理ファイル272の一例を模式的に示す図である。図4に示すように、注文管理ファイル272には、会員ID、便番号、箱番号、シーケンス番号、商品コード、商品名及び特典内容等を関連付けたレコードが保持されている。
【0022】
ここで、会員IDは、会員管理ファイル271の会員IDに対応し、注文を行った会員の会員IDが格納される。便番号は、商品の配送を行う配送便を識別するための識別子であって、便番号が同一の商品は同一の便で配送される。箱番号は、配送のために商品を収容する収容箱を識別するための識別子である。ネットスーパーにより購入(注文)された商品、即ち注文管理ファイル272に登録された商品コード(商品名)は、箱番号に示された収容箱に収容され、注文を行った顧客の元へ配送される。なお、各収容箱には、固有の箱番号がバーコードや二次元コード等のコードシンボルの形態で予め付与されているものとする。また、シーケンス番号は、便番号が同一の各商品に順次割り当てられる管理番号である。
【0023】
特典内容は、この注文管理ファイル272で注文された商品に適用される特典の内容(例えば送料無料等)を示す情報が格納される。
【0024】
配送便管理ファイル273は、各便番号に対応する配送日時を管理するためのデータテーブルである。図5は、配送便管理ファイル273の一例を示す模式図である。図5に示すように、配送便管理ファイル273は、便番号と関連付けて、配送日付、配送時刻、締切時刻及び判定時刻等を保持している。
【0025】
配送日付及び配送時刻は、商品を配送する日付とその時間帯とを表している。締切時刻は、対応する便番号での注文受け付けを締め切る時刻を表している。また、判定時刻は、後述する第1情報処理の開始時刻を表し、配送時刻より所定時間(例えば30分)前の時刻が設定される。なお、制御部21は、図示しないRTC(Real Time Clock)等の計時部で計時される現在日時に基づき、締切時刻を経過した配送便のレコードを配送便管理ファイル273から削除する。
【0026】
図1に戻り、顧客端末10は、ネットスーパーの顧客(会員)が操作するパーソナルコンピュータ(Personal computer:PC)や携帯電話等の端末装置である。顧客端末10は、CPU、ROM、RAM等で構成される制御部、キーボードや各種ボタン等の入力デバイス、CRTやLCD等の表示デバイス、HDDやフラッシュメモリ等の記憶デバイス、ネットワーク5に接続可能な通信インタフェース等を備え(何れも図示せず)、記憶デバイスに記憶された所定のプログラム(例えば、Webブラウザ等)を制御部が実行することで各種の機能を実現する。
【0027】
また、店舗には、注文商品リストに従って該当する商品を店舗内から収集した商品を顧客毎に仕分けるパッキング作業に用いるパッキング装置等が備えられている(図示せず)。
【0028】
ここで、ネットスーパーで商品の購入(注文)が行われるまでの動作の一例について説明する。
【0029】
まず、顧客端末10の制御部(以下、単に顧客端末10という)では、ユーザの操作に応じて、ネットスーパーサーバ6が提供するECサイトのアドレス宛にアクセスを行う。ネットスーパーサーバ6の制御部(以下、単にネットスーパーサーバ6という)では、顧客端末10からのアクセスを受け付けると、図示しない記憶部に記憶されたプログラム等に基づいて商品の販売を行うECサイトの初期ページを生成し、顧客端末10へ送信する。
【0030】
顧客端末10は、ネットスーパーサーバ6から提供された初期ページ(図示せず)を図示しない表示部に表示し、ユーザの操作入力を待機する。なお、顧客端末10のユーザは、ネットスーパーサーバ6へのアクセス時に、会員IDの入力を行うものとする。また、ネットスーパーサーバ6の制御部は、会員管理ファイル271に基づき、入力された会員IDから顧客端末10のユーザ(会員)を特定する。
【0031】
顧客端末10は、初期ページに表示された複数の商品カテゴリから、特定の商品カテゴリ(例えば、野菜)がユーザにより選択されたことを検知すると、この選択された商品カテゴリのカテゴリ名称又はカテゴリIDをネットスーパーサーバ6へ通知する。
【0032】
ネットスーパーサーバ6の制御部21は、顧客端末10からカテゴリ名称又はカテゴリIDの選択通知を受け付けると、店舗サーバ4に記憶された商品マスタファイルを参照し、当該カテゴリ名称又はカテゴリIDに対応するレコードを読み出す。そして、ネットスーパーサーバ6の制御部21は、読み出した各レコードに基づき、購入注文を受け付けるための商品購入ページを生成すると、顧客端末10へ送信する。顧客端末10は、ネットスーパーサーバ6から提供された商品購入ページを図示しない表示部に表示し、ユーザの操作入力を待機する。
【0033】
図6は、商品購入ページの一例を示す図である。図6に示すように、商品購入ページは、商品マスタファイルから読み出された商品を購入するための購入画面G1を表示する。
【0034】
