(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記導電性多孔質材料アセンブリはアンダーライターズラボラトリーズ(UL)規格No.94の下でV−0の燃焼性等級を有するように、前記導電性多孔質材料に付着される難燃剤をさらに含み、最大で900ppm以下の塩素、最大で900ppm以下の臭素、及び最大で1500ppm以下のハロゲンの合計を有する、請求項1に記載の導電性多孔質材料アセンブリ。
前記第1及び第2の接着剤層が、前記第1及び第2の導電性多孔質ファブリック層を前記導電性多孔質材料に接触させて、前記第1及び第2の導電性多孔質ファブリック層と導電性多孔質材料とを一体に保持したままの状態で前記第1の導電性多孔質ファブリック層、前記第1のウェブ接着剤層、前記導電性多孔質材料、前記第2のウェブ接着剤層、及び前記第2の導電性多孔質ファブリック層の最上部から底部まで電流を維持するウェブ接着剤からなる、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の導電性多孔質材料アセンブリ。
第1の導電性多孔質ファブリック層と導電性多孔質材料の間にある第1の接着剤層を使用することによって、前記第1の導電性多孔質ファブリック層を前記導電性多孔質材料の第1の面に接着結合する工程と、第2の導電性多孔質ファブリック層と前記導電性多孔質材料との間にある第2の接着剤層を使用することによって、前記第2の導電性多孔質ファブリック層を前記導電性多孔質材料の第1の面に対向する第2の面に結合する工程とからなる、導電性多孔質材料アセンブリを製造する方法において、前記導電性多孔質材料アセンブリが、前記第1の導電性多孔質ファブリック層、前記第1の接着剤層、前記導電性多孔質材料、前記第2の接着剤層、及び前記第2の導電性多孔質ファブリック層の最上部から底部にわたってZ軸伝導度を有する、方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本明細書の発明者らは、方法を行う場所で銀を使用する必要のない、例えば銀めっきなしで、導電性多孔質材料アセンブリを作製する方法の、必要性を理解しかつ開発してきた。比較のため、既存の方法は、細孔の内面又はフォームの内部間隙に銀をめっきする工程を有する。しかし本明細書の発明者らは、中国シェンチェン(深セン)の、ある地域又は領域など、全ての領域で銀めっきが利用可能なわけではないことを理解している。したがって本発明者らは、方法を行う場所で銀を使用する必要なしに、例えば銀めっきなしに、導電性多孔質材料アセンブリとそれを作製し又は生成する方法の例示的な実施形態を開発し、本明細書に開示する。いくつかの例示的な実施形態では、導電性多孔質材料アセンブリは、前述の導電性銀めっきフォームと同等に機能しかつ性能を発揮する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このセクションは、本開示の全体的な概要を提供し、その完全な範囲又はその特徴の全ての包括的な開示ではない。
様々な態様によれば、例示的な実施形態は、導電性多孔質材料アセンブリに関して開示される。導電性多孔質材料アセンブリを作製し又は生成する例示的な方法も開示される。例示的な実施形態では、導電性多孔質材料アセンブリは、一般に、導電性多孔質材料と、第1の導電性多孔質ファブリック層とを含む。第1の接着剤層が、第1の導電性多孔質ファブリック層と導電性多孔質材料との間にある。
【0009】
その他の例示的な実施形態では、導電性多孔質材料アセンブリを作製する方法がある。例示的な実施形態では、方法は一般に、第1の導電性多孔質ファブリック層を導電性多孔質材料の第1の面に接着結合することを含む。
【0010】
第1の実施態様は、導電性多孔質材料と、第1の導電性多孔質ファブリック層と、前記第1の導電性多孔質ファブリック層と前記導電性多孔質材料の間にある第1の接着剤層とからなり、前記第1の導電性多孔質ファブリック層、第1の接着剤層、及び導電性多孔質材料の全体を通してZ軸伝導度を有する、導電性多孔質材料アセンブリにおいて、前記導電性多孔質ファブリック及び導電性多孔質材料が、銀の使用を必要とすることなく導電性であることが可能であり、又は、前記導電性多孔質材料アセンブリが、アンダーライターズラボラトリーズ(UL)規格No.94の下でV−0の燃焼性等級を有し、前記導電性多孔質材料アセンブリが、最大で900ppm以下の塩素、最大で900ppm以下の臭素、及び最大で1500ppm以下のハロゲンの合計を有する、導電性多孔質材料アセンブリを要旨とする。
【0011】
第2の実施態様は、第1の実施態様において、前記導電性多孔質材料アセンブリはアンダーライターズラボラトリーズ(UL)規格No.94の下でV−0の燃焼性等級を有するように、前記導電性多孔質材料に付着される難燃剤をさらに含み、最大で900ppm以下の塩素、最大で900ppm以下の臭素、及び最大で1500ppm以下のハロゲンの合計を有することを要旨とする。
【0012】
第3の実施態様は、第1又は第2の実施態様において、前記導電性多孔質ファブリック及び前記導電性多孔質材料は銀を使用することなく導電性を有することを要旨とする。
第4の実施態様は、第1〜第3の実施態様において、第2の導電性多孔質ファブリック層、及び前記第2の導電性多孔質ファブリック層と前記導電性多孔質材料の間にある第2の接着剤層をさらに含み、前記第1の導電性多孔質ファブリック層、前記第1の接着剤層、前記導電性多孔質材料、前記第2の接着剤層、及び前記第2の導電性多孔質ファブリック層の最上部から底部にわたってZ軸伝導度を有することを要旨とする。
【0013】
第5の実施態様は、第4の実施態様において、前記導電性多孔質材料が導電性フォームからなり、前記第1及び第2の導電性多孔質ファブリック層が、第1及び第2のめっきされたメッシュ層からなり、前記第1及び第2の接着剤層が、前記第1及び第2のめっきされたメッシュ層を前記導電性フォームに接触させて、前記第1及び第2のめっきされたメッシュ層とフォームとを一体に保持したままの状態で前記第1のめっきされたメッシュ層、前記第1のウェブ接着剤層、前記導電性フォーム、前記第2のウェブ接着剤層、及び前記第2のめっきされたメッシュ層の最上部から底部まで電流を維持する第1及び第2のウェブ接着剤層からなることを要旨とする。
【0014】
第6の実施態様は、第5の実施態様において、前記導電性フォームが、金属でめっきされたポリウレタン連続気泡フォームからなり、前記第1及び第2のめっきされたメッシュ層が、第1及び第2の金属化ファブリック層からなることを要旨とする。
【0015】
第7の実施態様は、第4〜第6の実施態様において、前記第1及び第2の接着剤層が、前記第1及び第2の導電性多孔質ファブリック層を前記導電性多孔質材料に接触させて、前記第1及び第2の導電性多孔質ファブリック層と導電性多孔質材料とを一体に保持したままの状態で前記第1の導電性多孔質ファブリック層、前記第1のウェブ接着剤層、前記導電性多孔質材料、前記第2のウェブ接着剤層、及び前記第2の導電性多孔質ファブリック層の最上部から底部まで電流を維持するウェブ接着剤からなることを要旨とする。
【0016】
第8の実施態様は、第1〜第7の実施態様において、前記導電性多孔質材料アセンブリ
が銀を含まず、前記接着剤がポリアミドホットメルト接着剤ウェブフィルムからなることを要旨とする。
【0017】
第9の実施態様は、第1〜第8の実施態様において、前記導電性多孔質材料が、内面を有する内部間隙を有し、前記内面は、該内面上に配置された少なくとも1つの導電性金属又は非金属層により導電性を有し、難燃剤が、前記導電性多孔質材料に少なくとも水平燃焼性等級が与えられるようにかつ前記導電性多孔質材料が閉塞した間隙を実質的に含まないように、前記内部間隙内に設けられることを要旨とする。
【0018】
第10の実施態様は、第1〜第9の実施態様において、平方当たり0.10オーム以下の表面抵抗を有し、20オーム・cm以下のバルク抵抗率を有し、60デシベル以上の平均遮蔽有効度を有することを要旨とする。
【0019】
第11の実施態様は、第1〜第10の実施態様において、最大で50ppm以下の塩素、及び最大で50ppm以下の臭素を有することを要旨とする。
第12の実施態様は、第1〜第11の実施態様において、前記導電性多孔質材料が導電性フォームからなり、前記導電性多孔質ファブリックが、めっきされたメッシュからなり、前記導電性多孔質材料アセンブリが銀を含まないことを要旨とする。
【0020】
第13の実施態様は、導電性多孔質材料と、第1の導電性多孔質ファブリック層と、前記第1の導電性多孔質ファブリック層と前記導電性多孔質材料の間にある第1の接着剤層とからなる、導電性多孔質材料アセンブリにおいて、前記第1の導電性多孔質ファブリック層、前記第1の接着剤層、及び前記導電性多孔質材料の全体を通してZ軸伝導度を有し、アンダーライターズラボラトリーズ(UL)規格No.94の下でV−0の燃焼性等級を有し、最大で900ppm以下の塩素、最大で900ppm以下の臭素、及び最大で1500ppm以下のハロゲンの合計を有することを要旨とする。
【0021】
第14の実施態様は、第1〜第13の実施態様において、銀を含まないことを要旨とする。
第15の実施態様は、第1〜第14の実施態様において、アンダーライターズラボラトリーズ(UL)規格No.94の下でV−0の燃焼性等級を有し、最大で900ppm以下の塩素、最大で900ppm以下の臭素、及び最大で1500ppm以下のハロゲンの合計を有する、導電性多孔質材料アセンブリからなる導電性EMIシールドを要旨とする。
【0022】
第16の実施態様は、第1の導電性多孔質ファブリック層と導電性多孔質材料の間にある第1の接着剤層を使用することによって、前記第1の導電性多孔質ファブリック層を前記導電性多孔質材料の第1の面に接着結合する工程からなる、導電性多孔質材料アセンブリを製造する方法において、該導電性多孔質材料アセンブリが、該第1の導電性多孔質ファブリック層、該第1の接着剤層、及び該導電性多孔質材料の全体を通してZ軸伝導度を有する、方法を要旨とする。
【0023】
第17の実施態様は、第16の実施態様において、第2の導電性多孔質ファブリック層と前記導電性多孔質材料との間にある第2の接着剤層を使用することによって、該第2の導電性多孔質ファブリック層を前記導電性多孔質材料の第2の面に結合する工程をさらに含み、前記導電性多孔質材料アセンブリが、前記第1の導電性多孔質ファブリック層、前記第1の接着剤層、前記導電性多孔質材料、該第2の接着剤層、及び該第2の導電性多孔質ファブリック層の最上部から底部にわたってZ軸伝導度を有することを要旨とする。
【0024】
第18の実施態様は、第16又は第17の実施態様において、予め銀でめっきされた導
電性多孔質ファブリックを使用する工程と、予め銀でめっきされた導電性多孔質材料を使用する工程とを含んでなることを要旨とする。
【0025】
適用可能なさらなる領域は、本明細書に提示される記述から明らかにされよう。この概要における記述及び特定の例は、単なる例示を目的とし、本開示の範囲を限定しようとするものではない。
【0026】
本明細書に記述される図面は、選択された実施形態の単なる例示を目的とし、全てが可能性ある実現例とは限らず、本開示の範囲を制限しようとするものではない。
【発明を実施するための形態】
【0028】
次に例としての実施形態について、添付図面を参照しながら、より十分に記述する。
本明細書に開示されるように、導電性多孔質材料アセンブリの例示的な実施形態は、難燃剤であってもよく(例えば、UL−94 V−0など)、電磁遮蔽の適用例に適切なZ軸伝導度、Z軸抵抗、又はバルク抵抗率を示してもよく、ハロゲンフリーであってもよい(例えば、塩素が最大で900ppm以下、臭素が最大で900ppm以下、ハロゲンの合計が最大で1500ppm以下)。そのような例示的な実施形態を、本明細書では、ハロゲンフリー難燃導電性EMI遮蔽材料と呼ぶこともできる。
【0029】
例示的な実施形態では、導電性多孔質材料アセンブリを生成し又は作製する方法は、Z軸接触を維持するために、接着剤(例えば、軽量のホットメルトウェブ接着剤など)を使用して、めっきされたメッシュ(例えば、レアードテクノロジーズインコーポレイテッド社製の金属化ファブリックなど)を、めっきされたフォーム(例えば、金属でめっきされ
たポリウレタン連続気泡フォームなど)に付着させ、次いでめっきされたメッシュを導電性フォームにラミネートすることを含む。次いで材料をラミネートした複合体又は積層体を、最終生成物が燃焼性等級(例えば、UL V−0など)を有するように難燃剤(例えば、ハロゲンフリー難燃剤など)でコーティングする。
【0030】
一実施例では、めっきされたメッシュを、メッキされたフォームの上面と下面の両方に沿って、めっきされたフォームに接着結合する。この実施例の導電性多孔質材料アセンブリ又は最終生成物は、5層の材料の最上部から底部にわたってZ軸伝導度を有する。5層は、めっきされたメッシュの最上層及び底層、めっきされたフォーム、めっきされたフォームと最上部及び底部のめっきされたメッシュ層とのそれぞれの間にある接着剤の上層及び下層である。
【0031】
別の実施例では、めっきされたメッシュを、めっきされたフォームの片面のみに沿って接着結合する。この実施例の導電性多孔質材料アセンブリ又は最終生成物は、3層の材料の最上部から底部にわたってZ軸伝導度を有する。この実施例では、3層は、めっきされたメッシュの層、めっきされたフォーム、めっきされたフォームとめっきされたメッシュ層との間の接着剤層である。
【0032】
例示的な実施形態は、導電性多孔質ファブリック(例えば、めっきされたメッシュなど)の1つ又は複数の層を導電性多孔質材料(例えば、めっきされたフォームなど)に接触させて、これらの層(例えば、めっきされたメッシュ層及びフォーム層など)をひとまとめに保持もしたままの状態で最上部から底部まで電流を維持する接着剤(例えば、ウェブ接着剤など)を含む。したがってこれらの例示的な実施形態は、本明細書に開示されるような難燃処理又はコーティングを行い、また行わない状態で、良好なZ軸伝導度を有する。さらなる例として、導電性多孔質材料アセンブリの例示的な実施形態は、めっきされたフォームの対向する最上面及び底面に沿って又はその上に、めっきされたメッシュの最上層及び底層を含む。第1のウェブ接着剤層又は上層が、最上面のめっきされたメッシュ層と、めっきされたフォームの最上面との間にある。第2のウェブ接着剤層又は下層が、底面のめっきされたメッシュ層と、めっきされたフォームの底面との間にある。この実施例では、ウェブ接着剤層は、めっきされたメッシュ層を、めっきされたフォームに接触させて、メッシュ層及びフォーム層をひとまとめに保持もしたままの状態で最上部から底部まで電流を維持する。この例示的な実施形態は、難燃処理又はコーティングを行い、また行わない状態で、良好なZ軸伝導度を有する。
【0033】
導電性多孔質材料アセンブリの別の例示的な実施形態は、めっきされたフォームの最上面又は底面のどちらかに沿って又はその上に、めっきされたメッシュのただ1つの層を含む。ウェブ接着剤の層が、めっきされたメッシュ層と、めっきされたフォームとの間にある。この実施例では、ウェブ接着剤層が、めっきされたメッシュ層を、めっきされたフォームに接触させて、メッシュ層及びフォーム層をひとまとめに保持もしたままの状態で最上部から底部まで電流を維持する。この例示的な実施形態は、難燃処理又はコーティングを行い、また行わない状態で、良好なZ軸伝導度を有する。
【0034】
例としての方法では、この方法が行われる場所で銀を使用せず、例えばフォームには、その場所で銀をめっきしない。このようにすることで、この方法又は工程を、銀めっきが可能ではない領域で行うことができるようにする。また、この実施例では、フォームコア(又はその他の多孔質コア材料)及び外側メッシュ(又はその他の多孔質ファブリック)を別々の工程でめっきし、その後、軽量のホットメルトウェブ接着剤及びラミネーション工程を使用することにより、例えばマイヤー平台ラミネータなどを使用して、めっきした後にひとまとめに接合する。いくつかの実施形態では、導電性フォーム及びめっきされたメッシュを、異なる地理的位置で既にめっきされた後に外部ソースから得ることができる