顧客端末10では、購入画面G1に設けられた購入ボタンB1の押下を、図示しないキーボードやマウス等を介して受け付ける毎に、対応する商品の商品コード、カテゴリ及びその購入数量を購入対象としてネットスーパーサーバ6へ通知する。そして、顧客端末10は、商品選択が完了した旨の指示を図示しないキーボードやマウス等を介して受け付けると、この選択完了の旨をネットスーパーサーバ6へ通知する。
【0035】
次いで、ネットスーパーサーバ6の制御部21は、顧客端末10から選択完了の旨の通知を受け付けると、配送日時の指定を受け付けるための配送日時指定ページを配送便管理ファイル273に基づいて生成し、顧客端末10へ送信する。顧客端末10は、ネットスーパーサーバ6から提供された配送日時指定ページを図示しない表示部に表示し、ユーザの操作入力を待機する。
【0036】
図7は、配送日時指定ページの一例を示す図である。図7に示すように、配送日時指定ページの領域A1には、配送便管理ファイル273に保持された各便番号に対応する配送日時が選択可能に構成される。顧客端末10は、特定の配送日時が選択されたことを図示しないキーボードやマウス等を介して受け付けると、この選択された配送日時をネットスーパーサーバ6へ通知する。
【0037】
ネットスーパーサーバ6の制御部21は、顧客端末10から配送日時の通知を受け付けると、注文を行ったユーザ(会員)の住所と、この配送日時に対応する便番号に対して、購入対象として通知された各商品の商品コード等を関連付けた注文商品リストを生成する。これにより、制御部21は、会員から注文を受け付けた注文商品を、当該会員が指定した配送便の配送対象に設定する。
【0038】
また、ネットスーパーサーバ6の制御部21は、当該注文商品リストに含まれた便番号及び商品コードを、図4に示したレコード形式で注文管理ファイル272に順次格納する。なお、箱番号については、注文商品リスト及び当該注文商品リストに含まれた商品の種別や数量に応じて、商品毎に割り当てを行うものとする。また、シーケンス番号は、同一の便番号について注文管理ファイル272への格納順に割り当てを行うものとする。
【0039】
その後、POSシステム7では、配送便管理ファイル273に基づき、配送便の締切時間までに注文を受け付けた商品を店舗内からピックアップし、トラック等の配送便によって会員宅へと配送している。
【0040】
ところで、上記した注文受付では、締切時間までに受け付けた商品の注文量が、配送便で積載可能な積載量(最大積載量)に満たない場合がある。このような場合、配送便は空きスペースを残した状態で配送することになるため非効率的である。
【0041】
そこで、本実施形態のネットスーパーサーバ6では、配送便の配送料に応じて、ネットスーパーの利用促進を図るための処理を実行する。以下、ネットスーパーサーバ6が実行する処理について説明する。
【0042】
ネットスーパーサーバ6の制御部21は、記憶部27に記憶されたプログラムとの協働により、図2に示した各種の機能部(算出手段211、提供手段212、特定手段213及び特典付与手段214等)を実現し、第1情報処理及び第2情報処理の一部を実行する。
【0043】
ここで、図8は、ネットスーパーサーバ6が実行する第1情報処理の流れを示すフローチャートである。なお、本処理は、上述した商品の注文受け付け動作(ネットスーパーサービス)のバックグラウンドで行われるものである。
【0044】
まず、ネットスーパーサーバ6の制御部21は、配送便管理ファイル273に格納された各便番号の配送便について、現在時刻が判定時刻に到達するまで待機する(ステップS11;No)。何れかの配送便の判定時刻に達すると(ステップS11;Yes)、制御部21(算出手段211)は、その配送便の最大積載量から当該配送便で配送する商品量を減算することで、注文商品を積載した際の余りの積載量(空きスペース)を示す余剰積載量を算出する(ステップS12)。以下、判定時刻に達した配送便を対象配送便という。
【0045】
ここで、最大積載量と商品量との比較方法は、特に問わず、商品を収納する箱の単位で比較してもよい。例えば、対象配送便(便番号)で配送予定の箱(箱番号)の数量と、この対象配送便の配送車で配送可能な箱の最大積載量とを比較すればよい。なお、1台の配送車で配送可能な箱の最大積載量は予め定められているものとする。また、複数台の配送車で配送するような場合には、各配送車の最大積載量の総和との比較を行うものとする。
【0046】
ネットスーパーサーバ6の制御部21は、余剰積載量を算出すると、その値が正か負かを判定する(ステップS13)。余剰積載量が負値と判定した場合(ステップS13;No)、ネットスーパーサーバ6の制御部21は、その余剰積載量を充足するよう配送車の設定を変更し(ステップS14)、ステップS12に再び戻る。配送車の設定変更は、例えば、余剰積載量を充足する台数分配送車を増やしたり、より大きな最大積載量の配送車に変更したりすることが挙げられる。なお、再帰後のステップS12では、設定変更後の配送車の最大積載量に基づき余剰積載量を算出する。
【0047】
また、ステップS13において、余剰積載量の値が正値(ゼロも含む)と判定した場合(ステップS13;Yes)、ネットスーパーサーバ6の制御部21は、その余剰積載量が所定の閾値以上か否かを判定する(ステップS15)。余剰積載量が閾値未満の場合(ステップS15;No)、制御部21は、本処理を終了する。