。その場合、方法は、フォームをめっきする工程及びメッシュをめっきする工程を含まない。しかしこの方法は、代わりに、既にめっきされたフォーム及びメッシュを選択し又は得る工程を含んでいてもよい。その他の例示的な実施形態では、方法は、メッシュをフォームの両面に接着結合する前に、誘電体フォームをめっきする工程及び/又は誘電体メッシュをめっきする工程を含んでいてもよい。
【0035】
次に図を参照すると、
図1は、本開示の1つ又は複数の態様を具体化する、導電性多孔質材料アセンブリ(又は、材料をラミネートした積層体)100とそれを作製し又は生成する例示的な方法の、第1の例示的な実施形態を示す。図示されるように、導電性多孔質材料アセンブリ100は、導電性フォーム102(広範には、導電性多孔質材料)を含む。めっきされたメッシュ104(広範には、導電性多孔質ファブリック)は、フォーム102の両面上に又は両面に沿って存在する。
【0036】
図1に示されるように、接着剤106及びラミネーション工程は、めっきされたメッシュ104を、電導性フォーム102の対向する第1の面及び第2の面に結合するのに使用される。より具体的には、第1の接着剤層106は、第1のめっきされたメッシュ層104と、導電性フォーム102の第1の面又は上面との間にある。第2の接着剤層106は、第2のめっきされたメッシュ層104と、導電性フォーム102の第2の面又は下面との間にある。
【0037】
この実施例では、導電性多孔質材料アセンブリ100は、本明細書に開示される難燃処理も受ける。単なる例として、この実施例の方法における難燃処理は、米国特許第7,060,348号に記載される難燃コーティング工程に類似し又は同一であってもよく、この工程によれば導電性フォームはUL V−0でありかつハロゲンフリーである。米国特許第7,060,348号の開示全体を、本願明細書に援用する。
【0038】
引き続き
図1を参照しながら、ラミネート及び難燃処理に関する例としての操作パラメータを、次に単なる例示を目的に示す。代替の実施形態は、異なる操作パラメータ(例えば、より高い又はより低い温度範囲など)を含んでいてもよい。
【0039】
第1の工程、方法、又は操作は、2層のめっきされたメッシュ104の第1の層を、導電性フォーム102にラミネートすることを含む。この実施例では、ラミネートする工程は、約140℃から約160℃の範囲内の温度、1分当たり約3メートルから1分当たり約6メートルの範囲内の速度、さらにベルト又はローラの間のギャップが約1ミリメートルから約5ミリメートルの範囲内にある、平台ラミネータを使用して行われる。
【0040】
第2の工程、方法、又は操作は、第1のメッシュ層104が第1の工程でラミネートされた、導電性フォーム102の難燃コーティングを含む。この実施例では、難燃処理は、約70℃から約80℃の範囲内の温度、1分当たり約61センチメートル(約2フィート)から1分当たり約122センチメートル(約4フィート)の範囲内の速度で、さらに約0.49kg/cm
2(平方インチ当たり約7ポンド)から約0.70kg/cm
2(平方インチ当たり約10ポンド)の範囲内のニップ圧力で行われる。この実施例では、導電性フォーム102は、2つのめっきされたメッシュ層104の一方が導電性フォーム102にラミネートされた後に、難燃処理を受ける。その他の例示的な実施形態では、導電性フォーム102は最初に難燃処理を受けてもよく、その後、任意のめっきされたメッシュ層104を導電性フォーム102にラミネートする。さらにその他の例示的な実施形態では、導電性フォーム102は、2つのめっきされたメッシュ層104の両方が導電性フォーム102にラミネートされるまで、難燃処理を受けなくてもよい。
【0041】
第3の工程、方法、又は操作は、第2の、めっきされたメッシュ104の2つの層の残
りの一方を、導電性フォーム102の反対側にラミネートすることを含む。この実施例では、ラミネートする工程は、約140℃から約160℃の範囲内の温度、1分当たり約3メートルから1分当たり約6メートルの範囲内の速度で、さらにベルト又はローラの間のギャップが約1ミリメートルから約5ミリメートルの範囲内で、平台ラミネータを使用して行われる。
【0042】
いくつかの例示的な実施形態はさらに、最終生成物又は導電性難燃材料100をスリットし、ダイカットし、又はその他の手法で再度サイズ決めをし成形することを含む、第4の工程、方法、又は操作を含んでいてもよい。例えば導電性難燃材料100は、スリットしダイカットすることにより、特定の顧客の要求を満たすいくつかのより小さい小片にしてもよい。特定のサイズ及び/又は形状は、サイズ及び形状が固定された工程パラメータにならないように、生成物のサイズ及び顧客の要求に応じて様々であってもよい。
【0043】
次に
図2を参照すると、本開示の1つ又は複数の態様を具体化する、導電性多孔質材料アセンブリ(又は、材料をラミネートした積層体)200とそれを作製し又は生成する例示的な方法の、第2の例示的な実施形態が示されている。図示されるように、導電性多孔質材料アセンブリ200は、導電性フォーム202、このフォーム202の両面上の又は両面に沿った第1及び第2のめっきされたメッシュ層204、導電性フォーム202と第1及び第2のめっきされたメッシュ層204のそれぞれとの間にある第1及び第2の接着剤層を含む。
【0044】
この実施例では、導電性多孔質材料アセンブリ200は、本明細書に開示される難燃処理も受ける。単なる例として、この実施例の方法における難燃処理は、米国特許第7,060,348号に記載される難燃コーティング工程に類似し又は同一であってもよく、この工程によれば導電性フォームはUL V−0でありかつハロゲンフリーである。米国特許第7,060,348号の開示全体を、本願明細書に援用する。
【0045】
この例示的な実施形態では、導電性多孔質材料アセンブリ200はさらに、第1のめっきされたメッシュ層又は上層204の上に又はこの層に沿って、導電性感圧接着剤(PSA)の層208を含む。操作中、導電性PSA208は、導電性多孔質材料アセンブリ200を、顧客製品、例えば電子デバイスなどの表面のような、支持面に接着結合するために使用されてもよい。例として、導電性PSA208は、Z軸(接着剤の厚さ)を通して異方性伝導度を有する0.07ミリメートル(±0.01mm)の厚さの支持なしアクリル系感圧転写接着剤からなるものであってもよく、この接着剤は、広く様々な基材に対する良好な粘着性及び剪断性と、極めて低い電気抵抗(例えば、0.05オーム未満のZ軸抵抗など)とをもたらす。PSAは、本明細書で定義されるようにRoHS指令に準拠しておりかつハロゲンフリーであってもよい。PSAは、多くの金属及びプラスチックに対する優れた接着(例えば、25mm当たり12ニュートン超の引き剥がし粘着力)、長期間にわたる優れた接着、十分にバランスのとれた接着及び凝集性、極めて低い電気抵抗を、与えることができる。PSAは、好適には清浄で乾燥した十分に一体化された結着面に、21℃から38℃の付着温度範囲及び高圧で、荷重、治具、手などにより付着させてもよい。
【0046】
図2において、導電性PSAの層208は、第1のめっきされたメッシュ層又は上層204のみの上に又はこの層のみに沿って存在する状態が示されている。その他の例示的な実施形態では、導電性PSA208は、導電性PSA208の2層、即ち上層及び下層が存在するように、第2のめっきされたメッシュ層又は下層204の上に又はこの層に沿って追加として配置されてもよい。さらにその他の例示的な実施形態では、導電性PSA208は、第1のめっきされたメッシュ層又は上層204の上に導電性PSAの層208が存在しないように、第2のめっきされたメッシュ層又は下層204のみの上に又はこの層
のみに沿って配置されてもよい。さらにその他の例示的な実施形態(例えば、導電性多孔質材料アセンブリ100など)は、めっきされたメッシュ204の上に又はこのメッシュに沿っていかなる導電性PSAも含まない。
【0047】
引き続き
図2を参照すると、導電性多孔質材料アセンブリ100に関して上記にて提供されたラミネート及び難燃処理に関する実施例の操作パラメータを、導電性多孔質材料アセンブリ200に使用してもよい。しかしこの第2の例示的な実施形態では、導電性PSA208が、難燃処理の後に、第1のめっきされたメッシュ層又は上層204にラミネートされる追加の工程、方法、又は操作もある。
【0048】
導電性PSA208に関するこの追加のラミネーション工程は、めっきされたメッシュの両方の層204が導電性フォーム202に既にラミネートされた後、及び難燃処理の後であるが、最終生成物又は導電性多孔質材料アセンブリにスリットが設けられ、ダイカットされ、又はその他の手法で再度サイズ決めされ成形される前に、行ってもよい。第1のめっきされたメッシュ層又は上層204に、導電性PSA208をラミネートする工程は、室温で又は約70℃から約90℃の範囲内の温度で、1分当たり約4メートルから1分当たり約8メートルの範囲内の速度で、さらにベルト又はローラの間のギャップが約1ミリメートルから約5ミリメートルの範囲内で行ってもよい。
【0049】
次に
図3を参照すると、本開示の1つ又は複数の態様を具体化する、導電性多孔質材料アセンブリ(又は材料をラミネートした積層体)300とそれを作製し又は生成する例示的な方法の、第3の例示的な実施形態が示されている。図示されるように、導電性多孔質材料アセンブリ300は、導電性フォーム302、フォーム302の片面上の又は片面に沿っためっきされたメッシュ304、導電性フォーム302とめっきされたメッシュ304との間にある接着剤306を含む。
【0050】
導電性多孔質材料アセンブリ100、200に関して上記にて提供されたラミネート及び難燃処理のための実施例の操作パラメータを、導電性多孔質材料アセンブリ300にも使用してもよい。しかしこの第3の例示的な実施形態では、フォーム302の片面のみの上に又は片面のみに沿って、めっきされたメッシュ304がある。したがってこの例示的な実施形態は、めっきされたメッシュをフォーム302の第2の面にラミネートするための工程、方法、又は操作を含まない。
【0051】
図4は、本開示の1つ又は複数の態様を具体化する、導電性多孔質材料アセンブリ(又は材料をラミネートした積層体)400とそれを作製し又は生成する例示的な方法の、第4の例示的な実施形態を示す。図示されるように、導電性多孔質材料アセンブリ400は、導電性フォーム402、フォーム402の片面上に又は片面に沿っためっきされたメッシュ404、導電性フォーム402とめっきされたメッシュ404との間にある接着剤406を含む。
【0052】
図2に示される例示的な実施形態と同様に、導電性多孔質材料アセンブリ400はさらに、導電性感圧接着剤(PSA)の層408を、めっきされたメッシュの層404の上に又はこの層に沿って(例えば、ラミネートされて)含む。操作中、導電性PSA408は、導電性多孔質材料アセンブリ400を、顧客製品、例えば電子デバイスなどの表面のような、支持面に接着結合するのに使用されてもよい。この第4の例示的な実施形態では、導電性PSA408は、難燃処理の後に、めっきされたメッシュの層404にラミネートされる。
【0053】
導電性多孔質材料アセンブリ200に関する上述の実施例の導電性PSA208を、導電性多孔質材料アセンブリ400の導電性PSA408にも使用してもよい。導電性多孔
質材料アセンブリ100、200に関して上記にて提供されたラミネート及び難燃処理に関する実施例の操作パラメータを、導電性多孔質材料アセンブリ400にも使用してもよい。
【0054】
図5は、本開示の1つ又は複数の態様を具体化する、導電性多孔質材料アセンブリ(又は材料をラミネートした積層体)500とそれを作製し又は生成する例示的な方法の、第5の例示的な実施形態を示す。図示されるように、導電性多孔質材料アセンブリ500は、導電性フォーム502、フォーム502の片面上に又は片面に沿った、めっきされたメッシュ504、導電性フォーム502とめっきされたメッシュ504との間にある接着剤506を含む。
【0055】
図2,4に示される例示的な実施形態と同様に、導電性多孔質材料アセンブリ500はさらに、導電性感圧接着剤(PSA)の層508を含む。しかしこの第5の例示的な実施形態では、導電性PSA508は、導電性フォーム502の上に又はこのフォームに沿って存在する。操作中、導電性PSA508は、導電性多孔質材料アセンブリ500を、顧客製品、例えば電子デバイスなどの表面のような、支持面に接着結合するのに使用されてもよい。この第5の例示的な実施形態では、導電性PSA508は、難燃処理の後に導電性フォーム502にラミネートされる。
【0056】
導電性多孔質材料アセンブリ200に関する上述の実施例の導電性PSA208を、導電性多孔質材料アセンブリ500の導電性PSA508にも使用してもよい。導電性多孔質材料アセンブリ100、200に関して上記にて提供されたラミネート及び難燃処理に関する実施例の操作パラメータを、導電性多孔質材料アセンブリ500にも使用してもよい。
【0057】
広範な材料を、本明細書に開示される例示的な実施形態で導電性多孔質材料(例えば、フォーム102、202、302、402、502など)、導電性多孔質ファブリック(例えば、めっきされたメッシュ104、204、304、404、504など)、及び接着剤(例えば、接着剤106、206、306、406、506など)に使用することができる。例として、導電性多孔質材料は、少なくとも1つの導電性層(例えば、金属化層、金属めっきなど)が間隙の内面に配置されていることにより間隙の内面が導電性である、内部間隙を有するポリウレタン連続気泡フォームからなるものであってもよい。銅、ニッケル、銀、パラジウム、白金、ニッケルがめっきされた銀、アルミニウム、スズ、これらの合金なども含め、広範な導電性材料を、フォーム上の導電性層に使用することができる。
【0058】
接着剤層(例えば、接着剤106、206、306、406、506など)は、軽量のホットメルトウェブ接着剤からなるものであってもよい。接着剤は、好適には軽量であり、かつめっきされたフォームと外側メッシュ層との間の電気接触が可能になるよう十分に目が粗い。例示的な実施形態では、(1つ又は複数の)接着剤層が、例えば高い結着強さ、良好な軟質性、洗浄耐性、溶媒耐性、環境への優しさ、又は有害物質を含まずに無害の状態を有していてもよい、ポリアミドホットメルト接着剤ウェブフィルムからなる。さらなる例として、接着剤は、坪量が8グラムから120グラム、幅が1センチメートルから2.8メートル、融解温度が125℃±3℃、洗浄温度が40℃、良好なドライクリーン性、ラミネーション温度が120℃から150℃、ラミネーション時間が8秒から15秒、圧力が2.5バールから3.5バールである、ポリアミドホットメルト接着剤ウェブフィルムからなるものであってもよい。
【0059】
導電性多孔質ファブリックは、金属化された又は金属がめっきされたメッシュファブリック、例えば、レアードテクノロジーズインコーポレイテッド社製のニッケル及び銅がめ
っきされたタフタファブリック、ニッケル及び銅がめっきされたリップストップファブリック、ならびに/又はニッケル金属がめっきされたファブリックからなるものであってもよい。1つの例示的な実施形態は、ファブリック上に予めめっきされた銅のベース層を覆うようにニッケルがめっきされている、ニッケル及び銅がめっきされたファブリックを含むレアード社のFlectron(登録商標)金属化ファブリックの2つの小片を含む。使用中、銅のベース層は高導電性の銅であり、一方ニッケルの外層は耐腐食性を提供する。代替の実施形態は、ポリウレタンフォーム以外の異なる多孔質材料、メッシュ以外の異なる多孔質ファブリック(例えば、織布、不織布、節のあるファブリック、又はメリヤス生地、目が粗いテクスチャを有するその他の材料など)、異なる金属めっき、及び/又は異なる接着剤などの、異なる材料を含んでいてもよい。