【0048】
一方、余剰積載量が閾値以上の場合(ステップS15;Yes)、制御部21(特定手段213)は、対象配送便(便番号)で配送する商品を注文した会員の会員IDを、注文管理ファイル272から特定する(ステップS16)。続いて、制御部21(特定手段213)は、ステップS16で特定した会員IDに関連付けられた住所を、会員管理ファイル271から読み出す(ステップS17)。
【0049】
次いで、制御部21(特定手段213)は、ステップS17で読み出した住所と同一のエリアに住所を有する他の会員(以下、対象会員という)の会員IDを、会員管理ファイル271から特定する(ステップS18)。
【0050】
ここで、「同一エリア」の範囲は特に問わないものとする。例えば、ステップS16で特定した会員と同じ集合住宅(マンションやアパート等)に住所を有する他の会員を、対象会員として特定してもよい。また、ステップS18で特定した会員と同じ町内に住所を有する他の会員を、対象会員として特定してもよい。
【0051】
続いて、制御部21(特典付与手段214)は、特定した対象会員の会員IDを、送料無料等の特典付与の対象に設定する(ステップS19)。
【0052】
ここで、設定する特典は、対象配送便(便番号)の締切時刻までの時間限定(タイムサービス)とすることが好ましい。また、実際に特典を享受できる対象会員の人数は、対象配送便(便番号)の余剰積載量に応じた人数(或いは箱数)に制限することが好ましい。例えば、余剰積載量が10箱の場合、ネットスーパーサーバ6の制御部21は、1人当たりの注文に係る箱数を1箱と見積もることで、実際に特典を付与する人数(特典付与人数)を10人とする。
【0053】
そして、制御部21(提供手段212)は、対象会員(会員ID)に対し、対象配送便での商品注文を促すための広告情報を提供し(ステップS20)、本処理を終了する。
【0054】
ここで、広告情報の提供方法は特に問わず、プル型又はプッシュ型で提供する形態としてもよい。例えば、後述するように、対象会員(会員ID)がネットスーパーサーバ6にアクセスした際に、商品購入ページ等に広告情報を含めて提供してもよい(プル型)。また、対象会員の会員IDに関連付けられたメールアドレス宛てに、広告情報を電子メールで送信してもよい(プッシュ型)。
【0055】
また、広告情報の内容も特に問わないものとする。例えば、上記したタイムサービスや特典付与人数等、対象会員に付与する特典内容に関する情報を含めてもよい。また、特定の商品を広告する情報、ネットスーパーサーバ6にアクセスするためのURL等を含めてもよい。
【0056】
次に、ネットスーパーサーバ6が実行する第2情報処理について説明する。図9は、ネットスーパーサーバ6が実行する第2情報処理の流れを示すフローチャートである。なお、本処理は、上述した第1情報処理で特典付与の対象が設定された後、ネットスーパーサービスのバックグラウンドで行われるものである。
【0057】
まず、ネットスーパーサーバ6の制御部21は、現在時刻が、対応する配送便(便番号)の締切時刻に到達したか否かを判定する。締切時刻に到達したと判定した場合(ステップS31;Yes)、制御部21は、ステップS40に移行する。
【0058】
一方、締切時刻に達していないと判定した場合(ステップS31;No)、制御部21は、対象会員が操作する顧客端末10からアクセスを受け付けたか否かを判定する(ステップS32)。対象会員からのアクセスがない場合には(ステップS32;No)、ステップS31に戻る。
【0059】
一方、対象会員からのアクセスを受け付けると(ステップS32;Yes)、制御部21(提供手段212)は、広告情報を含む商品購入ページ等を生成し(ステップS33)、それを顧客端末10へ送信する(ステップS34)。これにより、顧客端末10では、広告情報を含む商品購入ページ等が表示部に表示される。
【0060】
ここで、図10は、広告情報を含む商品購入ページの一例を示す図である。図10に示すように、商品購入ページの領域A2に広告情報が表示される。ここでは、広告情報として、特典内容(送料無料)を示す情報を表示した例を示している。また、特典を付与するための条件として、注文を完了するまでの残り時間と、特典を享受できる残り人数と、対象配送便(便番号)を指定する指定情報を表示している。なお、残り時間は、対象配送便の締切時刻と現在時刻との差分から得られる時間である。残り人数は、現在の特典残余数に対応する。
【0061】
顧客端末10を操作する会員(対象会員)は、この商品購入ページ(広告情報)を閲覧することで、自身が特典付与の対象であることや、タイムサービスの終了時刻、特典を享受できる残り人数等を把握できる。そして、対象会員は、タイムサービスの時間内で且つ特典残余数が1以上の時に、指示された配送便で注文商品の配送を依頼することで特典を享受することができる。
【0062】