【0060】
例示的な実施形態では、導電性多孔質材料アセンブリ(例えば、アセンブリ100に類似するものなど)は、平方当たり0.10オーム以下(例えば、平方当たり0.07オームなど)の表面抵抗率と、20オーム・cm以下のバルク抵抗率を有する。引き続きこの実施例では、導電性多孔質材料アセンブリのこの例示的な実施形態は、60デシベル以上の平均遮蔽有効度も有する。例えば
図6は、導電性難燃多孔質材料アセンブリの例示的な実施形態に関してMIL−DTL−83528C(修正済み)により測定された、単位がヘルツ(Hz)の周波数に対する単位がデシベル(dB)の遮蔽有効度を示す線グラフであり、この試験結果は、30メガヘルツ(MHz)から18ギガヘルツ(GHz)の周波数範囲で60デシベル以上の遮蔽有効度を示す。その他の実施形態では、導電性多孔質材料アセンブリは、その表面抵抗率、バルク抵抗率、及び/又は平均遮蔽有効度がこのパラグラフに示される値よりも高くもしくは低くなるように、異ならせて構成されてもよい。
【0061】
したがって本開示の例示的な実施形態は、間隙の内面が導電性でありかつ有効量の難燃剤を含有する、内部間隙を有する多孔質材料を含む、難燃導電性EMI遮蔽材料を提供する。様々な例示的な実施形態では、難燃剤は、遮蔽材料の間隙内全体に分散されて内面に接着された、微粒子の形をとる。そのような実施形態では、微粒子は好適には、間隙により画定される全内面領域の過半数未満(例えば、約30%以下、約20%以下、約10%以下など)を占有する。その他の例示的な実施形態では、難燃剤は、間隙の内面にある比較的薄いコーティングの形をとり、このコーティングは、約12ミクロン以下、約5ミクロン以下、約2ミクロン以下などの厚さを有していてもよい。例示的な実施形態では、導電性多孔質材料は閉塞した間隙を実質的に含まず、例えば多孔質材料の間隙(又は細孔)の過半数未満(例えば、25パーセント未満、10パーセント未満など)が閉塞しており又は遮断されている。
【0062】
本明細書に開示される導電性多孔質材料アセンブリの例示的な実施形態は、難燃性(例えば、UL−V−0など)、満足のいく又は良好な遮蔽有効度(例えば、少なくとも約65デシベルの平均遮蔽有効度など)、及び満足のいく又は良好なバルク抵抗(例えば、バルク抵抗率(50パーセント圧縮した場合)が約20オーム・cm以下、約1オーム・cm、約0.05オーム・cm以下など)を有利に示す遮蔽材料として使用されてもよい。その背景として、遮蔽有効度は、材料内を伝達される信号の減衰の尺度である。例示的な実施形態では、本明細書に開示される導電性多孔質材料アセンブリは、伝達インピーダンス試験により1メガヘルツ(MHz)から1ギガヘルツ(GHz)で測定したときに、少なくとも65デシベル(dB)、少なくとも約80dB、少なくとも約90dBなどの平均遮蔽有効度を示すことができる。
【0063】
好ましい例示的な実施形態では、難燃剤は、工業規格により定義されるようにハロゲンフリーである。さらに、導電性多孔質材料アセンブリのその他の構成要素(例えば、導電性フォーム、めっきされたメッシュ、接着剤など)も、好適にはハロゲンフリーである。したがって、本明細書に開示される導電性多孔質材料アセンブリの、例としての実施形態
は、環境に優しいものと見なされかつ工業規格によればハロゲンフリーであると見ることができる。例えば、本明細書の例としての実施形態は、国際電気標準会議(IEC)国際規格IEC61249−2−21(第15頁、2003年11月、第1版)によれば、ハロゲンフリーと見ることができる。国際規格IEC61249−2−21は、欧州連合の危険物質制限(RoHS)指令の対象となる電気電子機器に関して「ハロゲンフリー」(又は、ハロゲンを含まない)を、塩素が最大で900ppm以下、臭素が最大で900ppm以下、及びハロゲンの合計が最大で1500ppm以下であると定義する。「ハロゲンフリー」や「ハロゲンを含まない」などの文言は、本明細書では同様に使用する。
【0064】
本明細書に開示される難燃処理は、有効量の難燃剤を間隙の内面に提供するために、内部間隙(その内面は導電性である。)を有する多孔質材料に難燃剤を含浸させる工程を含んでいてもよい。難燃剤は、水溶性又は水分散性ポリマーなどのポリマー担体(例えば、ポリウレタンなど)を任意選択で含むことができる、水性組成物の形をとってもよい。水性組成物の溶媒は、水及び水混和性有機溶媒であってもよく、任意選択で、非水混和性有機溶媒を含まない状態とすることができる。この方法は、含浸済みの多孔質材料を硬化する工程を含んでいてもよい。有利には、これは電気的性質の実質的な低下なしにかつバルク抵抗率の有意な増大なしに、例えばバルク抵抗率が約10倍以下で増大し、例えばバルク抵抗率が1倍以下で増大する状態で、有効量の難燃剤を提供することができる。したがって例示的な実施形態は、遮蔽能力が実質的に低下することなく難燃性を示す、難燃導電性多孔質EMI遮蔽材料を提供する。
【0065】
さらなる例として、使用することができる難燃剤は、リン酸アンモニウム塩などのリン酸ベースの難燃剤である。例示的な実施形態では、難燃剤は、赤リン難燃剤又は発泡性カーボングラファイトを含まず、アンチモンが最大で約1000ppm以下である。難燃剤は任意選択で、水溶性又は水分散性ポリマーなどのポリマー担体(例えば、ポリウレタン)を含むことができる。使用することができる難燃剤は、ハロゲンをベースにした、またハロゲンをベースにしない難燃剤などの、任意の難燃剤を含む。1実施形態では、リン酸ベースの難燃剤が使用される。使用することができるリン酸ベースの難燃剤の例は、リン酸アンモニウム、アルキルホスフェート、ホスホン酸化合物、これらの組合せなどである。使用することができる難燃剤の代表的な例には、デカブロモジフェニルオキシド、デカブロモジフェニルエーテル、3酸化アンチモン、ヘキサブロモシクロドデカン、エチレンビス−(テトラブロモフタルイミド)、塩素化パラフィン、ビス(ヘキサクロロシクロペンタジエノ)シクロオクタン、アルミニウム3水和物、水酸化マグネシウム、ホウ酸亜鉛、オキシデトリ−(1,3−ジクロロイソプロピル)リン酸亜鉛、ホスホン酸、オリゴマーホスホネート、ポリリン酸アンモニウム(APP)、リン酸2水素アンモニウム(ADP)、リン酸トリフェニル(TPP)、リン酸2アンモニウム及び1アンモニウム塩、又はこれらの任意の混合物が含まれる。例示的な実施形態では、難燃剤は、ハロゲンフリー難燃材料を提供するために、ハロゲンを含まず又は実質的に含まない。市販の難燃剤の特定の例は、クラリアントコーポレーション(Clariant Corporation)[ドイツ所在]、アペックスケミカルカンパニー(Apex Chemical Company)[サウスカロライナ州スパルタンバーグ(Spartanburg)所在]、及びアクゾノベル(Akzo Nobel)[ニューヨーク州ドブズフェリー(Dobbs Ferry)所在]から販売されている。
【0066】
フォーム及びその他の多孔質材料は、内部間隙(又は、細孔)を有する。間隙(又は細孔)の内面は、材料全体に示される間隙又は細孔の相互接続された網状構造内の、「内面領域」を画定する。本明細書に開示される例示的な実施形態では、多孔質材料は、熱可塑性エラストマーから作製されたフォームなど(例えば、ポリウレタンフォームなど)の、連続気泡ポリマーフォームであってもよい。そのような例示的な実施形態では、ポリマーフォームは、ある遮蔽の適用例に有益な、有利な変形可能性を有する。いくつかの例示的
な実施形態では、多孔質材料は、2.54センチメートル(インチ)当たり約5から120個の細孔、2.54センチメートル(インチ)当たり約50から70個の細孔などを有するフォームである。
【0067】
多孔質材料(例えば、導電性フォーム102、202、302、402、502など)の内面は、材料の内面領域全体を通して導電性材料の少なくとも1つの層を堆積することにより、導電性にすることができる。遮蔽の適用例における導電性は、約300オーム/平方以下の表面抵抗率を意味することができる。導電性材料は、導電性充填剤、金属層、又は導電性非金属層の形をとることができる。導電性充填剤の例には、カーボングラファイト、金属フレーク、金属粉末、金属ワイヤ、金属めっきされた粒子、これらの組合せなどが含まれる。多孔質材料には、材料全体に充填剤を分散させるため、充填剤を含浸させることができる。金属化層は、めっき又はスパッタリングによって付着させることができる。多孔質材料に導電性を与えるために使用してもよい金属には、銅、ニッケル、銀、パラジウム、白金、ニッケルをめっきした銀、アルミニウム、スズ、これらの合金などが含まれる。多孔質材料の内面領域を導電性にするのに使用することができる非金属材料の例には、例えばd−ポリアセチレン、d−ポリ(フェニレンビニレン)、d−ポリアニリン、これらの組合せなどの、本質的に導電性のポリマーが含まれる。
【0068】
例示的な実施形態では、多孔質材料の内面に、有効量の難燃剤が与えられる。他の言い方をすれば、難燃剤は、相互接続された間隙(又は細孔)の面上に配置されることによって材料全体に分散される。本開示の文脈において「有効量」は、遮蔽材料に少なくとも水平燃焼性等級を与えると同時に、EMI遮蔽の適用例に十分なZ軸伝導度又はバルク抵抗率を保持する、難燃剤の量である。多孔質材料全体に分散される難燃剤の量は、約339g/m
2(平方ヤード当たり約10オンス(opsy))以下、約170g/m
2(約5opsy)以下、約102g/m
2(約3opsy)などであってもよい。
【0069】
例示的な実施形態では、ポリマーコーティングが、間隙(又は細孔)の内面と難燃剤との間に任意選択で配置される。遮蔽材料には、可燃性を実質的に増大させることなくポリマーコーティングを設けることができることが、有利に見出された。遮蔽材料に与えられる量は、材料の遮蔽有効度を実質的に低下させないと同時に可燃性を増大させる、任意の量である。使用することができるポリマー材料の例は、ポリ(エチレン)、ポリ(ホスファゼン)、ポリ(アクリロニトリル)、ポリ(スチレン)、ポリ(ブタジエン)、可塑化ポリ(塩化ビニル)、ポリクロロプレン(ネオプレン)、ポリカーボネート、ポリ(酢酸ビニル)、アルキルセルロース、ポリ(エチレンテレフタレート)、リン酸及びポリホスホン酸エステル、エポキシ樹脂、スチレンと無水マレイン酸とのコポリマー、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、及びウレタンなどの、ホモポリマー、コポリマー、及びこれらの混合物である。コーティング用のポリマー材料は、水溶性又は水分散性ポリマーであってもよい。1つの特定の実施形態では、多孔質材料の内面領域に、乾燥コーティング重量が約34g/m
2(平方ヤード当たり約1オンス(opsy))未満、約20g/m
2(約0.6opsy)未満などの、ウレタンポリマーコーティングが設けられる。ポリマーコーティングの実際の量は、遮蔽材料の遮蔽有効度及び可燃性が悪影響を及ぼさない限り、可変である。
【0070】
様々な実施形態では、難燃遮蔽材料は、有効量の難燃剤を間隙の内面上に配置するのに十分な条件下、上述の遮蔽材料に難燃剤を含浸させることによって調製される。例えば多孔質材料を、難燃剤を含有する液体組成物中に浸漬することができる。多孔質材料に難燃剤を含浸させるその他の方法には、スプレー、エアーナイフコーティング、トップアンドボトムディレクトコーティング、スロットダイ(押出し)コーティング、ロール式ナイフ(ギャップ)コーティング、測定棒コーティング、デュアルリバースロールコーティングなどが含まれる。
【0071】
ある実施例では、多孔質材料は、この材料を、十分な粘度の液体難燃組成物に、この組成物が材料全体に拡散するのに十分な時間浸漬することによって含浸させる。過剰な難燃剤を除去して(例えば、含浸済み材料をニップ処理することによって)閉塞の発生を最小限に抑え、その後、含浸済み材料、当技術分野で公知の任意の技法によって硬化する。フォーム材料の潜在的な膨潤を最小限に抑える(又は少なくとも低減させる)ため、水性組成物を、ポリマーフォームの含浸に使用してもよい。「水性」は、液体組成物の溶媒の大部分が水であり、又は水と水混和性有機溶媒との組合せであることを意味する。溶媒は、非水混和性有機溶媒を含まない状態のものであってもよい。例示的な実施形態では、硬化は、組成物に含有される構成要素に応じた硬化手段を選択して材料を乾燥することによって(例えば、周囲温度で又は炉を用いて)行われる。
【0072】
フォーム材料を含浸するのに使用することができる液体難燃組成物は、本明細書に記述されるクラリアントコーポレーション(Clariant Corporation)、アペックスケミカルカンパニー(Apex Chemical Company)、及びアクゾノベル(Akzo Nobel)などの様々な供給元から入手可能である。液体組成物の粘度は、多孔質材料内を容易に拡散し浸透するように、十分低いものであるべきである。例えば液体難燃組成物は、秒当たり約1000センチポアズ(cps)以下、約500cps以下、約100cps以下などの粘度を有していてもよい。難燃剤の粘度は、コーティング重量を変化させる他に、多孔質材料全体への拡散を容易にするよう調節することができる。任意選択で液体組成物は、難燃組成物の拡散を容易にするため湿潤剤を含むこともできる。使用することができる湿潤剤には、界面活性剤(例えば、陽イオン性、陰イオン性、非イオン性、及び両性イオン)が含まれる。湿潤剤は、約10重量パーセント以下、約4重量パーセント以下、約2重量パーセント以下などの量で、組成物に組み込むことができる。
【0073】
例示的な実施形態では、液体難燃組成物は、多孔質遮蔽材料の間隙(又は細孔)の内面での薄い難燃コーティングの形成を容易にするために、ポリマー担体も含んでいてもよい。使用することができるポリマー担体には、水溶性又は水分散性ポリマーが含まれる。例示的な実施形態では、水ベースのウレタンポリマー組成物を利用してもよい。難燃剤とポリマー担体との比は、乾燥重量ベースで約1:1から約5:1に及んでもよく、乾燥重量ベースで約2:1から約3:1の比などに及んでもよい。
【0074】
前述のように、多孔質材料には任意選択で、遮蔽材料の可燃性を増大させることなくポリマーコーティングを設けることができる。例示的な実施形態では、遮蔽材料に最初にポリマーコーティング組成物を含浸させる。過剰なポリマーコーティング材料を含浸済み遮蔽材料から除去して、閉塞した間隙を最小限に抑え(又は少なくとも実質的に低減させ)、任意選択で硬化(例えば、乾燥)した後に難燃剤を付着させる。
【0075】
多孔質材料に難燃剤を含浸する工程、操作、又は方法は、多孔質材料全体に分散した難燃剤をもたらす。多孔質材料に難燃剤を与える方法は、遮蔽材料に関してバルク抵抗率の10倍以下の増加、バルク抵抗率の約1倍以下の増加、0.1倍以下の増加などをもたらすことができる。難燃剤が与えられた多孔質材料の平均遮蔽有効度は、30パーセント以下低下し、20パーセント以下低下し、10パーセント以下低下し、さらに同様に低下する可能性がある。
【0076】
本明細書に開示される、導電性多孔質材料アセンブリの例としての実施形態は、工業規格による所望の燃焼性等級を実現することができる。例えば、例示的な実施形態は、アンダーライターズラボラトリーズ規格No.94、「装置及び器具部品のプラスチック材料燃焼性試験」(第5版、1996年10月29日)(以後、UL−94)を実現すること
ができる。例えば、いくつかの導電性多孔質材料アセンブリは、V−0のより高い燃焼性等級を実現することができる。その他の導電性多孔質材料は、V−1、V−2、HB、又はHF−1などの、より低い燃焼性等級のみを実現することができる。導電性多孔質材料アセンブリの、例としての実施形態の所望のUL−94燃焼性等級は、例えば、導電性多孔質材料アセンブリの特定の適用例又は設置に応じて変化させることができる。
【0077】