図9に戻り、制御部21は、対象会員から商品の注文を受け付けるまで待機する(ステップS35;No)。商品の注文を受け付けると(ステップS35;Yes)、制御部21(特典付与手段214)は、この注文が特典付与の条件を充足しているか否かを判定する(ステップS36)。このステップS36の判定では、タイムサービスの時間内であり、特典残余数が1以上であり、指定した配送便が設定されている場合に充足している判定する。
【0063】
制御部21(特典付与手段214)は特典付与の条件を充足していると判定すると(ステップS36;Yes)、注文の内訳を示すとともに、特典を付与することを設定した注文商品リストを生成する(ステップS37)。次いで、制御部21(特典付与手段214)は、現在の特典残余数の値から1を減算し(ステップS38)、ステップS40に移行する。
【0064】
一方、特典付与の条件を充足しないと判定した場合(ステップS36;No)、制御部21は、注文の内訳を示す注文商品リストを生成することで通常の注文として処理し(ステップS39)、ステップS40に移行する。なお、特典付与の条件を充足しないと判定した場合には、その旨を確認するための情報を顧客端末10に送信する形態としてもよい。
【0065】
続いて、制御部21は、特典残余数がゼロか否かを判定する(ステップS40)。特典残余数がゼロでないと判定した場合(ステップS40;No)、ステップS31に再び戻る。また、特典残余数がゼロと判定した場合には(ステップS40;Yes)、ステップS41に移行する。
【0066】
ステップS41において、制御部21は、対象会員に対する特典付与の設定を解除する(ステップS41)。そして、制御部21は、本処理を終了することで、対象会員に対しても通常のネットスーパーサービスで注文を受け付けるよう制御する。なお、本処理の終了後、特典付与が終了したことを電子メールや商品購入ページ等を介して対象会員に通知する形態としてもよい。
【0067】
以上のように、本実施形態によれば、配送便の余剰積載量が閾値以上の場合に、当該配送便での配送指定を促す広告情報を会員に提供する。また、広告情報として、余剰積載量が閾値以上の配送便を指定することを条件に所定の特典を付与することを示した広告を会員に提供する。これにより、配送便の積載量に応じて、ネットスーパーの利用促進を図ることができるため、配送便の余剰積載量(空きスペース)を減少させることができる。
【0068】
また、本実施形態によれば、余剰積載量が閾値以上の配送便での配送を指定した会員と同一エリアに住所を有する他の会員宛てに、広告情報を提供する。これにより、配送便が配送するエリアを集中させることができるため、当該配送便による配送効率を向上することができる。また、本実施形態によれば、特典付与の対象を、余剰積載量に応じた人数分の会員に制限することができるため、配送便の最大積載量を超えない範囲で、当該配送便を指定した商品の注文を受け付けることができる。
【0069】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。本発明の実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。本実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0070】
例えば、上記実施形態では、配送便の指定を促すため広告情報として、特定の付与を示した広告を送信する形態としたが、広告情報の内容はこれに限らないものとする。例えば、特定の配送便で商品の配送を行う旨を示した広告を広告情報として提供してもよい。
【0071】
また、上記実施形態では、注文を行った会員と同一エリアに住所を有する他の会員に広告情報を提供する形態としたが、これに限らず、当該エリア以外の会員にも広告情報を提供する形態としてもよい。
【0072】
上記実施形態の各装置で実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。また、上記プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0073】
また、上記プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、上記プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0074】
1 販売システム
2 POS端末
4 店舗サーバ
6 ネットスーパーサーバ
7 POSシステム
9 本部サーバ
10 顧客端末
21 制御部
211 算出手段
212 提供手段
213 特定手段
214 特典付与手段
22 バス
231 第1通信インタフェース
232 第2通信インタフェース
24 I/O機器制御部
25 操作入力部
26 表示部
27 記憶部
271 会員管理ファイル
272 注文管理ファイル
273 配送便管理ファイル
【先行技術文献】
【特許文献】
【0075】
【特許文献1】特許4937284号公報
図1
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図8
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図10