そのようなわけで、燃焼性等級は、UL−94を使用して、又は米国材料試験協会(ASTM)可燃性試験を使用して決定することができる。UL−94は、V−0、V−1、V−2、HB、及びHF−1の燃焼性等級を含み、ここでV−0は、より高い燃焼性等級であり、HF−1はより低い燃焼性等級である。とりわけ、V−0等級は、V−1、V−2、HB、及びHF−1等級よりも実現するのが非常に難しい。より低いV−1等級を実現するサンプル生成物は、より高いV−0等級を必ずしも実現するとは限らないことが考えられる。事実、サンプル生成物のV−0及びV−1等級は、サンプル生成物に関して相互に排他的であるとして処理され、重複していない。言い換えれば、V−1等級を有することが確認されたサンプル生成物は、V−0等級を有するとは見なされないことも考えられる(そうでない場合には、V−0等級を有することが確認されると考えられる。)。
【0078】
UL−94の下、サンプル生成物の5つの試験片を1つの組にして、その数組かに関する燃焼試験に基づいて、サンプル生成物に関する燃焼等級を決定する。表1は、UL−94 V−0、V−1、V−2燃焼性等級を決定するのに使用された基準を示す。例えば、V−0の燃焼性等級を実現するには、試験をしたサンプル生成物の個々の試験片それぞれに関する残炎時間(t
1又はt
2)が10秒以下でなければならず、合計残炎時間(5つの試験片全てに関するt
1+t
2)は50秒以下でなければならず、個々の試験片それぞれに関する残炎時間に残じん時間を加えたもの(t
2+t
3)は、30秒以下でなければならない。少なくとも、これらの基準のそれぞれは、V−0の燃焼性等級を実現するように満足させなければならない。理解できるように、V−0等級は、V−1又はV−2等級よりも実現するのが非常に難しい。
【0080】
以下の表、及び
図6〜9までは、本開示の例示的な実施形態により生成された、導電性多孔質材料アセンブリの試験片に関して測定された試験結果を含む。これらの試験結果は、単なる例示を目的に提示され、限定を目的とするものではない。
【0081】
すぐ下の表は、導電性フォーム、2重メッシュ(フォームの第1及び第2の面のそれぞれに沿ったメッシュ)、12グラムのウェブ接着剤、及び難燃コーティング(APEX911(50%)+2%抗酸化剤)を含んだ厚さ2ミリメートルの試験片に関して測定された、単位がオームであるZ軸抵抗、平方ヤード当たりのオンス数(OPSY)を単位とする難燃剤坪量、及び燃焼性試験結果を提示する。
【0085】
図6は、導電性フォーム、2重メッシュ(フォームの第1及び第2の面のそれぞれに沿ったメッシュ)、12グラムのウェブ接着剤、及びAPEX911(40%)+2%抗酸化剤による難燃コーティング処理を含んだ厚さ2ミリメートルの試験片に関してMIL−DTL−83528C(修正済み)により測定された、単位がヘルツ(Hz)である周波数に対して単位がデシベル(dB)である遮蔽有効度を示す線グラフである。この試験片は、UL94 V−0の燃焼性等級も実現した。
図6により示されるように、この試験片は、30メガヘルツ(MHz)から18ギガヘルツ(GHz)の周波数範囲に関して60デシベル以上の遮蔽有効度を有していた。例えば試験片は、30MHzで約60デシベル、300MHzで約80デシベル、3GHzで約105デシベル、及び18GHzで約92デシベルの遮蔽有効度を有していた。その他の実施形態では、導電性多孔質材料アセンブリは、例えば
図6に示されるものとは異なる、より高い、又はより低い遮蔽有効度を有するように、異ならせて構成されてもよい。
【0086】
図7は、導電性難燃多孔質材料アセンブリの2つの試験片に関して測定された、圧縮パーセンテージに対する抵抗(単位 平方インチ当たりのオーム数)及び力(平方インチ当たりのポンド数)を示す、力変位抵抗の線グラフである。この特定の試験では、各試験片が厚さ約2.27ミリメートルであり、重量が約260g/m
2(平方ヤード当たり約7.72オンス)及び難燃コーティング重量が約63g/m
2(平方ヤード当たり約1.88オンス)であった。各試験片は、導電性フォーム、2重メッシュ(例えば、フォームの第1及び第2の面のそれぞれに沿った、めっきされたメッシュ)、12グラムのホットメルト接着剤、及び難燃剤溶液APEX911(33%)+2%抗酸化剤による処理又はコーティングを含んでいた。
図7により示されるように、試験片は、良好な又は満足のいく力変位抵抗結果、例えば、50%の圧縮で約0.03オーム/cm
2(平方インチ当たり0.2オーム)以下のZ軸抵抗を有していた。この実施例では、試験片が、50%の圧縮
で約0.0022オーム/cm
2(平方インチ当たり約0.014オーム)のZ軸抵抗を有していた。試験片は、約3%の圧縮で約0.03オーム/cm
2(平方インチ当たり約0.2オーム)のZ軸抵抗も有しており、このZ軸抵抗は、より高い圧縮パーセンテージの場合に低下した。引き続きこの実施例では、2つの試験片が、UL94 V−0の燃焼性等級、0.5オーム/平方以下(例えば、0.192オーム/平方など)の表面抵抗率、ミリメートル当たり0.1ニュートン以上の接着強さ、30パーセンテージ未満(例えば、23.8%など)の圧縮永久歪みも有しており、かつしわが全くなかった。その他の実施形態では、導電性多孔質材料アセンブリは、その他の材料、その他の難燃剤坪量で、異なる厚さ(例えば、厚さ2ミリメートル±0.5ミリメートルなど)で、かつ/又は異なる試験結果が得られるように、異ならせて構成されてもよい。
【0087】
図8は、導電性難燃多孔質材料アセンブリの2つの試験片に関して測定された、圧縮パーセンテージに対する抵抗(平方インチ当たりのオーム数)及び力(平方インチ当たりのポンド数)を示す、力変位抵抗の線グラフである。この特定の試験では、各試験片が厚さ約2.25ミリメートルであり、約208g/m
2(平方ヤード当たり約6.19オンス)の重量、及び約61g/m
2(平方ヤード当たり約1.89オンス)の難燃コーティング重量を有していた。各試験片は、導電性フォーム、単一メッシュ(例えば、フォームの片面のみに沿った、めっきされたメッシュ)、12グラムのホットメルト接着剤、及び難燃剤溶液APEX911(33%)+2%抗酸化剤による処理又はコーティングを含んでいた。
図8により示されるように、試験片は、良好な又は満足のいく力変位抵抗結果、例えば、50%の圧縮で約0.03オーム/cm
2(平方インチ当たり0.2オーム)以下のZ軸抵抗を有していた。この実施例では、試験片は、50%の圧縮で約0.003オーム/cm
2(平方インチ当たり約0.019オーム)のZ軸抵抗を有していた。試験片は、約5%の圧縮で約0.03オーム/cm
2(平方インチ当たり約0.2オーム)のZ軸抵抗を有し、このZ軸抵抗は、より高い圧縮パーセンテージの場合に低下した。引き続きこの実施例によれば、2つの試験片は、下記の表6により示されるように、UL94 V−0の燃焼性等級も実現した。試験片は、0.5オーム/平方(例えば、0.206オーム/平方など)以下の表面抵抗率、ミリメートル当たり約0.086ニュートンの接着強さ、40%未満(例えば、37.6%など)の圧縮永久歪みパーセンテージを有しており、かつしわが全くなかった。その他の実施形態では、導電性多孔質材料アセンブリは、例えばその他の材料、その他の難燃剤坪量で、異なる厚さ(例えば、厚さ2ミリメートル±0.5ミリメートルなど)で、かつ/又は異なる試験結果が得られるように、異ならせて構成されてもよい。
【0089】
図9は、導電性難燃多孔質材料アセンブリの2つの試験片に関して測定された、圧縮パ
ーセンテージに対する抵抗(平方インチ当たりのオーム数)及び力(平方インチ当たりのポンド数)を示す、力変位抵抗の線グラフである。この特定の試験では、各試験片が、厚さ約2ミリメートル±0.5ミリメートルであった。各試験片は、導電性フォーム、単一メッシュ(例えば、フォームの片面のみに沿った、めっきされたメッシュ)、及び12グラムのホットメルト接着剤を含んでいた。この特定の試験では、試験片は、難燃処理によってコーティングされず又は処理されなかった。
図9により示されるように、試験片は、良好な又は満足のいく力変位抵抗結果、例えば50%の圧縮で約0.03オーム/cm
2(平方インチ当たり0.2オーム)以下のZ軸抵抗を有していた。
【0090】
例としての実施形態は、この開示が完全に且つ十分にその範囲を当業者に伝えることになるように提供される。数多くの特定の詳細は、本開示の実施形態の完全な理解が得られるように、特定の構成要素、デバイス、及び方法の例などについて記述される。特定の詳細を用いる必要はなく、例としての実施形態は多くの異なる形に具体化することができ、この開示の範囲を限定するものと解釈すべきではないことが、当業者に明らかにされよう。いくつかの例としての実施形態では、周知の工程、周知のデバイス構造、及び周知の技術については詳細に述べていない。さらに、本明細書に開示される例示的な実施形態は、本開示の1つ又は複数の例示的な実施形態により実現できる利点及び改善点の全てを提供してもよく又は全く提供しなくてもよく、かつ本開示の範囲内に依然として包含されるので、上述の利点及び改善点は単なる例示を目的に提供され、本開示の範囲を限定するものではない。
【0091】
本明細書に開示される特定の寸法、特定の材料、及び/又は特定の形状は、本質的に例であり、本開示の範囲を限定するものではない。所与のパラメータに関する特定の値及び特定の値の範囲の本明細書における開示は、本明細書に開示される例の1つ又は複数で役立てることができる、その他の値及び値の範囲を除外するものではない。さらに、本明細書に記載される特定のパラメータに関する任意の2つの特定の値は、所与のパラメータに適切と考えられる値の範囲の端点を定めることができると考えられる(即ち、所与のパラメータに関する第1の値及び第2の値の開示は、第1の値と第2の値との間の任意の値も所与のパラメータに用いることができることを開示していると解釈することができる)。例えば、パラメータXが値Aを有するように本明細書で例示されかつ値Zも有するように例示される場合、パラメータXは、約Aから約Zの値の範囲を有してもよいと考えられる。同様に、1つのパラメータに関する値の2つ以上の範囲(そのような範囲が入れ子になっていても、重複していても、又は明確に区別されるものであっても)の開示は、開示される範囲の端点を使用して主張することができる値の範囲の、全ての可能性ある組合せを包含すると考えられる。例えば、パラメータXが1〜10、又は2〜9、又は3〜8の範囲の値を有するように本明細書で例示される場合、パラメータXは、1〜9、1〜8、1〜3、1〜2、2〜10、2〜8、2〜3、3〜10、及び3〜9を含めた値のその他の範囲も有していてもよいと考えられる。
【0092】
本明細書で使用される用語は、特定の例である実施形態のみについて記述することを目的とし、限定しようとするものではない。「〜からなる(comprises)」、「〜からなっている(comprising)」、「含む(including)」、及び「有する(having)」という用語は包括的であり、したがって記述されるフィーチャ、整数、工程、操作、要素、及び/又は構成要素の存在を明記するが、1つ又は複数のその他のフィーチャ、整数、工程、操作、要素、構成要素、及び/又はその群の存在又は付加を除外するものではない。本明細書に記述される方法の工程、方法、及び操作は、ある順序の性能として具体的に特定されない限り、論じられ又は例示される特定の順序でそれらの性能を必ず必要とすると解釈されるものではない。追加の又は代替の工程を用いてもよいことも理解される。
【0093】
要素又は層が、別の要素又は層の「上にあり」、「係合し」、「接続し」、又は「連結される」と言われる場合、この要素又は層は、直接、その他の要素もしくは層の上にあり、係合し、接続し、もしくは連結されていてもよく、又は介在する要素もしくは層が存在していてもよい。対照的に、要素が別の要素又は層の「上に直接あり」、「直接係合し」、「直接接続し」、又は「直接連結される」と言われる場合、介在する要素又は層は存在しないと考えられる。要素間の関係を記述するのに使用されるその他の単語も、同様に解釈されるべきである(例えば、「〜の間」対「〜の間に直接」、「〜に隣接」対「〜に直接隣接」など)。本明細書で使用される「及び/又は」という用語は、関連して列挙された項目の1つ又は複数の任意の及び全ての組合せを含む。
【0094】
「約」という用語は、値に付加される場合、計算又は測定でその値に若干の不正確さが許容されることを示す(その値の厳密さにある程度近接して;その値にほぼ又は適度に近く;ほぼ等しい)。何らかの理由で、「約」により提示された不正確さがこの通常の意味として当技術分野で他に理解されない場合、本明細書で使用される「約」は、そのようなパラメータを測定し又は使用する通常の方法から生じ得る、少なくとも変形例を示す。例えば、「一般に」、「約」、及び「実質的に」という用語は、本明細書では、製作公差の範囲内にあることを意味するのに使用されてもよい。又は例えば、本明細書で使用される「約」という用語は、本発明のもしくは用いられる成分もしくは反応物の量を修飾する場合、使用される典型的な測定及び取扱い手順により、例えばこれらの手順における不用意な誤りを通して現実世界で濃縮物もしくは溶液を作るときのそれ;組成物を作製しもしくは方法を実施するのに用いられる成分の製造、供給源、もしくは純度の相違を通して;その他で生じ得る、数量の変動を指す。「約」という用語は、特定の初期混合物から得られる組成物に関する異なる平衡条件に起因した、異なる量も包含する。「約」という用語により修飾されていてもいなくても、請求項は、その量の均等物を含む。
【0095】
第1、第2、第3などの用語は、本明細書では様々な要素、構成要素、領域、層、及び/又はセクションを記述するのに使用できるが、これらの要素、構成要素、領域、層、及び/又はセクションは、これらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、1つの要素、構成要素、領域、層、又はセクションを、別の領域、層、又はセクションと区別するためだけに使用されてもよい。「第1」、「第2」、及びその他の数値用語などの用語は、本明細書で使用される場合、文脈によって明示されない限り、配列又は順序を示唆するものではない。したがって、以下に論じられる第1の要素、構成要素、領域、層、又はセクションは、この例としての実施形態の教示から逸脱することなく、第2の要素、構成要素、領域、層、又はセクションと呼ぶことができる。
【0096】
「内側」、「外側」、「直下」、「下」、「下方」、「上」及び「上方」などの空間的に相対的な用語は、本明細書では、図に示される1つの要素又はフィーチャと別の(1つ又は複数の)要素又は(1つ又は複数の)フィーチャとの関係を説明する記述を容易にするために使用することができる。空間的に相対的な用語は、図に示される向きに加え、使用中又は操作中のデバイスの異なる向きを包含するものであってもよい。例えば、図中のデバイスをひっくり返した場合、他の要素又はフィーチャの「下」又は「直下」にあると記述された要素は、その他の要素又はフィーチャの上を向くと考えられる。したがって、例としての用語である「下」は、上と下の向きの両方を包含することができる。デバイスは、他の方向に向いていてもよく(90度回転させ、又はその他の向きにある。)、本明細書で使用される空間的に相対的な記述子はそれに従って解釈される。
【0097】
実施形態の前述の記述は、例示及び説明の目的で提示された。これは本開示を全て網羅するものでも限定するものでもない。特定の実施形態の個々の要素、意図されるもしくは主張される使用、又はフィーチャは、一般に、その特定の実施形態に限定されるものではなく、適用可能な場合には、具体的に示されず又は記述されない場合であっても、交換可
能であり選択された実施形態で使用することができる。これらは多くの方法で変えることもできる。そのような変形例は、本開示から逸脱するとは見なされず、そのような修正例の全ては本開示の範囲内に含まれるものとする。